下請けに訴えられるアップル、感謝されるトヨタ。違いは何か?

大手企業が下請けの中小企業に対して無理難題を押し付ける─。ドラマでもよく見受けられるシチュエーションですが、実際に米アップルが訴えられたという事案もありました。今回のメルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では著者の浅井良一さんが、ビジネスにおけるアップルとトヨタの企業比較、そしてドラッカーの言葉を引きながら協力会社と大手企業の関係について論じています。

成果を適える「鬼に金棒」 泣く子と地頭には勝てぬ

いつものことなのですが、不意にこんなことが頭に浮かびました。それは、事業において無敵となる「鬼に金棒」とはなんだろうかで。つらつら考て、成功を手にした名経営者の言動などから総合的に類推してみて、そこで浮かんで来るのが二つのキーワードです。一つは“ビジョン”であり、もう一つは“よき人材”というものです。

「なぜ二つのキーワードなのですか」なのですが、この二つは、時代の欲求を切り拓いて多くを適えて、それによって企業に大きな「成果」もたらしめるための“源泉”であるからです。なんとなれば“ビジョン”がなければ「成果」は見えず、そして“よき人材”の参画がなければ「成果」に至ることはないからです。

「鬼に金棒」の由来を調べてみるとこんな風に書かれています。

鬼に武器を持たせた様子を言い表したことわざです。強い者は丸腰でも充分強いのですが、武器を持つとさらに強くなることは当然で、武器を持つ者が鬼であればなおさらです。

とあります。そこで事業では、それがどんなふうなものかを考えてみたのです。

ところで世間一般での解釈は「泣く子と地頭には勝てぬ」の様で、中小企業に取引上の優位さを笠に着て、無理難題を押し付ける大手企業こそが「鬼に金棒」そのものだとされているようです。

少し前のことですが、中小企業の「島野製作所」が度重なる過酷な条件変更にアメリカ「アップル」社を訴えるという事件がありました。訴状は独占禁止法違反と特許権侵害とういうもので、有利な地位を乱用しての一方的な受注量の削減や値下交渉さらの技術流出を理由とします。結果的には敗訴して「アップル」が全面勝訴となったのでした。

少し余計なことですが「アップル」が全面勝訴した背景は何なのか、裁判はもとより争いごとなので、多くの有能な弁護士を擁している「アップル」が契約の段階からして準備万全なのは想像に難くありません。

これは特に珍しいことではなく、特にアメリカではこのことをディール(駆け引き)だとして常套な手腕と解されているようです。2011年にアップルのCEOになったティム・クック氏は、調達等で辣腕を振う実務家で“下請け”への価格交渉は厳しいものがあります。これをして「鬼に金棒」といえば、それなりに納得されるでしょうか。

なぜ使い回しはNG?お正月の飾り物は必ず毎年新品を用意したい理由

今年も残すところあと十日を切りましたが、お正月の準備は進んでいるでしょうか。近年は高価な玄関飾りや門松を購入し毎年同じものを飾るというご家庭も増加していますが、それではまったく意味がないとするのは無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』著者の真井花さん。真井さんは今回、その当然かつ納得の理由を綴っています。

新品

さて、本日は使い回し厳禁のお話。

お正月の準備は、進んでいるでしょうか。玄関飾りや鏡餅など、用意するものがたくさんありますよね。我が家は、大半用意して、あとは飾るだけです♪

でね。ここで注意してほしいことがあるんです。

  • 同じものを毎年飾る

ってヤツです。止めましょうね、これ。あの、いろいろ売っていますよね。

  • ガラス細工の鏡餅
  • 無垢材でできた門松
  • ドライフラワーの玄関飾り

ソレナリのお値段ですが、どれもカッコ良くて、デザインもサイズもいろいろ揃えられています。

ま、ひな人形とか五月人形とかのイメージなんですね。良いモノを高い値段で買って、大切にし、毎年同じ時期に飾って、終わったらしまっておいて…ってことです。

ですが、お正月の飾り物に限っては、

  • 毎年新しいものにする

ようにしましょう。

お正月の飾り物は、

  • インテリア小物なんかじゃない

んですよ。神様をお招きできる場所であることを示すためのものです。あの、神様ですよ。神様。

  • 使い古しで

お招きできるわけないじゃーん。神棚に食べ物を供えたりするときもまさか人間が食べ残したものを供えたりしませんよね。それは神様に残り物を差し上げるなど、不敬だからですよ。これと同じようなものですね。

