二階幹事長に“血判状”を叩きつけた林芳正議員「仁義なき山口抗争」の舞台裏

コロナ対策の失敗で支持率低迷を続ける菅政権ですが、さらに頭を悩ませているのが今年中におこなわれる予定の「衆院議員選挙」の候補者選び。その衆院選候補をめぐって自民党内で騒動となっているのが、山口県第3区で二階派の家老である河村建夫氏に対抗して、林芳正元文科相が表明した異例の出馬宣言です。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、保守分裂選挙となりそうな山口の自民「仁義なき戦い」の背景と、二階氏が他県でも抱える分裂選挙の“火種”について詳述しています。

 

 

迷える二階。山口3区くら替えの林芳正を袖にできるのか

はてさて、自民党の二階俊博幹事長はどうするつもりだろう。売られた喧嘩は受けて立つと脅した相手が自信満々で立ち向かってきたのである。

林芳正参議院議員は7月15日、衆議院にくら替えして山口県第3区で立候補する意思を表明した。保守分裂選挙を厭わず、二階派の家老である河村建夫氏の領地を奪い取ろうというのだ。

なにしろ、林芳正氏は強敵である。防衛大臣、農水大臣、文科大臣をそつなくこなした実績の持ち主だし、流暢な英語で自在に政策論議ができる。発言も理路整然としている。

むろん、苦労知らずと思える経歴は、いささか気にはなる。東大法学部を出て三井物産に入社、ハーバード大ケネディスクールで学び、大蔵大臣をつとめた父、林義郎氏の秘書を経て、政界へ。

絵にかいたようなエリート、判で押したような世襲。義理人情にしばられ、カネにとらわれ、権謀術数渦巻く政治の世界では、知性的な強みはしばしば、ひ弱さにつながる。

いつか総理にと支持者に期待され、総理になるには衆議院に転じるべしと本人も思ってきた。にもかかわらず、これまで実行できなかったのは、温厚な性格と突破力のなさゆえか。なにも、本人が言うように、衆院選の時期に大臣をやっていたからというだけではあるまい。

林氏が参議院山口選挙区に立候補して当選したのは1995年7月のことだった。その頃、衆議院には、父、義郎氏が議席を有していた。

義郎氏は2003年の衆院選に立候補せず、政界を引退したが、芳正氏は参議院にとどまった。衆議院に小選挙区比例代表並立制が導入されてから、義郎氏が比例中国ブロックの単独候補に転じていたためだ。

中選挙区時代の旧山口1区(定数4)で最後に行われた衆院選は1993年。自民党からは安倍晋三、林義郎、河村建夫の三氏が当選した。得票数は安倍氏がダントツで、林氏は河村氏をわずかだけ上まわっていた。

小選挙区比例代表並立制になって旧山口1区は今の山口3区と4区に分けられ、初めての衆院選は1996年に行われた。そのさい、林氏が地元から身を引き、3区を河村氏、4区を安倍氏に明け渡したのである。当時の総理総裁は橋本龍太郎氏、幹事長は加藤紘一氏だった。

党と林氏との間でどのような話し合いがあったのかは寡聞にして知らない。70歳近かった林氏が若い二人に譲ったという説もあるが、そんな生易しいことではあるまい。80歳になっても権力にしがみつく政治家や経営者はウヨウヨしている。集票力に自信を持つ林氏にとっては苦渋の決断だったに違いない。長い年月をかけて固めてきた地盤を離れ、党の差配に身をゆだねたのである。

 

 

お盆目前の“帰省禁止”案に不満続出。「五輪で人流抑制」の矛盾に若者あきれ顔、菅内閣支持率さらに低下へ

全国知事会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた4府県への緊急事態宣言の追加発令を受け、対策本部の会議をオンラインで開き、都道府県境をまたぐ夏休みの旅行や移動について、「原則中止・延期」を国民に呼びかけるよう、政府に求める緊急提言をまとめた。読売新聞などが報じた。県境をまたぐ帰省は中止の一方、国境をまたぐ五輪は続行という矛盾に波紋が広がっている。

