現役医師が提言。運転する前の食事は「糖質制限食」にすべき理由

私たちが避けることができない生理現象として受け入れている、食後の眠気。職種によっては命に関わる睡魔ですが、試してみる価値大の予防法があるのをご存知でしょうか。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、糖尿病専門医で糖質制限の提唱者としても知られる江部康二先生が、糖質制限食が眠気を解消するシステムを紹介。さらに心理的にも安定するとして、特に車の運転前の糖質制限食実践を提言しています。

 

「糖質制限食」で食後の眠気が改善すれば交通事故が激減する

今回は、食事と眠気についての考察です。

<食後の眠気は糖質摂取のせいである>

ごく普通に食事をしている場合、食後の眠気はあって当たり前であり、誰でもそんなものだと思っている人が多いと思います。

確かに、糖質を普通に食べている場合は、食後の眠気は、ごく当たり前に出現する可能性が高いと思います。

空腹時血糖値が80mg/dlくらいの糖尿病ではない人が、糖質を摂取して約1時間程で140~150mg/dlに上昇すると、60~70mgの変動幅があります。

そうするとぼーっとしたり眠たくなったりします。

また、140~150mg/dlくらいから、1時間で急速に80~90mg/dlくらいに下がると、血糖変動幅は60~70mgあるのでやはりぼーっとしたり眠たくなったりします。

食後の眠気~居眠り運転は、交通事故の大きな要因であり危険です。

<糖質制限食なら食後の眠気がない―安全運転>

しかし、食後の眠気は、「糖質制限食」実践なら、まずなくなります。

つまり、食後の眠気出現は、実は糖質摂取が元凶と考えられます。

2016年、大阪で「糖質制限食」の講演をしたときの質疑応答で、会場の参加者の方からご意見を頂きました。

「タクシー会社の事務職をしていますが、運転手の勤務時間中の食事は『糖質制限食』にしています」

とのことでした。

タクシー会社さんの名前は確認できていないのですが、とてもリーズナブルな素晴らしいルールだと思います。

運転中の眠気に伴う事故が予防できると思います。

タクシー会社だけでなく、バス会社、トラック運送業、宅配便…などにおいても、ドライバーの方々が、勤務時間中だけでも「糖質制限食」を実践して頂けば、食後の眠気がなくなり、居眠り運転は激減し、それに伴う交通事故も激減すると思われます。

職業ドライバー以外の一般のドライバーにおいても、運転前の食事だけでも「糖質制限食」にして頂けば、食後の眠気がなくなり、上記と同様の効果が得られると思います。

<糖質制限食で心理的に安定する―安全運転>

糖質制限食実践により、食前・食後の血糖変動幅が極めて小さくなるので、心理的に安定します。

それにより、運転中のイライラなどのネガティブな感情も生じにくくなるので、安全運転が当たり前となり、こちらの面でも交通事故予防になると思います。

<糖質制限食でも眠気が改善しない場合>

糖質制限食でも改善しない眠気は、特殊例であり、「睡眠時無呼吸症候群」などの存在を考慮する必要があります。

<ドライバーの皆さんへの提案>

ドライバーの皆さん、食後、ある程度以上の時間、車の運転をすることがわかっている時は、是非「糖質制限食」を実践しましょう。

それにより、食後の眠気がなくなり、心理的に安定します。

簡単に試すことができますので、是非よろしく御願い申し上げます。

 

image by: Shutterstock.com

こう話せば伝わる。「教え方が上手い人」がしている“8つ”のこと

自分としては全精力を傾けて物事を教えているつもりなのに、相手が正しく理解してくれないケースが多いとの思いを抱いている方、それはもしかしたら自身の「教え方」に問題があるのかもしれません。今回のメルマガ『尾原のアフターデジタル時代のモチベーション革命』では、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんが、「口頭で教えることが上手い人がしている8つのこと」を分かりやすく解説。いちばん大事なことは「前提」と「範囲」の確認としてその理由を示しつつ、そこから相手に無理なくものを伝えるステップをレクチャーしています。

 

学ぶこと、教えることがうまい人は何をしているのか?LINE青田さんの8つの特徴図を解説

今日解説するのは、「教え方がうまい人や対話の中で相手の学びをうまく引き出している人は、どういうことをしているのか?」というお話です。

こちらのツイート、もしかしたら何人かの人は見たことがあるかもしれませんが、すごくバズった「教え方がうまい人は何をしているか?」をまとめたものです。

※ バズったツイート

表の上のところにあるとおり、これはLINEの青田努さんが書いているんです。

青田さんは本当に構造化してまとめるのがうまくて。「教え方がうまい人は何をしているか?」を8つの項目で説明しています。

この説明が、人と話している中で学びを引き出すことや、「自分で振り返っている時に、学びをどう引き出すのがよいのか?」に直結しているので、その話をしていきたいんですよ。

というのも、最近僕は年末年始ということで、新規事業の開発が多くて。

新しくビジネスを始める方へのメンタリングで、経産省が毎年やっている「始動」というプログラムがあります。大企業の方や個人として新しく起業したい方を歴戦の方々がメンタリングして、200人くらいの中から確か40人くらい?を選抜し、本場のシリコンバレーで起業に関するいろいろなトレーニングを受けてもらう。そして、その中で彼らが事業をやっていくんです。

新しく何かをする時って、ズレることが多いんですよね。

この「教え方がうまい人は何をしているか?」は、自分自身がやりたいことの解像度や、対話の中で相手の学びを引き出すことにもすごく使えるので、順番に説明していきたいと思います。

教え方がうまい人がやっていること8つの特徴とは?

