現役医師が語る、福島と韓国で甲状腺がん患者が急増した真の理由

福島第一原発事故以降、日本でも注目を集めている「甲状腺がん」。近年は、韓国でも罹患者が急増していると言います。その原因は北朝鮮の核実験なのでしょうか、それとも他に原因が? メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、著者で現役医師の徳田先生が最近発表された研究でわかった「驚きの真相」を報告。徳田先生は、なぜ甲状腺がん検診の見直しを推奨しているのでしょうか?

甲状腺がん異常増加の原因は過剰診断だった

世界中の先進国で甲状腺がんの罹患率が近年急激に増加しています。特に目立つのが韓国。この数年間で6~7倍も甲状腺がんが発見されるようになりました。さて、その原因は何でしようか? 北朝鮮の核実験による放射能被曝でしょうか。あるいは、謎の発がん物質が韓国国内に蔓延しているのでしょうか。

その回答は過剰診断(見つける必要のないがんを検診で見つけ出してしまうこと)です。北朝鮮の核でも発がん物質でもありません。韓国は甲状腺がん検診を積極的に行っていることで有名です。検診のやり過ぎが原因であるだろうことは以前から指摘されていましたが、最近発表された疫学研究で確たるエビデンスがついに出たのです。過剰診断が原因であったということです。

近所の中華屋でチャーハンのチャーハンセットを注文した結果…

Twitterユーザー・週休4日(@Cliff_Hunger)さんの家の近くにある中華料理屋は、全品にチャーハンをセットで頼めるらしい。

ではチャーハンのチャーハンセットを注文するとどうなるのだろうか?

結果がコチラ。

 

 

チャーハンにチャーハンが付いてきた。

ダブルチャーハン、お腹一杯になるであろう。

 

■Twitter上の反応

 

 

 

 

 

 

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

記事提供:ViRATES

 

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「こんなとこ働けんわ」と言ったらクビにされたので会社を訴えた

先方の言葉に対して、「本心なのか、それとも社交辞令なのか」と迷ってしまうこと、よくありますよね。言葉のとらえ方は人それぞれで、だからこそ悩むものなのですが…、今回の無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、ある「捨て台詞」を巡り会社と社員との間で争われた裁判事例が紹介されています。

「こんなとこ働けんわ」は合意と認められるのか

普段の会話で、非常に悩むときがあります。それは、「今度、飲みに行きましょう」と、言われたときです。これは果たして本気なのか完全に社交辞令なのか(グーグルで検索すると「飲みに行きましょう 社交辞令」で17万件もヒットしますね)。

もしこれが、すこしでも本気で行きたいと思っていただいているのであればお誘いしないのは非常に失礼になるのかなと思いますし、逆に社交辞令であればお誘いしてしまっては大変なことになります。

最近は、その場の雰囲気や言い方などでなんとか判断するようにしていますがそれにしてもいまだに悩ましい問題です(いっそのこと「飲みにいきましょう。社交辞令ですけど」とか言ってもらえると楽なんですけどね)。

では、これが裁判になるとどうなるか?

ある一言をどうとらえるかで社員と会社が争った裁判があります。

ある法律事務所でその社員が「不当解雇である」として会社を訴えました。これに会社が反論しました。会社がその社員に解雇を伝えたときに、その社員が言った一言が「こんなとこ働けんわ」でした。そして、そのまま会社から立ち去ってしまったのです。

そこで会社は「不当解雇ではなく、合意自分から辞めたによるものである」と主張しました。

  • 「こんなとこ働けんわ」という一言
  • 会社からそのまま立ち去る

では、これを裁判所はどう判断したか?

【書評】誰が龍馬を殺したのか? 定説をひっくり返す「真犯人」

日本の歴史上の人物の中でも特に高い人気を誇るのが、坂本龍馬。その龍馬を暗殺したのは京都見廻組とされていますが…、今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが取り上げているのは、その定説を覆す独自の見解が記された1冊です。柴田さんも「いい線いってる」と評価するその「真犯人」とは?

