「火つけてこい」の明石市長、2度目の暴言に「市民賛同」のワケ

以前、「火をつけて捕まってこい」と市の幹部に暴言を浴びせていたとして問題となっていた、兵庫県明石市の泉房穂市長が、市民の前である新年会でまた暴言を吐いたことを認め、謝罪したと産経新聞朝日新聞神戸新聞などが報じた。

泉市長は当時飲酒していたことを述べ、「はっきりとは覚えていないが感情的になってしまい、不適切だった」とし、暴言を浴びせた市議にはその場で謝罪。発言を撤回したという。しかし、これについて日本のネット上では泉市長を支持する声で溢れている。


暴言は以前にも…

泉市長の暴言は以前にもあった。道路の拡幅工事のための物件の立ち退き交渉が進んでいなかった2017年6月。交渉を担当する職員に対して「(物件を)燃やしてしまえ」「今日火つけて捕まってこいお前」「もう行ってこい、燃やしてこい、今から建物」「損害賠償、個人で負え」など発言していた。その後泉市長は辞職していたが、「市長としての資質に欠けていた」と謝罪。昨年3月の出直し市長選で当選していた。

暴言は、市民を思ってのことだった

問題となったのは13日昼に行なわれた、市内の小学校区であった新年会。異常な混雑により起きた群衆雪崩が原因で、死者11名、重軽傷者247名を出した「明石歩道橋事故」以降中止されている、「明石市民まつり」の再開などをめぐって口論となったとされている。自民党系会派に所属する市議に強く求められ、「もう議員やめてしまえ」と2度繰り返したという。

「まつりを再開したい気持ちもあるが被害者もおり、警察との協議も必要」と何度も説明したにも関わらず伝わらなかったことから「カチンときて言ってしまった」と説明。「大事な議論だから、新年会ではなく場所を移して議論すべき、と収めるべきだった」と反省の意を述べた。

会見で泉市長は、発言を「暴言」と認めた上で、「不適切な発言で本当に申し訳ない。反省が不十分だった」と謝罪。自民党系会派の市議には、14日夜にもあらためて謝罪しており、市議は「気にしていない」と答えたという。

へりくだりすぎ禁物。「おっしゃられる」のどこが間違いなのか

立場が上の方にビジネスメールを送る際、ついつい過剰に丁寧、もしくはへりくだり過ぎた敬語を使い、ぎこちなくなってしまうというケースがよく見受けられます。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では著者の神垣あゆみさんが、より自然でシンプル、かつ正しい敬語の使いかたを、わかりやすくレクチャーしています。

思い込みの敬語 「させていただく」

一見、敬語のようでも、表現が過剰だったり言い回しが間違っていたりすることがあります。よく見られるのが「させていただいている」という言い回し。

「今、確認させていただいております」
「資料を拝見させていただいていますが」
「担当営業がお伺いさせていただいております」

など、それらしく敬語になっているように思われますが、「させていただいている」を使うことにより、へりくだり過ぎた表現になっています。上記の言い回しをもっとスリムにしてみましょう。

「ただ今、確認しております」
「資料を拝見しておりますが」
「担当営業が伺っております」

「させていただいている」を使わなくても、きちんと敬意が伝わる一文に書き換えられます。

「させていただく」も同様で、「昨日、商品を発送させていただきました」としなくても「昨日、商品を発送いたしました」ですっきり表現できます。

「させていただく」は、自分の動作・行動を相手の許可を得て行ったりそうすることで何かしら恩恵を受けたりすることがある場合に使用します。「させていただいている」はその現在形です。

上記に挙げた例文はいずれも、自分や第三者が意思を持って行動している状態にあるので、「させていただく」「させていただいているは不要です。

思い込みの敬語 「おっしゃられる」

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」です。それと関連して、よく目にするのが「おっしゃられる」という表現。

