東京からの「維新駆逐」に成功。参院選“最悪の中での最善”の投票行動

選挙のたびに耳にする、「自分の1票では何も変わらない」という諦めにも似た言葉。それはある部分において事実であることは否めませんが、「戦い方」を変えるだけで応援候補を当選に導くことも可能なようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、先日の参院選で選挙区・全国区ともに、自身が推す候補者を当選させることができたという投票行動を紹介。「最悪の中での最善」を達成したその方法を披露しています。

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最悪の中での最善

参院選の結果は、もう皆さんご存知だと思いますので、ここでは細かい数字を並べたり、改めて繰り返すことはしません。与党の大勝も、改憲勢力が発議に必要な3分の2議席を確保することも、維新とれいわの議席増などその他モロモロも、ほとんどが前回、このコーナーに書いた通りになりましたので、細かい点には触れません。その代わり、あたしとしては「最悪の中での最善」を達成することができましたので、今回のあたしの投票行動について、今後の参考のために書いておきたいと思います。

いつもは期日前投票をすることが多いあたしですが、今回の参院選は自分の大切な1票を自己満足の「死に票」にしたくなかったので、ギリギリまで粘って粘って粘って、「納豆の日」でもある7月10日(日)、投開票日の当日に、母さんと投票に行って来ました。

ギリギリまで粘り、信頼度の高い情報を精査し、自分の応援している候補者たちの直前の状況を把握する。そして、

【A】「あたしが投票してもしなくても当選する候補」
【B】「あたしが投票してもしなくても落選する候補」
【C】「当落ラインにいる候補」

の3つに分類し、この3つめの【C】の候補へ1票を投じる。これが前回、このコーナーで説明した、自分の大切な1票を「死に票」にしないための複数区での投票行動、「投票する側からの一方的な野党共闘」という小さな民主主義です。

あたしの東京選挙区は、定員6人のところに34人が立候補するという乱立状態でしたが、このうち3分の2以上は、初めから当選など狙っていない冷やかしなので、注目するのは上位10人まで。その中で、あたしが当選してほしいと思っていたのは、立民の蓮舫さんと松尾明弘さん、共産の山添拓さん、れいわの山本太郎さん、社民の服部良一さんの5人、絶対に落選させたいのが維新の海老澤由紀さんでした。

もちろん、自民党や公明党の候補も落選させたかったですが、この2党の候補、計3人は、すべて宗教団体などを母体とした組織票によって、選挙前から当選が確定しています。そのため、あたしの目標は、残り3議席をすべてあたしの応援している5人の中の3人で埋めることでした。

しかし、上位10人の状況を日々追っていると、投開票日の3日前の時点で、あたしの応援する5人の中で「当選確実」なのは立民の蓮舫さんだけで、立民の松尾明弘さんと社民の服部良一さんは「圏外」でした。そして、共産の山添拓さん、れいわの山本太郎さんが、維新の海老澤由紀さんと当落ライン上で争っていました。つまり、蓮舫さんが【A】、松尾明弘さんと服部良一さんが【B】、山添拓さんと山本太郎さんが【C】ということになります。

維新が大嫌いなあたしとしては、維新の議員など一歩たりとも東京には入れたくなかったので、ここは山添拓さんと山本太郎さんが2人とも当選し、維新の海老澤由紀さんに消えてもらうしかありません。しかし、あたしには1票しかありません。そのため、選挙区の投票用紙にどちらの名前を書くか、あたしはギリギリまで粘って様子を見ていました。

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KDDI通信障害で明らかになった、TVや新聞の「伝える力」の劣化

7月2日未明に発生したKDDIの大規模通信障害は、全面復旧まで86時間を要し、最大約3900万人の利用者に影響を及ぼしたと伝えられています。KDDIに対しては、利用者はもちろん、政府やメディアからも広報・周知が不十分との指摘が多くあったようで、これに違和感を抱いたと語るのは、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。国民生活に欠かせないインフラのトラブルであれば、周知の役割を担ってきたのはメディア側であり、周知されていないとすれば、メディア自身の「伝える力」が弱くなっている証拠と鋭く指摘しています。

