タワマン住まいが危ない。高層階を揺らす「長周期地震動」の階級

東日本大震災発生時には、震源から遠く離れた大阪や新潟でも確認されたという「長周期地震動」の被害。そんな長周期地震動が、2月1日より緊急地震速報の対象に追加されたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』では著者で心理学者の富田隆さんが、気象庁が策定した長周期地震動の4つの階級の目安と、自身が東日本大震災で体験した「長周期地震動階級3強」の揺れの様子を詳細に紹介。その上で、地震大国に住む私たちに可能な限りの備えを呼びかけています。

12回目の「3.11」を前に振り返る「長周期地震動」の恐ろしさ

今年も3月11日が廻って来ます。東日本大震災のあの日、東京23区では震度5強、多摩地域では震度5弱の揺れに襲われました。

我が家のある多摩センター周辺では震度5弱でしたが、幸いなことに、被害は、食器棚からガラスコップが1個転がり落ちて割れただけでした。ところが、同じ多摩地区にありながら、当時私が奉職していたK女子大の研究室は大きな被害を受けました。

その差が生じた理由は「長周期地震動」にあります。「長周期地震動」は高層ビルなどに強い影響を与えるのです。最近、気象庁では、この「長周期地震動」を4つの階級に分け、階級ごとに高層ビルの室内がどのような状態になるか、おおよその目安を策定しました。階級が上るごとに室内の状態は厳しくなり、被害も起こり易くなります。

気象庁の発表した目安は、およそ以下のようになります。

■長周期地震動階級1

ブラインドなどの吊り下げた物が大きく揺れ、ほとんどの人が揺れを感じ、驚く人もいる。

■長周期地震動階級2

キャスター付き什器がわずかに動き、棚の食器類や本などが落ちる事がある。室内の人は大きな揺れを感じ、何かにつかまりたくなる。物につかまらないと歩くことが困難になるなど行動に支障が生じる。

■長周期地震動階級3

キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具は動くことがあり、不安定なものは倒れることがある。間仕切り壁などにひび割れや亀裂が入ることがある。室内の人は立っていることが困難になる。

■長周期地震動階級4

キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものが出る。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。間仕切り壁などにひび割れや亀裂が多くなる。室内の人は揺れにほんろうされ、立っていることができず、這わないと動くことができない。

上記の「階級」分類に合わせると、私の研究室の状態は「長周期地震動階級3強」だったようです。

書棚の本は全て落下し、固定していなかった書棚と食器棚は倒壊、壁の額は落ちて割れ、電子レンジは1メートル吹っ飛んでステンレスのシンクに落ち、凹み傷を作りました。ティーカップなど食器のほとんどは落下して割れました。あちこちの壁に亀裂が走りましたが、その数はわずかでした。最初は歩けましたが、最大震度の時は壁につかまって立っているのがやっとでした。

ただ、研究室によっては、間仕切り壁に固定してあった鉄製の書棚が倒れて折れ曲がりました。書棚を固定してあったアンカーが壁を破って引き抜けたのです。

私の研究室では、固定してあった書棚そのものは無事でしたが、いくつかの研究室の固定書棚は上記のような惨状を呈していました。仮に、書棚の近くに人がいれば、とても無事では済まなかったでしょう。

その日は春休みで授業も無く、多くの先生方は研究や学会で大学を離れていました。登校して教授の研究室を訪ねていた学生の数も少なく、そのことが負傷者ゼロの幸運につながりましたが、もし、通常の授業期間であれば、多くの負傷者が出ていたかもしれません。

この記事の著者・富田隆さんのメルマガ

「娘の“花粉症”が糖質制限食で改善された」現役医師に届いた読者からの嬉しい報告

毎年のように「去年の●倍」という脅し文句とともに報じられ、くしゃみや鼻水が止まらなくなる、やっかいなスギ花粉症。そんな花粉症が「糖質制限食」によって改善されたという読者からの報告を伝えるのは、メルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』の著者で糖尿病専門医で糖質制限の提唱者としても知られる江部康二先生。江部先生は今回、読者からの質問に答える形で、糖質制限によって花粉症やインフルエンザの罹患もなくなったという報告について検証しています。

糖質制限食で「花粉症」の症状が無くなったのですが糖質制限の効果でしょうか?