「前提の確認」と「範囲の提示」

8つの特徴の中で一番大事なことは、1と2の「前提の確認」と「範囲の提示」です。

「前提」と「範囲」がズレていること、特に何かに悩んでいる人は、物事を考える範囲が狭くなったり、自分にとっては当たり前の前提条件が相手にとってはまったく違ったりすることがあるんですよね。

人は会話をする時に、相手の理解度やゴールなど、相手はどの範囲の中で物事を考えているのかを確認し合いません。

だけどそれを丁寧にやったほうが、一番大事なところはどこで、これからどういうふうに話していくかが伝わるんです。

その際、相手にどう伝え、自分に対してはどうかみ砕いていくのがよいのでしょうか?

大事なのは、「構成の工夫」「アレンジメント」「情報量の調整」です。

 

クリスマスの時期だから知っておきたい、子供に与えるおもちゃの選び方

クリスマスが近づき、子どもたちがサンタさんにプレゼントをお願いする時期になりました。そこで、今回の無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』では、親が子供に与えるおもちゃを選ぶ視点についてのお話をご紹介。「適切なおもちゃ」とはどんなものなのでしょうか?

おもちゃ選び

日に日に寒さが深まってきましたね。子どもたちの多くにとっては、「プレゼント」が気になる季節でもあります。

我が家でも毎年、

「欲しいものを考えて、サンタさんに手紙を書かなくちゃ」
「そろそろ手紙を出さないと、サンタさんがプレゼントを作る時間がなくなっちゃう」

─そうかそうか。じゃあ、パパは何をお願いしようかな~

「パパは大人だからダメ。もらえないんだよ」

なんて会話で楽しむ季節が近づきつつあります。

この時期に合わせて今号では、子どもに与えるおもちゃを選ぶ視点についてお話します。「おもちゃを選ぶ」と言っても様々な視点がありますが、今回お伝えしたいのは、

・子どもは、もともと好奇心・創造性・知性・感性などを豊富に持っており
・それらの資質は、遊びを通じて芽を出し、育ち、花開くものであり
・その遊びの場に適切なおもちゃとは、どんなものか

との視点です。

なぜプーチン大統領は今「思い出したくない」衝撃の過去を告白したのか?

ロシアのプーチン大統領が、ドキュメンタリー番組で告白した「意外な事実」。その意図を探るのはメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんです。プーチン大統領は、いったいなぜ今になって「思い出したくない衝撃の過去」を語ったのでしょうか?

 

プーチン大統領は1990年代、タクシー運転手で生活費を稼いでいた

ぶっちゃけ、新型コロナウィルスの急拡大でモスクワを離れて安全なソチの別荘で執務を続けているといわれるプーチン大統領ですが、ロシアで12月12日に放送された「ロシア:最新の歴史」と題するドキュメンタリー番組で意外な告白をしました。

何を語ったかといえば、「思い出したくないが、自分はソ連が崩壊した直後、生活苦からタクシーの運転手をして現金を稼がなければならなかった」というのです。

実は、1990年代にはロシアにはタクシー会社はほとんど存在していませんでした。

当時、町を走るタクシーの大半は自家用車や公用車を使って現金を稼ぐ雲助に他なりません。

驚いたことに、救急車までタクシー代わりに使われていたものです。

彼らは「ボンビラ」(爆撃機)と呼ばれていました。

筆者もモスクワをたびたび訪問しましたが、「タクシーに乗る時は用心するように。値段は乗る前にしっかり交渉して決めておくように。運転手意外に人が乗っている車には絶対に乗らないこと」とアドバイスを受けたものです。

 

現役精神科医が伝授、感情があふれてヤバい時の「究極の対処法」

イライラしたり、涙が出そうになったり…感情があふれ出そうになる場面は、生きていれば何度でも経験する可能性がありますよね。しかし、それを他の人やモノにぶつけてしまうことで悪影響が起きたりすることもあります。今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では、著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、感情が暴走しそうになったときに自分自身で対処するための方法についてご紹介しています。

怒りや涙は「呼吸」で変えられる!究極の技術「呼吸瞑想」とは?

こんにちは、ゆうきゆうです。

みなさん元気でお過ごしでしょうか。

さて、どんな人も感情があふれそうで困ってしまうことはあるのではないでしょうか?