小池都知事「五輪は人流抑制に役立っている」批判殺到

提言では全国の多くの地域で「感染爆発」と言って過言でない状況だと指摘。感染力の強いデルタ株の全国的な拡散を防ぐため、お盆の帰省も含めた夏休みの移動を減らす必要があることに触れ、移動がやむをえない場合でも時期を分散し、事前にPCR検査を受けるなどの対応を訴えた。

新型コロナウイルスの新規感染者数が5日連続で3000人を超えている東京都。7月31日には4058人と史上最多を更新した。

そんな中、小池百合子知事は29日、東京都のモニタリング会議の中で、開催中の東京五輪と繁華街の滞留人口との関連を問われ「オリンピックはとてもステイホーム率を上げている」と発言。東京五輪が人流減少に役立っているとの考えを示した。

一方、専門家からは五輪について「お祭りが行われているメッセージ」となり、人流減少の鈍さにつながっている可能性が指摘されている。

これに対し、ネットでは「五輪が自粛を促進しているわけがない」「五輪関係者は動いている」「のんきすぎるだろ。そりゃ専門家も呆れるよ」などの声が上がっている。

【関連】「自民の悪事を暴いて牢屋に入れよう」衆院選で政権交代が実現する唯一の公約

辞職する気も強い覚悟もまったくない菅首相

新規感染者数が急激に拡大する中、菅義偉首相は緊急事態宣言の対象地域拡大決定後の7月30日夜、記者会見を開いた。

国民に大切なメッセージを力強く発しなければならない状況だが、菅首相は用意された原稿を読むだけで、記者が質問しても相変わらず壊れたラジオのように「人流は抑制されている」という言葉を繰り返すだけ。

挙げ句の果てには、新型コロナウイルス対策を巡り「首相を辞任する覚悟があるか」と問われ、「感染対策でしっかりと対応することが私の責任で、私はできると思っている」と述べた菅首相。記者の質問にまともに答えることなく、辞職する気も強い覚悟もまったくないことが明らかになった。

この会見に批判が殺到。「日本語も理解できないの?」「トップが責任を取ろうとしない異常事態」「こんなポンコツ総理の言葉が届くはずがない」など怒りの声があがっている。

菅首相も小池都知事も東京五輪を正当化することありきで発言しているようにみえる。五輪は開催しているのに、「帰省はダメ」「飲食店でお酒はダメ」「ステイホームしろ」ではまったく説得力がない。何もかも若者たちのせいにされてしまっている。

そもそも今の10~20代ではテレビ離れが進んでおり、約半数は1日のうちテレビをまったく見ないというデータがNHK放送文化研究所の「国民生活時間調査2020」で発表されている。

そうしたことからも、「オリンピックはとてもステイホーム率を上げている」とは言い難い。小池都知事は若者たちの生活様式をまったく理解していないのではないだろうか。

7月23日に行われた東京五輪の開会式。五輪の米国向け放送権を持つNBCは、開会式の視聴者数は速報値で約1700万人だったと発表。日本と同様に厳しい時差のあった1988年のソウル五輪を下回り、過去33年間で最低を記録したことがわかっている。

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「家から出るな」「テレビで五輪でも見てろ」という政府や東京都からの横暴な命令。国民や若者たちが言うことを聞くわけがない。

辛坊治郎氏が太平洋上で骨折!航海中の緊急事態にSOS出せず大ピンチ

70日間に渡る太平洋ヨット単独横断を成功させ、再びアメリカ・サンディエゴから日本へと帆に風をはらませ走り続けている、ジャーナリストの辛坊治郎さん。そんな辛坊さんの身に、とんでもないトラブルが発生したようです。今回のメルマガ『辛坊治郎メールマガジン』ではその一部始終を辛坊さん自身が報告。さらに読者からの質問にも洋上から答えています。

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時々 航海日誌

7月25日日曜8時

小笠原沖に低気圧が発達中だということで、そこから数千キロ離れているにもかかわらず、そこに吹き込む風のせいで風向きが変わりました。貿易風は普通北東から吹くんですが、今南方向から吹いています。ですので、進路が少し北向きに上がっています。