Question

shitumon

糖質制限を始めて2ヶ月が経過致します。私が主患ですが、中学三年の娘のことでご報告したいことがあります。

娘は、生後間もなく乳児湿疹が悪化し、痒みが酷く掻きむしることにより肌が割れ、身体もパンパンに腫れておりました。血液検査のアレルギー数値は、それは凄いものでした。

当時、病院を何箇所も渡りましたが改善せず、北里の東洋医学会研究所の漢方医に通院を開始しました。

漢方を処方頂き、煎じて私が服用し、系母乳投与致しました。1月に初めて受診し、3月頃より、娘の痒みが治り始め、それから3歳近くまで漢方とお付き合い致しました。現在肌は白く、綺麗です。

ただし、中学に入ってから、時折熱を出したり、咳が止まらず次第に喘息のような症状があらわれ、喘息を止める吸引薬とシールを持ち歩くようになりました。

私が糖質制限を行うようになり、家族も従って糖質低めのタンパク質をしっかりとる食事をするようになってから、娘は風邪もひかず、毎年かかっていたインフルエンザにもかからなくなりました。

花粉の時期になっても、咳も鼻水もないのです。血液検査では、アレルギー反応の数値は改善されていないにもかかわらずです。

この変化に驚いています。これが糖質制限の効果でしょうか?

江部先生からの回答

赤ちゃんがアトピーでも、煎じ薬は到底飲めません。

そんなときお母さんに煎じ薬を飲んでいただいて、母乳からの漢方効果を期待するというやり方は、なかなかリーズナブルと思います。高雄病院でも、ときにそうすることがあります。

あるいは、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんには漢方の浴剤を処方することもあります。ともあれ、娘さんのアトピーが改善して良かったです。

糖質制限食実践で、花粉症や気管支喘息がでなくなったのも素晴らしいですね。

近年の糖尿病関係の話題として、『空腹時血糖値と食後高血糖値の差(ブドウ糖スパイク)が大きいほど、リアルタイムに大血管の内皮が傷害されて動脈硬化になりやすく、将来心筋梗塞の危険性が高まる』という説が有力となっています。

糖尿病の人は、当然、ブドウ糖スパイクが大きいわけです。

一方糖尿病がない人でも、糖質を食べれば、糖尿病の人に比べれば小さいとはいえ、食後の血糖値が上昇して大量のインスリンが分泌されます。

私は、この小さなブドウ糖スパイクを、『ブドウ糖ミニスパイク』と呼んでいます。

現代の普通の食生活では、毎日3~5回、食事や間食のたびに、糖質摂取によるブドウ糖ミニスパイクとインスリンの大量分泌が生じます。

特に精製炭水化物を一人前摂取したら、追加分泌インスリンは基礎分泌の10倍~30倍と大量に出ます。

これは食後高血糖を防ぐために救急車が出動したようなもので、本来非常事態なのです。

人類の進化の歴史で、狩猟・採集時代の700万年間は、穀物摂取がほとんどないので、『ブドウ糖ミニスパイク』もインスリンの過剰分泌もありませんでした。

このブドウ糖ミニスパイクとインスリンの過剰分泌が、生体の恒常性をかく乱してホメオスタシスを崩し、アレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなります。

過去世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など、基本的にブドウ糖ミニスパイクが比較的少ないという一点で一致しています。

特に生野菜と生玄米粉だけという甲田療法では、ブドウ糖ミニスパイクは極めて少ないです。

私は現在、世界に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードによるグルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌と考えています。

糖質制限食により、グルコースミニスパイクとインスリン過剰分泌がなくなり、生体はホメオスタシスを取り戻し、自然治癒力も回復し高まり、アレルギー症状を始めとして様々な生活習慣病の症状が改善します。

スーパー糖質制限食なら、お魚、お肉など美味しいものをたくさん食べても、「甲田療法」よりも、さらにブドウ糖ミニスパイクが少ないのです。

娘さんも、糖質を減らすことで、アレルギーなど生活習慣病の悪循環が断ち切れたのだと思います。

この記事の著者・江部康二さんのメルマガ

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実質広告なのに明記なし。読者を騙す「企業出版」というグレーな商売

いかなるメディアも自前の記事・番組なのか広告なのかを明確に区別することが求められていますが、出版業界にはグレーな商品が存在するようです。「企業出版」などと呼ばれる企業版の自費出版による書籍がこれに当たります。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では、人気コンサルの永江さんが「企業出版」がなぜ成立しているのかを解説。読者を騙すことにもなるステルスマーケティングの手法は問題が多く、そのうちなくなるだろうとの見立てを示しています。

