半島ルートが存在か。統一教会問題で語られぬ岸家と北朝鮮の関係

連日メディアを賑わせている旧統一教会問題。しかし、そこでは最も重要な論点に触れられていないという意見も上がっています。今回のメルマガ『』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、かつてマスコミが旧統一協会をタブー視していた実態と、警察庁の強制捜査が政治家による圧力で縮小されたという証言を紹介。さらに旧統一教会問題を語る際に避けて通れないはずの「北朝鮮利権」について解説しています。

 

統一教会、会見で開き直る その会見は教団の常套手段 統一教会は「日本のタブー」のひとつ 北朝鮮問題とも関係か

旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が10日午後、1カ月ぶりとなる会見を日本外国特派員協会で開いた。ただ、約1時間15分の時間のなかで、田中富弘会長は司会の静止に3度応じず、主張を続けるのみ。

会見の冒頭、田中富弘会長は、

「2022年7月8日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れられた。犯人とされる容疑者が当法人・家庭連合への恨みを動機として行動に出たという報道に触れ、私どももとても心重く受け止めている。社会の皆さまにも様々にお騒がせしていることに深くお詫び申し上げる」

と頭を下げる。

しかし、その後は、

「過剰なメディア報道によって、当法人の信徒から様々な被害が報告されている」

「一部メディアが発信しつづけている霊感商法なるものは、過去にも現在にも行ったことはない」

「名称変更の認証に関する政治的圧力や介入、不正があったかのような一方的な憶測報道がなされているが、事実ではない」

「当法人が殺人や暴力を実行し、助長したという事実・事件は皆無だ。事実に反する内容、憶測に基づいた内容を報道することのないように要請する」

と、繰り返しメディアの報道姿勢を批判。その姿は、かつて統一教会側が繰り返してきたメデャイア批判の“テンプレート”と何ら変わりはかった。

目次

  • 日本のタブー 「電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当、統一教会」
  • ある信者の主張からみる、統一教会の“常套手段”
  • 自民党と統一教会 最重要論点は「北朝鮮利権」か

日本のタブー 「電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当、統一教会」

会見の姿からは、かつてのメディアを“恫喝”していた統一教会の姿がよみがえる。メディアにはさまざまな“タブー”が存在するが、統一教会もその一つだった。

「2006年、ある情報番組の出演で、一般ニュースにコメントする仕事の際、制作サイドから『これらを口にするときは内容に気をつけてほしい』と渡されたリストがあった。そこには広告代理店の電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当など、多数のワードが並び、そこに統一教会もあった」(片岡亮(*1)2022年8月2日)

警察による統一教会への本格的な追及が始まったのは2005年ごろとされる。しかし、

「警視庁は当初、統一教会の松濤本部までガサ入れする方針だったのに、警察庁出身の自民党有力議員から圧力がかかり、強制捜査は渋谷教会などにとどまった。この話はいろんなところから何回も聞きました」(山口広(「全国霊感商法対策弁護士連絡会」代表世話人)日刊ゲンダイデジタル(*2)2022年8月1日)

だという。

 

甘い認識。海外の日本人駐在員が陥る個人賠償責任保険「未加入」の罠

日本に比べ、個人への損害賠償責任が厳しく問われることが多い海外諸国。それはドイツも例外ではなく、認識の甘い日本人が痛い目に遭うことも少なくないようです。今回のメルマガ『Taku Yamaneのイェーデン・ターク』では著者で長くドイツに暮らすTaku Yamaneさんが、日系企業駐在員が現地で陥りやすい「罠」を紹介。彼らのリスクに対する認識の甘さに対して警鐘を鳴らすとともに、学ぶ姿勢と謙虚さの重要性を説いています。

 

駐在員が陥る傲慢と罠

いつもご愛読ありがとうございます。

今回は真面目な話をしましょう。

自分の会社の顧客は9割近くが日系企業で、その構成はドイツでのローカル採用組と日本からの出向組(駐在員)となっています。

特に駐在員の人たちは右も左も分からない状態でドイツに来るので、保険のことに関しては何も分からないのが当然で、その辺は僕らがコンサルティングするということになります。