例えば涙が出そう、怒りたくなる、もしくは悲しみとか苦しみに気持ちが飲まれそう…。

そういった時にどうしたらいいか、今回は究極の対処法をご紹介します。

感情のピーク

実は、人間の「感情のピーク」というのは長続きしないと言われています。

もちろん人によって異なりますが、長くて1分、短くて6秒と言われています。

この短い時間で、怒りや悲しみのホルモンは流されて消えていくのです。

そのため、「うわぁ、今感情に飲まれそう…」と感じたときは、「ちょっと今だけやり過ごそう、ちょっと飲み込まれるを先延ばししよう」と思うだけでも、怒りのピークは消えて、辛い気持ちも少しずつ減っていきます。

重要なのはネガティブな感情を消そう・無くそうとするのではなく「今数秒だけ、我慢しよう」と考えることです。

または我慢というと一段難しく感じてしまうかもしれませんので「ちょっと先延ばしにしよう」くらいのライトな気持ちで、時間を経たせるというのを心がけていくと良いでしょう。

では具体的にはどうしたらいいのというと、まずは「10」数を数える、という方法があります。

数を数えることに意識を向けている間に、時間を経たせるという方法ですね。

そして今回、さらに強くおすすめしたいのは「呼吸瞑想」です。

地震が変えた日本史。家康が江戸幕府を開けたのは「天正地震」で秀吉が家康を討てなくなったから?

近ごろ日本列島周辺で大きな地震が頻発している。2021年、関東では東日本大震災の2011年以来、鹿児島のトカラ列島でも2000年以来の震度5強を観測する地震が発生するなど、日本中で大きな揺れを観測する地震が相次いでいる。先ごろ最終回を迎えたTBSテレビ 日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』の影響で日本人の防災意識が高まる中、来るべき自然災害に対してどのような対策や覚悟を持てば良いのだろうか。そこで、日本の長い歴史の中で発生した巨大地震を振り返ることによって、現代に生きる私たちが学ぶことがあると考え、12月3日にメルマガ『歴史時代作家早見俊の「地震が変えた日本史」』を創刊した時代小説作家の早見俊さんと、地震予測界の重鎮である村井俊治・東大名誉教授が会長をつとめるJESEA(地震科学探査機構)代表でメルマガ『週刊MEGA地震予測』発行責任者でもある橘田寿宏さんのお二人に、平安時代から安土桃山時代、江戸時代などに発生した日本の巨大地震史を紐解きながら、歴史の転換点となった大地震や噴火などに関する歴史的な考察を交えてお話しいただいた。

秀吉は「地震」によって家康討伐を諦めざる得なくなった?

時代小説作家として、これまで数多くの著作を世に送り出してきた早見俊さん。そんな彼がつい最近創刊したメルマガ『歴史時代作家早見俊の「地震が変えた日本史」』は、タイトルの通り“歴史と地震とは密接に繋がっている”という視点から、日本の歴史を改めて紐解いていこうという試みだ。

もともとは人気のメルマガ『週刊MEGA地震予測』内で、エッセーとして掲載されていたこれらの作品。実は、早見さんと『週刊MEGA地震予測』の発行責任者である橘田寿宏さんのおふたりは、大学時代の同窓生なのだという。

「大学では同じゼミで学んで、それからかれこれ40年来の付き合いなんですが、ある時に早見君から聞かされた地震と歴史との関連性の話が、とても面白くて。同時に、これを興味深いと思う人は結構多いんじゃないかと思ったんですね」(橘田さん)

それらのなかでも特に印象的だったというのが、今から遡ること約400年ほど前、安土桃山時代の話だ。

「織田信長が非業の死を遂げた後に天下を統一した豊臣秀吉ですが、実は徳川家康の討伐を計画していたものの、地震によって諦めざる得なくなったんです」(早見さん)

豊臣秀吉と徳川家康といえば、1584年に起きた小牧・長久手の戦いで両者がぶつかり合い、局地戦では家康方が勝利を収めたものの、最終的には両者が講和を結ぶ形に。その後の秀吉は、家康に対して徹底的な懐柔策を行い、ついには臣下の礼をとらすことに成功したという流れが、いわゆる定説だ。

「ところが、ここ数年の研究でこのあたりの経過が検証し直された結果、秀吉は実のところ小牧・長久手の戦い以後も家康を潰す気だったようで、準備万端に整えていたといいます。しかし、秀吉がまさに攻め入ろうかというタイミングで起こったのが、天正地震だったんです」(早見さん)

1586年1月18日に発生した天正地震では、近畿地方をはじめ北陸地方や東海地方の一部という広い範囲において大きな被害が発生。特に、秀吉が家康討伐の際に兵を展開させる予定だった美濃や尾張といった地域は、壊滅的な状況に陥ったと伝えられている。

「それに対して三河地方など家康の領国は、ほとんど被害が出ませんでした。この地震による大きな被害で、秀吉側は戦どころでなくなったとみられています」(早見さん)

さらにこの天正地震では、飛騨国の一部を治め金山などの鉱山経営によって巨財をなしていたとされる内ヶ島氏という氏族が、地震によって発生した山崩れによって、居城の帰雲城(かえりくもじょう)やその城下町もろとも土砂に埋まり、滅亡してしまうという出来事も。

今でも“埋蔵金伝説”とともに語り継がれるこの悲しいエピソードだが、このことも秀吉が家康討伐を諦めるひとつの要因となったという。

「内ヶ島氏は、先の小牧・長久手の戦いにおいて秀吉とは敵対していましたが、出陣していた留守の間に領土や居城を奪われ、秀吉に降伏します。その際、通常なら領地の召し上げなども十分に考えられたのですが、秀吉はほぼ本領安堵で内ヶ島氏を許しました。恐らくは内ヶ島氏が持つ鉱山経営のノウハウ、そして貯め込んでいた金をアテにしていたとみられるのですが、それも地震によって灰燼に帰してしまう形に。こうして家康討伐に使うことを目論んでいた資金も、秀吉は失うことになったんです」(早見さん)