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KDDIの障害に対する告知は適切だったのか──「メディアの伝えるチカラ」はどこまで通じたのか

KDDIの通信障害をめぐり、指摘されているのが、広報・周知体制の不味さだ。金子恭之総務大臣からは「日常生活や社会経済活動に必要不可欠ななかで、サービスが2日以上にわたり利用が困難になったことは、あらためて遺憾に思っている。特に復旧作業が終了したと公表した後、音声通話が利用しづらい状況が、長時間継続したことなどを踏まえれば、利用者の周知広報については、通信事業者の責任を十分果たしたと言えない」と指摘。木原誠二内閣官房副長官も「利用者への周知・広報については、通信事業者としての責任を十分に果たしたとはいえない」と言及した。

3日に行われた記者会見でも新聞やテレビといったメディアから、KDDIの広報体制に対して質問が飛んだ。それに対して高橋誠社長は「auショップで本当に多くのお客さまがお並びいただき、たくさんのご意見をいただき、本当に申し訳なく思っている。障害の広報活動については、パソコンであればご覧いただけるのではないかということで、掲載した。ただ、確かにお年寄りの方などには十分ではなかったという点は真摯に受け止めたい。方法はなかなか難しいところがある。メディアでも数多く取り上げていただき(KDDIでは)あえてそこまではやらなかったということになる」と語った。

この質疑でちょっと違和感を抱いたのだが、新聞やテレビが「一般に伝わっていないぞ」とKDDIを攻撃するというのは、とどのつまり、「一般人に新聞やテレビが見られていないのではないか」ということにつながりはしないか。

確かに通信障害は土曜、日曜という週末が中心であったため、いつもに比べて、朝の情報番組などが少なく報道される時間は少なかったかも知れない。しかし、それでもニュース番組は放送されているのだから、本来であれば、テレビを見て、状況を知るはずの人も多かったはずだ。

シニアなど、テレビを見れば状況が把握できたはずなのに、auショップに駆け込むというのは、シニアにおいてもテレビ離れが進んでいる証拠ではないか。

8日に起こった安倍晋三元首相の襲撃事件も、自分は記者説明会に参加している間にSNSで知り、その後経過や死亡のニュースも、ラウンドテーブルに参加している間に受け取った。また、事件の衝撃的な瞬間を捉えた映像も、結局、一般市民がスマホで撮影した映像だったりもする。

今回のKDDI通信障害によって、テレビや新聞といった一般メディアの「伝える力」が全体的に弱っている。いざという時に頼りにならない現実を知らされたようにも感じた。

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パパ活疑惑の吉川赳議員が女性へ提訴を検討。「20歳だと騙された」と主張も「そこじゃない」ネット総ツッコミ

18歳の女性に飲酒させた上、現金を渡したと週刊ポストに報じられた吉川赳衆議院議員。説明責任を果たさないまま雲隠れしていたが、「女性は20歳以上で自分はだまされ、名誉を傷つけられた」とし、週刊誌の発行元の出版社や女性などを相手に損害賠償請求の提訴を検討していることがわかった。一発逆転を狙ったかのような反転攻勢に有権者からは呆れる声が聞こえてくる。

「自分は騙された」とパパ活国会議員が被害者を主張

若い女性を連れて高級焼き肉店やホテルに出入りする写真とともに、「パパ活」の様子を女性の談話を交えて報じられた吉川氏。女性の年齢が18歳ということもあって大批判を浴び、報道の2日後には離党届を提出し、受理された。

しかし、雲隠れしていた吉川氏が驚きの行動に出た。吉川氏の地元でもある静岡新聞によると、「女性は20歳以上で自分はだまされ、名誉を傷つけられた」として、週刊誌の発行元の出版社や女性などを相手に損害賠償請求の提訴を検討しているという。

この報道に吉川氏を応援してきた支援者や同僚の議員たちは“ずっこけた”に違いない。

もちろん週刊ポストが報じた通り女性が18歳であれば問題なのは当たり前だが、妻子がある身でありながらパパ活のようなことを行っていたこと自体が国会議員として問題がある。

