老いることは「悲しいこと」なのか?認知症新薬レカネマブ承認を考える

国内での使用が承認され大きな話題となっている、日米の製薬会社が共同開発した認知症の新治療薬「レカネマブ」。従来の対症療法的なタイプとは異なる新薬の登場は、果たして人々に幸せをもたらすのでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合薫さんが、レカネマブを100%礼賛することはできないとしてその理由を解説。さらに治療薬の開発だけにとどまることなく、人間が持ち続けるべき「問い」についても深く考察しています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

老いと医学と価値観と

厚労省の専門部会は21日、認知症の進行を抑制する治療薬「レカネマブ」の承認を了承しました。すでにあちこちで大々的に報道されていますが、レカネマブはアルツハイマー病患者の脳内に蓄積する「アミロイドベータ(Aβ)」というたんぱく質を除去するよう設計されたバイオ医薬品です。これまでの「対症療法」にとどまる治療薬とは異なり、病気の原因に働きかけることで症状の進行を抑えます。

投薬の対象となるのは、軽度認知症と認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人。投与前に検査を徹底し、アルツハイマーであること、脳内にAβがたまっていることを確認する必要があり、投与は2週間に1回、点滴で行います。

約1,800人が参加した臨床試験(治験)では、18カ月の投与で、偽薬と比べて記憶力や判断力の悪化が27%抑えられました。しかし一方で、薬を使った人の12.6%に脳内の浮腫、17.3%に微小出血が報告されるなど副作用も確認されました。

米国では今年7月に正式承認され、高齢者向け保険の適用も決まりましたが、その効果を疑問視する専門家は少なくありません。懐疑的な意見を述べる専門家の中には「治験で示された27%の効果はごくわずかだ」という指摘や、「Aβはアルツハイマー病という複雑なパズルの1つのピースにすぎず、病気の進行を遅らせたり止めたりする上で重要かどうかはわからない」と考える人たちもいます。

個人的には、若年性のアルツハイマーには光をもたらす薬だと思います。しかし、高齢者の場合はどうなのかなぁと。認知症はわかっていないことも多く、アルツハイマーは加齢によるものとの意見も少なくありません。27%記憶力や判断力の悪化が抑えられたとしても、老いは止まりません。老いるということは、昨日まで当たり前にできていたことが、一つ一つできなくなること。その自然の摂理を遅らせることが、どれほど生活を豊かにするのか?私にはなんとも言葉にしがたい“つかえ”のようなものが、心の奥底にある。

「日本は超高齢社会だし、2025年には高齢者の5人に1人、国民の17人に1人が認知症になると予測されているから、レカネマブ!万歳!!」とは言えないのです。

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橋本環奈と中川大志の結婚説が急浮上も…“結婚の壁”は山崎賢人と広瀬すず

芸能関係者の間で「橋本環奈と中川大志の結婚説が急浮上している」と話すのは、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。しかし、人気者の結婚には難しさがあるようで、橋本と中川のゴールインにもある壁が存在するとか……?

橋本環奈の結婚説の根拠

中川大志と橋本環奈の結婚説が急浮上しているようで、芸能関係者たちをザワつかせています。

その根拠として言われているのが橋本の超多忙な、殺人的スケジュールです。

女優は顔がむくんでしまいますから、はしかんが大好きな毎晩の晩酌さえセーブしているのではないかと思うと…心配です。

まず、撮りはもう随分前に終わってはいますが、来月『Netflix』で『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』が世界配信されます。

10月期は『トクメイ! 警視庁特別会計係』。

そしてこれと同時に進行しているのが『千と千尋の神隠し』舞台版で、上白石萌音とWキャストとはいえ来年は英国公演が決まっています。

更にこれに加え来年後期、大阪局制作の朝の連続テレビ小説『おむすび』のヒロインも決定しましたから、東京、大阪、ロンドンを行ったり来たりの尋常ではない生活になるのでしょう。

