【訃報】「アダモちゃん」島崎俊郎さん(68)急死。1週間前にインフル罹患、ビートたけし「あまりにも突然のことなので…」

「アダモちゃん」のキャラクターで人気を博した、お笑いタレントの島崎俊郎さんが6日に急性心不全のため亡くなったと各メディアが速報で報じた。68歳だった。1週間前からインフルエンザに罹患し、体調不良を訴えていたという。なお、急死とインフルエンザとの因果関係は分かっていない。

島崎さんは京都府出身、1979年に川上泰生、小林すすむらとお笑いトリオ「ヒップアップ」を結成しリーダーをつとめた。クレイジーキャッツの付き人を経て、1983年にはフジテレビ系『オレたちひょうきん族』でビートたけしや明石家さんまらとともにお茶の間を笑わせ大ブレイク。中でも顔を黒塗りにした「アダモちゃん」のキャラクターは、子どもたちが真似るなど島崎さんを代表するネタとなった。その他、『天才たけしの元気がでるテレビ』(日テレ系)でも人気を博した。

突然の訃報に、芸能界やネット上のファンから哀しみの声が多くあがっている。

ビートたけしは、自身の公式ホームページにコメントを発表。

島崎君のことはあまりにも突然のことなので、なんと言っていいかわかりません。

この短い言葉に、島崎さんの急死のショックがあらわれている。

転売ヤーのカモになる?3月開始の東京都「QR決済で10%還元」にネット騒然も「上限3千円ショボい」の声、中抜される9億円はどこへ消えるのか

税金の無駄遣いに終わるのか、はたまた貧乏人の救世主となるのか。東京都は6日、消費喚起策として都内の店舗でQRコード決済を使い買い物をした人に、1回の決済につき最大10%(上限3,000円分)のポイントを還元する事業を、来年3月に開始すると発表した。現在開かれている都議会第4定例会に提出予定の12月補正予算案に、100億円を計上するという。このニュースが報じられると、ネット上は「儲かる」「財布に優しい」とザワついたが、果たして本当にお得なのだろうか?

早くも効果に自信を見せる小池百合子都知事

東京都が6日に発表した事業の正式名称は「暮らし向き向上緊急サポート事業~経済活性化支援~」で、物価高騰の影響を受ける都民を支援するため、QRコード決済で支払った金額の10%をポイント還元。その上限は1つの決済サービスにつき3,000円分のポイントで、都内のコンビニやドラッグストア、飲食店の他、宿泊施設や美容院も対象になるという。

事業費は100億円。このうち事務費9億円を除いた91億円が利用者に還元されるシステムで、令和6年3月に開始し、原資の91億円がなくなり次第終了になるという。小池百合子都知事は記者団に対して「非常に景気の刺激にもなりますし、何よりも都民の生活を守ることにつながっていく」と述べるなど、効果に自信を見せている。

転売ヤーの餌食となり1日で事業終了の可能性も

しかしここで懸念されるのが、転売ヤーらによる大量買い占めによる「ポイント総取り」だ。1回の決済での還元ポイント上限は3,000円分と決められてはいるものの、「決済回数」に制限は設けられていない。これでは一部の「プロ」にポイントを大量に奪われ、事業自体が1日で終了するという事態も起こりうる。転売ヤーが家電量販店で転売商品を大量購入する様子を思い浮かべる向きも少なくないだろう。

SNSには「3万円を1日4回決済すれば1万2,000ポイントも手に入っちゃうの?」と、早くも猛スピードで予算が尽きることを予感させるような投稿もポストされているのが現状だ。

「中抜き」の事務手数料9億円は誰に支払われるのか

さらに引っかかるのが、この事業の事務手数料として計上されている「9億円」という大金だ。東京都が、どこの誰に何を頼むかは不明だが、総事業費の1割にあたる9億円もの税金が業者に支払われるのだ。ネット上で「また中抜きか」「こんなのより消費税減税しろ」といった不満が多数投稿されるのもさもありなん、である。

