コカ・コーラの誤算。五輪会場持ち込み飲料を限定させたオワコンの自爆マーケティング

次から次へと問題が噴出する東京五輪ですが、学校連携観戦が予定されている茨城県鹿島市では、子供たちが会場に持ち込むペットボトルに関して、できるだけ大会スポンサーであるコカ・コーラ社の製品とするよう求めていたことが発覚し、大きな物議を醸しています。かような理解に苦しむ「マーケティング」を、識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、コカ・コーラ社が契約履行を現場に求めているのであれば、自爆行為としか言いようがないと批判。さらに何がこのような状況を招いたのかを、独自の目線で考察しています。

 

東京五輪コカ・コーラ強制問題。排他的マーケティングはオワコン

東京五輪のサッカーの試合を学校ぐるみで観戦する際に、茨城県のある学校が「飲料はできるだけコカ・コーラ製で」などと保護者側に伝えていたことが分かったそうです。

まあ、コカ・コーラとしては、巨額のスポンサー料を払っているので、そうした権限があるということなのでしょうが、2つ大きな疑問があります。

1つは、そのような「ネガティブで排他的なマーケティング」を行うというのでは、ブランド価値を毀損してしまうというのが、現代における常識だと思います。もっと言えば反社会的ですらあります。

ですから、仮にこうした行為について、コカ・コーラ社が契約履行を現場に求めているのであれば、これは大きな勘違いであり、自爆行動としか言いようがありません。五輪委というのは、ビジネスなど理解しない人々なので、脇へ置いておくとして、それを分かった上で、仕切っているのだとしたら、広告代理店というのは何をやっているのかということです。

2つ目は、日本における権利の関係です。日本市場における、コーラの場合は、アトランタの本社が原液を厳格に管理しています。日本法人については、ボトリング、とかボトラーズと言った名前で、輸入した原液を薄めて詰めて売るだけのビジネスというスキームが本来でした。勿論、お茶や缶コーヒーなど日本独自のプロダクトもあるわけですが、商標権などはアトランタ本社が厳しく握っているはずです。

ということは、五輪のワールドワイドという規模でのスポンサーシップを、アトランタが買って、それを東京に適用している場合に、1のようなオワコンの排他的マーケティングをアトランタが日本に押し付けている可能性があります。つまり、アトランタのご本社の意向で、日本での顧客離れを起こしかねない自爆営業をやっているという構図です。各日本法人が納得していればいい(と言っても、馬鹿なのには変わりはありませんが)ですが、そうでなければ治外法権であり、日本における公正取引を阻害していると思うのですが、どうでしょうか?個人的には、違法性すら感じるのですが。

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シアトルの奇跡。コロナで料理店を潰した日本人に起きた大逆転劇

コロナ禍にあって多くの飲食店経営者が苦戦を強いられていますが、そんな方々の新たな指標となりうるエピソードがアメリカから届きました。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では「Windows95を設計した日本人」として知られる米シアトル在住の世界的エンジニア・中島聡さんが、日本食レストランの営業停止を余儀なくされた次男・正太さんの身に起きた「逆転劇」を紹介。腕に覚えがある料理人がインフルエンサーとして生計を立ててゆく可能性は、十分に存在しているようです。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

 

飲食店経営者に訪れたインフルエンサー・ビジネスという転機

私には息子が二人いますが、若い方の正太が料理人で、2016年にシアトルに「Adana」という名前のレストランをオープンしました。日本の「割烹」を意識した、「ちゃんと料理した日本料理」を手軽に食べられるレストランです。米国では「日本料理といえば寿司」のイメージが強い風潮に逆らったアプローチで、それなりの成功を納めていました。

2020年の3月に、数ヶ月間準備していた二軒目のレストラン「Taku」をオープンしました。「Adana」と比べると半分ぐらいの大きさですが、バーカウンターに座って串揚げを食べながらお酒を飲む、より手軽なレストランです。飲食業界では、「客単価の高いフランス料理よりも、回転の早いラーメン屋の方が儲かる」ことは良く知られていますが、まさにそこを狙った店舗でした。

