なぜ、書写や道徳は受験に必要な教科と比べて重要視されないのか?

文科省によって「履修漏れ」の点検が、全国の国立大学付属学校で行われるそうです。メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教師の松尾英明さんは今回、学校の「一律の履修主義」について持論を述べながら、書写と道徳が重要視されていない現状について考察しています。

書写と道徳「未実施」の根本的問題を考える

全国の国立大学附属学校にて、「履修もれ」等に関する点検が文科省の指示により行われるという。自分もかつて国立大の附属小学校にお世話になった身として、他人事とは思えない。また、こういったことはこの後すぐに公立校にも降りかかってくるものである。

今回取り上げたいのは、学校の「一律の履修主義」の無理についてである。今回の履修もれ云々の方ではなく、兼ねてより問題だと思っているのが、この点である。

学校は「平等」を重んじる。学校における平等は、機会の均等という点が特に強い。たとえ公平性に欠いてでも平等性の方を重視するのが基本である。

類似した言葉は調べて明らかにして述べる必要がある。「類語例解辞典」を引いて調べると、次のような違いがある。

平等というのは、差別がなく、一様に等しいことを指す。

一方で公平というのは、判断や行動が偏っていないこと。

全員一律に等しい内容を履修すべしという考えの根底にあるものは、平等である。一方で、身に付くまで何度でも修得し直す機会を与えるべしという考えの根底にあるものは、公平である。

日本の公教育は、履修(の履歴の有無)には拘るが、修得については深く問わない。学力検査等で「主要教科」の平均点が低いことを一時的に問題にされることはあるが、だから進級させるなということはない。また受験科目と無関係のもの(=「主要」ではない教科)であれば、その点については全く問われない。件の事例における問題対処についても、あくまで「改めて履修させよ」であり、「修得させよ」ではない。

ごく簡単に言うと、「やりました」あるいは「言いました」という証拠(特に書類)があれば問題なしとみなされる。一方で「身に付きました」や「成果が出ました」については強く問われない。

 

本来、教育で大切なことは「やったかどうか」「言ったかどうか」ではなく、「身に付いたかどうか」「望ましい変化があったか」の方である。

例えば数学である。算数・数学の授業を中学校まで履修完了していても、分数の計算すらろくにできないのでは、話にならない。一方で、小学校、中学校にまともに通えていなくても、大検をとるために数学を自分で学び、身に付けている人もいる。どちらが本質的に意味があるかと問われれば、答えは明白である。

例えば、歴史である。現在、ほとんどの人が高校を出て、かなりの数の若者が大学までも卒業している。しかし、日本の歴史、特に近代史を中学レベルまででも理解できている割合が多いかと問えば、かなり疑問符がつく。(ちなみに理解しているとは、内容の暗記の話ではない。)

これは教育が修得主義ではなく、履修主義であることと無関係ではない。授業中寝ていても、何なら学校を全欠席していても「履修した」とみなされ、「修了」し「卒業」に至る。

もはや履修主義に対してすらも完全に矛盾しているが、それが現実である。この点は「ご都合主義」と言った方が正確かもしれない。

もちろん、修得主義が万能で優れているという訳ではない。例えばフランスなどでは小学校でも「身に付いていない」となれば、留年ができるらしい。一方で、留年したからといって必ずできるようになるとは限らず、そのせいで新たな問題が生まれているともきく。苦手なものは単に年をまたいでも苦手なのだから、当然といえば当然である。

バランスが大切である。「絶対履修主義」あるいは「絶対修得主義」のどちらであっても、問題が生じる。日本の、特に義務教育段階においては、一律の履修主義側に偏りすぎているきらいがある。義務教育段階が新しい学問との出会いの場と考えれば、ある程度の妥当性は認めるものの、その選択肢が狭すぎる気もする。能力がバラバラなものを一定の枠内に収めることはどう考えても不可能である。また少なくとも、全員が一律には修得しきれないであろう内容量であることは、誰の目から見ても明白である。

今回は書写と道徳の二つが槍玉に上がったが、さもありなんというところである。両方とも「受験と無関係だから」という理由については否めないだろう。他にもやることが山ほどあるとなれば、優先順位をつけてしまうだろうことは容易に想像できる。

単なるゴシップ紙だった『りんご日報』は、いつ“香港民主化の砦”になったのか?

