【書評】インド人にびっくり。超保守的にして超革新的な国の正体

世界有数のIT大国としても名高く、ビジネスの面でも高い注目度を誇る国・インド。しかし、彼の国に住む人々の内面をよく知る日本人は多くはありません。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、インド伝統文化の研究者が暴露した「インドの正体」に迫る一冊をレビューしています。

偏屈BOOK案内:山田真美『運が99%戦略は1% インド人の超発想法』

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運が99%戦略は1% インド人の超発想法
山田真美 著/講談社

国際会議ではインド人を黙らせることと、日本人に発言させることが最も難しい。というジョークがあるが、会議のみならず、個人レベルにおいてもインド人の自己主張は生半可なものではないらしい。哲学者のような彫りの深くミステリアスな顔立ち、愁いを帯びた瞳、圧倒的なオーラ。しかもインド人の多くは恐ろしいほど自己PRがうまいTPOに関係なく超弩級に押しが強いらしい。

著者はインドの伝統文化の研究者で、「ブリタニカ国際年鑑」のインドの内政、経済、外交のページを20年にわたって担当する。インド工科大学の教壇にも立つ。36年に及ぶインド人とのつきあいを通じて著者が痛感しているのは、「大部分のインド人は初めて会ったときが一番すごい」であった。最初の衝撃波が最大で、それ以上の驚きを後年で提供してくれたインド人はほぼゼロだった。

日本とインドの違いを主として比較文化論的に、少し辛口にアプローチした本である。神秘なインド人の正体は、自分を限りなく大きく評価し堂々とアピールする人、に過ぎない。自己主張が通れば道理は引っ込む、そういうインド人を予め知っておけば、ビジネスでの失敗や個人レベルでの誤解を回避できる。

インド人の人生の目的は「アルタ実利・富・財)」「カーマ愛・性愛)」「ダルマ法・義務)」の三つが、バランスよく実現することだという。たった三つしかない人生の目的の一つが、ビジネスと金儲けなのだ。日本人は金儲けよりも清貧をよしとするメンタリティがまだ残っている、と思う。じっさいわたしはそれを標榜している。人生不器用で稼ぎがない、というだけであるが。

インド人とのつきあいの中で日本人が困惑するワースト3は、時間を守らない恐ろしく押しが強い(遠慮というものを知らない)、アルコールに対して非常に厳しい、である。インド人は酒をのまない(飲んでも飲んでいないふりをする)、飲酒自体を軽蔑する。特に女性の飲酒については、絶望的に厳しい。

インドで女性として生きるとはどういうことか。インド人に嫁いだ日本人女性の話。ごく普通の日本人だが、インド人に一目惚れされ「すべて君の希望通りにする」と熱烈なプロポーズを信じてインドへ。10余年後、彼女は殆ど軟禁状態。家計は夫が握る。好物の牛肉・豚肉を食べられない。夫の同伴なしでは外出禁止(インド女性の62%がそんな状態)。インドのことを殆ど知らない。

彼女の現状はインドではごく普通らしい。社会の底辺に閉じ込められた女性がいて、一方で社会のトップで活躍する女性もいる。インド国民会議派(民主国家のなかでは世界最大級)党首のソニア・ガンディーはなんとイタリア人。初めは普通の主婦だった。いくら夫がラジーヴ・ガンディーで、姑がインディラ・ガンディーとはいえ、イタリア人がインドで歴史ある政党の党首とは……。

日本人のインド人観は、1964東京オリンピックの頃にTVCMで流された「インド人もビックリ」というキャッチコピーにあるだろう。インド人は並大抵のことでは決して動じない、という暗黙の了解が拡散し定着したが、なんでもありがインド、超保守的で超革新的なインド、こんなわかりにくく、遠い国もない。その正体は「自己主張が通れば道理は引っ込む国・インド」らしい。

編集長 柴田忠男

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日本の真似してハイテク大国になろうとする中国の大きな勘違い

激しさを増すばかりで着地点が皆目見えない米中の経済摩擦。その影響は二国間にとどまらず、世界各国に広がりつつあります。ジャーナリストとして数々のメディアで活躍中の嶌信彦さんは今回、自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で、米中の対立を「貿易戦争」と「ハイテク派遣を巡る衝突」の2つの面から分析・考察しています。