今も暑いです。シャワー浴びたくなるんですが、水をそんなに使えません。そこで、自分でスケジュールを決めまして、経度で5度ずつ進む度に、シャンプーと、体を拭く。10度ごとにシャンプーとリンス、そしてシャワーを浴びることにしました。また、5度ごとには紙パンツ、10度の場合はちゃんとした布のパンツを履く、そんなルーティーンを組みました。これで、残りの距離から考えて、水も足りそうです。

ずっとランニング状態で走っているんですが、マストを支えるシュラウドというワイヤーにテンションをかけるマストから張り出したスプレッダーというものが両側に翼のように張り出しているんですが、ランニングで走るとどうしてもセールがそこに当たります。昨日2か所セールが擦り切れているところを発見しました。次セールを下ろしたタイミングで補修が必要です。かなり慎重に走っているつもりなんですが、どうしてもシュラウドなどに擦れてセールが破れます。

■読者からの質問1

夜、夢は見ますか?

途切れ途切れに、何回も寝るので、夢はたくさん見ます。ただ、そんなに鮮明に覚えているものはないですね。普通悪夢とかみると思うんですが、現実世界の方が夢より厳しいです。

7月27日火曜8時

日付変更線を越えた途端に風がなくなりました。その上、昨日一昨日ぐらいから、水平線上に雷が落ちて、一晩中ピカピカ光って、直撃すれば、一巻の終わりと思うと日付変更線を越えたお祝いをしようと思っていたんですが、そんな気持ちにはなれないでいます。

風が順調ならば、東経150度ぐらいまで貿易風に乗っていこうと思っていたんですが、昨日あたりの気象連絡では、そろそろ貿易風が一旦途切れるという話です。貿易風は途切れないはずが、今年はどうも太平洋高気圧の張り出しが弱く、その影響で高気圧からの吹き出しも弱いようです。日付変更線まで来たものの、ここからどうやって日本まで帰ろうか、風を探すのが大変です。結構今、絶望的な気持ちになっています。

今日はまだ2ノットから3ノットぐらい進んでいるんですが、明日以降もっと風がなくなるとなると本当に動かなくなります。それがいつまで続くかわからない状態です。しばらく様子見ですね。

ただ、船も貿易風帯を2週間走り続けて、いくつか傷んでいるところもあるので、1日ぐらいは穏やかになってくれると色々修理ができて良いんですが、それが2日3日となると嫌になりますね。

水に関してですが、燃料がある限りは、除湿機が本当に有用です。除湿機で1時間除湿すると250ml、2時間除湿すると500mlの真水が得られます。この真水はシャンプーに使えるので、水を作るのに、除湿機は意外と役に立つ事がわかりました。ただし、除湿機は1時間あたり300ワット消費するので、そんなに使っているとバッテリーが上がってしまいます。あとは、燃料との見合いですね。

■読者からの質問2

何か持って来た方がよかったものないですか?

乾電池で動く小さな扇風機です。よく遊園地などで売っているものあるじゃないですか。日本にいるとあんなもの役に立つのかなと思っていたんですが、実際ここまで船内が暑いと、あの小さな扇風機でも暑さが全く違うと思うます。本当に持って来ておけばよかったと思っています。

 

6つの職業を同時にこなすスーパーサラリーマンは「時間管理」をどうしているのか?

ビジネスマンにとって一番の悩みであり身に付けたいスキル、それは多くのタスクを同時にこなすことではないでしょうか? しかし、ここでネックになるのが「時間管理」の方法。どうすればシングルタスクから脱却し、多くの別仕事をこなせるスーパーサラリーマンになれるのか。多くのベストセラー著書を持つビジネス作家で起業家の岡崎かつひろさんは、自身のメルマガ『岡崎かつひろの『好きを仕事にするための本当の考え方』』の中で、6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家にして『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』の発行者でもある石川和男さんとの対談を通じて、同時にいくつもの仕事をこなすための時間管理術を紹介しています。

 

6つの仕事を掛け持ちする「スーパーサラリーマン」石川和男さん、その時間管理術とは?

「あと何年今の会社にいるのだろう」「この会社、そろそろやばいんじゃないか」。もしも、今いる会社に倒産のうわさやリストラの話がでたら、あなたはすぐに転職、または起業できますか?「その時」は突然やってきます。先の見通しがまったく立たない今の世の中で、突然一人になってもやっていけるように、今すぐやるべきことは?