私の知人のキャスティング・ディレクターによれば、「橋本のスケジュールを押さえようと動いてみたが、地上波連ドラはしばらく無理だと解ったよ」という状態です。

こういったスケジュールにこれまでの芸能界の慣例を紐解けば、はしかんが中川との結婚を控えて“御礼奉公”に入った…とザワついているというわけです。

しかし周りが考える程、単純に事が運ばないのが芸能界です。

結婚説を中川側からも考えると…

はしかんのスケジュールは置いておいて、中川側からこの結婚説を考えてみましょう。

“御礼奉公”とまではいきませんが、中川もこのところ新しいCM契約が増えていますが、まず気になるのが、同じ所属事務所の山﨑賢人の動向です。

山﨑も、交際中の広瀬すずとの結婚説が囁かれて久しいですが、妻帯者になるにはまだもう少し時間をくれと事務所が懸命に慰留工作を続けていると業界内では噂されています。

“御礼奉公”という見方から山﨑をみても、『キングダム 運命の炎』は公開24日間で観客動員数が約289万8,900人、興行収入では41億6,890万円という途方もない膨大な利益をあげていますから、“これだけ恩返ししてくれれば、結婚に向けてそろそろ…”となってもおかしくないと思うのですが…人気者の結婚の難しさとつくづく感じてしまいます。

所属事務所の“序例”をクリアしなければ、中川とはしかんも前に進めたいのでは…というのが私の見立てですがどうなるでしょうね。

山﨑なり広瀬が、「私たちの事は関係ないから、中川と橋本には早く幸せになって欲しい…」と譲れば話は別ですが…。

世界中で中国が暴走する状況は、目先の利益を最優先する「多国籍企業」が招いた

いまや米国を抜いて世界の「覇権」を狙っているとされるお隣の大国、中国。日本のさまざまな領域で技術を「盗み」とっているとされる中国ですが、日本はどう戦っていけば良いのでしょうか? 今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、経済安全保障アナリストの平井宏治氏が、その戦い方についてアドバイスしています。

中国の「超限戦」といかに戦うか

世界覇権を目指す中国が目には見えない戦争、日本侵略への地歩を確実に進めているーー。

政府、民間企業、大学、研究機関など、様々な領域に入り込み、巧妙な手段で日本の軍民両用技術を盗み取っている中国の驚くべき超限戦の実態を、経済安全保障アナリスト・平井宏治氏に語っていただきました。

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中国共産党は、習近平が最高指導者に就任して以降、共産党一党独裁体制、国民監視をますます強固にしてきました。中国共産党は、世界覇権への野心を全まったく隠すことなく、「超限戦(ちょうげんせん)」を仕掛けています。

超限戦とは、政治・外交・経済・情報などのあらゆる手段を駆使する武器を使わない戦争のことを言います。経済力や技術力が覇権に直結する時代に入りました。

私の専門である経済安全保障の分野で言えば、超限戦によって日本の様々な企業や大学、研究機関の軍民両用技術が中国に盗み取られ、人民解放軍の最新技術を使う兵器に軍事転用されています。

「安全保障はアメリカ、経済は中国」と言う政治家や経済人もいますが、私たちは、中国の超限戦が静かに進行していることを認識しなければなりません。

東西冷戦が終結する前は、経済のグローバル化は、民主主義や法の支配といった理念、価値観を共有する先進国の中で進められていました。

ところが、東西冷戦が終わると、価値観の違いを脇に置いたまま東側、つまり社会主義国や中国のような独裁国家にまでサプライチェーンを拡げてしまったのです。

当時は、「経済的に豊かになれば中国は民主化する」と言われましたが、この想定は明らかに間違いでした。

当時の中国の最高指導者・トウ小平は、独裁体制を維持したまま改革開放路線を打ち出し、世界貿易機関(WTO)に加盟。アメリカをはじめとする西側諸国は、中国を「世界の工場」としてサプライチェーンに組み込みました。