中国・10の産業育成目指す

アメリカと中国の経済摩擦がだんだん激しさを増している。特に、まず貿易戦争だ。

中国の日常製品の品質はここ2、3年で急速に良くなっており、特にテレビなどの電気製品はコストが安く輸出の目玉商品になってきた。いまやアメリカの貿易赤字は8,787億ドルに達しているが、そのうち中国との貿易赤字は4,192億ドルと約半分を占める。このためアメリカは貿易赤字国に対し様々な対抗関税をかけ赤字縮小に努めているが、これまでおとなしかった中国が対抗してきた。最大25%の報復関税を課しこの関税報復合戦は商品の値上がりにつながり株価や為替の不安定化をもたらしている。

今後、アメリカは中国に対し、制裁措置としてさらに約,3000億ドル分の中国製品に最大25%の関税の付加を表明し、いまや世界貿易は生産や流通が世界的に拡大しているため金融市場などにも混乱が起きる可能性が出てきた。

もうひとつはハイテク覇権を巡る衝突だ。中国は2006年頃からハイテクに力を入れ始め、育成策として“自主創新”をスローガンに国産化運動に力を入れている。政府の投資ファンドに補助金を投入してアメリカの企業から技術供与を受けたり、サイバー攻撃で技術を盗んでいるとアメリカは警戒しているのだ。実際米司法省は14年に中国人民解放軍の将校ら5人を米企業6社へのサイバー攻撃で企業機密情報を盗んだとして起訴していた。

こうした事態の中で中国は2015年に製造業強化計画「中国製造2025」を発表した。これは次世代IT(情報技術)、ロボット、新エネルギー自動車、AI(人工知能)、ドローン、ビックデータなど10の産業を強化育成するとし

  1. 25年までに製造強国の仲間入りを目指す
  2. 35年には世界の製造強国の中位の水準となる
  3. 49年には世界の製造強国の先頭に立つ

──という工程表まで打ち出した。と同時に25年までに中間素材、部品、製造装置などの7割は中国国内で生産する、としている。

この過程で中国は海外からハイテク技術を導入して追い付こうとしているとアメリカはみているわけだ。このため安全保障上の懸念が生ずるとみて「ファーウェイ」や「ZTE」などから通話機器の調達と納入を禁じている。

中国はAIやドローン、ビッグデータ、クラウドなどの分野の競争力を高めている。これらをIoTの基盤となる高速大容量通信規格“5G”と結べば、中国のハイテク競争力は一挙に高まる。今後ハイテク覇権の争いが激化するとみているのはこうした現実が迫っているからだ。

日本がハイテク大国になったのは、まさにアメリカの技術をいち早く取り入れ、応用を効かせて国内需要に応じ、輸出に力を入れてきたためといえる。中国はその日本のやり方をそっくり取り入れようとしているのである。だからアメリカは、日本だけでなく、アメリカの技術が渡った国に対して全て網をかけ始めた

かつて日本はアメリカとの摩擦が激しくなると自ら規制してアメリカに恭順の意を表した。しかし中国は違う。国が産業政策を育成するのは国家社会主義・資本主義の構造的政策であり、これを曲げることは出来ないと主張している。まさに米中は政策調整を巡ってもガチンコ勝負になってきているのだ。

(電気新聞 2019年7月17日)

※追加情報

8月2日付けのロイターによると、トランプ米大統領は1日3,000億ドル相当の中国製品に対し10%の制裁関税を課すと発表し9月1日に発動する予定と報じられました。今回の措置では、携帯電話やラップトップコンピュータ、玩具や靴など幅広い消費財が関税の対象となり、米国が輸入する中国製品のほぼすべてが制裁関税の対象となります。

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なぜ、所得に関係なく受け取れるはずの障害年金が停止されるのか

障害年金を受けている方は、基本的に働いても年金が止まることはありません。しかし、国民年金加入前の20歳以前に障害基礎年金を受給するようになった人は、前年の所得に応じて制限される場合もあるそうです。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、障害基礎年金の詳しい仕組みとどの程度の所得で年金が停止されることがあるのかを解説しています。

国民年金加入前の20歳前に重い病気や怪我を負った人への障害基礎年金はやや給付制限がある

障害年金受給者の人はよく心配されるのですが、働いたら年金が止まるのではないかという事ですね。結論として働いたからって止まりません。障害年金は収入や所得に関係なく支給されるものなので、いくら収入があっても年金は止まりません。障害年金貰ってるんだから働いてはダメという事もありません。