史実では、秀吉亡き後に関ヶ原の戦いを経て江戸幕府を開くことになる家康。しかし、もしも天正地震が起きていなければ、家康は秀吉にあえなく滅ぼされてしまい、今とは違った歴史となっていた可能性も十分にありえるというのだ。

 

江戸の庶民たちを震撼させた“最悪の事態”とは

さて、その徳川家康が開いた江戸幕府のもとでは、260余年に渡って太平の世が続いたのだが、その間にも地震をはじめとした自然災害は度々と起こった。

「なかでも僕が知り得る最悪の事態が、わずか4年という短い間で起こった元禄地震と宝永地震、そして宝永大噴火ですね」(橘田さん)

1703年に発生した元禄地震は、房総半島南端の野島崎から南側の海底が震源とされており、相模地方を中心とした関東一円で大きな被害が発生した。また、その4年後に起きた東海道沖から南海道沖が震源域とされる宝永地震では、東海地方から九州地方にかけての広い地域を激しい揺れが襲った。さらに、この宝永地震のわずか49日後には富士山が大噴火を起こし、関東平野の広範囲に大量の火山灰を降らせたのだ。

「例えるなら、関東大震災の4年後に南海トラフ三連動地震が起きて、その直後に富士山の巨大噴火ですから、もうとんでもない話です」(橘田さん)

その頃の将軍は“犬公方”として知られる5代目の徳川綱吉。当時の幕府は、従来の貨幣を回収し、金・銀の含有率を下げるなどしたうえで再流通させるという、いわゆる貨幣改鋳の真っ最中だった。

「この貨幣改鋳が江戸の庶民からはとても不評で、宝永大噴火が起きた際には“幕府が悪貨を流通させて私腹を肥やした報い”だという、根拠のない迷信も噂されたぐらいですから(笑)。現在でも、コロナ対策で財政出動をすべしという意見と、増税で緊縮財政にすべしという意見が対立する状況ですが、この当時も貨幣改鋳、今の感覚でいえば国債を大量に刷るのと同じようなことですが、それで幕府の財政は一時的に潤いました。ところが綱吉の死後、幕政を担った新井白石は緊縮財政に転じて、それによって世の中は大不況になったんです。まさしくバブル後の30年不況と同じような状況です」(早見さん)

大災害の発生で苦しむ庶民たちに対して、時の為政者たちが行なってきた救済政策。だが、それらもまさにこれまで同じような轍を繰り返していると、早見さんは指摘する。

「江戸から時代は進んで関東大震災の際、日本政府ははじめてのモラトリアム、1か月間の支払い猶予令を出し、さらにその後には政府が予算を付けて、大震災の影響で決済ができそうもない手形を日銀が一手に引き取るということをやったんです。その結果、予算を遥かに上回る金額の手形が持ち込まれて、後に不良債権化してしまったのですが、その手形のなかには大震災とは関係なく決済が困難になったものも大量に含まれていたんです。まさに最近取沙汰されている、コロナ支援金の不正受給と同じような話ですが、緊急事態ということでスピードが要求されるなかで、そういうことが繰り返されてしまうんですね」(早見さん)

いっぽう、先に触れた宝永地震と宝永大噴火だが、これと同様に大地震と富士山の噴火が比較的短い間で立て続けに起きたというケースは、それ以前の歴史にもあったと話すのは橘田さんだ。

「864年に起きた貞観の大噴火と、その5年後の貞観地震です。この時の噴火口は、富士山山頂から10㎞も北側に離れたところで、噴火によって溶岩が流れたところに今の青木ヶ原樹海ができ、さらに当時富士山北麓にあった剗の海(せのうみ)と呼ばれる湖も溶岩で分割されて、今の西湖と精進湖に分かれたんです。かにも多くの富士山にはんですが、富士山噴火のハザードマップは、の噴火のや火位置などの条件して作られているので、まだ発見されていない火口あると考えると今あるハザードマップってはいないと思います」(橘田さん)

宝永大噴火による降灰が激しかった足柄平野などの地域では、その影響による土砂氾濫などの災害が長らく繰り返され、さらに地表を覆った火山灰と下層の耕作土を入れ替える「天地返し」の作業も難航を極め、完全な復興まで実に100年もの歳月を費やしたとのこと。その点、現代なら重機などもあり復興も容易かと思いきや、そう簡単にはいかないようだ。

「火山灰は雪とは違って自然に融けないので、下水道などは完全に麻痺するでしょうし、鉄道の線路に降り積もれば交通機関にも甚大な影響が出るでしょう。もちろん、農作物も降灰でダメになりますし、人も灰によって気管支や肺をやられる可能性もあったりと、火山灰というのはひじょうに厄介なんです。宝永大噴火以来、大規模な噴火が起きていない富士山ですが、太古からの歴史を紐解くと100年から200年に一度は大きな噴火を起こしている。それが今、350年ぐらい大きな噴火がないということは、そろそろ来ても不思議ではないし、逆に来なきゃおかしい。個人的には、今後起こり得る大規模地震と同じぐらい、富士山の噴火は心配ですね」(橘田さん)