尊敬の意を表す「られるおっしゃるが一緒になっているので過剰な敬語表現になっている例です。

×「課長がそうおっしゃられました」
○「課長がそうおっしゃいました」

同様の例としては…

×「昼食はお召し上がりになられましたか」
○「昼食は召し上がりましたか」

×「昨日、おいでになられました」
○「昨日、おいでになりました」

お聞きになられましたか」も過剰に敬語が使われている例です。「お~になる」で尊敬を表しますが、さらに尊敬の「られる」がくっついているので、敬語表現が重なっています

×「部長にお聞きになられましたか」
○「部長にお聞きになりましたか」

同様の例としては…

「お会いになられる」→「お会いになる」
「お帰りになられる」→「お帰りになる」
「お話しになられる」→「お話しになる」

丁寧に書き表そうとするあまり、敬語を重ねて使ってしまうと、文章自体がまわりくどく、まっどろこしくなります。敬語の使いすぎに注意しましょう。

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現役医師が詳しく解説。悪夢の細菌「薬剤耐性緊急脅威菌」とは?

アメリカの疾病管理センターが2019年11月に6年ぶりに発表した薬剤耐性脅威レポートの内容について、「日本も含めた世界的なもので深刻な状況」と警鐘を鳴らすのは、メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で沖縄在住現役医師の徳田先生です。徳田先生は、今回挙げられた新規2つを含む5つの菌についてその症状や対策を解説。風邪などウイルス性の病気で抗菌薬を処方する医師にも、要求する患者にも問題があると、正しい対処法を伝えています。

予想を超える深刻な状況。薬剤耐性緊急脅威菌とは?

2019年11月、米国疾病管理センターは薬剤耐性脅威レポート2019を発表した。前回が2013年だったので、6年ぶりのレポート。今回の報告は、すでに脅威が以前の予想より大変深刻な状況になっているとしている。

1年間にアメリカでは、280万人が薬剤耐性菌による感染症にかかり、少なくとも3万5000人死亡しているとの報告だ。院内感染の原因菌で最も多い、クロストリジオイデス・デフィシル菌は年間22万3900ケースであり、このうち少なくとも1万2800人が死亡と報告している。

これはアメリカだけの問題ではなく、日本も含め世界的なものだ。日本の発生数と死亡数もかなりの数になっているであろう。クロストリジオイデス・デフィシル菌は日本の院内感染症としても20年以上前からよくみられていた。下痢や発熱をきたし、重症では大腸(結腸)が巨大化し、全身の中毒症状をもたらす。これは中毒性巨大結腸症と呼ばれる状態だ。死亡率も高い。抗菌薬を投与された入院患者さんがリスク投与となる。

今回の薬剤耐性脅威レポートは、薬剤耐性緊急脅威菌として5つの菌を挙げた。緊急に対策が必要という意味。ここでの菌は細菌と真菌を意味する。真菌とはカビのこと。緊急脅威には、クロストリジオイデス・デフィシル以外に、下記の4つの菌を含む。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌、薬剤耐性淋菌、アシネトバクター、そしてカンジダ・アウリスだ。このうち、アシネトバクターとカンジダ・アウリスは今回のレポートで新たに緊急脅威菌に含まれた。

散りゆく桜。菅官房長官が名簿の加工を認める「極めて不適切」

菅義偉官房長官は14日、「桜を見る会」の推薦者名簿について、一部で部局名を隠す加工をしていたことを認めた上で「極めて不適切な対応だ」と述べたと東京新聞時事通信社などが報じた。また、招待者名簿の再調査については「すでに廃棄しており、考えていない」とした。


隠された部局名

内閣府は昨年11月22日の参院予算委員会の理事懇談会に、約4000人分の推薦者名簿を提出していたが、一部で「内閣官房内閣総務官室」の部局名を消していた。しかし、東京新聞によると、情報公開請求で東京新聞に開示された名簿では「内閣官房内閣総務官室」と部局名が記されており、これについて担当者は「誤解を招きかねないため名簿から消した」と説明したという。菅氏は、「最終的な推薦者が内閣府人事課であったため、それと異なる記載を消した」とし、加工は内閣府人事課の事務方の判断と説明。他にも同様の加工があったかといった質問に対しては「他にこのような事案はない」と否定した。

意図的に改ざんか?