実際にオープンすると、行列が出来るほどの大繁盛で、「Taku」のコンセプトがシアトルの若い人たちのニーズにマッチしていることが証明されました。そのころ、既に新型コロナの流行が始まっていましたが、まだ一般の人たちの間には危機感もなく、マスクをしている人もいませんでした。

しかし、開店3日目に来たのが、ワシントン州知事からの小売・飲食店への営業停止命令です。ロンドンやニューヨークで起き始めていた医療崩壊を受けた施策です。日本のような法的拘束力のない「要請」ではなく「命令」なので、選択の余地はなく、完全なロックダウンです。

二軒目をオープンしたばかりの正太は途方に暮れていましたが、両方のレストランを閉じ、「Taku」で雇ったばかりの人も含め、従業員全員を解雇するしかありませんでした。

幸いなことに、従業員には失業手当に加えて政府からの補助金が出ましたが、レストランの経営者は、とても厳しい状況に追い込まれました。従業員を解雇したとしても、家賃などの固定費はゼロにならないので、キャッシュフローがないまま、赤字を垂れ流しすることになるからです。

正太は、それぞれの店舗の大家との交渉を開始し、「Taku」だけを残し、一軒目の「Adana」の方は完全に店を閉じることに決めました。それなりのブランド力も持っていた「Adana」を諦めるのは、彼にとっても苦渋の選択だったと思いますが、今になって考えてみると、「潔い決断」でした。

懸命にビジネスを育ててきた「Adana」を閉じ、せっかくオープンしたばかりの「Taku」も開けられない状況に追い込まれた正太に親として出来ることはほとんどありませんでしたが、その時に私が提案したのが「Youtuberになること」でした。

私としては「どうせ店を開けられないのだから、余った時間で料理に関する動画をYoutubeに投稿して、ファンを確保しておけば、後で店を出す時に大きなプラスになる」という思いの提案でしたが、その時はまったく相手にしてもらえませんでした。

 

YouTube漬けの子どもに怒る毎日。約束を守らせるにはどうすれば?

現代の子供たちを夢中にさせている動画共有サービス「YouTube」。子育てしているお母さんにはありがたい反面、困ったことも多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者のパピーいしがみさんが「YouTube漬けの二人の娘に悩んでいる」というお悩みに回答。子供になめられない母親になるためにさせる「約束」とはどんなものなのでしょうか?

YouTube漬け?

こんばんは。パピーいしがみです。

先々週に「新しい試みとして音声の配信をしようと思ってます」とお知らせして、夏休みも近いので、夏休みに関する事でも、もちろん別の質問でも構わないのでご連絡ください…とお伝えしましたら、思ったよりたくさんの方からご質問を頂きました。ありがとうございました。

音声配信については、まだ準備中なのでもう少しかかりそうですが、でも「これ、早めにお返事した方がいいな」と思う内容がありましたので、今日はそれについてお話させて頂こうと思います。

その早めにお返事した方がいいと思ったのはYouTubeに関する事です。

以前、子供の成長に支障を与えるほどの誘惑の筆頭は“ゲーム”でした。今もそれは変わりないかもしれませんが、そこにぐんぐん近づいている(もしくは追い越した)存在がYouTube。今や子供を惑わす二大巨頭となりました。おまけにその問題はどんどん低年齢化していています。このメルマガをお読みの方の多くが同様に感じていると思います。

頂いた文面はこうでした(ハンドルネームの記載はお忘れになったみたいです)。

初めまして。よろしくお願いします。

小学校2年生と年中の2人の娘を育てています。私が仕事をしているため、上の子は学校後は学童。下の子は保育園を利用しています。帰宅後の2人の娘のYouTube漬けに悩んでいます。

・帰宅 → すぐにYouTube → 夕飯 → またYouTube → お風呂 → YouTube → 就寝

毎日、合計2時間くらいです。やめさせようとすると、ものすごい勢いで怒り出します。時間を何度も約束していますが、全く守れないです。約束したことを紙に書かせてもいるので、それを見せたりしますが効果ゼロ。

学校の宿題や習い事の練習もやらずにYouTubeをみているので、こちらもイライラしてしまい、親子ゲンカになってしまいます。スマホやタブレットはどうしたら短時間で切り上げさせられるのでしょうか?