むしろ障害年金を貰いながら症状を回復に向かわせて徐々に労働へ向かう期間と思ってもらえればと思います。あくまで「その病気や怪我でどのくらい日常生活に支障が出ているか?」というのが障害年金が見る部分なので、所得は見ません。

しかし、障害年金受給開始後もその後障害年金を支給するか?等級を下げて年金額を下げるか?の判断をするために1~5年間隔で新たに診断書は出してもらう必要はあります。その時に症状が良くなってたり、労働も普通にできてたりするならその診断書提出後の障害年金が止まるという事はあります。だからそれまでは所得や収入は全く関係なく支給される。

さて、障害年金は所得や収入の額で左右されるものではないですが、左右されるのもあります。その中でも、20歳前に初診日(はじめてその傷病により病院に行った日)がある事により20歳以降に障害基礎年金を受給されてる人(年金コードが2650とか6350となってる人)は所得に左右される。よって7月に前年の所得を確認して、所得額によっては8月分以降の年金を半額停止したり、全額停止したりする。

先月メルマガで書いた気もしますが再度申し上げますと、去年までは7月に毎年、所得状況確認届というのを7月末までに市役所に提出する必要がありましたが、今年からは日本年金機構が市役所に確認するから届け出は原則不要となりました。

なぜ、20歳前の傷病で初診日がある事により障害基礎年金が支給される人(以下、20歳前障害基礎年金という)は、年金が停止される場合があるかというと保険料を支払わなくても障害基礎年金が支給される人だから所得制限という縛りを掛けてるわけです。

また、1~5年間隔の診断書提出も、20歳前障害による障害基礎年金受給者は7月提出に統一されていましたが、令和元年度から誕生月前3ヶ月(8月生まれの人は6月1日から8月31日までの間の症状を書いてもらう)の現症を医師に書いてもらって、誕生月末までの提出という事に変更された。従来は提出まで1ヶ月しかなかったから診察予約や、診断書を医師に書いてもらうのをモタモタしてる余裕は無かった。誕生月末までに提出ができないと年金が一旦差止まってしまう(提出後に差し止めた年金は遡って支払う)。


参考

初めて病院に行った日を初診日と言いますが、初めて病院に行ってなくても出生日が初診日として扱われる場合がある。それは、先天性の知的障害の方や先天性股関節脱臼の方等。知的障害の方は療育手帳をお持ちだったりするので、それで初診日が出生日という扱いになる。


いまさら人に聞けないイラン情勢。アメリカの目論見が外れた理由

アメリカが呼びかけた有志連合への参加を表明した国は、8月初旬時点ではないようです。対イラン政策に関するアメリカの外交姿勢は国際社会から承認されていない状況が続いているように見えます。そもそも、アメリカは、トランプ政権は、なぜイランに対し強硬姿勢を続けるのでしょうか?このいまさら人に聞きにくい疑問を、メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、国際交渉人の島田久仁彦さんがわかりやすく解説してくれました。紛争調停官として、日本外交への期待も表明しています。

外れたアメリカの目論見と中東における緊張の激化

トランプ政権になってからのアメリカは、過度なまでにイランを敵対視し、ついにはオバマ政権と欧州の同盟国が苦難の末に作りあげ、イランの合意を引き出したイラン核合意を一方的に離脱することで、イランとの緊張関係を振り出しに戻してしまいました。

その後、北朝鮮問題の“進展”というサプライズを演出できたこともあり、しばらくはイランがトランプ大統領のレーダーに上ることは少なくなっていましたが、北朝鮮の非核化をめぐるdeal makingが停滞すると、再度、イランに対する圧力と口撃が始まりました。

ただ、『戦争は準備が出来ているが、実行したくない』との本音と、仮に交戦状態に陥った際にどのような被害が出得るかを知らされたのでしょうか。今のところ直接的かつ大規模な武力衝突には踏み込まないギリギリの線で止まっています。

とはいえ、安倍総理がテヘラン訪問中に2隻のタンカーが襲撃され、まだその“真犯人”が特定できない中、米イラン互いに無人偵察機を撃ち落としたり、イギリスとイランの間で互いのタンカーの拿捕事件があったりして、緊張の度合いと幅が広がってきていることは確かです。