ステルスマーケティング「企業出版」について思うこと

Question

shitumon

幻冬舎から企業出版に関しての営業メールが来ました。出版費用は企業持ちで、企業ブランディングとして出版しませんかというものです。
サービス案内 企業出版とは | 幻冬舎メディアコンサルティング

私ごときが本を出した所で誰も読まないのは明白ですが、このような企業出版は、販売を目的とするのでは無く、書籍を出しているというブランディングを目的にするのであれば有りでしょうか。企業出版に関する永江さんのお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

永江さんからの回答

自費出版は企業のプロモーション策として実施されてはいますが、ぶっちゃけ出版社が最後の延命を懸けてやっているステルスマーケなので、そのうちになくなると思います。

このサービスは、出版社が、個人や会社に自費出版を薦め、出版にかかる費用と最初の数百部か数千部などを買い取ることを約束させ、編集・出版して本を刷るものです。当然ながらそれだけで本が本屋に流通して売れる訳もなく、会社が社長の本を経費で出版し、取引先や社員に配ったりするものです。

いまだに本を出版していると、それだけで注目されていたり、権威があるように見る人もいるので、企業や個人が「本を出しました」と言えるように自費出版させる出版社の営業手法です。今は本が売れなくなっているので、出版社も自らの費用で商品として出版することは少なく、本を出版したという権威付けを事業者に売っている商売です。

でもこれって、ぶっちゃけステルスマーケティングです。自費出版なのか出版社の費用負担で出しているのかでは信用度が全く違うのに、それを読者には伝えていない、消費者をだますような行為です。少し前には、よく情報商材屋がご用達の出版社から本を出していました。

ネット記事やテレビ番組だって、事業者の広告なのか、メディアが作った記事/番組なのかを区別して表記することが当然に求められているのに、本だけこのようなステルスマーケが許される道理もありません。商売が細って廃業間近の出版業界が手を出してしまった先のないグレーな手法なので、長続きはしないだろうと思っています。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

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なぜか離婚原因が相手にすり替わる「モラハラ気質」な人の頭ん中

彼氏や旦那がモラハラ気質かもしれない─。そう思ったことはありませんか? 今回のメルマガ『探偵の視点』では、著者で現役探偵の後藤啓佑さんが、モラハラ気質な依頼人からの案件を紹介しながら「モラハラとは何か」について詳しく語っています。

モラハラの依頼者

「妻に『あなたから長年モラハラを受けてきました。我慢できないのでもう出ていきます』と言われました。多分、浮気しているから調査してください」

先日、こんなセリフから始まる相談を受けました。

少し引っかかる出だしです。

妻に「モラハラがあるから出ていく」と言われたのに、「浮気をしているから出ていく」と直結して考えるのが疑問ですよね。

そして、相談者である彼の話を聞いていくと、完全な“モラハラ気質”を感じます…。

奥さんの話のほうが真実ではないか?しかし、相談者は彼です。

こんな時はどうするべきか?

僕的には、「浮気をしているかどうかのみを調査し報告する」というのがベターだと考えています。

奥さんの転居先は、浮気があった場合に弁護士を通して伝える。

もし、モラハラ気質の夫に、逃げた先の住所を与えてしまったら?両者にとって幸せが遠のいていく未来しか視えませんよね。

このように、モラハラが絡む案件は、状況によっては両者の不幸を招く可能性があるので、ありのまま伝えることは危険です。

クライアントファーストとは言いつつも、危険な香り察知しておかなければならない。探偵の難しい部分です。

ところで、ここでモラハラについて改めて整理しておきましょう。

モラハラとは、「モラルハラスメント」の略で、道徳や倫理に反した嫌がらせで相手を精神的に追い詰める行為全般のことを言います。いわゆるDVの精神版ですね。

個人的に、モラハラの最大の特徴は、モラハラをしている側は「自分がモラハラをしている」ということを認識していない人が多い部分です。

通常のDVであれば、殴る蹴るなど、相手に傷がつくことが多いのでDV自体を認識することが多いですが、精神DVは、ぱっと見では被害者のダメージを認識できません。

この記事の著者・後藤啓佑さんのメルマガ

敵は「霞が関」にあり。安倍晋三氏は首相在任時にどんな“勢力”を恐れていたのか?

