矢野財務次官の大罪。保身確保の駄文に「吉田松陰」の言葉を使う無礼

先日掲載の「逆らう政治家は吊し上げろ?財務省『バラマキ批判』発表の大勘違い」では、財務次官による与野党の政策論争批判論文の内容や発表のプロセスについて強く批判した、京都大学大学院教授の藤井聡さん。その論文内にはまた、藤井さんが看過できない記述も見受けられたと言います。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では藤井さんが、次官が「やむにやまれぬ大和魂」という言葉を用いたことを大罪と断言した上で、その理由を綴っています。

【関連】逆らう政治家は吊し上げろ?財務省「バラマキ批判」発表の大勘違い

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2021年11月20日配信分の一部抜粋です)

 

長州出身の矢野次官がバラマキ批判で吉田松陰の「やむにやまれぬ大和魂」という言葉を使った事は許されざる「大罪」

この度、当方が編集長を務めております保守思想誌『表現者クライテリオン』が主催するシンポジウムが神戸・湊川神社で開催されました。当日は100名以上の聴衆の方にお集まりいただき、大盛況の内に終えることができたのですが、このシンポジウムの前に編集部、スタッフ一同、シンポジウムの成功、ならびに言論活動の旺盛なる発展を祈念して、湊川神社にお参りいたしました。

湊川神社とは、楠木正成公がお祀りされている神社です。当方この度始めてお参りすることができたのですが、大変有り難いことに湊川神社の宮司に神殿で祈願いただいたのみならず、境内を丁寧にご案内いただきました。

楠木正成公は若き頃に後醍醐天皇に謁見した折りに、陛下を生涯守り抜くと決意します。その後、後醍醐天皇は北条率いる鎌倉幕府によって隠岐の島に流罪となるのですが、楠公はその醍醐天皇を救い出さんがため、あらん限りの知と情と意の力を用い僅かな軍勢にも関わらず千早城、赤坂城の戦いを経て幕府軍を打ち破り、後醍醐天皇の復権を成就させます。

しかしながらその後、足利尊氏が後醍醐天皇を裏切り、再び失脚に追い込まんとするのですが、楠公は後醍醐天皇の再復権を企図し、10万の軍勢で攻めあげてきた足利氏を僅か700の手勢で迎え撃ち、壮絶な戦いの末あえなく敗れ、最期に「七生までただ同じ人間に生れて、朝敵を滅さばやとこそ存候へ」(七生報国)という言葉を残し、自刃したのでした。

当方、小学校の4、5年頃、楠木正成公のこうした生涯が描かれた歴史的戦記物『太平記』を読み、楠木正成公の勇気と胆力、知力と情念、そしてその生き様死に様に表れ出でる誠の忠心に、稚拙と言う他なき幼き身ではあるものの大いに感銘を受け、生きるに足る人生とはかくなるもの也との大きな感化を受けたのでした。

そんな当方にとってみて、今回の湊川神社参拝は大変に印象深く、意義深いものとなりました。楠木正成公の生涯に改めて思いを馳せつつ斯様な楠木氏の生涯に、様々な歴史上の偉人達が大きな感化を受けている史実を知り、その偉大さを改めて認識したのでした。

中でも特に印象深かったのが、かの吉田松陰がおそらくは当方が感じたものと同種のものであろう感化を楠木正成公から大いに受け、(同じく同種の感化を受けたであろう)水戸光圀公が建立した楠木正成公の墓碑に四度、お参りしていたという事実でした。

長州から神戸までの何百キロにも及ぶ遠大な距離を歩いて移動するしか無い江戸時代に幾度も往復するなど、吉田松陰の楠木正成公に対する思いの並々ならぬ大きさに改めて深い感銘を受けたのでした。

 

