地域の戦力では中国軍が米軍を凌駕。嶌信彦が解説する「台湾海峡危機」増大の実情

中国と台湾の間にある台湾海峡には暗黙の休戦ライン「中間線」が設けられていますが、ペロシ氏訪台後に中国軍機が100回以上中間線を越えて台湾側に侵入。日本のEEZ内にもミサイル5発が落下するなど、緊張が高まりました。今回のメルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」』では、著者の嶌信彦さんが増大する台湾海峡危機について解説。インド太平洋地域における中国軍の戦闘機が米軍の5倍に達していること、2025年にはさらなる戦力差の拡大が予想されていることを伝え、米中対立の行方への懸念を示しています。

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増大する台湾海峡危機

アメリカのナンシー・ペロシ下院議長(民主党)の“ひと言”に中国側が激怒し、米・中に緊張関係が走った。ペロシ議長は、7月頃から盛んにアメリカの台湾防衛について発言していたが、8月2日に自ら台湾を訪問し蔡英文総統と会談した。その際「中国の台湾侵攻時には、米国議会はアメリカが台湾を防衛することを支持するだろう」と述べ中国をけん制した。

ペロシ議長は単なる下院議員でなく下院議長を務める大物議員だけに記者会見で「世界で中国の専制主義と民主主義の対立が起きている」と、バイデン米大統領の考え方に歩調を合わせるような言い方をしたので一層中国側を刺激したのだ。しかもバイデン大統領は今年5月の会見で、台湾有事の際に台湾防衛のためにアメリカは軍事的に関与すると示唆していたからペロシ発言に中国側は一層神経をとがらせたといえる。

中国にとって台湾は自国の一部であって、国ではないという立場をとってきた。台湾を含めて“一つの中国”と主張しているのだ。アメリカは1979年の米中国交正常化の時、中国の主張をほぼ受け入れた。このためアメリカは最近まで台湾との高官の往来を止めていたが、このところアメリカはこの約束を破り始めていたため中国を怒らせてきた。

かつて国民党が統括してきた台湾は中国共産党との内戦に敗れたため、国民党が「中華民国」を名乗って台湾を存続させてきた。しかし中国共産党はいずれ中台を統一したいと考えているため、台湾との軋轢は常に存在している。特に太平洋への出口に台湾があることは中国には邪魔で仕方がないわけだ。しかしアメリカにとっては台湾の存在価値は地政学的にとてつもなく大きいため、台湾に武器などを提供して支援してきた。そのことが原因となってこれまでに何度も中国とアメリカの間で“台湾海峡危機”が起こっているのが実情だった。

中国本土と台湾との距離は台湾海峡を挟んで200kmもないので、軍事演習などを行なうと一挙に危機が高まる可能性がある。中国は最近の軍事演習では台湾を取り囲んで封鎖するような形で行なったりすることもあるので、年々海峡危機が高まっているのが実情なのだ。一応、台湾と中国本土の間に暗黙の休戦ライン「台湾海峡中間線」が設けられているが、中国は中間線を超える進出をしばしば行なっているため緊張の度合いが高まっている。

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エリザベス女王死去「本物の国葬」で安倍エセ国葬“消滅”の危機。岸田ヤケ酒?弔問外交の舞台は英国へ。「アベノ因果応報」の声も

8日午後、イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位したエリザベス女王が、夏期休暇で滞在先のスコットランド・バルモラル城で亡くなった。96歳だった。この訃報が伝わると、各国の首脳はすぐさま弔意を示したが、我が国の岸田文雄総理大臣が弔意を発表したのは翌9日の午前9時を過ぎてから。8日に国会の閉会中審議において、安倍元首相の国葬をおこなう理由を「弔問外交のため」と言ったにもかかわらず「行動が遅すぎる」と批判の声が多く上がっている。さらにネット上では、「エリザベス女王の葬儀こそが本物の国葬」であると、「本物の国葬」という言葉がトレンド入りし、国民の総意に反する葬儀はニセモノだとする「本物の国葬論」が巻き起こっているようだ。

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安倍元首相の国葬「弔問外交」が聞いて呆れるショボい参列者たち

8日の閉会中審査で岸田首相は、安倍元首相の国葬を適切だと判断したとし、その理由を4つ挙げた。

  • 国政選挙に6回にわたり勝利したこと
  • 首相在任期間が歴代最長で、東日本大震災の復興や経済の再生に尽力したこと
  • 外交に尽力し、平和秩序に貢献したこと
  • 各国から弔意の声が寄せられていること

