誤解されがちな建設業界。約半数が「ほぼオフィスワーク」の現実

株式会社アーキ・ジャパンが、20〜60代の建設業界勤務者1115名を対象に「建設業界のイメージと実態」に関する調査を行なったところ、「言うほど肉体労働ではない」「デジタルな要素が多い」など、建設業界の意外な一面が明らかになりました。

建設業界の意外な一面

d36400-15-964898-0

「他人に話して1番驚かれる仕事内容は何ですか?」との質問には、「意外とデジタルな要素が多いこと(岩手県/40代/男性)」「建設用の経理事務の資格がある(東京都/30代/女性)」「言うほど肉体労働ではない(奈良県50代/男性)」「システム整備をしている事(秋田県/40代/男性)」との意見が挙げられました。

建設業界ときくと、外で作業するイメージを抱く人が多いことから、事務作業などの内勤業務があることに驚く方もいるのかもしれません。

ほとんどの仕事が事務作業

d36400-15-796120-1

続いて、「建設業とかけ離れている思う仕事はありますか?」という質問をした結果、47.1%の人が「ある」と回答しました。

あると回答した方々に内容を詳しく聞くと「IT関連業務(埼玉県/50代/男性)」「現場監督よりデスクワークが多い(北海道/30代/男性)」「 売上や集計などの事務処理(宮城県/20代/男性)」「意外と事務作業が多い(千葉県/30代/男性)」という意見が得られました。

一般的な会社であれば、当たり前にある事務作業。しかし、「作業着を着る」「現場で力仕事」というイメージが定着している建設業界では珍しいと捉えられているようです。

文系出身者・未経験者でも活躍できる業界

d36400-15-375841-2

建設業界の仕事内容は、意外にも事務作業が多いことが判明。そこで、「理系出身でも文系出身でも建設業に従事することはできますか?」と質問。すると、91.1%もの人が「できる」と回答しました。

何となく、理系出身の方が多いイメージの建設業界でしたが、実際のところは、理系出身であっても文系であっても関係ないのですね。

「建設業界は未経験でも活躍でできる業界ですか?」との質問には、93.7%もの人が「はい」と答えました。経験や知識より、本人のやる気次第で活躍できる業界だということが伺えます。

実はよかったギャップ

d36400-15-629963-3

最後に、「建設業界について悪いと思っていたイメージから実は良かったと感じたギャップの内容について教えてください」と質問。多く集まったのは、「今では女性も活躍しているし、技術の進歩によりだいぶ楽になってきている(東京都/50代男性)」「ガテン系ではなく、意外とインテリ系(東京都/30代/女性)」「きつい、汚い、臭いという業務はほとんどない(兵庫県/40代/男性)」「1日あたりの労働時間が思っていたより短めだったこと(神奈川県/40代/男性)」という意見でした。

これまで、過酷な労働環境がイメージされやすかった建設業界。勤めてみると、働きやすい環境が整ってきているようです。

source:PR Times

image by: PR Timesshutterstock

理解不能な上司の指示19%が「そのまま放置」意識の低さ浮き彫り

上司からの指示が理解できなかった際、どのように対応するか。なぜ理解できないということが起こるのか、退職の前に読むサイト編集部が社会人175名を対象に「上司からの指示が理解できなかったときにどうしますか?」とアンケート調査を行なったところ、「わからないまま放置する」と答えた人が19%にも及ぶことがわかりました。

上司からの指示が理解できなかったときどうする?

d45126-84-770144-0

社会人を対象に、「上司からの指示が理解できなかったときどうしますか?」と質問したところ、なんと175名のなかの19%もの人が「わからないまま放置する」と回答しました。

「すぐに聞き直す」と回答したのは全体の42%

「すぐに聞き直す」と回答したのは、全体の42%の人。

指示を理解しないまま仕事を進めるとミスの原因となりかねません。指示を出す上司や先輩も、理解できないまま仕事を進めるのではなく、その場で解決してほしいはずのため、「理解できなかったことはすぐに聞く」という方が多いようです。

