なぜ関西発のイトメン「チャンポンめん」は石川県でだけ人気なのか?

兵庫のローカル即席麺であるイトメンの「チャンポンめん」をご存知ですか?関西でも日常的に食べている人はあまり見かけないそうなのですが、実はローカルもののはずなのに、関西から離れたと“ある県”では家庭に常備されているほどに人気なのだそう。そこで今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、その不思議について語っています。

兵庫のローカル即席麺が、石川で爆発的に売れている理由

イトメンの「チャンポンめん」をご存知でしょうか。

タンメンのような味わいで、海老と椎茸のダシが利いたインスタント塩味ラーメン。兵庫を中心とする関西圏では、そこそこ知られており、袋入りとカップ麺があります。

イトメンは、日本で2番目に袋入りインスタントラーメンを発売したメーカーなのですが、関西以外ではあまり見掛けません。ローカル即席麺と言っても良いでしょう。

しかも、知っている関西人の中でも、日常的に食べているのは、イトメンの本拠地「たつの市」周辺の人のみ。まさに、ご当地グルメなのです。

全国展開を望んでいないわけではありません。発売当初から、全国各地に営業マンを派遣し、売り込みを行いました。しかし、結果は……。

地方のメーカーだからなのか。味の問題なのか。営業マンの力不足なのか。

私もこのラーメンを知っていて、何度か食べましたが、常備することはなく、スーパーの棚から手に取ることもあまりありませんでした。

それは、見ために魅力を感じなかったからです。サッポロ一番やチキンラーメン、ワンタンメンと一緒に並んでいると、どうもチープに見えて、食べたいとも思いませんでした。

間違いなく美味しい、他のものより美味しいという認識があれば手に取るのですが、残念ながら、そこまでの魅力はありませんでした。

マズいわけではありません。素朴な味であっさりしていて、美味しいのです。ただ、他のメーカーよりは落ちてしまいます。

しかし、長年に渡って生き残っているのですから、商品力は高いと言えるのではないでしょうか。

最近であれば、昭和レトロがブームなので、興味を持つ人は多いかもしれません。チープさが、“可愛い”となるかも。

そんな少し残念なチャンポンめんですが、兵庫以外の地で、圧倒的な地位を築いています。

脱マスクはいつ?厳しすぎる水際対策に外国人もうんざり、ウィズコロナで世界に遅れを取る日本

政府が6月から外国人観光客を一部受け入れる方向で検討していることがわかりました。現在は1日1万人としている入国者の上限数も引き上げる方針で、徐々に緩和していく方針です。「厳しすぎる」と批判される日本の水際対策ですが、海外ではどのようになっているのでしょうか。このGWにパリへ出張へ行ったという渋沢栄一の子孫で、世界の金融の舞台で活躍する渋澤健さんが、ウィズコロナで既に遅れを取る日本へ警鐘を鳴らします。

プロフィール:渋澤 健(しぶさわ・けん)
国際関係の財団法人から米国でMBAを得て金融業界へ転身。外資系金融機関で日本国債や為替オプションのディーリング、株式デリバティブのセールズ業務に携わり、米大手ヘッジファンドの日本代表を務める。2001年に独立。2007年にコモンズ(株)を設立し、2008年にコモンズ投信会長に着任。日本の資本主義の父・渋沢栄一5代目子孫。

ウィズコロナ政策で日本は出遅れているのか

謹啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

急遽、出張が入り、GW中に2年3ヵ月ぶりに海外の地を踏みました。行き先はパリでしたが、ウクライナ侵攻でロシア上空を飛べず、直行便は欠航。東回りで、カナダ、グリーンランド、アイスランド上空を14時間飛行し、ロンドンで乗り継ぎました。

ロンドンからパリの機内ではマスク着用が必要でしたが、市内ではマスク着用率は1%未満で、むしろ、マスクをしている方が目立ちます。

日本出国直前になって、外国用のワクチン接種証明書が必要かもしれないと、区役所で通常は5日間かかる手続きを特別に当日に発行してもらいました。

しかし実際は、パリ空港で入国の際に確認されたのは、通常のパスポートだけ。口頭でワクチン接種も聞かれず、もちろんPCR検査はありません。列に並んだのは10分ぐらい(当初は入国審査官が一人しかいなかったので)。直ぐにタクシーに乗り込んでパリ市内へと向かいました。