中国も「14億人の市場」をアピールして、西側諸国から企業や投資を積極的に呼び込みました。中国で生産する商品は、最初は衣料品などのローテク製品でしたが、技術移転が進み、高度な機器まで現地生産するようになりました。

中国をサプライチェーンに組み込んだ経済成長の背景には、目先の利益を重視する株主資本主義があります。

法の支配や労働者の権利を考慮しない中国の独裁体制は手段を選ばず製造コストを下げたい多国籍企業にとり魅力的なものでした。

民主国家では考えられない低賃金で労働者を働かせる奴隷労働で利益を増やしたい多国籍企業の思惑と、加工貿易を拡大しながら、先進国の技術を吸収して経済、軍事力を高めたい独裁国家中国との思惑が一致したのです。

今日の状況は、利益を最優先する多国籍企業が招いた結果といっても決して過言ではありません。

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“代打清原”“美白王子”“脱坊主”が話題の慶応も…夏の甲子園決勝戦、野球記者が「仙台育英がボロ勝ち」と予想するワケ

23日、夏の甲子園決勝が行われる。仙台育英(宮城)vs慶応(神奈川)の好カードということもあり、チケットは完売。超満員の中での頂上決戦となり、試合が待ち遠しい…と感じるファンも多いはずだ。今回の甲子園は、慶応高校が何かと話題になっている。まずは「代打清原」だ。清原和博氏の次男・勝児選手の名が代打でコールされると、甲子園はどよめき「代打清原」がトレンド入りするなど、球場の流れを変えるアナウンスに注目が集まっている。次は「イケメン球児」である。同校の丸田湊斗選手は“美白王子”と名が付くほどのイケメンで、斎藤佑樹氏の“ハンカチ王子”ばりに女性人気が高いよう。こちらも、メディアが多く取り上げている。

そして最後は「脱坊主」だ。従来の高校球児のイメージを変える、長髪姿でプレーをする慶応高校の選手を賞賛する声は多く、“流れ”は完全に慶応である。しかし、世間とは逆に「仙台育英が完勝する」と予想する野球記者も多い。今回は、記者の予想を紹介したいと思う。

中村奨成フィーバーの時も…

新聞社の記者はこう言う。

「慶応も投打ともにレベルが高い。ただ、采配なども含めて仙台育英に分があるかなと感じている。甲子園の決勝は本当に独特の雰囲気があって、実力以上の“大差”が付くケースも珍しくないんです」

記者は実際にあったケースを振り返りながら解説を続ける。

「中村奨成(現広島)フィーバーがあった2017年の決勝、広陵vs花咲徳栄のケースとダブる気がするんです。というのも、あの時のメディアは“中村奨成一色”。しかし、徳栄の強力打線に対抗できず14 – 4と力以上に大敗した。今回の慶応も〈代打清原〉〈脱坊主〉〈イケメン高校球児丸田〉とマスコミが騒いでいますが、こういう時に相手は燃えるんですよ。育英の超強力打線が火を吹き、大差が付くと私は予想します」

“金農旋風”でも

スポーツメディアの編集者も同様の意見だ。

「吉田輝星(日ハム)の時は“金農旋風”でマスコミはずいぶん騒いだものですが、決勝では大阪桐蔭に完敗しました。まあ、仙台育英と慶応に両校ほどの差はありませんけど、実力的には育英が有利でしょうね」

スポーツ紙の記者もこう話す。

「〈多分、育英だろうな〉と多くの記者が話している。中には大差予想もあって、私もその意見。高校生は連日猛暑の中戦っていてかなり疲弊している。そこであの大舞台、満員の観客に観られる。当然、緊張が物凄いはずです。力以上に差が付いて、面白くないゲームになっちゃう気がしています。ただ、〈代打清原〉で流れが変わったら、分かりませんが(笑)」