時間が経ってから聞き直すと回答したのは23%

次いで多かったのが「時間が経ってから聞き直す」という回答。

理解できないままに考えていても仕事は進みません。そのため、すぐには聞かずとも、1度持ち帰り考えた上で聞き直す方も多いようです。

自ら調べることでより理解を深められるため、考えている時間を「無駄」と思わずに時間が経ってから聞き直すのもひとつの手かもしれません。

他の人に確認すると回答したのは16%

「他の人に確認する」と回答したのは全体の16%。

指示を出した側が忙しそうでなかなか聞き出せない状態であれば、先輩など他の人に聞いてみるのも良いでしょう。しかし、聞いた相手も指示を正しく理解できているとは限りません。極力は本人に聞いた方が良さそうです。

わからないまま放置すると回答したのは19%

そして、指示をわからないまま放置すると回答したのは、なんと全体の19%にも及ぶことがわかりました。

理解できないまま放置していると、指示を出した側も理解できていないと気づくことすらできません。

指示を理解しないまま放置すると、間違って仕事を進めたり、取り組むべき仕事がわからなかったり…と無駄な時間をとることになります。その結果、ミスに気づくのが遅れて周囲に迷惑をかけてしまったり、締め切りまでに仕事が終わらないという最悪のケースになることも。

問題はそれだけでなく、「わからない」というストレスが溜まる恐れもあります。社会人として責任を持って働くという意味でも、自分のストレスケアという意味でも、理解できないことは放置せずその都度確認しましょう。

なぜ理解できない?

では、なぜ上司の指示を理解できないのでしょうか。これは一概にはいえませんが、知識不足、経験不足、指示を聞く気がないなどが挙げられると思います。

これらを改善するためには、理解するまで聞くことはもちろん、仕事に対する勉強を怠らないなどあらかじめ仕事の準備をしておく必要があるでしょう。

指示を理解できないというのは、仕事に対する意識を少し変えるだけで基本的にクリアできる問題。周りに相談しながら、少しずつ努力を重ねることで、理解できない指示も少なくなるのではないでしょうか。

source: PR Times

image by: shutterstock.com

ぴえん、べびたっぴ…女子中高生の2019年流行語、いくつ分かる?

2019年の新語・流行語大賞の年間大賞は「ONE TEAM」に決まりましたが、女子中高生の流行語とは少し隔たりがあるようです。

令和元年となった今年、女子中高生の間で流行ったものは一体何だったのでしょう?株式会社AMFが女子中高生に対して実施した「2019年の流行語大賞」の結果を、「ヒト・モノ・アプリ・コトバ」の4部門に分けてご紹介します。

d17469-14-831664-0

JC・JK流行語大賞2019「ヒト部門」

1位に輝いたのは、4人組ピアノポップバンドの「Official 髭男dism」です。通称”髭男”として親しまれ、「何回聞いても飽きない」というメロディーと歌詞から、YouTubeやサブスクを通して女子中高生の間で大流行。国内配信チャートでも上位を独占し、今年1年を代表するアーティストとなりました。

2位の「横浜流星」さんは、株式会社AMFが行ったJCJK流行語大賞2019上半期でも選出され、年間大賞でもランクイン。中性的な顔立ちから“美しすぎる枠”で女子中高生の人気を獲得しました。

3位の「フワちゃん」は、独特の言葉選びや奇抜な行動が面白すぎるとSNSから火が付き、YouTubeでの投稿やTwitterでの発信内容が話題に。男女ともに人気を獲得しています。

JC・JK流行語大賞2019「モノ部門」

2週間で-10kg痩せる「ハンドクラップダンス」が1位を獲得。Fitz and the TantrumsのHandclapの曲に合わせて激しく踊る韓国人YouTuberの動画が話題となり、激しいダンスながら簡単な振り付けと楽曲のノリやすさで運動会や文化祭で度々披露され、人気となりました。

