ANAが「週2勤務制度」を導入へ。元CAが感じた、空から始まる働き方の多様性

週休3日制や4日制が話題になることはありましたが、ANA(全日本空輸)が打ち出したのは、全客室乗務員を対象に「週2勤務」を可能とする制度でした。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、全日空の元CAという経歴を持つ健康社会学者の河合薫さんは、ボーイング747から通路1本のナローボディー機へと時代が移り、パイロット1人制が現実味を増していることなど、「変わりゆく空の事情」を紹介。ANAの「週2勤務」については、これからの働き方として他業種へ広がっていく期待とともに、有期雇用や賃金など、根本問題を解決する必要があると伝えています。

プロフィール河合薫かわい・かおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

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元CAの視点で考える「変わりゆく空の事情」

ジャンボの愛称で知られるボーイング747の最後の機体が、組み立てラインを離れました。私にとっても愛着のある747型機も、いよいよ終わり、と思うと感慨深いものがあります。

すでに日本の空からは消えていましたが、これで本当にひとつの大きな時代が終わる。それはそれまで当たり前だった飛行機の常識、航空業界の常識が急速に変化し、気がついた時には「そういえばいたね(あるいはあったね)」と懐かしむ、例えるなら公衆電話や切符のような存在になるとともに、新しい当たり前ができるってこと。「私」たちの生活だけでなく、働き方、生き方も変わってゆくのです。

すでにその変化は始まっています。1月18日には、米航空宇宙局(NASA)が、ボーイングと共同で二酸化炭素の排出量を削減した航空機の開発に取り組むことを発表しました。最初の試験飛行は2028年に実施予定で、30年には世界中の空を飛び交う予定です。

“サステイナブル・フライト・デモンストレーター”というプロジェクト名どおり、「持続可能」にプライオリティをおいた飛行機です。747が大量輸送を可能にしたのに対し、こちらは通路1本のナローボディー機。必然的に搭乗するCAもお客さんも大幅に減ります。現在空を飛んでいるナローボティー機の燃費効率を、大幅に向上させるとのこと。地球にも航空会社にも「優しい飛行機」なのです。

また、飛行機の飛ばせ方にも変化の兆しが見えてきました。なんとジェット旅客機の操縦室に乗務するパイロットが、2人ではなく1人のみとする計画が進んでいるのです。

英メディアの報道によると、ドイツや英国、ニュージーランドなど40カ国余りが「パイロット1人の実現」に向け国連専門機関の国際民間航空機関(ICAO)に支援を要請。すでに欧州航空安全機関(EASA)は、パイロット1人で安全飛行ができるよう運用方法決定に向けて航空機メーカーと取り組み、監督ルール策定の準備を進めているそうです。

パイロット1人計画は、2027年にスタートする予定。4年後なんで、あっという間ですから。私たちが爺さん、婆さんになる頃には、「マジ?ウケる~~!パイロット2人もいたの?ヒマそう~~!」という時代の到来ですね、きっと。

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前の会社のほうがよかった…。転職で失敗しないための「2つ基準」とは?

転職することが当たり前となった昨今ですが、転職後に「前のほうがよかった」と考える人も少なくないようです。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さんが紹介するのは、後悔しない転職をするための「2つの基準」について。一体どのような基準なのでしょうか?

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良い転職と悪い転職。後悔しないために絶対に気をつけたい「2つの基準」

新年を迎え、仕事モードに身体がなかなか切り替わらず、メールチェックや挨拶回り、実務に身が入っていない方はいませんか?

そんなとき、考えるのが「このままここの会社にいていいのかな?」ということ。

統計では、求人サイトの応募数が増えるのは、2、3月がもっとも多く、転職を考えはじめるのは1月からなのだそうです。

いまは、転職が当たり前の時代。

20代後半から40代では、むしろ一度も転職をしたことがない人のほうが少ないのではないでしょうか。私自身もこれまで4回転職をしています。

しかし、良い転職と悪い転職があります。

場合によっては、転職してから「結局最初に入った会社が、1番良かった」と、後悔する人も少なくありません。実際、転職を繰り返している人へのアンケートでは、大多数の方が「最初に入社した会社が1番良かった」と答えたという結果が出ています。