なので、門松も鏡餅も玄関飾りも

  • 使い捨て

です。エコとか、カンケーないから。いや、神様に幸運を分けていただくことより、エコが大事だという価値観なら、それはもうそうしていただければいいんですが、オススメはしませんね。だって、失礼な上にそれじゃ意味がないからです。

お正月の飾り物は、毎年新品を。神様に対する最低限の礼儀ですよ。

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ギャンブルだけの話にあらず。儲けるコツは「胴元」となること也

「確実に儲かる仕組み」があるのならば是が非でも知りたい、と思うのが人情というものですが、私たちが生きる社会は「ある立ち位置」の人が儲かるように作られているんだそうです。そんな仕組みを紹介しているのは、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさん。佐藤さんはその立ち位置を「胴元的思考の人」とし、そうなるためのトレーニング法や儲けるコツをレクチャーしています。

胴元になることを意識する

ギャンブルというのは必ず胴元が儲かるようになっています。それは胴元がテラ銭を抜くからです。ちなみにテラ銭は「寺銭」でして、江戸時代にお寺で賭博場が開かれていて、お寺が開催料として抜いたおカネから来ている言葉です。

ところがこれってギャンブルだけの話じゃないんです。多くのことで、胴元が儲かるように社会の仕組みは作られているんです。

例えば、19世紀の中頃にカリフォルニアで起こったゴールドラッシュ、この時に一番儲かったのは誰だか知っていますか?金を掘っていた人たちではなく、そんな金を掘る人たちに、ツルハシを売ったり、ジーパンを売ったり(ジーンズはこの時に流行したのです)、彼らを泊めるホテルを作ったり、彼らにお酒を提供したりした人たちが一番儲かったんです。

この場合の胴元って彼らのことですよ。

人が集まると、プレーヤー的な人と、胴元的な人に分かれるんです。プレーヤーとはゴールドラッシュでいえば、金を掘る人ですよね。それとは対照的に胴元的な人というのは、自分はプレーをせずに、プレーをする人たちという集合に何か働きかけをして、彼らを動かす人なんです。

実はこれが儲けるコツなんです。

例えば、株のデイトレで儲けようとして、自分が株の売買をすることを考える人はプレーヤーなんです。そんなプレーヤーに何らかの情報を提供したり、利便を図ったりして手数料なり、口銭なりをもらうことを考える人が胴元的思考の人です。

どうして胴元的思考の人が儲かるかというと、相手にする人数が多いのと、プレーヤーの結果に拘わらずチャリンとおカネが入るからなんです(レバレッジが掛かるともいいますね)。

ゴールドラッシュの時にバーを開いていた人は、プレーヤーが金を掘り当てたら掘り当てたで、祝い酒を飲むわけ。金が見つからなかったら、今度はやけ酒を飲むわけ。つまり金が獲れたかどうかに関係なくおカネが動くわけです。

ところがプレーヤーは自分が金を掘り当てた時だけ、おカネが入るわけですね。これは構図として儲かりにくいのが分かりますよね。

ですから、自分がどういう立ち位置にいると、胴元的に振る舞えるのか?これがビジネスを設計する時に常に考えるべきことなんです。

タワマンの高層階と低層階、経済的に「お得」なのはどちらか?

まことしやかに語られる「階層ヒエラルキー」など、何かと話題の尽きないタワーマンション。今回、マンション管理士の廣田信子さんのもとに届いたのは、そんなタワマンを購入するとしたらどの階がいいかという究極の質問でした。専門家はどう判断するのでしょうか。廣田さんが自身の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、高層階・低層階それぞれのメリットとデメリットを挙げつつ考察しています。

タワマン、ステータスと家族の価値どちらが勝つか

こんにちは!廣田信子です。

タワーマンションを購入するとしたら、どの階がいいと思いますか?