中国政府に批判的な論調を展開し、香港デモで重要な役割を果たしたとされる『リンゴ日報』の創業者・黎智英氏の裁判が昨年末から始まっています。日本のメディアは、欧米の政府が裁判そのものを批判していることは伝えても、香港の検察側の主張を伝えることはほとんどありません。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授が、検察側の証人の証言を紹介。「信用できないゴシップ紙」が、香港民主化の砦になっていく過程が明らかになった点に注目し、中国が「何を問題視したのか」探っています。

香港デモの首魁と北京がみなす『りんご日報』創業者の裁判 詳細を日本のメディアはなぜ伝えないのか

台湾の総統選挙で日本のメディアが盛り上がった裏で、香港では2019年の反香港政府・反中国デモに絡む重要な裁判が始った。北京がその首魁と目す『りんご日報』の創業者・黎智英(ジミー・ライ)氏の公判で2日が冒頭陳述だった。

日本では検察側の主張の詳細が伝えられることはない。もっぱら言論の自由を守る橋頭保としての『りんご日報』VS香港司法に終始し、裁判がいかに茶番であるかを伝えている。香港当局も、まるでメディアに材料を提供するように「民間人の陪審員を排除」し、「英国人弁護士の出廷を拒否」した。

だが、対立軸で香港デモを語ることには限界がある。私は中国報道にかかわって40年、ほぼすべてのデモを現地で取材してきた。なかでも1986年12月、新中国の歴史で初めて学生が「民主」を求めて行動を起こしたデモでは、自身が学生だったこともあり一緒に声を上げた。

このときの運動が後に天安門事件へと繋がっていったのだが、こうしたデモの現場に深く入れば入るほど、見たくないモノもたくさん見て、知りたくないコトにも多く遭遇した。報道機関が描くナラティブに収まるようなデモには遭遇したことはない。

天安門事件の翌年、北京で某通信社の支局長と話をしているとき、学生運動のリーダーたちの内紛や外国とのつながり、金銭をめぐる疑惑に話が及んだことがあった。そのとき私は「なぜそれを書かないのか?」と支局長に尋ねたことがある。返ってきた答えは「誰もそんなストーリーは望んでいない」というものだった。

まさに中国ナラティブの典型例だが、これは反日デモでは「中国共産党(共産党)が裏で糸を引いている」という物語となってしまうことにも驚かされた。真相はむしろ逆(共産党は理由が何であれ人々が集まって騒ぐことを警戒する)なのだが、最後には「中国人は好きだが共産党は嫌い」という世にも不思議な理屈が日本で広がったのだった。

残念だが香港のデモについては直接自分の目で確かめることはできなかった。しかし、デモの実相が日本で報じられるような単純なものではないことは容易に想像できた。経済的な要因やアメリカが果たした役割、またデモ隊内部での権力争いといった要因や個々人の利害の衝突など、整理しなければならない要素は少なからず見つかったからだ。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

武家の世を作り出した2人の美女。歴史作家が解説する平安“性”絵巻

NHK大河ドラマ『光る君へ』の放送スタートで注目を集める平安時代。その末期の宮中や朝廷内には、性に対して奔放だった人物も存在していたようです。今回のメルマガ『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』では時代小説の名手として知られる作家の早見俊さんが、そんな「平安性絵巻」とも言うべきあれやこれやを詳しく紹介。当時を記した貴重な資料が800年近くも封印されてきた事情も明らかにしています。

平安「性」絵巻

日本史上初の武家政権を築いた平清盛には白河上皇の御落胤という伝説があります。清盛の母は白河上皇の愛人であった祇園女御で白河上皇が清盛の父忠盛に与えた時には清盛を身籠っていたと噂されていたのです。事の真偽はわかりませんが、清盛が武士として初めて公卿に列し、従一位太政大臣にまで昇り詰めることができたのは上皇の御落胤だからと受け止められていたことは確かなようです。

ところで祇園女御には養女がいました。藤原璋子(しょうし)です。璋子は大納言藤原公実の娘でしたが7歳の時に死別、以後祇園女御の養女として育てられました。璋子は類希なる美貌に恵まれ、養母同様に白河上皇の愛人となりました。

