NHKも判で押したような解説。日本人が理解できない中国を取り巻く現状

台湾が実効支配する金門島付近の海域で発生した漁船衝突事件に関して、NHKが『時事公論』で取り上げ解説。その内容は日本のメディアの“お決まり”に留まり、事態の真相に迫るものとは言えなかったようです。そう指摘するのは、前回記事でこの事件について、原因もその後の対応も台湾側に問題があると解説した拓殖大学の富坂聰教授です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、尖閣問題との共通点があるなら、どちらも「オウンゴール」とさらに踏み込んで解説。フィリピンと中国の対立についても同様の問題があると指摘しています。

やっぱり利用されるしかないフィリピンの現状を日本は他山の石とすべき

先週取上げた厦門・金門(「厦金海域」)海域の漁船衝突事件で、日本のメディアが台湾海巡署の問題には一切触れず、「尖閣の再現だ」「現状変更だ」と中国批判を繰り返していることに疑問を投げかけた。3月29日のNHK『時事公論』もまるで判を押したように同じ解説だった。

厦金海域の状況は尖閣諸島の問題と同じなのか。中国海警局の船が尖閣諸島周辺に頻繁に現れるようになったのは2012年以降。きっかけは野田政権(当時)の「尖閣国有化」だ。日本は大胆に一歩を踏み出し、逆に中国に大幅に押し込まれてしまったのだ。つまり厦金海域の漁船衝突事件と尖閣諸島に共通点があるとすれば、それはどちらもオウンゴールだったということだ。

だが『時事公論』の解説を聞いていても、視聴者は何が台湾のオウンゴールか、理解できなかったはずだ。意図的なのか、取材不足か、民進党政権が事件処理の過程で積み重ねた数多の失策には触れられていないからだ。

例えば、漁船転覆の原因だ。台湾・海巡署は当初、転覆は逃走の際に漁船が蛇行したためと説明していたが、その嘘は生き残った大陸の漁民の告発によって暴かれてしまう。人命が失われた事故で、最悪の対応だ。その上で謝罪と賠償と真相究明という要求を無視し続けているのだから、中国側が強引な行動に出るのも当然だ。

そして日本メディアが指摘する「現状変更」は、台湾が定めた禁止・制限水域に中国海警局の船が侵入することを指したものだが、そもそも禁止・制限水域に法的根拠などない。それは台湾自身が一番よく知っている。

それゆえ台湾は、この海域で中国に隙を見せないよう慎重に振舞うべきだった。事実、事件後、禁止・制限水域を形骸化させるだけでなく、海上での実力差を見せつけられることとなり、台湾の支配は大きく後退した。

残念なのは、中国側もこの海域で台湾の支配を崩す機会を虎視眈々と狙っていたわけではなかったという点だ。事故への反応は概して穏やかで、慎重さを欠いていない。その理由はアメリカや蔡英文政権の思惑に乗らないよう中国が警戒しているからだ。事故によって中国のイメージを傷つけられることを習近平政権は気にしている。

実際、日本のメディアは民進党の発表のまま「尖閣と同じ」「現状変更」と横並びで書きたて、目的達成に少なからず貢献した。「現状変更」はいまや中国と付き合うリスクの代名詞だ。その警句を少しでもメディアに発信させたい国・地域はアメリカや台湾だけではない。南シナ海におけるフィリピンも同じだ。

なぜ、スティーブ・ジョブズはソニーの盛田昭夫を訪ねたのか?

