地に堕ちた信頼。三菱自動車の燃費不正問題を新聞各紙はどう伝えたか

4月20日に明らかになった、三菱自動車による燃費不正問題。同社はこれまでも、2度に渡るリコール隠しなどの不祥事も起こしており、企業体質が厳しく問われることになりそうです。ジャーナリストの内田誠さんはご自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ』で、この件についての新聞各紙の伝え方を分析・解説、さらに以前取材で訪れた三菱自動車で目の当たりにした「異様な光景」についても記しています。

各紙は、三菱自動車の燃費不正問題をどう報じたか

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「熊本地震『関連死』11人」
《読売》…「熊本『本震』も震度7」
《毎日》…「三菱自 燃費データ不正」
《東京》…「震度7は2回だった」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「避難生活 弱る体」
《読売》…「関連死 対策急ぐ」
《毎日》…「県外避難受け入れ」
《東京》…「心臓部の耐震確認せず」

ハドル

《毎日》の1面トップと《東京》の解説面が別テーマになっていますが、それ以外は熊本地震の続報になっています。これが最大のテーマであることに疑いはありませんが、実は、《毎日》だけが1面トップに持ってきた三菱自動車の不正かなり大きな問題です。各紙、関連記事を含めて大きく扱っていますので、きょうはいったん地震を離れ、こちらをテーマに選びたいと思います。

基本的な報道内容

三菱自動車は20日、軽自動車4車種で、燃費試験のデータを不正に操作していたと発表した。対象は4車種62万5,000台で、同社は該当する車種の生産を停止。国交省は愛知県岡崎市にある三菱自動車の技術センターへ立ち入り検査を始めた。

対象は、2013年6月以降に販売された「ekワゴン」「ekスペース」15万7,000台と、日産向けに生産した「デイズ」、「デイズルークス」の46万8,000台。

日産が測定した結果、三菱が示した燃費と7%ものズレがあり、三菱自動車の当時の部長が指示して意図的にデータを偽装していたことが判明した。

4車種はいずれもエコカー減税の対象で、今後、減税幅が小さくなる可能性がある。三菱自動車は、燃料代の補填などについてユーザーへの対応も検討するとしている。

企業文化の問題…

【朝日】は1面左肩に基本的な情報の記事を載せ、関連で8面に解説的な記事と社長会見での一問一答。頭を下げる会社幹部の写真。38面社会面には、ユーザーに視点を移した記事。対象4車種の写真が掲載されている。見出しを並べておく。

  • 三菱自 燃費不正62万台
  • 日産に提供含め4車種
  • 三菱自 ダメージ必至
  • 軽、国内生産・販売の柱
  • 燃費データ不正
  • 「数字を操作したのは確か」
  • 「規範順守徹底 難しさ痛感」
  • 三菱自 また背信
  • 「よく見せるため」
  • 過去には不祥事隠し

uttiiの眼

8面の記事は、2000年のリコール隠し発覚で悪化した経営を、三菱グループの支援とアジアでの好業績で立て直してきた同社が、再び経営危機に陥ることを予感させる内容。背景には、日本で売れる自動車の4割を占める軽自動車、その市場獲得をめぐって展開される各メーカー間の激烈な「低燃費競争があるという見立ても、おそらくは当たっていよう。先日のフォルクスワーゲンの排ガス規制に関わる不正の際も、日本の消費者の対応は峻厳で、売り上げが大幅に落ち込んだことを考えれば、この先の社内外での調査がどのような方向に進むにせよ、三菱自の未来は明るくないだろうと思われる。

私もリコール隠し発覚から数年後に同社を取材したことがあった。ある企画の準備的な取材で、開発担当の社員数名と面談したのだが、実に不思議な思いを抱いて同社を後にした覚えがある。取材内容はここに書くわけにはいかないが、社員たちはこちらの質問に答えることよりも、自社ブランドへの誇りと忠誠を口にすることに忙しく、「僕たちにはやっぱり三菱DNAがあるんだよねと嬉しそうに頷き合う始末。唖然とさせられた記憶がある。

誇り高く仕事に邁進していただいていればこんなことになるはずもなく、これでは「三菱DNAとは不正の伝統」に他ならなかったのではないかと言わなければなるまい。

38面記事。不正のカラクリは意外に単純だった。燃費計算の前提となる走行抵抗値(走行時の転がり抵抗と空気抵抗の値)を、燃費が高く見えるように不正に操作したということだが、これは複数のデータのうち、中央値を使わず、高燃費が出る数字を使ったということのようだ。