とはいえ話していると、駐在員の人たちは認識が甘いなと感じることが非常に多いです。

駐在員というのは社内でもかなり特権階級に位置し、大体が年収1,000万円近くとなります。それプラス家賃、健康保険料、などなどが会社負担で、中には通勤用の車も支給されている人もいます。

こう至れり尽くせりになると、彼らの中で「困った時は会社が助けてくれる」という認識が生まれます。だから自分のリスク管理とかドイツ人達が当たり前にやっていることに関して、無知というよりも無関心になります。

僕から言わせてみれば、全部会社が守ってくれる訳ないだろって話です。

こんな話がありました。

ある日系企業の社員(駐在社長)が出張中にホテルに宿泊し、バスタブの蛇口を閉め忘れてホテル側に損害を出しました。

これによって損害賠償責任が生じ、賠償責任保険によって補償の対象となるのですが、問題は業務中なのかプライベートの範囲なのかということです。業務中なら会社が入っている企業賠償責任保険によって補償対象となり、プライベートなら個人で加入する個人賠償責任保険で補償となります。当然こちらに関しては会社は関与していません(ちゃんとしている会社は、そこも管理していますが)。

で、結果から言うと、この事象はプライベート範囲とみなされて個人賠償責任で補償しなければならなくなりました。

問題になったのは、この社員が個人賠償責任保険に入っていなかったことです。

入っていなかったこと自体は無知で仕様がないことではあります。しかし、個人賠償責任保険はドイツでは絶対に必要な保険です。正直入っていないなんてありえないことです。

 

想像してみよう。世界が最悪な状況に陥った時あなたは何をするか?

ビジネスマンが国際情勢を逐一気にするのはどういう理由からなのでしょうか。その疑問に答えてくれるのはファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、世界の変化を見極めることで予測されるさまざまなこと、そして最悪の状況に陥った時に個々人は何をすればいいのかについて語っています。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

激変する世界、無力な個人

1.変化の予兆を見極める

なぜ、国際情勢が気になるのか。国際情勢はビジネスに関係し、ビジネスは我々の生活に影響を与える。大きな変化の潮流を見ていれば、そのうねりが迫って来るのも見える。そして、我々の生活に直接影響する小さなさざ波も予測できる。

将来を予測することが習慣のようになっているのは、私の仕事がファッションビジネスに関係するからだ。ファッションはシーズン毎に変化する。デザイナーは世界の変化、時代の気分、意識の変化などを読み取り、そこから変化のトレンドを読み解いていく。トレンドカラーの変化もスカートの丈の変化も、全ては世界の変化に由来している。

変化のリズムは変化する。数年間ほとんど変化しない時もあれば、1~2年で全てが変化する時もある。現在は、数カ月で変化を続ける激動の時代である。

変化の予測で難しいのは、その変化が続くのか、それとも元に戻るかの判断だ。ルーチンワークこそ仕事だと考える人には、変化は一時的なものであり、再びルーチンが戻ってくると考えるだろう。一方で、常に時代の変化を観察し、新しいビジネスモデルや商品を考えている人にとって、小さな変化は大きなうねりのきっかけに過ぎない。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

 

あの寺山修司が死の間際に作り上げた「逆転」の文学世界とは何か?

物事には原因があり、そしてそれに起因する結果があります。しかし、それを「逆転させる」ことによって文学の世界観を新たに創造した人がいました。今回のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』では、朝日新聞の校閲センター長を長く務め、文章・ことばから見る新たなコンサルティングを展開する著者の前田さんが、世界的に有名な歌人・劇作家の寺山修司が作り出した世界観について紹介しています。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ

原因と結果を逆転させて新しい文学の世界観を生み出した寺山修司。文学から生まれるバーチャルの世界

「笑う門には福来たる」。これは僕の座右の銘です。この場合の「門」は「家」という意味です。本来は「家族の仲がよく、いつもにこにこしている家には、自然に幸運が巡ってくる」という趣旨のことばです。