時に白河上皇は還暦過ぎ、璋子は13歳でした。上皇の精力絶倫ぶりに驚くべきか璋子の早熟ぶりに感心すべきでしょうか。ともかく、性に目覚めた璋子は、以後上皇を嫉妬させる程に大勢の男たちと関係を結びます。それでも上皇は璋子の将来を思い、関白藤原忠実の息子忠通に嫁がせようとしました。ところが、璋子の奔放さは朝廷では有名で忠実に拒絶されてしまいました。

困り果てた白河上皇はなんと、孫である鳥羽天皇の中宮にしました。ところが、白河上皇と璋子はその後も肉体関係を続け、璋子は白河上皇の子を身籠ります。後の崇徳天皇です。形式上は長男、しかし血筋からすれば叔父に当たる崇徳天皇を鳥羽上皇は嫌いました。璋子の色香に耽溺しながらも藤原得子(なりこ)を寵愛し、男子をもうけます。そして、白河上皇が崩御すると、崇徳天皇を退け、僅か3歳の男子を天皇に就けました。近衛天皇です。

こうなると面白くない崇徳上皇は鳥羽上皇への復讐の機会を窺います。近衛天皇が崩御したのを好機と捉え、院政を行おうとしました。しかし鳥羽上皇と得子は崇徳上皇の弟を天皇に就け崇徳上皇による院政を阻止しました。この時皇位に就いたのが後白河天皇です。崇徳上皇は激怒し後白河天皇と争い、保元の乱が起きました。御存じ清盛台頭の騒乱ですね。こうしてみると祇園女御、藤原璋子、二人の美妃の色香が騒乱を巻き起こし、武家の世を作り出したと言えるかもしれませんね。

毎日毎日休まず働いて、疲れているから嫌になっちゃうよ。そんな時は…身体を温めよう

休む暇もなく働いている人、多いですよね。無理をしすぎると体が悲鳴をあげてしまいますよ。今回の無料メルマガ『美容と健康ひとくちメモ』では、そんな身体が疲れているあなたに効果がある方法をご紹介しています。

とにかく身体を温める

自律神経は、私たちの体に張り巡る神経のうち、消化器・血管系・内分泌腺・生殖器などの機能を、眠っていようが起きていようが勝手に働いて調整してくれ、種類は交感神経と副交感神経があり、交感神経は、活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時に、副交感神経は、リラックスしている時、眠っている時、体を回復している時にはたらくのだそうです。

しかし、休みもなく毎日無理をしている人は、いつも体が疲れている、不安感が強い、興奮して夜眠れない、血圧が高い、といった交感神経優位の疲れに陥り、逆に、緊張感なくゆったりし過ぎると、少し動くだけで疲れてやる気が起こらない、落ち込みやすい、朝起きるのが億劫になるという副交感神経優位の疲れを感じるのだとか。

無理すると交感神経緊張で血管収縮が起こり、血流障害と低体温になり、逆にリラックスし過ぎると、代謝熱が少なくなったり、筋肉からの発熱が少なくなって、低体温になる。

疲れがある人は、どらちかに偏った、低体温、循環障害があるので、お風呂に入ったり、湯たんぽなどで温めると効果があるそうです。

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最高のAI美女を生成したぞ! 夏目雅子のDNAを受け継ぐ我が理想の美人モデルを!

入力したテキストから自動的に写真やイラストを生成する「画像生成AI」が進化しています。ただこの生成AI、これまでは同じ顔を繰り返し出力するのが苦手でした。この問題を克服するのが「Face-lock(顔固定)」機能。今回の記事では、Windows95を設計した日本人として知られる中島聡さんが、夏目雅子さん似の「AI生成バーチャルモデル」づくりに挑戦する模様をご紹介します。(メルマガ『週刊 Life is beautiful』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題「AI生成バーチャルモデル」

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

【関連】Windows95の父・中島聡氏がテスラ株を買い増し。決算で株価急落も「なぜ私が強気なのか解説します」長期保有一択の根拠は?