同盟国のタンカーが襲撃される事件が相次いだことと、トランプ政権の方針の一つである米軍の同盟国防衛体制の見直しと絡み、先月初めにホルムズ海峡を航行するタンカーなどの商用船に対する警備と防衛の負担を分担すべく『Coalition of the willing(有志連合)』の結成を呼びかけました。有志連合への参加を呼びかけられた国として、輸入される原油の大部分がホルムズ海峡を通過する日本も例外ではありません。

当初、英国が賛同する意を示していましたが、自国のタンカーの拿捕事件に加え、首相および内閣が替わったこと、そして『有志連合』という形態に対するイラクの呪縛を受けて、今では有志連合の結成には積極的とは思えない状態です。

そのような空気を察するように、フランスやドイツも、アメリカの呼びかけには真正面から応えることはせず、イラン核合意を通じてできたイランとの特別な関係の維持という目的も叶えるべく、欧州独自のパトロール活動を行うべきとの立場を表明するに至っています。

日本に至っては憲法解釈と法律的な解釈の問題もあり(そして参議院議員選挙直後というタイミングもあり)参加は難しい状況ですし、同じくホルムズ海峡を通るタンカーへの依存率が高い中国も、現時点ではイランを刺激するような動きは取れないことと、米中の貿易問題の影響もあり、参加はしませんので、アメリカの目論見はどうも外れたように思えます。

部分否定が限度。「金が全てじゃない」の言葉が示す「金」の価値

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんが今回取り上げ論じるのは、「お金」です。山崎さんは、「全てじゃない」と言う人はいても完全否定することは誰にもできない「金」について思考を深めます。そして「金の価値」を担保しているものの危うさに辿り着きます。

金のこと

人は皆、金が好きだ。言い方が露骨過ぎるなら、金の嫌いな人はいない、と言い換えてもいい。

おそらくこれには反論の余地はなかろう。実際、金が入るたびに「ああ、けがらわしい」などと言ってそれを捨てて回るような人の話は今までたったの一度も聞いたことがない。仮にあったとしても、それはもう既に正気の沙汰とは言えない事態である。

とは言え一方では、金が全てじゃない、とも言う。これはこれでまたリアルに納得ができる考えである。ただ言えても「全てじゃない」という部分否定が限度である。つまり「大切な一部ではある」という訳である。

では我々の大切な一部をなす金の意義とは一体どういうものなのだろうか。思うに、金の哲学的価値はその代替性にあるのではないか。言い換えれば、掛け替えのない何かとは異なり、いくらでも掛け替えの利くものの第1位としてあるのが金なのではないだろうか。言うまでもないことだが、掛け替えの利くものは掛け替えの利かないものには及ぶべくもない。つまり永遠の2位である。

極端な例で説明すると、掛け替えのないもの、例えば命が失われたとする。この喪失を代替的に埋めるために保険金や賠償金、つまりは金が支払われる。これに納得できないからといって誰か(例えば犯人など)の命で払えとは言えないのである。その命もまた掛け替えのないものだからである。

このような極端例はひとまず置くものとしても「これさえあれば」「この人さえいれば」といったレベルでの掛け替えのないものは誰にでもある筈だ。前者を「夢」と呼び、後者を「愛」と言う。実際、今自分で書いていてもそうなのだが、これらのものはおそらくそれらが掛け替えのないものであるが故に言葉にするのが結構恥ずかしい。恥ずかしいから隠される。その結果表見的には、永遠の2位である筈の金が幅を利かせることになるのである。

だからいくら「世の中、金が全て」と嘯いてみたところで無駄なのである。それは同時に自分には「夢」や「愛」あるいはそれ以外の掛け替えのないものがある、と喧伝して回っているようなものだからである。

シニア世代にこそ古武道、小唄、着物など日本の伝統を勧める訳

日本好きの外国人が日本の伝統工芸などに弟子入りする例が増えているようです。そして、そういった人たちは日本人よりも、日本の伝統的生活をトータルで取り入れようとしていると伝えるのは、メルマガ『j-fashion journal』の著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんです。坂口さんは、特にシニア世代に対し日本の伝統生活をオススメし、その生活のベースとなる衣服として、型に縛られない「きもの」の着用を提案しています。

日本伝統生活の再発見

1.外国人がイメージする伝統生活の体現

日本が好きな外国人は多い。彼らがイメージする日本人像の一つが忍者だ。現在でも忍者は存在していると考え、日本に忍術の修行のために来る外国人も少なくない。既に、現代日本に忍者は存在しないが、忍者も使っていたであろう様々な古武道は現在も伝わっている。日本人の後継者は少ないが、外国人の弟子が増えている。