離党届を提出していることから、自らもやましいことをしたと思っているに違いない。反論があるのなら逃げたりせず、その場で釈明できたはずだ。

6月30日には夏のボーナスに当たる期末手当286万1358円が支給された。国民の税金が支払われている以上、吉川氏に説明責任があることは明白である。

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議員である限り支払われ続ける国民の血税

衆議院議員として3期目となる吉川氏だが、1度も選挙区での戦いでは勝ったことがない。比例での当選となるため、自民党の力によって国会議員になれている身だ。

それゆえ、説明責任を果たさない吉川氏に対し、自民党からは大きな批判の声があがっている。

吉川氏は自身の見解を近くブログで表明するとしているが、安倍元首相の死去により発表は来週になったとみられる。

ブログで吉川氏がどんなことを語るかは不明だが、一方的にそれで収めようとする姿勢にも非難が集中。吉川氏にとっては茨の道が続く。

自ら議員辞職をしなければ高額な議員報酬を手にすることができる。解散がなければ次の衆院選は2025年。その間の3年間、吉川氏には国民の血税から給料が支払われることになる。

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「城攻め」では上位の策。中国共産党の狙いは台湾の“中からの崩壊”

中国共産党の台湾への野心は明らかですが、四方を海で囲まれた台湾を“力攻め”で陥落させるのは簡単なことではありません。その困難さについて、“戦(いくさ)の神様”上杉謙信でも小田原城を攻略できなかったと、“城攻め”を例にあげ語るのは、ジャーナリストで作家の宇田川敬介さんです。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』では、難攻不落の城であっても城内で裏切りがあれば簡単に落城してしまう例と同じことを中国共産党は狙っていると解説。まずは、馬英九前総統時代に「中国国民党」をターゲットにした背景について、台湾の歴史を遡って伝えています。

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ハイブリッド戦で台湾はどのようになったのか

前回は、外国で話題になっている中国の台湾進攻のシナリオについて、その内容を抜き出して見てみました。実際に様々なシナリオがあったと思います。

そのシナリオは、基本的に「ハイブリッド」で中国側が台湾を工作するということが前提になっており、そのうえで、台湾政府内または国土内において、裏切り者を出すということが重要になってくるのです。

一般論として、といっても、戦術的な話なので現在の日本において一般論にはなりえないのですが、戦争の話の中の一般論をしましょう。といっても日本人の親しむ一般論ですから、当然に現代の戦争に関することではなく、まあ戦国時代や三国志などの「歴史もの」の戦術に関して例に挙げてみましょう。

基本的には「城」というのは、外から攻めてもなかなか落ちない構造になっています。日本でもそうですし、中国もそうですが、城というのは外から攻撃されることを前提に作られているものですし、また城というのは、そこに追い込まれるということが前提なので、城の中の人数が少なく、城の外の人数が多いという前提で作られています。要するに少数で守りやすく多数で攻めても攻めにくいということが特徴になっています。

これは、多くの人々が現在に残されている日本の城郭を観光で見てもわかることではないでしょうか。単純に、もっとも高いところ、見晴らしの良いところに天守閣があり、その天守閣に向かってジグザグに、なるべく遠回りするように回廊が設置されています。その上、その回廊は塀で囲まれ、塀には鉄砲狭間や弓狭間といわれる穴があって、そこから回廊を通る敵兵を射かけることができるようになっているのではないでしょうか。

それだけではなく、石や丸太を落としたり、場合によっては熱湯をかけるなども十分に武器になっていたのですから、大変な状況です。攻め手はそのようなところを、盾をもってよけながら進んでゆくということになります。場合によっては石垣を登ったり、塀を壊したりというようなこともあったかと思います。それでも城はなかなか落城しませんから、城攻めだけで何日もかかるというようなことになるのです。

戦の神様といわれた上杉謙信も、北条氏の守る小田原城をなんどもかこみながら、ついに落城させることができませんでした。また、武田信玄も「砥石城崩れ」など、城攻めに失敗している例も少なくありません。

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今からでも遅くない。後悔せずやりたいことをやるために必要な2つのこと

あなたが後悔していることはなんですか?50代を超えると、「あれ、やってみればよかった」という後悔してしまう人が多いようです。 『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者で「5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」の石川和男さんが、その後悔をなくすために今から始める準備を教えてくれています。

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私が50歳を超えて、唯一、後悔していることは?