ゼットスケーラー日本・アジア代表が伝授「図だけで判る財務会計」とは

会社経営に直接携わっている意識のない社員にとっては不必要とも思われる「財務会計」の知識ですが、むしろ現場の人間こそ身につけるべきもののようです。毎回、MBA(経営学修士)の経営フレームワークを身につける機会がないビジネスマンに、低コストで実践的に学習する環境を「動画」と「テキスト」で提供するメルマガ『金田博之のMBA実践メルマガ~ゼットスケーラー日本・アジア代表が動画と教材で教える経営フレームワークのすべて』では今回、クラウドセキュリティ業界を牽引する「ゼットスケーラー株式会社」の代表取締役を務める金田博之さんが、外資系企業の経営を通じてそう考えるに至った理由を解説。さらに「財務会計」について、ごく簡単な図を用いつつ分かりやすくレクチャーしています。

【緊急告知・LIVE配信のお知らせ】

 

ゼットスケーラー日本・アジア事業責任者、金田博之さんがオンラインで無料勉強会を開催します。 これまで有料で開催してきた勉強会を無料公開。この機会にぜひご参加ください。

 

テーマ:【図だけでわかる会計】 難しい財務会計をざっくり理解する方法とは?

日時:2021/12/11(土)10:00開講予定

 

視聴はこちらから。

 

図だけでわかる会計:難しい財務会計をざっくり理解する方法とは?

まえがき

今月は会計をテーマに話をしていきます。

本題の前に、私の経歴をお話させていただきますと、これまで様々な修羅場や失敗体験はありましたが、現在はZscalerという外資系企業の代表取締役を努めています。

そして前職でもLivePerson、こちらも外資系企業で、その代表取締役を努めていました。

代表取締役なので、主な仕事は経営です。経営と会計は切っても切り離せない関係にありますが、今外資系企業の経営をやっていて思うのが、現場のプレイヤーも会計の知識を身につければ、視野が広がってもっと高いパフォーマンスが出せるのではないかというところです。

という背景から、このMBA実践メルマガを通してぜひ知っていただきたいと思い、カリキュラムのひとつに選びました。

このメルマガでは基本的に会計用語を使わず1枚の図で説明し、お金の流れを体系的に理解することを目標としています。

事業にとって大切なお金の動きだけに着目し、減価償却とか、ややこしい専門用語の理解は不要という考えで進めていくので、どうぞみなさん身構えずに軽い気持ちで読んでください。

財務会計用語は難しい

それではここから本題に入っていきますが、まずは、なぜアカウンティングを学ぶのかについてもう少し詳しくお話しておきます。

学ぶ目的は、会社の動きを数字で理解する、大事な意思決定の場面で、感覚ではなく数字を元に判断できるようになること。

会社の数字、お金の流れがわからなければ、会社の動きは読めません。

しかし、ほとんどの人は財務会計のことが全くわからないまま仕事をしています。

その主な理由の1つが、会計用語が難しく数も多いため、正確に理解することが困難だからです。

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貸し方/借り方、引当金、仮受金、税引前当期純利益…

他にも挙げればキリがありません。

ですが、私はこれら会計用語がわからなくても、お金の流れさえ理解していればとりあえずは大丈夫だと考えています。

というわけで、今回は財務諸表をざっくりとお金の流れで理解する、図でイメージを掴むことをメインにお話していきます。

 

なぜ「女子大生社長」は日本の農業を救うきっかけを作ったのか?

 衰退の一途を辿っている日本の農業ですが、農家の人々の高齢化や後継者不足によって、さらに危機的状況に陥っていくと言われています。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、ある女子大生社長が「農業を始める人を増やしたい」という思いで始めた事業について紹介しています。

衰退する農業を復活させるのは、「支援」ではなく「自立」

農業人口が毎年減少し続けています。従事者の高齢化及び後継者不足により、耕作放棄地も増えています。農家の平均年齢は67歳。その中で、10~20代の人はわずか1%。このままでは、日本の農業は危機的状況に陥ってしまいます。