政府は、参院予算委員に推薦者名簿を提出する2日前に「内閣総務官室の推薦者名簿は廃棄済み」と答弁していた。そのため、国会答弁との整合性を取るために改ざんしたのではないかと見られている。

フランス激怒。ゴーン被告の退職金要求に「卑しい」「金の亡者」

仏紙フィガロは13日、中東レバノンに逃亡した日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、仏自動車大手ルノーの会長職などを辞任した際の退職手当約25万ユーロ(約3000万円)の支払いを求め、昨年12月に仏労働裁判所に申し立てを行ったと読売新聞が報じている。

フィガロの取材に対しゴーン被告は、「ルノーでの私の辞任は茶番だ。退職に伴う全ての権利を要求する」と述べた。ルノーに対しては、年額約77万ユーロ(約9400万円)の年金や受け取っていない業績報酬の支払いも求めるという。

また時事通信は、仏テレビに14日出演した、フランス最大の労働組合、労働総同盟(CGT)のマルチネス書記長の言葉として、仏自動車大手ルノーに対して退職手当を要求している日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告を「卑しい」と非難したと伝えている。

マルチネス氏は「ゴーン被告はルノーで数万人を解雇した。雇用と業界をめちゃくちゃにしておきながら、ルノーをクビになった従業員のように労働裁判所へ行こうとしている」と指摘。「彼は人を見下す金持ちだ」と糾弾したという。

昨年1月、ゴーン被告の辞任を発表し、その後の取締役会で、退職手当などの支給を取りやめると決めていたルノー。今後の対応について「今はコメントしない」と述べている。

もはやゴーン被告の評判は崩れ落ちてしまったといっても過言ではないだろう。この退職金に関する報道を見る限りでは、搾り取れるところから金をせびろうとする、ただの金の亡者にしか見えない。会見では一方的に言いたいことだけを言い放ち、挙句の果てには金の要求。辣腕を振るったかつてのカルロス・ゴーンは、一体どこへ行ってしまったのだろうか?

止まると死んでしまうマグロは生涯にどれくらいの距離を泳ぐのか

今年もマグロの初セリがテレビや新聞で話題となりました。すしネタでも高い人気を誇るマグロは、寝ている間も絶えず泳いでいるとか…。一体なぜなのでしょうか?今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、魚と哺乳類の呼吸法の違いを解説しつつ、マグロの生態を紹介しています。

寝るときのこと

朝起きると布団をかぶっていない倉橋竜哉です^^;

「横になって静かに寝られるって幸せだな」としみじみ思ったのは昨晩のことでして、朝からこんな話で恐縮ですが、以前、深夜のラジオ番組を聞いているときにこんな話が流れてきまして…

「俗に動かない人を揶揄してマグロ(鮪)と言うけれど、実際のマグロは動いていないと死ぬ

…確かにその通りだよな、と妙に納得したのを覚えております。

  • マグロは止まると死ぬ
  • マグロは寝ているときでも動いている

という話は、割とよく聞かれる話ですが、そもそもなぜマグロは動き続けているのか?というと「呼吸のため」であります。人間が鼻と口を塞がれると、数分後には窒息してしまうのと同様に、マグロが泳ぐのをやめてしまうと、呼吸ができなくて窒息してしまいます。

どういうことなのかというと、まず魚の種類で分けると「赤身魚」と「白身魚」があります。マグロの鉄火丼なんて言いますが、マグロは赤身魚であります。赤身の「赤さ」は、血中にヘモグロビンなどの赤色の成分が多いからであります(人間もそうです)。このヘモグロビンのおかげで、酸素を効率よく体内に循環させて使うことができます。

よく運動をする回遊魚と呼ばれるマグロやカツオ、サバなどは赤身魚で、あまり運動をしないヒラメやカレイ、タイなどは白身魚であります。

そして、魚類はエラ(鰓)で呼吸をしています。口から入ってきた海水を、エラに当てることで、海水中の酸素を体内に取り込んでいます。よく運動をする魚、そしてカラダが大きい魚ほどたくさんの酸素を取り込む必要があります。