ですから、座右の銘とするのは、若干趣旨がずれるのかもしれません。

とはいえ、いつも笑っていたい、と思っています。辛いときこそ笑っていよう、そんな自戒をこめてのことばとして、胸に納めています。

アメリカの心理学者W.ジェームズは1884年に、情動とは原因的場面の知覚にすぐ続いて起こる内臓と筋肉の変化を体験することであると主張しました。1885年には、デンマークの生理学者C.ランゲは脈管における変化を体験するのが情動であるとしました。つまり内臓,筋肉そして脈管における変化は情動の結果というよりはむしろ原因であるという説を唱えたのです。これをジェームズ=ランゲ説と言います。

「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」

このことばは、ジェームズ=ランゲ説を表現したものだと言われています。心理学や生理学にひも付いたことばですが、どこか文学的・哲学的な匂いがします。
先に座右の銘とした「笑う門には福来たる」も、

「おかしいから笑うのではない、笑うからおかしいのだ」

と言えるからです。

仮想現実に見えるリアル

これは、最近のバーチャルリアリティー(仮想現実)の世界でも、一部立証されているのだと言います。

被験者の顔をスキャンしてパソコンに取り込みます。そしてスキャンした顔を鏡に映し出し、被験者に見せます。その際、鏡に映った顔を笑顔に変化させるとそれにつられて被験者の顔は緩み、悲しい顔に変化させると被験者も悲しい気持ちになるというのです。

つまり、笑ったり泣いたりするは、結果としてではなく原因として作用しているというのです。

悲しいときに悲しい音楽を聴いて涙を流したり、気持ちを上げたいときに明るい音楽を聴いたりします。これも音楽を一種のバーチャルな情動として自らの思いを重ねているのかもしれません。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ

日本人が知らない、中国と台湾の関係をあらわす「統戦」と「前線」

台湾と中国の関係は現在、先日のペロシ下院議長の台湾電撃訪問によって「緊迫した状態」になっています。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんは今回、自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』の中で、中国と台湾の関係を、幼少期によく聞いたという2つのキーワードを用いて分析しています。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ

台湾問題で、思い出した言葉は「前線」と「統戦」

周知のように、8月にペロシ米下院議長の台湾訪問によって、中国とアメリカ・台湾の間に、火花が散るように緊迫したものになった。今回、「前線」と「統戦」、二つのキーワードで中国と台湾の関係を分析したい。

日本で暮らしているから、よく「故郷はどこですか」と聞かれる。「福建省です」と答えると、知らない人がいる。「台湾の向こう側の福建省です」と言ったら、相手はすぐわかってくれた。日本人にとっては、台湾はやはり親しい存在である。そして、台湾と海峡を挟んだ福建省は、台湾との類似点が多い。地方言語、料理、生活習慣など似ている。文化・伝統などの絆が強靭である。しかし、政治的な原因で、福建省はその地理位置によって、長い期間、「福建前線」と呼ばれていた。

「前線」と「統戦」という言葉は日本人にはあまり聞きなれないと思われる。当方にとっては、子供の頃よく聞いていた言葉であった。中国と台湾の関係の中で、重要なキーワードである。

日本では、さくら前線、梅雨前線、紅葉前線など自然にかかわることぐらいの「前線」をつけるけれど、中国では、前線の本来の意味で「戦場で敵に直接向かい合っている所。戦闘の第一線」と知られていた。「台湾の向こう側の福建省」は戦闘の第一線になっていた。「福建前線」と呼ばれていた。「一定要解放台湾」(私たちは必ず台湾を解放します)のスローガンがどこにでもあった。

そして、現在、台湾の向こう側の福建では再び「前線」の雰囲気が醸されている。観光地のアモイを水陸両用装甲車が海岸を列なして走り、観光客を驚かせた。中国軍で台湾などを管轄する東部戦区は8月4日午後、陸軍部隊が台湾海峡で長距離実弾射撃訓練を行い、予想通りの成果を上げたと発表した。中国軍はこの日から、台湾の周囲6エリアでも軍事演習をすると予告した。

「東部戦区」など戦争の匂いのする言葉がマスコミに使われている。そして、福建を再び前線になるのではないか、と心配しなくてはならない。福建省と台湾の民衆には血縁のつながりが密接であるため、故郷の親友は、もし戦争に巻き込まれたら、どうしよう、と心配している。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ

「1億円恐喝、汚物バラ撒き」の一部始終。反社疑惑『RIZIN』元スポンサーを被害者が刑事告訴へ

「交際音声データ」の流出で反社疑惑が囁かれている格闘技団体「RIZIN」。代表の榊原信行氏は反社会的勢力との関わりを否定していますが、ここにきて、元スポンサー絡みの新たな疑惑が出てきました。一連の問題を週刊誌報道に先駆けて伝えてきた『』が詳しく報じています。

※この記事はメルマガ『』2022年8月15日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含めをどうぞ。

格闘技団体RIZINの元スポンサーが「殺すぞ!」脅迫

格闘技団体「RIZIN」といえば、本紙並びに本紙YouTube版でつい先日報じたように、反社疑惑など出ているが、今度は元スポンサーがとんでもない嫌がらせ行為をして、近く被害者は1億円の恐喝未遂、威力業務妨害容疑などでの刑事告訴をすべく準備中との情報が飛び込んできたので報じる。

「絶対に許さん! 本気で殺すぞ!」、「命取るぞ! 全員、皆殺しに行くぞ! なめとったらあかんぞ!」──本紙が入手した複数の音声記録のなかには、こんな「殺す!」というセリフがたくさん出てくる。

ドスの聞いた声と言い、どう考えてもそのスジの者としか思えないが、このN氏(43)、つい最近、RIZINのスポンサーをしていた。そして、こんなセリフを何度も吐き続ける者が会社の社長というから驚きだ。

このN氏、大阪府内で運送会社「N」の代表を務めている。それも50人以上の社員を抱え、年商は軽く10億円を超す。ただし、3代目の典型的ボンボンのようだ。

一方の被害者とされる者は、自動車の洗浄剤を卸している兵庫県内の会社「S」代表のK氏(32)。6年ほど前にS社は設立されたが、開発したこの洗浄剤が大当たりし、瞬く間に20億円近い年商を誇る青年実業家だ。

「どうケジメつけるんや!?」激怒

この2人が出会ったのは1年数カ月前。

N社長、K社長と同氏が乗る高級車が取り上げられていたユーチューブを偶然見て、自身もカーマニアだったことなどから関心を持ちS社を飛び込み訪問。結果、S社が扱うこの洗浄剤の販売代理店になると共に、S社が以前からスポンサーだった関係からN氏もRIZINのスポンサーになっていた。

このようにいい関係だったのだが、今年3月にトラブルになる。きっかけは、N社長がRIZINのスポンサー契約を降りたことだった。

「以前からスポンサーになっていたK社長ですが、新たにN社長と折半でスポンサー契約をした。それを突如、降りられたことから、S社社員が電話で、その件で咎めるような発言をした。N社長はその態度が気に食わなかったようで、『済んでいる話(契約解除のこと)について、チンピラのお前が何で俺に電話かけてくるんや!』、『何があってもこの先、許させんぞ! どうケジメつけるんや!?』となったんです」(関係者)

そんなことで激怒したのは、自尊心の強いN社長のこと、K社長は以前からのスポンサーなのでRIZIN側と親しいのは当然ながら、同じスポンサー料を出しながら自分のRIZIN側に対する発言権が弱いことからK社長に対する嫉妬心もありイチャモンを付けたとの見方も。

それでも、この件は大揉めに揉めたもののひたすら低姿勢を貫き、何とか電話での謝罪だけで終わったそうだ。

ところが、S社側はN社長に頼まれ自社敷地内で預かっていたN社長の高級車2台を4月に返却したところ、今度はその1台に傷がついていたとして、S社の社員に対し、N社長から「迷惑料含め1億円で買い取れ! 今から来い。殺すぞ!」との電話が。

そして4月10日、仲介者を入れ、N、K両社長らは芦屋市の飲食店で話し合いを持つも、話し合いどころではなく、K社長らは恐怖を覚える発言をN社長にされ、車を傷つけた覚えはないそうだが修理代(約120万円)を負担することに。