プロの記者はこう語るが、予想はあくまで予想。結果はどうなるか?14時からの試合を楽しみに観たいと思う。

天下の愚策。都会人の“罪の意識”を利用した「ふるさと納税」が日本を滅ぼす

2008年に開始され、昨年度は実に890万人もが利用したふるさと納税。いまや地方自治体にとって貴重な財源ともなっていると伝えられていますが、この寄附金税制に対しては賛否両論が巻き起こっているのもまた事実です。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、ふるさと納税を「都会人の愚かな罪の意識をターゲットにしたロクでもない政策」と一刀両断。同制度を終わらせなければならない理由を徹底解説しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年8月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

「上京してすみません」都会人の罪の意識につけ込む、ふるさと納税

1980年代からジワジワと日本経済を蝕んできた競争力低下、そして1990年代以降のバブル崩壊と国際化対応失敗で、国力の決定的な衰退が続いています。その原因の1つに、地方の活力低下があるし、その地方の活力の足を引っ張っているのは都会の側ではないか、そのような観点を考えてみたいと思います。

1つ思い浮かぶのは、1970年代の「列島改造論」でした。田中角栄の提唱したこの「改造論」ですが、ダーティーな手段で集めたカネを選挙資金として派閥内にバラまくという、文字通りの金権政治を行った人物です。せっかくの「改造論」も、角栄というキャラクターと一緒に「悪印象」をベッタリ貼られて歴史の彼方に消された印象があります。

この「改造論」ですが、簡単に言えば、

「工業を地方へと再配置すると同時に、交通・情報通信の全国的ネットワークの形成をテコにして、人とカネとモノの流れを巨大都市から地方に逆流させる“地方分散”を推進する」

というものです。地方がどんどん衰退してゆく現在から考えると、何とも素晴らしい政策に見えます。勿論、100点満点ではありませんし、この改造論がそのまま実現したとしても、日本経済の衰退を食い止めることができたかというとそれは違うと思います。例えば、製造業の時代は限りがある中で、地方が知的産業によって活性化するという文化・文明的な観点は「改造論」には欠落していました。

ある意味では、中身つまりソフトウェアよりも、ハードつまりハコモノ行政に偏った政策論であったのは事実で、21世紀には限界を露呈していたと思います。また、交通ネットワークにしても、ストロー効果、つまり便利な交通システムで地方と都市を直結すると、経済も人も都市の方へ「吸い上げられてしまう」という逆効果についての思慮は不足していたと思います。

ですから、両手を挙げて賛成とは行きませんし、何よりも金権政治によって自民党の派閥抗争を勝ち抜こうという角栄の政治手法に関しては、全くもって戦後日本の政治における「黒歴史」に他ならないと思います。

そうではあるのですが、とにもかくにもこの「改造論」というのは、「GDPを地方に分散せよ」」というのが、その核にある主張であり、その必要性、その先見の明ということについては、不滅の輝きを持っていると思います。以降、様々な政治家が様々な政治スローガンを掲げましたが、ここまで国家の大規模な中長期見通しについて明確なビジョンを持った主張はなかったと思います。

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盛者必衰。終わる「日本の失われた30年」、始まる「中国の失われる30年」

1990年代初頭のバブル崩壊以来、「失われた30年」と呼ばれる低迷期にある日本。そんな我が国を尻目に好調な経済成長を続けてきた中国が今、大きな岐路に立たされています。彼らもまた、日本と同じく「失われた30年」を経験することになるのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』ではファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、中国独特のビジネスモデルを解説。その脆弱な経済構造を指摘するとともに、隣国の今後を大胆予測しています。

30年では済まず。経済崩壊の中国を襲う「失われる数十年」

こんにちは。

中国の経済状況を観ていると、もはや諦めてしまって、寝そべる人が増えているようです。

一方で、「東は発展し、西は沈む」「中国は世界の経済大国」というプロパガンダを自ら信じ込み、一度大国になったらそれは永遠に続くと思っているようだ。そして、大国は周辺の弱い国に対しては恫喝していい、と信じている。

我々は、経済は常に変化しているし、大国と言われた国が衰退するのも観ているし、発展途上国が急激に経済発展しているのも観ている。その意味では、なぜ、中国がこれほどまでにのぼせてしまったのかが不思議でならない。