ちなみに今年の初競りで有名になったマグロは、276キロの重さであります。それだけの巨体の隅々にまで酸素を回すためには相当な量の呼吸をしなくてはいけません。そのために、自らが泳ぎまくって、エラに海水を当て続けなければならないのです。それが、たとえ寝ているときであっても。

昨日、寝る前にふとこんなことを思いました。布団で横になって静かに寝られることって幸せだなと。もし俺がマグロだったら、寝ているときも延々と走り続けないといけないのだろうな…なんて。エラ呼吸じゃなくて、肺呼吸でよかった、と(おいおい!)。

人間には「呼吸筋」と呼ばれる筋肉群があるので、寝ているときも息を続けることができます。

ちなみに種類にもよりますが、マグロは1年間で地球1周分を泳ぐそうで、生涯では、地球と月を数往復する距離になるとのこと。呼吸のためとは言え、寝ないで泳ぎ続けることってスゴイですな。

というわけで、今日はマグロの話でした。マグロを食べる機会があれば、よかったらご家族、友人などに話してみてください。

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

どんな風に寝ていますか?

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空前の和食ブームだからこそ。日本が誇る「定食」をアピールせよ

とんかつ定食・生姜焼き定食・煮魚定食…バリエーションも多彩な定食は、わたしたち庶民の心強い味方です。そしてこれらは、京料理などと同じようにれっきとした「和食」でもあります。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、「和食の無形文化遺産登録を定食ブームにつなげるべし」との持論を展開しています。

インバウンド効果で、「定食屋」にチャンスあり!

「和食」が、ユネスコの無形文化遺産に登録され、海外からの注目度はさらに高まっています。しかし、「和食という括りは、あまりにもゆるいのではないでしょうか。

京懐石のようなものなのか。それとも、日本伝統の一汁三菜なのか。あるいは、一般的な家庭料理なのか。解釈によっては、洋食屋さんで提供される料理も日本独特のものなので、和食だと言えます。

無形文化遺産の登録申請に際し、定義された「和食」の特徴とは?

  • 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
  • 栄養バランスに優れた健康的な食生活
  • 自然の美しさや季節の移ろいの表現
  • 正月などの年中行事との密接な関わり

この条件によって振るいに掛けると、洋食は外れるかもしれませんが、他のものはすべてが該当することになります。「和食をイメージする料理は、実に多彩です。

無形文化遺産に登録されたことで「和食」が注目され、飲食店業界のさらなる活性化が期待されます。しかし、漠然とブームを期待していたのでは、人は集まりません。「これぞ、和食だ!とアピールしなければ、市場は盛り上がらないのです。

真っ先に名乗りを上げた、「本来の和食」が、注目を集めることになり、無形文化遺産としての「和食」として、認知されることになるでしょう。登録を目指して活動を始めたのは、京都の料理人たちなので、まずは彼らが注目され始めています。あの華やかな彩りには、外国人も魅了されるでしょう。

しかし私は、定食屋さんがチャンスなのではないかと考えています。家庭料理を発祥としており、日本らしい素朴な料理が手頃な価格で食べられます。日本人が日常的に食べている、代表的な和食」なので、特に外国人にはウケるでしょう。

ならば、いま定食屋さんが声を上げる時ではないのでしょうか。「定食こそ、和食である」と。

家庭でもあまり料理をしなくなったいま、日本人でさえ、家族みんなで定食屋さんに行くくらいです。無形文化遺産への登録により、外国人はもとより、日本人にも注目されるチャンスです。安くて美味しい、栄養のバランスも考えられている定食こそ、称賛される時ではないのでしょうか。

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ここにもアベ友の影。無茶な「リニア新幹線」がゴリ押しされる訳

2027年の開業を目指し整備が進められているリニア中央新幹線ですが、その先行きは明るいものではないようです。ジャーナリストの高野孟さんは今回、自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、各新聞や雑誌でも指摘されている自然破壊問題や技術及び安全面のリスクを挙げ、リニア新幹線を「乗客・乗員の命を守れるのかどうかも疑わしい未成熟なレベルの代物」と結論づけています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年1月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

