クーデターで「プーチン暗殺」の可能性も。今ロシアに起こりうる4つのシナリオ

誰もが実行に移すとは想像しなかった、民間軍事会社ワグネル代表のプリゴジン氏による武装反乱。ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介によりワグネルの進軍は停止しましたが、プーチン政権にとって大打撃となったことに間違いはありません。今後ロシア情勢はどのような展開を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、考えられる4つの有力なシナリオを紹介。軍幹部による「プーチン大統領暗殺」の可能性も指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年6月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

宮廷クーデターでプーチン暗殺か。ロシア情勢4つのシナリオ

ロシア情勢は、とにかくワグネルの反乱という予想外の事態となり、アメリカ東部時間の土曜日はケーブルTVのニュース専門局などは、完全にブチ抜きの特番体制になっていました。土曜日24日の昼の時点では、とにかくワグネル軍が国道をモスクワへ向けて北上進軍を続けており、爆発する軍施設、ワグネル軍を歓迎する市民など、様々な映像が展開されていました。

一部には、プーチン大統領の専用機がモスクワを離れてサンクト・ペテルブルグへ向かったとか、更にはその機影がレーダーから消えたなどという、怪情報も飛び交っていました。また、ワグネルのプリゴジン代表が、ロシア南部の軍の要衝、ロストフ・ナ・ドヌを占拠したと伝えられた時点では、プリゴジンはロシアのショイグ(国防相)とゲラシモフ(参謀長)を呼び出したという情報も流れていました。

ちなみに、これも根拠のない話ですが、この時点では、以下のような陰謀論が流布されていたのも事実です。

「プリゴジンとプーチンは裏で繋がっており、今回の一件はショイグとゲラシモフを失脚させ、敗戦の責任を負わせるとともに、西側に戦犯としてこの2名を突き出して、一気にウクライナ停戦と、プーチン政権の延命を企図したもの」

いかにも、「まことしやか」な説ではあります。ですが、その後に事態は急展開して、

「プーチンは反乱に参加したワグネル構成員を起訴しない。プリゴジンは進軍を停止してベラルーシに向かう」

ということとなり、ワグネルの反乱はとりあえず終結した格好です。それとは別に、今回の動きですが、直前に「習近平=ブリンケン会談」が北京で行われていたのが気になります。

ブリンケンは、秦剛と王毅には会ったもの習近平に会えたのは最後だとか、折角、ブリンケンが習近平と会談できたのに、バイデンが「習近平は独裁者」などという不規則発言をしたために、中国としてはいつもの「強烈な不満」を表明せざるを得なくなっています。ですが、もしかしたら、こうした動きは「国際世論への目眩まし」であって、ブリンケンは北京に対して「ウクライナ戦争の出口戦略」について実務的な確認に行った可能性は否定できないと思います。

その内容ですが、

a)ロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナ軍の反攻、ロシア側の消耗により最終局面
b)ロシア政権内部に動揺。ショイグとゲラシモフの権力基盤揺らぐ
c)ワグネルの動向が不気味

といった点について情報交換が行われた可能性が否定できません。その場合ですが、公式ルート以外の情報収集力としては、やはり米国の方が勝っており、その情報を提供することで、中国にメリットを与えつつ「出口戦略」への協力を要請した可能性はあると思います。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

飼い犬プリゴジンに手を噛まれた裸の王様プーチン。それでも「核戦争」は起きぬと断言できる訳

蜂起した本人は政権を打倒する意図はなかったと主張しているものの、結果的にプーチン大統領に大きなダメージを与えることとなったワグネル代表プリゴジン氏の軍事反乱。なぜ彼は突如反旗を翻したのでしょうか。「プリゴジンの乱」を2週間以上も前に予言していた、『宮司のブログ』の著者で、1250年以上の歴史を持つ愛知県清須市の清洲山王宮「日吉神社」の神職三輪家56代である宮司・三輪隆裕さんは今回、プリゴジン氏が6月初旬に見せていた「蜂起の伏線」を紹介するとともに、反乱の先に見据えていたものについて解説。さらにロシアという国家の行く末を予測しています。