時間管理の専門家であり、『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』発行者でもある石川和男さんと、岡崎かつひろとのビジネス対談をお送りします。


岡崎:今、石川さんが5つの仕事をやっているそうですが、現在6個になっていますよね。

石川:建設会社役員、大学講師、セミナー講師、税理士、時間管理コンサルタントと5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家としていました。それと同時に、ビジネス書著者としてこれまで19冊の本を書いています。最新刊の書籍『教会者がなくなっても食えるビジネスパーソンになる』ということで、ビジネス書作家というのもいれたほうがいいんじゃないかと思い、仕事の種類が6個になりました。

岡崎:具体的にどういう生活をしているのか教えてもらえますか?

石川:月曜日から金曜日までは建設会社の総務経理をやっています。あとは、大学講師、セミナー講師、時間管理コンサルタント、ビジネス書を書いています。

岡崎:今、午前10時ですが、(石川)和男さんは、今インタビューしているこの時間は仕事しなくて大丈夫なんですか?

石川:大丈夫です。というのも、会社にセミナー事業部というところを作ったんですよ。

建築会社なのにセミナー事業部!?なければ作ればいい

岡崎:でも、和男さんの務めている会社は建設会社ですよね? 普通、建設会社の会社ってセミナー事業部というのはありましたっけ?

石川:普通はないでしょうね。とくに、うちは建設会社なのでまったく関係ないと思います。

岡崎:そうですよね。普通はないですよね。その中で、どんな形でそのセミナー事業部というのができたのでしょうか。

石川:以前は、セミナー講師として働く場合、会社に「明日はセミナーを開催するので有給をください。よろしくお願いします」「今日は午後からセミナーなので早退させていただきます。申し訳ございません」と言っていたんです。

ただ、セミナーに行くのにネガティブな気持ちで行くのが嫌だなと思っていたんです。そう考えたら、「そうだ。会社にセミナー事業部を作ってしまえばいいんだ」と思いました。そこで会社の仕事に支障がないとい条件のもとで、セミナー事業部というものを立ち上げて、会社との取り決めで「月に4回ぐらいだったらやってもいいよ」ということになりました。

岡崎:大学講師としても教壇に立たれていますよね?

石川:大学講師の講師は、火曜日と金曜日の夜にやっています。その日は定時である5時までに仕事を終わらせます。他のセミナーは、セミナー事業部を作ったので、それを建設会社の仕事の一環としています。

税理士業務は、自分1人でやるのではなくて、書類作成とか納税はもう1人の税理士とタックを組んでやってもらっています。自分は経営者と話すことをメインにしていて、書類作成などはやってもらっているので、うまく時間配分できているんですよ。

多くの人は、やる前から「無理だ」とか「どうせできない」と思ってやろうとしないんです。でも、「やる」と決めたらいろいろ方法を考え始めますよね。たとえば、得意な人とタッグを組んでやるとか、僕みたいに有休を使い、セミナー部門を会社に作ってしまう人もいると思います。

僕ができて他の人ができないわけはないのだから、「どうやったらそれをできるか」を考えるか否かだけのことだと思いますよ。

 

「呪われた五輪」へ強行突入。菅政権の大バクチに殺される日本国民

7月29日には1日の新規陽性者数がついに1万人を超え、東京都内では恐れていたオーバーシュートが生じてしまったとも言われる新型コロナ感染症。五輪の開催がその大きな要因のひとつとされていますが、菅首相は「中止の選択肢はない」と言い切りました。そもそもなぜ政権はコロナウイルスが猛威を振るう中、開催に踏み切ったのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、その最大要因を「管首相の自己都合」とし、もはや突き進むしかないという首相の追い詰められた現状を解説。さらに今回の東京オリンピックがどのような終わり方を迎えたとしても、それは近代五輪と近代日本の「終わりの始まり」につながるのではないかという見方を記しています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2021年7月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「呪われた五輪」に無理やり突入した菅義偉政権の一か八かの大博打/最近の講演録より

日本の新聞でも「この五輪大会は呪われている」という組織委関係者の言葉がそのまま記事の見出しになっているほどで(写真)、まして海外ではそれと同様の陰鬱な報道ぶりが溢れていて、さすがのIOCも開会式で国家元首が読み上げる開会宣言の定型文から「祝賀」という表現を削除したいという日本側の(たぶん読み上げ役である天皇自身の意向による)申し入れを容認せざるを得なかった。