「同一人物」をつくるのが難しかった画像生成AI

数年前に、このメルマガで「バーチャルモデルがこれから伸びる」と指摘したことがありますが、まさにその通りになっており、実際にバーチャルモデルが広告などで活躍する時代になりました。

従来型のバーチャルモデルは、3Dデザイナーが3Dモデリングソフトウェアを使って3Dモデルを作り、それに洋服を着せたり、ポーズをさせて作っていました。

かなりのスキルが要求される上に、手間もかかるため、普通の人には手が出せませんでした。

私も、バーチャルモデルを作りたいとは思いましたが、趣味でやるにはちょっと無理だと判断しました。

しかし、去年あたりから急激に生成AI技術が進歩し、任意のテキスト(プロンプト)から画像を作ること(Text2Image)が可能になり、ごく一般の人が、モデルも含めたさまざまな画像を作ることができるようになりました。

ところが、それだけでは、バーチャルモデルを作ることができませんでした。プロンプトだけから画像を生成する場合、毎回同じモデルを生成することが難しいのです。

人種、髪の色に加えて、顔の部品の特徴をプロンプトで指定することは可能ですが、それだけでは「同一人物」を毎回生成することは不可能なのです。

「顔固定」機能を使って女性の顔を生成すると?

そんな中で、最近誕生したのが、Face-lock(顔固定)と呼ばれる機能です。

これはプロンプトに加えて、顔写真を1枚提供することにより、その人の画像を生成することが可能になるというものです。

Text2ImageのWebサービスの中で、RenderNetというサービスがいち早く、Face-lockの機能を実装してくれたので、色々と試してみました。

いろいろと実験した結果、(私から見て)とても魅力的な女性の顔を生成することができました(AIモデルは “Epic Realismです”)。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

自民パー券疑惑で急浮上した「日本青年会議所」の深い闇。なぜ“元会頭”の池田代議士が逮捕されたのか?

自民党のパー券裏金疑惑を巡る初の逮捕者となった、池田佳隆元文部科学副大臣。安倍派の中堅議員に過ぎない彼は、なぜ販売ノルマをはるかに上回るパー券を売りさばくことが可能だったのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんがその理由を、池田氏が日本青年会議所の会頭を務めていた過去に注目し解説。さらに2021年公開のドキュメンタリー映画に、「自民党パー券の闇」が映し出されていた事実を取り上げています。

日本青年会議所の存在。パー券裏金問題で逮捕された池田佳隆議員のバック

自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーにおける一連の問題で、東京地検特捜部は7日、政治資金規正法違反の疑いで衆院議員池田佳隆容疑者(57)=比例東海=と政策秘書の柿沼和宏容疑者(45)を逮捕した。

一連の裏金疑惑の問題で、逮捕者が出るのは初めて。

池田・柿沼両容疑者の逮捕容疑は、共謀により2018年~22年、派閥から計4,826万円の還流を受けたのに、その額を除いた虚偽の収入を池田氏の資金管理団体である「池田黎明会」の政治資金収支報告書に記入した疑い。

安倍派の裏金は5年間で6億円近くに上っていた可能性があるが、所属議員99人の中でとくに池田容疑者側は高額だった(*1)。また、特捜部は逮捕の理由を、

「具体的な罪証隠滅の恐れが大きいと判断した」(*2)

と説明する。

関係者によると、捜索の押収物の解析の過程で、池田氏の事務所がデータや資料を故意に破壊、破棄するなどした疑いが浮上。

さらに証拠隠滅の行為には池田氏の指示があり、捜索後もそれが継続しているのではないかと特捜部は判断(*3)、逮捕に踏み切った。

直近5年で9人もが逮捕。カネにだらしない自民党

岸田文雄政権発足から2年あまりで、自民党に所属した議員の逮捕や起訴は4人目。直近の5年間では9人目にのぼる。

最近逮捕や起訴された自民党議員(いずれも起訴が表面化した時点では党所属)(*4)

  • 2019年 秋元司元内閣副大臣 IR事業汚職事件で逮捕
  • 20年  河井克行元法相、河井案里元参院議員 19年参院選の買収事件で逮捕
  • 21年  吉川貫盛元農相  鶏卵汚職事件で在宅起訴
        菅原一秀元経済産業相 地元有権者に香典などを提供し略式起訴
  • 22年  薗浦健太郎元外務副大臣 政治資金パーティーの収入を過小記載し略式起訴
  • 23年  秋本真利元外務政務官  洋上風力発電事業をめぐる汚職事件で逮捕
         柿沢末途前法務副大臣  東京・江東区長選の買収事件で逮捕
  • 24年  池田佳隆元文部科学副大臣 安倍派の政治資金パーティーをめぐる事件で逮捕

NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は西日本新聞の取材に対し、

「政治とカネ」の問題が何度も取り沙汰されているにもかかわらず、政治資金規正法には多くの抜け穴が残されているのが現状だ。裏金をつくるために政治資金収支報告書に虚偽の記入があっても有権者は知ることができない。投票行動にもつながる情報が隠されていたとするなら、背信行為で重大な問題だ(*5)