そこで、まずは、「どういう基準で転職をすべきか」を考える必要があります。

覚えておいてほしいのは、心身を壊しかねない職場からはすぐに逃げようということです。残念ながら、パワハラ、モラハラ、セクハラが根付いている会社が、まだあります。そういった会社で働いていると、心身が疲弊し、うつ病になったり、体を壊したりします。

そうなってからでは遅いのです。今は、どんな会社でも安心はできません。

心や身体を壊す会社なら、即退職と心に刻んでから、以下をお読みください。

ちょっとした理不尽や人間関係の不安ならどうか。私は、そのような場合、安易に転職するのも考えものだと思っています。

会社には多かれ少なかれ、理不尽なことがあり、不満を抱えざる得ないことがあるものです。

そうした不満を解消しようと、転職を繰り返しても、次の会社でも不満が生まれ、いつまでも理想の会社を追い求めることになってしまいます。

では、どのくらい理不尽や不満を我慢すべきか。この許容範囲は個人差があります。ストレス耐性も人によって違うので、一言では言えません。

多少きつくてもいいから、給料が高いところがいい人もいれば、給料が安くてもいいから、とにかく人間関係が良いところで働きたいと思う人もいます。この判断基準は、年齢によっても変わります。

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800年前の“しくじり先生”?「方丈記」の鴨長明を今こそ読むべき理由

800年前の日本にも「しくじり」ジャーナリストが存在していたことをご存知でしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、著者でジャーナリストの上杉隆さんが、あの「方丈記」の著者である鴨長明にフォーカスをあて、そのしくじりっぷりを存分に語っています。

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いまこそ鴨長明を読む。800年前のしくじりジャーナリストはいかに生きたか?

大地震、津波、悪政、パンデミック、噴火、戦争……。

この10年余り、日本は多くの災害に見舞われた。時代の変わり目なのか、あるいは「終わりの始まり」なのか、それは誰にもわからない。ただ、不幸な時代の事象を反映するように、いま日本では終末論が蔓延り、予言や都市伝説の類が溢れている。

こんな時代だからこそ鴨長明である。

鴨長明?誰それ?と思うかもしれない。また、『枕草子』(清少納言)、『徒然草』(吉田兼好)と並ぶ日本三大随筆のひとつ『方丈記』の作者だととまでは知っているが、どのような人物かまでは知らないという方もいるのではないだろうか。

50歳で出家した鴨長明については、都を追われて、京のはずれの山奥の「方丈庵」でひとり過ごした厭世文学者のイメージが強いかもしれない。だが、実際の長明は驚くほど人間臭い人物であり、いまでいえば自由ゆえに疎まれるフリージャーナリストのような存在である。

京都・下鴨神社の跡取りとして生まれた鴨長明は、父を正禰宜に持つ御曹司であった。父の死によって、親族からの裏切りや手のひら返しに遭い、孤独な人生を歩み始める。

鴨長明は、約10年間のうちに次々と発生した災難を、日本初の災害文学として遺したジャーナリストであり、勅撰集の編纂を委ねられた歌人でもあり、折琴や継琵琶の名手として傑出したアーティストでもあった。

得度後は、今でいうミニマリストのような暮らしぶりだが、その間にも、還俗を企図するかのような執着や我欲が滲み出ており、俗世と断絶できないかなり残念な、迷いの出家者であったといえよう。同じ50歳で出家したしくじりジャーナリストの筆者が、鴨長明に共感を覚えるのはこんなところが見えるからかもしれない。

さて、その鴨長明の代表作が随筆『方丈記』である。長く日本の教科書にも載っているからご存じの方も多いと思うが、冒頭の有名な一節は、いまだからこそ多くの者の心に響くはずだ。

筆者もそのひとりである。50歳を超え、若い頃には無自覚だった人生の無常に共感しやすくなっているのかもしれない。あるいはまた、若きジャーナリストの頃に受けた、他者からの嫉妬や僻みのイジメに疲れてしまったという共通点が、心を打ったのかもしれない。はたまた、創業者や経営者として数多の裏切りや詐欺に遭った過去がそう思わせるのかもしれない。