日本は中国生産から国内生産への流れが出てきて、ようやく新しい製造業を開発する機運が高まってきた。日中両国の特徴や違いについて考えてみたい。

1.いかなる難局にも立ち止まらず。へこたれない強靱性を持つ日本人

日本の失われた30年と、中国の失われる30年について考えてみたい。

最近、日本の強靱さについて考えている。日本人は、大地震があっても、台風で家屋が倒壊しても、その場に立ち尽くし、何もせずに悲嘆にくれるということはない。心の中では絶望しても、とにかく立ち上がり、片づけを始める。これは縄文時代から続く、日本人の行動パターンであり、生活文化だろう。

この行動は、経済活動についても共通している。戦後の日本経済は何度も米国との貿易摩擦に苦しんできた。自由経済といいながら、日本の輸出力が米国を圧倒すると、ルール変更を押しつけられた。米国輸出を強制的に自主規制させられたり、不当な関税を課せられたり、最終的には為替の変動相場制を押しつけられた。その度に、日本の多くの企業は倒産し、既存のビジネスを失った。

これに対しても、日本人は地震や台風への対応と同様に、すぐに次のアクションを起こしたのだ。

日本企業、日本人は知っている。どんなに順調なビジネスであっても、ある日突然それを失うかもしれない。常日頃から努力を積み重ねても、現状維持するのが精一杯ということもある。努力を放棄したら、確実に業績は悪化してしまうのだ。

2.すべてが子供の喧嘩状態。不可解な中国政府の政策

そんな日本人から見ると、中国政府の政策は不可解である。

まず、米国トランプ大統領との貿易問題では、双方は一歩も引かず報復関税を掛け合った。輸出で国を支えているのだから、普通ならば、もっと冷静に交渉することができたはずだ。中国が上手く立ち回り、ウォール街や民主党寄りのマスコミに対し、トランプ大統領が理不尽な要求をしている、と訴求することもできたと思う。しかし、中国政府は一歩も引かずに、エスカレートしていった。

ウイグル人に対する人権弾圧でも、妥協する余地はあったと思う。ウイグル人の文化を守り、自治を認めても、中国政府にとって大きなマイナスはない。むしろ、西側諸国からの信頼を得ることで、中国の正当性をアピールできたと思う。

中国政府はウイグル人自治区への立ち入りを禁止し、情報を完全に隠蔽した。そして、内政干渉をするな、と主張したのだ。これでは米国としても、徹底した経済制裁に動くしかない。

中国政府の態度は、米国から取り離されるくらいなら、自分から米国との関係を断ち切るというものだった。まるで子供の喧嘩である。

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英国よりも先。明治初期に「男女同権」を提唱した“憲法案”起草者の名前

薩長土肥藩士のみならず、日本中に「国の明日」を思う面々が溢れていた幕末から明治時代初期。そんな時代の中にあって、極めて進歩的な「憲法私案」が存在していたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、米沢藩出身の秀才が政府に提出した「建言書」を紹介。その内容を「今見ても先鋭的」と高く評価しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年8月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

立憲君主・2院制・男女同権を提唱した米沢藩士の憲法案/「民権思想」を遡る・その4

前回(No.1218「公武合体構想こそ明治維新の本筋だったのでは」)で、上田藩士の赤松小三郎の「公武合体」による平和的な政権転換と早期の普通選挙による2院制議会開設の構想こそが明治維新の本筋であり、それをテロと内戦激発でブチ壊して軍事帝国の建設に突き進み、議会開設についてはロクな考えも持っていなかった長州・薩摩の野蛮はむしろ脇道だったのではないか、ということを論じた。

【関連】安倍政治を招いたクーデター「明治維新」が、日本にもたらした“不幸”