政府や地方自治体も取り組んではいるものの、就農支援など、あくまでサポートのみで、積極的に改革する策は持ち合わせていません。この先、農業国ではなくなり、輸入に頼るようになってしまうのでしょうか。

そうなることは避けなければなりませんが、いま、ほんの少しだけ、光が見え始めています。

農家は減っているものの、就農する人がいないわけではありません。農業をやりたいという人や事業の多角化で参入する会社もあります。その中のひとつが、日本農業株式会社。少しレトロな社名ながら、創業10年のベンチャー企業です。当時女子大生だった社長が、「農業を始める人を増やしたい」という思いから、立ち上げました。

まずは、売れる農産物を考えることから。これからは、安全・安心なものが求められます。つまり、無農薬。手間ひまは掛かるものの、これをやり遂げなければ、農業及び自社の発展はないと考えたのです。

良い作物ができるまでに何年も掛かりましたが、ようやく売れるものができ、百貨店やスーパーに置いてもらえるように。しかし、そこに並ぶのは、大きくてカタチの良いものばかり。日本の消費行動の問題点なのですが、いまだ改善されない宿命のようなものです。

では、大きさやカタチによる規格外のものをどうするか。自分たちで、消費者に直接売ることを考えたのです。イベント的ではありますが、定期的に「マルシェ」を開き、仲間の農家と一緒に野菜を販売することにしました。これで、作物のロスは無くなり、経営的にも安定します。

しかし、これだけでは終わりません。社長の目標は、「農業を始める人を増やすこと」。自社の事業が安定するだけでは、目標には届きません。そのためには、“売れる農業”を創造する必要があります。

収穫できた野菜をすべて出荷でき、収入を向上させ、「やる気」「やりがい」を生み出すこと。魅力があれば、就農者も増えます。

問題となるのは、野菜の付加価値。野菜が持つ魅力のすべてを引き出すことで、収益性を高めることができるのです。

本屋に並ぶ「藤井聡太のような天才を育てる本」は読む必要がないワケ

将棋の藤井聡太竜王が最年少で多くのタイトルを獲得し、将棋界だけでなく日本全土が彼に注目していますよね。そういった天才ともいえる人が現れると書店に並ぶのが「天才を育てるための本」です。無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』の著者である真井花さんが、そんな風潮にひとこと物申しています。

不出世の天才現る

さて、本日は天才のお話。

将棋には詳しくないんですが、隠れ将棋ファンのオットが興奮しています。

  • 藤井聡太、最年少四冠達成

です。オットに言わせると、

  • かつて羽生が出てきたときと同じくらいの衝撃
  • これから30年くらいは藤井君の時代
  • 強すぎてアンチが出てきそうなレベル

だそうです。なるほど、スゴいことだけは良く分かった( ̄∇ ̄)

特別活躍する人が現れると、本屋に積まれるのが

  • ●●の育て方

ってヤツです。子供全員を医学部に入れたとか東大に入れたとかプロスポーツ選手にしたとか、そういう親御さんや教師の本ってありますよね。

え?読んでる?え?そうなの?

  • 落ち込みませんか?

そんなん読んで。

思うんですが

  • 天才は現れるもの

だと思いますよ。育てるものではないのですよ。

現れるという語彙の中には、親にも子供にもそれ以外のものにもどうにもできない何かがあることが認められています。そもそも天才なんですから、

  • 今現在の知性の延長線上にはいない存在

なんですよね。誰かがドリルをたくさんやらせたからってなるもんじゃない可能性が高いんです。

それに対して、育てるものという語彙の中には

・親のアプローチの正しさを認める

ニュアンスがあります。もともとの子供の素質もあるでしょうがそれを上手く引き出せたアプローチの良さ、粘り強さ、アイデアタイミングの良さ。もっとハッキリ言えば

・親の育て方が良かったから

天才になれたというニュアンスです。

これ、一面の真理はあるんでしょうが、私は危険な言い方だと思っています。親の育て方が良かったから、というなら

・親の育て方が悪かったから

●●になったという言い方もまたできるはずです。すなわち、子育てについて

・親に過剰な責任を負わせている

と思うんです。この背景にある考え方は、子供はまっさらな存在でアプローチ次第でどんな風にも育てられる──科学者だろうが作家だろうがアスリートだろうが──というものです。こう言われると、そんなこと思っていないと感じるかもしれませんが、親の責任が絶大だということを子供の側から言っただけですよ。

