ガッハッハッハッハ!! ど、どうも、だ、だ、大魔王ポルポルだ。
もうすぐ我輩のアフリカ行きが始まるのだ。
我輩のアフリカ行きは、まず初めにエジプトのカイロまで背中に生えた翼で空を飛んでいき、その後はケニア、タンザニアなどの国に行こうと思っている。日本からエジプトまでの料金はなんと!6万円。魔族らしく素晴らしいほどの激安価格でエジプトに行けるのである。ガッハッハッハッハ!!
我輩がアフリカに行けば、ゲテモノ料理ばかり食べる毎日が来るだろうと思っているのだ。ゲテモノ料理など魔族の料理に比べれば、大丈夫なのだが、やっぱり日本食が恋しい。そこで、我輩は考えた。アフリカに行く前にうまい物を食べておかねば・・と。
そこで!横浜市に「超」が1つ付いても足りない「超超超超超おいしい」と言われている、『酔来丼』という名物どんぶりがあると聞いて食べてやることにしたのだ。我輩は、その店を支配するべく横浜橋商店街に降り立ったってやった。

「ガッハッハッハッハッハ!!我輩が横浜に来てやったのだぞ。ニンゲンども!喜ぶのだ」
……横浜橋商店街は静寂に包まれていた。我輩のことを見てもニンゲンどもは知らん顔をしている。異様な空気が流れたが、我輩はそんなものを無視して、「酔来軒」というお店まで足を運んだ。
魔族の耳寄り情報を聞くと、酔来軒の『酔来丼』が、魔界にはない美味しくてたまらない丼らしいのだ。アフリカに行くまでに何とかしてその酔来丼が食べたい。そう思った我輩は、早速店内に入ることにしてやった。ガラガラガラ…
「ガッハッハッハッハッハ!!おい!我輩を席に座らせ…ろ・・・。」店内は異様なまでに混んでいた。我輩の声は届かない。
「あのー、すいません。」
我輩の声は届かない。さすが食べログで評価が4.0以上あるお店だ。感心してしまった。
「ふん・・。まぁ、忙しそうであるから、少し時間をつぶしてから再び征服してやるとするか」
と、心の中で言い残して、横浜橋商店街の方に向かってやった。
大魔王ポルポルは横浜橋商店街に着くと、闇のオーラを全快にして歩いた。この辺りは、いろいろな国のお店が立ち並んでいる。特に中国系が多いのだろうか。多種多様な人種が歩いているのが分かった。なので、魔族である我輩が歩いていてもおかしくはない。
「ガッハッハッハッハッハ!!ただ歩いているのもなんだ。立ち飲み居酒屋にでも行ってやるか」
と、大魔王なのにクズな発言を言い、フラッと立ち飲み居酒屋に入っていった。闇のオーラが全開であるにも関わらず、心の中では、(アフリカに行くまでにあと何回、昼間っから酒が飲めるのだろうか….)なんてことを考えていた。

そのまま、我輩はホッピーやつまみを注文してしまった。
「羊の肉」、「台湾ウインナー」、「海鮮チヂミ」。どれも異国感のあふれる素晴らしいつまみばかりだ。そして、どれもが我輩の胃袋をつかんだ。



「ガッハッハッハッハッハ!!なかなか珍しい場所だな。気に入ったぞ」
と、酒に酔った大魔王はこの場所が気に入ったらしく、心の奥底から横浜橋商店街のグルメを堪能した。昼間っから酒が飲めるこんなに平和なことはない。ガッハッハッハッハッハ!!

魔界一のクズになってすっかり酔いしれてしまった我輩は、お昼時も過ぎ去った「酔来軒」に向かった。もちろん、このお店の名物『酔来丼』を食べるためだ。

「酔来丼? なんだそれは?」と頭をかしげる人もいるだろう。酔来丼とは、このお店の名物グルメであり、目玉焼き、赤みのかかったチャーシュー、メンマなどが白いご飯の上に盛られている丼のことだ。
さっそく我輩は店の中に入り、闇のオーラを放ち、この場所すらも魔族の支配下にしてやろうとした….ガラガラガラ
「あのー、先ほども訪れたものなんですけど・・」
我輩は腰を低くして店に入る作戦に出た。さすがに大声で入るのは迷惑だと思ったので、小さめの声で行った。
「え・・あ・・あぁ。あちらにお座りください」
作戦通り、店員は少し動揺した。そしてそのまま、我輩は奥の席へと案内された。
「ご注文はなんにします? …ところで、その顔ってメイクですか?」
と聞かれたが、我輩にもプライドがあるので、「これは生まれた時からこの顔です」と、答えてやった。
噂の「酔来丼」は、中央に目玉焼き、そして香ばしいにおいのチャーシュー。我輩の心を揺さぶる良い匂いだ。からしの付いた酢醤油で混ぜて食べるのである。
そんな酔来丼は注文から10分ほどすると我輩の前に現れた。