あの街のキャッシュレス決済の二の舞いにはならないか

キャッシュレス決済で思い出されるのは、東京都八王子市の地域通貨「桑都(そうと)ペイ」のトラブルだ。今年10月18日からチャージ可能となる予定だった同サービスだが、9,000円分を上限にチャージ金額の30%のポイントが還元されるキャンペーンを実施していたためか、運用開始直後からアクセスが集中しチャージ不可状態に陥ってしまったのだ。

予定されている東京都の「QR決済10%還元」も、多くのユーザーが一斉に決済することが目に見えている。となれば、事業開始初日から各種ペイに繋がらなくなるといったトラブルは考えられはしないか。

東京都が自信満々で発表した「QR決済10%還元」だが、スマホを持っていることが前提となっている上に、QR決済自体を利用していない人にとってはなんの恩恵もない。さらに「上限3,000円」は果たしてお得なのかという疑問や、上述の通り事業開始後瞬時にサービス終了となる可能性も残されている。なによりも、神宮外苑周辺の樹木伐採や少子化対策など、QRの他に「白黒はっきりさせるべき課題」が多いように思われてならないのだがいかがだろうか。

IDとパスワードを使い分けない高齢の父。人気コンサルに相談した結果…

誕生日や家の電話の下4桁など、本人に紐づいた番号をパスワードにしてしまうのは危険と注意されても、「覚えられない」と言って変更しない高齢者たち。さまざまなサービスで同じIDとパスワードを使いまわす高齢の親を見て不安になっている人も多いのではないでしょうか。今回の『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』で、人気コンサルの永江さんは、金融機関など重要なサービスでは2段階認証を入れることを推奨。IDとパスワードだけの認証は漏れるもので、むしろ心配すべきは漏れたあとのことと伝えています。

70代後半の父にIDとパスワードを使い分けて欲しい

Question

shitumon

マイナンバーカードなどインフラのデジタル化を進めることがシニアの医療費控除のアンバランスを是正できると思うのですが、私の70代後半の父はサービスによってIDとパスワードを使い分けるという概念がいつまでも理解できていません。

それをどうにかシニア世代で使いやすく簡素化する解決策ってないでしょうか?銀行の暗証番号4桁を覚えるのが最大限みたいです。Apple StoreやPCデポなどでIDとパスワードをガンガン開示し、私たち子ども世代にやばいと注意されるけど開き直っています。

永江さんからの回答

セキュリティの対策としては、IDとパスワードうんぬんよりも2段階認証を設定して、オレオレ詐欺などに注意できていれば良いかと思います。

今のご時世では、2段階認証のないIDとパスワードだけの認証だと漏れる前提で考える方が自然です。銀行など金融機関のサービスは生体認証や携帯電話のSMSなどの多要素認証をするのが普通ですので、IDとパスワードを複数使い回さなかったらリスクがなくならないかというと、そんなことはないでしょう。

例えばIDとパスワードだけで登録できるような、PCデポなどの販売店の会員情報が流出したところで大した危険はありません。住所と電話番号と氏名・年齢や購入履歴が出るくらいでしたら、オレオレ詐欺などのリストで出回るくらいでしょうから、情報漏洩よりも詐欺被害に遭わないように注意することを意識しておいてもらうことの方が重要です。

失礼ながら、高齢男性ならオレオレ詐欺だけでなくアダルトサイトを閲覧してパソコンが乗っ取られたと警告が出て言われるまま操作してしまい、パソコンから情報を抜かれる詐欺なども意識しておいた方が良いでしょうね。

なのでセキュリティでは2段階認証を入れることと、よくある詐欺にひっかからないよう意識して備えておいてもらうのが大切です。多要素認証も、スマホを使った生体認証やSMS認証だったらおじいちゃんでも簡単にできるでしょう。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

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12月8日「真珠湾攻撃」の日に考えたい、見知らぬ土地で散った若き日本人兵士たちの命

