異文化を超えた仙台育英。東北勢の甲子園優勝を「阻んでいたもの」とは

東北勢の悲願だった夏の甲子園での初優勝を仙台育英高校がついに果たしました。その優勝の価値は、異文化を乗り越えたともいえると語るのはメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者の引地達也さん。その理由を語っています。

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異文化乗り越え「白河の関を超えた」仙台育英の価値

第104回高校野球選手権大会で宮城の仙台育英が優勝し、東北勢が悲願の初優勝を果たし、深紅の優勝旗が初めて「白河の関」を越えた。

30年以上前に同じ宮城県内で高校野球をやっていた頃には、地元の高校が関西勢をはじめとする全国レベルの高校と互角に渡り合えることだけでも奇跡であり、白河の関を超えることは夢物語でしかなかった。

時には突出した逸材を擁して夢に近づいた瞬間はあったが、夢は持ち越されたままだった。

今回は5人のエース級の投手を育て、チーム力で勝ちを重ねてきた新たなチーム作りにも刮目させられる。

東北のチームが勝つために工夫され、実行してきたことだろうが、そこには綿密なコミュニケーションがあったはずだ。

この工夫は、新しい世界に出会い、成長していく、というプロセスなのだと考えると、この優勝から学ぶことは多い。

30年以上前の春。

大阪府堺市は曇天の空模様。

私は打ち上げられる打球を見上げ外野の向こう側になくなっていくのを何度も見送った。

私が投げる球はピンポン玉のように飛んでいく。当時、全国の強豪だった大商大堺高のグラウンドは何もかも異世界だった。

選手のいかつい顔と頑強な肢体、野太い声、関西弁の野次、その野次の的確さと鋭いリズム。

宮城県から遠征した我がチームは県内でも中クラスのチームだったから、大商大堺との対戦は明らかに場違いだった。

同校に入った瞬間から、選手たちの姿に気圧され、我がチームの誰もが「おっかねえな」と思いながら口に出せないまま、スコアボードには片方のチームだけが数を増やしていった。

試合の勝敗よりも、その文化人類学的な違いで勝負は決まっていた。

マウンド上で感じたこの体験は、私に関西と東北の文化の差異を強烈に意識づけさせ、今に続く「違いを埋め合わせるためのコミュニケーション」を考えさせるきっかけとなった。

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竹内結子さん三回忌に想う「夫・中林大樹はなぜ海辺で暮らすのか」前夫・中村獅童との戦い、懐かしの黒キャップ姿に感じた深い覚悟

女優の竹内結子さん(享年40歳)が急逝してもうすぐ丸2年。記者歴30年の芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、9月27日の三回忌を前に、あることに気づいたと言います。夫の中林大樹さん(37)、前夫の中村獅童さん(49)、そして残されたふたりの子供たちの近況は――

外苑西通り、家族水入らずの優しい記憶

今年の9月27日、竹内結子さん(享年40歳)が亡くなって丸2年が経ちます。

竹内さんの三回忌に合わせるように、『女性セブン』が残された中林大樹とふたりの子供たちの近況を伝えています。

2年前の、三浦春馬さんの訃報から70日足らずで発生した竹内さんの悲しいニュースには本当に驚かされたことを覚えています。

少し前に『コンフィデンスマンJP プリンセス編』を観劇した際には、あの笑顔や演技の裏に何を抱えていたのかを考え、本当に胸が締め付けられる思いになりました。

映像やフィルムの中での竹内さんには今でも会えるわけで、今でもいらっしゃるような錯覚にさえ陥ってしまいます。

『女性セブン』の記事を見た私に、真っ先に飛び込んできたのは中林のファッションでした。

シカゴ・ホワイトソックスの黒のキャップに、同色のTシャツ…これは竹内さんが御存命の頃、私が偶然外苑西通りで目撃した家族スリーショットと全く同じコンビネーションだったからです。