三輪隆裕(みわ・たかひろ):
清洲山王宮日吉神社 宮司。至学館大学客員研究員。1948年、愛知県にて出生。名古屋大学文学部卒業、諏訪神氏に連なる神職三輪家56代。保守系の国会議員らで組織される日本会議と、全国に8万の拠点を持つ神社本庁による「全体主義」「戦前回帰」に異を唱える言論活動をおこなっている。また、IARF(国際自由宗教連盟)を通じて世界に異宗教間の相互理解と共存を呼びかけている。

狙いはロシア政局の主役。プリゴジンが6月初旬に見せていた蜂起の伏線

6月7日付けの宮司のブログ「ウクライナ戦争の終結」の中で、「おそらく、ロシアで政変が起こり、この戦争は終結する。」と予測した。この記事は、ロシアがウクライナに勝利すると前提して停戦を求める様々な内外の声に反論するために書いたものであるが、最後の予測のところが、見事に的中してしまった。いわゆるプリゴジンの乱である。

● 宮司のブログ:ウクライナ戦争の終結

プリゴジン氏が率いるワグネルの精鋭部隊は、ロシア南部から蜂起して、国民の声援を受けつつ、あっという間に1,000キロを進軍し、モスクワ近郊に至ったところで、突然行軍を終息した。ベラルーシのルカシェンコ大統領とロシアのプーチン大統領との話し合いに基づき、プリゴジン氏はベラルーシに移動し、ワグネルの軍隊は許され、希望者は契約によりロシア国軍に吸収される、もしくはベラルーシに移動することも許されるということのようであるが、それ以来、ブリゴジン氏の消息は絶たれた。

まだまだ予断は許されないが、一様に報道は、プーチン政権の揺らぎを報じている。

ここに至る伏線は、度々報じられていた。プリゴジン氏は、大激戦となったバフムト攻略戦で、最前線に立って奮戦し、ウクライナ軍を追い出し、ロシアの英雄となった。バフムトを占領するとすぐ、ロシア正規軍にその地を譲り、弾薬の不足に対する不満をショイグ国防相やウクライナ軍事作戦の総指揮官ゲラシモフ参謀総長にぶつけ、さらには、ウクライナ軍の勇猛さを称賛した。また、ウクライナ軍にロシア正規軍の位置情報を提供すると申し出たが、ウクライナ軍に拒否されたとの報道もあった。プリゴジン氏はロシア正規軍の官僚に対する不満の結果として今回の乱を起こしたと推定される。ルカシェンコ大統領を介してプーチン大統領と何らかの妥協点を見出したので、鉾を納めたのであろう。

プーチン大統領は、6月13日の記者会見で、ウクライナ側の反撃は成功していないとして、ロシア軍の反撃の成果を強調した。一方西側のメディアは、ウクライナ軍は損失を出しつつも確実にロシア軍を占領地から追い出しているとした。この様子から推察されることは、プーチン大統領の元には、相当間違った戦況報告がなされていて、彼は「裸の王様」状態に近いということだ。

プーチン氏が本来の権力を維持し、正確な情報を得ているならば、プリゴジンの乱は起きなかったし、起きたとしても、すぐ制圧されたであろう。それができないということは、すでに、ロシア軍はまともに統率されておらず、プーチン大統領の元へも正確な情報は届いていないということだ。

本当に上司として完璧か?部下があなたからの「ミスの指摘」にむくれる理由

部下を預かった以上、責任を持って育てるのが上司としての役割。しかし彼らが指導のたびに不快な感情を露わにしてくるという場合、上司としてどのように向き合うのが正解なのでしょうか。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、読者からの質問に答える形で「正答」を提示。上司として果たすべきミッションをレクチャーしています。

部下のミスが気になり、どうしても注意してしまいます。ただ、注意すると必ずむくれるので何か他の方法を考えたいです。アドバイスお願いします

Question

shitumon

社会人10年、2社目で、経理部の主任です。最近初めて、部下が3人できました。割と細かいことが気になるほうで、几帳面なためか、部下のミスが気になります。ケアレスミスなどあり得ないと感じてしまいます。

管理職研修などで、部下への注意のしかたなど少し学びましたが、いまいちしっくりきません。部下に注意すると必ずむくれるので、何とかしたいです。2人はそうでもないのですが、一人は非常に感情的です。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。お気持ち、大変よくわかります。初めての部下なので、何をすべきか、何はすべきでないか、何は気にすべきか、何は気にすべきでないかがやや混乱しておられるかもしれません。

