中国から脱出せよ。国を見限る若者たち、ネットで流行る「潤学」とは

中国では最近、「潤学」という言葉がネット住民の中で流行っているといいます。一見すると学問の一種のようにも感じますが、実際はイメージとはかけ離れる“危険”な言葉のようです。中国出身で日本在住の作家として活動する黄文葦さんが、自身のメルマガ『黄文葦の日中楽話』の中でその「潤学」の意味を紹介。そこから派生した中国人の実態に迫ります。

 

中国人の「潤学」 移民という生き方

最近、中国のネットで、「潤学」という言葉は流行っている。ちょっと分かりづらいだろう。「潤」は本来「潤い」という意味だが、現在「潤」という動詞は「海外に移住する」、つまり移民の意味合いを持つようになった。「潤学」は中国を離れて先進国に移住する方法を研究することを意味する。つまり、移民の学問だという。

中国語の「潤」は「光り輝く」「利益(儲け)」を意味し、「過得滋潤」のように「潤」には、現地の口語では「快適に暮らす」という意味もあるので、「より良い場所に逃げ込む」という深い意味もあるのだそうだ。

「潤」は、中国では若者のキャリア形成において、「内巻」、「タンピン」と並ぶ3つのライフスタイル選択肢のひとつと考えられる。

中国のコロナ感染が3年目に入り、故郷を離れようとする中国人が増えている。そのほとんどは、大規模な封鎖が経済に大きな打撃を与え、食糧供給や医療へのアクセスに問題が生じたため、約2カ月間上海に閉じ込められている中産階級や富裕層の人々である。

海外にコネクションを持つ人の中には、世界に開かれた中国の門戸が閉ざされることを懸念する人もいる。また、コロナの感染拡大で深刻化した政府の監視に不満を抱いている人もいる。

「この国は変えようがないし、何かを非難することもできないような状態です。変えられないなら、逃げるしかない」、これは多くの人が思うことだ。まさに「逃げるは恥だが役に立つ」。

ある調査会社によると、4月に「移民」という言葉の検索が先月より440%増加した。ある移民のコンサルタントは、「上海がロックダウンされてから、問い合わせが急激に増えた」という。

中国当局は出国を制限している。中国移民管理局は最近、「不要不急の出国活動を厳しく制限する」とし、これはコロナと関係があり、輸入感染を減らすためだとしているが、中国のソーシャルメディアユーザーからは、実は頭脳流出を防ぐためではないかとの見方も出ている。

政府は昨年、ビジネス、留学を除き、ほとんどの一般旅券の発行・更新を行わないことを発表した。国家移民局のデータによると、2021年上半期のパスポート発行数は、2019年同期の発行数の2%だ。

中には、中国の厳しいコロナ対策が世界とますます乖離していることに気づき、出国を希望する人が大勢いる。がっかりした人は上海に限ったことではない。他の都市の人も、近いうちに同様のロックダウンが行われ、厳しい状況に置かれることを懸念しており、閉鎖による経済的圧迫を感じている人もいる。中国の若者の中には、チャンスが少なくなっていることを実感し、国を出る決意を固める人もいる。

これからも「潤学」という移民に関する学問は、より多くの人々に研究され、実践されるだろう。

 

バイデンがついた大嘘。台湾有事で米国が絶対に軍隊を派遣しない明確な4つの理由

5月23日に行われた岸田文雄首相との共同記者会見で、中国が台湾に侵攻した際に米国が台湾防衛に軍事的に関与するかと問われ、「イエス。それが我々のコミットメントだ」と答えたバイデン大統領。日本のみならず世界中で大きく報道されましたが、当のアメリカではどのような反応なのでしょうか?今回は台湾有事の際にアメリカが“軍隊を派遣しない”可能性が大きくなってきている、という話をしていきます。

バイデン大統領の台湾有事へのコミット発言

先週アメリカバイデン大統領が初来日して、日米の固い結束、IPEF発足表明、クワッドの開催、とアジアに於ける影響力を大いにアピールしていきましたが、その中で日本のマスコミが最も注目したのは、バイデン大統領の「台湾有事へのコミット発言」だったようです。

そして、このバイデン大統領の発言は、アメリカでも大きく注目を集めています。

アメリカの曖昧戦略について

一応説明しておくと、23日の首脳会談後の記者会見でCBSニュースの記者が、「ウクライナでは軍事関与はしなかったが、同じ状況が台湾で起こった場合軍事関与する意思はあるか」と尋ねられた際、「イエス、それがわれわれのコミットメントだ」とバイデン大統領が答えました。

そのため、日本では従来の曖昧戦略を変更するものだ、と大きく報じられました。

アメリカでも、バイデン大統領の失言癖や直ぐに火消をするスタッフらとの関係性、そして戦略的曖昧さと戦略的明確さのどちらが侵略行為に対する抑止効果が高いか、などの議論が噴出しました。