これでようやく解決と思いきや、5月末から、今度は元々はS社社員だった2人が、SNSで、S社側を誹謗中傷し出す。S社側によれば、洗浄剤の成分の一部記載ミスがあったのは事実ながら、大半は虚偽。ところが、現在もSNSによる誹謗中傷攻撃は続いており、その損害は大きいという。

サウジ皇太子がバイデン大統領に放った一言が示す、世界の米国不信

ウクライナ戦争は、まもなく半年になろうとする今も終わりが見えません。この戦争の原因の一つが、冷戦後にも「NATO東方拡大」を進め、それまで同様の「排除の論理」を振り回した米国にあるとするのは、ジャーナリストの高野孟さんです。今回のメルマガ』では、米国の世界観、時代観の錯誤を指摘。サウジアラビアを訪問したバイデン大統領がムハンマド皇太子に浴びせられたとされる痛烈な一言や、南北アメリカ大陸においても米国の振る舞いが各国から批判され、米国不信が高まっている現状を紹介しています。

世界が納得しない「民主主義vs権威主義」の時代観/「排除の論理」の振り回しに誰もがうんざり

米国のバイデン政権は、明らかに戦略論的知性を喪失していて、ウクライナの戦争を煽るだけ煽ってロシアのプーチン大統領を全世界的な極悪人に仕立て上げる宣伝戦には半ば成功したとはいえ、その戦争そのものをどうやって収めるかの展望を描けずにいる。

ウクライナには、米国からミサイルはじめ武器・弾薬を湯水の如く供給してもらう以外に継戦能力を維持する道はなく、そのため同国のゼレンスキー大統領は「もっと武器を」と叫び続けているものの、流石の米国にも予算に限界があり、永久に戦争を続けさせるわけにはいかない。

こんなことになってしまう根本原因は、現今の世界が「民主主義vs権威主義」という原理的な対決軸で動いているとする、完全に誤った世界認識、時代観──そう捉えることで「自由主義vs共産主義」の戦いという冷戦時代の図式が亡霊のように蘇り、米国が前者の盟主として君臨し得た懐かしい過去が戻ってくると思う幻覚──にある。

さらに、それが誤解であり幻覚であるとすると、それをそのまま東アジアに横滑りさせて、台湾危機を煽ってそれに雄々しく立ち向かう米日筆頭のインド太平洋のクアッド軍事同盟を形成しようとするバイデンと岸田文雄首相の努力方向も、また虚しいものとなる。

そこまで遡って論じないと、米国のこの戦略論的な大混乱を克服することはできないだろう。

NATOは冷戦の遺物

本誌がこれまでも繰り返し主張してきたように、NATOは冷戦の遺物であり、本来は、相手方のワルシャワ条約機構(WPO)をゴルバチョフ=旧ソ連大統領が1991年に潔く解散したのに対応して解散すべきものであった。そうならなかったのは、当時のブッシュ父米大統領が冷戦終結の世界史的意味をまるで理解せず「米国は冷戦という名の第3次世界大戦に勝利し“唯一超大国”となった」という錯覚の下、NATOを存続させ、それを梃子として引き続き欧州・ユーラシア大陸への関与を維持しようと欲したからである。

当時、独仏を中心とする西欧には、1975年にヘルシンキで始まった「全欧安保・協力会議(CSCE)」にNATO諸国はじめ西欧の中立国、旧東欧、旧ソ連まで参加していることを活用して、これを全欧の新しい地域安全保障の中心的な枠組みとし、それを過渡的にバックアップするものとしては独仏中心の「欧州共同防衛軍」を編成してNATO軍に置き換えるという構想が芽生えていた。なお、CSCEは1995年に常設機構となり「全欧安保・協力機構(OSCE)」となったものの、依然としてNATOに不当に頭を押さえつけられていることに変わりはない。

政治家個人より「党」が悪い。自民と統一教会が“組織的関係”であるこれだけの証拠

自民党が幕引きを図ろうとすればするほど、国民の反発が高まる旧統一教会問題。しかし自民幹部クラスは、旧統一教会との関係を正すべきはあくまで所属議員個人であり、党としての責任は今までも、そしてこれからもないと主張しています。この党の姿勢に真っ向から異を唱えるのは、立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、自民と旧統一教会は組織的な関係にあり、党は大きな道義的責任を負っているとして、そう判断せざるを得ない理由を詳細に解説。さらに党幹部らが教団幹部と完全に絶縁することでしか、その道義的責任を果たすことはできないとしています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