経営者の皆さんはマネジメント書を多く読んでいますでしょうか。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では著者の浅井良一さんは、後悔せずに経営を行う方法として、ドラッカーや多くの成功した経営者たちの例を挙げながら解説しています。

リスク(機会)にチャレンジ。利益をあげながらニーズを満たす

本好きの経営者はマネジメント書から多くを学び、中でも実行力ある者だけが果敢に実践して、失敗を繰り返しながらも修正し成果を得ます。後悔しないで経営を行うには、書を読むか助言を活かすかまたはその両方をを行うかで、なぜなら一人の知恵や知識には限度があるというのは分かり切ったことであり、自力を超える法を知ることは当たり前の見識です。

松下幸之助さんは書は読まなかったのですが、あらゆる人から知識と知恵を集めて自身の経営判断の材料にしました。これを称して「衆知経営」だとします。リクルートの創始者の江副さんや、星野リゾートの星野さん、ソフトバンクの孫さん、さらにユニクロの柳井さんなどは経営書を漁り読み、自身の革新的な事業を行なうに際しての拠り所とし、大きな成果に結びつけました。当たり前と言えば当たり前で、他を多く活用するのが賢さなのでしょう。

マネジメントと言えばドラッカーなのですが、賢くなるための必読書です。ところがほとんどの社会人は、その語るところを学びません。理由は、教える内容が原理的な考え方についてであり、かつ難解でもあるので、即物的なハウツーを学ぼうとする人は魅力を感じないからでしょう。けれども、ドラッカーが教えるところは現実社会での成果(人間の幸福、利益の確定)を目的にしており、その処方箋であり実践的でもあります。

マネジメントは、組織が行わなければならない実行を方向づけたものです。例えば「リスクを負わないことは、最大のリスクである。」と教えます。「企業活動とは、現在の資源を未来に、すなわち不確実な期待に賭けることである。経営活動の本質とは、リスクを冒すことである。」だからこの意味と意義が分からないでは、成果はなく衰微は当然なのです。リスクは避けるものではなく、活用しなければならないものだからです。

トランプ政権時代の貿易代表が真っ向から否定した「米韓FTA」という条約

韓国と米国の間にある貿易上の多くの問題。それを無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者は、トランプ政府で貿易代表部の代表を務めたライトハイザー氏の著書から引用しながら詳しく説明しています。

米、アメリカファーストは変わらず

「米国経済は途方もなく大きい。また、大半は国内生産が可能だ。貿易が必要だが、他の国に比べてはるかに必要ではない。この国のリーダーシップは過去数十年間、米国人を挫折させた貿易政策を推進してむちゃくちゃな結果を生み、トランプ政府が入ってから誤った道を行っていた航空母艦の方向を変えたのだ。」

11月の米大統領選挙で民主党のバイデン大統領、共和党のドナルド・トランプ前大統領間の「リターンマッチ」が確定した中で、次の政府の通商政策を計る教科書として通じる本がある。トランプ政府で貿易代表部(USTR)代表を務めたロバート・ライトハイザー(Lighthizer・77)が昨年6月に出した『無料貿易はない(No Trade is Free)』だ。

トランプの「経済師匠」と呼ばれるライトハイザーは、トランプ第2期政府が実現する場合、10%普遍的関税、対中国60%関税のようにトランプが投げつけたごついアイデアを実際の政策で作り出す人物に挙げられる。トランプ氏はこの本を大量に購入して選挙キャンプに送り、民主党議員でさえ周辺に一度読んでみることを勧めているという。

ライトハイザーはこの本で文在寅政府初期の韓米FTA(自由貿易協定)再交渉過程、韓国に対する米国の貿易赤字などについて手加減なく叙述しており、われわれ韓国の立場ではトランプ2期が開かれる場合、韓国との貿易・通商政策を推し量ってみる良い参考書でもある。

ライトハイザーは「韓国は米国の重要な同盟」とし「1960年代の経済規模が40億ドルに過ぎなかった国の国内総生産(GDP)が今はカナダ水準になったが、これはかなり驚くべき成就」と話した。

韓国に対する肯定的な印象批評はここまでだ。彼は同盟国の韓国に対して冷ややかな表現をした。ライトハイザーは「我々は韓国の防衛費として数十億ドルを分担するが、韓国は米国に対する輸出障壁を維持し、莫大な黒字を出しているという事実のため、しばしばトランプ氏を怒らせた」と話した。