 

自然などの自然災害と寄り添って生きてきた日本人

あらゆる時代において人々の前に立ちはだかった、地震をはじめとした自然災害。しかし、橘田さんが「地震などの自然災害は人間のライフスタイルを変える。……最近のコロナでもそうでしょう?」と話すように、どの時代の人々もそういった災害に対し、実にしなやかに対応してきた。

「実際、貞観地震が起きた平安時代前期は、天然痘などの疫病も流行していて、多くの方が亡くなっていった時期でした。その頃は貴族などの上流階級はともかく、下々の庶民たちは野辺に打ち捨てられて野ざらしというのが当たり前でしたが、あまりにも大量の死者が出たうえに、“死はうつる”といった考えも庶民などの間で出てきたことから、火葬などの埋葬文化が広まったと言われています。さらに言えば、京都の夏の風物詩のひとつである祇園祭も、疫病などで亡くなった死者の怨霊などを鎮め病を封じるといった目的で、地震のあった貞観年間から始まっています」(早見さん)

また江戸時代になると、災害に遭われた人々に対しての“助け合い”といった意識も、庶民レベルにおいて早くも芽生え始めていたという。

「お金持ちは施しをすべきだという考えが江戸の人々の間にはあったようで、1855年に発生した安政地震の際には、豪商たちがこぞって寄付をしたという記録があります。当時は町会所で寄付額を貼り出すといったこともしていたようで、江戸っ子の見栄っ張りなところも、多額の寄付に繋がったんだと思います(笑)。さらに江戸では、ひとたび地震や大火が起きると、それまで釘など一度も打ったことも無いような人たちが大工仕事に従事して、ひと稼ぎをしたといった話も。当時の人たちも、決して楽しんでいたわけではないでしょうが、地震などの自然災害に対してむやみに抗わず寄り添って生きていた、そんな庶民たちのたくましさが垣間見えます」(早見さん)

_DSC0029

この度、12月より配信が始まったメルマガ『歴史時代作家 早見俊の「地震が変えた日本史」』を通して、早見さんが読者に伝えたいと願っていることは、まさにこういった地震などの自然災害が頻発するなかでも、必死に生き抜いてきた日本人の姿だ。

「日本人は地震をはじめとした自然災害と共生してきた民族。だから、そのことを正しく知り、後世に伝えていくことはとても大事なことかと。特に、災害の度にひどい目に遭いながらも、たくましく生き抜いてきた庶民たちの姿、これをぜひ伝えていければと思っています」(早見さん)

 

そして、早見さんのメルマガと合わせてお読みいただきたいのが、橘田寿宏さんが代表をつとめ、地震予測の権威である村井俊治東大名誉教授が会長をつとめるJESEA(地震科学探査機構)のメルマガ『週刊MEGA地震予測』だ。どちらのメルマガも初月無料で読むことができるので、来るべき自然災害の脅威に備え、ぜひご登録を検討してみてはいかがだろうか。

 

週刊MEGA地震予測
フジテレビ「Mr.サンデー」「週刊ポスト」など数多くのメディアで取り上げられ、話題沸騰中・東京大学名誉教授村井俊治氏が会長を務める、JESEA(地震科学探査機構)のメルマガ。東日本大震災以降、地震予知・予測の必要性が問われています。JESEAジェシア(地震科学探査機構)は、リモートセンシングという技術を使い地震の前兆現象を捉え地震を予測します。東京大学名誉教授の村井俊治先生の研究技術により、地震予測分野で5つの特許を取得。国土地理院が設置した全国約1300か所の電子基準点のほか、NTT docomoの協力で設置したプライベート電子観測点データを解析。地殻の動きを捉えています。言わば地球の健康診断を行って地震予測を提供しています。
<<無料サンプルはこちら>>

歴史時代作家 早見俊の「地震が変えた日本史」
『週刊MEGA地震予測(JESEA/地震科学探査機構)』とタイアップしたエッセーです。JESEAの「MEGA地震予測」で配信される地震予測情報と合わせて読んで頂けると、興味、面白さ倍増します。
<<無料サンプルはこちら>>

焦り隠せぬ安倍晋三元首相。掴みどころのない岸田首相に抱く不安の中身

総理の座を退いてもなお影響力を行使し続けたい安倍晋三氏にとって、岸田首相の「したたかさ」は想定外だったようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、「安倍離れ」を進めているかのような岸田首相の動きと、そうした出方に焦りを隠せない安倍氏の言動を紹介。さらに二人の微妙な関係性と、安倍氏が岸田政権を支えていく姿勢を変えられない理由を解説しています。

 

岸田首相の意外なしたたかさに焦る安倍晋三氏

久しぶりの衆議院予算委員会。国会がようやく動き出した。岸田首相にとっては、初陣だ。

野党の論客が手ぐすねひいて待ち構えるなか、岸田首相は質問のトップバッター、高市早苗政調会長とはかり、懸案の10万円給付について、クーポン抜きの現金一括給付も認めると言明した。