2位の「PRODUCE101 JAPAN」通称「日プ」は、韓国の人気サバイバルオーディション番組の日本版で「国プ」と呼ばれる視聴者が投票しデビューメンバーを選ぶ斬新な選考方法と、番組中に見せる完成度の高いパフォーマンスで新たに関心を集めました。SNS上では、放送中に番組名が毎回トレンド1位を獲得するなど女子中高生を中心に広がっています。

韓国大統領府を検察が家宅捜索、監察もみ消しの疑い。元職員は死亡

韓国の検察が、収賄の疑いで逮捕した釜山(プサン)市のユ・ジェス前副市長に対する監察を揉み消した疑いで、大統領府の家宅捜索に着手する方針であると、FNNTBSなどが伝えた。

ユ前副市長は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、大統領府民情首席秘書官だった文在寅(ムン・ジェイン)大統領の部下だった人物。2016年ごろ、韓国の金融委員会に所属していた際に金融業者からわいろを受け取る収賄などの疑いで、2019年11月27日に逮捕された。

すでに2017年、この疑いで大統領府の監察を受けていたが、大統領府高官らの圧力で監察が打ち切られた疑惑がさらに今回浮上した。文在寅大統領の元部下であるユ前副市長は現韓国政権と近い存在であり、当時の大統領府で政府高官の司法・監視を担当する民情首席秘書官であったチョ・グク前法相の関与についても調べるものとみられる。

大統領府をめぐっては、12月1日に民情首席秘書官室の元行政官がソウル市内で遺体で見つかったと産経新聞が報じている。さらに最近韓国では、2018年6月に行われた蔚山市長選の際、同秘書官室が捜査機関に対し、現職であった前市長の汚職に関する情報を職権を超えて流した疑惑が浮上。

死亡した元行政官はこの疑惑に関わったともみられており、1日に検察から事情聴取をうける予定だった。元行政官は遺書とみられる内容のメモも残されており、現在警察が死亡した経緯を調べている。

source:FNN,TBS,産経新聞

image by:Chintung Lee/Shutterstock.com

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

ブランド失墜。2019年に企業イメージを悪化させた不祥事トップ10

2019年に発覚した企業不祥事の中で、社会人が「最もイメージダウンした出来事」は何なのか。全国1000人の男女(20~60代)を対象に、株式会社宣伝会議が実施したアンケート調査の結果をご紹介します。

2019年、不祥事の問題点とは?

2019年1月~10月に発覚した企業不祥事12件(※)のうち、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらったところ、1位は「かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚」(48.7%、1位)に。

以下、「レオパレス21の建築基準法違反発覚」(38.5%、2位)、「吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応」(37.3%、3位)と続きました。

2018年はスポーツ、大学に関連する不祥事が多く目立ちましたが、2019年は大手企業の不正に関するニュースが相次ぎ、組織風土やコンプライアンスが問われる事態となっています。

電子マネーやAIデータ、ネット上の口コミなどテクノロジーに起因する問題も目立っています。知名度のあるタレントと所属事務所の問題も多く報道されました。

【2019年 イメージダウンした不祥事ランキング】

  • 1位:かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚(48.7%)
  • 2位:レオパレス21の建築基準法違反(38.5%)
  • 3位:吉本興業で相次ぐタレントの不祥事と事務所の対応(37.3%)
  • 4位:関西電力の幹部らが高浜町の元助役から金品受領(29.7%)
  • 5位:セブン・ペイがセキュリティ問題で撤退発表(21.3%)
  • 6位:日産・ゴーン逮捕と西川廣人CEO解任(19.9%)
  • 7位:食べログなどの口コミ評価問題、公取委が実態調査(6.2%)
  • 8位:リクナビが「内定辞退予測」企業に販売(4.4%)
  • 9位:「宅ふぁいる便」大規模な個人情報漏えいでサービス停止(3.8%)
  • 10位:カネカ、元従業員妻がTwitterでパタハラ告発(2.1%)
    (括弧内は回答者1000人中の選択者数の割合)