10年以上ぶりのパリでしたが、最初に向かったスポットはクリニックになりました。日本帰国のために必要な72時間以内のPCR検査のためです。

出国前に日本人が比較的多い16区のクリニックに予約を入れて、グーグルマップで場所を探して足を運びました。(こちらでは全員マスク着用。)日本人ということがわかると対応は慣れていて、検査はあっという間に終わりました。

ただ、結果は当日に出るけれども、厚生労働省が指定する証明書フォームに記入するためには翌日に再び戻って来なければならないと言われ、50ユーロ(約7000円)を徴収されました。結構、高いお値段です。

数時間後、メールに連絡が入り、フランス語の現地用のPCR検査証明書が添付されて、無事に陰性の結果を確認することができました。

フランス語は疎いのですが、厚生労働省フォームが要請しているのと同じ内容が掲載されています。ならば、厚生労働省の検査証明書式でなくても陰性を証明できるはずだと考え、MySOSのアプリで申請しました。

MySOSは日本出国前にスマホにインストールして、1)質問票、2)誓約書、3)ワクチン接種証明、4)出国前72時間以内の検査証明書を登録すれば、帰国の際にファーストトラックで入国手続きが簡素されるという仕組みです。

1)~3)を出張前に登録すると画面が赤色から黄色になります。現地で4)PCR検査証明書を申告して登録完了すると画面が緑色になります。

数時間後、スマホがブルブルと震え、MySOSを確認したら画面が緑色になって検査証明書の登録も完了しました。ただ現地の検査証明書でも受け付けてもらえるんだという喜びはほんの一瞬で、その後は不安が残りました。

出国前に入手した厚生労働省PCR検査証明書式はフランス語でも用意されていましたが、そこに現地の検査証明書でも受け付けるという情報はどこにも掲載されていなかったからです。

日本入国の際に、MySOSの画面が緑色でも指定証明書を求められた場合に色々と面倒なことになると嫌だなと思い、指定証明書を紙の「お守り」として携帯するために翌日に再びクリニックへと足を運びました。

日本の「紙文化」が自分にも染みついていることに嘆きながら。クリニックのお兄さんは、あ~日本人ね、と差し出した厚生労働省証明書フォームにサッサとチェックを入れて返してくれました。

プーチン“自作自演”。ロシアの「ルーブル」が持ち直したカラクリを暴く

ウクライナへの軍事侵攻後、半値以下に暴落したロシアルーブル。しかし現在は値を戻しており、プーチン大統領は「欧米の経済制裁は失敗に終わった」と主張しますが、なぜこのような現象が起きたのでしょうか。今回のメルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、ルーブルが侵攻前の水準に戻ったカラクリをリーク。さらに西側諸国による「地獄の制裁」が、今後のロシアに何をもたらすかについて解説しています。

ロシアルーブルはなぜ上がったの?

今日は、読者さんからしばしばされる質問にお答えします。その質問とは、

「ロシアルーブルは、ウクライナ侵攻開始後、大暴落しましたが、後で戻しました」

「日本では、ウクライナ軍善戦と報じられていますが、為替の動きを見ると、ロシアが勝っているのではないですか?」

言葉はいろいろ違いますが、このような主旨の質問をたくさんいただきます。今回は、この【謎】にお答えしましょう。

ルーブルの動向

まず、ルーブルの動向を見てみましょう。

ウクライナ侵攻開始は2月24日です。その直前、1ドルは70ルーブルでした。3月7日時点で140ルーブルまで大暴落しています。侵攻後11日で、ルーブルの価値は半分になった。

ところが、その後、ルーブルが上がり始めます。5月5日時点で、1ドル69ルーブル。完全に侵攻前に戻しています。

これを見て、「経済制裁は効いていない」「ロシアは完全勝利した」と考える人もいる。理解できます。

ルーブルは「紙切れになった」という事実

しかし、ウクライナ侵攻があった2月24日前と後を同じ基準で見ることはできません。2月24日前、ルーブルは、他の通貨と同様、自由に売買されていました。つまり、ルーブルの値段は、需給を反映したものだったのです。