その時と同じ物をまだ愛用されているのか定かではありませんが、まるであの日にタイム・スリップしたような感じがしてしまいました。

夫・中林大樹と海辺の街

今、中林は人知れず東京を離れ“海辺の街”に転居したと同誌は伝えています。

関東近郊の潮の香りが漂う“海辺の街”…中林の思いが理解出来るような気がします。

彼の趣味はサーフィンです。その技術もなかなかなものだとか…。

結婚直後も、竹内さんと長男を連れて千葉の海でサーフィンを楽しむ姿が頻繁に目撃されていましたから。

“子供が学校に通える範囲で、自然と触れ合いながら育てていきたい。子供にはサーフィンも教えてあげたい”…そんな彼の心の呟きが聞こえてきそうです。

『女性セブン』に掲載された近影からは、何か“力強い覚悟”のようなものを感じたのですが皆さんはいかがでしょうか。

実は竹内さんの三回忌を前に、古株の芸能記者たちの間で“新しいガール・フレンド”の存在を噂する輩も少なくありませんでした。

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あのルックスとまだ37歳という若さです、人生をリ・スタートさせることは十分に考えられると、記者たちは口を揃えて言うわけです。2020年1月末に誕生した第2子のためにも悪くない選択だと…。

もしかしたら『女性セブン』の狙いもそこにあったのかもしれませんね。

老後に貰える公的年金は平均14万円。少しでも増やすにはどうすれば良いか

会社員・公務員が受け取れる公的年金の合計の平均は14万4366円といわれています。この金額を見て、少し心もとないなと感じる人が多いのではないでしょうか。では、年金を月に20万円貰っている人はどのくらいいるのか、将来貰うためには今なにをすべきなのでしょうか。

年金を月20万円もらっている人はどれくらいいる? もらうためにはどうすべきか

会社員・公務員の方が受け取れる公的年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)の合計は平均14万4366円(厚生労働省「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」)です。男性の平均月額は16万4742円、女性の平均月額は10万3808円となっています。

今回は、年金を月20万円もらっている人はどれくらいいるのか、そして月20万円もらうためには年収・加入期間・繰り下げはどのくらい必要なのか、解説します。

■全体の83.9%が年金月額20万円未満

下の円グラフは、厚生労働省年金局公表の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」による年金月額階級別の老齢年金受給権者数(国民年金を含む)です。1万円ごとの受給者数データがありますが、イメージしやすいよう年金をどのくらいもらえているのか5万円ごとの金額別で示しています。

●金額別年金受給者数

図1

(株)Money&You作成

全体の年金月額は「10~15万円未満」と「15万円~20万円未満」の割合がそれぞれ30.3%と多数派となっています。全体の83.9%が20万円未満です。
男性の年金月額は15万円~20万円未満の割合が最も多く41.5%となっています。20万円未満に絞ってみると76.4%ですから、4人に3人は20万円未満です。
女性の年金月額は5万円~10万円未満の割合が最も多く43.4%となっています。20万円未満に絞ってみると98.7%です。

中国でディオール批判。グローバルファッションの時代は終わるのか

数年前までとはガラッと変わってしまった世界。先が見えない中で、当たり前だったことが突然できなくなったり批判されたりで、変化を強いられることが増えています。なかでもグローバル化と大量消費で成長してきたファッション業界は多くの逆風に曝されているようです。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、ファッションやデザイナーの役割がどのように変わってきたか、その歴史から振り返り、この難しい時代をどう越えていかなければならないかを考えています。

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等身大キャラ創造がファッションか?