赤松の建白書が、内容面の先進性においても、慶應3(1867)年5月という発出時機から見ても、まことに先駆的であったことは疑いないけれども、しかし、彼は決して突出し孤立した存在ではなく、維新のだいぶ前から江戸幕府の足元ばかりでなく全国各地の藩でも、そのような国体変革を巡る議論が盛んに行われるようになっていた。

洋学紳士ぶりの広がり

その中心は、嘉永6(1853)年のペリー来航を受けて洋学研究の切迫性を痛感した幕府が2年後に開設した「洋学所」(翌年に改称して「蕃書調所」)で、そこでは例えば、文久元(1861)年にドイツ語教官の加藤弘之が原案を執筆した、専制君主・立憲君主・貴族共和・民主共和の政体4類型を論じつつ立憲君主制を望ましいものとした「最新論」に、同僚の蘭語・英語教官の西周、津田真道が詳細に朱書批評した文書が回覧されたりしていた。

この加藤、西、津田らと、蕃書調所に一時は入ったが飽き足らずにすぐに辞め、自分で「蘭学塾」(後の英学塾、慶應義塾)を立ち上げた福沢諭吉とか、あるいは薩摩藩の洋学校「開成所」から欧州に密航・留学した森有礼とかは、中江兆民が描くところの「洋学紳士」ぶりで共通しており、実際、彼らは後に揃って「欧米事情通の啓蒙派」の大拠点「明六社」を結成するのである。

しかし、面白いのは、森が出た薩摩の「開成所」だけでなく維新前後には多くの藩が公認の藩校や個性的な私塾を持っており、それらが江戸から外国人もしくは外遊経験のある日本人の講師を招いたり、あるいは優秀な学生を江戸や長崎に遊学させたりするといった交流が、ごく当たり前に行われていたということである。

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「日本のシンドラー」杉原千畝の功績に“疑問”を呈する海外メディアに、日本人がもっと反論すべき理由

第二次世界大戦中に多くのユダヤ人を救ったとして今も語り継がれている「日本のシンドラー」こと杉原千畝(ちうね)。彼の功績は日本人であれば一度は目にしたことがあると思いますが、海外メディアで「過小評価」されていることをご存知でしょうか?今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、香港の有力英字新聞の報道を引きながら、海外メディアの報道に黙っている日本の状況に苦言を呈しながら、杉原千畝の功績について、海外メディアの報道が「一人歩き」してしまうことを懸念しています。

日本のシンドラーに疑問を呈する海外新聞

現在の戦争は完全に情報戦です。国際的に有力な新聞や専門誌に書かれたことが世界の世論をリードします。

それで正義と悪が決められます。日本も加害者として記述されることがあります。

事実でない報道にはきちんと反論することです。「黙っている=認めている」と思う海外の人は多いのです。

本日ご紹介するのは、アジアの代表的な国際新聞である香港サウスチャイナモーニングポストに掲載された8月19日の記事です。

表題「日本のシンドラー、第二次世界大戦で救ったユダヤ人は日本の主張より少なかった可能性」

日本のシンドラーとして知られる外交官の杉原千畝は、ナチスから何千人ものユダヤ人を救ったとして、日本では英雄視されている。

しかし、学者によれば、彼の活動は、イスラエルや米国内のユダヤ人の利益を得るために誇張されたものだという。

多くのイスラエル人と日本人の学者によれば、日本は1940年に「日本のシンドラー」と呼ばれた外交官がリトアニアで行った活動を誇張しユダヤ人の利益を勝ち取ってきたという。

この日本政府の宣伝は、南京大虐殺、従軍慰安婦、強制労働、連合軍捕虜に対する広範な虐待の加害者として非難された軍国主義国家であったことから物語をシフトさせるためという。

ハイファ大学のロテム・カウナー教授が3月に『アメリカン・ヒストリカル・レビュー』誌に発表した論文によれば、「杉原氏は日本では国民的英雄となり、他の多くの国々では美徳の模範とされている」が、ヒロイズムは日本の動機のために「操作」されてきたという。