その上で、安倍元首相が銃撃によって命を落としたことから「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示していく」と語った。

在任期間の最長記録だけは事実だが、国民からは残りの3つについて「曖昧な成果ばかり」という声も少なくない。何よりも、国民が「国葬」に反対する理由は、今までの旧統一教会との関係であることは明白だ。

さらに岸田首相は同日の閉会中審査で、本来なら国葬の3日前に公表するはずだった海外の弔問客を“フライング”発表した。国葬の必要性を説明するため前倒しで発表されたのは、アメリカのハリス副大統領、カナダのトルドー首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、シンガポールのリー首相、ベトナムのフック国家主席、EUのミシェル首脳会議常任議長ら。やはり主要各国トップの名前はなく、「弔問外交」で各国との関係強化をはかることをアピールしたかったようだが、逆に参列者のショボさを露呈する結果となった。

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2000年に在任期間中に亡くなった小渕恵三元首相の合同葬には、アメリカのクリントン大統領(当時)、韓国の金大中大統領(当時)も参列したが、ネットでは「今回それよりも格落ちになることは間違いない」との声も多く出ている。

弔意の表明に出遅れた日本。どの口が「弔問外交」と言うのか?

前日の閉会中審議のストレスでヤケ酒でも飲んでいたのか、弔意の表明に大きく出遅れた岸田首相。それに対して世界各国の首脳はいち早くエリザベス女王への弔意を示していた。

あのロシア・プーチン大統領でさえも「エリザベス女王は、世界が権威を認めた」との弔意を岸田首相より先に発表している。

第一報が出てから数時間がたったネット上には「弔問外交を言う資格もないほどの失態」「外交能力の低さが露呈」「よく安倍の国葬で外交をとか言えるな」「こういうところにも外交センスが表れる」と、対応の遅さに批判の声があがった。

本当に、「弔問外交」とは一体どの口が言うのだろうか?

「本物の国葬」がトレンド入りも「不謹慎だ」、賛否両論に

問題だらけな安倍元首相の「国葬」と比較して、日本のネットではエリザベス女王の葬儀を「本物の国葬」と呼び、その言葉は一時トレンド入りするほどに広まっていた。

そんな「本物の国葬」というパワーワードに対して不満を示す声もある。「英国でも王室嫌いの人はいる」「別人の死を利用して暗殺された人の葬儀を叩くな」「本物とか偽物とか言うのは品性下劣だ」「不謹慎だろ」という意見である。

しかし、そうした指摘に対してネット上には「弔問外交と言い出したのは政府だから比較されるのは当然」「弔意なら自民葬で十分では」「エリザベス女王の国葬の前に消し飛んだだろ」「残念ながら赤っ恥弔問外交となる公算大」と手厳しい反論が多くあがっている。

“品性下劣”といえば、森友問題で文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんについて問われた際の、安倍元首相の「ニヤニヤ答弁」を思い浮かべる国民は多い。「因果応報」の声が上がるのはある意味当然とも言える。

画像生成AIと日本酒「獺祭」の共通点とは?素人社員が職人技に勝利、売上100億を達成できた訳

2022年現在も世界的なブームが続き、「sake」と呼ばれ親しまれている日本酒。中でも「獺祭」は圧倒的な品質が人気で入手困難な時期もあったほどですが、山口県が生んだこの名酒には意外な物語がありました。今回の『藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」』では作家でトレーダーの藤沢さんが、在住先の香港でよく口にする獺祭について調べてみて分かった「めちゃくちゃ面白いバックグラウンド」を紹介。さらに関連書籍を読んで知ったという日本酒業界の裏話も併せて披露しています。

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ブログではいえないお店:AIが美術コンクールで優勝した話と日本酒の獺祭(だっさい)の話

第534号で孫正義さんのAIファンドが大損ぶっこいている話を書きましたが、そこで最近は僕のTLでAIが勝手に芸術的な絵を描いてくれるプログラムが流行っている、という話をしました。大量の絵画をディープラーニングに学習させ、簡単な文章でイメージを伝えるだけで、そういう学習した絵画が絶妙にミックスされたすごい絵画がいくらでも出てきます。