一般的な使い方と違いますが、藤井君みたいな天才って

・子ガチャ

なんじゃないですかね。たまたま天才に当たったんですよ。親が出来ることが微塵もナイとはいいませんが、天才がその才能を如何なく発揮するために

・小石を退けてやる

くらいのことしかできないんじゃないんでしょうか。

藤井くんの育て方みたいな本や東大生の親の声かけみたいなブログを読んで自分を追い詰めない方がいいと思うんですよ。

子供も親も、ガチャ的な部分はきっとある。天才という当たりガチャだっただけですよ。

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レトルト食品の「めんどくさい」を見事に解決した“家電”の巧みな戦略

数多くのレトルト食品が発売されていますが、その調理法は電子レンジや湯煎と、いまだに進歩がありません。しかし、その不便さを解消する家電が誕生したことをご存じでしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、大注目の画期的なレトルト専用家電の戦略を分析しています。

面倒くさいを解消するレトルト食品専用の調理家電「レトルト亭」を分析

今号は、レトルト食品専用の調理家電を分析します。

● デザイン家電・雑貨メーカーの株式会社アピックスインターナショナルが展開するレトルト専用調理器「レトルト亭

紹介動画はコチラ
→ レトルト亭(Makuake) by APIX INTL 

簡単に食事を済ませたい方をターゲットに「新たな価値を提供するミッション」に支えられた「簡単に温められる」「安心・安全・ECO」等の強みで差別化しています。

レトルト食品への需要が高まる中で、多くのユーザーが抱えていた不便(湯銭やお皿に移してのレンジでチン)を解消することで、多くの期待と注目を集めています。

■分析のポイント

レトルト食品を食べるには、

湯煎の場合

・鍋に水を入れて、コンロに火をかけて、沸騰させ
・レトルトパウチを鍋に投入して、指定の時間まで待ち
・レトルトパウチをハサミで切って、お皿にあける

という流れになります。意外と手順が多く、面倒くさいと思う方も多いでしょう。

レンジの場合

・レトルトパウチをハサミで切って、お皿にあけて
・ラップをかけて、レンジに入れて、指定の時間にセットして、温めスタートボタンを押す

という流れになります。湯煎よりは、やや手順が少ないとは思いますが、こちらも面倒くさいと思う方がいらっしゃると思います。

今回のポイントは、ビジネスの基本ですが、お客様の面倒くさいを解消するということです。

レトルト食品が、日本の市場に登場したのは昭和40年代とのことですので、当時から現代にかけて、湯煎が定番の調理方法でありつづけたということになります。

約半世紀にわたりレトルト食品が利用される中で湯煎が面倒くさいと思っている人は、たくさんいたと思います。ですが、その面倒くさいを解消し、形にする人はいなかった。

そもそも、レトルト食品メーカー側が指定した作り方に対して、別の調理方法を発想するというのは難しいことです。

作り方の手順を示されるとその手順を正しくやることに集中するでしょうし、何か改善しようにも、作業スピードを向上させるくらいしかできません。

世の中の様々な作業にも言える事ですが、手順を「正しく、早く」では限界があります。時には手順を「省く」ことが、大きな改善につながることもあるのです。

アピックスインターナショナルのすごさは、ここにあります。

メーカー側の作り方にとらわれず、ユーザーの面倒くさいをまるごと省略(解消)することに、フォーカスをあてたことが、「レトルト亭」の新しい価値の提供につながっているのでしょう。