91z4Mom4RdL禁断の幕末維新史・封印された写真編』加治将一・著 水王舎

加治将一『禁断の幕末維新史・封印された写真編』を読んだ。この人の小説は下手過ぎるし、ノンフィクションもあまりお上手ではないのだが、トンデモぶりが面白く、つい手をのばしてしまうのだ。「拡散的疑問から収束的疑問を通過して結論を得た」(どういう意味だ?)という自分に忠実に描いた著作は「歴史殺しとまで言われているようだが、これが「加治史観」であると開き直る。わたしのような酔狂なファンが意外に多く、今までの著作は増刷に次ぐ増刷でロングセラーとして定着している、とは本人談だが。最新作のテーマは今まで読んだものばかり、龍馬殺しだけ初見のような気がする。

タイトルは「坂本龍馬暗殺の真犯人は目の前の男だった!?」、ええっ、対面していたのは親友・中岡慎太郎だよ。定説では龍馬を倒幕の張本人として狙った、京都見廻組の犯行だとされているのだが。龍馬は寺田屋で伏見奉行所の捕り方に急襲された後は、ボディガードを雇って用心に用心を重ねていたはずだ。なぜ刺客を防ぎ切れなかったのだろうか。「もし、犯人が警戒をゆるめる相手だったら?」暗殺の成功率はぐんと高くなる。著者によると、龍馬は土佐藩のスパイだった。一介の郷士が剣術修行で江戸行きを許されるわけがない。後に龍馬は脱藩するが、それは藩による密命で、露見しても切り捨て可能な存在だ。

【茗荷谷】ラーメン官僚が何度も足を運ぶ、旨み鶏だし醤油ラーメン【生粋花のれん】

日本全国に数多あるラーメンの中でもとっておきの一品を食べ歩きながら紹介する、ラーメン官僚かずあっきぃこと田中一明さん。豪華執筆陣による興味深い記事を1本から購入できて読める、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、田中さんの記事から本日ご紹介するのは、東京・文京区の茗荷谷にある「生粋花のれん」の旨み鶏だし醤油ラーメン&やまと豚の炙りチャーシューごはん。今まで12,000杯のラーメンを食べ歩いたラーメン官僚が、4度も訪れるラーメンのお味は?

オススメ!【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】生粋花のれん

生粋花のれん@茗荷谷にて、旨み鶏だし醤油&やまと豚の炙りチャーシューごはん。

オープン当初から数えること4度目の訪問。

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個人的な感想に過ぎないが、同店が手掛けるラーメンは、決して派手なものではない。

が、味の方は一級品であり、オープン当初から記憶に残るほどハイレベルだった。

加えて、訪問する度に味が向上しており、安心してリピートすることができる。私にとって貴重な定点観測店だ。

今回は、初心に返り、基本メニューである「旨み鶏だし醤油」を注文させていただいた。

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比内地鶏と青森シャモロックを絶妙な配分でブレンドしたスープに、再仕込み醤油を軸としたコク深い醤油ダレを合わせた1杯は、最後の一滴まで飲み干さざるを得ない完成度を誇る。

このスープに合わせる麺も、 北海道産の小麦をブレンドした麺肌滑らかな太ストレート。

基本に忠実でありながら、「花のれん」ならではの独創性もしっかりと感じ取ることができる。

正統派清湯醤油ラーメンの模範解答と断じても、過言ではない名品。

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サイドメニューの「炙りチャーシューごはん」も、ほんのりと和の趣が漂う傑作だ。

「mine」の田中一明さんのページのフォローはこちらから

DATA

生粋花のれん

営業時間 (月・火・水・金・土)11:30~21:00 (日・祝)11:30~20:00 ※材料無くなり次第終了
住所 東京都文京区大塚3-5-4 茗荷谷ハイツ 1F
定休日 木曜

 

残業減らせば残業代、子連れ出勤OK…「働き方改革」を始めた2社

「電通新入社員の過労自殺事件」は、若者たちが憧れる花形企業の「影の部分」を浮き彫りにしました。しかし、その一方で「働き方改革」を推し進め、順調な成果を出している企業も数多くあります。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)では、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。新しい働き方を社員たちに提案した2つの企業をクローズアップし、日本人の根底にある問題点を探ります。

あなたの会社は子どもを入れたい会社ですか?