ユダヤ人であるジンベルク氏は、杉原が人命を救ったことは間違いないが、詳細については判断が難しくその説明は「非常に問題がある」と彼は言う。

「動機の一つとして考えられるのは、日本はユダヤ人がメディア、特にアメリカにおいて影響力があると信じていた。これは安倍晋三首相の下で起こっていたことであり、この動きの背後には明確な政治的思惑があった」と語った。

ホロコースト教育センターの吉田明生神父は、杉原の行動について無批判に語られるようになった物語の要素が完全に辻褄が合っていないことを認めている。

「杉原氏のビザを使って何人がリトアニアから脱出できたかは明らかではありません」

彼の妻の著書では6000人以上とされていたが、今はもっと少ないだろう。

現在、学者の間で受け入れられている数字は、2000人から3000人の間である。

解説

杉原氏が救ったユダヤ人の数が実際は何人なのか、私も知りません。

ポイントはこういった論争が世界で行われており、アジアで最も有力な英字新聞が「現在、学者の間で受け入れられている数字は2000-3000人だ」といっていることです。

こういった数字や議論は独り歩きします。

反論があるならば素早く反論せねばなりません。

よく「日本人は議論が下手だ」と言われます。

「反論しなくてよい。黙っていても事実は伝わる」という村社会的な意識もあるのでしょう。

しかし、議論の基盤となる国際的に流れるメインの情報に接していない、という事がもっと大きな理由と思います。

(このメルマガ内容も知り合いに適切な人がいれば転送してあげてください)

参照: https://www.scmp.com/week-asia/politics/article/3231495/japanese-schindler-likely-have-saved-fewer-jews-wwii-tokyo-claimed-academics

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社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

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image by: WikimediaCommons(public domain)

文筆家が発見。気負わず「書いたノートを読み返す」ことの面白さ

日々の気づきや気になったこと、心に留めておきたいことをノートやメモ帳に書く。いつか読み返すことで何かの役に立つとわかっていても、読み返すには決意や踏ん切りが必要なようです。メルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』著者で、「知的生産」に役立つ考え方やノウハウについて探究を続ける文筆家の倉下忠憲さんは、ノートがいっぱいになって、新しいノートに移行するときが「読み返し」の適切なタイミングと考えます。そして、どんな心構えで読み返すのが面白く、かつ効率がいいかを伝えています。

書いたノートを読み返す

カバンに常駐してあった無印のA5ノートが、いよいよいっぱいになりました。すでに新しいノート(セブンイレブンのノート)は準備できているので、移行のタイミングです。

おそらくこのときが、「書いたノートを読み返す」うえでもっとも適切なタイミングでしょう。これを逃すと、その動機は迷宮の中を彷徨いはじめ、永遠に見つけることができなくなります。

とは言えです。書いたノートをしっかり読み返すのって、なかなか難しいのです。ちょっとした空き時間にぱらぱらノートを読み返すくらいなら手軽であり、いっそ楽しみでもあるのですが、丸々一冊書き終えたノートを「よし、読み返すぞ!」と意識的になると途端に二の足を踏みはじめます。たぶん、GTDにおけるレビューも似たようなものでしょう。やった方がいいのはわかっているのに、あと一歩が踏み込めません。おそらく、気負いすぎているのでしょう。

そこで、もっと気楽にやることにしました。ざっと見返すだけでいいと決めたのです。加えて、「見返すこと」を目標にするのではなく、「ノートを書くこと」を目標にしてみました。何かを作り出すことをターゲットにしたのです。

2023年8月1日のノートの読み返し – 倉下忠憲の発想工房

最初に上記のページを作り、ノートを読み返しながら気になった部分をピックアップしていきました。あくまで「ざっと見返す」行為なので、細かく取り上げたりはしません。今この時点において、もう一度考えたい対象があればそれを拾い上げる、くらいの心持ちです。

実際読み返してみると、面白い記述はいくつも見つかります。ただそれは「ログとして」面白いものです。「ああ、こういうことを考えたな」的面白さであって、現時点での知的好奇心的面白さではありません。そうしたものは、上記のページには取り上げませんでした。それをやりはじめたらキリがないからです。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