あなたは、子どものころに、なにか習い事をやっていましたか?思い出してみてください。ソロバンや公文、水泳教室などのメジャーなもの。空手や柔道などの格闘技。ピアノや絵画などの芸術。それらの習い事を、今でもずっと続けていたら、どうなっていたと思いますか?

ソロバンを続けていたら、今ごろは、数学博士として有名に?格闘技を続けていたら、贅肉に悩まされることもなく、最強の男に?音楽を続けていたら、メジャーデビューして全国ツアーを行っていたかも…。

では、なぜ極める前にやめたのでしょう?

「より興味を引かれること」があらわれたから、あるいは限界を感じた、向いていないことに気がついたなど、いろいろな理由があると思います。

では、やっていた習い事をやめて後悔していますか?そんなには後悔していないはずです。

なぜでしょう?

それは、とにもかくにも一度はその習い事を体験したからです。試してからやめたので、納得できるのです。だから、悔いもない。

では、「やりたかったこと」なのに一度も試していない場合は、どうでしょう?

子どものころに生まれて初めて聴いたジャズにしびれサックスをやりたかったけれど、高くて買えず、そのままになってしまった。リトルリーグに入りたかったけれど、親に塾通いを強制されてできなかった。様々な事情やタイミングで、1度もチャレンジすることなく諦めてしまったこと。

もし、挑戦していたらアーティストやプロ選手にな れたかもしれないのに…。試していないので、その可能性は無限大なのです。逃がした可能性は計り知れません。

夢だけが、ずっと不完全燃焼のまま残り続けてしまう。やりたかったのに、やっていないことは、後悔も無限大なんです。

「あ~、やっておけば良かった」と「あ~、やらなければ良かった」という後悔は、若いうちは半々かもしれません。しかし、同年代の意見を聞いても、私の経験から言っても、50歳を超えた今、思い出される後悔は、やらなかった後悔だけなんです!

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自民圧勝だった参院選。女性候補者の多さに感じる「違和感」のワケ

自民党の圧勝で終わった今回の参院選。全体を通してみれば、立候補した女性は181人で、1989年の146人を大きく上回り過去最多となりました。しかし、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』の著者で、気象予報士でもある健康社会学者の河合薫さんは、女性候補者の多さに違和感を感じているといいます。

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参院選の結果を見るに思う。いつまで「数合わせ」は続くのか?

自民圧勝で終わった今回の参議院選挙ですが、125人の全当選者のうち女性は35人で、過去最多の28人を上回りました。

候補者たちのポスターをみた時に、「女性増えた」と感じた方も多かったはず。第5次男女共同参画基本計画で示した目標は、2025年までに衆参両院での選挙における女性候補者の比率35%に対し、今回立候補した女性は181人、候補者に占める女性の割合は33.2%とかなり近づいていました。

しかし、その内実をみると「とにかく女の数を増やせ!」的擁立もちらほら。例えば、自民党では6月22日の公示日までひと月を切った5月末時点で、候補者78人中女性は15人。女性比率は19.2 %にとどまっていました。そこで「とにかく増やせ!」といわんばかりに、新人の女性4人を比例代表に追加公認。その結果、“比例に限った“女性候補者の比率は30%にギリギリ達したのです(4人共落選)。

思い起こせば、2020年3月、自民党の女性議員グループが二階幹事長(当時)に要望書を提出し、

  • 衆参両院の国政選挙で候補者の35%以上を女性にする
  • 衆議院選挙の比例代表で女性の候補者を優遇し名簿の順位を上位にする
  • 女性議員育成のための基金を創設する

などを求め、二階氏は「検討する」としていました。

つまり、少々穿った見方になりますが、「検討するって言っちゃったし、他の政党でも女性増えてるし~。とりあえず候補者増やした!名簿に載せたから、いいじゃん!」ってことなのでしょう。

実際、自民の候補者全体に占める女性比率は23.2%で、主要政党でワースト2位。もっとも低かったのが公明党で、20.8%です。当選者に占める割合も、立憲52.9%、共産50%に対し、自民20.6%、公明15.4%にどどまっています。