安倍首相、桜名簿の廃棄「障がい者雇用の職員が担当」に怒りの声

安倍晋三首相は2日の参院本会議で、野党議員が資料要求した直後に内閣府が「桜を見る会」招待者名簿を廃棄したことについて「担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間との調整をした」と明らかにしたと、毎日新聞スポーツニッポンなどが3日夜までに報じた。これについて、日本のネット上では4日、「障害者と公表する必要はない」「『障害者雇用』を示す必要は皆無で、最低最悪の言い訳と思います」「言い訳に障がい者雇用の職員を持ち出し、まるで障がい者のせいにした。断じて許せない」と批判が相次いでいる。

毎日新聞によると、2日の参院本会議で森屋宏議員は「資料要求があったから名簿を破棄したとの指摘がありますが、その経緯はどういうものだったのでしょうか」と答弁。それに対して安倍首相は「廃棄を行なうための大型シュレッダーの予約を422日に行ない、その際シュレッダーの空き状況や担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間等との調整を行なった結果、使用予定日が59日となった」と回答した。

これらの回答について、日本のネット上では「プライバシーに関わる問題を公表するな」「人権意識のかけらもない」「最低最悪の言い訳」「まるで障害者のせいにするかのような言い方だと聞きながら思いました」「涙が出るぐらい腹立たしかった」など、批判の声が多く投稿されている。

Twitterの反応








※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: Sasa Dzambic Photography / Shutterstock.com

日本経済衰退の元凶。中曽根政権が5年間に渡って犯した「大罪」

去る11月29日、101歳で亡くなった中曽根康弘元首相。メディアではその功績を称える報道ばかりが目立ちますが、当然ながら別の見方もあるようです。米国在住の作家・冷泉彰彦さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、中曽根氏が政権を担った1982年からの5年間を「日本の経済敗戦への重要な転換点」とし、そう判断する理由を冷静な筆致で記しています。

【関連記事】
日本経済をスカスカにした真犯人、日本発「多国籍企業」の罪と罰
もはや笑うしかない。日本の生産性をダメダメにした5つの大問題

中曽根政権の5年間で、日本はスカスカ経済へと舵を切った 空洞化の研究その3

中曽根康弘氏が亡くなりましたが、世間にあふれている弔辞は、どれも退屈なものばかりです。日米同盟は強固、国鉄改革は成功、経済が強かった時代、韓国や中国とも蜜月、ということで、まるで聖人君子のような賛辞にあふれているのですから、呆れたものです。

私は、1982年から87年という中曽根政権の時代が、現在に至る日本経済衰退の苦しみ、その元凶となる時代だと考えています。非常に大雑把ではありますが、駆け足でこの5年間を振り返ってみることにしましょう。

1982年は、CDフォーマット決定とIBMスパイ事件が起きた年でした。

CDについては、ソニーが蘭フィリップスと共同で決めたとしていますが、16ビットという低すぎるスペックのフォーマットが普及し過ぎてしまったために、世界の音楽業界、オーディオ業界に計り知れないダメージ、つまり付加価値を高められないという悲劇を招くこととなったのです。

そのダメージが一番大きかったのは日本であり、その後の30年間でゆっくりと日本のオーディオ産業は安楽死していくのでした。iPodiやMP2といったデジタルオーディオを嫌って新しい波に乗れずに転落したというのは、最後のトドメに過ぎません。

一方で、IBMスパイ事件は、半導体技術などコンピュータのハード面では、アメリカを抜きつつあった日本に対抗して、米IBMがソフトにおける秘密主義によって互換機を妨害に出たところ、これに対抗した日本勢の情報収集活動が悪質なおとり捜査の被害に遭ったという事件です。

だったら、日本勢は独自OSの開発に向かえば良かったのですが、アメリカにそこまで汚い手を使われても尚、互換機にこだわったばかりか、ソフト軽視の風潮をつづけたのは致命的でした。差し詰めITの世界における「ミッドウェイ敗戦」というところです。