ブレまくった挙句、本格論戦を前にした方針転換。良く言えば柔軟、悪く言えば頼りない。いずれにせよ、前途多難を感じさせた。

が、この10年近く見続けてきた強行一辺倒の政権よりはマシかもしれない。

5万円を現金、あとの5万円はクーポンということになれば、1,000億円近い事務経費が余計にかかることが、野党議員の指摘で判明。各自治体からも現金一括給付を望む声が続出した。その状況を無視できなかったということ。そしてなにより、岸田首相自身、この政策に納得していなかったのではないだろうか。

誤りを正すことなく、反対意見をむりやり押さえつけ、屁理屈とウソとごまかしで国会を切り抜けてきたのが、アベ・スガ政権だった。そんなやり方と決別したと考えれば少々のことは我慢しよう。

たとえ、野党の追及をかわすため先手を打ったに過ぎないとしても、自治体の混乱は避けられないとしても、愚策を通すよりはいいに決まっている。

安倍元首相の傀儡ではない。岸田首相が世間にアピールしたいのはそこだろう。その意味で、安倍氏の意に沿わぬのを承知で林芳正氏を外務大臣にしたのは効果的だった。

新型コロナ対策でも違いを鮮明にした。11月29日。オミクロン株をめぐる首相官邸でのこの発言。

「外国人の入国について、11月30日午前0時より全世界を対象に禁止する」「状況がわからないのに、岸田は慎重すぎるという批判については、私が全て負う覚悟でやっていく」。

アベ・スガ政権を反面教師とした水際対策の徹底である。しかも、批判に対しては「責任を負う」とはっきり言った。これには「おっ」と驚いた人も多いのではないか。

むろん、国際航空便の新規予約の停止をめぐって混乱を招いたのはお粗末だったが、新型コロナ感染が沈静している幸運も手伝って、さしたる失点はついていない。

現に、内閣支持率は上昇傾向だ。最初の期待が大きくなかったがゆえの有利性がある。

“キングメーカー”というより、実質的なキングとして君臨したい安倍氏は内心、面白くないだろう。岸田政権が崩れるのも困るが、あまり自信をつけられると、もっと困る。とにかく、自分が一番でないと満足できないのだ。

安倍氏の想像とは異なり、首相としての岸田氏は思い通りにならない人だった。首相に就任すると、安倍政権の看板政策だった「一億総活躍」「働き方改革」「人生100年時代構想」など引き継ぐ価値がないとばかりに、それらの推進室を廃止した。

辞任した甘利明前幹事長の後任には、「平成研究会」(旧竹下派)の茂木敏充氏を充てた。そこに、平成研と麻生派を味方にしたい岸田氏の思惑がのぞく。

 

安倍政権の残滓か。新潟のドン裏金騒動の背景に見えた河井夫妻事件の影

先日掲載の「新潟のドン『裏金2~3千万撒け』で露呈した自民党“金権選挙”のウラ実態」等の記事でもお伝えしたとおり、泉田裕彦衆院議員と星野伊佐夫新潟県議の当人同士のみならず、支援者を巻き込んだ応酬合戦が続く新潟の裏金騒動。両者の言い分は未だ平行線を辿ったままですが、識者はこの「事件」をどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『権力と戦う弁護士・郷原信郎の“長いものには巻かれない生き方”』では元検事で弁護士の郷原信郎さんが、専門家の目線で泉田氏が公開した録音記録の内容を検証。さらに郷原さんは、そこに見えた河井夫妻選挙違反事件の思わぬ影響についても指摘しています。

【関連】新潟のドン「裏金2~3千万撒け」で露呈した自民党“金権選挙”のウラ実態
【関連】泉田裕彦議員が地元県議との面会でレコーダーを用意していたワケ

 

プロフィール:郷原信郎(ごうはら・のぶお)1955年島根県松江市生まれ。1977年東京大学理学部卒業。鉱山会社に地質技術者として就職後、1年半で退職、独学で司法試験受験、25歳で合格。1983年検事任官。2005年桐蔭横浜大学に派遣され法科大学院教授、この頃から、組織のコンプライアンス論、企業不祥事の研究に取り組む。2006年検事退官。2008年郷原総合法律事務所開設。2009年総務省顧問・コンプライアンス室長。2012年 関西大学特任教授。2017年横浜市コンプライアンス顧問。コンプライアンス関係、検察関係の著書多数。

泉田・星野両氏の「裏金」バトル、背景に「河井夫妻事件」の影響か

今年10月31日に投開票が行われた衆議院議員選挙をめぐって、小選挙区(新潟5区)に立候補して落選し、比例復活した自民党の泉田裕彦衆院議員が、同党の星野伊佐夫・新潟県議から2,000万~3,000万円の裏金を要求されたと告発した。

それに対して、星野県議が反論会見を開いて疑惑を否定し、泉田議員は星野県議の自宅で録音したという音声のやり取りを公開した。

しかし、これについても、事実関係をめぐって両氏の主張は真っ向から対立している。

そして、自民党長岡支部が、新潟5区支部長を泉田氏から差し替えるよう県連に申し入れを行うなど対立が深まり、バトルの様相を呈している。

この問題については、泉田氏が「裏金要求があったこと」を公にした時点で、YouTube《郷原信郎の「日本の権力を斬る」》で「【自民党泉田裕彦議員が暴露した「新潟県議の裏金要求」は、今なお続く“自民党選挙の実態”なのか?】」と題して取り上げ、自民党的な不透明な選挙資金の流れの問題が背景にある可能性を指摘した。