三菱自動車は2000年と2004年に大規模なリコール隠しが発覚。死亡事故も起きていた。2012年にはやはりリコールに消極的だったとして国交省から厳重注意を受け、軽自動車176万台のリコールに発展していた。そして、「今回の不正はその半年後にはあったことになる」と。自動車アナリスト中西孝樹さんは「…企業文化や体質の問題としか言いようがない」と切って捨てている。全く同感だ。

オバマが広島で謝罪すると日本は不利になるという「逆説的論理」

開催が迫る伊勢志摩サミットでの来日時に、オバマ大統領が広島平和記念公園に献花を行うのではないかと噂されています。米国の大統領が原爆の責任を認め謝罪するということがあれば、被爆国である日本としては喜ばしいことにも思えますが…どうやらそうでもないようです。 戦略学者の奥山真司さんは、自身のメルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』で、米国大統領が原爆投下を謝罪してしまうと、日米の歴史問題が逆に悪化する可能性があると指摘しています。

オバマは広島で謝ってはダメという「パラドキシカル・ロジック」

おくやまです。今回は来月開催される伊勢志摩サミットについて一言。

すでにご存知かと思いますが、アメリカのケリー国務長官(米国の外務大臣に相当)が、米国政府の閣僚としては初めて、広島原爆平和記念公園に献花をしました。これは非常に画期的なことで、おそらく来月のオバマ大統領も広島に来るのではという予測と期待も同時に高まっております

日本国内の受け取り方もおしなべて好意的でして、実際の謝罪の言葉はなかったのですが、それでも献花してくれたという行為だけで十分意図は伝わってきたという感覚がありました。

そしていよいよ来月のサミット前後のオバマ大統領の献花が行われるかどうかですが、ここで私は読者の皆さんに冷静になって考えてみて欲しいことが1つあります。それは、オバマ大統領が原爆投下を謝罪したらどうなるか、ということです。

「いやいや、これはこれでいいことじゃないの?」という方は多いと思いますし、私もこれが良いことを否定するつもりは毛頭ありません。1人の日本人として、アメリカの大統領自身に広島という象徴的な場所に来てもらって(ほぼ戦争犯罪というべき)原爆投下を謝罪してもらえば、十分よくやってくれたと言いたいわけです。

ところがこのオバマ大統領の謝罪に関して、私には大きな懸念があります。というのも、そのアクションにはリアクションがつきものだからです。

16-4/12 The Federalist The Obama Administration Is Now Apologizing For America Winning World War II

たとえばこの記事などはアメリカの共和党系の保守派の人の意見なのですが、その内容を簡単にいえば、

「おいオバマ、俺たち悪くないし、日本も謝罪を十分にしていないのに勝手に謝罪してんじゃねぇぞコラ」

というものです。

世界の新たなブームは抹茶。「高くても日本産のMATCHAがいい」

日本人が鎌倉時代から飲んでいるという抹茶が、最近は世界中でブームだというのです。都市部には抹茶カフェがオープンし、抹茶の入れ方を説明する英語サイトも増えてきました。抹茶ファンが増える中、「高くても日本産の抹茶がいい」という声も聞こえてきます。

世界中で「抹茶ブーム」が到来!

緑茶の一種である抹茶にはカテキンカフェインミネラルなどの様々な成分が含まれており、高血圧抑制老化抑制糖尿病予防などに効果的であるといわれています。

最近では、こうした抹茶の効果が海外でも知られるようになり、スーパーフードとして認知されているようです。

以前なら、Green Tea(緑茶)という言葉で一括りにされていましたが、いまではMatchaという言葉でも通じるようになってきました。

ニューヨークの抹茶ブームの火付け役になったと言われているのが「MATCHABAR」(マッチャバー)。

マックスさんとグラハムさんの兄弟コンビが2014年にオープンした抹茶カフェです。

しかも、抹茶はお茶の産地である愛知県西尾市から取り寄せているという本格派。

ただ抹茶商品を売るだけではなく、お店のサイトには抹茶の効用を詳しく伝えるページ「MATCHA101」もあります。

もっとディープに知りたいという希望者には、抹茶についての特別なプライベートレッスンも開くそうです。

ちょっと受けてみたいですね。

 

 Image by: Instagram(@matchabarnyc

アメリカだけではありません。

先日、オーストラリア・メルボルンにも初の抹茶カフェがオープンしました。

その名も「Matcha Mylkbar」。

7種類の抹茶ドリンクだけでなく、抹茶を使ったパンケーキブリオッシュなども提供し、全メニューベジタリアンとのことです。

VOGUEによると、このカフェは抹茶パウダーをオンラインで売っている「MATCHA MAIDEN」が経営しています。

もともと日本に旅行した際に見つけた抹茶のヘルシーさに感激してカフェ文化が根付いているオーストラリアにチャンスを見いだしてオープンしたとのこと。

抹茶のパンケーキに、抹茶スムージー。

なんだか美味しそう!