内容の公平性の是非に関しては論を置くとして、発売から1ヶ月あまりで累計20万部のベストセラーとなっている『安倍晋三回顧録』。その赤裸々な内容が話題ですが、とりわけ「財務省」に関する記述に驚かされた読者が多いといいます。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、安倍氏が財務省による消費増税圧力を跳ね返すことが出来なかった理由を、同書の内容を紹介する形で解説。さらに岸田首相の「財務省のポチ化」を止める具体的方法を挙げています。

安倍総理が恐れていた勢力とは?

皆さん『安倍晋三回顧録』もう読まれましたか?大ベストセラーになっているので、読まれた方も多いだろうと思います。これ、本当に歴史に残る本ですので、絶対読んだ方がいいです。

いろいろいろいろ書きたいことはあるのですが、今回は、「安倍総理が恐れていた勢力」について触れます。

皆さん、「安倍総理が恐れていた勢力」と聞いて、何を思い浮かべますか?
「中国」と答える人は、多いと思います。「アメリカ」と答える人も、いるでょうか。「ディープステート」とか。

答えは、【 財務省 】です。

なぜ?

安倍さん、民主党政権の間違いについて、こんなことをおっしゃっています

民主党政権の間違いは数多いが、決定的なのは、東日本大震災後の増税だと思います。震災のダメージがあるのに、増税するというのは、明らかに間違っている。
(p93)

安倍総理、極めて真っ当なことをおっしゃっています。岸田さんにいいたいです。「新型コロナ大不況のダメージがあるのに、増税するというのは、明らかに間違っている」と。

しかし、安倍総理、2014年に消費税率を5%から8%に引き上げています。なぜなのでしょうか?

社会保障と税の一体改革は、財務省が描いたものです。当時は、永田町が財務省一色でしたね。財務省の力は大したものですよ。時の政権に、核となる政策がないと、財務省が近づいてきて、政権もどっぷり頼ってしまう。菅直人首相は、消費増税をして景気を良くする、といった訳のわからない論理を展開しました。民主党政権は、あえて痛みを伴う政策を主張することが、格好いいと酔いしれていた。財務官僚の注射がそれだけ効いていたということです。
(p95)

「消費増税をして景気をよくする!!!!!!!」

無理であること、中学生でも理解できるでしょう。恐ろしいことです。

結局2012年野田政権下で行われた、民主党、自民党、公明党の「三党合意」を、安倍さんでも覆せなかったということなのでしょう。それで、安倍政権下の2014年、消費税率は5%から8%に引き上げられました。

そして三党合意によると、翌2015年には税率が8%から10%に引き上げられることになっていたのです。安倍さんは、消費増税延期をかかげ2014年11月に解散しました。これについて、

増税を延期するためにはどうすればいいか、悩んだのです。デフレをまだ脱却できていないのに、消費税を上げたら一気に景気が冷え込んでしまう。だから何とか増税を回避したかった。
(p148)

「会議の議事進行」が大の苦手という人は、何を学べば克服できるのか?

会議が多い日本の会社では、議事進行をする人のスキルによって、実りある時間にも無駄な時間にもなります。経営企画室勤務ともなれば必要なスキルですが、どうにもうまく進行できないという相談に答えるのは、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。事前に準備すべきことを細かくアドバイスし、「成功の場数」を踏むことが自信につながると伝えています。

経営企画室にいるため、会議の議事進行をする立場なのですが、苦手です。どうしてもうまく進められません。

Question

shitumon

一部上場メーカーの経営企画室で8年、事業部会議や新製品開発会議の議事進行をする立場なのですが、もともと苦手でうまく進められません。何がむずかしいかと言えば、皆の発言をきっちり理解し、フォローすることがうまくできないのと、意見がぶつかったときの調整が苦手です。落としどころがよくわからなくなってしまい、声の大きいほうに引きずられがちです。こういうときに度胸のいい後輩がいるので、それもプレッシャーになっています。

赤羽さんからの回答

ご相談、どうもありがとうございます。会議のファシリテーションはかなり高度なスキルとリーダーシップが必要です。何よりも必要なのは、問題把握・解決力です。皆が結構いい加減だったり身勝手だったりの発言をしますので、それをしっかり聞き分けて、適切に問題を整理し、解決策を導かないといけません。