12月8日は米ハワイの真珠湾攻撃から82年目の日になります。薄れゆく戦争の記憶とともに、二度と同じようなことを繰り返してはならないということを後世に伝えていく無料メルマガ『≪≪<戦場から故郷への便り>≫≫』では、南シナ海パトロン岬にて戦死した28歳の青年が故郷の父親に宛ててしたためられた手紙が紹介されています。

ふるさとの風や~戦没兵士の手紙集~その63

戦没兵士の手紙集の連載です。雪凍る北満の地で、暑熱のジャングルや孤島で、傷つき倒れ、あるいは飢え、また太平洋の底深く沈められ、はては沖縄で武器も持たず丸裸で殲滅されていった人たち。  

将来ある有為の人材が戦場の露と消えた。平和国家日本70年の歩みを停めてはならない。日本は戦争しない国であってこそ存在価値がある。太平洋戦争で300万人もの人命を失った大戦争を忘れようとしている。。 忘れてはならない太平洋戦争、戦場に死んだ若者たちの手紙を今の日本に伝えたい。 

今、時の政権により80数年前と同じ過ちが繰り返されようとしている。私たちは戦争できる国、戦争する国になる流れを何としても止めなければならない。平成生まれの若者を戦場に送り、犬死させたくない。1人が戦死すれば何十人もの身内、友達が悲しむ。相手の兵士を倒せば、相手の国でも同じことが起り敵国を恨むことになる。負の連鎖を起こしてはならない。

暑中お伺い申し上げます。  暑気厳しき折から、如何が御過ごしにてございましょうか。 

 当方は至極元気で、一意軍務に精励しています。ヤシの木の茂る当地に来て、豊富な果実にはもう魅力が無くなりました。決してこれがため身体を損ねて御奉公に支障をきたすようなことはありません。 

 なかなか行動が遅く、その反面、各地の風光、人情についてゆっくり見られます。便りは表記宛にお願いします。 

 先ずは、暑中お伺いまで。 

 昭和18年8月6日  

守道 友次郎様

M・Y  昭和20年1月12日   南シナ海パトロン岬にて戦死  28歳  陸軍大尉

 

戦地から父へ暑中お見舞いのハガキが届いた。

便りは表記宛に願いますと書くが、父からの便りは戦場の息子の下に届いたであろうか。 

日毎に日本の敗色は募ってゆく。 

文面にはあくまで平静の様子が綴られている。

内心を吐露すれば検閲に遭い、軟弱者の烙印が押されるであろう。

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もしも高校生がドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら

大人でも理解し、実践するのに時間がかかるドラッカーのマネジメント。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、それを5か月で高校生たちが実践し能力として身に着けたエピソードを語っています。

高校生が感動したドラッカーの言葉

『致知』で好評連載中の「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」。

ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏が、毎号、ドラッカーの言葉を紐解き、貴重な示唆を与えてくださっています。

最新号からその一部をご紹介いたします。

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「伝承は衰退、伝統は革新の連続」、昨秋に開かれたドラッカー学会高山大会で紹介されたある職人の言葉です。

大会テーマは「文化を活かすマネジメント」でした。

「マネジメントが、それぞれの国に特有の文化を活かすことに成功しなければ、世界の発展は望みえない。

(中略)

これこそわれわれが日本から学ぶべきことである」

『マネジメント』

大会の最後のセッションに地元飛騨高山高校の生徒たちが部活における成果を発表しました。

大人でも尻込みするであろうドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読み、街に出て商店や企業を訪問し、文化という継続性の中に革新の種を探す試みです。

ドラッカーのキーコンセプトである「イノベーション」「機会」「知覚」「予期せぬ成功」など、おそらく人生で初めて自分の口から発する言葉を道具として使う経験です。

「子供だろうと大人だろうと、反復練習すなわち知識の体系的な反復が不可欠である。しかる後に意味を理解しなければならない」

『断絶の時代』

彼ら彼女たちは、何度も同じ言葉を使いヒアリングを繰り返し、実践をとおして言葉の意味を理解し、一つの能力としていったのです。

本を読んで理解したつもりになる大人の悪癖を深く反省させられる場面でした。

大会会場は清冽な波で洗われるような感動に包まれました。

この成果は、わずか5か月で起きたことです。

人生で必ず活かせる経験をしたという生徒の言葉に真の教育の姿を見た思いでした。

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なぜ、韓国の若者は結婚後に夢を持つことができないのか?