先日、美術コンクールで、誰かがAIで作った作品を提出したところ、優勝してしまったというニュースがバズっていました。

画像生成AI「Midjourney」の描いた絵が美術品評会で1位を取ってしまい人間のアーティストが激怒

週刊金融日記 第534号 孫さんが金融のプロにカモられ損した話とAIの未来について

そしたら、それについてTwitterで誰かが、これは日本酒の獺祭(だっさい)と同じじゃないか、と言っていたのです。僕は香港でこの獺祭という日本酒をよく目にしていたので、興味を持って調べました。香港のレストランだと、ちょっといい美味しい日本酒として、獺祭はよく置いてあります。だから、獺祭って、良く知らなかったんですが、海外マーケティングに成功した酒蔵なんだな、ぐらいに思っていました。

ところで、僕は高校生の時に漫画オタクの友だちがいて、その時に『夏子の酒』を読んでいたので、日本酒の作り方については勉強したし、メルマガなどでいろんな高級レストランに行ってはグルメレポートを書いたりしていたぐらいなので、日本酒もちょっとは勉強したんですが、高校生の頃から暗記科目が苦手で、関心がなくなるとあっという間に忘れてしまいます。

香港でよく見ていた獺祭という日本酒は、同じように工学的に味を最適化していって世界中の料理家から称賛された日本酒だということを知りました。

僕が大学生のころは、調味料や醸造アルコールを添加した、貧乏な学生が酔っ払うために飲む、不味くて安い日本酒がたくさんあったんですが、不味いラーメン屋とかがすっかり淘汰されてしまったように、もはや日本にはそんな日本酒はなく、純米酒(=米だけから作る酒)である限り、ちょっといいスーパーで売ってる720ml瓶の日本酒って1,000円ぐらいで、どれもスッキリした味で、とても美味しいのです。ところが、香港のレストランの日本酒は、どう考えてもこの1,000円の日本酒と同じか、輸送の時に品質が落ちちゃってるので、日本のスーパーで買える1,000円の日本酒より美味しくないのに、価格が何倍もして、僕はうんざりしておりました。というのも、香港人とか外国人の僕の知人は、そういうボッタクリの日本酒をクールなSakeとして、何にもわかってないくせに、高い金出してありがたがって飲むわけです。もう、かんべんしてよ、と。

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玉ねぎしか勝たん。目的地にしたくなる「道の駅」驚きマーケティング法

日本各地で見かける、地元の物産品などを扱う「道の駅」。その規模や中身はさまざまですが、本来は「ただの休憩所やお土産屋」として使用されることの多い道の駅が「目的地」と化している場所があります。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、 その驚きのマーケティング方法を紹介しています。

休憩所から目的地へと変貌した道の駅。その秘密は、徹底した“玉ねぎ推し”!

淡路島・鳴門海峡のうず潮を見下ろす地に、「道の駅うずしお」はあります。うず潮観光に来た人たちに、淡路島の魅力を伝える施設としてオープンしました。地元の海産物や農産物、お土産などを販売する他、魚介類や野菜を使ったご当地グルメを食べることもできます。

こうした紹介だけでは、他の道の駅と何ら変わりがないように思えますが、ここはひと味ふた味違っているのです。正直、ダサいと言っても良いようなテーマを掲げ、それを徹底することで、大きな集客に成功しているのです。

“玉ねぎ推し”。淡路島の名産です。施設全体で、これでもかと言わんばかりに、玉ねぎを活用しています。

施設に近づくと、まず目に飛び込んでくるのが、「おっ玉チェア」と呼ばれる、オブジェ風のベンチ。中が空洞になった玉ねぎに座り、写真を撮るためのものです。

次に見えるのが、「玉ねぎツリー」。なぜか、玉ねぎがたくさん成っている木が立っています。

かき氷のキッチンカーも玉ねぎのカタチです。中に入ると、そこに並んでいるのは、「玉ねぎまるごとカレー」「玉ねぎポテトチップス」「玉ねぎせんべい」「玉ねぎのわさび和え」「玉ねぎ棒(うまい棒のようなもの)」「玉ねぎ柚子胡椒」「玉ねぎぞうすい」「食べる玉ねぎラー油」「玉ねぎ塩こしょう」「玉ねぎ七味」「玉ねぎステーキソース」「玉ねぎわさびドレッシング」などなど。玉ねぎだらけに圧倒されます。