そのためには、普段からA4メモ書きをし、必要な情報収集をし、社内の詳しい人に何人も食い下がって問題の本質を理解し、上司とも十分すり合わせして上司の知見も引き出しておく必要があります。そのくらいやっておくと、自信も生まれますので、ファシリテーションしやすくなります。

次に大事なのは、事前の仕込みです。会議の場だけで突然皆の意見を引き出し、取りまとめ、衝突を調整し、win-win-winになる解決策に合意するのは至難のわざです。不可能とは言いませんが、ポジションが高くないと、極めてやりづらいことです。

その上で重要なのは、練習です。これについては、ロールプレイングを数度するだけでもずいぶん気が楽になり、おちついてファシリテーションできるようになります。言い換えれば、場数ですね。ただ、これまで自信のない状況、コントロールできない状況で多分10回や20回はされたと思いますが、これは場数にははいりません。毅然とした態度でしっかりと会議のファシリテーションをした場数です。

あと、大事なのは、一人ひとりの発言を丁寧に聞いて、できるだけホワイトボードに書き留めることです。リモート会議ではむずかしいですが、コロナも終息に向かい、対面の会議が主体になっていくと思います。必ず大きなホワイトボードを1台用意し、左上から順次書いていきます。

自分の発言がきちんと書き留められるのを見ると、発言者は比較的前向きな態度で会議に臨んでくれますので、使わない手はありません。

この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ

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なぜ、企業は従業員の採用時に「病歴確認」することをためらうのか?

企業が従業員を採用する際には、会社側がいろいろと自由に決定できますが、こと「解雇」関しては自由がありません。そこで採用時に必ず気にかけておくべきことは何か、無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社会保険労務士の飯田弘和さんが語っています。採用担当者は必見です。

採用面接時の「病歴確認」は問題ないのか?

会社には、採用の自由が広く認められます。

雇うか雇わないか、雇うとして誰を雇うか、どういった人を雇うかというのは、会社が自由に決定することができます。

しかし、一旦雇うと、解雇の自由は会社にはありません。そのため、雇入れた労働者が、何らかの病気を患っていることが後々判明し、その処遇に困るといったことが起きています。

雇用契約上は、労働者には、“債務の本旨に従った労務の提供義務”があります。要は、雇用契約に則って、きちんと働く義務があるという事です。

しかし、日本では、職種や業務内容の取り決めが曖昧であるため、病気を患っていてきちんと働けないような労働者であっても、配置転換等で働かせ続けることが可能かどうか等を検討しなければなりません。

ここで、「片山組事件」という有名な判例を要点だけ紹介します。

私傷病で治療中の従業員に対し、きちんと業務を行うことはできないと判断し、会社は休業を命じました。その間は無給でした。

これに対し、裁判所の判断は、“労働者の能力や経験からみて、実際に配置可能な業務があり、その業務への異動を本人が申し出ているような場合、それは労務の提供があったとみなされる”としました。

そして、休業中の賃金の支払いを命じました。

このように、たとえ私傷病であっても、その従業員を簡単に休業させたり、ましてや解雇することは、とてもハードルが高いのです。だからこそ、採用時の見極めが重要になってきます。

センシティブな問題だけに、採用面接時に、健康状態や病歴・既往歴を尋ねることを躊躇することがあるかもしれません。

しかし、採用後の配属や安全配慮等の必要性があれば、健康状態や病歴を尋ねることは問題ないとされています。

ただ、面接時に強制的に答えさせるのは適切ではないので、あくまで本人の同意を得た上で回答してもらい、同意を得られなければ、その事実を踏まえて採用の可否を判断すべきでしょう。

また、嘘の回答があった場合には、病歴詐称として、雇入れ後に解雇となり得ることも説明しましょう。回答は口頭ではなく、書面で求めた方が良いでしょう。

繰り返しになりますが、会社には、採用の自由はありますが、解雇の自由はありません。採用活動時には、ぜひ、このことを思い出してください。

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東大で“交渉術”を学んだ社長が「身を守るために」書いた一冊が面白い

日本で「起業」が身近になった昨今、実は不当な契約解除や買い叩きなど、人間不信に陥りそうな出来事が起業したての時には多いのだそうです。今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』で本のソムリエさんが紹介するのは、 東大で交渉術を学んだという著者が「対人関係」について伝授する一冊。いったいどんなことが書かれているのでしょうか。