開業延期どころか工事断念に追い込まれかねないリニア新幹線──安倍晋三首相のお友達ゆえの葛西敬之氏の傲慢の結末

JR東海のリニア中央新幹線は、昨年12月で着工5年を経過した。27年開業という公表予定を達成するには、昨年中にすべてのトラブルを解決して工事を軌道に乗せる必要があったが、静岡工区の南アルプス山地を貫くトンネル掘削による大井川水系の水量減少を懸念する川勝平太同県知事との2年以上にわたる対立が膠着したままであるのに加えて、各地で住民による差し止め訴訟など反対運動が高まって、打開の目処が立たないまま越年せざるを得なかった。

そのため、一般紙では12月10日付読売新聞の「リニア開業延期現実味」、同22日付朝日新聞の同趣旨の記事、さらには11月24日付赤旗の「リニア工事・大井川流量減少」などが、

1.静岡工区の環境破壊問題や各地で起きた住民訴訟などですでにこのプロジェクトが政治的にズタズタなっていることを報じているが、

2.それらがきちんと触れていないのは、そもそものリニア技術が実のところ未成熟で、こんなものに乗れる訳がないだろうと思うようなリスクをいくつも抱えていて、それを指摘しているのは会員制情報誌『選択』だけである。そこを突き詰めると、さらに、

3.その背景にある21世紀の社会のあり方、その鍵となる自然と人間の関係についての文明論的な議論に行き着くことになるだろう。

それら各次元の問題に誠実に向き合うことなく、安倍晋三首相のブレーンという立場を利用して、政府から総事業費の3分の1に当たる3兆円もの財投資金を引き出し、力任せにこれを強行しようとしてきたのが、葛西敬之=JR東海名誉会長である。その無理と無茶が通らなくなるのが今年ではないか。

以上の3点を、下から順に吟味しよう。

「速い」ことがいいことだという時代錯誤

一体誰が、東京から名古屋まで30~40分で行きたいと思うのだろうか

私は2001年以来、少なくとも月に一度は名古屋に行って、中日新聞主宰の栄中日文化センターで2時間の講義をするということを20年続けてきた(それも今年3月で終わって以後は年に4回の特別講演会というペースとなる予定であるけれども)。

その場合、私は朝10時半頃に東京か新横浜で新幹線に乗って行く。東京発の場合は大丸の地下で弁松総本店の江戸風の「折詰め弁当」、新横浜発の場合だと崎陽軒の「シュウマイ弁当」を買って、30分ほどして車内でおもむろに弁当を開きゆっくりと味わう。食後に車内販売のコーヒーを楽しんで、本を読んだりウトウトしたりしながら12時前後に名古屋に着き、13時からの講義に臨む。

これがリニアで行くことになると、たぶん私は品川駅でコーヒーとサンドイッチでも買って11時半に乗り込んで、急いでそれをパクついて、ウツラウツラする暇などあるはずもなく、12時過ぎに名古屋に着くのだろう。私はそんなに慌ただしく名古屋に行きたいとは思わないので、仮にリニアが走っていたとしても、必ず新幹線に乗ることになる。

リニア新幹線の基本にあるのは、「速いことはいいことだという20世紀の文明論の残骸である。20年以上前には、「大きいことはいいことだ」ったし「速いことはいいことだ」った。しかし近頃そんなことを声高に叫ぶ人はおらず、世の中はむしろ正反対に進んで、「スロー・ライフ」などと言われるように、バタバタしないで、ゆっくり考えたり動いたり食べたりするほうが格好がいいと思われる時代になっている。そこで「どうだ速いだろう、これに乗ってもっと忙しく働いて、もっと稼いだらどうだ」と訴えかけているのがリニアで、文明論的に時代錯誤なのである。

20世紀には「速い」ことが1つの価値であったが、21世紀にはそれはむしろダサい。

「発展途上」ではない。日本を衰退途上国に落とした5つのミス

30年に渡り景気の減速が続く日本。どれだけ現政権が自らの経済対策の「効果」をアピールしようとも、私たち庶民が好景気を実感することが出来ないのが現状です。なぜ我が国はこのような惨状に陥ってしまったのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、日本が「衰退途上国」に堕ちた原因を考察しています。