2月26日、ロシアの金融機関の多くはSWIFTから排除されました。EUは、最大手ズベルバンクと3位ガスプロムバンクを例外とした。しかしEUは5月4日、最大手ズベルバンクもSWIFTから排除すると発表しました。ロシアの金融機関がSWIFTから排除された時点で、ルーブルは「ただの紙切れ」になったのです。

もちろん、ロシア国内では使えます。しかし、外国ではただの紙切れです。

たとえば、テレビを見ていたら、こんな様子が流れていました。タイにいるロシア人が、ロシアに戻ろうと思った。それで、チケットを買わなければならない。両替所にいき、ドルやユーロを買おうと思った。すると両替所の人は、「ルーブルは買えません。後で売れないからです」といって断った。

その人は、「クレジットカードで買うこともできない」と嘆いていました。なぜかというと、制裁で、ロシアで発行されたカードはロシア国外では使えないからです。

この人は、どうやってロシアに戻ったのでしょうか?考えられる可能性は、友達、知人から、ドル、ユーロを借りて帰国することです。実際どうなったのか、もちろんわかりませんが。

日本の願望か?「オミクロン株流行で中国経済は破綻一直線」の大ウソ

オミクロン株の流行により、上海全域や北京の一部などでロックダウンが実施されている中国。この状況を受け多くの日本メディアは「中国経済崩壊の可能性」を指摘していますが、果たしてそれは正鵠を射たものなのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、習近平政権が取る政策の狙いや具体的な数字を挙げつつ、中国経済の今後を悲観的に見る向きに対して反論。ロックダウンのダメージは認めつつも、中長期的な見通しは決して悪くないとの見方を示しています。

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オミクロン感染によって「中国経済はいよいよ危機」という説への疑問

衛星テレビ「中国東方衛視」によれば上海市の5月6日の新規感染者は4,214人(うち3,961人が無症状感染者)。緩やかだが減少傾向を示している。新型コロナウイルスの変異株・オミクロンの感染拡大で中国の対策が後手に回ったのは無症状感染者の急増のためだ。その無症状感染者の3,961人のうち3,943人が隔離中の発見だ。もしウィズコロナで無症状感染者を野放しにしていたら、感染爆発は避けられなかっただろう。やはりロックダウン(封鎖)は有効なのだ。

新型コロナウイルスによる死者数が100万人に近づいたアメリカでは「コロナ孤児」と呼ばれる子どもが20万人にも達したと報じられている。同じ悲劇が中国社会を見舞えば、その前に深刻な医療崩壊も起きていたはずだ。そうなれば盤石とされる習近平政権にも綻びが生じたかもしれない。

同じ日、シンガポールのニュース番組は上海の工場労働者が騒いで封鎖を突破する映像を流した。封鎖を経験した国で不満の爆発や混乱が起きなかったところはない。

重要なのは政府が封鎖を行う裏側に合理的な計算があるかないかである。

中国が封鎖を選択した理由は、先週も書いたとおり中国の医療体制の脆弱さだ。コロナが依然致死率の高い感染症であれば政府には一択しかない。中国のコロナ問題を比較的正確に報じてきたシンガポールのテレビ記者の言葉を借りれば「国土が広く人口が多いため医療資源が不足する恐れがある」からだ。

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この簡単な話が日本のメディアには通用しない。「3期目を狙う習近平がゼロコロナにこだわる」から封鎖を続けていると解説されるのだから曲解もいいところだ。しかも封鎖の合理性も無視している。

中国が強調してきたのは、「封鎖した方がダメージはより小さい」という点だ。緩い感染対策で長くだらだらと影響を和らげるのがウィズコロナならば、短期間の強い対策で影響を断ち切るのがロックダウンだ。

2020年の成績表では、主要国で唯一のプラス成長を成し遂げた中国のゼロコロナに軍配が上がった。これがオミクロン株にも通用するのかどうかが、いま中国に向けられている問いである。最終的な判断は先週も触れたように数カ月後の収支次第だが、中国の狙いは、メーデーの大型連休は捨てる代わりに、夏の行楽シーズンや10月の国慶節の連休までには日常を取り戻し、普段以上の盛り上がりを期待することだろう。