1.貴族のファッションは力の象徴

現在のファッションの源流はオートクチュールにある。オートクチュールは、貴族お抱えの仕立て師(クチュリエ)の技術を引き継いでいる。

オートクチュールの時代、ファッションとはソワレ、イブニングドレスが主役だった。クチュリエはコストのことなど考えずに、最高の作品を作ろうとした。最高の素材、最高の手仕事の粋を極めたドレスにより、貴族はその権勢を誇ったのだ。

最高の素材を収集するには、財力だけでなく情報収集力、外交力、交渉力が必要だ。そして、最高の手仕事ができる職人を集めることも貴族の力がなければできなかった。きらびやかなファッションは貴族の力の象徴であり、それらを競い合っていたのだ。やがて貴族階級が滅び、主役はブルジョアジーに移行したが、力の誇示という点では共通していた。

ファッションを力の象徴ではなく、女性解放の象徴、新たな時代の象徴にしようとしたのがシャネルだった。彼女は、ジャージーやジャケットを女性のファッションに取り入れ、女性が単なる飾り物ではないことを示したのだ。

2.ファッションの反グローバリズム

パリは世界のファッションの中心だ。パリ市内だけに単独の店を構えていたオートクチュールやプレタポルテのメゾンが世界中にショップ展開するようになったのは、米国のグローバルマーケティングの影響だ。欧州のブランドビジネスと米国のグローバルマーケティングが合体し、ファッションはグローバルビジネスへと進化した。

この発想はグローバリズムである。ラグジュアリーブランドブームとは、ファッションのグローバリズムだったのだ。パリを頂点とするファッションヒエラルキー体制は世界のファッション市場を支配していった。

米中対立、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染症、エネルギー危機、食糧危機、経済制裁、グローバルバブル崩壊危機等により、グローバリズムは軋み出している。反グローバリズム、新たな愛国主義は、世界的な潮流になろうとしている。

最近、中国のネット民がディオールへの批判を強めている。ディオールの2022年AWコレクションで発表したミディ丈のスカートが、中国の明時代に流行した女性用の乗馬スカート「マミアンスカート」に似ており、これを中国の文化盗用であると抗議しているのだ。

事件の善し悪しはともかく、欧州発のトレンドを甘受し、欧州ブランドに憧れていた中国の若者の意識が変化してきたことは確かだ。これをファッションの反グローバリズムの萌芽と見るのは早計だろうか。

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日本から金を収奪するカルト団体「統一教会」と安倍応援団が蜜月の不可解

旧統一教会との繋がりに関して次々と新事実が露呈し、苦しい立場に置かれている萩生田光一自民党政調会長。8月24日には彼らとの関係を断ち切ると明言しましたが、果たしてどこまで信用できるものなのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、櫻井よしこ氏のインターネットテレビに出演した萩生田氏の口から飛び出した、旧統一教会との関係についての「開き直り」とも受け取れる発言を紹介。さらに別の場所で旧統一教会との今後を問われた際に萩生田氏が見せた反応から、両者の間に断ち切れない悪縁が存在する可能性を指摘しています。

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統一教会との関係に開き直る萩生田氏と安倍応援団

自民党政調会長、萩生田光一氏は思わぬ事態に直面している。統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との長く深い付き合いの実態が、週刊新潮やTBS「報道特集」などによって次々と報じられ、これまでの弁明では逃げきれなくなってきたからだ。

経済産業大臣に未練があるかのような“三味線”をひいて、望みのポストを得たまではよかったが、人生、そう都合通りにはいかない。

先般の参院選期間中、肩入れする生稲晃子候補を連れて訪問した先が地元・八王子の統一教会施設だった。礼拝を兼ねた日曜日のバーベキュー大会にジャージ姿で駆けつけていた萩生田氏馴染みの場所だ。落選中の身だった民主党政権時代に月1、2回は来ていたという元信者の証言もある。

元信者「司会の人が萩生田議員が来るので盛大にお迎えしましょうと言って拍手でお迎えする。教祖が来たぐらいのお迎え度合いだった」「萩生田さんは『ご父母様』と言うのですけれど、教祖のこと。私もご父母様の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう。一緒に日本を神様の国にしましょうみたいな、そういう風に言って…」(8月20日のTBS「報道特集」)

これを萩生田氏は否定するが、統一教会との関係についてごまかそうとしてきた経緯があるので、信用できない。コメントの変化を見てほしい。

「承知の上で(統一教会と)お付き合いをしているというのではなくてですね、自分なりに、地元のみなさん(とお付き合いする中)で、その中にそういう関係者がいたのかもしれない、そういう認識です」(8月2日)