2020年の呪い

日経新聞というのは、日本の会社社会と言いますか、財界を代表する新聞ですが、時々妙に反省モードになることがあります。割に多いのが、年初の連載記事というもので、今年の場合は「逆境の資本主義」という現代の資本主義論で、割と力作のようです。

その日経の「反省モード連載」の中で、最大のヒットとなったのが1997年に掲載した「2020年からの警鐘~日本が消える」だと思います。当時は、相当に話題になりましたし、単行本化もベストセラーになっています。

今年はその「2020年」に他ならないわけで、97年という時点では近未来として考えられていた「2020」という数字が現実となっているわけです。では、改めてここから「23年前」に封印された「タイムカプセル」、つまり「危機感のタイムカプセル」を開けてみるとどうなのでしょうか?

ここにその「2020年からの警鐘」の単行本があるのですが、読んだ感想を正直に申し上げるのであれば「脱力感」というような奇妙な気分があります。どういうことかというと、23年前に「こうなってはいけない」と当時の日経の記者やエコノミストたちが「危機感に駆られて」書いた内容が、その2020年になった現在では「全く危機感を感じない」からです。

まず帯からしてそうです。「先送りはもう許されない」「先の世代に『夢』ある社会を残すために、我々は何をなすべきか」「金融、司法、自治、教育など戦後システムを根底から問い直す」というキャッチコピーが、もう23年後の今見ると「脱力」せざるを得ません。まずもって、「ある社会などというのはとっくの昔に消えてしまっているし、そんな表現自体が違和感を通り越して新鮮に見えるぐらいです。

そして「先送り」ですが、23年前の「許されない」という指摘にも関わらず、「金融、司法、自治、教育」のすべてについて改革は23年間という途方もない時間、堂々と先送りされてしまっている」わけです。そうした事実を前提としますと、23年前の「先送りはもう許されない」という力の入った宣言には、何とも言えない脱力感を感じるのです。

それは「力を入れて宣言しても、どうせ可能にはならない」という無力感です。「改革なんかしなくても、夢など消えてなくなっても、どっこい社会は続いている」という沈黙の声の大きさ(矛盾した言い方ですが)から考えると、この種の構造改革論が無力であったという絶望にも似た思いかもしれません。

ですが、この「2020年からの警鐘」の本文を読み進めていくと、脱力感とか無力感というのは、戦慄に変わりました。まず強く感じられるのは、23年前に当時の人々が想像した「暗い未来予測がそのまま実現しているということです。これはもう恐怖としか言いようがありません。まるで、日経新聞が23年前にかけた「呪い」に日本経済がそのまま縛られてしまっているかのようです。

冒頭いきなり「大手都銀の倒産」可能性が語られますが、これは96年から97年の話でこれは長信銀の金融危機としてすぐに現実のものとなります。その先の様々な記述、

  • 無縁墓
  • リスク取れない日本マネー
  • 低賃金のアニメ業界
  • 間違う裁判官
  • 幸福感の低い子供
  • 研究鎖国
  • なくなる退職金
  • 孤立する人々
  • 英国病より重い

といった指摘は、2020年の現在、全てその通りとなり、そして改革は先送られそのまま問題が悪化しているだけです。正に、この本によってかけられた「呪い」がその後ずっと日本を縛っているとしか言いようがありません。

無力感に囚われない。「習近平の国賓訪日」反対は家からも出来る

少子高齢化など、日本の未来については悲観的な報道ばかりがなされ、国民の間にも諦めにも似た感情が広がりつつありますが、国の将来に対する不安を払拭することは不可能なのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、「日本を変えられない」という無力感を克服する方法についての持論を記しています。

「日本を変えられない」という無力感を克服する方法

28年ぶりに日本に帰ってきて、見た感じ、何も変わっていないように思えました。日本は、清潔で、安全で、秩序があって、自然がきれい。日本人は、勤勉で、誠実で、正直で、親切。冬でも、晴れの日が多く、実に快適で幸せです。