その後、泉田氏と星野氏の会談の記録が記者会見で公表され、具体的なやり取りが明らかになったが、一般公開されているのは泉田氏が文字起こしして「解説」を加えたものであり、そこには、星野氏の「手振り身振り」なども含まれている。

生の記録を確認しなければ、両氏の論争について法的判断を加えることはできない。

しかし、両氏の間でこのような争いが行ったことの背景に、元法務大臣の多額現金買収事件として社会に衝撃を与えた河井夫妻事件が影響していることは、泉田氏が「広島の事件」に言及したことからも明らかだ。

私は、検察捜査が本格化した頃から、ヤフーニュース記事「河井前法相“本格捜査”で、安倍政権『倒壊』か」「検察は“ルビコン川”を渡った~河井夫妻と自民党本部は一蓮托生」等で、選挙に向けての支持拡大のために相応の資金が必要であり、政治的影響力の大きい有力者に対して使途を限定しない形で「不透明な資金のやり取り」が行われるということが事実上野放しになってきたが、河井夫妻が行った地方政治家に対する金銭の供与が買収罪に問われるとすると、日本の公職選挙の情景を大きく変えることになると指摘した。

概ね明らかと考えられる両氏の発言と両氏の主張の対立点との関係を整理し、河井夫妻事件が、今回の問題にどのような影響を与えているのかを考えてみることにしたい。

 

ゼットスケーラー日本・アジア代表が伝授する「多角化経営の基本戦略」とは?

今や企業の成長や存続に欠かせないとされる多角化経営ですが、何の知識や準備なしで立ち向かっても到底「勝ち」は見込めません。ではいったいどのような戦略が必要となってくるのでしょうか。そんな疑問に答えてくださるのは、クラウドセキュリティ業界を牽引する「ゼットスケーラー株式会社」の代表取締役を務める金田博之さん。金田さんは今回、MBA(経営学修士)の経営フレームワークを身につける機会がないビジネスマンに、低コストで実践的に学習する環境を「動画」と「テキスト」で提供する、まぐまぐ大賞2021受賞メルマガ金田博之のMBA実践メルマガ~ゼットスケーラー日本・アジア代表が動画と教材で教える経営フレームワークのすべて』で、リクルートホールディングスの公開資料を読み込みつつ、会社経営における多角化戦略の考え方をレクチャーしています。

【関連】ゼットスケーラー日本・アジア代表の金田博之氏が伝授。ビジネス戦略は「たった1枚の図」で説明できる

【緊急告知・LIVE配信のお知らせ】

 

ゼットスケーラー日本・アジア事業責任者、金田博之さんがオンラインで無料勉強会を開催します。 これまで有料で開催してきた勉強会をメルマガ読者を対象に無料公開。この機会にぜひ初月無料のメルマガお試し購読をどうぞ。

 

テーマ:ケーススタディーで学ぶ経営
日時:2022/1/15(土)10:00開講予定

 

この配信は誰でも視聴可能な配信です。

 

視聴はこちらから。

金田博之さんのメルマガ『金田博之のMBA実践メルマガ~ゼットスケーラー日本・アジア代表が動画と教材で教える経営フレームワークのすべて』が「まぐまぐ大賞2021」キャリアアップ部門を受賞しました!これで2017年から5年連続での快挙!よりビジネスの視野を広げたいという方はメルマガをチェック!!

 

アンゾフの成長ベクトル:リクルートから学ぶ「多角化経営の4つの戦略」

まえがき

これまで経営戦略→マーケティング→組織・人事→会計と1ヶ月のサイクルで解説してきまして、このたびまた経営戦略編からもう一度学んでいただくという流れになっています。

1週目の内容を復習しながら、より深い内容にしていきますのでぜひこれからもお付き合いください(バックナンバーはこちらでご確認ください)。

ではまず、経営戦略についての振り返りからやっていきます。

knd20211216-1

こちらは、戦略を一枚の図で表したもの。

戦略を一言で表すと、向かうべき目的にどうやったらたどり着けるのか、その手段のことです。

現在の自分の姿から、目指す姿の間のギャップを埋めたいのですが、そこにはなにかしらの壁が存在します。その壁を超えるための手立てを考えていくのが戦略です。

つまり、戦略とは目的に向かっての道筋のようなものであり、戦略がなければ組織はどこに向かっていけばいいかわからず、あらぬところへたどり着いてしまうでしょう。

そして、戦略を考える上でまず真っ先に考えていただきたいのが、図の右側にも書いてある4つの質問。

  • 競争相手は誰か
  • どんな独自価値を持つか
  • どんなリソースの強みがあるか
  • 価値提供を維持し続けるにはどうするか

これは総括すると、自分の会社(組織)はなんのために存在するのか、何をすべきなのかという自己分析、現在の姿を捉えるための質問です。そこを踏まえた上で、戦略を策定していきます。