 

 

 Image by: Instagram(@matcha_mylkbar

その他、オンラインメディアでも抹茶の美味しい入れ方や、抹茶の効能など、たくさんの記事が見られます。

女性専用車両、豪で導入めぐり議論「被害者側がなぜ閉じ込められるのか」

日本ではすっかり一般的な存在となった女性専用車両。海外でもイラン、インド、エジプトなどで導入例があるが、「自己責任」や「ジェンダーフリー」の文化が浸透している西欧社会からは、成功例が聞こえてこない。そんななか、今、オーストラリア・シドニーの地下鉄で導入の是非が議論されている。英デイリー・メール紙によれば、やはり反対意見が優勢なようで、有名なフェミニストからも「逆に男性を隔離する車両を用意した方がいい」などと皮肉られているという。ドイツでも先週、地方鉄道路線での導入が発表された。こちらは移民問題が絡む複雑な事情を抱えているようだ。日本では定着した「女性専用車両」だが、両国ではどのように捉えられているのだろうか。

豪世論は「男性専用車両こそ必要」

日本以外で女性専用車両が導入され、ある程度受け入れられているのは、メキシコ、エジプト、インド、イラン、ブラジルなど。一方、欧米先進国での実績は皆無だ。イギリスでは、1874年に導入されたが、利用率が限りなくゼロに近く、長年にわたって有名無実化していた(1977年に正式に廃止)。昨年、野党労働党の党首選に絡み導入の議論が再燃したが、今のところ実現には至っていない。

イギリスでの議論は「導入せず」の方向でいったん収束しているが、今度は南半球に討論の場が移っている。3年前から女性専用車両の導入を検討してきたシドニーの公共交通機関の労組が、ここに来て実現を強く推す考えを示しているのだ。現地当局によれば、昨年9月までの1年間で、シドニーの鉄道関連施設内で女性6人、男性6人が重大な性犯罪の被害を受けたという(デイリー・テレグラフ)。より軽微なわいせつ行為の被害は女性142人、男性24人。労組の取りまとめでは、2012年からの3年間で女性に対する暴行事件が2859件あったという。労組のトップはこれを危機的な状況と見て、「女性と子供が安心できる空間を提供しなければならない」とメディアに語っている。その提案内容は、午後8時以降の夜間に限って女性専用車両を運用するというもので、非常ボタン・監視カメラの増設と駅員による巡回の強化も盛り込まれている。

しかし、この提案、市民からは総スカン状態のようだ。デイリー・メールに至っては、「通勤客とフェミニストを含むあらゆる層から批判されている」と記す。オーストラリアで有名なフェミニスト・作家のエヴァ・コックス氏は、皮肉を込めてテレグラフに次のように語っている。「女性を特別車両に閉じ込めるより、酔っ払って不穏な空気を出している男たちを専用車両に隔離した方が良いでしょう。潜在的な犯人を閉じ込めるか女性から離す方が、よほど効果的」。男性側も辛らつだ。現地ラジオ・パーソナリティーのベン・フォーダム氏は「俺みたいな男から女性を守るというこのアイデアは、カンペキにバカげている」と皮肉った。オーストラリアでは、“隔離”が多くの人に屈辱的な仕打ちだと受け止められているようで、犠牲者側の女性たちに屈辱を強いるのではなく、「代わりに男性専用車両を作ればいい」というコックス氏と同様の意見が多くのコメンテーターから上がっているという。

ドイツの「女性専用車両」は移民対策?