…といきなり聞かれました。少し価格が下がったら、築10年未満のタワマン購入を考えているみたいです。階によって価格が違うので、何階を買うかで、夫婦の意見が割れているのです。

奥さんは、高層階がいいと主張しているようです。奥さんは、マンション内に、居住する階による見えないヒエラルキーがあると聞いて、せっかく購入するのに、「何階?」と聞かれたり、エレベータ─の行き先ボタンを押す度に、「ああ、低層階にお住まいなのね」と、何か低く見られているような気になるのはいやだ…と。

夫さんの方は、水害で電気施設がやられエレベータ─が止まって高層階がいかにたいへんか…昨年、だいぶニュースになったので、むしろ低層階がいいと思っていて、(しかも、高層階より価格が安いならいうことない)何か、奥さんに対して、説得力がある低層階メリットってないですか…と。

そもそも、住んでいる階によるヒエラルキーって、本当にあるんですか?…と聞かれると、何とも言えません。表面に出ることと人の心の内は必ずしも一致しません。

このテーマ、以前、仲間内で話したがあるのですが…購入価格の差で、何となく、経済力の差を感じる…ということはないとは言えないかも…。

自分たち夫婦は、頭金を出しあってローンを組んで用意できるのが、ぎりぎり6,000万円だったので、本当はほしかった高層階をあきらめて、低層階を購入したとしたら、同じ間取りで、高層階の7,000万円の部屋を買った夫婦を見て自分たちより収入がいんだろうな…と、一瞬、感じることはあるかもしれません。口に出して言うような人は、まず、いないでしょうが…。

でも、それがどうした…ですよね。そんなことは、各人の幸せな生活には何の関係もないことです。でも、経済力の差で自分のステータスを感じたい、そのグループに属することでなんか優越感を感じるというような人の「さが」は、完全にはなくならないのかもしれません。実際は、そんな話あまり聞かないんですが…ね。

奥さんを説得するために、高層階が意外にたいしたことはないこと、低層階のメリットが聞きたい…と。

まず、高層階に住むメリットでいつも上げられるのは、景色がいい…ということです。でも、ある住人の方がいいます。開口部の向きによっては、日差しがきつ過ぎて、昼もカーテンがないとまぶしいし、別に、バルコニーからの景色、毎日なんて見ていない…と。お友達を招待した時に、眺めがいいわね~と言われ、ちょっとうれしい気分になるくらいかな…。でも、意外にそれって大事なんだよ。マンションの中のヒエラルキーなんて特に興味ないけど、友人や親戚に、タワーマンション買ったのに、この眺めは普通過ぎると思われるのは、ちょっとね…と。

最上階の、特別な仕様でセキュリティも二重になっているような部分を除いては、階で、住みごこちにそんなに差があるとは思えません。タワーマンションの高層階は、風の影響をもろ受けるので、開口部が開けにくかったり、ヒューヒューという風切り音も大きくなります。台風のときなど、かなりの音がします。で、地上から離れていると、道路等の騒音は聞こえなくて静かかと言うと、実はそうでもなく、意外に障害物もないので、音は上に上がって地上の音や声が、すぐ近くに聞こえてびっくりすることもあるようです。

米専門家「感染収束は2021年11月以降」の衝撃。どうする菅首相?

こだわっていたはずのGO TO事業の全国一斉停止を発表し、その夜に高齢者同士大人数で会食していたことが判明した菅首相。案の定と言いますか、支持率の急降下を各メディアが伝えています。このままでは総選挙の見通しは厳しいと語るのは、小沢一郎氏の秘書を長く務め、永田町の動向に詳しい元衆院議員の石川知裕さんです。今回のメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』では、政府の説明が足りないことを批判。しっかりとした見通しを示して事業者、個人とも資金繰りを考えやすい対策を打つべきと持論を展開しています。

米メディア「ポリティコ」の忠告/「もうすぐ良くなる」が経済と暮らしをさらに悪化させる

菅総理がGO TO事業の全国一斉停止を決定した。経済との両立を優先する菅総理は、GO TO事業の継続にこだわり続け、政権の浮沈とGO TO事業はセットとしてきた。株価は順調なだけに、GO TO事業による実体経済の引き上げで支持率アップを図った上で実績を積んで総選挙に臨むという思惑があったが、見通しは厳しくなった。