政治ということでは、この年の4月にフォークランドマルビナス戦争が起きています。20世紀も末のこの時期に、西側の民主国家同士が人命を弄んでチャンバラをやったという醜態は、とにかく歴史に深く深く刻まれています。全くもって恥ずかしいことであり、両国がその恥を自覚していないことはもっと恥ずかしいと思います。忘れてはならない事件です。

1983年は4月にTDLが開園しています。別にディズニー文化には敵意は持っていませんが、ここまで裾野の広い大衆文化について、圧倒的に外資に収奪され、民族派は全く太刀打ちできず36年後の現在に至って、益々人気が拡大しているというのは、やはり考えものです。米ディズニーに流れた配当やロイヤリティーのキャッシュは、累積でどんなスケールになるのか空恐ろしい感じもします。

この年は、西独では「緑の党」が、ロンドンでは「女性市長」が誕生していますが、環境やジェンダー差別ということでは、日本の進捗は実に遅かったことが思い起こされます。

一方で、7月には任天堂が「ファミリーコンピュータ」を出しています。これは特筆すべき成果ですし、その後の日本経済やカルチャーへの貢献は計り知れないと思います。それはそうなのですが、反対にコンピュータの分野で、その他には日本発のグローバルな成功というのは、ほとんど見られないということには、何とも言えない思いもあります。

1984年は、1月にアップルが「マッキントッシュを発売した年でした。このようなハード、ソフト共に独創的なコンピュータを日本が開発できなかったということも、経済における全面敗戦の一つの象徴と言うべきでしょう。

この1984年の2月にはサラエボ冬季五輪が行われました。見事に五輪の大会をホストした国が、内部対立で瓦解し、戦火によって崩壊していったということも、82年のフォークランド同様に、世界は記憶しておかねばなりません。

世界的エンジニアが苦言。日本を叩き潰すMMT理論のバラマキ政策

ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授らが提唱するや、またたく間に支持者が急増したMMT(現代貨幣理論)。国内でもれいわ新選組の山本太郎代表をはじめその有効性を評価する声は多く聞かれますが、はたしてこの理論は「正しい」ものなのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では著者で世界的エンジニアの中島聡さんが、MMTを「なんちゃって経済理論」とした上で、同理論に基づくバラマキ政策は、「一時しのぎの人気取りでしかない」とバッサリ斬っています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年12月3日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

MMTは打ち出の小槌か?

最近、経済記事などで、MMTModern Monetary Policy)と呼ばれるものを目にした人が多いと思います。もっともらしい名前が付いているので、まともな経済理論だと思い込んでいる人がいますが、これは、赤字国債を発行し続けているにも関わらず、インフレが起こらない日本を見て、米国の民主党議員が「米国も同じようなバラマキ政策をしよう!」と考えた結果、作り出した「なんちゃって経済理論」です。

そもそも、各国に政府から独立した機関として中央銀行が作られたのは、政権が票集めのために無尽蔵に通貨を発行することを禁止するためです。政府は基本的には税収を利用して国を運営せねばならず、将来の投資のために一時的に税収より多いお金が必要な場合のみ、国債の発行という形で民間からお金を借りることが許されていました

中央銀行は、それとは独立して、物価の乱高下を避けるために、通貨の発行量を国債の売買により調整する役割を担っています。経済が過熱して物価が上がり始めると、手持ちの国債を売る(売りオペ)ことにより通貨の流通量を減らして(金利を上げて)物価の上昇を抑えます。逆に経済が低迷してくると、国債を市場から買い取る(買いオペ)により通貨の流通量を増やして(金利を下げて)、景気に刺激を与えます。

多くの中央銀行は、物価上昇率(インフレ)のターゲットを2%程度に定め、そこを境に、「売りオペ」や「買いオペ」を行って来ました。

しかし、ここ20年ほど(日本では30年)、この仕組みがうまく機能しなくなっています。中央銀行がいくら通貨の流通量を増やしても、物価が上昇しないのです。

特に、日本やヨーロッパでは、金利はゼロどころかマイナスになっており、これ以上通貨の流通量を増やしても、市場は何の反応も起こさない「流動性の罠」と呼ばれる状況に陥っています。