いやいや、違うかもしれない。私が仏の道を歩くことになったのは、他人の裏切りや悪行を気にしないよう精神と人生をコントロールしていくためでもなかったか。決して単純な諦観や自暴自棄の類ではない。大悲に基づいての赦しと、世の中の執着や欲求を薄れさせ、無常観や無我で心を満たすよう修行を受けたはずではなかったか。この辺りは『方丈記』の最後、鴨長明のどんでん返しと共通する人生(迷いと苦しみ)でもある。

ゆく河のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し

(現代語訳/佐藤春夫 河の流れは常に絶える事がなく、しかも流れ行く河の水は移り変って絶間がない。奔流に現われる飛沫ひまつは一瞬も止る事がなく、現れるや直すぐに消えてしまって又新しく現れるのである。世の中の人々の運命や、人々の住家すみかの移り変りの激しい事等は丁度河の流れにも譬たとえられ、又奔流に現われては消えさる飛沫の様に極めてはかないものである)

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蜜月も終了?プーチンを「気が狂った」と批判を始めた中国・習近平

中国とロシアが裏で繋がっていることはロシアのウクライナ侵攻でも強く感じられることになりました。しかし、今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、 現在の中国はプーチンへの信頼を失ったとして、その理由を解説しています。

プーチンは「気が狂った!」中国はプーチンへの信頼を失った

私が『中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』という本を出版したのは16年前、2007年のことです。

今なら、「中国ロシア同盟」という言葉、誰でも受け入れることができるでしょう。ところが当時は、「中国ロシア同盟?????そんなものは、どこにも存在しない!」という感じでした。

私は、「事実上の中国ロシア同盟は、2005年に成立した」と見ています。だから、07年にそういう名前の本を出したのです。どういう話でしょうか?

プーチンは、2000年に大統領になると、当時の有力新興財閥二人を征伐しました。一人は、「クレムリンのゴッドファーザー」と呼ばれていたベレゾフスキー。もう一人は、「ロシアのメディア王」と呼ばれ、「世界ユダヤ人会議」の副議長だったグシンスキー。ベレゾフスキーはイギリスに、グシンスキーはイスラエルに逃げました。

石油最大手ユコスのCEOだったホドルコフスキーという男がいます。彼も、上記二人と同じくユダヤ系。彼は、ベレゾフスキー、グシンスキーがアッという間にプーチンにやられたのを見て恐怖します。それで、何をしたか?

まず、イギリスのジェイコブ・ロスチャイルドに接近しました。そして、共同で「オープンロシア財団」を立ち上げたのです。なんだか「陰謀論」みたいな話ですね。ここでは細かい証拠を挙げるスペースがありません。詳細に興味がある方は、拙著『プーチン最後の聖戦』をご一読ください。

もう一つ、ホドルコフスキーは、ネオコンブッシュ政権に接近しました。そして、ホドルコフスキーは、「自分を守ってくれれば、ロシアの石油最大手ユコスをアメリカに売る」と約束したのです。実際、エクソンモービル、シェブロンテキサコとの交渉がはじまっていました。

ロシアにとって、石油、天然ガスは最大の収入源です。プーチンは、それをアメリカに売ろうとするホドルコフスキーを許すことができなかった。それで、ホドルコフスキーは、脱税、横領などの容疑で03年10月に逮捕されたのです。彼はそれから、10年間刑務所にいました。

その後、プーチンが「ロシアの勢力圏」と考える「旧ソ連諸国」で相次いで革命が起こるようになっていきます。03年、ジョージアで。04年、ウクライナで(オレンジ革命)。05年、キルギスで。

プーチンは、「これらの革命の背後にアメリカがいる」と確信。「このままでは、ロシアでも革命が起き、俺も失脚させられる!」と恐怖したプーチンは05年、「中国との同盟」を決断したのです。そこから中国とロシアは、ず~~~~~っと、「事実上の同盟関係」にあります。