西垣和哉さんは23歳で念願のシステムエンジニアの仕事に就いた。だがその4年後、わずか27歳で人生を終えた過労死だった。

2002年、大手電機メーカー系列の情報システム会社に就職。入社後すぐその力量を買われ、国や企業のシステムを開発する大型案件を任された。

システムエンジニアは、企業活動や私たちの生活に関わるさまざまなコンピューターシステムを作るのが仕事。トラブルが起きれば大きな影響が出るため、その対応も迫られる。そのため仕事量も膨大で、和哉さんも過酷な長時間労働に苦しんでいた。

その勤務記録を見ると、朝9時から始まって32時半、つまり翌朝の8時半まで働いている。そしてその30分後の9時からまた働き、夜の9時54分まで。なんと37時間連続勤務だ。このころ和哉さんが綴っていたブログには、「自分では処理しきれないことがありすぎる。死ぬって事すら考えるときもある」とある。多い月で150時間を超える残業をし、2年目にはうつ病を発症。それでも納期に間に合わせるために働き続けた。

和哉さんの最後の叫びは「あと誰か一人、今の仕事に人員を入れて欲しい」。この2日後、治療薬を大量に服用し帰らぬ人となった。母親の迪世さんは、「私たちが一生懸命育てた一人一人の子供です。もう少し人間としての扱いをしてほしかったと思います」と語る。

和哉さんと同期で、仕事も同じSEだった木谷晋輔さん。木谷さん自身も長時間残業でうつ病を発症し7年前に退職。現在も薬を飲み続けている。「(残業が月)100時間を超えている人がざらにいる状況」(木谷さん)を、会社側は当然視していたようだ。

というのも当時の社内報に、社員のこんな働き方が紹介されていたのだ。朝9時に出社し、昼休みをはさんで夜11時まで残業。深夜0時に帰宅し、夕食はそれから……。

みんなで頑張っていくのが社会仕事だと思っていたので長時間労働せざるを得ない状況に疑問を感じていませんでした」(木谷さん)

過労死認定の目安の一つである「残業月80時間を超える業種の一位がITなどの情報通信。他にも高い専門性や人手不足の業種が多い。

長時間労働の問題を、村上龍は「日本社会の評価の尺度は、どんな成果を上げたかってことじゃなくて、どのくらい頑張ったか。今もそれが美徳として、文化として続いている。それが最大の問題だと思う」と見ていた。

追い出し部屋に送られたら?会社の嫌がらせ人事に対抗する方法

近年、自主退職を促したい社員を人事異動で通称「追い出し部屋」などと呼ばれる部署に送り込み、仕事を与えなかったり、単調な作業を強制するなどして精神的に追い込む手法がとられ、裁判沙汰になるケースも見受けられます。自分や自身の大切な人がこんな目に遭わせられたとしたら、絶対許せませんよね。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では、そんな「人事権の濫用」についての考察が記されています。

御社では、人事権の濫用が行われていませんか?

会社には、「人事権」が広く認められています。人事権とは、採用や配置、人事考課、異動、昇格、降格、解雇等について、会社に認められた権限です。

ただし、人事権がいくら広く認められるからといって、社会通念上著しく妥当性を欠き、権利の濫用に当たる場合には違法となります。たとえば、不当な動機や目的をもって行われた人事異動。これはアウト!です。

裁判例を1つ紹介します。Y銀行で総務課長をしていたベテラン社員(男性)を降格し、さらに、通常は20代前半の女性契約社員が担当していた受付業務へ配転した事件があります。これに対して裁判所は「受付業務への配転は、人格権を侵害し、職場内・外で孤立させ、勤労意欲を失わせ、やがて退職に追いやる意図をもってなされたものであり、Y銀行に許された裁量権の範囲を逸脱した違法なものである」として、慰謝料100万円を命じています。

このような人事異動は、「パワハラの6つの類型」のうちの「過小な要求」に当たります。「過小な要求」とは、「業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと」とされています。

あと4年以内。トランプ「米国第一主義」が招く世界経済のリセット

特定国の人々のアメリカ入国を拒否するなど、就任早々「誤ったアメリカ第一主義」をかざしだしたトランプ大統領に、国内外から激しい非難の声が上がっています。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の著者・高城剛さんは、氏の就任を境に「米国は世界のアメリカではなくなった」とし、さらに今後、世界経済が破綻に追い込まれるような「米国のみに都合の良いルール」が突如発表される可能性も否定できないと危惧しています。

アメリカが「世界のアメリカ」ではなくなった日

今週は、第45代米国大統領となったドナルド・トランプの就任演説から読み解く「米国の未来」につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