「世界中が狂ったのか?オーストラリアだけなのか?」という声も報じられているが、どうやらドイツがその一歩先を行きそうだ。先週、地方鉄道会社のMitteldeutsche Regiobahn(中央ドイツ・レギオバーン)が、主要路線のライプチヒ―ケムニッツ線で、車掌室に隣接して女性専用車両を設けると発表。「単独の女性客や小さな子供を連れた女性を守るため」としており、10歳までの男児も乗車できるとしている。

複数の英メディアは、この時期にドイツで馴染みの薄い女性専用車両の導入が決まったのは、「移民による集団性暴行事件」の影響だと報じている。昨年の大晦日、西部ケルンの中央駅で、アルジェリア系・モロッコ系が中心と見られる男たちの群衆(1000人とも言われる)が、道行く女性の体を触るなどの狼藉を重ねたとされる事件だ。

そのなかで、先週、この大晦日事件初の逮捕者が出た。レギオバーンの女性専用車両導入の発表は、この逮捕劇の直後だったため、「鉄道会社が事件への対応に乗り出した」という論調で報じられる結果となった。ただし、英インデペンデント紙によれば、同社は公式に事件との関連を否定し、広報担当者は単に「女性や子供の安全確保のため」としか述べていない。かつてユダヤ人に対して人種隔離政策を行い、鉄道輸送力をフル活用して強制収容所に送った歴史を持つドイツでは、デリケートな人種問題が絡む「移民」と「女性専用車両」を公式に結びつけて語るのは難しいであろう。市民の反応も、「黙して語らず」といったところか。

日本在住の外国人は歓迎

オーストラリア、ドイツ両国で今後女性専用車両が普及するかは未知数だが、日本のように常識に近い形にまで広がることは、当面はないであろう。では、日本通の欧米系の外国人は一様に否定的かというと、特に女性はそうでもないようだ。英インデペンデント紙の東京在住経験のある女性記者は、昨年夏に発表された記事で「短期的には(痴漢被害防止の)有効な解決策」と、日本の女性専用車両を肯定的に書いている。

日本在住歴20年のニュージーランド人女性、ルイーズ・ジョージ・キッタカさんも、在日外国人向けの情報サイト『Gaijin Pot』に、日本の女性専用車両を紹介するブログ記事を寄せている。ルイーズさんは、日本の女性専用車両は歴史が古く、早くも1912年には東京の中央線に登場したと紹介。当初はあまりの混雑により女性や子供が体力的に乗車できない事態に対処するためだったが、近年の女性専用車両は「痴漢被害防止」という別の目的で導入されているとしている。

ルイーズさん自身は明確に賛否を示していないが、年頃の娘を持つ日本人女性と横浜在住のサラさんという「ブロンド女性」の肯定的な意見を紹介している。電車通勤するサラさんは、「あれば必ず女性専用車両に乗る」という。過去に痴漢被害に遭ったことがあり、「あのおぞましい目には二度と遭いたくない。痴漢のリスクを最小限にするためなら、なんでもやる」と、女性専用車両を活用しているのだと語る。ルイーズさんは、「男性が全員痴漢予備軍扱いされている」という外国人男性の不快感も紹介しているが、こうした見方は女性専用車両の充実がますます進む日本では、広い支持は得られないだろうとしている。

(内村浩介)

 

【関連記事】

【熊本地震】割れたマンションの“壊れて問題ない説”に専門家が反論

絶え間なく報じられる熊本地震に関するニュース。倒壊した建物の映像が、その被害の甚大さを物語っています。中でも特に注目されたのがTwitterに住人が投稿した「割れたマンション」の画像。専門家は問題ないと言いますが、実際のところはどうなのでしょうか。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で、マンション管理士と一級建築士の資格を持つ廣田信子さんにお聞きしました。

エキスパンションの破損は被害とは言えない?

こんにちは! 廣田信子です。

熊本地震から1週間が経過しました。その後に発生した地震が実は本震だったということで、被害が拡大し、胸が痛みます。被災者の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。寄付ぐらいしかできない私ですが…。

実は、今週、のんきに地震以外のことを書いている場合? と思いつつ、いざとなると、何も言葉が出ませんでした。テレビをつけると流れている被害の状況に、何とも言えない気持ちになり、東日本大震災直後の感覚が蘇りました。

戸建住宅が無残につぶれている映像からは、直下地震の怖さをまざまざと見せつけられました。古い耐震性のない家で暮らす高齢の方が犠牲になっています。介護が必要な家族を抱え、避難所に行けなかった人もいます。

マンションでも、1階ピロティの駐車場がぐちゃっとつぶれている映像はショックで、阪神淡路大震災を思い出させられました。座屈した柱をみると、本当に華奢で、帯筋も少なく、真っ先に耐震改修が必要な構造のマンションだったように思います。