有田芳生氏が極秘資料を公開。旧統一教会「非公然軍事部隊」のメンバー・経歴・自衛隊への浸透…日本を破壊するカルト集団の危険性

「警察庁は統一教会を反社会的集団であると認識している」とテレビ番組で指摘し、教団から名誉毀損で訴えられたジャーナリストの有田芳生氏。その「反社会性」の根拠は、霊感商法や高額献金、宗教二世といった個人の被害にとどまりません。有田氏が独自に入手した捜査当局の「重点対象一覧表」には、テレビや新聞が報じない、すべての国民が知るべき驚くべき事実が記されていました。メルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』の中で、その「極秘資料」を詳しく分析し、紹介しています。

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警察当局が警戒。軍事勢力としての統一教会

1960年代後半から70年代にかけて、韓国の統一教会系企業が、日本に散弾銃(鋭和B3)、空気銃(鋭和3B)を輸出し、日本の信者が銃砲店を全国で経営(文鮮明教祖によると38店舗)していたことに警察当局は注目していた。

仙台では住宅地に会員制の射撃場まで持っていた。こうした施設は名古屋、大阪でも営業がはじまり、会社員だけでなく自衛隊員や警察官も会員に登録していた。文鮮明教祖が「趣味産業を作れ」と信者に命じたのがきっかけだ。教祖の好きだった釣りの延長でマグロなどの卸業をアメリカや日本で展開したように、ハンティングも好んだから、散弾銃などを製造するようになった。

だが冷戦下で「勝共」という強烈なイデオロギーを精神的支柱とする信者たちは、「趣味」の域を超えていった。早大原研メンバーが、「70年安保」を前に空気銃で「軍事訓練」したのも、当然の道筋だった。原理研究会の会員たち(信者)が銃砲店を通さずに「鋭和B3」1000丁を所持したいと申請したが、警察庁生活安全部保安課によって認められなかったと信者たちには伝えられている。

「重点対象一覧表」で当局が監視していた要注意メンバーたち

捜査当局が作成した〈統一協会重点対象一覧表〉というA4版3枚の資料がある。ここには52人の統一教会関係者が実名で記録されている。時期的には平成8年(1996年)秋以降にまとめられたものだと記述からわかる。

まず総論的に全体の特徴を見ることにする。最左欄は「氏名 生年月日」、その右に以下の項目が続く。「本籍 住所(電話番号)」「活動拠点 職業 勤務先(所在地・TEL)」「活動歴」「犯歴」「免許」「身体特徴 写真」「猟銃」「戸籍」「脱会」「備考」。以上の11項目だ。

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名前を見ると、統一教会幹部として教団の宣伝物などに登場する者もいれば、一般にはまったく知られていない人物も多い。私はこの資料に何度も眼を通していて、「オウム真理教の次に統一教会を摘発する準備をしている」と語った警察庁と警視庁の幹部が口にしたある言葉を思い出した。

警察庁と警視庁の幹部から「オウム(真理教)の次には統一教会を摘発する。その準備をしている」と聞いたとき、私はいくつかの質問をしている。そのひとつの答えが「(組織内部に)相当の情報源ができた」というものだった。

統一教会組織の核心部分に情報提供者を作ることができた。私はそう理解した。2人の警察幹部は、公安部門の担当だったから、捜査員を通じて監視対象組織の内部に情報提供者を育てることもしばしばだったという。

相手の生活上の不満や弱みをつかみ、ときに金銭も動く。いわゆる「エス」(組織の内通者)だ。その手法を統一教会でも実施したのだろう。具体的証言によって事実を収集していく。それが捜査の出発点だった。そうでなければ、これほど組織内部の機微にわたる情報は入らない。

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岸田文雄vs菅義偉「権力闘争」が勃発。2人を天秤にかける“統一教会の犬”

1月10日発売の『文藝春秋』のインタビューを皮切りに、岸田首相批判を連発する菅元首相。にわかに勃発した「権力闘争」に揺れる自民党ですが、その大波を利用し見事な立ち回りを見せる議員も存在するようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、菅・岸田両氏を二股にかけるがごとき萩生田光一氏の動きを取り上げるとともに、氏の思惑を推測。その上で、岸田首相が今後置かれかねない状況について解説しています。