先週2017年1月20日、第45代ドナルド・トランプ米国大統領は、就任演説で次のように語りました。

この瞬間から、アメリカ第一となります。貿易、税、移民、外交問題に関するすべての決断は、アメリカの労働者とアメリカの家族を利するために下されます。

ほかの国々が、われわれの製品を作り、われわれの企業を奪い取り、われわれの雇用を破壊するという略奪から、われわれの国境を守らなければなりません。保護主義こそが偉大な繁栄と強さにつながるのです。

私たちは雇用を取り戻します。私たちは国境を取り戻します。私たちは富を取り戻します。そして、私たちの夢を取り戻します。

私たちは、新しい道、高速道路、橋、空港、トンネル、そして鉄道を、このすばらしい国の至る所につくるでしょう。

デトロイトの郊外で生まれた子どもたちも、風に吹きさらされたネブラスカで生まれた子どもたちも、同じ夜空を見て、同じ夢で心を満たし、同じ全知全能の創造者によって命を与えられています。

他国の国境はわれわれが守ってきました。

海外で何兆ドルも費やしている間に、米国のインフラは荒廃し朽ち果てました。

本当の問題は我々の政府を何党が統治しているかではない。人々が統治しているかどうかです。

我々は今日、ワシントンDCから人々に権力を取り戻すのです。

と、このように語っています。

保護主義政策による「米国第一主義」と自ら話している通り、この日を境にアメリカは、第二次世界大戦後、そして東西冷戦終結後強固になった「世界のアメリカではなくなりました。あわせて、他国の国境を守らず、その予算を国内のインフラに投資すると話しています。

SONYも脱帽。先見の明で8ミリビデオ時代を制したスゴ腕の町工場

色とりどりの砂糖菓子かと思って拡大してみると、何とそれは「歯車」。直径1ミリにも満たないという驚きのパーツを開発したのは「樹研工業」という、一見どこにでもありそうな、愛知県に本社を置く中小企業です。しかしこの会社、普通の企業とは異なる「経営哲学」を持っており、その結果、現在では世界に名を馳せる有名企業となっています。無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』で詳しく紹介されています。

100万分の1グラムの歯車

米粒を15センチほどに拡大した写真がある。その上に数ミリほどの赤や青の金平糖のようなものが、いくつか乗っている。これが100万分の1グラムの歯車である。ちゃんと歯が5枚ついている。直径が0.147ミリというから、10個並べても1.5ミリに届かない。

この歯車が2万個入ったケースを肉眼で見ても、チリが入っているようにしか見えない。だから「パウダーパーツ」と呼んでいる。

小さすぎて、用途はまだない。いずれ米粒くらいの大きさで血管の中を掃除したりする医療用マイクロマシンなどに使われるかもしれない。まだ売れる見込みがないのに、2億円もの開発費をかけてこんな極小歯車を開発したのは、樹研工業という社員70名、年間売上げ28億円の中小企業である。

「先回りの樹研」

樹研工業は「先回りの樹研」と呼ばれることがある。ソニーが8ミリビデオを開発した際に、購買担当が樹研工業の松浦元男社長を呼んで聞いた。

当社で今度、手のひらサイズの8ミリビデオカメラを作るんだが、そちらで部品を作ってみるか。

松浦社長は「それはこんなものでしょう」と、あらかじめ試作しておいた歯車を差し出した

えっ! なぜそれを? どこから話が漏れたんだ!?

確かな話があったわけではない。ソニーなどのメーカーはビデオデッキやビデオカメラを小さくしたがっているという話を噂で聞いていたので、先回りしてサンプルを開発しておいたのだ。担当者のびっくりした顔を見たときは痛快だった、と松浦社長は思い出す。この部品は100%、樹研がソニーに供給することになった。

世界にないものを作らねば意味がない

それから松浦社長は「どうせやるならとことんやってやろう」と1万分の1グラムの歯車を作って見本市に出した。見る人すべてが驚いて、「すごいな。1万分の1グラムか」と言ってくれるが、そこから先の反応がない。「ようやったわ。誉めてやろう」という程度のお義理なのだ。

「こんちくしょう。こうなったら10万分の1グラムを作ってやる!」と、6年かかって、なんとか成功させた。金型を作る工作設備から億単位の金をかけて開発した。見本市に出すと、「へー。こんなに小さいのか」と驚きから感動のレベルに変わった。海外企業からの問い合わせも来るようになった。

その次の目標として、100万分の5グラムの歯車を作ろうと、社員に言った。すると金型をつくる若い職人が反対した。

社長、そんなのダメだよ。そんなところで妥協されたんじゃあダメだ。100万分の5なら他でもできる。そんなことになったら俺の顔がたたねえ。100万分の1の歯車を作りましょう。