コロナ疲れの国民にその狙いが理解されるか否かは疑問だが、政権の選択として特段批判すべき要素はない。

要するに収支の問題だ。ロックダウンによって冷や水を浴びた中国経済が本格的な危機へと向かってしまえば元も子もない。

もちろんロックダウンは中国経済に暗い影をもたらしている。今年のGDP成長率の目標値に黄色サインが灯ったのか、と問われれば、答えは明らかに「イエス」だ。習近平政権が目標を達成できなかったことを笑いたければ、願いはかなうだろう。

だが日本で多く見かける「中国経済がこのまま奈落の底へと落ちていく」といった見方には首を傾げざるを得ない。

 

いま日本に必要な防衛力は?明確にすべき「攻め込まれる」の定義

ロシアによるウクライナ侵攻により、さまざまな不安が渦巻くなかでも、日本が他国から「攻め込まれる」ことを不安視し、防衛力強化を訴える声があがっています。この「攻め込まれる」の定義が曖昧で、ウクライナのように国土を蹂躙されることを示すのであれば、「その可能性はゼロ」と断言するのは静岡県立大学特任教授で軍事アナリストの小川和久さん。今回のメルマガ『NEWSを疑え!(無料版)』では、台湾上陸作戦を例にその理由を具体的に説明。現実的な驚異はミサイル攻撃であるとして、直ちに強化が必要な国防能力が3つあると提言しています。

「攻め込まれる」を定義せよ!

ロシアのウクライナ侵攻に触発されて、日本でも防衛力強化の動きが一気に進み始めています。自民党の安全保障調査会が4月27日に行った岸田文雄首相への提言でも、反撃能力の保有や防衛費の対GDP比2%以上への増額などが謳われています。

その危機感は当然のこととして、少し整理しておかなければならない議論が、政府与党の中にも残っているようです。代表的なものは、「日本は中国、ロシア、北朝鮮から攻め込まれる地理的環境にあるから、防衛力を強化しなければならない」というものです。

それが現実のものになるかどうかはともかく、中国、ロシア、北朝鮮が日本を攻撃する能力を備えているのは確かです。しかし、「攻め込まれる」というのは定義を明確にしておかなければ、防衛力整備を適正に行う目を曇らせることになりかねません。

そこで口にされている「攻め込まれる」とは、あたかもロシア軍がウクライナにしたように日本にも侵攻し、自衛隊や米軍の反撃を撃破して日本を占領する事態を想像しているようです。しかし、その意味で「攻め込む」という言葉を使うのであれば、その可能性はゼロと言ってよいでしょう。

それは、着上陸侵攻が海上輸送能力と上陸適地、そして航空優勢(制空権)、海上優勢(制海権)に規定され、中国、ロシア、北朝鮮にはその能力が備わっていないからです。

一例を挙げれば、中国の台湾侵攻があります。台湾軍と来援する米軍を撃破して台湾を占領するには、どんなに少なくとも中国は100万人規模の陸軍部隊を投入しなければなりません。これは第2次世界大戦でのノルマンディーに匹敵する巨大な上陸作戦です。

100万人の部隊を輸送するには、3000万トンから5000万トンの船舶を必要としますが、中国が保有する船腹量は6200万トンほど。その大部分は経済活動に従事しており、簡単に軍事輸送に割く訳にはいきません。いまにも中国軍が台湾に上陸侵攻するかのように語る皆さんは、満員電車状態ですし詰めにされた中国軍が大挙して襲いかかる光景を想像しているようですが、近代軍隊には大量の装備品や補給物資もあり、兵站線も維持できなければなりません。世界に共通する海上輸送の計算式から逸脱した作戦は成り立たないのです。

母数はわずか「0.0016%」。新聞社の調査が“世論”となる違和感

日本国憲法施行から75年となった今年の憲法記念日に、全国紙各紙が「憲法改正」に関する世論調査の結果を公表。読売、朝日、毎日それぞれの調査結果について、昨年や一昨年より賛成派が増えていることなど、気になった点について『きっこのメルマガ』著者で人気ブロガーのきっこさんが考察。新聞によるバラツキが気になるとも指摘し、読売新聞のケースを例に、調査回答者が人口のわずか0.0016%、2080人しかいないのは、統計学的には有効でも、これを「世論」として利用されることへの違和感を伝えています。

 