「地元の支援者の中に、ボランティア活動、熱心にやってる皆さんがいらっしゃって、その方達が『平和女性連合』の会員の皆さんでした。そのご縁で、皆さんとのつきあいが始まりました」(8月18日)

「『世界平和女性連合』の皆さんの活動に、私も一定理解・応援をしてました。正直申し上げて、その団体と統一教会の関係っていうのは、名称は非常に似てますので、そういう思いはあったんですけれども、あえて触れなかったというのが正直なところです」(同)

支援者のなかに「関係者がいたのかもしれない」から始まって、とどのつまりは「皆さんの活動に私も理解、応援していた」である。あきらかに「承知の上」ではないか。

「世界平和女性連合」は統一教会の韓鶴子総裁が1992年に創設した国連NGOだ。女性の自立支援・地位向上などをめざし、世界各国にボランティアを派遣しているという触れ込みで、朝日新聞など日本のメディアに好意的に取り上げられたこともある。萩生田氏は資金管理団体と自民党支部から2012年~19年に計6回、あわせて9万円を会費として支出していた。

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台湾以上に危険な日本。自衛隊に中国系ノートPCを支給する我が国の平和ボケ

2018年の米国政府による国内企業と中国の通信会社ZTEとの取り引き禁止に端を発し、西側諸国に拡がった中国製IT機器排除の動き。しかし日本においては除外するどころか、政府系企業に流れ込んでいる疑惑が明らかになっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、8月2日のペロシ米下院議長の訪台時に台湾各地で起きたハッキング事件を取り上げ、中国製ネット機器を使用する危険性を指摘。さらに自衛隊に中国系メーカーのノートパソコンが支給されている事実を紹介するとともに、日本政府に対して、ハイテク分野の安全保障問題に危機感を持って取り組むよう訴えています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【日本】中国IT機器を排除しきれない日本は台湾以上に危ない

だから台湾各地のセブン-イレブンは混乱に陥った…「中国製ネット機器」の危険性を見くびってはいけない

8月2日、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪れた際、台湾高速鉄道の新左営駅の壁面ディスプレイや高尾駅のスーパーのディスプレイなどがハッキングされ、「老魔女の姑息な台湾訪問は、祖国の主権に対する重大な挑戦だ」「戦争屋ペロシ、とっとと台湾から出て行け」といった文言が表示されたことは、以前のメルマガでも紹介しました。

【関連】メンツ丸潰れ。ペロシ訪台で苛立つ習近平政権に懸念される大暴発

同様のハッキングは、南投県珠山郷役所の大型看板やセブン‐イレブンの店内モニターで行われたようですが、情報安全保障研究所首席研究員の山崎文明氏によれば、その原因は中国製ネット機器を使用していたことにあるということです。

たとえば、台湾には19の駅にデジタルサイネージが設置されていますが、新左営駅だけが中国企業カラーライト社製ソフトウェアを使用していたそうです。その他、花蓮駅にも中国製デジタルサイネージがあったものの停止中で、その他17駅のデジタルサイネージは台湾製の製品やソフトを使用していたとのこと。

台湾政府は公的機関に対して、中国製品の使用制限を行ってきました。しかし台湾鉄道ではいまだファーウェイ製ルーターを使用していたことから、今回のハッキングにつながったと見られています。

そのため、台湾政府は使用を禁じる中国製通信機器の対象を拡大する方針を示しています。

中国製機器禁止、対象拡大へ コンビニや駅の液晶にハッキング/台湾

この事件は、改めて中国製品を使用する危険性が明らかになったといえるでしょう。公的機関のみならず、民間のスーパーやコンビニ、金融機関のコンピュータがハッキングされれば、社会は大混乱をきたしてしまいます。また、いかに簡単にフェイクニュースを流すことができるかということも、証明されたといえるでしょう。

現在の日本でも、コンビニやスーパーのみならず、電車、タクシーなどの社内でもデジタルサイネージが設置され、さまざまな広告やニュースが流れています。そこにフェイクニュースを流せば、パニックを起こすことも可能です。