大事なことは、このチームとして達成すべきビジョンを明確に打ち出し、そのビジョンを達成するための達成方針を4~6ヶ条明示し、それをチーム全体のアクションに落とし、さらに個人個人のタスクにし、そのタスクには定量的・定性的KPIを設定して合意し、週次のKPI進捗確認会議で進捗確認をして、未達のところは上司が具体的に助言して解決し、KPIの遅れを取り戻してあげることです。

これに加えて、普段からのアクティブリスニング100%とポジティブフィードバック毎日10~15回をしていくことで、チームの雰囲気はよくなり、一人ひとりのモチベーションも高くなります。

ビジョンはパワーポイントの左側に200~300字、パラグラフ3~5個で、達成方針は同じページの右側に箇条書きで書けばいいので、量が大変なわけではありません。

量は大変では全くないのですが、なるほどと思える内容にするために数回書き直す必要があるかと思います。何人にもやってもらいましたが、最初からびしっと書けた方は一人もいらっしゃいませんでした。

こういった上司としての業務指示をしておられますでしょうか。多分ここまでしっかりとはやっておられないですよね。

そういう状況で、部下の態度が悪いと言ってもあまり始まりません。

確かにすねるとか、感情的になるとか、ビジネスパーソンとしていかがなものかとは思いますが、上司としてもいかがなものか、という状況ですので、おあいこです。

まずは、上司としてのミッションを果たしてみてください。

その上で、問題のある部下の成長を促進するような次の手を打っていきます。そのときにも、アクティブリスニングがきちんとできていれば信頼されて話を聞いてもらえますが、できていなければ、さらに反発されるだけです。

要は、上司の姿勢とスキルが鏡のように映し出されるようなものですね。

この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ

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統一教会や創価学会にはない。「日蓮会」が見せた信仰の強さと恐さ

昭和初期、日本がファシズム化していく中で、弾圧を避けるため多くの宗教が国家におもねっていった歴史があります。そうした動きに反発した「日蓮会」による「死なう団事件」について伝えるのは、メルマガ『佐高信の筆刀両断』著者で、辛口評論家として知られる佐高さんです。過酷な言論弾圧、宗教弾圧の中でも権力に抗った日蓮会の人たちの信仰の強さと恐さは、現代の統一教会や創価学会にはないものとして、特高警察を告訴した創設者・江川桜堂の言葉を紹介しています。

信仰の強さと恐さ

統一教会の問題に関連して「エホバの証人」が話題になっても、その信者たちは「ハイル・ヒトラー」と言わず、兵役を拒否した上にヒトラーに抗議の手紙まで出し、片っ端から収容所送りにされて800人余りが殺されたので好感を持っていたのだが、信者二世にとっては“強制”という点で同じなのだろう。

1937年(昭和12)2月17日、国会議事堂、外務次官邸(首相官邸と間違えた)、宮城前、警視庁、内務省で「日蓮会殉教青年党」の5人が切腹した。いわゆる「死なう団事件」である。

『追いつめられた信徒』(講談社文庫)と題して保阪正康が彼らについて書いた本は、最初、れんが書房から1972年に出された。その半年後、「よかった、よかった。誰かがいつの日にか、われわれのことを正確に書きのこしてくれると思っていた」と涙を流して喜んだ信徒の1人が自決した。

死なう団事件は、5・15事件、神兵隊事件、2・26事件とともに当時の「四大事件」と言われたが、保阪は「ただ彼らは、青年将校や右翼青年が外にむかってテロやクーデターまがいの行動を起こしたのに反し、ひたすら内にむかって自分を責めていった点で異なっている。一身を賭して何事かを世間に訴えようとする、その行為は、権力者を諫めるための焼身自殺にもつうじている」と指摘している。

昭和のファシズム化で、神社神道は別格として、教派神道、仏教、キリスト教が“公認”され、宗教活動上の特権を与えられるかわりに、天皇制国家への奉仕と政治的な国民“善導”の役割を与えられた。これに反発して江川忠治(桜堂)が始めたのが日蓮会である。日蓮主義に拠って桜堂は激しく既成の宗派宗教を攻撃した。そして、その戦闘性と日蓮の「不惜身命」の教えが凝結して、青年部の次の宣言となる。

我が祖国の為に、死なう!
我が主義の為に、死なう!
我が宗教の為に、死なう!
我が盟主の為に、死なう!
我が同志の為に、死なう!