また、レストランでは、他店で絶対に見掛けることのないメニューと出逢えます。「オニオンスライス」「オニオンステーキ」「蒸した玉ねぎのだし漬け」などが味わえます。

この施設でもっとも行列になっているのが、「あわじ島オニオンビーフバーガー」を販売するお店です。ご当地ハンバーガーランキング第1位になったこともあり、これだけを食べに来る人もいるほどです。

バンズの上に、レタスと「玉ねぎスライス」をのせ、さらに、「玉ねぎピクルス」「オニオンチップ」「玉ねぎカツ」、その上に甘辛く煮た淡路牛をのせ、仕上げに玉ねぎ入りトマトソースを掛けて、バンズをかぶせます。

5種の玉ねぎを使うという、徹底ぶりがお見事です。

かなり評判は良く、リピーターもたくさんいます。

【相談】10歳も年下の部下がマウンティングしてきます、助けてください

不快になるだけで誰も得しない「マウンティング」。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、部下のマウンティングにお困りの方の相談に回答しています。

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10年下の部下がマウンティングしてきます。まともに相手をするのもバカバカしいのですが、どうしたらいいでしょうか

Question

機械メーカーに入社15年で、主任です。10年年下の部下がマウンティングしてきます。上司を馬鹿にした発言、自分は賢い、よくできるという発言、態度がときどきあって不愉快です。

仕事はそこそこできますが、特に活躍しているというほどでもないので、どういう勘違いをしているのかと思います。まともに相手をしたくないのですが、どうしたらいいでしょうか。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。残念な部下ですね。そういうふうに自分を大きく見せて自己肯定感の低さを補っているのでしょう。お考えの通り、相手にしないのが一番ですが、ほっておくとエスカレートしてもっと馬鹿にしてきたり、自分の自慢がひどくなったりします。

同僚にもそういう態度を取っているはずです。彼の態度の悪さ、思い違いを放置する上司ということで他の部下の信頼も傷つけられるので、無視できません。

一番いいのは、業績・成長目標合意書を導入し、部下全員の長所・成長課題・成長目標・改善策についてフィードバックし、合意し、取り組むことです。

部下を驚くほど育てる業績・成長目標合意書

彼だけに実施するわけにはいきませんので、これを機会に部署で導入します。

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日本人の健康寿命、なぜ郊外よりも都市部の方が長いのか?

健康寿命は「郊外よりも都市部のほうが長い」というデータがあります。その理由のひとつが「住まい」なのですが、都市部のマンションは高齢者の生活に向いているようです。今回、メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんは、高齢者に向く、向かないマンションについて詳しく語っています。

健康寿命は郊外より都市部の方が高いという驚愕データ

こんにちは!廣田信子です。

高齢者が長く自立して生活するためには、マンションはとてもいい環境なのです。健康寿命は、「住んでいるところ」の影響が極めて大きいと言います。

要介護2以上を不健康状態といいますが、85歳~89歳で要介護2以上の人は22.8%、90歳以上で要介護2以上の人は46.2%だと言います。85歳を超えると、要介護2以上の人は急に増えます。でも、90歳以上でも、要介護1以下の人の方が多いのです。

だったら、90歳代になっても、健康でいられるような生き方はなんだろうと考えたとき、都市部のマンション住まいは向いていると言います。

昨日、聞いたセミナーの中で、その根拠として、健康寿命は、郊外より都市部の方が高いという明確なデータがあってちょっとびっくりしました。

1.買い物等の利便施設が近くにあって自立した生活がしやすい
2.何かあったときの助けを得やすい
3.人が集まる機会が多く、よい生活習慣につながる

そういうことの積み重ねが健康寿命には大きく影響するのです。一人暮らしでも、長寿命化がしやすい「住まい」とは、

1.自立生活が可能な環境
2.コミュニティによるケア
3.サービスによるケア
4.建物・設備によるケア
5.医療、介護によるケア

が望めるところだといいます。

若い時に入居していた「住まい」は、高齢者には向かない「住まい」の可能性があります。戸建住宅の階段の上り下りが、高齢者にはきつくなり、怪我にもつながります。庭も草取りができずに、ぼうぼうになってしまいます。広いマンションは維持するのにコストが掛かり過ぎます。

ですから、高齢者の専門家は、早いうちにセカンドライフ、サードライフを送る「住まい」を考えた方がいいと言うのです。

住み慣れた環境に、そのままいたいと思う気持もわかりますが、最近は、高齢化が当たり前になり、自分の今後の人生を考えたときに、このままでいいのかを考える人が増えています。

問い詰めるのが大好きな「詰めマン」にはどう対処すれば良いか?