内閣改造と党役員人事に批判殺到。岸田首相は責任をもって「旧統一教会との関係を絶つ」と決めよ

内閣改造・自民党役員人事が行われ、第二次岸田文雄内閣が発足した。当初、岸田首相は9月に人事を行う予定だったとされるが、1か月前倒しで実行された。これは、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党との関係が批判を浴びていることが背景にある。

岸田内閣には、何らかの形で旧統一教会との関係を認めた閣僚が7人いることが明らかになっていた。9月まで1か月の間に批判がさらに広がることを防ぐため、早期の人事に踏み切った。首相は、「新たに指名する閣僚や副大臣なども含めて、教団との関係を点検してもらいたい」と発言した。

しかし、内閣改造で7人の閣僚は全員退任しなかった。また、新たに入閣した閣僚と旧統一教会との関係も次々と明らかになっている。岸田首相は、旧統一教会と関係がある議員を外したのではなく、「旧統一教会との関係を見直すことを了解した人だけを閣僚に任命した」と言い訳した。だが、これは国民からわかりづらく、改造後に内閣支持率は回復しなかった。

岸田首相は、自民党と自民党と旧統一教会の間に「組織的関係はない」と強調している。自民党の政策決定に関しても、旧統一教会が不当に影響を与えたという認識はないという。また、茂木敏充党幹事長も、党所属議員が旧統一教会との関わりをそれぞれ関係を点検して、適正に見直すと強調している。

要するに、旧統一教会との関係は、個々の議員の政治活動であり、党には責任はないと主張しているのだ。私はこれに異議を唱えたい。なぜなら、自民党と旧統一教会の関係は「組織的な関係」であり、その責任は党にあるからだ。

最初に、自民党に対して、公平に指摘しておきたいことがある。政治にとっての宗教団体は、選挙の時の「集票マシーン」であり、それ以上でもそれ以下でもない。特定の宗教団体の強く主張する政策を、政治が国民全体の利益よりも優先して実現したことは、私の知る限りほとんどない。

これは、以前から私がよく言ってきたことなのだが、例えば政治と「神道」の関係だ。自民党の強力な支持団体として「日本会議」の存在が取り沙汰されることがある。日本会議と関連がある「日本会議国会議員懇談会」と「神道政治連盟国会議員懇談会」のメンバーだ。

だが、安倍晋三政権時、日本会議が主張する保守的な政策を自民党が実行することはほとんどなかった。むしろ、日本会議が忌み嫌っているはずの社会民主主義的な政策が次々と実現されている。例えば、日本会議は移民受け入れに反対だ。だが、外国人単純労働者の受け入れを決めた「改正入管法」の審議の時には、日本会議は完全に沈黙していた。

要するに、自民党議員は日本会議に対して、「日本は神の国」とか「八紘一宇」だとかリップサービスをしているだけだということだ。実は、神様なんてまったく信じていないと思う。神道とは何か、この国の国体は何かなど理解しようという気もない。票をもらうために、日本会議に調子を合わせているだけのように、私にはみえるのだ。

逆にいえば、日本会議は自民党に票だけ取られてきた。「安倍首相に裏切られた」という声も聞こえてきた。しかし、日本会議が自民党から離れることはないのだ。

終戦時と同じ。コロナ禍と地方衰退に襲われる「統治の空白」ニッポン

大都市圏での新型コロナウイルス新規陽性者数は減少傾向にあるとされるものの、全国規模で見れば1日あたりの死者数が急増中と、未だ第7波の只中にある日本。なぜ政権はこれまでの経験を生かすことができないのでしょうか。今回のメルマガ『』』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、終戦前後における我が国の「統治の空白」について考察するとともに、現政権のコロナへの一連の対応を「統治の放棄」として厳しく批判。その上で国民に対して、この状況を乗り切るための議論の展開を促しています。