いじめ加害者との「謝罪会」だったはずが…信じがたい“二次被害”の酷さ

夏休み後半、もうすぐ学校が始まりますが、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』を発行する、同ネット代表の井澤一明さんは「9月1日前後に子供たちの自殺が増える傾向は残っている」としていじめによる自殺未遂事件、その後に起きた二次被害について語っています。

学校は、いじめの二次被害を起こさないスキルを持とう

8月も後半に入りました。夏休みも終わりになってしまいますが、今年の夏はコロナによる制限が解除された地域も多く、本当に久しぶりに夏休みらしい夏休みを味わえたご家族も多かったことでしょう。夏祭りや旅行に出かけた子供たちも多かったことだと思います。ただ、9月1日前後に子供たちの自殺が増える傾向は残っているように思います。皆様の周りの子供たちに気を配っていただけるとうれしく思います。

さて、6月23日に2019年に、埼玉県川口市の当時15歳の男子がいじめを受けたと訴え、「教育委員会は、大ウソつき」などと書き残し、自殺した問題で、調査委員会の報告書が公表されました。

NHK NEWS WEB によりますと、調査委員会は、医師や弁護士で構成され、報告書では、自殺の主な原因を「いじめと、いじめ申告後の二次被害による非常に大きな精神的苦痛が軽減せずに、数年間にわたって継続したこと」と認定しました。加えて、男子生徒がいじめを受けたと繰り返し訴えてもいじめの存在を認めないなど、学校側が不適切な対応をとったことで男子生徒や母親がその後、非難されるなど「二次被害」につながったとしています。また、その後の学校や教育委員会の調査についても「反応は非常に鈍く、重大事態発生の認識がない」としています。

本人が遺したノートや手紙には、中学1年の2016年の5月、部活動の先輩やクラスの同級生から悪口を言われたり仲間はずれにされたりしたと学校に訴え、その4か月後には、「先生に話をするとすぐにあいてに言う。また見えないところでいじめられる。だから先生に話するのが怖い」と書き残していました。「先生たちは、しんけんに話を聞いてくれなかった」とつづっていました。
この記述の4日後、自殺未遂をしてしまいます。

その後も「学校は、いじめがないって言ってる」、「先生たちをしんじられない。やっぱりぼくが消えたほうがいいとずっと考えている」などと繰り返し、学校側の対応が変わらないと書かれていました。あわせて3回の自殺未遂を図ったあと、教育委員会は、ようやく調査委員会を設置しました。最初にいじめを訴えてからおよそ1年半後のことです。そして2019年9月、「教育委員会は大ウソつき。いじめた人を守ってウソばかりつかせる」とノートに書き残し、自殺してしまいました。

報告書について、被害者の母親はNHKの取材に対し、「時間はかかったが、中立公平に調査をしてもらい、ありがたく受け止めています。息子には本当なら生きて読んでほしかったですが、この報告書でようやくいじめの一次被害と二次被害を認めてもらい、仏前に『ここまで頑張ったよ』と報告できました」と話していました。

また、Yahooに取り上げられたテレビ朝日のニュースでは詳しく二次被害の状況を報道しています。

このニュースを読みますと、二次被害の構造は二段階になっていたようです。

一段階目は、学校の教師がいじめと認定しなかったことによるものです。報道によると、本人はいじめの被害を主にノートに記して「学校に行くのがこわい。このきもちは、だれにも分からない。ぼくの生きている意味はあるのかな?」「くるしいくるしいくるしいくるしいくるしいくるしい」などと教師らに繰り返し訴えたと言います。本人のノートを受け取った教師らは、本人が軽い障がいを持っていることを理由に、「(本人が)そんなものを書けるわけないだろう」とか
「親が書いたんだろう」と被害者の苦しさを学校側は受け止めなかったとあります。残したノートは10冊以上にも上ったにもかかわらずです。