戦略についての詳しい解説は、メルマガ181号でお話しました。

【関連】ゼットスケーラー日本・アジア代表の金田博之氏が伝授。ビジネス戦略は「たった1枚の図」で説明できる

そして今月配信のメルマガでは、戦略のさらに応用編としてもう一段階上の話をしていきます。今回のテーマは、“多角化”。

今世の中は急スピードで変化しています。その中で企業が生き残るには、多角化がキーワードになっていくことでしょう。

日本で長く続いている企業、その中で今もなお勢いのある企業といえば、リクルート、ソニーなど。

割と新しいですが、楽天、ソフトバンクなども今かなりの勢いを持っています。

これらの企業はいずれも、時代の変化に適合し、そして進化して今の姿になりました。

創業からずっと、ひとつの事業だけを貫き通し、それで永続的に生き延びられる会社はいません。

なぜなら環境には変化がつきものですし、市場に競合が参入し、常に競争が起こります。

その中で生き残ったものが勝つのが、ビジネスの世界。そして、実は会社は長く続けることが難しいのです。

日本の場合、起業してから10年以内に9割の会社が倒産すると言われています。しかし日本はまだ生存率が高い方で、欧米ではもっと多くの企業が倒産しています。

つまり、会社は生き残るだけでも難しく、会社の成長戦略を考えていく上では変化する環境に対応し、生き残ることをまず念頭に置いて置かなければいけません。

そのためのキーワードとなるのが、“多角化”だと考えています。

 

完璧な論旨展開はむしろNG。「明らかな間違い」で上司を味方にするワザ

たとえば社内のプレゼンなど、真面目な人ほど自分が発信する内容に関して完璧を目指すものですが、実はそんな心がけが「逆効果」を生んでいる可能性もあるようです。今回のメルマガ『ねずさんのひとりごとメールマガジン』では作家でユーチューバーの顔も持つ小名木善行さんが、「完璧な答案を求めるのは学生のテストだけ」として、自身の動画に明らかな間違いを故意に入れ込む理由を解説。その上で、「不完全であることの重要性」を綴っています。

 

間違い探し

もしかすると、いつかむすび大で話すかもしれませんが、いまはまだ話していないことをひとつお話したいと思います。

実は、むすび大の動画(「むすび大学チャンネル」)で、私の担当している動画に関しては、必ずどこか一箇所、誰の目にも明らかな間違いを入れるようにしています。

たとえば「学校では教えない忠臣蔵の真実 赤穂浪士が討ち入りをした本当の理由」という動画では、浅野内匠頭の辞世の句について、本当は「風さそう花よりもなお~」であるものを、意図的に板書を「花さそう、花よりもなお~」と書いています。

するとコメント欄に、「間違ってますよ」とか、「こんな間違いをするような奴の話だから信頼できない」とかといったコメントが必ず付きます。

「しめしめ(笑)」と思っています。

とかく自分の知性に自身のある人は、新しい説を聞いても、まず絶対にそれを認めようとしません。とりわけ、完全武装したような完璧な論を展開されると、それだけで反感が先に立ってしまって、耳を両手で塞いでしまいます。

ところが、明らかな間違いがあると、「そらみたことか。オレの思っていることの方が正しい」と、そこで満足を得ます。それで、他にも間違いがあるのではないかと、話を熱心に聞くのです。

これは、会社などにおいて、プロポーザルを行うときも同じです。並み居る上司の前で、完璧な論旨を展開すると、大抵の人は「面白くない」と感じてしまうのです。

ところが、明らかな間違いがあると、言われた側は、「すみません」としか言いようがなくなります。それで満足し、その他の大枠については、「君だけでは心もとないから、オレが付いていてやる」といって、協力的になるのです。

私の活動は、思想上に偏向がないと思っている中間層の人たちに、日本のすごさや、日本のたいせつさを広げる活動です。そのために、完璧な人になることを目標に頑張るという方法もあろうかと思います。けれど、そうした人には、多くの場合、少数の熱心なファンが付いて、いわばそれがひとつの教団化することはあっても、世間の多くの人に影響を与えることが困難になるのです。

江戸の芝居がそうです。歴史ものの様々な演目がありますが、全部は語らない。あるいはどこかに、明らかな間違いを挿入する。早い話、歌舞伎などにおける剣劇は、まるっきりただのお芝居でしかありません。だから、「あんなことでは、敵を倒すことなんてできねえんだよ」と、帰りの蕎麦屋で、話題にしてくれます。そうすることで、「ほう、その芝居、面白そうだから、オレもいっちょう、見に行ってやるか」となるのです。

世の中で、およそ完璧な答案を求めるのは、学生のテストだけです。実社会は、不完全であることが、影響力を高めます。

ですからむすび大学の動画の講義でも、内容は完璧を期するけれど、どこかに必ず「ツッコミどころ」を入れています。そうすることで、あれこれとツッコミを入れて話題にしてもらえれば良いのです。そうして、知らず識らずのうちに、「やっぱり日本てかっこいいよな」と思ってもらえれば正解です。

そのとき、「むすび大でも、そんな話してたよね」「わはは。ありゃあダメだよ。明らかな間違いがある。オレの言っていることの方が正解だ」となってくれれば、今度はその人が主役となって、周囲に影響の環を広げてくれます。