同様に、日本人後継者のいない伝統工芸の世界にも外国人が押し寄せている。全く縁のない外国人が突然押しかけて来て、弟子入りすることもある。私のクライアントに藍染めの剣道着メーカーがあるが、やはり外国人が突然訪ねて来るという。日本人が安い製品を選ぶ中で、外国人の方が本物を求めているのだ。彼らは、日本の伝統的生活をトータルで評価している。

日本にいると、武道をやっている人が着物に興味があるとは限らない。あくまで、趣味として武道だけに興味があり、日本の生活文化全体については関心が薄い

そこで提案したい。会社を定年して何もやることがなくて、退屈しているみなさん。みなさんが率先して、日本の伝統的生活を体現してはいかがだろうか。そうすれば、日本伝統文化の語り部になれる。外国人観光客とのコミュニケーションも図れる。新たな人生が開けるかもしれない。

2.武道で身体と精神を鍛えよう

日本の伝統的生活の第一歩は武道ではないか。武道と言っても、柔道、剣道、実践空手のようにスポーツ化しているものではない。高齢になってから、格闘技のようなスポーツを行うのは負担が大きい。むしろ、呼吸や身のこなしを大切にする型を重視したものを勧めたい。例えば、合気道、居合道、杖道、その他の古武道である。江戸時代にはスポーツという概念はなかった。

武道は殺人の技術からスタートしたが、江戸の太平な時代には次第にスポーツ化してきた。それでも、西欧のスポーツとは身体の使い方が全く違う。我々のDNAには、千年以上の農耕生活が刻み込まれている。立ち方、座り方、歩き方等にその影響が見られ、これはすべての日本文化の所作に通じている。

現代人は、洋服を着るようになり、西欧式の運動を習い、日本古来の身体の動かし方を忘れてしまった。古武道には日本文化と共に育んできた身体の動かし方が伝わっている。別に強くならなくても、段位を取得できなくてもいい。昔の日本人の身体感覚を実感することが重要なのだ。

団塊世代の犠牲になった若者たち。非正規雇用が増えた本当の理由

「高齢ひきこもり者」の増加が問題視されていますが、データを読み込むことで意外な真実が見えてきます。マンション管理士で社会問題にも詳しい廣田信子さんは、自身の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、既存正社員の椅子を守るために犠牲になった若者たちが非正規社員として扱われたという「データ」を紹介。さらにその事実が、「ひきこもりの高齢化問題」と密接な関係にあることを解き明かしています。

非正規雇用が増えた本当の理由は…

こんにちは!廣田信子です。

うまく社会に順応できすに、「ひきこもり」になってしまっている人、「非正規から抜け出せずに将来に希望を持てないまま中年になった人、その人たちをどう支えるかが、社会の大きな課題とようやく認識されるようになってきました。

その背景には、企業が、利益優先のあまり、「正社員非正規に置き換えていったことがある…と思われていますが…、1982年~2007年の25年間で、18~54歳の男女の「正社員」「非正規」「自営業」「パート・アルバイト」「無職者」の割合を見ると、ちょっと意外なことが分かります。

この間、「正社員の割合はほぼ変わっていないのです(46%→46%)。

この25年の間に、少子化で労働人口が減少しているにも関わらず就労者は10%も増えています(3,206万人→3,535万人)。労働市場全体のパイが増えたので、正社員を非正規に置き換える必要はなく増加分が非正規で埋められていったことが分かります。

バブル崩壊で、大企業が破綻し、「リストラ」が話題になった時代でも、日本全体としては、日本企業内で、すでに正社員だった人たちの長期雇用慣行は温存されていたのです。

では、正社員比率が変わらない中で、大きく変わったのは何か…というと、大きく減ったのが、「無職者」(26%→23%)と「自営業者」(14%→7%)。大きく増えたのは、「非正規」(4%→12%)です。

まず、「無職者」が減ったのは、「専業主婦の減少です。バブル崩壊による家計のひっ迫や価値観の変化で「専業主婦」が本格的に働きに出るようになったのです。その当時、女性の中途採用の「正社員」のハードルは高く、「非正規採用が大多数だったことが、「非正規」の割合を押し上げる要因のひとつになったのです。