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アベスガ政治を評価?国民にケンカ売る内閣改造で支持率急落の岸田政権

報道各社が行った世論調査で、軒並み大きく支持率を下げ続けている岸田政権。「統一教会問題」が大きな影を落としているのは明白ですが、それ以外にも国民が嫌悪感を抱く要因があるようです。その理由のひとつとして内閣改造人事における3閣僚の入閣を挙げるのは、元毎日新聞で政治部副部長などを務めたジャーナリストの尾中 香尚里さん。尾中さんは今回、加藤勝信・西村康稔・河野太郎各氏を再び大臣に指名した岸田首相に対して、安倍・菅政治のもっとも悪しき部分を高く評価し引き継ごうという姿勢が見えるとして、強い批判を記しています。

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

安倍・菅政治の「負の部分」を是認した岸田内閣改造

岸田内閣の支持率が、今月に入って急激に下落している。NHKが8月5~7日に行った世論調査では、内閣支持率は46%と前回比13ポイント減少。毎日新聞と社会調査研究センターが20、21日に実施した調査では36%と、前回の52%から16ポイントも下落した。二つの調査の間で岸田文雄首相は内閣改造と自民党役員人事を行い、局面打開を目指したが、どうやら逆効果となった。わずか1カ月前の参院選で「圧勝」したはずの政権の姿は見る影もない。

今回の内閣改造の失敗について、メディアの評価は「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と多くの自民党のいびつな関係」の1点に集約されている。実際にそこが非常に大きなポイントであることは、筆者も全く同感だ。

ただ、論評がそれ一色になっても、若干味気ない気もする。そこで、今回はそこだけでなく、筆者が今回の人事で心底気持ちが萎えたポイントを指摘しておきたい。

それは「安倍・菅義偉政権の新型コロナ対応」という「悪夢」が、亡霊のように復活したことだ。具体的には加藤勝信、西村康稔、河野太郎の3氏、つまり安倍・菅政権の「コロナ閣僚3兄弟」が、そろって入閣したことである。

10日に行われた内閣改造で筆者が最もあ然としたのは、厚労相に加藤氏を起用したことだ。たまたまその直前、安倍政権における「加藤厚労相」の存在を強烈に思い出させる報道があった。

内閣改造8日前の2日、日本感染症学会など医療4学会が記者会見で、コロナ「第7波」の対応に関して緊急声明を発表した。その中にこんな記述があった。

「37.5度以上の発熱が4日以上続く場合(中略)重症になる可能性があります。早めにかかりつけ医に相談してください」

忘れもしない。コロナ禍の「第1波」が始まったばかりの2020年2月、当時の安倍政権下で公表された「相談・受診の目安」そのままの表現である。

厚労省が「目安」を発表したのは、2年前の2020年2月17日のこと。感染を疑う人が帰国者・接触者相談センターにアクセスする際に「37.5度以上の発熱が4日以上続く」ことなどを「目安」として提示したのだ。国内初の市中感染者が確認されてから1カ月あまり。水際対策に気を取られていた安倍政権は、国内の市中感染の拡大への対応が大きく遅れていた。

そんな中で公表された厚労省の「目安」。安倍政権が「必要な人に検査を受けさせるために検査能力の拡充を目指す」のではなく「検査を受ける人数の方を貧弱な検査能力に合わせる」ことを優先したのは疑いようもない。全国の現場の保健所が、これを事実上の「条件」と受け止めた。多くの国民が「PCR難民」と化し、重症化する人も生じてしまった。

何たる敗北感。英語ではイカを2種に区別して呼び分けていた衝撃

世界でも類を見ないほどの魚介類好き民族として知られる日本人。ことイカに関しては、かつて「漁獲量の半分は日本人の胃袋に収まる」と言われたほどの人気を誇りますが、英語圏ではイカがさらに2種類に分けられいることをご存知でしょうか。今回の『藤沢数希メールマガジン「週刊金融日記」』では作家でトレーダーの藤沢さんが、英語ネイティブの知人との食事中に初めて知ったという、2つに区別され呼び分けられているイカのそれぞれを表す単語を紹介しています。