安倍の全世界への嘘が呪いを招いた

こんなことになった始まりは、2013年9月ブエノスアイレスで、安倍晋三首相はスーパーマリオの衣装で土管から登場するなどハシャギまくり、その勢いに乗って、IOC総会で福島第一原発事故は「アンダー・コントロール」なのでこの東日本大震災・福島事故からの「復興五輪」としての東京五輪を是非とも実現させてほしいとアピールしたのだった。今になれば、「復興五輪」とはただ世界の関心を惹きつけるための口実に使われただけで、「アンダー・コントロール」はそれを成り立たせるための天下に向かっての大嘘に過ぎなかったことは明らかで、そのことがいたたまれないほど恥ずかしくて、もし外国人記者からそのことを問われたら答えようもないと思ったのだろう、安倍は今回の開会式を欠席した。

それ以後のトラブルの連続は周知のことであるが、ここでもう一度まとめておこう。運営が完全にアウト・オブ・コントロール(写真)と堕していることが分かる。

《15年》

▼7月、ザハ・ハディド設計の新国立競技場設計案が予算的に成り立たない途方もないものであると判明、白紙撤回。隈研吾がやり直すことになった。

▼9月、佐野研二郎デザインの五輪エンブレムが盗作と指摘され使用中止に。

《19年》

▼3月、竹田恒和JOC会長が招致のために買収工作をした容疑で仏当局の捜査対象となり、退任。

▼11月、東京の夏の猛暑が問題となり、マラソンと競歩を札幌で開催することになった(がその後、北海道もコロナ禍が大変、東京より暑い日が続くなど、この時期に日本でやること自体が無理と判明)。

▼3月、ギリシャで聖火の採火式。しかし各地でリレー中止。

▼3月、東京五輪の1年延期決定。

▼8月、安倍首相辞任、菅政権へ。

《21年》

▼2月12日、組織委の森喜朗会長が女性蔑視発言で辞任表明。

▼3月18日、開会式の演出家=佐々木宏が女性容姿侮蔑で辞任表明。

▼3月20日、海外からの観客受け入れ断念。

▼6月7日、JOC経理部長が自殺?

▼7月8日、国内観客受け入れも断念、無観客開催へ。

▼7月14日、宇都宮けんじが呼び掛けた五輪中止を求めるネット署名が35万人に達し、都知事に提出(写真)。

▼7月19日、開会式の音楽担当=小山田圭吾が過去の「いじめ自慢」発言で辞任。

▼7月19日、上野千鶴子、内田樹、澤地久枝ら文化人が呼び掛けた五輪中止署名が14万人達し、都知事に提出。

▼7月20日、のぶみ=絵本作家が文化イベント出演を辞退。

▼7月22日、開閉会式の演出家=小林賢太郎が過去の「ホロコースト揶揄」発言で解任。

 

愛猫の「食事後に嘔吐」が心配。猫好き医学博士に聞く原因と対策

しゃべる猫「しおちゃん」の飼い主として有名な米国在住の医学博士しんコロさんが発行するメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』には、多くのさまざまな質問や相談が届きます。今回は3歳になった愛猫のゲボ(嘔吐)が増えてきたと心配する読者から、原因と対処法を尋ねられました。しんコロさんは、獣医さんへの相談が一番と前置きした上で、食事の量や種類についてアドバイスしています。

飼い猫が嘔吐。原因と対処法は?