男女平等度の指標となる「ジェンダー・ギャップ指数」2021年版の政治分野で、日本は156カ国中147位と、先進国では異例の低さでしたが、万年ビリグループ脱却への道のりは、果てしなく遠いといわざるをえません。

加えて、ポスターで「女性候補者増えた」とは確かに感じましたが、かつての“マドンナ旋風“のような熱さはありませんでした。

自民党総裁選では、高市早苗氏と野田聖子氏が出たことで盛り上がりましたが、あの時のような“熱“をもっと感じさせて欲しかった。そして、「私」たちの1票に、“熱“はあったのでしょうか。

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給料にまつわる不都合な真実。老後破産する前に知っておくべきこと

給与所得者の方にとって「お給料」とはなんのために存在するものなのでしょうか。やった仕事の対価であることはもちろんですが、その本質を理解しておかないと大変なことになるかもしれません。メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんが「お給料の役割」について語るとともに、その先に待っている将来について解説します。

お給料の本質とは

今回は給与所得者の人だけに向けた話をします。自営業者や、会社経営者、副業を持っている人にはあまり関係が無いかも知れません。

みなさんが毎月もらうお給料って、何のために存在するのか。こういう本質を考えた方が良いですよ。これを自己実現のためって考えると、この先に正しいレールに乗れなくなるんです。

スゴくえげつない言い方をすると、お給料というのは、「あなたを殺さずに、生かすためのモノ」なんです。あー、なんだかクレームが来そうだわ。

これをマイルドに書くと、「生きるための必要経費がお給料」ということです。

お給料の役割は、あなたを生かしすぎもせず、そうかと言って殺すこともしない、ギリギリのところに留め置くことなのです。

ですから、もらったお給料を、フツーに、何も考えず、設計図を作らずに使ったら、次のお給料日の前にはキレイに無くなってしまうはずなんですよ。

イヤー、好き放題使ったのに、全然減らなくてまだ半分残っているよ。

なんてことを給料日前に言うことは決してないんです。

だから手元にほとんど残らないのが当たり前なんです。そしてそれに気付かず、何も考えず、設計図を作らずに使うということを、新卒から定年までやると、手元には退職金しか残らず、これからの時代は老後破産するはずなんです。

だって老後はもう働かないんだから、誰もあなたに必要経費を払ってくれませんからね。年金というのは福祉ですから、これは最低限度のレベルの事しかしてくれません。福祉で豊かになるということはないのです。

こういう不都合な真実を知ったら、次に何をするべきかを考えなきゃならないのですよ。お給料が必要経費でしかないのなら、やれることはふたつだけなんです。

アメリカが抱える民主主義のジレンマ。中間選挙を前に苦悩するバイデン

病むアメリカ、バイデン大統領の苦悩

バイデン氏が24年大統領選の適格者か、と聞かれれば意見は相当割れるでしょう。バイデン氏の続投支持と考える人は優しい心の持ち主かもしれません。年齢を考えてみよ、と言われれば「まだ病気一つしないし、心配された失言も少ないではないか」というかもしれません。

が、既に79歳、次期大統領選で当選すれば82歳再選、86歳までやることになります。もちろん、マレーシアのようなケースもありますが、世界への影響力を考えれば知力、経験と共に体力や判断力のスピード、フットワークの軽さは大統領の持つべき必須の資質と条件だと考えています。

ただ、私はバイデン大統領が内政に苦しんでいるのは氏の年齢やStatesmanship(政治的手腕)というよりアメリカという国が民主主義のジレンマに落ち込んでいるように見えるのです。そして民主党の支持を受けるバイデン氏はその奥深い渦に巻き込まれ、脱出できない、そう見えるのです。

私はアメリカ型民主主義という表現を時々使います。最大の違いは議院内閣制ではなく、二大政党のどちらかが支持する大統領が議会とは比較的隔離された形で政権を執行するという特徴があります。

大統領の権限は強く、また議院内閣制のような解散総選挙もありません。大統領が議会に出ることは年頭教書と予算教書演説ぐらいです。極論を言えば議員による民主制というより大統領による民主制でしょう。