通路のエキスパンションがすべて破断しているマンションも見た目のインパクトが大きいので、いろいろなメディアで取り上てられていました。この建物と建物のつなぎ目は、力がぶつかりやすく、大きく破断しますが、そこで力を吸収するようにできているので、ある程度は仕方がないことなんですが…。

この壊れ方は、ちょっとその域を超えていて、住民はさぞ、恐い思いをしたことでしょう。主要構造部の損傷ではないから大丈夫といって、余震が続く中、このマンションの住民の方々は、自宅に留まっていられるでしょうか。

これに対して、一部の専門家が、「エキスパンションは壊れて当然で、設計通り壊れただけ。マスコミはわかっていない」というコメントをしています。こういう専門家の、壊れても当然発言は、マンション住民にかなりショックを与えるもので東日本大震災のときもありました。

ホンモノ以上の実写感。孤高の天才画家、伊藤若冲の数奇な人生

京都は古くから日本の芸術、文化の中心地であり、多くの歴史的な芸術家を輩出しています。その中でもとりわけ「天才」と評される、伊藤若冲という画家をあなたはご存知でしょうか? 今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、世俗を離れ、ただ絵のために生きた孤高の天才画家・伊藤若冲の生涯を紹介しています。実物よりも気迫を感じさせる絵画に、あなたも虜になること間違いなしです。

錦市場が生んだ天才画家「伊藤若冲」

現代のアートやデザインに多大なる影響を与えた江戸時代中期の超絶技巧の画家・伊藤若冲(じゃくちゅう)。生前の若冲は人気も知名度もありましたが明治以降忘れられがちな存在になりました。大正、昭和の時代に研究が進み、1990年代後半以降その超絶した技巧や奇抜な構成などが再評価されるようになりました。特に、アメリカ人収集家ジョー・プライスのコレクションにより飛躍的にその知名度と人気が高まりました。

2000年に京都国立博物館で開催された大回顧展でその人気は急上昇し現在もそのブームは続いています。今では商品のパッケージのデザインなどに採用されるなど、若い世代を中心に絶大な人気を誇っています

そんな若冲は今年で生誕300年。今週末4月22日)から上野の東京美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催されます。期間は4月22日(金)から5月24日(火)までの約1か月間です。詳しくは公式ホームページをご覧ください。

生誕300年記念 若冲展

若冲の生涯

1716年、八百屋や魚屋が軒を連ねる京の台所・錦市場の青物問屋の長男として生まれます。今でいう八百屋の家に生まれたことは後の彼の作品に少なからず影響を及ぼすことになります。

父が没した後家業を継ぐことになります。若冲は内向的な性格だったらしく享楽的な生活を送るようなことはなかったようです。彼には絵を描くことが人生の喜びの全てで、芸事にも酒にも女遊びにも全く興味がなかったそうです。俗世への欲のみならず、家業である商売にもあまり関心が持てず、頭の中は常に絵筆を握りたいという思いが強かったようです。

若冲は家業を続けながら30歳を過ぎてから絵を本格的に学び始めました。時は江戸時代中期、若冲は当時画壇の主流だった狩野派の門を叩きます。しかし、狩野派を学んでも自分の画法を築くことは出来ないと考え独学で腕を磨くことを心に決めます。幸い京都には主に中国の名画を所蔵する寺が多いので、模写の為にあらゆる寺社に足を運びました。

絵にかける思いは募りいつしか若冲は店を他の者に任せて丹波の山奥にこもります。40歳を目前にして弟に家業を譲って隠居し、弟はそれを受け入れ兄を経済面で支え続けました。

散りゆく若者たちを見送り続けた「特攻の母」と、季節外れの蛍の物語

鹿児島県南九州市知覧町。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』で紹介されているのは、かつてこの町にあった小さな食堂の物語です。「特攻隊員」として散りゆく運命にある彼らを、私財を投げ打ってわが子同然に可愛がった女主人・鳥浜トメ。4月22日は彼女の命日にあたります。トメが笑顔で接し、そして最期は涙で見送った青年たちの一生とは、一体どんなものだったのでしょうか?