トランプ暴言、中国、コロナ。大暴動の南アフリカに混乱を招いた複雑な要因

ほぼ沈静化したとは言うものの、200名以上の死者を出した南アフリカの大規模暴動。引き金となったのは前大統領の収監とのことですが、その「前兆」はくすぶり続けていたようです。今回のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、朝日新聞がこれまで報じてきた南アに関する記事を遡り、暴動が起きた背景を分析。同国を現在の状況に至らしめたのは、複雑かつ多重に過ぎる要因でした。

 

暴動のきっかけは前大統領の収監。「南アフリカ大統領」を新聞各紙はどう報じているか?

きょうは《朝日》から。

南アフリカで大きな暴動が起こりました。少し遡って見て見たいと思います。《朝日》のデータベースで、大統領の名前「ラマポーザ」で検索すると、サイト内に62件、1年以内の紙面掲載記事では7件にヒットしました。

【フォーカス・イン】

まずは《朝日》4面記事の見出しと【セブンNEWS】第3項目の再掲から。

南ア暴動・略奪 死者212人に
「銃を持った集団、警察官に発砲」

南アフリカの暴動・略奪で死者212人、逮捕者2,500人超となった。ラマポーザ大統領は暴動を「民主主義に対する意図的、組織的に計画された攻撃」と批判。警察は暴動を扇動した容疑者12人のうち、15日時点で1人を逮捕。

以下、記事概要の補足。東部クワズールー・ナタール州やヨハネスブルクのショッピングセンターやモール161カ所、倉庫や工場19カ所、酒販店161軒が襲われた。死者のうち、131人については警察が殺人事件として捜査を開始したという。

暴動のきっかけは、ズマ前大統領が収賄疑惑に関連して法廷侮辱罪に問われ、収監されたこと。ズマ氏の支持者の抗議デモの一部が暴徒化したという。ラマポーザ氏によれば暴動・略奪は急速に沈静化して、交通も流通も徐々に回復していると。

 

長澤まさみのセクシー写真集で日中争奪戦が勃発!?妖艶ボディで中国メンズを虜、出演映画が750億円超の大ヒットでウハウハ

女優の長澤まさみ(34)が出演した中国映画『唐人街探偵 東京 MISSION』が今月9日から日本でも公開されている。中国では2月から先行公開されたが、興行収入が約754億円(6月21日時点)と歴史的メガヒットを記録。今や長澤まさみの評価は中国で急上昇している。

長澤まさみ出演の中国映画が大ヒットを驀進中

同作は中国の人気映画シリーズ『唐人街探偵』の3作目で、天才探偵コンビが世界中の街を舞台に謎解きをするミステリー。日本からは長澤のほか、妻夫木聡(40)や浅野忠信(47)、三浦友和(69)、鈴木保奈美(54)らが出演している。

中国では公開後わずか4日間で興行収入が約490億円を超えるなど大ヒットしており、これはオープニング興行収入として全世界歴代1位の記録となった。

また、映画に関する制作費も桁違いで、日本国内の撮影だけでなんと31億円。栃木県足利市の競馬場跡地に渋谷スクランブル交差点をそっくり再現するなど、そのスケールの大きさは日本映画と比較にならないほどだ。

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ナイスバディな長澤まさみは中国人にも大人気

これまでにも中国や台湾の作品に出演してきた長澤はすでに現地では知られた存在で、以前から人気が高かった。

それに加えて、『唐人街探偵 東京 MISSION』が大ヒットしたことで、長澤の評価は急上昇。今や中国では日本を代表するトップ女優となっている。

しかし、それだけではない。芸能事情に詳しい週刊誌の記者は次のように語る。

「長澤さんはイベントや映画祭などで背中が大胆に開いたドレスをまとったり、豊満な体がわかるセクシーな衣装を着たりすることがよくあります。そのナイスバディに中国の男性たちがメロメロにされているようです」