日本でも所得と結婚、子育てなどの問題は課題となっています。今回、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、韓国でも問題となっている、あまりに所得で差がありすぎな結婚のアレコレを語っています。

日本でも韓国でも。所得と結婚の関係

「両家の両親がチョンセ資金3億ウォンを出してくれるそう」(ソウル狎鴎亭(アプクジョン)在住の金某さん(33)

「うらやましいわ。あたしたちは一文無しなのに」(京畿道烏山市在住のチェ某さん(33)

年末結婚を控えた高校同窓8人が参加するオンラインチャットルーム(女子会)で交わされた対話だ。今月1週間おきに結婚する2人の友人が置かれた現実が対比された格好だ。

金さんは、両親が現職の小学校の校長として勤めている。安定した職場に勤めているだけではなく(校長の)公館に住むことができ、不動産投資で京畿道龍仁市水枝区(キョンギド・ヨンインシ・スジグ)にマンションも持っている。フィアンセの妻の実家も公企業の役員を務めた父親のおかげで相対的に余裕がある。

一方、チェさんは小学校の時、父親を亡くした。相手の実家も結婚費用を支援する余裕はない。夫婦は自分らだけの力で始めるしかない。(これが普通は当たり前なのだけれど、、、)

始めから違う。家の環境が違うという事実はすでに昔から知っていた。しかしこれを体感したことはなかった。ただの友達だった。しかし今、チェさんは結婚を目前に控えて、親友から相対的剥奪感を感じた。だからといって、チェさんは愛する人との結婚を考え直すつもりはない。

ただ、一緒にチャットルームにいる6人の友達は違った。直ちに結婚を控えているわけではないが、2人の友人の状況を見て感じる感情と未来設計は個人の所得水準によって明確に変わった。

特に所得水準が低かったり、家族の経済水準が高くないほど結婚することに負担を感じたり懐疑的だった。同じチャットルームにいたヤン某さん(33)は、「結婚は幸せになろうとしてやるのではないんですか」とし「最初から違うけど、一生比較しながら生きる自信がないわ」と吐露した。反面、お金の不足を感じていない(経済環境が後押ししてくれる)友人たちは大きく動揺はしなかった。

水のように柔軟。サントリーの社会サービスの底辺にある対応力

サントリーホールディングスの完全子会社で、全国で公共施設を指定管理するサントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)。その業務範囲には、「どんな方にとっても利用しやすい公共施設の運営」も含まれると言います。そんなSPSから講師を招き開催したシンポジウムで多くの知見を得たというのは、要支援者への学びの場を提供する「みんなの大学校」学長の引地達也さん。引地さんはメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で今回、SPSの「水と生きる」というサントリーの企業理念に紐づく、優れた福祉対応の数々を紹介しています。

サントリーの「福祉」は創業者・鳥井信治郎が大阪あいりん地区での無料診療所開設から始まった

共生社会の実現に向けて社会教育を目的とした公共施設を誰もが不自由なく使える場所にする取り組みはまだまだ不十分なのが現状だ。

その不十分さを認識し、具体的な行動を促進するのを目的に先日、「インクルーシブ&ダイバーシティな場づくりを考える 民間指定管理者による公共文化施設のサービスからの学び」とのシンポジウムを開催した。

みんなの大学校と共同研究するサントリーパブリシティサービス株式会社(以下SPS)の青木正樹さんを講師に、全国で公共施設を指定管理するSPSの蓄積された知見から学ぼうとの趣旨。