そして、農業、飲食業、町工場、町の商店等の自営の仕事が次々に廃業し、自営業者だった人たちが「会社員」となっていきます。中途入社なので、やはり「正社員」のハードルを越えられずに、「非正規」となる割合が増えます。

そして、昔なら、家業を継げばいいということで、就労のための勉学を必要としなかった自営業の子供たちも継ぐべき家業がなくなり、急に、「会社員」になる必要が生じます。就職氷河期に準備不足だと、やはり、「非正規」となる割合が増えます。

こういった状況で、大きく変わったのが22~29歳男性の就業状況です。1982年、正社員比率は75%でしたが、これが、バブルの頂点(1992年)で77%まで上がったのに、2007年には62%まで落ち込んでいます。10%以上減っているのです。

この間、それに反比例するかの如く、「非正規」の割合は、4%から15%に増えています。20代の男性の正社員雇用が破壊され非正規に置き換えられていったことは明らかです。そして、その状況から抜け出せずに、40代50代になっている人たちがたくさんいるのです。

そして、その苦難から自分自身に価値を見出せずに、ひきこもりになる人も少なくありません。そして、その親に当たる団塊の世代は、その子たちを自宅に抱え込んで生活の面倒を。余裕があった人たちが多いので、この問題は、見えにくかったのです。それが、その親の高齢化でピンチになっているのです。

【動画】どうみてもOUT。巨大なトランポリンを載せた車がヤバい

自転車やサーフボードなど、車の上にレジャー用品を載せて走る人を見かける機会は少なくない。

しかしこちらの動画では少々大きすぎるものを積んでしまったようで・・・

 

 

車の上に積んであるのは大きなトランポリン!

車よりも大きいということが一目でわかる。どう見ても普通に持ち運べる類のものではない。

横幅もかなりあるようなのでかなり危なそう。風の抵抗なども心配だ。

果たしてパトカーに遭遇せずに目的地にたどり着けるか・・・?笑
 

(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(RM Videos)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供ViRATES

クールジャパンを軽く凌駕。NYを席巻している「K-POP」の存在感

日韓の関係悪化の話題が尽きず、韓国の経済環境の悪化も伝えられていますが、ニューヨーク在住コリアンたちはいたって元気で、パワーに溢れているようです。メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』を発行する米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋さんが、取材した「K-POP」イベントの様子を伝え、日本のメディアが伝えない「韓国系の存在感」の現状と理由に迫ります。

ニューヨークにおける韓国系の存在感

今月の6日と7日、ご招待でマンハッタンのマディソンスクエアガーデンで行われた「K-POP」イベントに行ってきました。世界最大のコリアンカルチャーコンベンション「KCON2019ニューヨーク」の取材を兼ねて。たしか日本でも開催しているとか。

そこの来場者だけで、なんと5万5千人…。東京ドーム、フルハウス分です。今年で開催5年目らしいです。どこが不景気なんだ!?と思うほどの大盛況でした。

会場だけではありません。このイベント自体を宣伝する映像が、1日の流動人口、150万人のタイムズスクエアの電光掲示板やナスダックビルのスクリーンで1日中、流されました。そして、テレビも、NBC、ABC、CBS、FOX5、PIX11、NEWYORK1など、現地のメディアが特集を連続的に報道。文字通り、本当に、ニューヨークが韓国一色に染まりました。

そして、来月にはこの勢いと厚みをそのままに、西海岸はロサンゼルスのステイプルズセンターおよびLAコンベンションセンターでも「KCON2019ロサンゼルス」を開催する予定になっています。ニューヨークのマジソンスクエアガーデンも、LAのステイプルズセンターも、北米を代表するイベントホールです。

言葉にするのも、正直嫌ですが。はっきり言って、今現在、この国の、少なくともニューヨークにおいての、コリアンカルチャーの存在感は、クールジャパンのムーブメントをはるかに凌駕しています。もっと言っちゃうと、比べ物にならないほど、韓国系の勢いの方が強い。もともとの移民の絶対数を言っているわけではありません。母国から進出してきている、今現在のポップカルチャーの勢いが、です。

テレビをはじめとする日本メディアで、よく「世界にウケている日本文化」が特集されます。日本文化の異常に好きな外国人と、現地のその様子が映し出される。カメラはスタジオに戻り、MCの芸人さんや、ゲストのタレントさんや、コメンテイターの知識人が「日本はすごいですね~」と口を揃える。