たしかに長澤はここぞという勝負の場面で大胆な衣装に身を包み、惜しみもなくその体を披露する。

また、長澤は2017年のミュージカル『キャバレー』で、際どい格好のまま大股開きで椅子に座って歌ったり、脚線美を強調した衣装などを披露したりとセクシー全開で観客を魅了。

女優としての長澤の演技だけではなく、そうした一面でも長澤は多くの支持を集めているようだ。

長澤は中国メディアが行う好きな日本の女優ランキングで、新垣結衣(33)や石原さとみ(34)とともに常に上位に名を連ねている。

毎日9時間猛勉強するなどして中国語をマスターした長澤。今では映画撮影の際、日本人出演者の通訳を買って出ることもあるという。

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人気も実力も折り紙付きの長澤まさみ。今後は本格的に中国進出を目指していきそうだ。

BBQも引越も。「手ぶらサービス」にはビジネスチャンスしかない

事前準備も後片付けもなしでアウトドアを楽しめたり、身一つで引っ越しができてしまうサービスが人気を博しているのをご存知でしょうか。このような「手ぶら体験」を極めて優れたビジネスモデルと絶賛するのは、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさん。佐藤さんは今回、無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』でその理由を解説するとともに、消費者に「お試し体験」の機会を提供する重要性を説いています。

至れり尽くせりの“手ぶら体験”に、ビジネスチャンスあり!!

最近のアウトドアは、フラッと手ぶらで出掛けて、手軽に体験できるようです。BBQやキャンプ、登山、ジョギングなどが、何の用意もせずに楽しめるとか。

BBQやキャンプをしたいと思えば、必要な道具や食料をすべて準備してくれるサービスがあります。足を運べば、「さぁ、どうぞ!」と、すべてがセッティングされているのです。後片づけまでやってくれます。

登山をしてみたいと望めば、必要なウェアや道具をすべてレンタルできるサービスもあります。健康のためにジョギングを始めたい。仕事帰りに走りたいと思えば、ウェアやシューズがレンタルでき、ロッカーやシャワーが用意されている施設もできています。

「やってみたいが道具がいるし、お金も掛かる」と躊躇する人は多いでしょうが、こうした“手ぶら”サービスがあれば、気軽に始められて、もし合わなければ、すぐにやめられます。お試し体験で楽しいことがわかれば、本格的に始めれば良いのです。消費者の欲求を的確に捉えた、優れたビジネスモデルだと言えます。

他にも、「手ぶらで引っ越し」を謳っているサービスがあります。これは、家具や家電のレンタルで、従来から存在しますが、「モノを所有しない合理性」を美徳とする現代の指向に合っています。本当に気に入ったものだけを買うための“お試し”だとも言えます。

自分の好みに合うのかどうか。本当に楽しいのか。

それを見極めるためには、“お試し”が有効です。

あらゆるところで“手ぶら体験(お試し)”ができれば、これまで手を出さなかった世界にも、興味を持つようになるかもしれません。

これは、あらゆる分野のビジネスチャンスです。消費者に“手ぶら体験”をさせる方法を考えてみれば良いのです。

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日航墜落機「所在不明」の怪。中曽根元首相は何を隠そうとしたのか

1985年8月12日、東京羽田空港発大阪伊丹空港行きの日本航空ジャンボ機123便が非常事態に陥り、群馬県多野郡上野村の山中に墜落。乗員乗客524名のうち520名が死亡する惨事となりました。この“事故”には多くの謎があり、真相に迫ろうとするドキュメンタリーやノンフィクションも多くあります。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、著者で評論家の佐高信さんが、青山透子さんによる2冊のノンフィクションに関連し、日航がメディアと癒着とも言える関係を築いていることや、事故当時の中曽根首相の不可解な言動に疑惑の目を向けています。

 

日航機墜落と中曽根康弘

私が『時代を撃つノンフィクション100』(岩波新書)の1冊に選んだ『日航123便 墜落の新事実』(河出文庫)の著者、青山透子から『日航123便墜落 疑惑のはじまり』(河出文庫)が届いた。