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岸田vs菅の権力闘争勃発、二股かける萩生田の動向が鍵に

ただでさえ不景気なところに物価ばかりが容赦なく上がり、われわれ庶民の暮らしは世知辛くなる一方だ。こういう時こそ、税や社会保険料など国民負担を減らすべきなのに、どうやら岸田首相は「増税」に頭が囚われてしまっているようである。

1月23日に召集された通常国会の冒頭。施政方針演説で岸田首相は、防衛力の強化をはかるため2027年度から年4兆円の新たな財源が必要になるとして、あらためて増税の決意を示した。「行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約4分の1については、今を生きる我々が、将来世代への責任として対応してまいります」。

不景気の時は減税して庶民のフトコロをあたため、景気が過熱すれば増税で冷やすというのが、政策の常道であり、理にかなったやり方だが、筋金入りの増税論者といわれる岸田首相には通用しないようである。いまどき増税すれば、ますます景気は悪化し、企業の収益が落ちて、結果として税収は減少するだろう。

本来ならこの国会、岸田増税路線を阻むため野党の奮起を期待したいところだが、肝心の野党勢力、とりわけ第1党である立憲民主党の方向性が定まらない。

むろん、反増税のポーズは見せている。今月17日、立憲民主党、日本維新の会など6党1会派が野党国対委員長会談を開き、岸田政権の増税路線にくみしないことで一致したという。

しかし立憲の安住国対委員長は「重要な政策決定を国会審議を経ずして行っている。国民をないがしろにし、国会を軽視するもので容認できない」と述べている。つまり、増税そのものではなく、国会での議論を経ずに増税を決めたことを問題にしているのが少し気になるところだ。

なにしろ最近の野党勢力はバラバラであり、どう動いていくか予測がつかない。増税に明確に反対し、減税を唱えているのは、れいわ新選組と共産党くらいのものだろう。

立憲は昨秋の臨時国会で、維新と組んで統一教会の被害者救済法案を共同提案し、岸田首相をその気にさせて新法成立にこぎつけた。そこまではいいのだが、それに味をしめて、すっかり与党の仲間入りしたかのごとき気分に浸っているようなのである。

今月20日に岡田幹事長が安住国対委員長とともに関西万博の会場となる大阪湾の人工島・夢洲を訪れ「万博はここまで来たら、ぜひ成功してもらいたい。しっかり後押ししたい」と記者団に語ったという。

そのわずか2日前には自民党の茂木幹事長が夢洲を視察し、吉村・大阪府知事、松井・大阪市長と会食して、ぎくしゃくしていた関係の修復をはかったばかり。同じ夢洲に大阪府と市が誘致を進めるカジノ・リゾート(IR)については反対と言いながら立憲幹部が茂木氏に続いて大阪入りしたのは何を物語るのか。

国会における共闘関係を維新の本拠地訪問で固める意図もあるのだろうが、岸田政権との対決姿勢を示し続けることに拘らなくなったからこそ、できる行動ではないだろうか。

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雪でJR電車10時間閉じ込め「待機指示に従う日本人が怖い」に賛否。アカン漏れる!目の前に非常用ドアコック…あなたならどうする?

大寒波でJR西日本の電車が立ち往生し、乗客約7000人が最大10時間も車内に閉じ込められた問題で、JR西側のずさんな対応もさることながら「待機の指示に素直に従う日本人の国民性が逆に怖い」という意見がSNSに投稿され、賛否両論を集めている。

JR西日本だけじゃなく、乗客もどうかしてる?

10年に一度の大寒波が日本列島を襲った24日夜から25日朝にかけて、JR西日本の列車15本が立ち往生し、乗客約7000人が電車内に最大10時間閉じ込められ、16人が体調不良で救急搬送された問題で、JR西日本の判断ミスを批判する声が高まっている。

JR西によるとトラブルの原因は、積雪量の見込みが甘く線路の切り替えポイントの雪をとかす「融雪器」を作動させなかったことによるもの。乗客の誘導遅れに関しては、「夜間の降雪の中でお客様に列車から降りていただくことに躊躇し、お客様に降車いただく判断を行うまでに長時間を要した」と説明(※PDF)している。

JR西の長谷川一明社長は26日に会見を行い、「降雪状況の判断に誤りがあった。重大な運行トラブルを発生させたことを深くお詫び申し上げます」と陳謝したが、今後、乗客の不安をどう払拭していくかについては依然不透明な状況だ。