と話す。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

トランプ再選なら「地球最終戦争」へ。核使用を“阻止”するため日本がすべき事

21日、ガザ地区の死者が2万5,000人を超えたと発表したパレスチナの保健当局。戦火は周辺地域にも拡大する様相を呈しており、ウクライナ戦争と同じく先が見通せない状況となっています。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、中東での戦争を世界に広げないために日本政府ができることを考察。さらにトランプ氏が再選した際に我が国はどう動くべきかについて解説しています。

露は画策、米は撤退、中東は拡大…紛争が続けば「ヨハネの黙示録」完結へ、これを阻止するには?

ガザでのハマス掃討も進み、次にガザの支配権をどうするかに議論が起こるようだ。アラブ諸国は、パレスチナ国家樹立に向けた「不可逆的」措置にイスラエルが同意するなら、サウジアラビアなどとの正常化を提案するという。この構想の一環として、ガザでの停戦とハマスに拘束されている人質の解放を実現する。

しかし、ネタニヤフ首相は「いかなるシナリオにおいてもパレスチナ国家の建設には反対」という。2国共存は望まないとして、この地域全体を支配するという。これに対して、バイデン大統領は「2国家共存」の考えを改めて強調した。

そして、イスラエル軍のハレビ参謀総長は17日、同国北隣のレバノンとの国境線で戦争が勃発する可能性が高くなっているとした。

これは、イスラエル領土を拡張しようとしていることであり、レバノン南部も支配下に置くようである。イスラエルは、領土拡張主義国になってしまったようである。

それと、ギリシャ船や米国船などが、紅海でミサイルを被弾したことで、米国は、フーシ派の対艦ミサイルなどを攻撃した。バイデン政権は、フーシ派を国際テロ組織に再指定したが、フーシ派との戦争は望まずという。しかし、フーシ派の紅海での攻撃は止まらない。

この上に、イランは16日、隣国パキスタン南西部バルチスタン州にある「テロリスト集団の拠点2か所」をミサイルと無人機で破壊したと報じた。イラク、シリアに続く周辺国への軍事行動となった。

一連の報復では、ラスクの警察署襲撃にイスラエルの対外情報機関モサドの関与も示唆し、その拠点としてイラク北部を攻撃した。敵対勢力への力による報復を誇示した。国内の不満解消で国民の目を外に向けるようである。

この攻撃に対して、パキスタンは、イランへの報復攻撃を開始した。パキスタン外務省は18日「イラン西部スィースターン・バルーチェスターン州にあるテロリストの隠れ家に対して精密攻撃を実施した」と発表。イラン国営メディアは「パキスタンの攻撃で民間人7名が死亡して複数人が負傷者した」と報じた。報復合戦になると、戦争になることもあり得る。

イスラエルとしては、アラブ諸国の一致を一番警戒しているので、シーア派とスンニ派の分断は、願っていることである。しかし、イスラエルのモサドが支援するテロ組織を攻撃しているようにも見える。このため、イランとパキスタンが互いの領土を攻撃したことを巡り、イランのアブドラヒアン外相とパキスタンのジラニ外相は19日に電話会談し、緊張緩和を図る方針で合意した。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

4月に解散総選挙か。能登半島地震の被災者を見捨てて保身に走る岸田文雄

多くの国民の期待も虚しく、小物議員と会計責任者らの立件にとどまった自民党のパー券裏金疑惑。巷間囁かれているような、検察と自民党との間に「取引」はあったのでしょうか。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』ではジャーナリストの有田芳生さんが、安倍派「5人組」らが立件されなかったことをどう理解すべきかについて解説。さらに自派閥の解散に踏み切った岸田首相の「真の狙い」を考察しています。

「宏池会(岸田派)」解散で生き残りを図る岸田総理

裏金問題で安倍派「5人組」に東京地検特捜部の捜査の手は伸びるのか。本人たちも世間も強い関心を持ってきた。ところがNHK、毎日新聞、読売新聞などが断続的に否定報道を行った。

事務総長経験者たちではなく、事務局長を政治資金規正法違反(不記載)で立件するだけで、議員にまで及ばないというのだ。1月19日に立件されたのは実務関係者と2人の国会議員だけだった。