世論調査の信憑性

昭和22年(1947年)の施行から75年を迎えた5月3日の「憲法記念日」、全国紙各紙は「憲法改正」に関する全国世論調査の結果を発表しました。もともと自民党の広報紙として憲法改正を推進する立ち場を取って来た読売新聞の世論調査では、「改正する方がよい」が60%となり、昨年4月の前回調査の56%より4ポイント上昇し、過去最多となりました。「改正しない方がよい」は38%、前回調査の40%より2ポイント減少しました。

また「改正する方がよい」と回答した人の中での改正点(複数回答)は、「自衛のための軍隊保持」が45%で最多、大災害などの「緊急事態への対応」が38%、「教育の無償化」が36%と続きました。しかし、戦争放棄を定めた9条1項については「改正の必要はない」が前回調査と同じく80%に上り、たとえ改憲派であっても「9条1項には触れるべきでない」という考えの人が大多数であることが分かりました。

一方、読売新聞とは逆の立ち場を取る朝日新聞の世論調査では、憲法を「変える必要がある」が56%となり、昨年の前回調査の45%より11ポイント上昇して過半数となり、こちらも過去最多となりました。「変える必要はない」は37%で、前回調査の44%から7ポイント減少しました。前回調査では賛成派と反対派が「45%対44%」と拮抗していましたが、今回は「56%対37%」となり、大きく風向きが変わりました。

まあ、これは現在のウクライナの状況を見れば分からなくもない結果ですが、あたしが驚いたのは9条に関する回答でした。朝日新聞の世論調査では、9条は「変えないほうがよい」がわずか59%、読売新聞の調査より20ポイント以上も低かったのです。そして「変えるほうがよい」が33%、3人に1人が「戦争放棄」を放棄すべきと回答しているのです。これは正直、にわかには信じられない数字でした。

そして、もう1つ驚いたのが、女性の改憲派の急増です。朝日新聞の昨年の前回調査の性別を見ると、憲法を「変える必要がある」と回答した男性は52%、女性は40%と、男女で大きく差がありました。しかし、今回の調査では、男性が58%と微増だったのに対して、女性は53%と急増し、過半数となったのです。一体、これはどういうことなのでしょうか?

 

アメリカにも大きな問題アリ。米中「半導体覇権争い」が炙り出したもの

2020年以降、世界的な供給不足が続いている半導体ですが、この分野でも米中による熾烈な覇権争いが繰り広げられてるのも、よく知られているところです。そんな現状を詳しく伝える英有力誌の記事を取り上げているのは、海外マーケティング会社の代表を務める大澤裕さん。大澤さんは自身のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』で今回、その内容を翻訳した上で解説するとともに、対立するそれぞれの国の固有の状況を見極める重要さを説いています。

 

半導体にみる米中の覇権あらそい

半導体の不足が深刻化しています。

コロナによるリモートワークの影響でPC、モバイル機器などの需要が急拡大したうえに、電気自動車の発展、家電のネットワーク化なども影響しています。いまや半導体はあらゆる分野に使われており、家庭用給湯器でさえ製造できない、というニュースもありました。

半導体の供給は「世界のビッグ3」と呼ばれるメーカー、TSMC、サムスン、インテルの寡占状態です。そしてすでに必要な拡張が行われています。

その半導体分野においても米中の覇権争いが深刻化しています。以下、今週の英誌エコノミストの記事です。

半導体の製造は複雑な仕事である。

 

インテル、サムスン、TSMCといった半導体メーカー自身も、知名度の低い企業が製造した半導体製造装置に頼っている。アプライドマテリアルズ、東京エレクトロン、ASLM、KLA、ラムリサーチが販売する装置は欠かすことができないものである。

 

その半導体製造装置。現在は中国が最大の市場となっている。装置メーカー最大手のアプライドマテリアルズの売上高230億ドルのうち、75億ドルは中国からのものである。ラムリサーチも売上高146億ドルの3分の1以上を占めている(ただし、同社は中国での売上高の一部は、そこで事業を展開する多国籍企業に対するものであると指摘している)。

 

この新たな依存は、特に米国の半導体製造装置メーカー3社にとって、政治的・商業的な問題を引き起こしている。特に、アプライドマテリアルズ、KLA、ラムリサーチの3社は、政治的、商業的な問題を抱えている。

 