アメリカ国民は政党選択に於いてAかBという二者択一を迫られます。悩まなくてもよいという単純性はありますが、二つのどちらかが全てを満足できるものでもありません。

とすればこれは本当に民主的であるのか、第三極や第四極が政治の微妙なさじ加減に影響力を与える方がより国民にメリットある手法ではないか、という指摘は当然なされます。

アメリカは民主主義国家なのか、といえば純粋にはそうとは言い切れません。奴隷という歴史を持ち、「5分の3条項」という差別的選挙制度を採用した国です。

ジェファーソンをはじめとする初期のアメリカ指導者は奴隷を抱える人たちであり、その流れが大地主、「士業」などの知的職業従事者、それが近年では社会的成功者、富裕層といったグループと一般庶民、移民層という明白な差があぶりだされます。

その上、LGBTQを含む弱者の声を拾い上げる運動が高まる一方で銃規制が本格的に進む様相はありません。

私はアメリカ民主主義は誇れるものではなく、一歩間違えば権威国家になりかねないリスクすら持ち合わせているとみています。より純粋な民主国家は日本やカナダ、英国のスタイルではないかと思います。

ただ、民主国家になればモノを決めるプロセスが長く、議論が続き、素早い決定ができない弱点があります。アメリカが世界のトップとして君臨しているのは国民に選ばれた大統領が権力をもってその政治的手腕を思う存分発揮することにあり、議会がそれを実務的に調整、追随する展開力にあるとみています。

その点では権威主義の代表国家である中国もロシアも同様で国家元首がカリスマ的存在であればあるほどその決定に対する国家の動きは素早いものになります。

一方でアメリカを含め、その判断は必ずしも国民全員を満足させるものではなく、また十分議論をなすチャンスもないというデメリットもあるのです。(もちろん、議院内閣制での決定が国民全員を満足させるわけではありませんが、緩和効果はあるとみています。)

この複雑怪奇になった社会構造を牛耳るのはたやすくないでしょう。日経によるとアメリカ人の現在の不満は雇用と株価を含む経済対策(20%)、物価対策(15%)、政治的分断への対処(11%)、銃規制(10%)、中絶問題(5%)となっており、ウクライナ問題に至ってはわずか2%でしかありません。

つまり外交問題やロシア制裁問題、さらには中国の脅威といったことは政治の主題に上がってきていないのです。同じことは先の参議院選挙でもいえ、日本でもあれだけ話題になったウクライナ、台湾問題そして自民党が選挙戦で外交問題を第一義としたにもかかわらず国民の関心はそこにはありませんでした。

「次は絶対にやりますよ」安倍晋三氏が京大教授に約束していたこと

7月8日、奈良県で応援演説中に銃撃され、命を絶たれた安倍晋三元首相。その死は、我々日本国民にとってとてつもなく大きな損失でもあったようです。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では著者で京都大学大学院教授の藤井さんが、安倍氏が「日本を真の独立に導き得る力」を持っていた政治家であり、その存在は唯一無二であったと高く評価。さらに安倍氏が藤井氏との会話の中で口にしたという力強い言葉と、その後に踏み出してみせた「現代日本の政治を大きく転換させる歴史的な一歩」を紹介しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2022年7月9日配信分の一部抜粋です)

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安倍晋三元総理のご冥福を祈念致します。そして我々は、日本を取り戻す、その思いを引き継がねばなりません

安倍元総理が、奈良の路上で街頭演説中に散弾銃で撃たれ、息を引き取られました。

安倍元総理については、国内に様々な批判があったことは事実です。当方も、安倍さんの政治に、様々にご支援申し上げると同時に、批判を少なからず差し向けて参りました。

しかし「政治家・安倍晋三」を失った今、率直に申し上げまして、「安倍晋三」程に、「日本を真の独立に導き得る力」を持った政治家が、今の日本の中に誰一人見いだせないというのが、当方の偽らざる気持ちです。

どれくらいの日本人が気づいているのか見当がつきませんが、僕はこの損失は、「巨大な損失」であると感じています。

本当に、残念、としか言いようがありません…。

「日本を真の独立に導き得る力」とは、もちろん与党の最大派閥の長であるという要素も含まれてはいます。しかし、そんなもの如きでは、日本を真の独立に導くことなど絶対に出来ません。仮に総理大臣であろうが財務事務次官であろうが、そんな永田町・霞ヶ関における政治力学的権力を持っているだけでは、日本を真の独立に導き得る事など、絶対に無理だからです。