青山の本は墜落に米軍機がからんでいたことを示唆しているが、中の手紙に「日本航空会長植木義晴氏の示唆で、一部の日航社員らによる、青山透子への訓謗中傷や、事実無根の内容で悪意をもった流言飛語の嫌がらせがありました」と書かれていて、日航は変わらないな、と思った。

日航をモデルにした山崎豊子の『沈まぬ太陽』が映画化された時、日航からの妨害を押し切った角川歴彦を励ます「公開を成功させる応援団・総決起集会」が開かれた。2009年10月18日のことである。私も高杉良やなかにし礼と共に参加したが、メディアの人間はほとんどいなかった。

それは異様なほどで、『腐った翼 JAL消滅への60年』を書いた森功と対談した時、私が、「なぜ日航はそんなにメディアに対して高飛車になれるかというと、海外取材なんかで多くの記者が…」と言ったのを受けて森は、「タダで乗せてもらったりしているんだと思います。『沈まぬ太陽』の中にもほぼ実話として登場しますよね。記者がファーストクラスでヨーロッパに行く。ひどい話になると、休暇の時にヨーロッパにファーストクラスで連れて行ってもらった某新聞社の記者もいらっしゃるそうですから」と皮肉った。

青山にとって墜落機で亡くなったスチュワーデス、すなわち客室乗務員は「手取り足取り」仕事を教えてくれた先輩だった。123便が落ちた群馬県上野村の元村長、黒澤丈夫が声を荒げて青山に語ったという指摘も忘れられない。黒澤は当時の首相、中曽根康弘の海軍の先輩である。

「墜落現場が分からない、こういう問題に対して日本政府は何も準備していなかった。だいたいこのような大事故が起きた時は、誰が事故収拾の最高責任者かというと、もちろん総理大臣だ。空から山が燃えているのが見える。そんな状況なら昔の海軍のやり方では、燃えている上空でヘリなり飛行機なりに何ヘルツの電波を出せと言って出させる。それを東京から測る、前橋から測る、それで2つがぶつかったところの下が地図で燃えているところだ。そういうことを誰かやる者がなかったのか。(中略)

 

あの後、あれよりも小さいが、イギリスで似たような航空機墜落の事故が起きてね。その時、何十人か死んだが、そうしたらサッチャー氏はたちまち、現場に首相として飛んで行ったわけですよ。皆の労をねぎらい、きちんと指示するところを指示した。ところが当時の日本の総理大臣は軽井沢でゴルフをやっている。運輸大臣も何も言わない」

軽井沢から戻る列車の中で墜落を知った中曽根は「私が合図するまでは公式に発表してはならん」と指示したらしい。何か隠さなければならない事実があったのである。

 

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18年前の指摘も放置。日本のサイバーセキュリティの危機的な現実

パンデミックに対する備えがなく、先回りした対策も状況に応じた対策もできないことがバレてしまった我が国。危機管理のプロとしてさまざまな提言をしてきた軍事アナリストの小川和久さんが懸念を抱くことの一つに、サイバーセキュリティの脆弱さがあります。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』では、7月13日の朝日新聞による記事を補足する形で、18年も前に小川さんが指摘したことへの対策が何もできていない日本のサイバーセキュリティの現状を嘆き、「ここにも国家の危機」と警鐘を鳴らしています。

ここにも国家の危機

コロナやオリンピックの問題で影が薄れている印象がありますが、日本のサイバーセキュリティは危機的な状況にあります。まずは新聞報道から。

サイバー防御、人材不足 国内も被害増加、対応に限界

 

「身代金目的のランサムウェアなどによるサイバー攻撃が国内でも相次いでいる。被害は企業が保管する情報だけでなく、サプライチェーン(供給網)に広がる。だが、日本はセキュリティー人材が足りず、対策が難しくなっている。(中略)

 

ランサムウェアはコンピューターに感染してシステム上の情報を暗号化して接続不可能にし、暗号を解除する代わりに身代金を要求する。支払わないとデータを消したり、世間にばらまいたりすると脅迫する。最近は供給網を人質に取るケースが相次いでおり、被害は大きくなるばかりだ。(中略)

 