特に民間企業では来年度から合理的配慮が義務化されることで、具体的な対応が求められているのも開催の背景にある。

SPSからの話が、飲料メーカーのサントリーの企業理念と紐づけられ、キャッチフレーズである「水ととも生きる」に込められた思いが、インクルーシブな社会づくりにつながることも示された。

やはり動きには思索の深い哲学が必要である。

登壇した青木さんは現在、全国の8か所で指定管理文化施設の事業企画統括として年間約350公演の企画制作に携わる。

企画内容のみならず、どんな方にとっても利用しやすい公共施設の運営も業務範囲である。

冒頭で強調したのはサントリーの企業理念である「人と自然と響きあう」であり、そのメッセージとして示されている「水と生きる」だった。

この「水と生きる」のは3つのパートで構成され、それは「水とともに生きる─自然との共生」「社会にとっての水となる─社会との共生」「水のように自在に力強く─社員とともに」という。

環境によって形状を変化させる水のように、柔軟に対応するのもサントリーのサービスの底辺にあるとのこと。

さらに福祉とのつながりでは、創業者の鳥井信治郎が大正時代に大阪の愛隣地区で生活困窮者向け無料診療所「今宮診療院」を開設したところから始まるとの話を紹介した。

青木さんによると、文化ホールや美術館等、障がいのある人が訪れる際、最近になっての大きな変化は、障がいのある人に「何かをする」のではなく、「してほしいことをする」ようになったという。

これまでは否応なしに介助するものだと思っていたが、現在はまず「何をしてほしいですか」とのお声かけから始まるとのこと。

聴覚障がい者でも視覚障がい者でもひとりでその場を感じ、楽しみたい人もいる。

だから、SPSではいつでも対応できるように「看守り」という表現を使い、その方を優しく見ることに徹するのだという。

例えば日本で当時のまま残る最古の美術館である、京都市京セラ美術館では、完全なバリアブルな施設でいたるところに段差があり、急で厳かな階段が障がい当事者の前に立ちはだかる。

そのため、「ハードの障壁はソフトで補うため」もあり、車椅子ユーザーが入場した際にはスタッフ全員に車椅子ユーザーの入場がインカムで伝えられ、行く先々で対応できるよう準備するための情報共有するのだという。

活発な動きと看守る姿勢のバランスは今後、この行動を継続することで確実な知見となっていくだろう。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

アニメ化でさらに話題の『葬送のフリーレン』が少年漫画だと言い切れる理由

『葬送のフリーレン』という漫画をご存じでしょうか。今年の秋からアニメ化もスタートしたことで大きな注目を集めている作品です。今回のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』では、この作品がほかの王道路線とは異なっている少年漫画であることに着目しながら紹介しています。

『葬送のフリーレン』は少年漫画だと思うことについて

漫画『葬送のフリーレン』は、2020年から週刊少年サンデーで連載されている漫画作品である。2023年の秋からはアニメ化もスタートして、注目を集めている。

今回はこの『葬送のフリーレン』について触れてみたい。

■冒険譚の後のお話

『葬送のフリーレン』の世界観は、いわゆるファンタジーものである。魔王がいて、勇者がいて、エルフやドワーフなどの亜人種がいて、魔法がある。日本ではRPGでもよく使われているおなじみのファンタジー観だ。

ただしこの作品は、そうしたファンタジーの王道路線とは違っている。つまり、世界を恐怖に陥れている魔王を、勇者たち御一行が苦難の旅を乗り越えたすえに打ち倒す、という冒険譚ではない。

むしろこの作品はそうした冒険譚のアフターストーリーとしてはじまる。つまり、勇者が魔王を倒した後のお話だ。

そのようなポスト冒険譚の枠組みも、決して珍しいわけではない。同じく2023年にアニメ化された『Lv1魔王とワンルーム勇者』は世界を救った勇者が、平和になった世界で自分の居場所をうまく見つけられない葛藤を描いている。