どうすれば、お客様の面倒くさいを解消できるか、というビジネスパーソンにとって、重要な問いを改めて気づかせてくれる好事例だと思います。

今後、アピックスインターナショナルからどのような商品がリリースされていくのか注目していきます。

 

獣医師がオススメ「ペット用救急箱」に備えておきたい9アイテム

どんなに気をつけていても愛犬愛猫のケガや病気は起きてしまうもの。すぐに病院に連れて行ければいいのですが、応急処置が必要なケースも多々あります。そんなときのために「ペット用救急箱」は必需品。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤貴紀先生が、救急セットとして備えておきたいアイテムを全部で9点教えてくれます。

自宅に常備しておいてほしい「ペット」用の救急セット

もし、愛犬や愛猫の体調が急に自宅で異変が起きたとき、適切な対処をするのが飼い主の責任の1つだとおもうんです。日頃から「ペット用の救急セット」(救急箱)をご用意いただきたいです。

でも何を用意すればいいのか分からない?と言う飼い主さんの為に今回は、自宅の応急救急で用意しておいた方が良いものをお伝えしていきたいと思います。

1)消毒薬

傷口の消毒のほか、応急処置をする際の器具や指先の消毒に使います。ただし、ポピドンヨードなどのヨード系の消毒液は、猫に使うと中毒症状を起こす場合があるので注意が必要です。

2)包帯・カット綿・綿棒・ガーゼ

傷口の止血、固定などに使います。人間が使うのと同じもので問題ございません。ガーゼなどを固定する包帯は、粘着性のあるタイプがおすすめです。綿棒は、耳の中や口の中などに薬を塗る場合に最適です。

3)ハサミ・ピンセット・テープ・手袋

ハサミは患部の毛を切るときにも使う為、先が細いものが使いやすいので用意しておきましょう。ピンセットは、とげを抜いたり、傷口のごみを取り除いたりガーゼやカット綿を挟んで患部に当てたりと、さまざまな用途に使います。

手袋は、軍手とビニール手袋を用意しておいて下さい。軍手は応急処置をするときにペットに噛まれてケガをするのを防ぐ為のもの。ビニール手袋は傷口からの二次感染を防ぐために必要です。

●補足
ペットが元気なうちに、かかりつけの獣医師・動物病院を見つけておくことも大切です。かかりつけ医を作っておけば、ペットの体質や病歴なども把握した上で診療をしてくれます。

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決選投票はほぼ確実。自民党総裁選より先が読めない立憲代表選

総選挙での敗戦を受けて枝野幸男氏が代表を辞任。30日に投開票される立憲民主党の代表選挙には、4人が立候補し各々政策を訴えています。この代表選のシステムと各候補者の横顔を紹介するのは、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』著者で、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さん。4人が立ったことで決選投票は間違いないとみられるものの、どの2人が残るのかはわからないとした上で、勝敗のポイントを伝えています。

 

自民党総裁選より先が読めない立憲代表選/自民とはまるで違う「立民の派閥」

立憲民主党の代表選挙が告示された。党員も交えた立憲民主党の代表選挙は初めての試みだ。国会議員と公認候補予定者票に加え、地方議員や党員・サポーターで代表を決めることになる。国会議員票と地方議員・党員票が「50%・50%」に配分されているので、国会議員票で有利でも、党員からの支持がないと代表に選出されない仕組みになっている。

20人以上の推薦人を集めないと立候補できない仕組みとなっているので、各候補者たちは推薦人集めで苦労していた。とくに小川淳也氏は、大串博志・役員室長と話し合った結果、大串氏が立候補を断念して小川氏に一本化することで推薦人をクリアし、立候補に漕ぎつけることができた。

あらためて立候補者の顔ぶれを見てみよう。

泉健太・政調会長(47) 逢坂誠二・元首相補佐官(62) 西村智奈美・元厚生労働副大臣(54) 小川淳也・元総務政務官(50)