国外では5月、米コロニアルパイプラインがランサムウェア攻撃を受け、ガソリンなどのパイプラインが止まった。今月2日には、米IT企業カセヤのソフトウェアがランサムウェア攻撃を受けたことが発覚。報道によると、同社のソフトウェアを使う供給網に被害が出て、スウェーデンのスーパーでレジが使えなくなって営業が停止するなど、影響は最大で1500社に及んだという。

 

『ここ2、3年、特にこの1カ月で急激に企業の防衛意識が高まっている』。三井物産の子会社、三井物産セキュアディレクション(MBSD)のコンサルティングサービス事業本部長、関原優氏はそう話す。

 

同社は従業員264人の大部分をホワイトハッカーと呼ばれる専門家が占め、日本の防衛省や各業界の上位企業と契約する。被害の増加で業務は繁忙を極め、『感染してから相談されても対応できない状態』(関原氏)という。

 

サイバー攻撃が増えるなか、セキュリティー技術を持つ人材が足りず、対応にも限界がある。NRIセキュアテクノロジーズの20年の調査によると、セキュリティー対策に従事している人材について『充足』しているとした日本企業は、回答した1222社のうち1割に過ぎなかった。(福田直之)」(7月13日付 朝日新聞より)

私は2003年、総務省の委託で日米の格差を調査し、報告書『米国におけるネットワークセキュリティの現状』を政府に提出しました。そのとき、日本は先進国のなかで最もネットワークセキュリティのレベルが低く、米国と20年、韓国とも10年の差があると指摘しました。

その原因のひとつが人材不足の問題でした。一定の水準でパソコンを使える人材が限られており、ホワイトハッカーに至ってはハッカーたちから「1年に2人くらいしか生まれない」と言われるほど限られていました。その状態は現在も基本的に変わっていないと思います。

そういうなかで、日本は限られた人材で様々なサイバー攻撃に対処することを余儀なくされている訳ですが、問題はもっと深刻なところにあります。

定番が重要。雪見だいふく八天堂コラボに学ぶ「売れない問題」解決法

春夏秋冬いつでも美味しくいただけるアイスといえば、雪見だいふく。そんなロッテの定番商品を、クリームパンで名高い八天堂が監修した新フレーバーが人気を呼んでいます。今回のメルマガ『理央 周の売れる仕組み創造ラボ【Marketing Report】』では著者でMBAホルダーの理央 周さんが、ロッテと八天堂のコラボが成功した秘訣を徹底分析。さらにそこから学べるビジネスのヒントをレクチャーしています。

 

ロッテの雪見だいふくはなぜ、八天堂とのコラボを出したのか?定番商品の重要性

今週は号外として、「ロッテの雪見だいふくはなぜ、八天堂とのコラボを出したのか?定番商品の重要性」をテーマに解説をしていきます。

新製品を出しても、なかなか売り伸ばせない、という売れない問題は、新製品そのものよりも、基本となる商品の強さを見直すことで、解決できるものです。

今回は、ロッテの雪見だいふくの事例、自社商品の品揃えの方向性について、深堀りをしていきます。

ロッテの雪見だいふくが、クリームパンで有名な八天堂とのコラボをしたアイスを食べてみました。

これが、かなり美味しくて、いつもの雪見だいふくのもちもち感はそのままで、中に、あのとろっとした感じの八天堂のクリームパンの、カスタードクリームが入っているのです。

八天堂は、元々は広島で和菓子店として始まったお店で、スイーツ系のパンの専門店を、10年くらい前から出し始めました。

当時、美味しくて好きだったのですが、あまり売っていなくて、たまに品川駅の構内にお店を出しているときなどは、並んで買っていたことを思い出します。

パンの独特の食感と、あのちょうどいい甘さのクリームがマッチして、よくあるクリームパンとはちょっと違う美味しさです。

八天堂は、このような「監修」のコラボ商品を、他でも出しています。特に話題になっているのが、ロッテのチョコパイを監修した、「カスタードくりーむ&チョコレート味」です。