中国政府は、国内のチップメーカーに何千億ドルもの資金を投入している。アメリカの3社はそれぞれ、プロセスの異なる段階において優位に立っているため、アメリカの最先端技術が中国の経済目標を促進しているという結論に至っている。

 

米国議会では、これは容認できないということで超党派の強い合意が得られている。

 

2020年12月には、米国政府は中国の大手チップメーカーであるSMICを輸出ブラックリストに掲載した。SMICに製品を売りたいアメリカ企業はライセンスを申請しなければならなくなった。

 

アプライドマテリアルズ社は、「中国から締め出されると国際的な競争相手に対して技術的なリーダーシップを失うことになりかねない。これは他の海外企業の助けになるかもしれない」と指摘した。

 

政治的な圧力も高まっている。3月には、2人の共和党議員がアメリカの商務省に宛てて、中国向けの半導体技術、特に半導体製造装置に関する輸出規制を強化するよう要求する文書を提出した。

 

これに対して、米国のアプライドマテリアルズ社、ラムリサーチ社、KLA社は「最先端の製造に使用しない、あまり高度でない装置は中国に販売してもよいが、より高度な装置は禁止するという実行可能な輸出規制を設定しよう」と努めてきた。そうすれば彼らは中国での収入をある程度維持することができる。

 

この提案は、アメリカの同盟国、特に東京エレクトロンやASMLのある日本やオランダが、自国の半導体製造装置メーカーに同じ輸出規制をかけるかどうかがポイントになる。

 

この問題には世界各国の政府関係者が日頃から知恵を絞っている。その結果、石油や武器の販売を抑制するよりもはるかに厄介な、高度な半導体製造から中国を締め出すという複雑な作業が行われる可能性が生まれたのである。

 

日本とロシアの間の深い溝。プーチンが好き勝手に使い出した北方領土

現在戦争を起こしているロシアと日本の問題といえば、北方領土問題です。ウクライナ侵攻によってウクライナ人がシベリアや極東に送り込まれている現状を踏まえ、今回はメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の中で、北方領土へのロシア入植について詳しく語られている一冊を紹介しています。

【一日一冊】北方領土の謎

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北方領土の謎

名越健郎 著/海竜社

ウクライナへのロシア侵攻で、ウクライナ人がシベリア、極東に送り込まれているという報道を読んで手にした一冊です。2014年のロシアのクリミア侵攻時にもウクライナ東部から住民1,600人が北方領土に移住したという。

元々北方四島へのロシアによる入植は、独ソ戦で焦土化したウクライナやベラルーシからの難民が多かったのです。ソ連軍の北方領土占領後、そうした西部のソ連人の入植が進みますが、戦後2年間は日本人とソ連人が共同生活をしていました。

北方領土には自分の意思で残った日本人4,300人、ソ連人1,400人が共同生活していたという。ソ連はその後の1947年から1948年に日本人全員を日本送還するのです。

その後の北方領土の人口は、1980年代に3万人超にまで増えましたが、1989年のソ連崩壊後、2万2,000人程度まで減少し、1994年の地震で産業、生活基盤が崩壊して1万5,000人以下に減りました。ソ連時代の北方領土の労働者は、給与が本土の3倍もらえるなど優遇されていました。

ところが、1989年のソビエト崩壊により給与が支払われず1994年の地震の復興もままならず、北方領土は荒廃していったのです。

アネクドート(小話)…四島の住民が幸せになる方法は、日本に宣戦布告し、すぐ降伏して日本の捕虜になることだ(p25)

1990年代、日本は北方領土交渉と並行して、北方領土とのビザなし交流を進め、四島の支援事業や患者受入を行っています。政治的にもエリツィン大統領と平和条約の締結を目指すことで合意するなど最も北方領土返還が近かった時期なのでしょう。