たしかにこの法律は実務者を対象とするもので、議員との共謀を示す明確な物証がなければ立件は困難とされてきた。1月18日の朝日新聞が江東区長選挙で柿沢未途議員が買収をしたことで逮捕、立件されたことで、否認から一転した背景を報じている。

柿沢議員はあるスタッフに現金提供などしていないと供述した。ところが柿沢議員がその人物と会食する直前にATMで現金を引き出す防犯カメラ映像があり、さらに出金記録まで示され、さらには「最後まで木村さん(有田注、木村弥生候補)の当選に向けて頑張りましょう」と書いたLINEも残っていた。

東京地検特捜部はここまで捜査する。安倍派「5人組」については明白な物証がなかったと理解するしかない。ただし政治資金規制法で立件できなくとも脱税は明確なので、そこまで踏み込むのかどうかは、まだ注目される。

岸田派の元会計責任者を立件、二階俊博元幹事長の秘書を立件、元会計責任者を在宅起訴する方針だが、ここでも議員にまでは及ばない。安倍派についても26日の通常国会までに結論を出すべく詰めの捜査が続いている。最終的な結果は不明だが、いずれ安倍派「5人組」たちには検察審査会への申し立てが行われる。

11人の委員(国民から任意で選ばれる)のうち8人が「起訴相当」とすれば、検察は再捜査義務が生じる。それでも不起訴にすれば、二度目の「起訴相当」を議決することもできる。そうなれば強制起訴され、裁判になる。時間はかかるがまだまだ裏金問題は続いていくのだ。

裏金問題に関わって東京地検特捜部は逮捕した池田佳孝議員と統一教会の関係についても捜査をしていた。教団の会合にしばしば出席し韓鶴子総裁を持ち上げていたからだ。

資金の流れはないかが関心だった。さらに池田議員が「兄貴」と慕っていた萩生田光一議員と統一教会マネーの関係だ。

結論からいえば巨額な資金援助があった証拠は出てこなかったが、パーティ券は購入していたという。

池田議員は公判があるので、裁判で統一教会問題が指摘されることもありうる。

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佐々木希「キレイの秘訣は渡部の不倫ですね」!? 第2の木村多江説浮上で芸能記者ら大いに揉める

新ドラマ『アイのない恋人たち』(テレ朝系)に出演している女優の佐々木希さん(35)。作品内では、主人公の久米真和(福士蒼汰)の高校時代の同級生で、現在はレンタル彼女とホステスをかけ持ち中――という幸薄そうな役どころを演じています。若い芸能記者たちは、そんな佐々木希さんの2人の子どもを出産したとは思えない美しさにメロメロ。「夫・渡部の多目的トイレ不倫後、美しさに磨きがかかった」「歳を取らない薄幸女優枠は佐々木で決まり」と大はしゃぎのようです。でも……絶対女王・木村多江さん(52)の牙城を崩すのは、そう簡単ではないようですよ?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが語ります。

恐ろしく歳をとらない佐々木希は「まるで就活生」

佐々木希が2022年4月期の『やんごとなき一族』以来、約1年半ぶりとなる連続ドラマ『アイのない恋人たち』に出演しています。

『やんごと~』では松下洸平演じる名家の御曹司の秘書役を演じた佐々木ですが、『アイの~』ではバツ1でレンタル彼女とホステスの仕事を掛け持ちし、恋と酒に溺れる日々を過ごすアラサーを演じます。

脚本は『GTO』『女王の教室』『家政婦のミタ』を手掛けてきた遊川和彦のオリジナルで、男女7人の恋模様群像劇が描かれるようです。

元旦にはザ・ドリフターズの往年のコントやメイクに挑戦したりと新しいキャラクターにも挑戦、弾けた様子も見られる佐々木ですが、この“高校時代はマドンナ的存在の女性が離婚し、水商売でアルコールに溺れていく様”の役柄は、早くも芸能記者たちの期待を高めています。

最新の『Smart FLASH』はロケ現場での様子を報じていて、かつてイメージ・キャラクターを務めていた『洋服の青山』のCMを彷彿とさせるようなスーツ姿を披露していました。