白い羽織に黒い袴で、「死なう!死なう!」と叫ぶこの不気味な集団を特高警察は検束し、女性信者も含めた団員に拷問を加えた。

それを告訴し、警察とケンカをしても損をするだけだと言われた桜堂はこう反論する。

「お言葉を返すようですが、日蓮上人は時の幕府に可愛がられたことがありましたでしょうか。日蓮上人に直参するわれわれは、お上に可愛がられようなどとはさらさら考えていません。また全滅を覚悟で闘うとは、まさに呆れたものだという意見もあるそうですが、死なう団は死なうの実行団体です」

当時の過酷な言論弾圧、宗教弾圧の中での抵抗である。あの暗い時代とは比較にならない現在の状況下で、統一教会も創価学会(公明党)も「お上に可愛がられよう」としている。それこそ呆れたものである。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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あまりにも露骨。楽天に「700MHz帯を割り当てるための審査基準」という茶番劇

楽天モバイルが求めるプラチナバンドの再割り当て問題は、NTTドコモの指摘により700MHz帯に利用可能な帯域が見つかったことで、解決の道筋が見えてきました。元々楽天の要望ありきとは言え、総務省が発表した割り当て事業者を決める審査基準の案は、露骨に「楽天有利」となっているようです。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、審査項目と点数配分に「楽天モバイルに勝たせる」意図が丸見えと指摘。これでは、時間と労力の無駄で、もっと効率的な方法があると提言しています。

総務省が700MHz帯の比較審査基準案を発表──楽天モバイルが明らかに有利な点数配分に意味があるのか

総務省は6月21日、新たに割り当てられることになる700MHz帯についての開設指針案を公開した。楽天モバイルが欲しがっていたプラチナバンドにおいて、当初は3キャリアから返上してもらい、楽天モバイルに割り当てるという奇策を具体化しようとしていた。

そんななか、NTTドコモが「ラジオマイクや高速道路交通システム用途(ITS)の間で3MHz幅×2が使えるのではないか」という提言を出したことで、一気に話が進んできた。総務省では開設指針案を出すとともにパブリックコメントも募集。さらに割り当てる上での絶対審査基準案や比較審査基準も公開している。

実際にこれらを見ると「明らかに楽天モバイルが有利」という内容になっており、総務省の苦労ぶりが窺える。最もわかりやすいのが比較審査基準において「いわゆるプラチナバンドの割り当てを受けていないこと(24点)」という項目だ。全104点のうち、これだけで24点も与えられるというのに驚きだ。もはや、こんな茶番、比較審査なんて最初からやる必要はないのではないだろうかと思えるほどだ。

ただ、ちょっと思ったのが、例えば、UQコミュニケーションズやWireless City Planningであれば「いわゆるプラチナバンドの割り当てを受けていない事業者」だったりもする。全国に基地局設備を持っている事を考えれば、楽天モバイルの対抗馬になる可能性も考えられる。

しかし、別の比較審査基準を見ると「高周波数帯(sub6・ミリ波)と組み合わせた整備をより行うこと(24点)」とある。この審査項目だとsub6やミリ波を持たないUQコミュニケーションズやWireless City Planningは点を稼げないことになってしまうのだ。総務省、ちゃんと考えているようだ。

ちなみに絶対審査基準には「同一グループ企業から複数の申請がないこと」という項目があったりする。つまり、KDDIとUQコミュニケーションが別々に申請するというのも封じられているのだ。

一部報道では、楽天モバイルとは別に獲得を狙っている事業者がいわれているが、高周波数帯(sub6・ミリ波)と組み合わせた整備をより行うこと(24点)という項目により、何も持っていない新規参入者は獲得が相当、難しいということになる。