Question

shitumon

うちのルミちゃんも(7月で3歳になりますが)5月ぐらいからゲボが増えてきました。だいたい朝一番の食後にドバーッと吐きます。ほとんど消化されてない状態です。餌はカリカリです(時々ウェットも与えてます)。それで朝はまずチョットだけ与えて様子を見て、大丈夫そうなら普段の量を与えるようにしています。考えられる原因と対処法を教えてください。ゲボの後は元気にしてます。食欲もあります。宜しくお願いします。

しんコロさんからの回答

猫の嘔吐には様々な原因があります。しおちゃんの嘔吐に関しても、何度も獣医に行きましたがなかなか改善しませんでした。そしてつい先日にしおちゃんのエコーや血液検査をしたのですが、その結果新たな原因が浮かび上がってきました。その件はまた別の機会にメルマガに書くとしますが、僕が申し上げたいのは、あまりに嘔吐が頻繁であるようだったら、やはり獣医に相談するのが良いと思います。フードの種類や食べさせ方に関しても獣医からアドバイスを受けるのが最善だと思います。

それを前置きとしてですが、食べた後に吐いてしまうのはティーちゃんにもよくあります。少量ならば大丈夫ですが、一気食いをするとほぼ必ず戻してしまうのです。ルミちゃんはまだ若いので、もしかしたら食べる勢いがかなりあるかもしれませんね?質問者さんがされているように、まずは少量を与えて胃を慣らしてからさらに加えるというのは良いアイディアだと思います。最初に与えるフードをペースト状のウェットフードにするなど、胃に負担が少ないものから始めるのも良いかもしれません。

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欧米と国連が主導する「中国への制裁」がまったく機能していない真の理由

先日掲載の「カネ漬けで“中国依存症”国家を量産。習近平「武力を使わぬ」覇権拡大」では、かつて中国の高官から直接聞いたという、習近平政権がASEAN諸国で行なっている「テスト」の存在や着々と進む中国による世界覇権拡大戦略を分析・考察した、元国連紛争調停官の島田久仁彦さん。島田さんは今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で今回、欧米や国連が主導する「対中国制裁」がまったく機能していないことを指摘しながら、国際問題を良く知る元紛争調停官という立場から、その「本当の理由」について考察しています。

【関連】カネ漬けで“中国依存症”国家を量産。習近平「武力を使わぬ」覇権拡大

 

元紛争調停官の疑問。欧米・国連主導の「対中国制裁」は本当に機能しているのか?

『Sanctions (制裁)は本当に機能しているのか?』

トランプ前政権からスタートし、大方の評論家の予想に反して、対中制裁を強化したバイデン政権ですが、対立構造が明確になり、どちらも退くことないバトルを繰り返しています。

しかし、COVID-19のパンデミックという“おまけ”つきかもしれませんが、果たしてアメリカが主導し、欧州各国が2020年から乗っかってきた対中制裁措置は本当に機能し、中国の行動を改めるきっかけになったかと尋ねられれば、大いに疑問でしょう。

そして冷戦時代が終焉し、アメリカ一強時代になったといっても過言ではない1990年以降、国連安保理決議に基づき発動された制裁措置は、サダム・フセインのイラク、反米主義を掲げるイラン、核開発が進められる北朝鮮、今は亡きカダフィ大佐が率いていたリビア、ウクライナに侵攻したロシア、そして最近では国軍がクーデターにより10年にわたった民主化運動を叩き潰そうとし、いまだにショックを与えているミャンマーなどに課せられました。

自由な貿易の機会を阻害され、外貨の獲得もままならない状況下で、平常に比べると苦難を強いられることになっていますが、実際に制裁措置が、これら対象国の動きを制するような結果は生み出せていません。

実際に、真の意味で国連憲章第7章に規定される平和を取り戻すための武力行使という制裁が用いられた例はないと考えますが(イラク、旧ユーゴスラビア紛争などは第7章に基づくものとする議論もありますが、私は当事者としてそうは思いません)、冷戦下で行われてきた制裁措置には、常に背後に武力行使・核戦争の影があり、それなりに行動自制の機能を果たしていました。

キューバ危機における米艦隊による海上封鎖は、背後に“核戦争前夜”という分析・脅威が存在したこともあって、機能したと評価できるかもしれません。

冷戦後、そして9月11日に発生した米同時多発テロ事件以降、安保理決議の名の下、発せられたものも、現在のアメリカ他による対中制裁措置も、機能しているとはいいがたいでしょう。

その理由は何か。

 

 

日米軍事一体化の布石か?活発化する護衛艦いずも「空母化」の動き

日本が導入を決定している最新鋭ステルス戦闘機「F35B」の発着を可能とし、その訓練実施の検討に入った護衛艦「いずも」。憲法上、「攻撃型空母」の保有が許されないとされている我が国にあって実質的な空母化が進む「いずも」を、これまで新聞はどのように伝えてきたのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、1年以内に読売新聞が同艦を取り上げた記事をピックアップし分析。そこから見えてきたのは、「日米軍事一体化が進んでいる証左」でした。

 

F35Bによる発着訓練を行おうとしている海上自衛隊の護衛艦「いずも」を新聞はどう報じたか?