なぜこうなったのか、これからどうするつもりなのか…など、人を問い詰めるのが大好きな「詰めマン」と呼ばれる人たち。詰められて辛い、どう対処すればいいのか──。そんな悩みに『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で、人気コンサルの永江さんが答えます。

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「詰める人」との付き合い方について

Question

詰める人が嫌いです。コンサル等ではプロジェクト遅延時に何故遅れているのか、どこまで遅れる想定なのか、リカバリはどうするのか、そもそもできるのか、お前が先週言たことと違うじゃないか…と詰めて、詰めて、詰めまくるのが良いプロジェクトマネージャみたいな感じなんですが。相手の退路を完全に塞ぐと自我と承認欲求が満たされるのか、詰めるのを止めるようです。

リモートだとしても、詰め(ウー/)マンの対応をするのは嫌です。詰めマンに対応するために準備するのも、時間の無駄で嫌です。他の人が詰めマンに詰められているのに同席するのも、気分が悪くなります。詰めマンへの良い対処法があれば、よろしくお願いします。

永江さんからの回答

そもそも詰められる状況にならないように前向きな問題解決策を提起すると、詰めマンは撃退できるかと思います。

本来あるべきプロジェクトマネージャーの責任は、遅延や品質問題が発生する前に、進捗を確認して必要な問題解決や予防措置を取ったり、メンバーの誰よりも実態をよく理解して適切なアドバイスや指示ができていることです。

会議の場で詰めている=問題事象が発生している時点でマネジメント失格です。詰めるだけの人は、自分がマネージャーの責任を果たせていない自覚もないし、自分が状況や問題を把握できていないからメンバーを問い詰めるしかできないのでしょう。

この手の人には、改善策や問題解決策を具体的に示してあげると良いかと思います。

「今回遅延が生じてしまった原因は○○だと思うので、次から△△のようにプロジェクトを運営した方が遅延リスクを減らせませんか?××さんと私で進捗管理とフォローアップします」

等と合理的な内容を提言したら反論できないですし、おそらく周囲の人も同じように感じているはずなので「なんだ、□□さんの方が仕事できるじゃん」と思って協力してくれるのではないでしょうか。

問題解決しないようでしたらまたご質問くださいね。

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お金のプロが警告。退職金をつぎ込んではいけない7つの地雷投資

充実した老後の生活を送るために重要となってくるのが、退職金の賢い運用。しかし一歩間違うと、悲惨な暮らしを余儀なくされることも十二分にあり得ます。そんな事態を避けるためのヒントをレクチャーしてくださるのは、株式会社Money&You代表取締役で資産運用のプロ・頼藤太希さん。頼藤さんは今回、7つの「退職金でやってはいけない投資」を挙げ、各々についてその理由を詳しく解説しています。

退職金でやってはいけない投資 7つの地雷商品

まとまった金額の退職金でも、当然使えばなくなってしまいます。そこで、投資して増やしたいと考える人はたくさんいます。銀行・信用金庫などの金融機関は、退職金が振り込まれたことは事前に把握できますから、「資産運用をしませんか?」などと、商品の提案をしてくることも少なくありません。

しかし、投資なら何でもお金を増やせると思ったら大間違いです。なかには、退職金を減らす可能性の高い投資もあります。金融機関が提案してくる投資商品の中にも損する商品があります。今回は、退職金でやってはいけない投資をご紹介します。

■退職金でやってはいけない投資その1:不動産投資

まとまった資金ができると、不動産を購入して「大家さん」になろうとする方が多くいます。確かに、大家さんになって、部屋を人に貸せば毎月安定した家賃(賃貸収入)を得られますし、不動産が値上がりすれば売ることで売却益も得られます。

しかし本来、不動産投資は現役時代に住宅ローンを組んで不動産を購入し、賃貸収入からローン返済し、毎月の収支が黒字になるのが理想です。定年後に不動産投資をするとなると、住宅ローンはなかなか借りられないため、不動産を退職金で一括購入することになりがちです。