チョコパイも八天堂も、その商品名を聞いただけで商品のイメージが浮かびますし、食べたことはなくても、このコラボであれば食べてみたい、という気持ちになります。

八天堂が監修するロッテとのコラボ商品は、カスタードケーキ「カスタードくりーむ&あまおう苺味」の監修もあり、こちらも美味しそうです。

こういった、全国で売っている雪見だいふくや、チョコパイのような「知名度が高い」ナショナルブランドは、定番商品としてスーパーやコンビニに並んでいます。

ロッテ側としては、固定のファンがついていいのですが、やはり飽きてしまうかもしれません。そこでちょっとした話題を作りたくなるのですが、まさに美味しそうというのがひとめでわかる、このコラボ商品で話題作りになります。

 

IOCバッハ会長を「痛烈なピッチャー返し」でおもてなし!? 始球式に国民怒り、反撃プラン大喜利で上杉達也、侍ジャパンも大迷惑

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪で3大会ぶりに復活する野球で始球式を務める見通しであることがわかった。共同通信が報じた。しかし、国民感情を逆なでするかのような行動に批判が殺到。野球は無観客で行われるためブーイングの心配はないものの、「取り巻きを引き連れて大移動するな」「ピッチャー返しでおもてなししてやれ」など、さまざまな声があがっている。

バッハ会長が五輪野球 侍ジャパンの初戦で始球式

ただの目立ちたがり屋なのか、それとも日本国民から求められているという勘違い男なのか。16日には世論を押し切る形で広島訪問を強行。18日夜には緊急事態宣言下の中、40人超のパーティーが開かれるなど、“歓迎されない”行動ばかりが目立つバッハ会長。

そんなバッハ会長が、今度は28日に福島県営あづま球場(福島市)で開催される日本―ドミニカ共和国の開幕戦で始球式を務めるという。

バッハ会長はかねてから東日本大震災の被災地である福島県を訪問する意向を示していたが、野球の試合日程に合わせる形で実現させることになりそうだ。

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2008年の北京五輪で、バッハ会長はソフトボールの始球式を務めたことがある。左下手投げのバッハ会長はまるで往年の名投手・元巨人の角盈男氏のようなフォームでボールを投げていた。

西ドイツ(当時)生まれのバッハ会長はもともとフェンシングの選手。76年モントリオール五輪でフルーレ団体で金メダルを獲得しているが、野球にはほとんど関わったことがないとみられる。

当初有観客で行われる予定だった福島での開幕戦だが、方針が一転し無観客開催に。福島県民は落胆したが、バッハ会長だけはホッとしたかもしれない。無観客であれば“ブーイング”の心配もなさそうだ。

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「ピッチャー返ししろ」「炎天下で投げろ」批判殺到

五輪で3大会ぶりの復活となる野球。侍ジャパンは本気で金メダルを狙いにいっている。その大事な初戦となる強豪・ドミニカ共和国戦が思わぬ形で注目されることになってしまった。選手たちにとっては大迷惑に違いない。

もはや世論とは反対の行動ばかりとるバッハ会長に多くの国民はうんざり。とにかく大人しくしておいて欲しいというのが本音だろう。

ネットではここぞとばかりにバッハ会長に対する“反撃プラン”が用意されている。

「強力なピッチャー返しをお見舞いしてあげよう」「誰も打席に立たないで意思表示する」「バッハが投げた球を大谷がホームランするなら見たい」など批判的な意見が多い。

中には現在開催されている高校野球の地方予選に絡めて、「車降りたら侍ジャパンの試合ではなく、高校野球の球場。炎天下の中、バッハが強制登板」「タッチの『背番号のないエース』ばりに投げさせる」「五輪ルールで辞退させられそうになった米子松蔭野球部のみんなに謝罪させにいく」といった声まであがっている。

バッハ会長が野球に何か思い入れがあるわけではない。そもそもバッハ会長は野球を五輪の種目から排除させようとした人物だ。

福島に訪問することで日本国民から反感を押さえようとしているのは明白。そこへ、たまたま野球の開幕戦が良い日程であったから、ついでに始球式をしようということに他ならない。

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なぜか炎上を焚きつけるような行動ばかりを選択してしまうバッハ会長。始球式参加が侍ジャパンに悪影響を及ぼさないことを願うばかりだ。