ライトハイザーは韓米FTAに対しても否定的な認識を示している。2012年3月に発効した同協定について、「バラク・オバマ大統領は選挙キャンペーンの時、弱点が多いとしてこれを批判したが、いざ政権を握ってからは何もしなかった」とし、「(FTA以後)韓国は米国車を非常に少なく追加輸入した反面、米国に対する輸出は画期的に増やした」と話した。

知らない土地へ異動になったら「まず方言で知ってみる」ことが大切なワケ

異動の季節ですね。配属先が未訪問のところであれば、何もわからない土地は不安も多いと思います。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、「方言」が強い地域出身者への注意点と、それをコミュニケーションに使う方法を伝授しています。

異動した先の「方言」分からない言葉にどう対応するか?

4月を迎える直前ということもあり、異動で遠くの店舗へ行くことになったという人もいらっしゃるかもしれません。

初めての異動だと不安ですし、遠くへ行くとなるとなかなかどうしてやっていけるかなと思っている人も中にはいることでしょう。

僕も異動や移動が多かった人間でして、地元佐賀県から、福岡→岐阜→福岡→栃木→東京と動いてきました。

東京へ来てからも関西へ応援へ行ったり、東北へ行ってみたりとありがたいことにいろんな地域での接客をさせてもらう機会がありました。

そうして感じるのが、異動した先での言葉づかいです。

というより方言ですね。

僕は佐賀出身なので、元々はかなり佐賀弁が強いです。

ですが、佐賀弁って他の地域へ行くとほとんど伝わりません。

伝わらないだけなら良いのですが、喧嘩腰に聞こえやすいらしく悪い印象に写りやすいのですね。

だから福岡で販売していた頃は、佐賀弁が出ないようにしていました。

その代わりに博多弁を覚えたので、(隣県なので近い言葉なのですが)博多弁で会話をすることもありました。

一方で、関東などに来てからはあえて博多弁をそのまま使うこともありました。

その方がお客様と仲良くなりやすい傾向にあったからです。

「え?九州の人?」みたいにお客様から聞いてくれることも多かったんですね。

博多弁は喧嘩腰には聞こえにくいので、選んで使っていたのです。

実はこれって異動でよくある悩みで、関西出身の方の中には関東へ来てみて「関西弁じゃない方が良いのでは」と考える人も多々いらっしゃいます。

それで標準語で喋っていたりしますが、いざ関西弁で接客をしてもらうと圧倒的にその人の素のようなものが見えて親近感が湧くわけです。

それだったら標準語に直したりせずに関西弁のままのほうが良いのです。

逆に佐賀弁のように強すぎたりあまりにわかりづらい方言の場合は、なるべく直した方が良い時もあります。

行く地域にもよるでしょう。

小林製薬「紅麹」禍を招いた、安倍晋三元首相の「演説」と「功績」…陰謀論ではないアベ友と機能性表示の闇(辻野晃一郎氏)

小林製薬の「紅麹」による健康被害が相次いでいる問題で、故・安倍晋三元首相とその取り巻きの責任をあらためて問う声が高まっている。「機能性表示食品」制度の創設を主導した「アベ友」の面々は、私たち国民の健康を犠牲にして、どのような利益供与を受けてきたのか?メルマガ 『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~ の著者、辻野氏が詳しく解説していく。一部狂信的な信者は「なんでも安倍さんのせいにしたがる左翼連中の陰謀」などという妄想をSNS上で垂れ流しているが、ここまで証拠が出揃ってしまっては言い逃れは不可能だ。
※本記事のタイトル・見出し・SNS埋め込み等はMAG2NEWS編集部によるものです/原題:小林製薬の健康被害問題について(前編)

プロフィール辻野晃一郎つじの・こういちろう
福岡県生まれ新潟県育ち。84年に慶応義塾大学大学院工学研究科を修了しソニーに入社。88年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了。VAIO、デジタルTV、ホームビデオ、パーソナルオーディオ等の事業責任者やカンパニープレジデントを歴任した後、2006年3月にソニーを退社。翌年、グーグルに入社し、グーグル日本法人代表取締役社長を務める。2010年4月にグーグルを退社しアレックス株式会社を創業。現在、同社代表取締役社長。また、2022年6月よりSMBC日興証券社外取締役。