人物探訪: 特攻隊員の母、鳥浜トメ~蛍帰る

ラジオが9時を告げて、ニュースが始まった。その時、わずかに開いた表戸の隙間から、1匹の大きな源氏蛍が光る尾を引きながら、すーと店に入ってきたのであった。娘たちはほとんど同時に気がついた。

「お母さーん、宮川さんよ。宮川さんが帰ってきたのよ」

娘たちの叫びに、奥から出てきたトメは娘たちの指さすほうを見た。暗い店の中央の天井。その梁にとまって明るく光を放っている蛍を見つけた時、トメは息が止まるかと思った。部屋の隅にいた兵士たちも集まって、蛍を見上げた。「歌おう」とだれかが言った。みな肩を組み、涙でくしゃくしゃになりながら、「同期の桜」を歌った。歌はトメの好きな第3連に進んだ。

貴様と俺とは 同期の桜
離れ離れに 散らうとも
花の都の 靖国神社
春の小枝で 咲いて逢うよ

おれ、この蛍になって帰ってくるよ。

昭和20年6月6日、鹿児島県は薩摩半島の中程、知覧町にある富屋食堂でのことである。知覧で出撃を待つ特攻隊員たちはこの食堂に出入りし、なにくれと世話をやく女主人鳥浜トメを母親のように慕っていた。明日は死に行く少年たちのために出来ることと言ったら、母親代わりになって優しく甘えさせてやるしかない、そう思ったトメは私財をなげうって、特攻隊員たちに尽くしていた。

その前日、6月6日は宮川三郎軍曹の20歳の誕生日であった。トメは心づくしの料理を作って、誕生日を祝うと同時に、明日に控えた出撃のはなむけとした。途中、空襲警報が鳴って、みなで防空壕に入る。防空壕の中で、宮川は幽霊のまねをして、トメの娘礼子たちを怖がらせた。

防空壕を出ると、星のない暗い夜がそこにあった。街の灯りも灯火管制のために消されている。食堂の横には小川が流れ、藤棚とベンチがしつらえてある。漆黒の闇の中、小川の上を大きな源氏蛍が飛び交っていた。宮川の声がした。

「小母ちゃん、おれ、心残りのことはなんにもないけれど、死んだらまた小母ちゃんのところに帰ってきたい。そうだ、この蛍だ。おれこの蛍になって帰ってくるよ

「ああ、帰っていらっしゃい」とトメは言った。そうよ。皆川さん、蛍のように光輝いて帰ってくるのよ、と心の中で言った。宮川は懐中電灯で自分の腕時計を照らして言った。

9時だ。じゃあ明日の晩の今頃に帰ってくることにするよ。店の正面の引き戸を少し開けておいてくれよ」

「わかった。そうしておくよ」とトメが答えた。

「おれが帰ってきたら、みんなで同期の桜を歌ってくれよ。それじゃ、小母ちゃん。お元気で」

トメには別れの言葉がない。死にに行く人を送る言葉なんてこの世にあるのだろうか。宮川軍曹の後ろ姿は暗い夜道に消えていった。

美人エッセイストも敏感に反応。さすがはジャガー!のニクい仕掛け

 『写真と動画も楽しめる マニアック情報満載カーマガジン AutoProve』で人気の美人エッセイスト・吉田由美さん。毎回女性ならではのレビューを寄せてくださる吉田さんが今回試乗したのはジャガーXFですが…、このクルマには彼女をドキドキさせる、ニクい演出があったといいます。いったいどんな!?

 

ジャガーXFがフルモデルチェンジ!

ジャガーのクルマと言えばこのところ、アルミニウムをふんだんに使った軽量モノコックボディや、イアン・カラムのクーペライクなシュッとしたデザインでちょっと垢抜けた感がありますが、今回の新型XFもそんな感じ。

ただ……どのモデルを見てもジャガーとわかる一方で、デザインが共通しすぎて車種の違いが分かりにくいと思うのは私だけでしょうか?

 

 

今回の「XF」の試乗会では、同時に「XE」に追加されたディーゼルモデルも試乗しました。確かに言われてみるとエアインテークのデザインなどで横に並べると違いは判りますが……単体だと今ひとつわかりにくいかも。