来月36歳で2児のママとはいえ、遠くから見れば就活生と言っても十分通用するようなその容姿に、撮影したカメラマンの漏らした溜め息が聞こえてきそうです。

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若い記者連中が佐々木希にどハマり。でも木村多江がいるぞ

『スマフラ』の記事の中で、若い芸能記者たちと大いに盛り上がったのは佐々木の最近のキャスティングに言及した部分でした。

記事には「演じるのが“幸が薄そう”な役ばかりなんです~中略~今回も“バツ1アラサー女子”という役。以前の演技が評価されているから似たようなオファーが来るんでしょうが…」という芸能記者のコメントがあり、少なからず2020年6月に発覚した夫・渡部建の“多目的トイレ不倫”スキャンダルが妻である佐々木にも影響を及ぼしていることが感じられます。

若い芸能記者たちの意見を聞いて“えぇ~…”と思ったのは、彼等が佐々木について「以前は透明感のあるお嬢様的役柄がやはり似合っていたけど、夫のサイテーな不倫が発覚しても耐え忍んでいるからなのか、幸せ薄い役柄がよく似合うようになってきたと思わない?」という意見でした。

今現在、“薄幸女優”といえば木村多江という絶対女王がいるわけですが、第2の木村多江になる可能性も高い…という見方を、若い記者たちがしているのです。

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急死した「歌手の小金沢くん」への嫉妬と時計と北島三郎…。兄弟子・山本譲二との“知られざる確執”

先日、わずか65歳の若さで亡くなった演歌歌手・小金沢昇司さんの突然の訃報に驚いた方も多いのではないでしょうか。そんな小金沢さんは、かつて所属していた北島三郎の「北島音楽事務所」で「兄弟子」だった山本譲二と確執があったようです。メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』が、2人を良く知る興行師から聞いた話を明かしています。

※この記事はメルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2024年1月22日号を一部抜粋したものです。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料お試し購読をご登録下さい。

「歌手の小金沢くん」小金沢昇司死去──興行師が漏らす兄弟子・山本譲二との確執

「ありがとう…感謝」などのヒット曲で知られる演歌歌手の小金沢昇司(こがねざわ・しょうじ。本名同)が1月11日、地元・神奈川県内の病院で呼吸不全のために死去した。享年65とは、早過ぎるだろう。

全国紙の死亡欄でも顔写真付きで紹介されており、知名度の高さが窺える。だが、既報の通り、小金沢を一躍有名にしたのは本業の歌ではなく、無名時代の92年8月、のど薬「フィニッシュ・コーワ」(興和)のTVCMにたまたま抜擢され、「歌手の小金沢君が使っているのは」とナレーションで紹介され、「小金沢君って誰?」と話題になった。34歳の時のことだ。そして同年発売のシングル「おまえだけ」が35万枚のヒットに。NHK紅白には一度も出ていない。

それに比べれば、同じ北島音楽事務所に所属していて、「みちのくひとり旅」(81年。130万枚)などのヒット曲で知られ、NHK紅白出場14回を数える兄弟子・山本譲二(73)の方がはるかに大物だ。

その山本も、「実の兄弟のように育ってきました。ぽっかり風穴があきました。本当に寂しいです」などとコメントを出していたが、2人のことを良く知る興行師は、2人の確執についてこう漏らす。

「北島三郎は2人に時計をプレゼントした。ところが、自信家で威張る面もある山本譲二は、自分の方がつきあいが長く、実力も貢献もしているのに、時計の値段が小金沢にあげた方が高いと言い出し、小金沢に嫉妬した。北島は小金沢の人柄を評価し、自分の娘を結婚させようとしていたほど。だから、差があっても無理もないが、いくら言っても山本は納得せず、何かにつけ小金沢に対し嫉妬し続けた。それで、ついに北島は実質、山本を切ったんです」

山本の人間性に関するエピソードといえば、北島が町火消「め組」の頭として出演していた時代劇ドラマ『暴れん坊将軍』(テレ朝)に、北島の代わりに1997年から2001年まで出ていた件でもこんなエピソードがあるという。

「山本のセリフがいつまで経っても余りに下手で、降板してくれと言う話になった。ですが、ガンとして山本は承知せず、仕方ないので一度番組を打ち切るかたちで事を納めた。主演の松平健始め皆に迷惑をかけてもいるんです」(同)

山本は2007年元旦に独立。小金沢も14年に独立し、共に、表向きはその後も北島三郎事務所とはいい関係を保っているとなっている。しかし、この興行師によると、北島ファミリーと称して興行を打つ際、小金沢はメンバーに入っているが、山本は入っていないという。