よし、わかった、と松浦社長はすぐに決断した。100万分の5を作っても、他社が100万分の4を作ったら、まったく意味のないことになってしまう。世界にないものを作らねば意味がないのだ。

質屋はもうオワコンなのか? 勝ち組「大黒屋」に学ぶ生き残り戦略

昔は手軽にお金を借りられる場所として重宝されていた質屋ですが、今では「質屋=中古ブランド品の店」というイメージが強いのではないでしょうか?今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では、メルマガ著者でMBAホルダーの理央周さんが、顧客のニーズを素早く読み取り支持を集めているという、首都圏を中心に全国で22店舗を構える質店「大黒屋」(注:チケット大黒屋ではない)をクローズアップし、中小企業が他社より抜きん出るための「視点」について解説します。

質屋の業態は存続できるのか?:大黒屋に学ぶ新結合のビジネスモデル

あなたは「質屋」というビジネスモデルを、知っているだろうか?

その定義は、

「何らかの物品を質(質草、担保)に取り、流質期限までに弁済を受けないときは、当該質物をもってその弁済に充てる条件で、金銭を貸し付ける(融資)事業を行う事業者あるいは店舗を指す」(Wikipediaより)

とある。

質屋営業法に基づいて商売をする、いわゆる物を担保に金を貸してくれる業態のビジネス・モデルだ。

しかし、質屋というビジネス形態の認知度は、20歳代以上で6割、質屋自体も、その数を右肩下がりで減らしている、というデータもある。

さらに、消費者金融の多様化などで、金を借りられる「選択肢」も増え、他業態と比較され、「暗くて入りにくい」「古い」というイメージがついているとのことだ。(ダイヤモンドオンライン:消えゆく質屋、4割が商売自体を「知らない」を参考)

大黒屋のビジネスの定義

では、すべての質屋が苦境に追い込まれているのだろうか?

大黒屋を事例に考えてみたい。

1947年に千葉で「質屋」として創業した大黒屋は、千葉の総本店を中心に、関東、中部、関西、九州、全国22店舗。

今もホームページなどに大きく「質」の文字を掲げているが、そのイメージは「古物商」それも、ブランド買取りの大黒屋、というイメージが強い。

大黒屋の直近の業績を見ると、対前年比での売り上げに関して、2017年3月期の予測売り上げを下方修正してはいるものの、ここ数年売り上げを伸ばしている。

もともと「売りたい」と「買いたい」という、2種類のユーザーのニーズを満たすのが、リサイクルショップだ。

一方で、質屋のビジネスモデルを、生活者からの目線で考えてみると、質屋の潜在的な顧客は短期的にお金が必要で、かつ、担保になる流動的な物を持っている人、ということになる。

「似たニーズを持っている人たち」をターゲットにしている業態に、「古物商」いわゆるリサイクルショップがあるといえる。

質屋とは、持っている不要な物を、短期的に預け金を借りるのではなく、「売る」点が違う。

「なんだ、違うビジネスモデルじゃないか」と思うかもしれないが、自社目線でなく、ユーザーがもっている“ニーズ”、「不要な物をもっていて、換金したい」という意味においては、かぶる部分がある。

大黒屋では、「不要なものがある生活者」に、売って現金を得るか預けて現金を借りるかという選択肢を与える

ユーザーからすると、どちらかを選べるのがあるようで他にない

質屋または古物商のどちらかだけでは、類似点(=Point of Parity)の真っただ中、いわゆるレッド・オーシャンだし、しかも質屋ビジネスは市場規模も減退傾向だ。しかし、2つを合体させると、質屋のニーズ、古物商のニーズどちらも満たせる。言い方を変えれば、どちらの客も来ることで、新規顧客も開拓できるという、新結合的なブルー・オーシャンになるのだ。

もう一点、ホームページトップにあるように、「中古ブランド品」というカテゴリーを、集中してコミュニケーションしている。

消費者向けのビジネスにおいて、あるカテゴリーで自社または商品を、「最初に思い出してもらう」、すなわち、想起してもらえることは重要になる。

そのためには、ある程度の市場規模がある、特定のカテゴリーで1位になることが必要である。

大黒屋の事例でいうと、数多い中古ショップのなかで、「ブランド売るなら大黒屋となることが重要になる。