するとたとえば、2,500万円の物件を購入して家賃10万円で貸し出したとしても、元を取るまでに単純計算で20年以上かかってしまいます。しかも、もし入居者がいなければ、その間の家賃収入は得られないため、元を取るまでの期間はさらに長くなってしまいます。

お金が急に必要になったからと言って、不動産を現金化するとしても、どんな優良物件でも1か月程度の時間はかかります。そもそも売りたいときに売れないこともありますし、希望価格で売ることができないということもあります。こういったリスクを「流動性リスク」といいます。

不動産投資自体は、悪い投資ではありません。しかし、定年後に行う投資としては不向きで、退職金を減らす可能性の高い投資だといえるでしょう。

■退職金でやってはいけない投資その2:毎月分配型の投資信託

毎月分配型の投資信託とは、文字どおり分配金を毎月支払ってくれるタイプの投資信託です。不動産投資の家賃収入と同様に毎月お金が受け取れますし、分配金がたくさんもらえるならお得だと思われるかもしれません。

しかし、毎月分配型の投資信託は、運用で利益が出なかったときは元本を取り崩して分配金を支払ってしまいます。そうすると、分配金を支払った分だけ投資信託の元本が減ってしまうのです。投資信託の元本が減ると、値上がりしたときの恩恵も少なくなってしまいます。

退職金をもらう60歳の平均余命は、「令和3年度簡易生命表」によれば男性約24年、女性約29年となっています。まだまだお金を増やしていく時期です。取り崩す時期は70歳・75歳になってからでも遅くはありません。

また、複利効果の面から考えると、分配金は受け取るよりも再び投資に回したほうが効率よく資産を増やせるでしょう。毎月分配金として受け取ってしまうと、複利効果を生かすことができなくなってしまいます。

さらに、毎月分配型の投資信託は信託報酬などの手数料が高く設定されているのも問題です。自分のお金を預けて、高額の手数料を支払いながら、預けたお金の一部から取り崩した分配金を受け取るというのでは、とても割に合いません。

銀行・信用金庫・証券会社などの金融機関が提案してくる場合は、この手数料が目当てである可能性が高いでしょう。

自民と親密な産経新聞に「森元首相へ200万」スクープが掲載された理由

AOKIホールディングス、KADOKAWA、パーク24と、容赦なく「東京五輪汚職」の捜査を進める検察当局。そんな中にあって、森喜朗元首相に関するスクープが産経新聞紙上で伝えられていたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、誰が何の目的で「AOKI側から森元首相に200万円が渡った」という情報を産経にリークしたかを推測するとともに、同記事を後追いする大手メディアが現れなかった理由を解説。さらに自民党と親密な産経新聞に、このような記事が掲載された裏事情を考察しています。

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「森元首相に200万円」という産経スクープの裏側

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会を舞台にした汚職事件が、ついに政界に広がったか、と思われた。

9月1日の産経新聞のスクープ(下記)によってである。

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、紳士服大手「AOKIホールディングス」前会長の青木拡憲容疑者が東京地検特捜部の調べに対し、大会組織委員会の会長だった森喜朗元首相に「現金200万円を手渡した」と供述していることが31日、関係者への取材で分かった。

それまでは、スポンサー契約をめぐり組織委員会の元理事、高橋治之容疑者(元電通専務)が青木拡憲容疑者から総額5,100万円の賄賂を受け取っていたというところにとどまっていたが、元首相にして、自民党最大派閥「清和会」の大ボス、森喜朗氏へ捜査の手が伸びるとなると、事件の様相は変わる。

ところが、意外なことに、この記事への他社の反応がイマイチだったのである。共同通信が金額を明示せずに後追い記事を書き、その配信先である東京新聞など地方紙が掲載、週刊誌系のネットメディアも追随した。しかし、朝日、読売、毎日、日経などの全国紙やNHKが静観を決め込んでいるため、民放テレビ番組へもほとんど波及していかない。

元総理にかかわる重大事なのに、なぜなのか。おそらく、検察当局が否定しているか、もしくは、立件する気がないからだろう。

7月20日付けの1面トップで、高橋治之容疑者が大会スポンサーのAOKIから現金を受け取っていたという特ダネを報じたのは読売新聞だった。立件を前提とした検察のリークであることはまず間違いない。その6日後には高橋容疑者の自宅や電通本社を捜索するなど強制捜査に着手しているからだ。