すでに「プラチナバンドを受けていない」「高周波数帯(sub6・ミリ波)と組み合わせた整備をより行う」という2つの条件だけで48点を獲得できる「楽天モバイルに勝たせるための比較審査」になっており、審査に応募する事業者にとっても、それを審査する総務省にとっても、時間と労力の無駄で終わる割り当てと言えそうだ。

こんなことなら、オークション制にしてしまい、とっとと楽天モバイルに入札させて、即割り当てたほうが効率的ではないだろうか。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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安倍氏祖父を破って宰相に。今こそ見直されるべき「自民リベラル総理」の名

自民党にあって日本を代表するリベラリストとして活躍し、第55代内閣総理大臣を務めた石橋湛山。そんな気骨の政治家の没後50年を迎えた今年、与野党の壁を超えた「超党派石橋湛山研究会」が発足、今後の活発な活動が期待されています。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、同会の共同代表3名の内から自民の岩屋毅氏と立憲の篠原孝氏の発言を紹介。その上で、彼らによる各々の所属政党内での「リベラル」復権に大きな期待を寄せています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年6月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

今、改めて蘇る石橋湛山の「小日本主義」/与野党の壁を超えた「リベラル」原理の模索

野党第一党の立憲民主党が本来掲げるべき「リベラル」の旗が行方不明になってしまったことが、政界全体を支える座標軸が形成されず、安倍亜流の岸田政権のやりたい放題が罷り通っていく状況が続く最大原因となっている。ところが、立憲の指導部自身にはそのような自覚は全くなく、主張をさらに薄めて「中道寄り」にすれば支持が戻るかの虚言を吐き散らしている。そうした中でリベラルな政治原理の復興を模索する動きは意外なところから湧き上がってきた。

6月1日に発足した「超党派石橋湛山研究会」がそれで、これには自民、公明、立憲、維新、国民など与野党の約50名の議員(含代理)が参加し、共同代表に自民党の岩屋毅、立憲民主党の篠原孝、国民民主党の古川元久の各衆議院議員を選んだ。もちろん、今のところ単なる勉強会の域を出ず、この日も石橋湛山の主要著作の英訳に取り組んでいる米国人学者リチャード・ダイクを講師に招いて話を聞くことが主眼で、生臭いことは何もない。が、今の政治的閉塞を打ち破る手掛かりを石橋湛山まで立ち戻って掴み直そうという発想はなかなか結構で、この動きがいずれ与野党双方で何らかの波動を呼び起こすことを期待したい。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

従来のマーケティング手法は古い。今やるべき顧客インサイトの発掘・活用法

ITの進化により、世の中の様々なことに変化が起きていますが、企業が行う「マーケティング」も、従来のような方法では通用しなくなるそうです。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』の著者の理央さんが、これからの顧客インサイトの探り方、探り当てた顧客インサイトの活用術を紹介しています。

インサイトを探るターゲティング戦略~音楽・コミック・ゲームに学ぶ、ターゲット設定とセグメンテーションの、新しいアプローチ

伝統的なマーケティングでは、年齢や性別、職業といった、デモグラフィック情報や、住んでいる、または働いている場所や地域といった、ジオグラフィック情報を基に、顧客をセグメント(=切り分けて分類)し、それを合体させて、たとえば、「20歳代、都心に働くOL」といった具合に、塊としてターゲットを設定してきました。

そして、このターゲットに合わせて、製品やサービスを開発し提供してきました。

日経クロストレンドの6月26日に記事によると、ここのところ音楽やゲームの嗜好などの、エンタテイメント分野に特に、この年齢の壁が消失する「消齢化」の現象が起きています。

60代が若者向けの音楽を楽しむ、若者がクラシック音楽に興味を示す、といった上記の「目に見える」分け方だけでは、通用しなくなってきているのです。

なぜ「消齢化」が起きるのか?