メタファーで言えば、勇者とは打倒魔王の兵器であり、平和な世界に兵器は邪魔になるのだ。その兵器が強力であればあるほど、その反動として平和な世界では忌み嫌われる。そういうモチーフは近年の作品ではよく見かけるものである。

『葬送のフリーレン』は、ポスト冒険の物語ではあるが、そのような使命を果たした後の勇者の葛藤を描いているわけではない。そもそも主人公は勇者ですらない。勇者と冒険を供にしたエルフ。そのエルフこそが作品タイトルにも名前があるフリーレンである。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

ホンマでっか池田教授がパプリカやミニトマトを栽培しながら気づいた「人間の思い込み」

庭やベランダで植物を栽培する人にとって、避けられないのが害虫への対処。無農薬で野菜作りをする場合はなおさらで、CX系「ホンマでっか!?TV」でおなじみ、虫好きとしても知られる池田教授でも駆除しないわけにはいかないようです。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、パプリカの栄養価は皮より、中の種やワタの方が高いのかもしれないと考えた理由や、生物は適応度が大きくなるように進化するという学説への疑念など、趣味の野菜作りで、害虫たちと対峙しながら気づいたり考えたことを綴っています。

野菜栽培はやっぱり面白い

今年の夏野菜はミニトマトとパプリカとピーマンとトウガラシだけにして、他の野菜は作らなかった。いろいろな野菜を作るのは面白いのだけれども、コストパフォーマンスという点からは得意な野菜だけを作った方が収量は多い。

5つあるプランターにはミニトマトを植えて、丸いプラ鉢に「鈴なりパプリカ りんりん」と「鈴なりパプリカ らんらん」を1鉢に1つずつ植えた。これはミニパプリカで、りんりんは赤く熟し、らんらんは黄色くなる。この2つは去年成績が良かったので、庭にも2つずつ植えた。

さらに庭にはミニトマトを4つ、ピーマン2つ、タカノツメ2つ、「ガブリエル」という大きくなるパプリカの赤と黄を1つずつ、「香辛子・ハバネロインフィニティ」「姫トウガラシ」「たくさんとれて甘いパプリカ」を1つずつ植えた。園芸品種の名前は、適当に付けるのだろうが、特に、ミニトマトやパプリカの最近の品種名はおちゃらけているのが多いようだ。種苗会社が改良品種に勝手に名前を付けるのだろう。

ミニトマトについては前回書いたので、今回はパプリカ、ピーマン、トウガラシについて書こう。自宅の菜園では、これらの3種はミニトマトに比べて害虫があまり付かないのがうれしい。農薬は全く使わないので、害虫は目視で見つけ次第殺す(ミニトマトの収穫期がほぼ終わる頃付くクロメンガタスズメの幼虫だけは殺さない)。

自宅のミニトマト、パプリカ、ピーマン、トウガラシに付く共通の害虫はオオタバコガ(タバコガかもしれないが区別がつかない)の幼虫である。実(み)に小さな穴が開いているなと思って割ってみると、中の種やワタがすっかり食べられて糞に化けていて、中に丸々と太った幼虫がちゃっかり鎮座している。皮はあまり好みではないようで、外見は小さな穴が開いているのを除けば、正常な実と変わらない。

 

人間は、ピーマンやパプリカは、通常皮だけ食べて中身は食べないが、虫が好むということはきっと種やワタの方が栄養価が高いのだろう。実際調べてみると、ワタにはピラジンという血栓予防効果のある成分が多く含まれ、種にはカリウムが豊富だという。ただ苦いので、生で食べるのには向いてない。

小さい実に入ったオオタバコガの幼虫は暫くすると中身を食いつくし、実から脱出して別の実に潜る。だから、大きい穴と小さい穴が実に開いているものは、割っても、中身は糞だけで、もぬけの殻だ。最初の実を食いつくし次に移る時は無防備で、野鳥に食われる危険があるので、最初からなるべく大きな実を探して潜ればよさそうだが、そういうことはしないようだ。