きょうは《読売》から。

海上自衛隊の護衛艦「いずも」(事実上の「空母」)にF35Bによる発着訓練を行おうとしているとの記事。「いずも」で《読売》のデータベースを検索すると、サイト内には見つかりませんでしたが、1年以内の紙面掲載記事で14件ヒットしました。しかし、自衛艦の「いずも」とは無関係のものや自衛隊内の人事の記事を除くと4件のみ。

【フォーカス・イン】

まずは今朝の《読売》4面記事の見出しから。

米F35B いずも発着訓練
対中念頭 日米 作戦能力向上
年内にも

以下、記事の概要。政府は、事実上の「空母化」に向けて改修してきた海上自衛隊の護衛艦「いずも」で、米軍のF35B戦闘機の発着訓練を年内にも実施する検討に入った。対中国を念頭に、「日米が戦闘機の燃料補給で協力を進め、航空作戦能力を高める狙いがある」という。

政府はF35Bを導入し24年度から運用開始する方針だが、現在はまだ保有していないため、米軍岩国基地に配備されている米海兵隊保有の機体を使用して訓練を行う。

「いずも」は海自最大級の護衛艦で、短距離離陸と垂直着陸ができるF35Bが使えるよう、甲板の耐熱塗装などの改修をほぼ完了したため、改修状況のテストを行う。

「政府は中国を念頭に、F35Bを活用した米軍との共同作戦も展開したい考えで、自衛隊のF35Bが米艦船で発着することも視野に入れる」という。併せて、「いずも型」の「かが」も同様の改修に入る。

●uttiiの眼

「いずも」を筆頭に、海自の護衛艦は南シナ海での日米共同訓練や他海域での米軍に対する「武器防護」活動を行っていて、いわば「日米軍事一体化」の最先端に位置する船。記事が描いているのは、米軍の空母と自衛隊の空母「いずも」と「かが」が協調して行動し、どちらの空母も日米双方のF35Bの発着艦として機能しつつ、対中の軍事活動を行っている図。

偶発的であろうとなかろうと、米軍が行う軍事行動に、自衛隊が自動的に参加していく体制が、装備面を含め、完成しつつある。

 

兄とともに金メダル獲得。柔道・阿部詩を奮い立たせた柔道家の言葉

先日掲載の「日本柔道再建の立役者・井上康生は選手に何を厳しく指導しているのか」でもお伝えしたとおり、五輪史上初の兄妹同日優勝を果たした柔道日本代表の阿部一二三・阿部詩両選手。兄とともに猛練習を重ねてきた妹の詩選手ですが、彼女が大切に読み込んだ書籍として紹介された『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』が話題となっています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、その中から詩選手が特に感銘を受けたというエピソードが取り上げられています。

【関連】日本柔道再建の立役者・井上康生は選手に何を厳しく指導しているのか

柔道・阿部詩選手を奮い立たせた話

兄・阿部一二三選手と共に日本柔道史上初となる兄妹での同日金メダルを獲得し、日本中を沸かせた阿部詩選手。

快挙の背景には、五輪に挑む重圧の中で日体大柔道部の恩師から手渡された1冊の本と、そこで出逢った言葉がありました。

本日は、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』の中から、阿部詩選手が深く感銘を受けたという、山下泰裕氏のお話をご紹介します。

※ 阿部詩選手のコメントは末尾に掲載しています。

「人の痛みが分かる本当のチャンピオンになれ」 山下泰裕(東海大学教授)

2000年のシドニーオリンピックを振り返ってみて非常に嬉しいことがあります。一つは篠原信一が決勝戦で負けましたね。誤審ではないかと私も抗議しましたが、篠原は「あれは自分が弱かったから負けた」「審判に不満はない」という発言をしました。