この背景にある理由をいくつか挙げてみます。

1.技術の進化

デジタル技術が進化したことにより、企業は従来以上に詳細な顧客データを収集、分析することが可能になりました。

その結果、年齢や性別だけでなく、行動パターン、嗜好、価値観など、より深いレベルでのセグメンテーションが、可能になったのです。

2.個々の顧客へのパーソナライゼーションの需要

顧客は個々のニーズや関心に応じた、製品やサービスを求めており、一律のマーケティング戦略が通用しなりました。

個々の需要に対応していくための、パーソナライズされた体験を提供するには、顧客の深層心理や行動を理解することが必須です。

そのためには年齢や性別を超えた、より顧客心理を深堀するセグメンテーションが、必要となるためです。

3.消費者行動の変化

ITの進化にともなって、幅広い層の人たちが、いつでもどこででも情報に触れられるようになりました。音楽やゲームも同じことです。

これにともなって、年齢や性別が消費行動を左右することも減ってきました。このような消費行動の変化は、年齢や性別に基づくセグメンテーションの、有効性を減じる一因となっています。

以上のような理由から、企業はより細かいセグメンテーションや、パーソナライゼーションに向けてシフトしており、その結果、年齢や性別といった、伝統的なセグメンテーションの方法が消えつつあるのです。

 

 

この記事の著者・理央 周さんのメルマガ

高いポテンシャルを持つ高齢者を20年後に「バカで貧乏」にしてしまう今の日本

今の日本の政策では20年後には高齢者が「バカで貧乏になってしまう」と強い口調で語るのは、精神科医で作家の和田秀樹さん。今回のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で、 高齢の大御所たちとの対談から見えてきた、これからの高齢者の社会との関わり方と日本の高齢者の高いポテンシャルについて持論を展開しています。

高齢者が世界でいちばん賢く洗練されている日本

高齢者のアイドルのようになってから、次々と賢い高齢者の方々との対談が続く。

養老孟司さん、田原総一朗さん、五木寛之さんに続いて、若宮正子さん、樋口恵子さんと高齢者の大御所との対談を今年の前半に行った。

若宮さんも樋口さんも、高齢者を現役扱いして、もっと社会で活用すべきという点では一致していた。

私もまさにそう思っている。

前にも書いたかもしれないが、異次元の少子化対策とか言っても、うまくいっても彼らが現役の働き手や消費者になるのは、20年もあとの話だ。AIやロボットが実用化したら、彼らに仕事があるかどうかもわからない。

そして、このバカバカしい円安政策のせいで、最低賃金などが韓国や台湾に抜かれそう、あるいは抜かれた状態にあるようだ。

ベトナムやタイの労働者にしても、日本に集められる保証はない。

少なくとも賃金の面では負けつつある。

解決手段としては、高齢者に元気になってもらって、もっと労働力になってもらうのが現実的だ。

免許を取り上げるようなバカなことをやめて、もっと運転してもらうくらいがちょうどいいのだ。

ただ、私はそれ以上に大切なのは、高齢者に現役の消費者になってもらうことだと考えている。

実際、個人金融資産2,000兆円のうち、7割は60歳以上がもっている。

高齢者がお金を使うことで、日本がほかの国がないような高齢者向けの製品やサービスを生み出すことができれば、よその国もどんどん高齢化しているので、国際競争力を持ち得るし、日本製品が憧れの的になるだろう。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

AIを“迷惑な存在”だと思っている人は、みんな「仕事で成長したくない」説

「AIに仕事を奪われるからAIを規制すべき」という意見まで出てきている現代。本当にAIがあなたの仕事を奪うのでしょうか? メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、そういう発言をする人の「仕事に対する考え方」がそう思わせている原因かもしれないと鋭く指摘しています。

「AIに仕事を奪われる」と考える人達

こんにちは。

未だに、AIに仕事を奪われるという話題がなくなりません。AIを規制すべきだ、という意見もあります。

まだ出てきたばかりのAIがそんなに怖いのでしょうか。むしろ、現段階では、皆でAIを使いまくって、その可能性について考えるべきだと思います。

人間の知能を超えるのか、といっていますが、人間の知能ってそれほどのものでしょうか。人間の知恵が足りないから、いろいろな問題が解決できないのではないでしょうか。

そんな問題意識を元に、今回もあれやこれやと考えてみました。

1.誰かに指示される仕事

あなたは自分で仕事を決めていますか。それとも、社長や上司に指示された仕事をしていますか。

自分で仕事を決めている人なら、AIに仕事を奪われることはありません。仕事にAIを使えばいいのです。AIを使って効率が10倍になるのなら、あなたは10倍の仕事ができます。