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ブログではいえないお店:魚介を愛する日本の食文化がイカで英語圏に負けた話

ちょっと日本のオススメのレストランをエリア別にわけて整理していて(けっこうたくさん閉店していたりなかなか大変です)、その第一弾を今週号ぐらいでお届けできるかな、と思っていたのですが、まだちょっと時間がかかりそうです。

さて、そこで今週は、スプラトゥーン3が発売されることもありイカの話をしたいと思
います。

スプラトゥーン3 予約

まず、前提の話として、言葉というものはその国の食文化に深く影響を受けるので、海に囲まれ豊富なシーフードに恵まれた日本は、それぞれの魚にちゃんと名前があり、ふつうの庶民でさえ最低でも何十種類という魚の名前を知っています。また、トロ、えんがわ、など部位にも名前がついています。一方で、英語だと、あんまり魚を食べる文化が発達していないからなのか、ツナとサーモンと、白身の魚はぜんぶ“White Fish”ぐらいなもんです。逆に、アメリカなんかだとステーキにめちゃくちゃこだわっているので、こちらは肉の部位やら焼き方やらに関してたくさん単語がありますね。

それで、シーフードに関しては英語は貧しいボキャブラリーしかない、と僕は思いこんでおりました。しかし、先日、英語ネイティブの知人と中華を食べていたところ、日本人として不覚にもシーフードで足元をすくわれる事件が起きました。

中華と青島ビールは最高ですね。2枚目のイカと唐辛子の炒め物で事件が起きました。

それはイカのそんなに辛くない青い唐辛子の炒めもので、青島ビールといっしょに食べると最高なのですが、そこの中華料理屋は英語のメニューもあって、SquidとCuttlefishで選べました。で、英語ネイティブの知人が、“Which do you prefer, squid or cuttlefish?”と聞いてくるではありませんか。僕は、“What is cuttlefish?”と思わず聞いてしまいました。

僕は料理関係の英語はかなり得意なので、なんかド忘れしたのかな、と思ったのですが、じつは知らなかった単語で、なんと英語圏では、イカを2種類に分類していることを知りました。日本はイカとタコの区別しかないのに、あんな貧しいシーフード文化の英語圏のやつらは、イカとタコだけでなく、タコ、イカ、カトルフィッシュと、3つに分けているのです!これは不覚でした。

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ノーベル賞はもう出ない?日本の若手研究者を取り巻く悲惨すぎる現実

今年度末、国立大と国所管の研究機関で多くの「雇い止め」が発生する可能性があることをご存知でしょうか。非正規で5年雇用した際の「無期転換」ルールの特例で、10年任期とされた大学と研究機関の非正規職員3756人が任期を迎えるためで、既に雇い止めの宣告を受けた職員が現れています。大学の研究費削減や高学歴ワーキングプアの存在を問題視し発信してき健康社会学者の河合薫さんは、今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、研究者を軽んじる政策に疑問を呈し、この国の将来を悲観しています。

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ノーベル賞はもう出ない?

10年は短い?それとも長いのか?大学や研究機関で長年働く非正規職員の人たちが、2022年度末での労働契約の打ち切りを告げられる事例が相次いでいます。

先日も、九州大学に勤務する研究支援員の女性が、教授に呼ばれ「契約更新しない」と書かれた労働条件通知書を見せられ、内容に同意する「確認書」に署名を求められたというニュースが話題になりました。

文科省によると、国立大86校などで3099人、所管する5つの研究機関で657人が、今年度中に10年に達すると公表。おそらく今後は、九大と同じように「無期転換」しないために、雇い止めされるケースが増えるかもしれません。

本メルマガでも度々書いていますが、日本の研究者を取り巻く環境は、かなり悲惨です。2012年、ノーベル賞を受けた山中教授が、研究所の90%が任期付きの研究者で、その正職員化が自分の役目だと発言し、波紋を広げました。