なぜ、こんな状況(通貨の流通量を増やしても物価が上がらない)になってしまったのかに関しては、諸説がありますが、私は、グローバリゼーションとIT革命だと考えています。

90年以降、企業は工場やコールセンターを人件費の安い海外に移すことを積極的に進めて来ました。その結果、製品やサービスの原価が下がり、それが物価上昇を抑制する働きをして来たのです。

IT革命は、様々なものの効率を上げています。Amazonはオンラインで様々なものを売ることにより成長した企業ですが、実店舗を持たず、値段の比較を容易にするオンライン・ショッピングの成長は、やはり物価に下向きの圧力を与えているのです。

FacebookやGoogleは、テクノロジーを活用して、様々なサービスを無料で提供していますが、これもやはり物価に下向きの圧力を与えます。

つまり、グローバリゼーションとITという二つの革命が、物価に下向きの圧力を与えている結果、各国の中央銀行が大量に国債を購入しているにも関わらず、物価が上昇しない、という今の状況を作り出しているのです。

豪州で不審死の中国人が、習近平政権から受けていた謎の「密命」

元中国スパイの暴露がメディアを騒がせている豪州で、さらに衝撃的な事件が発生していたことが明らかになりました。今回の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』では情報戦略アナリストの山岡鉄秀さんが、中国当局が豪議会にスパイを送り込もうと画策していたという「事実」を紹介するとともに、世界中で中国への懸念が高まる中、未だ習近平政権との関係強化を目指す日本政府に対して警告を発しています。

メルボルンのモーテルで発見された中国人の遺体が物語ること

全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。

現在、オーストラリアでは中国人スパイの政治亡命申請が大きな話題となると共に、改めて中国に対する警戒心が高まっています。中国は即座に否定していますが、中国があらゆる分野で浸透工作を行っている事実を裏付ける証拠はたくさんあります。

クライブ・ハミルトン教授による中国による浸透工作の実態を暴いた著書『サイレントインベージョン』がベストセラーとなり、アメリカが明確な対中対決姿勢を打ち出した文脈で発生した今回の中国人スパイ亡命事件はドキュメンタリーでも放映され、大変な衝撃をもたらしました。

豪メディアは11月23日、香港、台湾、オーストラリアでスパイ工作活動を行ってきたとする王力強(Wang Liqiang)がオーストラリアへの政治亡命を申請したことを伝えました。

王氏はまだ27歳と若いのですが、彼が人気報道番組「60ミニッツ」で証言した内容は、香港で彼の上司だった人民解放軍情報将校の実名を含めて、実に生々しく、信憑性を感じさせるものでした。

たとえば香港では、全ての大学に工作員を送り込み、味方のふりをして、香港民主化、独立支持派のグループに潜り込ませる。そして、リーダーやメンバー、およびその家族の個人情報を取得し、公に晒すことで恐怖を与えて黙らせる。

彼や彼のボスのようなスパイ(工作員)は、普段は上場企業の社員という表の顔を持ちながら、対抗勢力の監視と浸透工作、メディアの取り込み工作を行い、それに必要な資金を企業から支出させる。

また、王氏は、台湾で独立派を落選させる工作や、香港で本屋の店主が拉致された事件に直接関与していたと証言しました。

一方、中国・上海の警察当局は即座に、「王氏は詐欺容疑で捜査されていた逃亡犯で、2016年には詐欺罪で懲役1年3か月の執行猶予付き有罪判決が確定していたが、今年2月にはさらなる架空の投資話で大金を騙し取り、警察が捜査を開始する直前に香港に逃亡した」と発表しました。

これに対して、オーストラリア国内では、ジャーナリストも政治家も「性急に結論には飛びつかず、慎重な審査を行う」という論調が主流となっています。

しかし、時を同じくして、驚くべきニュースが飛び込んできました。日本では読売新聞が報じましたが、中国の情報機関が、オーストラリアで今年5月に行われた国会議員選挙に、ある中国系オーストラリア人男性を立候補させようとアプローチしていたというのです。