AIのお蔭で、自分の仕事の時間が10分の1になれば、他の仕事をすればいいのです。

しかし、誰かに指示された仕事をしている場合、仕事を指示する人の能力次第で、あなたの仕事が増えたり減ったりします。

そもそも我々は完璧な仕事をしているのでしょうか。営業や販売の仕事なら、もっと商品知識を身につければ、顧客に喜んでもらえるはずです。商品について詳細な情報を持つことで、顧客とのコミュニケーションが深まるかもしれません。

それが分かっていても、社員の数が足りない、時間が足りない、という理由で最低限の仕事に限定されています。仕事として取り組まなくてもいいことになっています。しかし、本来はやるべき仕事なのです。

現在は、「やるべき仕事ができていない状態なのだ」、と認識していれば、AIは大歓迎でしょう。AIを活用することで、本来の仕事ができるかもしれません。

しかし、現在の仕事が全てで、それ以上仕事を増やしたくないと思っている人は、AIを迷惑な存在と考えるでしょう。

日本人社員のライバルはAIだけではありません。外国人労働者が自由化されれば、外国人に仕事を取られるかもしれません。取られるというより、あなたに仕事をする資格があるのか、が問われます。しかし、これまでは日本語の壁と法律に守られてきました。それがいつまで継続するかは分かりません。

時代は常に変化し、仕事も常に変化します。新しい技術は次々と生まれ、新しいツールも開発されています。それらを活用して仕事をするのは当然であり、AIはそれらの可能性の一つに過ぎません。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

「私は福島汚染水を飲める」なぜ韓国の科学者はこのような文章を発表したのか?

 福島の汚染水放流によって、お隣の韓国では民主党中心に「汚染水怪談」が垂れ流され、国民の不安を煽っています。そんな中、出てきたのが大韓薬学会放射性医薬品学分科の学会長の論文。汚染水を飲めるとまで言い切った彼のインタビューを今回、無料メルマガ『キムチパワー』で韓国在住歴30年を超える日本人著者が紹介しています。

自らの危険を冒してまで福島汚染水の安全性を語った韓国人科学者

日本福島原発汚染水が海洋放流秒読みに入った。東京電力は放流設備を試運転しながら作動に問題がないか点検している。放射線は目に見えないし、感じることもできない。狂牛病やサード電磁波のように、無知が恐怖を増大させる。

韓国では現在、民主党を中心に「汚染水怪談」を垂れ流している(福島の処理水が危険すぎるという議論を手を変え品を変えしながら煽り立てているのだ)。そんな中、ある科学者が今月初めに生物学研究情報センター(BRIC)公開掲示板に載せた文章が大きな波紋を起こした。「私は処理された福島の汚染水を持ってきたら、許容濃度まで薄めて飲む。科学で判断する事案を主観的な感じで歪曲してはならない。文章の著者は忠北(チュンブク)大学薬学部の朴・イルヨン教授(64)。大韓薬学会放射性医薬品学分科の学会長だ。

インタビューの約束を取るために(朝鮮日報の記者が)電話した時、彼は「(親日派をぶん殴ってやるという)ある市民団体代表が抗議訪問するだろうという警察情報課の連絡を受け、気が気でない」としながらも「社会が不必要な混乱に陥った時、科学者は知識を土台として正しい情報を発信しなければならない。私に対する非難より非科学的恐怖が広がるのがもっと怖かった」と話した。

BRICは、黄禹錫(ファン・ウソク)教授の幹細胞疑惑の際、国内生物学研究者らが様々な問題点を指摘し、論文捏造疑惑を明らかにする発火点となった空間だ。朴教授の書き込みは数日で再生回数1万回を突破した。科学者がなぜあのような刺激的なタイトルで議論を招いたのだろうか。14日、朴教授に会いに(朝鮮日報の記者が)忠北大学薬学部1館816号のドアをノックした。

事実を知っている故、沈黙できなかったと朴教授は話した。小さくて痩せ型、しかし表情と話し方は断固としていた。ソウル大学で学士・修士・博士号を取得し、忠北大学薬学部長を務めた。彼は自身を「放射性医薬品の特性と人体に対する影響を30年間研究し講義した」と紹介し「消耗的な論難に割り込んでも非難の大きいことは明らかだがその分野をよく知っている専門家として、今回は沈黙できなかった」と話す。