当時、一般企業でも非正規雇用が増加してましたが、「90%」という数字は衝撃的。実際、25~34歳の若手の男性の場合、一般企業の非正規率は10~15%程度ですが、大学職の同年代の非正規率は50%を超えています。

また、最新の調査では、博士号取得者の年間所得は、全体では400万~500万円が14%と最も多く、次いで300万~400万円が13.8%。男女別では、女性で一番多かったのは300万~400万円(14.3%)、男性は400万~500万円(14.8%)。分野別では、人文系には100万~200万円未満の“高学歴ワーキングプア”が19.6%もいることがわかっています。

一概に研究者といっても分野により、研究にかかる時間も成果もさまざまです。しかし、大学院進学にはお金がかかる上に、博士号取得までには時間もかかります。「学問に王道なし」という言葉どおり、たまたまいい研究の成果が出る、なんてことはありません。地道かつ愚直さが、研究者の土台であり、学び続ける力もふんばる精神力も体力も、半端なく必要です。

日本が低学歴国に成り下がった大きな要因は、研究者を取り巻く環境の悪さがあることは明白であり、同時に科学技術力の衰退を招きました。とりわけ基礎研究を続ける環境が、淘汰されつつある状況は、間違いなく未来に禍根を残すことになります。

1990年代から2000年にかけてノーベル賞を受賞する日本人が相次いだのは、1980年代までの日本には、「研究者がきちんと研究できる環境」があったからです。今世紀に入っての日本人“受賞ラッシュ”は、過去の遺産の賜物です。

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新型コロナに”勝利”の北朝鮮が実施した「想像以上の治療法」とは何か?

北朝鮮では新型コロナウイルス感染症の収束と勝利宣言がされたそうです。ワクチン接種を一度も実施していない国での「奇跡」とのことですが、北朝鮮意外の国を見ていると本当にそんなことがあり得るのかと疑念は拭えません。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、宮塚コリア研究所代表の宮塚利雄さんが、北朝鮮でのコロナの治療法や金正恩のコロナ禍の政治利用などについて詳しく紹介しています。

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コロナ禍を政治利用した金正恩政権

北朝鮮の朝鮮中央通信は8月11日、平壌で国家非常防疫総括会議が10日開かれ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が新型コロナウイルス感染症の収束と「勝利」を宣言したと報じた。

金正恩総書記は5月12日に決定した年の都市の封鎖などの「最大非常防疫態勢」の解除も指示し、7月29日から感染が疑われる新たな発熱者が出ていないと説明し、「ワクチン接種を1回も実施していない国」で、短期間にウイルスを撲滅したのは「奇跡だ」と強調したという。

金正恩の言うことが事実なら「文字通りの奇跡」と言えるが、誰がこの勝利発言を信用するであろうか。すでに朝鮮労働党機関紙「労働新聞」が7月7日号で、「我が国は完全封鎖と隔絶措置を取り、短期間で世界を驚かせる奇跡を創造した」と自画自賛していたが、にわかに信じるわけにはいかない。

「完全封鎖と隔絶措置」によって感染者数が短期間で減少していったということだが、北朝鮮のこの説明を国外の専門家は他国の感染拡大状況と比べて不自然な点が多いとして疑問視していた。つまり、「感染を正確に検査できる医療体制さえない北朝鮮の統計はでたらめである」という明白な根拠があってこその判断なのだが。

北朝鮮は、医療体制が脆弱で「1回もワクチン接種を実施していない」のにもかかわらず、新型コロナ感染を収束させたことになる。

北朝鮮のメディアが報じていた治療法と薬品は、「柳の葉を煎じて1日3回飲む」「ヨモギの煙で家を消毒する」。さらには、「最高尊厳(朝鮮労働党総書記金正恩)が下さった『愛の不死薬』で治療したこと」になるが、金家の常備薬の「愛の不死薬」はともかく、柳の葉で治るのなら確かにワクチン接種はいらないだろう。

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