ところが、その後のプーチン政権になって北方領土は戦争によって得た領地ということでウクライナと同じように帰属交渉に応じるつもりははいというスタンスに変わります。

北方領土はオホーツク海から太平洋への出入口であり、北方領土を手放すことは戦略的にありえないというのがプーチンの考え方だと思われます。

プーチン政権となった2000年頃から北方領土へのロシアの投資も増え始め、現在は人口1万7,000人程度にまで増えています。

現在、コロナウイルスの影響でビザなし交流は中止されており、ロシアのウクライナ侵攻によりビザなし交流、自由訪問は停止されています。

5.6兆円は高いか安いか。イーロン・マスクのTwitter買収額を考察

大きな話題となっている、イーロン・マスク氏によるツイッターの買収。5兆6,000億円を超えるとされるその買収総額は、果たして高いものなのでしょうか、それとも安い買い物と言えるのでしょうか。今回、この買収劇を専門家目線で解説するのは、財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズ代表取締役でiU情報経営イノベーション専門職大学客員教授の村上茂久さん。村上さんはツイッターの買収金額を3つの視点から分析するとともに、同社の未来についての考察を試みています。

プロフィール:村上茂久(むらかみ・しげひさ)
株式会社ファインディールズ代表取締役、GOB Incubation Partners株式会社CFO。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。経済学研究科の大学院(修士課程)を修了後、金融機関でストラクチャードファイナンス業務を中心に、証券化、不動産投資、不良債権投資、プロジェクトファイナンス、ファンド投資業務等に従事する。2018年9月よりGOB Incubation Partners株式会社のCFOとして新規事業の開発及び起業の支援等を実施。加えて、複数のスタートアップ企業等の財務や法務等の支援も手掛ける。2021年1月に財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズを創業。

3つの視点から考えるイーロン・マスクによるツイッターの買収金額の妥当性とツイッターの未来

4月25日、ツイッターは、イーロン・マスク氏(以下、マスク氏)による買収提案を受け入れたと発表しました[1]。リリースによれば、マスク氏による買収総額は440億ドル、日本円にして、5.6兆円(2022年4月25日時点)を超えるほどの金額です。

時価総額が5.6兆円を超える金額は、日本の上場企業3,800社を超える中でも、23社しかありません(2022年4月26日時点)。この時価総額の前後の企業といえば、武田薬品(5.84兆円)、日立製作所(5.72兆円)、三井住友フィナンシャルグループ(5.35兆円)、セブン&アイ・ホールディングス(5兆円)等、それぞれの業界における日本を代表するトップクラスの企業ばかりです[2]。

この5.6兆円という金額は絶対額としてはもちろん大きいですが、この金額は高いか低いかどうかは、他と比較して相対的に把握することで初めてわかります。今回は、マスク氏によるツイッターの買収額について、①買収前の株価、②純資産、③利益の3つの視点から分析するとともに、ツイッターが非上場化された後について考察をします。

[1] Elon Musk to Acquire Twitter

[2] 出所:Yahooファイナンスにおける2022年4月26日時点の終値を元に算出された時価総額

どのぐらいのプレミアムを乗せてイーロン・マスクはツイッターを買収したのか

マスク氏によるツイッターの買収価格は、株価でいうと54.20ドルで買収に合意しています。

ただ、株価だけ言われてもこれが高いのか低いのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。そこで、株価を会社の値段ともいえる時価総額へ置き換えましょう。時価総額は次のように計算されます。

時価総額=株価×発行済株式数

ツイッターの有価証券報告書(FORM10-K)[3]によれば、2022年2月10日時点の発行済株式数はおよそ8億株になります。この算式を元に、マスク氏の買収提案前の4月1日時点の株価39.3ドルから計算した時価総額とマスク氏の買収総額を計算し、調整を行った上で、比較したものが図表1になります[4]。

図表1

このように、買収発表前の4月1日時点で38%近くと相応の高いプレミアムを乗せて、マスク氏はツイッターを買収したことになります。なお、企業を買収する際には株価に買収プレミアムとして30〜40%ぐらい上乗せされることが多く、そのことを踏まえると妥当な買収ともいえます。一方で、過去1年間でみるとツイッターの最も高い株価は、2021年7月時点の73ドルであり、時価総額にすると595億ドルです[5]。この水準からすれば、26%近く安く買収できたとも考えられます。

[3] Twitter, Inc. FORM 10-K

[4] 今回のマスク氏によるツイッターの買収は、株式100%の買収のため、発行済株式総数をそのままかけて計算をしています。なお、リリースでは買収額が440億ドルとなっているものの、発行済株式数800,641,166株と株価54.20ドルからそのまま時価総額を計算すると434億ドルになり、数字に誤差が出ています。おそらくですが、ツイッターの自社株買いの持ち分や4月3日にマスク氏がTwitterの株式の持ち分9%を購入した際の金額などにより、誤差が出ているものと予想されます。そのため、4月1日時点の時価総額も買収価格440億ドルにあわせて調整をした値になっています