GO TO事業と感染拡大の因果関係について政府は認めていない。一方で、因果関係を認めていないのに、なぜGO TO事業を一旦停止するのかの説明はない。

私は感染拡大の原因は、気温の低下でウイルスが活発化したことが最大の原因だと考えている。夏場にGO TO事業を拡大しても、感染は収束していったからだ。しかし、GO TO事業によって旅行や食事に出かける人が多いほど感染するリスクは高くなる。政府もはっきり5人以上の会食による感染率は高いと言っているように酒を飲むことによって声が大きくなり飛沫感染の確率が高まることは政府も認めている。

だから、GO TO事業と感染拡大が全く関係ないかというとそうとは言えない。主たる要因ではなくとも助長していることは確かである。ではどうすべきなのか。私も経済との両立派だ。このままだと旅行業界、飲食業界は来年の3月までもたないところも多い。

以前から指摘しているが、近場の旅行支援が第一だ。今回は全国一斉停止となったが、感染のステージが低い地域からは不満の声が上がるのは当然である。次に直接支援だ。政府も最大で120万円を休業支援に充てると発表しているが、これは了としたい。やはり「真水」が大事だ。

100年前のスペイン風邪は収束まで1年半かかっている。米国の政治に特化したアメリカ合衆国のニュースメディア「ポリティコ」の特集では専門家が「ワクチンが一般に広まり接種される来年11月ごろに新型コロナウイルスは衰退し、統制されるだろう」と見通している。まだ長期戦を覚悟しなければいけないのである。

政府はその点をしっかり説明し、企業や家計の資金繰りを考えさせやすいようにしなければいけない。安易に「もう少しで良くなる」などと言っていると、より経済や暮らしの状況を悪化させるだけである。

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病気やケガをしてからでは遅い!「障害年金」が貰えないケースとは

年金と聞いても、若い人にとっては馴染みがない言葉のように感じてしまうかもしれません。しかし病気や怪我は誰にでも襲いかかるもの、そんな時に頼りになるのが「障害年金」です。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、障害年金について詳しく解説するとともに、年金が未納の場合はどうなるのかなどのケースについてもお話ししています。

見た感じ、そんなに未納にしてないはずが「障害年金」請求で門前払いになってしまった理由

20歳になるとどんな人も国民年金に強制加入します。一応、加入の手続きはしますが手続きをしなければ国民年金には加入しないというものではないです。

年金保険料支払うのがイヤとか、加入しなくても自分で積み立てるから年金は要らないという人もいます。もちろん困ってない調子がいい時は、何で年金なんか加入しなきゃいけないんか!って思いますよね。

年金はお年寄りの方が貰うものだし、今の自分には関係ないと思ってる人も多い。特に若い人は。

ところで人生は長いので、いつ何が起きるかわかりません。コロナだって、去年の今頃まで一体だれがこんな世界になるなんて想像したでしょうか。「今」は大丈夫でも、突然自分の力ではどうする事もできない事が起きたりしますよね。特に、大きな病気や怪我で働けなくなるとかは本当に他人事ではない。

病気や怪我で長い治療期間が必要になったりすると、多くの人は働きたくても働けない事態になります。

ちょっと通院しなければならない傷病ならまだしも、長期間闘病が必要となると心身の事もそうですが、どうしても経済的な問題を心配します。ある程度、そういう事態に備えて貯蓄してきた人はしばらくは大丈夫でしょうけど、その貯蓄も限りがある。

病気の事だけでなく、闘病というのは経済的な事も大変な問題になります。よって、傷病といういつ起こるかわからない事態に備えて、国は国民年金に強制加入させている。

なお、傷病だけでなく家族の誰かが亡くなるというのも、それがいつ訪れるかわからないから遺族年金の保障がある。長期間の闘病や家族の死亡というのは、ある日突然訪れ、もし訪れると経済的な問題に直結するので年金に加入している。