虫は我々から見ると合理的とは思われない習性を持つものが多い。例えば、今年は10月になってからサンショウにアゲハの若齢幼虫が沢山付いていたが、不思議と葉が沢山ある大きな木よりも、貧弱な若木を好むようだ。10月の半ばに見つけたアゲハの若齢幼虫も貧弱なサンショウに20頭近くも群れていて、木に付いている葉っぱの半分くらいはすでに食われた後だった。

庭の反対側にあるもう少し大きなサンショウの木には全く幼虫がいない。母蝶は卵を産む時に、この木ではどのくらいの幼虫を養えるかといった計算はしないようである。女房は「これじゃ皆餓死してしまうよ」と、せっせと幼虫を大きなサンショウに移植していたが、1週間もしないうちにすべていなくなってしまった。野鳥に見つかって食べられてしまったのかしら。

そんないい加減なことをやっていても種は滅びないのだから、それでいいのだろう。動物の行動はすべて適応的にできているというのは、きっと人間の思い込みだな。オオタバコガの幼虫もガブリエル(大きなパプリカ)に潜り込んだものと、小さなパプリカやミニトマトやトウガラシに潜り込んだものでは親になれる確率が違うので、もしこういった習性に少しでも遺伝的因子が関与しているならば、自然選択の結果徐々に後者は淘汰されていなくなってもよさそうだが、そうならないところを見ると、生物は適応度が大きくなるように進化するという学説は眉唾かもしれない(最近『人生に「意味」なんかいらない』フォレスト出版という題の本の一章を割いてそういう話を書いた。2023年11月20発売)。

この記事の著者・池田清彦さんのメルマガ

全国で多発する「タイヤ脱落」事故。なぜ日本の整備現場から“プロ”たちが消えたのか?

近年頻発している自動車、特に大型車のタイヤ脱落事故。被害者が命を落とす痛ましい事例も多く報じられていますが、その原因はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合さんが、直接耳にしたという「整備現場の声」を紹介。さらに現在日本が見舞われている「現場の技術継承問題」を考察・解説しています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

日本で自動車の「タイヤ脱落事故」が急増中。もう整備現場に“プロ”は必要ないのか?いや、もういないだけ

「現場で技術移転できない、その土壌が崩れてきた」――。こんな話が聞かれるようになったのは、かれこれ10年ほど前です。

「技術を習得するには最低でも3年から5年はかかるのに、入社して1年も経たないで辞めてしまう」
「車に興味ある若者がいない。新人が集まらない」
「現場が高齢化している。人手が足りない」

などなど…。

私は“現場”が好きで、講演会やら取材やらで製造業の会社に行った時には必ず現場=工場を見学させていただきました。現場に立つと、そこに漂う「誠実な空気感」に感動するのです。「ああ、私たちの生活はここで毎日、作業着に身を包み、腹の底から真面目に働く人たちに支えられているのだな」と。

おそらくそんな私の経験と現場への思いが影響したのでしょう。今朝、「タイヤの脱落事故が相次いでいる」とのニュースを聞き、真っ先に頭をよぎったのが「現場の技術継承問題」です。

12月1日、青森県八戸市の八戸自動車道で、走行中の大型トラックから後輪の左側のタイヤ2本が外れて道路脇で作業をしていた32歳の男性会社員にぶつかり男性はその後、死亡し。同じ作業をしていた別の男性も軽いけがをしました。11月30日には、島根県浜田市の国道で走行中の大型トラックのタイヤが外れ、路側帯を歩いていた男性に衝突し男性が負傷。

いずれの事故も、冬用タイヤに交換したあとに起きたそうです。

実はタイヤがはずれる事故は、数年前から増えていました。例えば、国交省のデータでは、2019年度は112件で、前年より31件も増えているのです。

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