泉氏は、旧国民民主党グループや小沢一郎グループなどが主軸となっている。

逢坂氏は、リベラル派が多い旧赤松グループの「サンクチュアリ」が主軸となり、連合の旧総評系が応援している。

西村氏は、菅直人氏が中心のグループが主軸となり、東京や長野県の議員が支援体制を固めている。

小川氏は、岡田克也氏や野田佳彦氏らの支援に加え、若手議員が主軸となっている。

自民党の派閥は、金とポストを背景に「親分・子分」の態勢を取っているが、立憲民主党のグループはそういう体制になっていない。多少、資金的に援助しているのは、サンクチュアリと小沢グループぐらいだと思う。菅グループに至っては年会費5万円取るので、「子分から会費を取る派閥って何なの?」と私は思ったくらいだ。

4人が立候補したので、1回目の投票で過半数を取る候補が出るのは、ほぼ不可能に近く、決選投票になることは間違いない。決戦投票は上位2人の中から、国会議員、公認候補、県連代表の投票で過半数を獲得した候補が選ばれることになる。

誰が決選投票に残るのか、現時点ではまったく読めないので、前回の自民党総裁選より混沌としている。今後のカギを握るのは党員票である。候補者が野党共闘をどう考えるのかどうかについて、党員がどういう判断を示すかがポイントになるだろう。

 

image by: 立憲民主党 - Home | Facebook

上野樹里の夫・和田唱が明かした、母・平野レミからのLINEと写メに感動の声

女優・上野樹里(35)の夫で、ロックバンド「トライセラトップス」のボーカル&ギターをつとめる和田唱(45)が22日深夜、自身のTwitterを更新し、実母で料理愛好家・タレントの平野レミからのLINEと写メについて明かした。この投稿にファンやネットユーザーからは賞賛、感動の声が多くあがっている。

和田は、2年前の2019年に亡くなったイラストレーター・デザイナーの和田誠(享年83歳)と平野レミとの間に生まれた長男。和田は11月22日の「いい夫婦の日」にちなみ、以下のようなつぶやきを投稿した。

和田が言う「父の展覧会」とは、いま東京・新宿区で12月19日まで開催中の父・和田誠の初の大回顧展「和田誠展」(於:東京オペラシティー アートギャラリー)のことである。そして、平野が行列の写メを送ってきたというくだりは、連日多くの入場者が詰めかけ、会場に入るのに行列ができていることを指している。

和田の父の集大成「和田誠展」が大盛況

かくいう私gyouzaも10月の後半の休日に同展へ足を運んだが、展示が始まってから二週間以上が経過していたにもかかわらず、入り口は2、30人を超える行列ができていた。まさに平野の言う通り、連日大盛況なのだ。とはいえ人の流れが早いため待たずに中へ入ることができた。SNS上でも、和田誠展の行列を伝える投稿や展示の充実ぶりを伝える投稿が相次いでいる。

そして、「漫画の神様」手塚治虫氏の長女、手塚るみ子氏が同展を訪れたことを報告するツイートも。

和田は、母が父の展覧会が大盛況であることを大喜びする様子を見て、父は天国だが「いい夫婦の日ランキング」に自身の両親を挙げたい、と綴ったのだ。亡くなった今も「仲睦まじい夫婦」の姿を見た和田が、両親をあげた理由もうなずける。

実は身近な和田誠の「作品」

和田の父・和田誠は、たばこ「ハイライト」のデザイン(1960年、24歳の作)、そして雑誌『週刊文春』の表紙絵を40年間も担当していたことなどで知られている日本を代表するイラストレーター、デザイナーだ。今回の展覧会では、幼い頃に書いた絵から、絵本、本の装丁、映画ポスター、自身が監督した映画作品(『麻雀放浪記』『快盗ルビイ』)、アニメ作品まで、83年間の生涯で制作された多彩な作品を紹介。個人的には、意外にも若い世代の来場者が多かったことに驚いた。