スマホ「コロナ禍割」導入も?武田総務大臣“値下げ圧力”の行方

NTTドコモがオンライン手続き限定の20ギガ2980円というプランに続き、既存のプランを1000円値下げすると発表しました。この新プランについて、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、かなり思い切ったものでわかりやすいと、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で評価。4割値下げには到達していないものの総務省に根回し済みのはずで、さらなる値下げ余地があるとすれば、武田総務大臣がNHKに要求している「コロナ禍割」ような時限的なものになるだろうと伝えています。

NTTドコモが既存プランを1000円値下げ。武田総務相は満足してくれるのか

NTTドコモが既存プランの値下げに踏み切った。5Gギガホで1000円値下げというのはかなり思い切ったのではないか。NTTドコモでは来年3月末までに5Gスマホの契約目標を250万と設定している。18日に行われた記者説明会によれば5Gギガホの契約は、5Gスマホ契約のうち、4割を占めているという。つまり、来年4月のサービス開始時、5Gギガホプレミア契約になる可能性がある人が100万件、存在するというわけだ。

実際、ユーザー自身が料金プランを切り替える必要があるので、すべての人が対象にはならないだろうが、仮に100万人すべてが5Gギガホプレミアに切り替えたら、月1000円の100万人分ということで、毎月10億円の収入がなくなる計算が成り立つ。

NTTドコモとしては、今回、1000円というとてもわかりやすい数字を出してきたように思う。割引に関しても「みんなドコモ割」「ドコモ光セット割」「dカードお支払割」はすべて継続。これらに手を入れることなく、単に正価から1000円引いてきた。

NTTドコモとしては、昨年春に家族の「シェアパック」から「ギガホ」「ギガライト」に料金プランを切り替えた際に「どれだけ安くなったのはわかりづらい」という声が多かった。料金プランの立て付けが大きく変更となったため、実際、個人がいくら安くなるのか皆目見当がつかなかったのだ。

今回は従来の設計をそのまま残すことで、1000円安くなった点が強調しやすくなった。問題はこれで武田良太総務大臣が許してくれるかどうか、だろう。武田総務相は菅政権発足当初「1割程度じゃ許さん」と発言していた。1000円では1割は超えるものの、4割には到達していないわけで、記者会見で激怒する可能性は考えられる。ただし、NTTドコモも発表前に当然のことながら総務省にお伺いを立てているだろうから、そこまで心配する必要は無いかもしれない。

今週、武田総務相は、NHKの受信料値下げに熱心であった。あるインタビューでは「コロナ禍で国民の家計が苦しい。NHKには常識が無い」と値下げを迫った。ただ付け加える形で「NHKの値下げはコロナ禍の時限的でもいい。コロナが収束したら元に戻すのも結構」と発言している。

確かに武田総務相は、やたらと「コロナ禍だから値下げしろ」と発言している。ならば、キャリア各社も「コロナ禍割」と称して、来年いっぱい大幅な割引を提供しつつ、コロナが一段落したら、とっとと割引をなくしてもいいのではないか。おそらく、そのタイミングであれば、首相は次の人に替わっている可能性もあるし、これ以上、値下げについて、とやかく言われることはないのではないだろうか。

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月の報酬たった3千円。激減する消防団員のために国が今すべきこと

日本の国防のあり方について軍事アナリスト、危機管理の専門家として厳しい目を向け提案を続ける小川和久さん。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』で俎上に上げたのは、全国的に消防団員が減り続けているという実態についてです。小川さんは、消防団員の報酬年額の目安3万6500円、月額で3千円を少々見直す程度では必要人員の確保はできないと明言。一定の訓練と義務を課し、職務に見合った報酬ありきで準常備消防組織を構築するため、主婦や定年世代の活用策を具体的に示しています。

消防団員を減らさないための戦略

18日、イージス・システム搭載艦2隻の建造とスタンドオフ・ミサイルの導入が閣議決定されました。しかし、「道具」を揃えることだけに目を奪われ、肝心の日本の国防がいささかも考えられていない点で、本末転倒と言わざるを得ません。

それについては、これまでも編集後記に書いてきましたし、これからも触れていくつもりですが、今回は防災能力の問題について一言。16日付けの毎日新聞は次のように報じました。