特性をタレをタラーっとかけて目玉焼きをグチャグチャにしてかき混ぜると、なんとも食欲をそそってくれる!男子高校生なら軽く3杯はイケるだろう。だがしかし、我輩は1億と26歳。それほど若くはないので、1杯で十分である。

タマゴの半熟トロトロの食感が口の中でフワーッと入る。特性のチャーシューとごはん、それからタマゴ。全てが口の中で太平洋の海のように広がっていて、まさにバカンス!「丼のバカンス」のようだった。魔界にはない素晴らしい丼である。全てをぺろりと完食してしまった。



しかしここで!我輩はとある事件を起こしてしまう。それは、「お酒のかき氷」だ。お・さ・け・だぞ!
最近たびたび、大魔王ポルポルが「ただお酒を飲んでいるだけの記事」が、掲載されてきている。
例えば岩手県の名酒「タクシードライバー」のときもそうだし、与那国島の泡盛「どなん」の時もそうだった。ベロベロに酔っぱらってしまい原稿を書くのに苦労する記事だ。
今回はお酒のかき氷だ。それも日本酒のかき氷。これを食べない手はない。「酔来軒」と「酔」が付くぐらいなので、うまいに決まっている。さっそく、我輩は日本酒のかき氷を闇のオーラを全開にして、注文してやることにした。
「あ・・あのー。す、すみませーん。お酒のかき氷・・ひ、ひとつ・・」
我輩にしては闇のオーラを出しすぎてしまった。

3分後、出てきたのは、なんと!日本酒を瓶ごと冷凍したものだった。かき氷のシャキシャキしたものを日本酒で作っていたり、シロップに日本酒をかけるのかと思いきや、瓶ごと凍らせてしまった日本酒が登場!

見ているだけでベロベロになりそうなお酒だ。先ほど立ち飲み居酒屋で、昼間っからホッピーを飲んでしまい、ここで日本酒など飲んでもいいのだろうか。注文してから、少し後悔したが、まぁいいかと開き直った。
(11月24日には電子書籍も出版するし、CAMPFIREファンクラブでファンクラブを作る予定でもあるし、ダメ人間ならぬ、ダメ魔族ではないか。ガッハッハッハッハッハ!!)
と、心の中で宣伝して昼間っから酒ばかり飲んでいた。

ほろ酔いどころでは済まない日本酒のかき氷は非常にうまかった。チョー冷たい冷酒を飲んでいる気分になれる。魔族の口のも合う。そんなお酒だった。
「ガッハッハッハッハッハ!!なんと素晴らしいお店なのだ。」と、酔いに酔われて酔ってしまった我輩は、さらに事件を起こしてしまう!それは、店員が魔族のオーラに惹かれたのか、出来立てのチャーシューまでくれたのだ。弾力のあるプリプリのチャーシュー。口の中でジュワーッと広がり、ダメ人間がさらにダメ人間になってしまう味だった。

「う・・うまい!」
冷酒のつまみになるチャーシューは我輩のほっぺたを落とした。肉汁がジュワーッと口の中に広がっている。弾力があって、神ごたえがあって何とも言えないハーモニーを響かせていた。

我輩は横浜橋商店街のグルメを食べつくすと、満足気に店を出てやった。そして、店員も店を出るとき我輩に向かって、「また来てください」と言い残した。
素晴らしい。横浜にこんなにおいしいお店があったなんて・・。
口の中が少し酒臭くなりながら、電子書籍の編集の大詰めにかかる大魔王ポルポルだった。
(つづく)
酔来軒
神奈川県横浜市南区真金町1-1
営業時間11時〜21時
定休日、火曜日
電話番号045-231-6539