[5] 脚注4と同様の調整をした値

Amazonも大暴落。NASDAQで歴史的な下落率、米株式市場で何が起きているのか

今回は、4月にリーマンショック以来の歴史的な下落を見せたアメリカのナスダック市場ですが、その中でのFAANGの現状とその下落要因について、お話をしたいと思います。

NASDAQ歴史的下落率

GAFAを中心にハイテク銘柄が多いナスダック市場ですが、4月のナスダック総合指数の月間下落率は13%強となり、月間ではリーマンショック以来の下落率という歴史的な数字となりました。

FAANGの1ヶ月の喪失額

要因はいくつかありますが、特に大きかったのは、最終日のアマゾンの大幅下落です。

29日に前日の決算発表の結果を受けて急落、1日で14%下落したのですが、時価総額で見ると1日で2062億ドル(約26兆8400億円)が吹き飛んだ計算になります。

この減少額は、2月にご紹介したメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の2513億ドルに次ぎ、史上2位の1日の時価総額損失額となりました。

実はこのアマゾンの前に、ネットフリックス株も4月20日に歴史的な下落を見せ、1日で35%下落しましたが、これは率で見るとアメリカ株式市場の中で18年ぶりの下落率で、時価総額ベースでは、昨年11月の最高値から比べると67%を失った計算になります。

アメリカではGAFAにネットフリックスまでを入れて「FAANG」という括りで見るほうが一般的と言って良いと思いますがこのFAANG、先月はアップル、グーグル、メタも下落して、アップルが月間9.7%、グーグルが17.9%、メタが9.8%それぞれ下落、FAANG5社全体の時価総額の合計が、たった一月で1兆ドル(約130兆円ですが、これは日本の国家予算よりも20兆円以上大きい金額です)、これだけの金額を1か月で喪失するという、過去最大の損害となりました。

様々な要因

要因としては巷で言われていることとして、一番にアメリカFRBの利上げ、その次がウクライナ危機やコロナによる世界規模で見た場合の需要減少。

その次には原材料やエネルギー、物流の高騰、そして、もちろん先行きの不透明感などがありますが、今大きく下がる株には、いわゆるグロース株が真っ先に下がる、という理由以外の、本質的に一定の法則があります。

何かというと、メインビジネスの頭打ち感、天井感、というもので、強力な競合の出現により、まずは市場が飽和状態となり、加えて、相対的優位性、独自優位性が失われてレッドオーシャンとなる中で、これ以上の売上拡大が見込めない状況となっていることです。

つまり、利上げだから、グロース株だから、という理由では無く、本業の稼ぎ力がなくなってきている、と言うことが株価下落の理由です。

2月のメタもTikTokや他のSNSの猛追でデイリーアクティブユーザー数が減少、ネットフリックスもアマゾンプライムなどの競合激化で有料会員が減少。

そしてあの独り勝ちと見られていたアマゾンも、7年ぶりの赤字転落よりも寧ろ、メインビジネスであるeコマース事業が、競争激化で明らかに頭打ちであることにあると思われ、まずはメインビジネスの利益確保の先行き安定感が最重要、その次には次世代ビジネスの実現度合いをどう読むか、というところが、たとえハイテク株であろうとも、中期的に重要な判断材料と思います。

株価を左右する重要なイベント

5月は、GWから株価を左右する重要なイベントがあります。

まずは4日(日本は5日)のFOMCで利上げ、そして6日には4月の雇用統計、あとは毎月初めのISM指数の発表などもあります。

FRBは利上げには強気で、景気も減退感が出てきつつある中で、市場全体は残念ながら厳しい方向にあるかも知れませんが、ナスダックの中でもプラス企業はあります。

4月単月でウォルマートが2.7%高、P&Gが5.1%高、ジョンソンエンドジョンソンが1.8%高、コカ・コーラが4.2%高と小売や消費財関連、そして、3月末にご紹介したエネルギー株でも、エクソンモービルが3.2%高など、上位20社の中でプラスとなった企業は7社もあります。

まだ諦めたくない方、一緒に頑張って行きましょう。

出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

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