「総務省消防庁は、地域の防災活動を担う全国の消防団員数(4月1日現在)が81万8478人となり、過去最少を更新したと発表した。前年からの減員数は1万3504人で、2年連続で1万人を超えた。同庁は24日に要員確保策の検討会を開く。

 

東京都、香川、鹿児島両県を除く44道府県で減った。減員は新潟の959人が最多で、静岡が779人、長野が718人と続いた。

 

消防団は市町村などが設置。同庁によると、少子高齢化や市町村が支払う団員の年額報酬が財源不足などのため、国の目安(1人当たり年額3万6500円)を下回ったり、出動手当がなかったりと市町村で差が生じていることが減少の原因。検討会では報酬を含めた待遇改善などについて話し合う」(12月16日付毎日新聞)

しかし、生半可な処遇改善などで消防団員の減少に歯止めをかけようとしても、それが無理なことは報酬年額の目安が3万6500円とされていることでも明らかです。月額にして3000円ですよ。中には月額1000円ほどのところもあります。消防団員は自分の職業を持っているほかに、全くのボランティアとして消防防災の任務に当たっています。危険な職務であることは東日本大震災で多くの犠牲者を出したことでもわかるでしょう。総務省は一体どうしようとしているのでしょうか。

実を言えば、同じような話は20年以上も前から一歩も前進していないのです。私は総務省消防庁の消防審議会の委員(現在も同審議会の専門委員です)として、消防団の改革などについての小委員会の委員を務めてきました。

そして15年ほど前から、消防団を準常備消防組織に編成し、国全体の消防防災能力を向上させるべきだとして、次のような提案を繰り返してきました。常備消防とは私たちがお世話になっている普通の消防、つまり市の消防局などです。それを補完し、国の消防防災能力全体を引き上げようというのが消防団の準常備消防化です。

トヨタの業績を急回復させた“4秒短縮”。美人アナリストがその秘密を解説

「自動車で日本をけん引する」トヨタ自動車の業績“底打ち”がはっきりと示されました。コロナショックにより、4~6月期の連結営業利益は139億円と赤字すれすれだったものの、その後は供給網が修復され、北米と中国の2大市場が回復した7~9月期の営業利益は5060億円と大きく持ち直しています。これは、自動車産業のみならず、日本経済にとって明るい兆しになりそうです。株式アナリストとして個別銘柄・市況の分析を行う馬渕磨理子さんが、コロナ禍にみた「トヨタの底力」について解説します。

プロフィール:馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
京都大学公共政策大学院、修士過程を修了。フィスコ企業リサーチレポーターとして、個別銘柄の分析を行う。認定テクニカルアナリスト(CMTA®)。全国各地で登壇、日経CNBC出演、プレジデント、SPA!など多数メディア掲載の実績を持つ。また、ベンチャー企業でマーケティング・未上場企業のアナリスト業務を担当するパラレルキャリア。大学時代は国際政治学を専攻し、ミス同志社を受賞Twitter https://twitter.com/marikomabuchi

トヨタがコロナ禍でも通期予想を上方修正

11月6日に発表した2020年4~9月期決算は、売上高が前年同期比26%減の11兆3752億円、営業利益が同63%減の5199億円でした。5月に掲げた通期の営業利益予想の5000億円を半年で超えたことになります。

加えて、2021年3月期通期の見通しを発表しています。

連結営業利益(国際会計基準)が前期比46%減の1兆3000億円になりそうだと発表しました。5000億円だった従来予想を上方修正しており、業績の回復基調が鮮明になっています。新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ新車販売が米国や中国を中心に想定以上に戻っているのです。

トヨタは一体何をしたのか?