※本記事は有料メルマガ『』』2022年8月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に』をどうぞ。

 

8月15日に考えた「権力の空白」について

今年も8月15日がやってきて、そして過ぎて行きました。この戦争終結の日付ですが、米国では降伏文書に調印がされた9月2日のことを「VJデー」としています。また、中国やロシアの場合は、どういうわけか1日後の9月3日を戦勝記念日としているようです。

では、日本の場合はどうして9月2日ではなく、8月15日という日付を大切にしているのかというと、それは日本軍が無条件降伏したことが悔しいというよりも、軍の降伏により戦闘が終結したからだと思います。具体的には、冷静に考えると不思議なのですが、その直前まで核攻撃、大規模空襲、機銃掃射などといった連合国の攻撃により、非戦闘員でも「死と隣り合わせ」であったのが、その恐怖から解放されたからであると考えられます。

不思議というのは、この日を境に当時の日本人が「連合国が攻撃を停止する」ことを無条件に信頼し、また「日本軍が武装解除する」ということも、その裏返しとして信頼していたという問題です。いくら鈴木貫太郎内閣が、昭和天皇の肉声録音という「奥の手」を使ったにしても、生きるか死ぬかの大問題について、その放送により全ての日本人が「一発で信用」したというのは、にわかには信じられません。

勿論、45年の8月に入ってからは、ポツダム宣言に関する新聞記事は出ていたし、原爆による壊滅的被害の問題、そしてソ連の条約無視と参戦という事態の中で、勘のいい人々を中心に「残るは時間の問題」という「空気」は濃厚にあったのだと思います。これに加えて、やはり「負け戦を止められない」軍部への根本的な不信感というのは、相当に広がっていたのでしょう。

そんな中で、やはり8月15日というのが「死の恐怖からの解放」であり、同時に「嘘で固めた戦時体制からの解放」であったのだと思います。また、これは恐らく鈴木貫太郎と、昭和天皇などが個人的に判断したことなのかもしれませんが、盂蘭盆のその日を無条件降伏として、その後は、毎年この日に死者への追悼を重ねるという「設計」がされたということも記憶しておいていいと思います。

ちなみに、この日のことを終戦とするのか、敗戦とするのかという「言い方の問題」が戦後ずっと議論されてきました。勝利の見通しのない戦争を始めたことへの反省を含めて、この結果を厳粛に受け止める立場からは「敗戦」とする、一方で、占領軍を「駐留軍」と呼び変えるなど、「戦争に負けたことをあまり強く言わないで、アメリカと協調し、共産圏と敵対する」立場からは「終戦」とするという考え方のズレが長くあったように思います。

この点については、昨今の情勢を考えると、「敗戦」という言い方の方が「悔しいからもう一度」的な危険性を帯びてきており、むしろ「終戦」という言い方の方が、軽武装と専守防衛で永久平和をという現実主義に近いような語感を持っているのですが、これはあくまで個人的な感想です。皆さまそれぞれに、語感という点からどう考えるか、ご教示いただけると有難いです。

 

小島瑠璃子の中国移住に仕掛けられた罠。盗聴、密告、逮捕収監なんでもアリ、中国共産党の“こじるり洗脳計画”とは?

タレントの「こじるり」こと小島瑠璃子が8日、SNSで中国の大学への留学を発表した。2018年に習い始めた中国語もみるみる上達し、以前から公言していた中国への本格進出をついに決心したようだ。ただ、ネット上では「自分を信じて頑張りたい」とするこじるりへの応援が集まる一方で、“反日国家”中国への接近ぶりを危惧する声も多く上がっている。

専門家によれば、こじるりのような日本の芸能人は中国共産党の格好のターゲット。弱みを握られて言いなりにされたり、最悪の場合は逮捕される危険すらあるという。中国はどのような手口で有名人を“洗脳”していくのか。