圧巻の名画座ポスター185点

今回の展覧会で圧巻だったのは、和田誠が22歳から30歳までノーギャラでデザインを手がけていたという、かつて現在の新宿・丸井の場所にあった日活名画座という映画館の185点にもおよぶポスターだ。

この美しい配色や描き文字、イラストに思わず息を呑む。この仕事を無償で月に2枚づつ8年間も続けていたというのだから、和田誠の「映画への愛」を感じずにはいられない。

このポスター群は和田誠の死後に事務所内から発見されたといい、今回の展覧会に合わせて『和田誠 日活名画座ポスター集』として刊行されている。シルクスクリーンで刷られていたポスターの雰囲気を再現するため、表紙がシルクスクリーン印刷された美しい作品集だ。※以下の版元直販サイトでは送料無料で発売中。

和田誠 日活名画座ポスター集(888books)

明るいキャラクターでお茶の間を賑わせる平野レミ、そして私たちの日常に多くの素晴らしい作品を遺した和田誠。そんな両親の才能を受け継いだ和田唱の投稿には、ネット上に「心温まりました」「素敵ですね」と賞賛、感動の声が多くあがっている

ブーム再来。世界的なアナログ・レコード人気で懸念される「3つの問題点」

CDに置き換わる形で一時は消滅の危機に瀕していたアナログ・レコードですが、昨今は国内でも専門店がオープンするなど、人気に再び火が付き始めています。なぜ今、アナログ・レコードは世界的なブームとなっているのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、3つの観点からその人気復活の理由を解説。さらにアナログ・レコードが抱える問題を指摘するとともに、扱いやコレクションする際にケアすべき点を記しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2021年11月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

世界的なアナログ・レコード人気、気になる3つの点とは?

オーディオの世界は、1982年にCD(コンパクトディスク)が導入されて以来、一気にデジタル化が進みました。それまで長い歴史を誇っていた「アナログ・レコード(レコード)」は衰退を始めて、わずか4年後の1986年には世界での販売枚数でCDに抜かれたとされています。

その後、CDが普及する中で1990年代になると一旦はレコードは生産されなくなっていきました。ところが、その後、90年代後半にはDJ人気のためにレコードが部分的に復活、そして2010年前後からは世界的にジワジワと人気が拡大しています。ちなみに、英語圏では「バイナル(ビニール製のレコードという意味)」と言われています。

どうしてレコード人気が復活したのでしょうか?

まずDJ人気ですが、何台かのレコードプレーヤを駆使し、特に素手でレコード盤を早回ししたり、巻き戻したりするパフォーマンスが格好良いということ、その際のキュリキュルという音が面白いことなどから、一種のファッションとして、クラブなどで定着したということがあります。

そして、DJ以外でも「30センチ四方の大きなジャケットが、それ自体アートになる」ということがあります。1980年代以前のレコード時代には、それこそロック喫茶やジャズ喫茶では、レコードジャケットが重要なインテリア小物になっていたり、その時に「演奏しているディスク」をジャケットを掲示して示すことが多くありました。とにかく、CDではジャケットが小さすぎるし、ストリーミングだと物理的なジャケットはないわけですから、レコードの「大きくてかっこいいジャケット」は魅力というわけです。

さらに言えば「音が良い」ということはあります。1980年代にCDの規格を決める際に、本当か嘘かは分かりませんが、当時のソニーの社長だった大賀典雄氏が、世界的な指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンに「CDは70分強の音楽が入るにようにして、ベートーベンの『交響曲第9番』が1枚に収まるようにして欲しい」と言われたことで、最終的なスペックが決まったという伝説があります。

問題はそのスペックで、CDは実はレコードより若干音が悪いのです。特にダイナミックレンジ(音の大小の幅)が狭く、それが細かい部分での音の解像度に影響しています。ですから、反対にレコードについては、確かにCDより音がいいし、例えばですが、良い真空管のアンプなどを使って再生してやると、気分的なものを含めて「温かみのある良い音」という印象を与えることがあります。