陰謀論ではない厳然たる事実。安倍元首相と紅麹事件の関係

(4/5号「気になったニュースから」より)
現在までに5人もの関連死が疑われている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」による健康被害について、メルマガ前号でも少し触れましたが、今号ではこの問題をもう少し掘り下げておきたいと思います。なおその後、「紅麹コレステヘルプ」だけでなく、同社の「ナイシヘルプ+コレステロール」でも被害が出ていることが判明しています。

まず、前号(3/29 Vol.50)では、以下のように述べました。

現在問題になっている小林製薬のサプリによる健康被害についても、メディアは表面的なことだけを追いかけていますが、抜本的な問題として、安倍政権時代の経済政策の一環で、2015年、これまでの「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」というジャンルに加え、新たに「機能性表示食品」というジャンルを作って健康食品市場の参入障壁を下げたという経緯を知っておく必要があります。端的に言えば、国民の健康よりも経済が優先されたことが今回の健康被害にも繋がっているのです。

トクホでは、健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、たとえば「コレステロールの吸収を抑える」などの表示が許可されますが、表示される効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可する制度になっています。これに対して、機能性表示食品は、あくまでも事業者の責任において機能性の表示が認められる食品です。販売前に安全性や機能性の根拠に関する情報を消費者庁に届け出ればよいだけで、国の審査や消費者庁長官の個別の許可を受けるものではありません。

ひと頃から、サントリー、キリンといった大手だけでなくさまざまな中小企業がこぞって健康食品市場に積極参入していますが、背景には経済界と政界の癒着があり、今回の小林製薬の健康被害の根底にある問題として見逃してはならないと思います。トクホとして認められなかった健康食品が、機能性表示食品として市場に出回る事態に対して、安全性を懸念する声は当初からあがっていたのです。

この2015年の規制緩和の結果、図1に示す通り、2023年には約7,000億円規模の新たな市場が生まれました。届け出数は約6,800件とトクホの6倍を超えるそうです。

市場原理からすれば、国の審査が厳しくて、許可を得るまでに大きな資金と長い時間が掛かるトクホよりも、手軽に健康効果を謳えるジャンルが出来たわけですから、トクホの市場がシュリンクして機能性表示食品の市場が一気に立ち上がったのは自然な流れと言えます。

しかし、まさにここにこそ、今回小林製薬のサプリが健康被害を引き起こした最も決定的な原因があるわけです。

規制緩和を推進した「アベ友」、森下竜一という人物

当時、第二次安倍政権下において進められたこの規制緩和は、以下の図2に示すような流れで行われました。

そしてこの規制緩和を推進したのは、内閣府が組織する規制改革会議・健康医療ワーキンググループで、メンバーは以下の諸氏になります(肩書は当時)。

【委員】
・安念潤司 中央大学法科大学院教授
・(座長)翁百合 株式会社日本総合研究所理事
・金丸恭文 フューチャーアーキテクト株式会社 代表取締役会長兼社長
・佐々木かをり 株式会社イー・ウーマン代表取締役社長
・林いづみ 永代総合法律事務所弁護士
森下竜一 大阪大学大学院医学系研究科教授

【専門委員】
・竹川節男 医療法人社団健育会理事長
・土屋了介 公益財団法人がん研究会理事
・松山幸弘 一般財団法人キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹/経済学博士

まあ、この手の民間委員としては見慣れた顔ぶれで、私自身も直接お付き合いのある人たちがいるのですが、驚くべきは、健康や医療の専門家ではない素人が大半を占めていることです。

ここに名前がある人は全員、今回小林製薬が起こした問題に対して、一定の責任があると言わざるを得ないでしょう。中でも、森下竜一氏の名前が含まれていることには「なるほど、やっぱりそうか」という思いがあります。