こじるりが中国に「政治利用」される恐れ

いま台湾をめぐりアメリカと中国の対立が激しさを増している。

従来、台湾有事の勃発は2020年代後半との予測が主流だったが、米ペロシ下院議長の電撃訪台と、それに反発する中国の軍事演習によって一気に緊張が高まった。

我が国も対岸の火事ではなく、今月4日には中国が発射したミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に落下。15日には、米国の超党派の議員団が台湾を訪問し蔡英文総統と会談するなど、「開戦前夜」を思わせる動きが活発化している。

そんな中、中国の習近平氏が狙っているのが「日本国内で強い影響力を持つ芸能人やインフルエンサーの傀儡化」だ。

中国で最近、市民からの「密告」に最高200万円の報奨金が払われるという新法が成立した。評論家の黄文雄氏によれば、現地在住の日本人は特にターゲットにされやすいという。

「中国の場合、とくにスパイ容疑で狙われやすいのは外国人です。中国人からすれば、外国語で何を話しているかわからないから怪しいということになりますし、また、海外で出版された中国に関する書籍を所持していれば、とくに中国の政権批判につながる書物などを持っていれば、『政権転覆を狙って中国人を煽動しようとした』といった嫌疑をかけることも容易です」(黄文雄氏)

さらに、政権批判を控えたとしてもまったく安心はできない。

「人治主義の国で横行する通報や密告は、非常に恐ろしいものです。恣意的に密告され、適当な罪をでっち上げられる可能性がある」(同氏)

何の罪もないこじるりが「逮捕か、中国共産党の言いなりになるか」の二択を迫られるのは決して絵空事ではない。「洗脳完了」は目の前にある現実的なリスクなのだ。

罠に嵌められた現地インフルエンサー

問題は密告システムだけではない。あの手この手でターゲットを監視し、意に沿わない意見を持つ者は、たとえ「うっかり」でも容赦なく制裁を加えてくるのが中国の怖さだ。

最近も、中国全土で6400万人のフォロワーを誇る超人気インフルエンサーが、アリババの動画配信サービスでケーキを販売したところ、突然ライブ配信が強制終了してしまう事件が発生した。

原因は、天安門事件が起こった6月4日の直前に「戦車」の形をしたケーキを販売したことにあると見られているが、これについて黄文雄氏は、記事の中で次のように分析している。

「そもそも中国の若者世代は天安門事件を知りません。学校で教わることもなければ、中国の規制されているネットでは関連動画や写真などは出てもこないのですから、知りようがありません。そのため、用心のしようもないのです」(黄文雄氏)

小島瑠璃子といえば、当意即妙のコメントを繰り出して「こじるり無双」と呼ばれた時期もあったが、基本的には無邪気すぎる空気を読まない言動が愛され、注目を集めてきたキャラだ。だが、中国では「知らなかった」は通用しない。

売れっ子に嫉妬した周囲の何者かが「戦車型のケーキ」の罠を仕掛けた――という線が濃厚なこの事件。万一、こじるりがターゲットになれば、現地インフルエンサー氏と同じ憂き目に遭う可能性は高い。

中国から与えられる「仕事」の中身

多くの週刊誌も報じるように、中国での小島のタレントとしての可能性は未知数だ。流ちょうに中国語をしゃべれるだけの外国人の需要は高くないという。

小島に残されている可能性は、中国現地から中国事情を日本に向けて発信すること。ただ、政治色のない食やカルチャーなどの発信であっても、中国内部で起こっているネガティブな出来事を覆い隠す役割を担うことになるかもしれない。

最悪の場合は無実の罪で逮捕・収監も

中国では、街中のいたるところに監視カメラが設置され、キャッシュレス決済の履歴を通した行動監視や、中国系サービス上での会話・チャット盗聴などが当然のように行われている。

こじるりが中国で、現地の法律や規制に違反しないように注意すべきなのは言うまでもない。しかし、たとえ自分に一切の非がなくても、あるいは意図的な違反ではなかったとしても、罪をでっち上げられ、最悪の場合は逮捕・収監や「政治カード」として、死刑囚に仕立て上げられる恐れすらある。そのことを、こじるりは強く認識すべきだろう。

現代の戦争が「情報戦」であることはロシア・ウクライナの例からも明らかだが、小島瑠璃子ほどのビッグネームともなれば、中国共産党からみた「利用価値」は著しく高いのだ。