この男性はオーストラリアに帰化している32歳で、高級車販売ビジネスを営み、与党・自由党員でした。中国の情報機関はこの男性に、100万豪ドル7,500万円を供与する見返りに、中華系住民が多いメルボルン東部の選挙区から立候補するように説得していたそうです。もちろん、目的はこの男性を中国政府の傀儡としてオーストラリアの国会に送り込むことです。

なぜそんなことがわかっているかというと、その男性はその経緯をオーストラリア当局に通報していたからです。

そして、その男性は選挙前の3月に、メルボルンのモーテルで遺体で発見されたのでした。

このことが報じられるわずか3日前、元ASIOのトップ、ダンカン・ルイス氏は、地元紙のインタビューの中で、「中国がオーストラリアの政治を乗っ取ろうとしている」と警告は発したばかりでした。

ASIOはこれまでも繰り返し、「外国政府による浸透工作が前例のない規模で行われている」と警告を発し続けて来ました。もはや、疑う余地はありません。これはもちろん、日本を含めた多くの国で実施されています。

翻って、日本政府は習近平国家主席を来春、国賓として迎えると発表し、政府高官は日中関係は完全に正常化し、良くなっていると言って憚りません。その一方で、中国共産党は国内で習金平主席の中日友好政策が大成功していることをトップニュースとして伝えています。

これは何を意味しているでしょうか?

中国共産党による対日工作、とりわけ、政界工作は既に大成功を収めているということに他なりません。

習近平国賓来日を阻止できなければ、日本は再度国家存亡の危機を迎えることになるでしょう。

(山岡鉄秀 :Twitter:https://twitter.com/jcn92977110

image by: Claudine Van Massenhove / Shutterstock.com

アメリカの台風対策は日本以上。あっと驚く仰天準備が多いワケ

甚大な停電をもたらしたことが記憶に新しい2019年の台風被害ですが、海外では自然災害が起きた時にどのような停電対策が行なわれているのでしょうか。メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住の医学博士・しんコロさんが、被災地に住む読者からの質問に対して、アメリカの現地情報を例に挙げ回答しています。

日本で相次ぐ、台風による甚大な被害。米ボストンの停電対策は?

Q. 今週のメルマガで風による停電の話がありましたが、私が住んでる千葉県でも9月に台風による強風で電線があちこちで切れてしまい、大規模な停電がありました。それ以来、台風が近づくと停電対策で電子機器やモバイルバッテリーの充電懐中電灯や電池式のラジオを準備しましょう、とテレビで呼びかけられます。中には、自家発電機を買った人がいるようです。そこで気になったのですが、ボストンの方々の停電対策ってどんなことをされてるんでしょうか? しんコロさんの周りで見聞きした範囲で構いませんので教えてください。

しんコロさんの回答

千葉県の停電のニュースはこちらでも見ていました。今秋は台風19号も合わせて、天災による被害が大きくて心配しています。やはり備えあれば憂いなしということで、停電しても対応できる準備は必要ですね。

さて、ボストニアン達の停電対策ですが、人それぞれなのでなんとも言えませんが、ボストン都市域の人たちはあまり対策をしていない傾向があると思います。ボストン郊外で持ち家のある人達などは、水や食べ物のストック、発電機を所持していざという時の対応ができている人がどちらかというと多い印象です。やはり都会で独り身生活をしている人と、郊外で家族で生活している人では準備に差があると思います。

また、食料や発電機などを収納しておくスペースがあるかないかでもその傾向は変わってくると思います。

結局のところ自分の生活環境の中でベストの準備をしておくしかないと思いますが、僕も発電機が欲しいと思ったことがあります。アメリカは基本的にインフラが弱いうえに政府も自治体も無責任なので、停電の復旧をさっさと行わないだろうと思うからです。

今は発電機を持っていませんが、3週間はサバイバルできるエネルギー(電池やガスボンベなど)を用意する必要はあると感じています。NY 時代に揃えた物資がそろそろ3年を迎えて古くなるので、この機会に見直したいと思います。

image by: shutterstock.com