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ

東日本に人が住めなくなる。国民のほとんどが忘れている福一原発「使用済み核燃料プール」に残されている殺人物質

2011年3月の発生から13年が経ち、多くの国民が日々の生活で思いを巡らす機会が少なくなってしまった福島第一原発事故。しかしこの事故は決して過去のものではなく、「日本人にとっての危機」は今も継続しているのが事実のようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹さんが、福一原発の「使用済み核燃料プール」崩壊が東日本に壊滅的な被害をもたらす可能性を指摘。さらに処理水の海洋放出を強行した政府や東京電力と、彼らの「プロパガンダ」に手を貸した国内メディアを強く非難しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

次の原発事故はどこか?地震多発国ニッポンの原発・使用済み核燃料プール崩壊の恐怖!日本中で居住地がなくなる危機!

みなさま、こんにちは!「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。

さて今回は、「次の原発事故はどこか? 地震多発国ニッポンの原発・使用済み核燃料プール崩壊の恐怖! 日本中で居住地がなくなる危機!」というテーマで原発の「使用済み核燃料プール」についてえぐっていきたいと思います。

福島第一原発にある1号機から6号機までの原子炉のうち、メルトダウンした1、2、3号機内には、1,496体(880トン)もの溶け落ちてデブリになった燃料が残り、これが流れ込む地下水と接触し汚染水を生み出し続けています。

ちなみに原子炉建屋上部に設置された使用済み核燃料プールの燃料保管状況は次の通りです(2024年3月31日現在)。

  • 1号機…………392体が取り出せない状況
  • 2号機…………615体が取り出せない状況
  • 3号機…………2021年2月566体の取り出し完了済
  • 4号機…………2014年12月1,535体の取り出し完了済み
  • 5号機…………1,542体をプールで保管中
  • 6号機…………1,610体をプールで保管中

原子炉建屋の上部構造の崩壊などにより、いまだに1号機と2号機の崩壊を免れた使用済み核燃料プールには、1,007体の「使用済み」及び「使用前」の核燃料が残されたまま、取り出せていない状況があるのです。

福島原発事故の原因は東電幹部の「認知バイアス」の誤謬によるものだった!

福島の原発事故の究極の原因は、皆様よくご存じの通り、東京電力が津波対策を怠ったことによるものでした。

2022年7月東京地裁では、福島原発事故の賠償責任を問われた東京電力の旧経営陣4人に対し、総額13兆円超の支払いを命じました。

もちろん、一人あたり平均で3兆3,300億円にのぼりますから、上訴審で判決が確定したとしても、個人で払える金額ではないため、この人たちは自己破産して終わりになるだけです。

津波対策費には数百億円がかかる──ということでコストをケチり、対策を怠ったことが明白となった東電の旧経営陣に責任をとらせる──といったところで、このように虚しい話なのです。

民事ではともかく、すでに刑事では無罪放免なのですから。

4人はいずれも高齢ですから、そのうちあの世に召されて終わりです。

政府の地震調査研究推進本部が2002年7月に出していた「長期評価」では、福島県沖でマグニチュード8級の地震と津波が発生する可能性がある──というものだったのに対して、東電幹部はまともに向き合おうとせずに無視したのでした。

経営上の利益を優先し、国民の命の安全を無視した罪は、本当に非常に重いものがあるといえるのです。

この事例とは反対に、日本原子力発電は、同時期に東海第二原発(茨城県)において、原子炉建屋に防水扉を設置するなどの津波対策を行っています。

その結果、東海村は東日本大震災による重大事故を免れ、明暗を分けたのです。

なぜ東電幹部4人は、原子炉建屋を守る堤防のかさまし工事を怠ったのでしょうか。

これこそ、著者が先月、心理学専門の別名義でのペンネーム(神岡真司の名)で著した『脳のクセを徹底活用! 認知バイアス最強心理スキル45』(清流出版刊)で喝破した通りの脳の悪い癖が発現したからだったのです。