篠原は、たとえあれが自分の一本ではなくて相手の有効になったとしても、本当に自分に力があったら、残り時間は十分にあったし、あの後で勝てたはずだ。本当の力が自分になかったから、それを取り戻せなかっただけで、そういう意味で自分に絶対的な強さがなかった、と。

それから「審判に不満はない」というのは、審判が間違えるような、そんな試合をした自分に責任がある。誰が見ても納得するような柔道をしなければいけなかったんだ、ということです。

他人を云々するのではなく、それに対して自分がどうすべきであったかと、自分自身を深く見つめる。ああいうことが起きて、初めて彼が本当はどういう人間なのか、どういうことを大事にしているのか、それが明らかになったと思うんですね。そこには人間として非常に大事なことが含まれていると思うのです。

我われは何か事が起こるとすぐに人を批判します。だけど、人を批判しても何の解決にもならないんですね。それに対して自分はどうあるべきか、自分は何ができるのか、すべてを自分に置き換えて考えていかないと、何も解決しないんです。

篠原は見た目は、無骨でぶっきらぼうな男ですけど、今回のことで彼の人間性を見たような気がするんです。

もう一つは初日に野村忠宏が60キロ級で優勝しました。前の日に試合のあった人間は、次の日の人間が力を出し切ることができるようそばに付き人として付くということを、前もって決めていたんですね。

それで試合が終わった日は、野村は明け方の4時頃までマスコミの対応をし、次の日も朝8時から対応して、それが終わってお昼の12時に試合会場に、車の中でハンバーガーを食いながら駆けつけて、中村行成の付き人をやったんですよ。

それで中村が負けた。

負けて控え室に帰ってきて、がっくりと座り込んで着替え始めた。その時、野村が中村の柔道着をものすごく大事に大切に一所懸命畳んでいるんです。付き人は試合に向かうまでですから、そこまでやる必要はないんです。それなのに負けた中村の柔道着をものすごく愛しそうに丁寧に丁寧に折り畳んでいる。

その野村の姿を見た時、我われコーチもものすごく心打たれた。

ああ野村は人間的にもまた成長したな、人の痛みが分かる本当のチャンピオンになったな、と思ったものです。

ドラゴン桜指南役が伝授。子供が「習い事やめたい」と言い出した時の対処法

子どもが「習い事をやめたい」と言い出した時、親としてどのような対処をすればいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、子どものためになる対処法を伝授しています。

「もう習い事を止めたい」――急に子どもに言われたら対処すべき「3つのポイント+1」

■習い事を止めると、「我慢できない子ども」に育つ? 

子どもの習い事について、よく相談を受ける。本人が「やりたくない」といい出したときにどう対応するか、ここで特に悩む親御さんが多いようだ。

習い事を始めた以上、できるだけ続けてほしい。少なくとも何らかの成果が出るまでは続けてほしい、とほとんどの親は思っているはずだ。

そのとき、親はこんな心配をする。

「今は一時的に困難に直面しているだけで、この困難を乗り越えられればずっと続けられるのではないか?」

「ここで簡単に止めさせると、嫌なことがあったらすぐ逃げる子になってしまうのではないか?」

こうした心配は当然のことだ。たしかに、最初は嫌でもだんだん好きになることもある。少しでも上達すれば、面白くなってさらにがんばるようになるかもしれない。

だが一方、何年経っても好きになれない習い事もある。嫌な気持ちが重くのしかかったまま子ども時代を過ごすのは、不孝なことだ。もっとその子に合う習い事があるのなら、思い切って替えたほうがいいに決まっている。

その習い事が子どもに合っているか見極めるのは、なかなか難しい。でも、「一時的な感情で止めたいと言っている」と判断するなら、少しごまかしながら続ける手もある。

最初に押さえておくべきポイントは、なぜ止めたいのかを子どもにちゃんと聞き、原因を調べることだ。一時的に自信をなくしている、あるいは友だちや指導者との人間関係で嫌気が差しているようならば、子どもをほめて自信を持たせたり、愚痴を聞いてやることも大切だろう。

指導方法について相談したり、担当の指導者を替えてもらう、通う回数を減らす、レベルを下げる、習う場所などを替える、といった対応が有効な場合もある。

それでも状態が変わらなければ、その習い事に固執しないほうが、子どものためだ。