自衛隊員宛の子どもからの手紙に感動の声!「涙出た」「素敵な手紙」

熊本地震における災害派遣活動が続く中、自衛隊員宛に子どもたちが手紙が届き、その内容が感動を呼んでいる。

陸上自衛隊の公式アカウントがツイート。熊本地震により被災した熊本県西原村の子どもたちが自衛隊員に宛てて送った手紙のようだ。

がんばり賞

みなさんは、わたしたちみんなのためにおふろやご飯をがんばって作ってくれたのでここにがんばり賞をしょうします。

平成二十八年四月十九日
西原村の子どもたち
これをかいただいひょう

自衛隊のみなさんへ
いつもご飯やおみそしるを作ってくださってありがとうございます。おふろの湯もあたたかくて、とてもきもちいです。とてもやさしくて、かっこいいとわたしはおもいます。夜おそくまではたらいているみなさんをわたしはそんけいしています。これからもがんばってください。

西原村は4月16日未明の地震によって、多くの家屋が倒壊した。とくに風当地区は、9割の家が被害を受けたと見られている。

この手紙の内容を受けて、Twitterでは「素敵な手紙ですね」「涙出た」「子供たちにとっては最高のヒーロー」「目頭が熱くなりました」といった熱いツイートが見られる。
 

(※↓詳しくはコチラへ)
参照:NHK NEWS WEB/熊本西原村 9割の家が全半壊した集落では
関連:陸上自衛隊Twitter
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供:ViRATES

 

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プロの家庭教師が伝授、子供の脳に刺激を与える「やる気」ひきだし法

中学の三年間というのは、人生を左右するとても大切な時期でもあります。もちろん勉強だけが全てではないけれど、無料メルマガ『中高一貫校に通う「中学生」の過ごし方<主に保護者対象です>』の著者でプロの家庭教師・岡本雅博さんに中学生の勉強のコツと意外とおざなりになってしまいがちな通学時のマナーについて教えていただきました。

「宿題」をやるペース

学校によって宿題の量は全く違います。

宿題量が少ない(多くない)学校に通われている方は、できればCD付きの英単語英熟語を先に進めておきましょう。単語・熟語はいくらあっても困りません。システム英単語ユメタンなどどれでも結構です。(高3までに6000語レベルまでもっていきたいところですね。どの大学にも対応可能なレベルです)

何度も繰り返し発音を行い、あまり頑張りすぎずに「続けることを意識してください。私自身も現在フランス語の学習を始めていますが、やはり発音から入るのが一番長持ちすると感じています。ガリガリ勉強するだけでなく、ペラペラ口に出しましょう。発音しているうちに、いつの間にか覚えていく単語もありますので、「続きやすい」ですよ!

また、理数系が得意な方教科書の先取りをしても良いですし、「最高水準問題集」や「高校への数学」シリーズで興味があるものを少しやっておきましょう。中間テストなどで、たまに「実力問題」が出題されますので、その対策にもなるかと思います。学校の先生方は大変お忙しいため、なかなかオリジナルの問題を作ることができないようです。授業では「オリジナルだよ~」とおっしゃっている場合でも、実は古い問題集や他の学校で使っているテキストなどから抜粋されていることがありますよ。

もし余裕があれば、そこまでやってみましょう。

「暗記モノ」の勉強法紹介

暗記モノは学校から帰ってきたら、なるべく早めに1回覚えてしまう(あるいは電車内でやってしまう)ことをおすすめします。完成度は100%でなくて構いませんのでまず全体を1回覚える。そして、その日の寝る前にもう1度覚えることで、「2回分」やったことになります。

この勉強法が良いのは、1回目を最初にやることで、どれくらい頑張れば良いか「全体像」が何となく分かることです。「全体像」がわかっていると、2回目にどれくらい時間がかかるのかが大体予想できますので時間配分しやすくなります

また、1回目で覚えた後「忘れそうになっている時」に2回目の復習がきますので、記憶がとても定着しやすくなります。人間「忘れそうになっている時に復習するのが一番定着します。私の経験でも「忘れた頃にやる」というのは本当に効果的ですよ。そしてさらに、その状態で寝れば、睡眠中に脳が勝手に情報整理してくれますので、さらに記憶が定着するでしょう。多少詰め込みでも構いませんので、寝る前にやるのがおすすめです。

もちろん人によって繰り返す回数はバラバラです。2回で十分な人もいれば、5回やってちょうど良いという人もいます。3回目、4回目が必要であれば適宜増やしていきましょう。目標点数(今は9割~満点が目安)を取れるまで、繰り返すことが大切です。

たとえ小テストが1週間先でも、とにかく宿題が出たその日のうちに2回は回して「全体像」を把握してください。
一番良くないのはテストの前日だけやろうとすることです。一夜漬けでは全く定着しませんので、たとえその小テストで合格点が取れても後々苦労するパターンです。