そんな中、JR西日本ではなく、あえて“缶詰状態”に甘んじた乗客側の心理を疑問視する意見がSNSに投稿され、ちょっとした波紋を呼んでいる。

ネットユーザーの島本さん(@pannacottaso_v2)はツイッターで、「JR西日本の缶詰の件、色々あるとは思うけど早い段階で乗客が窓から勝手に降りないことが逆に私は怖いんすよね。それがどういう結果を招くかはともかく、我慢強すぎるというか他人に意思決定を委ねすぎるのは日本人の問題なんすよね」と、会社側の対応もさることながら、ひたすら辛抱しつづける日本人の従順性が「逆に私は怖い」と指摘。

類似のツイートは他にも見られ、

《ひたすら指示に従う日本人って実は怖い。歯向かったら排除だし》

《日本の危機ですね。あまりにも真面目すぎて恐ろしくなります》

《非常用ドアコックで外に出ればいいのに、なぜしない?》

《JRのデタラメな指示に従って失禁を選ぶってマジでヤバい》

など、今回のトラブルでは乗客側の過剰な「優等生ぶり」に違和感を抱いた人も少なくないようだ。

何が正解?通勤電車のハードプロブレムに賛否両論

このような「盲目的にJR西日本の指示に従った乗客も異常なのでは?」という問題提起に対して、ネットでは賛否両論さまざまな声が上がっている。

中でも目につく反論は、「勝手に線路に出たとして、そこに別の電車が走り込んできて、はねられたらどうするんだ?」など、乗客が自主判断で電車の外に出ることの危険性を指摘する意見だ。実際、過去に大惨事も発生しており、JR西日本の対応を一概に責めることはできない。

ただ、これに対しては「電車が20分間止まって、学校や会社に遅刻しそうだから勝手に外に出たい、という客は批判されて当然だと思う。でも、6時間も10時間も運転を再開しないのならそれはもう非常事態じゃないの?すし詰めの電車内で平然と待機する神経のほうが理解できない」など、平時と有事では異なる対応や考え方をするのが当然という意見もまた多い。

一方、電車が止まって車内に閉じ込められ、トイレを我慢できなくなったとしても、それでただちに死ぬわけではないのだから「車内にとどまるほうが線路上に出るより安全」という見方も。

もっとも、たとえ非常時であっても、日常的に利用する通勤電車内での失禁は“社会的な死”を意味すると恐れる人も少なくないようで、「自分なら絶対に外に出る」といった決意表明も散見され、議論は平行線を辿っているようだ。

「命の危険を感じた」電車閉じ込め危機一髪

さらに、糖尿病の持病があるという、あるネットユーザーの投稿も注目を集めている。このユーザーは、混雑した車内に長時間閉じ込められた結果、低血糖の状態に陥ってしまい命の危険を感じたという。

糖尿病といえば高血糖をイメージしがちだが、治療で血糖値をコントロールする薬を服用している人が長時間、予期せぬ空腹状態に置かれた場合、血糖値が下がりすぎた状態になる恐れがある。

低血糖は危険な状態で、初期症状は頻脈や多汗などだが、放置すると頭痛や思考力低下、生あくびなどを経てけいれんや昏睡に陥り、最悪の場合は死に至る。速やかなブドウ糖の摂取が必須とされる。

幸いこのユーザーは、同じ電車に乗り合わせた看護師や他の乗客、運転士などJRの現場職員の配慮により事なきを得たというが、長時間にわたる電車の運行停止は「命に関わる非常事態」であることを示す一例と言えるかもしれない。

この投稿に対しては、「なぜブドウ糖タブレットやラムネを持ち歩かないのか?糖尿病患者の常識でしょ?」といった批判も見られるが、「うっかり忘れることは誰にでもある」「常に数時間単位で電車に閉じ込められることを想定するのはさすがにキツい」など同情の声も。

車内で待機するか外に出るか。外に出るとして何時間の電車停止を目安にすべきか。いつ自分自身の身に降りかかるとも限らない「電車缶詰問題」、あなたは何が正解だと考えるだろうか?