6日の会見で豊田章男社長は、企業体質の強化が業績回復につながっていると強調しました。「この6カ月間の現場の必死の頑張りもあった。社長になってからリーマン・ショック、東日本大震災、超円高といろいろありながらコツコツと積み上げてきた結果が出てきた」と話しています。

決算説明会では生産ラインが停止していた時期にしかできないことを現場が行っていたことにも言及。

非稼働日は改善活動に取り組んだことなどで生産性が大きく向上し、生産や販売の担当者が必死になって仕事をしたことが「急速な販売回復につながった」と述べています。

例えば、生産を“4秒短縮する”という試行錯誤。これは、生産ラインが止まっている時期にこそできた。と豊田社長は述べています。

リーマン・ショックの時は全ての新しいプロジェクトを停止して、攻めのスタンスを取らなかったトヨタは、今回のコロナでは、通常通りに振る舞うことを決めて、前に進むことを決意したのです。

リーマン・ショックの時のトヨタ販売は、市場を4%下回っていましたが、今回のコロナ危機では、市場を3%上回るペースで回復。この意思決定と努力が、販売台数の数字にも現れています。

馬渕さん_トヨタ①

コロナの影響でトヨタの4~9月の世界販売台数は437万台と前年同期比20%減でしたが、9月単月では世界販売・生産台数ともに前年超えを達成し、9月としての台数は過去最高を記録しています。

さらに、中間決算の場で、トヨタは今年度の世界販売台数計画を昨年度比10%減の942万台(従来計画は910万台)に引き上げています。

米国や中国で、需要が一気に戻った際に、生産ラインを効率化した体制で臨むことができたのです。

ソフトバンクが「20G2980円」プラン発表。追い詰められたauの一発逆転は?

ソフトバンクは2021年3月からデータ容量20GBで月額2980円(税抜)の新料金プランを提供すると、22日午前に発表した。NTTドコモが先日発表した「ahamo(アハモ)」に対抗する狙いがあるとみられ、携帯電話大手3社の中で残されたauがどう出るのかに注目が集まっている。

ソフトバンクがドコモに対抗「20G2980円」プラン

新しい料金プランはオンライン専用の新ブランド「SoftBank on LINE(仮称)」で運用される。これは2021年3月に予定しているLINEとZホールディングスの経営統合を機に実現するブランドで、ソフトバンクがLINEプラットフォームを活用した新たな通信サービスを提供していく。

この新料金プラン「LINEがギガノーカウント」は4Gと次世代通信規格「5G」の両方に対応し、1回当たり5分以内の国内通話が無料。さらにLINEの通信は“ノーカウント”になる。

「SoftBank on LINE」の気になる通信品質は、ソフトバンクのメインブランドと共通で、「LINEモバイル」のように昼間の通信速度が遅くなるということはなさそうだ。一方、ドコモの「ahamo」のような、海外におけるデータ通信の無料サービスはついていない。

【関連】次はドコモがギガホで炎上? auを笑えぬ注釈だらけの料金プランどう改定

また、ソフトバンク本体の値下げも発表。

月6580円でデータ通信が無制限となる「メリハリ無制限」を2021年3月からスタートする。これは従来のプランから4Gで900円、5Gで1900円値下げしたもので、ドコモの「ギガホプレミア」に対抗したとみられている。

残されたauに起死回生はあるのか

ドコモが落とした爆弾はソフトバンクにも影響を与えることになった。

今回発表された新料金プランは明らかにドコモを意識したものとみられ、10月に公表していたサブブランド「ワイモバイル」の20GB月額4480円というプランも見直すとしている。

「ahamo」の登場で一気に加速した携帯電話料金の値下げ合戦。「20G2980円」が当たり前の時代となっていきそうだ。

これで追い詰められてしまったのが、一歩も二歩も出遅れた感じとなってしまったau。

今月9日に行った新サービス発表会では、Amazonなどとの提携プラン発表したものの、期待された格安プランに対する言及は一切なかった。ツイッターでは「au解約」がトレンド入りするなど大炎上。

これに慌てたKDDIの高橋誠社長が携帯電話の新しい料金プランについて、「1月には正式に発表したい」と述べている。期待を裏切ってきたauだけに、2社に対抗するかそれ以上のプランでなければユーザーは納得しないに違いない。

【関連】ドコモ新料金「ahamo」の4大デメリットとは?契約前に格安の罠をチェック

料金プランをめぐってさまざまな発表をするドコモやauを尻目に、ひたすら無言を貫いてきたソフトバンク。ここへ来て一気に巻き返しを図ってきた。

携帯電話大手3社による仁義なき値下げ合戦。1月に予定されているauの発表に注目が集まっている。