もちろん「真実」です。そういった面、日本のカルチャー大好きな非ジャパニーズは世界中にいます。でも、おそらく、特にニューヨークのミレニアル世代に関しては、圧倒的にKカルチャー好きの方が多い。日本のどんな著名アーティストが来ても、実売チケットで、マジソンスクエアガーデンを満員にはできません。イベントの実売チケットの数を把握する仕事をしている僕が言うので間違いないと思います。

僕個人はK-popに詳しくはないのですが、今回のマジソンスクエアガーデンに出演した面々はNU`EST、THEBOYZ、VERIVERY、SEVENTEEN、IZ*ONE、(G)I-DEL、SF9、AB6IX、ATEEZ、TXT、fromis_9など11チーム。ひとりも知らねえw(資料を見ながら書いています)そのすべてのアーティストに熱い声援が送られていました。現地の在米韓国人だけでなく、現地のアメリカ人ニューヨーカーからです。

中3の受験生をもつ親が知っておきたい「夏休みの勉強」サポート法

中学3年の受験生にとっては大事な大事な夏休み。普段は学校や塾任せの親も、この長い期間をどう過ごさせどんな勉強をさせたらいいのか悩みます。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんは、そんな相談に、受験勉強の先輩や塾の講師に聞いた夏休みの「塾以外での勉強法」について教えてくれます。さらに、親がしっかりサポートすべきことについてもアドバイスしています。

夏休みの勉強で結果を出すには

Question

shitumon

夏休みが始まり、息子は高校受験の勉強をしていますが、基本的には塾任せです。夏休みを有効に使うための勉強法を知りたいです。(高校受験生のお母様より)

柳川さんからの回答

中3生はこの夏休みが「大量の時間を使って勉強する」初めてのタイミングかもしれませんね。どうやって過ごしたかによって受験の合否が決まると言われますから、大事にしましょう。学習塾の活用は周りの受験生からの刺激もありますので、とても良いと思います。

先輩たちや塾講師がお勧めする「学習塾以外での」勉強法をご紹介します。

1.勉強場所は複数作る

自宅で勉強していると、携帯やテレビ、マンガなど誘惑がたくさんあります。そこで、図書館や塾の自習室、ファミレスなど、勉強に集中できる環境を複数作っておきましょう。

図書館も近所に限らず、隣町の図書館を利用すると、知り合いにも合わず、集中も途切れず、新鮮な気分で勉強できます。環境を変えて気分転換もできます。

2.中1、中2の復習を

主要3教科の復習は早めに終わらせましょう。夏休みの受験勉強のための問題集や参考書は買う必要はありません。きっと買ってもやらずに本棚に眠ってしまいます。それよりも、主要3教科の復習に力を入れましょう。英語や数学が苦手な生徒は、基本的に中1、中2の内容理解不足が原因です。だからこそ、この時期に基礎から復習しましょう。

・英語単語帳の利用が一番お勧めです。夏休み中に集中的に単語と熟語の勉強を進めておきましょう。

・数学…過去問やこれまで解いた問題集で間違えた問題をコピーし「間違いノート」を作り、1ページに1問ずつ貼って、自分の「苦手問題ノート」を完成させましょう。解説を読んで理解したら、数日後に再び解いて、解けない問題を一つ一つ無くしていきましょう。

・国語語彙をできるだけ増やしておくことです。漢字、熟語、ことわざ、慣用句、故事成語、古文の歴史的仮名遣い、古文単語、文法、漢文訓読法などです。

3.過去問の活用

自分の県の過去問に挑戦しましょう。未学習の単元もあると思いますがとりあえず、一通り解いてみましょう。解く理由は自己分析をするためです。どの単元のどの問題が苦手なのかを洗い出すことが重要です。苦手単元がわかったら、その単元を夏休み中に基礎から完成させましょう。

家庭教育アドバイス…「夏休みこそ生活リズムを整えよう」

受験に合格する生徒は、夏休みも規則正しい生活習慣を続けています。最低限、早寝早起きの生活リズムは崩さないように注意しましょう。油断して夜更かしや、食事時間のずれなどが積み重なると夏バテに繋がります。生活習慣と体調管理の徹底をするところから受験はもう始まっているのです。

親としてできることは、「勉強しろ」と言うことではなく、勉強しやすい環境を整え、子どもの生活習慣と体調管理のサポートをすることです。

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