手段を選ばぬ中国。人気商品のパッケージにも刷られたプロパガンダの文字

中国が得意としている情報戦ですが、台湾で先日、とある商品に「政治的メッセージ」が印刷されていることが発覚し話題となっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、台湾で販売されている人気即席麺のパッケージを利用した「中国のプロパガンダ工作」を疑うニュースを紹介。目的達成のためなら手段を選ばない中国の姑息な手口を批判的に伝えています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年1月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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人気商品のパッケージもプロパガンダとして利用する中国

台湾で売られる中国産麺にプロパガンダ印字 経済相「当該商品の輸入は認めていない」

「ルオシフェン(螺螄粉)」という麺をご存知でしょうか。コロナ禍の中国で爆発的に売れたインスタントラーメンで、その名も「タニシビーフン」。

タニシなどの食材を弱火で煮込んだスープの中にビーフンを入れ、タケノコの漬物、キクラゲ、さやいんげんなどをトッピングに乗せ、時にはタニシの身も乗せて食べる汁ビーフンです。特徴的なのは、その臭い。あまりの臭さに、「スープ界のドリアン」「生物兵器」とまで言われるほどの臭さです。

もともとは、「中国南部、広西チワン族自治区柳州市発祥の料理で、同地では古くからタニシが食べられていた」とのこと。

「スープ界のドリアン」と言われるその臭さ 臭い! でも美味い! “タニシ”でスープをとった「タニシ麺」が中国で流行中

その「タニシビーフンが」、コロナ禍で外出できず刺激を求める中国人たちの間で話題になり、「2021年には、数十種類のルオシフェンブランドが、11億個のインスタント・ルオシフェンを販売した」とのことです。

冒頭の報道に戻りますが、台湾のファミリーマートやドラッグストアのコスメド(康是美)」などで販売されている、インスタントの「ルオシフェン(螺螄粉)」のパッケージに、中国で使われている簡体字で次のような文言が印刷されていたとのこと。

你是中國人、我也是中國人、四捨五入一下、你就是我的人。
(あなたは中国人、私も中国人、四捨五入すればあなたは私の身内)

これは、中国によるプロパガンダであり、刷り込みだとして、台湾の野党である台湾基進党が指摘しました。これを受けて、台湾の「王美花(おうびか)経済部長(経済相)は、報道陣に対し、台湾は当該商品の輸入を許可していないと説明し、小売店などに販売中止を求める」と述べました。

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日本のアパレルはもう死んでいる。今後「蘇生」する可能性は残されているのか?

グローバル化によって日本人が着用するアパレルの97~98%が海外生産になっているそうです。企業が儲けを求め、消費者が安さに飛びついた結果、日本のファッション業界は「既に死んでいる」状態と見ているのは、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんです。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、中国での生産の持続が不透明な状況のなか、日本のファッション業界が蘇る方法を考察。世界に刺激を与えてきた独自文化と、多様性を認めたうえで改善する能力に可能性を見い出しています。

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ビジネスよりファッション

1.消費者はアパレル産業なんて関係ない

1980年代まで、日本人が着用するアパレルはほとんどが日本製でした。90年代になると、中国生産が飛躍的に拡大し、現在では97~98%が海外生産になっています。その中でも、圧倒的に中国生産が多いのです。

しかし、中国生産は揺らいでいます。米中のデカップリング、新疆ウイグル地域におけるウイグル族の人権弾圧、中国不動産バブル崩壊、ゼロコロナ政策等により中国経済は大打撃を受けています。打撃が大きすぎて、回復不可能なのではないでしょうか。個人的には中国生産中心のグローバリズは崩壊したと考えています。

中国のアパレル生産が持続できないとなると、日本生産に回帰するか、東南アジア諸国生産に切り換えるかという選択になります。

もう一つ、日本市場の問題があります。日本の人口は減少し、高齢化が進んでいます。働き盛りの社会人が親の介護のために仕事を離れるという介護離職という問題も起きています。増税も計画されており、可処分所得は益々減少するでしょう。