「大きな地震があっても、津波がここまで届くことはないだろう」と自分たちに都合よく考える「正常性バイアス」をはたらかせ、そして不都合な情報は無視して自分たちに都合のよい情報だけを信じる「確証バイアス」で認識を共有し、さらに東京電力の幹部会議における権威序列の意見が支配的となる「集団同調圧力」までもが、強烈にはたらいていただろうことが容易に推測できるのです。

こういうあやまちに導かれないためにも、さまざまな脳の悪いクセである「認知バイアス」に嵌らないよう、日頃から私たちは意識的かつ警戒的に行動することが大事なのです。

まさしく、いくつかの「認知バイアス」に導かれて、福島第一原発事故が起こった──という教訓は永遠に忘れないようにしたいものなのです。

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5月に一斉攻撃か。攻撃準備を終えたロシアに滅ぼされるウクライナとプーチンに破壊される世界の安定

国際社会からの非難をものともせずに、ウクライナに対する侵略行為の手を緩めないプーチン大統領。ロシア軍は大規模な一斉攻撃の準備をすでに終えたとも伝えられ、ウクライナは実質的に消滅するとの見方もあるようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、ロシアがウクライナをこれほどまでに攻め立てる理由と、「ロシアの勝利」により国際社会が失うものについて解説。さらにプーチン氏が次に狙う国の名を挙げています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

恐怖が支配する国際情勢‐戦い続ける理由と再興の鍵

「相手は自分たちを破壊し尽くそうとしている」

このような極限の恐怖にとりつかれて、戦争が行われています。

戦争の現場・最前線にいないものにとっては、それは一種の被害妄想だと感じるかもしれませんが、これまで紛争調停に携わってきた際、ほぼすべてのケースにおいて交戦当事者たちが一度は口にする“恐怖”です。

「相手が自分たちを殺害、あるいは追放し、民族としての存在を終わらせたいと考えているに違いない」という恐れはそこに存在し、「今、戦っている相手は敵ではなく、常に自分の存在を危うくする脅威だ」という認識は、人たちを自己保存のための戦いに送り出しています。

30年近く国際社会から忘れ去られているコンゴの終わりなき内戦の当事者たちも、エチオピアで繰り広げられるティグレイ族への苛烈で執拗な攻撃も、ミャンマーで繰り広げられている戦いでも同じような恐怖が人々を支配し、武器を取らせています。

それはロシアとウクライナの戦いでも、イスラエルとハマス、パレスチナとの戦いでも同様です。

以前にも触れましたが、ロシア人の思考の根底には「我々が歩み寄っても誰もロシアのことを知ろうとせず、誰もロシアの悩みを分かってくれない。だから自らバウンダリーをどんどん広げて、自分自身で自分を守るほかない」というメンタリティーがあるそうです。

16の主権国家と国境を接し、180以上の民族を抱える多民族国家であるロシアは、常に陸続きでの他国・他民族からのプレッシャーに耐え続ける必要があると言われており、生き残るためには拡大していくほかないという独特の国家安全保障観があると言われています。

以前、テレビでプーチン大統領に直接質問できる番組があり、そこで観客の少年がプーチン大統領に「ロシアはどこからどこまでですか?」と尋ねた際、「ロシアの領土には果てがなく、どこまでも続くのだよ」とプーチン大統領が答えていたのが非常に印象的でしたが、これはプーチン大統領が抱くロシア帝国の再興・新ソビエト連邦の構築という野望と共に、ロシアがずっと抱き続ける恐怖を抑え込むために拡大あるのみというジレンマも透けているように思われます。

この独特の恐怖心が、疑心や裏切りという認識と重なるとその相手を徹底的にいじめ抜き、恐怖心を癒してくれる仲間(または従順な存在)であればとことん厚遇するという統治方法と外交戦略の基礎になっていると考えます。

もちろん領土欲や覇権の拡大という欲は存在するでしょうが、プーチン大統領とその取り巻きにとっては、ウクライナは欧米の力を借りてロシアの国家安全保障、そして存在を脅かすけしからん存在と映っているようです。特にロシア、ウクライナ、ベラルーシは、旧ソ連の中でも近しい存在と考えられていたため、半ば身内がロシアを裏切って“敵”と手を結ぶというように認識したのだと、ユーラシア問題を扱う専門家グループは分析しています。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