カリスマ予備校講師を卒業し、東大で「交渉術」を学んだ著者が得たもの【一日一冊】頭のいい人の対人関係

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頭のいい人の対人関係

犬塚壮志 著/サンクチュアリ・パブリッシング

人間関係に悩んでいる人は、多いのではないでしょうか。

著者はカリスマ予備校講師を卒業し、独立起業する中で、サービスを安く買い叩かれたり、料金の未払いや不当な契約解除に翻弄されたという。

悩んだ著者が選んだのは東京大学大学院で「交渉術」を学ぶことでした。なんと著者は「交渉」や「心理学」の文献を1,000冊以上読んだという。

著者が「交渉術」として学んだのは、交渉相手とぶつかることではなく、交渉の開始と終了を気づかせず、できれば交渉相手をファンにしてしまうのが、本当の交渉だというのです。

交渉相手は敵ではなく、その問題や悩みを一緒に解決する仲間、つまり、パートナーなのです(p34)

では、どうすれば交渉相手に気づかれずに交渉することができるのでしょうか。

例えば、協調性のない部下なら、「○○さんって、困っているときにいつも助けてくれますよね」とラベルを貼って自分の望む方向に誘導する。

プライドの高い年下部下なら、「実行したらどういった結果になるか、○○さんの考えを聞かせてもらえませんか?」と結論を保留して、冷静に考え直してもらう。

家庭なら、家事の苦労を子どもを介して夫に間接的に伝えて、家事を手伝ってもらうなどといった手法が紹介されています。

原発にミサイル直撃なら日本国民は全員死亡。自民党が推し進める「軍拡」のお先真っ暗

第2次世界大戦敗戦後から貫いてきた専守防衛路線を捨て去り、軍事大国化に舵を切った日本。そんな政策を進める自民党にNOの声を突きつけなかった国民は、そう遠くない未来に地獄の苦しみにのたうち回りながら命を落とすことになりかねないようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さんが、岸田政権の軍拡路線はどのような未来を日本にもたらすかについて考察。その上で、このまま自民党に政権を担わせ続ける危険性を指摘しています。

岸田というアメリカのポチに売られる日本。原発にミサイル撃ち込まれ死に絶える国民

いつのまにか、日本の防衛費増額(GDP比2%)が、国民の間でも、すでに許容されてしまったかのようなムードが形成されています。国民の反対の声が殆ど聞こえてこないのです。

ロシアによるウクライナ侵攻の悲惨なニュース、中国の軍拡や台湾進攻の懸念、北朝鮮のミサイル乱射などの問題で、日本にも戦争の脅威が迫っているかのようなムードが醸成される中、岸田政権は日本の大軍拡を企図しました。

岸田政権は、昨年12月「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」という安保関連3文書を閣議決定しています。

防衛費をGDPの1%枠(5兆円)から、米国主導のNATO(北太西洋条約機構)に倣って、2%(11兆円)に増額する方針を打ち出したのです。

そして、日本の先制攻撃ととらえられかねない「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を公言しています。

専守防衛の国是を否定するかのような安保政策の大転換なのですが、与野党の国会論議も深まらず、財源確保のための増税についての議論も曖昧なままです。

ましてや野党は、防衛費増額に全党反対どころか、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党の3党は、防衛費増額については条件付きで迎合している有様です。

財源の増税についての異論がある程度なのです。

政府の新たな防衛力整備計画では、2023年度からの5年間で43兆円を積み上げ、2027年度にGDP比2%(11兆円)を達成する見込です。

従前の5年間では、27兆円だったので、防衛費はなんと1.6倍に膨張します。

岸田政権は防衛費増額の4分の3は歳出改革で、4分の1は増税(法人税・所得税・たばこ税)で賄う──としていますが、財政規律が緩みっぱなしの政府・自民公明両党に歳出改革が出来るわけがないでしょう。

統一地方選が終わるまで、増税論議はうやむやにして、あとから消費税も含めて「大増税」に走るつもりが見え見えなのが現状です。

防衛費増額に明確に反対しているのは、「日本共産党」と「れいわ新選組」だけです。

大軍拡につながる――として反対の「日本共産党」、そして経済対策を最優先すべし──として反対しているのが、「れいわ新選組」なのです。いずれも専守防衛の立場から、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」にも絶対反対の主張です。