しかも、デジタル支出は生活のインフラとなっており、削減することは困難です。教育費も、子供の将来に対する必要不可欠な投資となっています。エネルギー費、食費も供給不足で価格が上がっています。どう考えても、ファッションに関する消費は増えそうにありません。ファッションビジネスは不況業種となり、投資も人材も集まらなくなるでしょう。

しかし、東南アジアにとって、アパレル産業は成長産業です。ファッション市場も拡大していきます。今後もファッション産業への投資は増えていくでしょう。

グローバルファッションはなくなりません。「ユニクロ」も「無印良品」も「しまむら」も元気です。かりにどこかが淘汰されても、コピーブランドが次々と登場します。原産地がどこであろうと、アパレル企業の国籍がどこであろうと、消費者にとって何の不自由もありません。世界共通のトレンドによる世界共通のブランドの服がなくなることはありません。

日本の消費者が困らないのであれば、日本のアパレル産業が淘汰されても、気がつきません。百貨店が閉店しても気がつかないように。「最近、日本のアパレル企業ってなくなったね」と言われるだけです。

2.「きもの」がなくなったら困るのか?

日本のファッション産業がなくなっても消費者は困りません。しかし、日本オリジナルのファッションがなくなったらどうでしょうか。

例えば、きものについて考えてみましょう。日本からきものが消えたら困るという人は多いと思います。若い世代は格安で購入できる古着を楽しんでいます。多分、今後数十年間は古着の在庫がなくなることはないでしょう。しかし、古着が売れても、新しいきものが売れなければ、きもの業界、きもの関連の職人は淘汰されます。

きもの業界にとって、主力商品は着尺の反物です。極端にいえば、反物が売れればいい。きものに使おうと、インテリアに使おうと、手芸に使おうと構わない。着尺の反物が売れることがきもの業界の生き残り策です。

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経営者の疑問。今どき商工会議所やロータリークラブに入る意味はあるのか?

日本全国津々浦々に存在する、商工会議所やロータリークラブ。一般のサラリーマンには縁遠い団体ですが、企業を経営する立場の人間であるならば加入を考えるべきなのでしょうか。今回のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』では人気コンサルの永江さんが、条件付きながらも「入ってみる価値はある」としてその理由を解説。加入することにより得られるメリットを紹介しています。

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経営者なら、地元の名士も多く参加する商工会議所やロータリークラブに入るべきか?

Question

shitumon

いつもブログそしてメールマガジンをありがとうございます。今回は、商工会議所さらにはロータリークラブ(あるいはライオンズクラブ)の持つ役割につきまして質問いたします。2か月ほど前に地方の建設工事会社の代表へ就任し、日々バタバタしておりますが、社外の方から商工会議所やロータリークラブへ加入した方が良いというようなお話をいくつか頂きました。

私は、本業に専念する必要があると思っており、社内におきましても仕事外の活動へ参加することは望ましくないとの声が多く聞かれております。そこで質問ですが、商工会議所やロータリークラブへ参加することは企業活動にとってプラスな面はありますでしょうか。

いわゆる地元の名士?と言われる方々が参加されていると認識しておりますので勉強させていただく機会はあるかと思いますが、直接本業に係るわけではありませんので、現段階ではお断りしようと考えております。何かご存じなことがございましたらご教示いただけると幸いです。宜しくお願い致します。

永江さんからの回答

お住まいの地域によりますが、商工会議所とロータリークラブはちゃんとした付き合いができるなら入ってみても良いと思います。

青年会議所などは実のある話がないことが多いと聞きますが、商工会議所はやる気がある会議所なら補助金の申請窓口を代行していたりするので実務に関わることもあるでしょう。ロータリークラブも、基本的に経営者・富裕層が集まるので、建設工事会社を経営されているのなら、会員が自宅や事務所を改築する時・別荘を建てる時などに声をかけてもらえる機会があるかもしれません。

どちらも会やクラブの重鎮の人たちに面倒見の良い経営者がいて、ご質問者さんがちゃんとしたお付き合いができる(若手経営者ならば目をかけてもらえるかも大事)という前提ですが、試しに入ってみる価値はあると思います。

会社の事業や経営に実益があるかを是々非々で判断していくと良いでしょうね。経営者は悩みや気苦労が絶えないと思いますので、また気軽にご相談ください。

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