武豊が窃盗被害!で再注目、四条河原町「不倫キス」裏事情。スペシャルでディープな女性関係…佐野量子夫人の神対応に「逆に申し訳ない」記者が狼狽したワケ

競馬騎手の武豊さん(55)が先月、京都市内の自宅から現金や高級腕時計など数千万円相当を盗まれる被害にあっていたことがわかり、世間をザワつかせています。これに関して、在宅し就寝中だった量子夫人にケガがなかったのは不幸中の幸いとしながらも「こんなときに不謹慎だが職業柄、7年前に発覚した武豊と22歳下タレントの不倫騒動を思い出さずにはいられない…」と告白するのは、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さん。武豊さんは競馬だけでなく“女性関係”のほうもかなりスペシャルでディープ――ただ量子夫人の度胸は、それをもはるかに凌駕するようで!?

武豊さん宅で窃盗被害、在宅の佐野量子夫人は無事

メディア媒体各社が一斉に、京都にある武豊宅への窃盗事件を報じています。

バッグや財布、高級時計や貴金属類等が盗難され、被害総額は数千万円規模だと捜査関係者は話します。

事件発生当日、武は愛知県豊明市にある中京競馬場に遠征中でした。

この日のメインレース『高松宮記念』では騎乗馬が上位人気だったのですが、発走後は馬群の後方でモゾモゾ…結局出馬18頭中、14着に終わってしまったのはこんな事情があったのですね。

窓ガラスを割って侵入したとみられ、在宅中だった量子夫人のショックは計り知れないほどだといいます。何より肉体的被害に遭わなかったことが不幸中の幸いだったと考えるしかありませんよね…。

武豊が22歳差不倫!量子夫人への取材で心底驚かされた話

こんな時に不謹慎ですが、武の名前ですぐ思い出すのは、7年前に発覚した22歳下のタレントとの不倫騒動です。

『FRIDAY』された京都・四条河原町交差点での熱いキスシーンは未だに私の脳裏から消えません。

武が内外のビッグレースでターフを駆け抜ける姿を見る度、今でもあの映画のワンシーンのような熱い抱擁写真が鮮やかに蘇ってくるのです。

当時この騒動では意外な展開もありました。

浮気した夫に元タレント・佐野量子夫人は何を思うのか…マスコミは京都の豪邸に集まりました。

これに量子夫人が対応をしてみせたのです。

普通、夫の浮気や不倫に夫人は取材には応じませんよね。応じて株を上げたのは、三田寛子ぐらいのものでしょう。

在宅していた武がマスコミ攻勢に答えを窮していると、量子夫人は突然夫の腕を掴み「2人の写真を撮ってもらおうョ、いいじゃない!」と顔の横でピースサインまでサービスしたツーショットのポージングを決めたのです。

“夫の火遊びぐらいで、夫婦の絆は壊れない…”というアピールだったのでしょうが、現場にいた記者たちは「予想もしないアクションで、逆にこっちがどう声を掛けていいかわからなかった」と話していました。

武豊騎手は女性関係も“スペシャル”で“ディープ”

実は武の行動に関して、私は独自で“定点観測”を続けていました。

その情報の中には、元テレビ東京の女子アナウンサー、鷲見玲奈に競馬関係者を通じて頻繁にアプローチしていたという噂話もありました。

当時の鷲見は同局の『ウイニング競馬』という番組のMCでしたから、定期的に番組に出演していた武としては、どうしてもスルーすることのできない存在だったのかもしれません。

武は前述した22歳下の女性との浮気の2年前、競馬通として知られたお天気キャスターとも六本木で“恋人繋ぎ”デートを『女性セブン』に撮られていましたが、私はそれが鷲見だと一瞬思ってしまったくらいです。

【関連】大谷翔平&妻真美子さん過熱報道、記者が語る裏事情。なぜ元カレという生き物は自分から“証拠写真”を見せてくるのか…

君たちがしているのは転職じゃない。ただの“転社”なのだ!