しかし、人々の心の中で、とても重要な変化が起こったことがわかりました。それは、人々が「希望を失っている」ということです。そして、「日本をよくすることができる」という確信がなく、「日本の衰退は不可避無力感」にとらわれている。

皆さんは、どうですか?同じように無力感にとらわれていませんか?今日は、この問題について考えてみましょう。

世界も日本もよくなっているという事実

日本はもうダメだ!」と多くの人がいいます。「世界はもうダメだ!」と思っている人もたくさんいます。「世界は、どんどん悪くなっている」と主張する人もいます。

しかし、事実をみると、世界はどんどんよくなっています。たとえばオバマさん。200年前にアメリカで生まれたら、奴隷です。それが、今では大統領になれる。100年前、世界のほとんどの地域は、欧米列強の植民地でし
た。今では、どんな大国でも、露骨に植民地をつくることはできません。

日本もよくなっています。私が小学校1年生の時、担任は女性の先生でした。正直、体罰は日常茶飯事。宿題を忘れたら、げんこつで頭を叩かれたり、耳をひっぱられたり。そのことを問題視する人は、誰もいませんでした。次に担任になった先生は、教室で授業中にたばこを吸っていました。誰も文句をいいませんでした。今は、体罰とか、たばことか、メチャクチャうるさくなりましたね。私は、いいことだと思います。

生活面では、たとえば「犬のフンは、飼い主が持ち帰る」という習慣が確立していませんでした。それで、近所の神社でしょっちゅう犬のフンをみかけました。今、道路に犬のフンが落ちていたらびっくりしますね。ちなみに、ロシアでは、未だに「犬のフンは、飼い主が処理する」という習慣がありません。それで冬、白い雪の中に、点々とフンが見え、なんともいえない光景になります。

1年前と比べるとあまり違いは見えませんが、たとえば私が子供だった40年前とかと比べると、その差は歴然です。今現在も、日本国はよくなりつづけています。たとえば、外国人は、「日本の公立学校にはエアコンがないところが多い」と聞いて、「ハイテク大国なのになぜ?????」と驚いていました。ここ数年、ようやく、「学校にエアコンは必須でしょ」という話になってきました。

というわけで、皆さん、「世界も日本もよくなっているという事実を認識しましょう

冷静にできることをする

日本最大の問題といえば、自虐史観」でしょう。私はモスクワに留学して、「日本と日本人は、愛され、尊敬されている」ことに気がつきました。それで、速やかに自虐史観を卒業できた。1999年にメルマガをはじめてから、一貫して「自虐史観はバカバカしいので捨てましょう」と書きつづけてきました。なかなか変わらないように思えましたが、今日本から自虐史観は消えつつあります

もちろん、私が書いてきたこととは、関係ないでしょう。いろいろな先生方が、「自虐史観を捨てましょう」と主張され、ゆっくり変わってきた。だから、「何も変わらない」ように見えても、あわてず、あきらめず、冷静に、働きかけつづけることが大事です。

『ショーシャンクの空に』でアンディは、刑務所の図書館があまりにも貧弱だと嘆きました。それで、州議会に週1で手紙を書き始めた。6年後、州議会は、刑務所の図書館に予算をつける決定をくだします。その時、アンディは、「たった6年で!」と喜びました。そして、「もう議会に手紙を書くにはやめるのか?」ときかれると、「これからは週に2回書くよ!」といって笑いました。

私は、中国の「反日統一共同戦線戦略」について7年間書きつづけています。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

全日本人がこのことを知るまで、後30年は書きつづけましょう。

そして今は、習近平の国賓訪日に反対しています。最近は、メルマガの最後に

「習近平の国賓訪日に反対」なかた、是非総理官邸にメールをお送りください。

 

ご意見募集(首相官邸に対するご意見・ご感想)

 

デモより効果があるみたいです。「日本がまた敗戦」とならないよう、お願いいたします。

と貼りつけています。そして、大変多くの読者さんから「官邸にメールを書きました!」と報告をいただきました。皆さん、どんどんメールを書きましょう。主権者としての権利を行使しましょう