恐るべきことに、日本の大軍拡には、たった2党だけしか、反対していないのです。

マスメディアの報道も、反対の気運がほとんど感じられず、政府方針に迎合的にさえ映ります。

敗戦後78年も経つと、戦争の恐ろしさ、悲惨さを忘れ、イケイケドンドンの軍拡路線に突っ走ってしまうのでしょうか。

日本の野党である日本維新、立憲民主、国民民主は、この大軍拡に対して政府に「迎合的」なのです。まったく呆れてしまう状況なのです。

この記事の著者・神樹兵輔さんのメルマガ

プーチンを弱体化したいだけ。いつまでもウクライナ戦争を終らせる気がない米英の魂胆

東部地域にロシア軍の猛攻を受けるも、徹底抗戦の構えを崩すことのないゼレンスキー大統領。そんなウクライナに対してこれまで大量の兵器を供与してきた欧米諸国ですが、未だ停戦の見通しすら立っていないのが現状です。このような状況を「米英2国の意図によるもの」とするのは、立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、米英がウクライナ戦争を長引かせたい理由を解説した上で、彼らがこの戦争を停戦させる理由など何ひとつないと断言しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

ウクライナへの支援は“戦争を長引かせる”ため。米国が本気で狙う「プーチン弱体化」

ロシアとウクライナの本格的戦争が始まってから1年が経った。しかし、停戦への兆しがまったくみえていない。ロシアは、「特別軍事作戦を継続している」と表明し、最前線への攻勢を強めている。一方のウクライナは、ロシアに対する徹底抗戦の決意をあらためて示した。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、国内外のメディアに対して「ウクライナのパートナーが約束を果たし、われわれ全員が課題を実行すれば勝利は必然だ」と述べ、欧米各国に戦闘機などさらなる兵器の供与を呼びかけた。

欧米各国は、対戦車ミサイル「ジャベリン」、トルコ製のドローン「バイラクタルTB2」、地対空ミサイル「スティンガー」など、さまざまな兵器類、弾薬類を、支援のためウクライナに送り続けて支援を続けてきた。

特に、北大西洋条約機構(NATO)の「3大戦車」とも称される、英「チャレンジャー2」、独「レオパルト2」、米「M1エイブラムス」の投入が注目されている。これは、ロシア軍がウクライナに多数投入している戦車に、大きな威力を発揮すると期待されているからだ。

だが、戦車の投入だけでは、戦局を変えるのは難しいだろう。例えば、英国は数週間以内にチャレンジャー2を14台、ウクライナに提供すると発表している。だが、14台は1個中隊規模にあたり、その展開する範囲は数百メートル程度に限られるという。

一方、ロシア軍は数個師団の規模で、数十から数百キロの範囲で作戦を展開している。つまり、米英独などの支援は、ゼレンスキー大統領が戦争の目的とする「領土回復と人々の解放」を達成させるほどの規模ではない。むしろ、より戦況を膠着させてしまうものだ。

総兵力の5割以上が失われ壊滅状態のウクライナ正規軍

また、ウクライナの正規軍が壊滅状態にあるという。ウクライナ戦争の開戦時、ウクライナ正規軍は約15万人、予備役が約90万人だったという。しかし、2023年1月初めの時点で、総計55.7万人が死傷したという報道がある。総兵力の5割強が失われた。

ウクライナ軍は、45歳以上の老兵や徴兵年齢に満たない15、16歳の少年兵まで前線に投入しているようだ。その苦境を補うために、ウクライナの戦場で実際に戦っているのは、米英仏、ポーランド、ルーマニアなど東欧諸国などからの約10万人とされる個人契約、義勇兵などである。

そもそも、NATOが供与したHIMARS、ジャベリンなどのハイテク兵器をウクライナ軍は使うことができない。NATO諸国からの将校や下士官がシステムを操作しながら戦闘を行ってきたのだ。

要するに、外国の武器で、外国の兵士が戦っているのがウクライナの現実なのである。

欧米諸国がしていることは、瀕死の重傷患者に大量の輸血をして、体中の血液が入れ替わっても延命させようとしているのと同じにみえる。つまり、ウクライナが失った領土を回復させて、戦争を終結させるために支援しているのではない。むしろ、戦争を延々と継続させるために、中途半端に関与しているのではないだろうか。