転職をしている人、あなたの周りにも多くいませんか?無料メルマガ『【スキル×運】で年収1000万円を目指せ!』の著者・佐藤しょうおんさんは、今、転職と呼ばれているものはただの「転社」だと話し、実体験として「新しい職に就くことの楽しさ」を語っています。

「転社」ではなく「転職」を勧める理由

多くの方が転職を体験していると思うんですが、実はこれ、私の定義では転職ではなくタダの転社です。転社というのは、働く会社が変わることです。つまり、今までと同じか、似たようなことを別の会社でやることを、転職といっているんですね。

これだと人生で印象に残る思い出にはなりにくいんですよ。なぜならば、似たような体験を既にしているからです。会社が変わることで環境が変わるかも知れませんが、その程度の変更は体験として新たなモノとは認識しづらいんですね。

ですから、これは非常に勇気がいることなんですが、

  ● 今までとは全く違う仕事

に手を出してみるべきなんですよ。もちろんいきなりそれを収入の柱にするのは大変ですが、最初は副業でも構わないので、

  ● 全く違う思考、行動をおカネに変換する

ことを考えるべきです。これが最も簡単に、強烈な思い出を作るやり方です。

私はそもそも非正規労働者でしたから、行く会社によってやることは全く違ったんですね。その意味で、かなりの転職をしたと言えます。いくつか思い出しながら書いてみると

  ▼ バイク便のライダー

  ▼ テキヤでたこ焼きを作る

  ▼ マクドナルドの店員

  ▼ パチプロ(これは仕事ではありませんが)

  ▼ 石油元売り会社での石油製品の分析

  ▼ 携帯電話の卸し、修理

  ▼ ITサポートビジネスのエンジニアからトップマネジメント

これ全部、やることは違いました。これはこれでたくさんの体験をしたと思います。

銃乱射事件の生存者、目撃者は事件後に何を引き起こしやすいのか

先日もモスクワのコンサートホールで銃乱射事件が起きましたが、それを目撃した人や生存した人にはその後どんな影響があるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、銃乱射事件後のうつ病やPTSDに関する有病率を調べた研究結果を紹介しています。

銃乱射事件後のうつ病とPTSDに関する有病率と危険因子

◎要約:『銃乱射事件等の重大な生命の危機にさらされるイベント後には、うつ病やPTSDの発症が多く、身体的受傷や支援の乏しさが危険因子となるかもしれない』

命の危険にさらされるエピソード等、心理的な(身体的な)インパクトの大きな出来事の後には、PTSDやうつ病の発症が多くなるのではないかという推測がされます。

今回は、2017年10月1日にラスベガスで起こった銃乱射事件(60人が死亡、867人が負傷)後のうつ病・PTSDに関して、有病率や危険因子を調べた研究をご紹介します。

Prevalence and Risk Factors of Depression and Posttraumatic Stress Disorder After a Mass Shooting

銃乱射事件後のうつ病とPTSDに関する有病率と危険因子

事件の生存者あるいは目撃者1000人がランダムに抽出され、202人(最終的には177人の回答が有効、74.6%が女性、平均43.5歳)から回答を得ました。

結果として、以下の内容が示されました。

・58人(32.8%)が事件で身体的に受傷し、88人(49.7%)が社会的支援を十分に受けていませんでした。

・87人(49.2%)がうつ病、112人(63.3%)がPTSDの既往を報告していました。

・身体的な受傷があった場合には、(受傷がなかった場合と比較して)36%多くうつ病を発症(ハザード比1.36)、32%多くPTSDを発症(ハザード比1.32倍)していました。

・社会的支援を十分に受けた場合には、(支援を受けていなかった場合と比較して)うつ病とPTSDの発症が少なくなっていました(ハザード比で、うつ病0.51倍、PTSD0.62倍)。

イベントに暴露された際のリスク因子についての理解や、その後の継続的な支援の必要性について確認できる内容でした。

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