今回の産経のスクープも、検察のリークによるものだろうが、ガン治療をしていた森氏へのお見舞いに2回に分けて計200万円を渡したという青木容疑者の供述以外に具体性がない。

特捜部はなぜ産経にリークしたのかという点だが、かりに読売と産経の記者がこの件の取材で他社に先駆けていたとして、読売にリークしたら、次はその埋め合わせを産経にするというケースはよくあることだ。

ただし、森氏の一件が事件化されるかどうかは、かなり微妙である。なにより、青木容疑者が組織委の会長だった森氏に直接手渡した200万円という金額は、総理経験者へのワイロとしては低すぎるのだ。

青木容疑者は「ガン治療をしていた森氏へのお見舞いだった」と言っている。見舞金としては常識外れの高額に違いないが、それを否定してワイロだとするのも、検察としては証明に骨が折れるだろう。

そのため、青木容疑者から供述は得たものの、検察の上層部は森氏の捜査に消極的なのではないか。この程度の金額で立件し、自民党最大派閥の「清和会」と摩擦を起こすのは得策ではないという判断をしている可能性が高い。

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統一教会や中国から日本を救え。今こそ制定すべきスパイ防止法

主権国家がまたひとつ、中国の手に落ちる寸前まで追い込まれています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、ラオスが「債務の罠」によりインフラを中国に乗っ取られかねない状況にあるというニュースを紹介。さらにその前段階にはかならず政治家や官僚への「浸透工作」があると指摘するとともに、旧統一教会問題で反日勢力への危機感が高まる今こそ、日本をかような工作から守る「スパイ防止法」を制定すべきとの見解を記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年9月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【中国】中国にはめられたラオス。統一教会問題で揺れる日本はスパイ防止法の好機

一帶一路再毀1國 寮國恐淪下個斯里蘭?(一帯一路が再び国を壊す スリランカの二の舞いになる恐れがあるラオス)

ラオスが中国の「一帯一路」に関連したインフラ整備支援の借金で、デフォルトの危険性が高まっています。「日経アジア」(英語版)が9月6日に配信したニュースをもとに、台湾の自由時報が報じました。

それによると、ラオスの首都からメコン川を隔てたタイの小さな町ノーンカーイでは今年6月以降、石油や物資を求めてガソリンスタンドやスーパーを奔走するラオス人が後を絶たない状態になっているそうです。

ラオスでは6月の原油価格が107.1%も上昇し、石鹸や洗剤、衣料品、食料品などが自国で入手できない、あるいは高すぎて買えない状況にあります。

専門家は、その原因として、一帯一路によるインフラ整備により積み上がった巨額債務に対応できない状況にあり、外貨準備高が減少したことで、ラオス通貨が暴落していることを挙げています。実際、1年前に1ドル=9,400キープだったラオス通貨は、今年半ばには1ドル1万9,000キープにまで下落しています。

タイのアナリストによれば、ラオスの外貨準備高は約13億ドルで、これは2.2カ月分の輸入をまかなうだけの額しかないとのこと。ラオスの昨年の年間対外債務残高は13億ドルで外貨準備高と同額であり、その返済履行は非常に難しくなっています。

記事によれば、ラオスは2000年から2017年のあいだに、中国から55億7,000万ドル相当の政府債務を負わされており、しかも、全体として中国に対する債務エクスポージャー(リスクのある債務)は122億ドル、GDPの約64.8%にも相当するとのことです。

中国支援によるラオスのインフラ建設の象徴的存在が、中国・ラオス鉄道です。2021年12月、中国の雲南省からラオスの首都ビエンチャンに至るまでの路線が開通しました。これにより、中国からの物資を海路ではなく、陸路で一気に運ぶことができるようになりました。

「一帯一路」最前線を行く――中国・ラオス鉄道がもたらす物流革命と「債務の罠」

これだけで総工費はGDPの3割にあたる60億ドルでした。その7割を中国政府や中国企業が負担し、ラオス政府は3割を負担することになっています。しかし、新型コロナ対策で国境超えの乗り入れもほとんどないため採算性は低く、債務がすでに大きく膨らんでいるラオスが返済することは困難と見られています。

中国ラオス鉄道開通 「一帯一路」の光と影、「債務のわな」懸念

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