 

渋沢栄一が提唱した「合本主義」こそ新しい資本主義が目指す姿。子孫が語る“Made With Japan”という考え方

現在放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一の子孫で、世界の金融の舞台で活躍する渋澤健さんが、岸田内閣が立ち上げた「新しい資本主義実現会議」の有識者メンバーに任命されました。時代に即した資本主義が必要となってきますが、渋澤さんはどんな考え方が重要だと説くのでしょうか。

プロフィール:渋澤 健(しぶさわ・けん)
国際関係の財団法人から米国でMBAを得て金融業界へ転身。外資系金融機関で日本国債や為替オプションのディーリング、株式デリバティブのセールズ業務に携わり、米大手ヘッジファンドの日本代表を務める。2001年に独立。2007年にコモンズ(株)を設立し、2008年にコモンズ投信会長に着任。日本の資本主義の父・渋沢栄一5代目子孫。

「新しい資本主義」には新しい企業価値の定義が必要

謹啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

今般、岸田内閣が立ち上げた「新しい資本主義実現会議」の有識者メンバーに任命され、10月下旬に初会合が開かれました。1998年の日本の金融危機の混乱をきっかけに、政策当局者に資本市場からの声をお届けしたいという想いで毎月「シブサワ・レター」を書き続けて参りましたので、今回このように総理大臣および閣僚に直接考えをお伝えできる機会を頂戴したことは大変感慨深く、光栄に感じております。

有識者メンバーの構成は15名。経済団体や労働組合の重鎮だけではなく、ジェンダー、年齢、専門分野の側面でダイバーシティが多彩多様です。なかなか良いラインアップと好感する声が周囲から聞こえてきます。それぞれの立場や視点が異なることから、「新しい資本主義」のあるべき姿の議論が活発に行われることを期待しています。

現在は日本の近代史上、重要な時代の節目だと私は考えています。人口動態の激変により、今までの日本社会が体験したことのない規模感とスピード感で世代交代が始まっているのです。今までの成功体験を作ってきた世代から、これからの新しい成功体験をつくらなければならない世代へのバトンタッチです。この重要なタイミングで、「新しい資本主義」を実現する会議を設置された岸田総理のご決断に敬意を表します。

なぜ、「新しい資本主義」が必要ななのか。それは、これから日本の新しい時代において人的資本の向上による社会変革(トランスフォーメーション)のためです。私たちは、「新しい資本主義」によって豊かな新しい時代を実現すべきです。

今までの日本の資本主義により、人口動態がピラミッド型の昭和時代はMade In Japan、つまり、先進国の大量消費を満たす大量生産で日本は大成功しました。ところが、人口動態がひょうたん型に変異した平成時代には日本は米国などからのバッシングに対応するためにMade By Japan(貴方の国でつくります)という合理的なモデルにチェンジさせました。

しかし、それからおよそ30年を経て、日本は世界から素通りされるパッシングに陥りました。バッシングからパッシングへ。これが平成日本の総括かもしれません。少なくとも、それまで築いた成功体験から、異なる時代環境で新たな成功体験へと進化するために必要なトランジション(変わり目)の時代が平成だったのでしょう。

令和という新しい時代環境において、日本は新しい成功体験をつくらなければなりません。私が期待しているのがMade With Japanです。大企業だけではなく、中小企業やスタートアップ企業も含め、日本全国からの様々な組み合わせによって、世界の多くの国の大勢の人々の暮らしを豊かにすることができる、持続可能な社会を支えることができるはずです。私の「新しい資本主義」への期待は、このMade With Japanという令和日本の新しい成功体験を実現させることです。

「成長と分配の好循環」によって、国内社会の格差が是正され、豊かな生活から取り残されない状態を実現させることは国の重要政策です。ただ、この好循環の視点を国内に留めることなく、日本が世界の成長と分配の好循環を産む「ストック」となる視点も不可欠です。