「日本を真の独立に導く」ためには、「思い」が必要なのです。

そして安倍さんには、その「思い」があったのです。

繰り返しますが、当方は、「安倍晋三」の政策の全てを支持しているわけでは全くありません。様々な新自由主義政策を進めたこと、とりわけ、消費税を2度引き上げた事について徹底的に批判して参りました。

しかしそれでもなお、安倍さんには、財務省が国内最強の政治権力を持ち、米国が日本に対して強大な外交的支配的影響力を持っているという状況の中で、なんとか「日本を真の独立」に導きたいという思いを込めた政治活動を続けられていたことを、ことある毎に感じて参りました。

そんなもの、全然信じられない、と思う方もおられるでしょう。

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限りなく無色透明。なぜ安倍晋三氏は長期政権を維持できたのか?

あまりに理不尽、かつ不条理な形で突然命を奪われた安倍晋三元首相。毀誉褒貶相半ばする政治家であったことは間違いありませんが、通算8年8ヶ月の長きに渡り国を率いた実績は、決して否定できるものではありません。何が憲政史上最長の政権維持を可能にしたのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、安倍氏が長期政権を実現できた理由を考察。その上で、「こうした人はなかなか出てこない」との評価を記しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年7月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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政治家安倍晋三氏、長期政権のマジックとは?

一人の政治家が命を絶たれました。そもそも人の命に区別はありませんが、社会的には総理経験者、しかも歴代最長の通算8年8ヶ月にわたって総理大臣であった人物の死は、大変に重い意味を持つと思います。

私は、安倍晋三という政治家については、積極的な支持者ではありません。何よりも、第一次政権において、歴史修正主義的な振る舞いが日米関係を緊張させたこと、日本と周辺国の緊張を高めることを「良し」とする勢力に近かったことは、今でも良いことではなかったと考えるからです。

緊張に向かい合うのは必要なことですし、そこで均衡を回復したり、緊張を緩和するというのは政策として選択の必要な局面があります。ですが、好んで緊張を強める姿勢には、一般的に疑問を感じます。安倍晋三という人は、限りなく無色の人ですが、少なくとも緊張を「高める側」の人々を集合体に変えてしまう「触媒」として機能していたのは否定できません。そして、そのことは、国益と国力を増強するのではなく、毀損する行為だったからです。

政治家安倍晋三に対して、積極的な支持のできない理由はもう一つあります。それは、社会の構造改革、とりわけ産業構造改革に対して、守旧派を抑えることができなかったという点です。今から考えれば、第二次安倍政権の8年弱という期間は、モノづくりからソフト、バイオ、金融など「見えない価値」へ転換し、中付加価値創造の中進国型経済から先進国型の経済への転換の必要な時期でした。

ですが、曲がりなりにも、そして本質は外しつつも、改革の必要が叫ばれた小泉政権時代の流れを受け継いだ第一次政権においては、むしろ改革の骨抜きに加担したと言われてもおかしくない振る舞いがありました。そして改革に失敗して守旧派の正体を暴露しつつあった民主党政権を否定して発足したはずの、第二次政権においても、結果的には「アベノミクス第三の矢」は放たれずに終わったように思います。その意味で、政治家安倍晋三に対する評価は、棺を覆うという今、そのタイミングにおいて、やはり厳しめの評価になるのは仕方がありません。

その一方で、人間、安倍晋三という人への評価は、とても難しいものがあります。まず、逝去の報に接した際には、個人的な感慨で恐縮ですが、大変に悲しいものがありました。第一次政権以来のイデオロギー的な振る舞いには、冷ややかに見ていた私ですが、意外なまでの悲痛な感慨が襲ってきたのです。

世代が近いし、例えば夫妻の年齢を平均すると自分の世代になることもあり、同じ70年代の同じ東京という場所で、何らかの試行錯誤をしていたという共通の感覚があったのは事実です。ですが、それだけではありません。

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