ここで、台湾に於けるアメリカの「曖昧戦略」を簡単に説明すると、台湾に対しては、「軍事支援を否定しない」ながらも、中国には「一つの中国政策を維持する」と発言して安心感を与えることで、台湾への武力行使を抑止する、という効果を狙うものです。

しかし、今回のバイデン大統領の発言は、「台湾有事の際の関与明確化」と捉えられかねないものであったのは事実ですので、明確化が必要と主張する専門家が騒ぐのも無理は無いかとは思います。

ただ、今のアメリカ軍事力の弱体化、民主党政権の海外関与に関わる方針、予算の流れ、国内世論などを見る限り、バイデン大統領がぽろぽろ本音を漏らすタイプだ、ということだけで、曖昧戦略自体は変わらず、誰かが少し踏み込んだ発言をすれば、誰かが火消をする、ということをその場の状況に応じて繰り返し続ける、ということに何も変わりは無いと思われます。

実際にあの後ブリンケン国務長官が、台湾政策に変更は無い、一つの中国政策を維持していく、との演説を行って火消しに努めました。

バイデン大統領の発言の中で注目すべきポイント

実は、この問題をもう少し深読みをすると、このバイデン大統領の発言の陰に隠れている、アメリカの同盟国防衛に関する方針転換の可能性こそ注視すべきポイントです。

4月7日に、マーク・ミリーというアメリカ軍参謀本部のトップの方が、国防予算に関する上院の公聴会で極めて重要な発言をしました。

「台湾有事の際の最善防衛は台湾自身で防衛することである。ウクライナでは沢山の教訓を得ているが、アメリカはウクライナと同様の手法で、台湾を支援することが可能である」との発言を行いました。

つまり、台湾有事にアメリカ軍は直接参戦せず、武器を大量に供給する「ウクライナ型代理戦争」の手法をアメリカ軍の参謀本部が検討していることが推察出来る内容の発言です。

ウクライナでの手法はアメリカとしては極めてメリットが大きいもので、

  1. ベトナム、イラクやアフガンの様な失敗をすることなく、
  2.  アメリカ国民を危険に晒すことなく且つ、戦争に負けるという名誉を損なうこともなく、
  3.  核保有国との全面衝突を避け、
  4.  アメリカの軍需産業に多大なる利益をもたらす、

という、ある意味では、今のアメリカ国民が求める理想形と言えます。

しかしながら我々が注視すべきは、この理論の最大のリスクは、攻め込まれた国が多大なる犠牲、あれだけの国民が無くなり、町が焼き野原になるという犠牲を払うことになる、ということです。

これ台湾は勿論ですが、中国は、尖閣諸島も自国領土である、台湾省の一部だと言っており、日本は最大の当事国の一つです。

その意味では、曖昧戦略、明確戦略、どちらの主張も一長一短ありますが、少なくとも、侵略行為、武力行使は始められたら終わり、抑止こそ最大かつ唯一の絶対条件であり、その為のベストの手法を常にアメリカ政府には取って頂きたいと思います。

出典:メルマガ【今アメリカで起こっている話題を紹介】欧米ビジネス政治経済研究所

image by : Matt Smith Photographer / shutterstock

辛口評論家が知事選応援で「原発を山口県に移転させよう」と語った真意

5月29日に投開票された新潟県知事選で、共産、れいわ新選組、社民が推薦した片桐奈保美氏の応援で長岡に駆けつけた評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、そこで自身が話した内容を紹介。「オッサン県政にサヨナラしよう」とオッサン議員による汚職続きの国政を念頭に訴え、会津、庄内、長岡が中心となった奥羽越列藩同盟の話から「長州(山口)中心のこの国の政治を転換させなければならない」「原発は、再稼働などと言う安倍晋三の地元に移転させよう」と語った真意について綴っています。

 

越後では、杉と男は育たない

5月27日、新潟県知事選挙の応援に長岡に行った。自民、公明に連合までが支持する現職の花角英世に対抗して立った片桐奈保美を応援するためである。まず、隣の山形県出身であると自己紹介してから、当日の新聞に触れた。

元農相の吉川貴盛が鶏卵汚職で有罪判決を受けたと報じている。『毎日新聞』は元法相の河井克行に始まって、元副財務相の遠山清彦などの5名を一覧表にしていた。公明党の遠山以外はいずれも自民党である。政権への直結を謳っている花角県政は汚職につながる県政であり、交代しなければ汚職に染まる。

また、この5名がみな男であることでわかるように、オッサン政治をなくさなければ汚職はなくならない。オッサン県政の花角にサヨナラしようと訴えた。終わったら、聴衆の1人が近づいてきて、「サタカさん、越後では杉と男は育たない、と言われるんですよ。知ってましたか」と尋ねられた。もちろん、知らない。長岡は田中角栄や山本五十六を生んだところだが、確かに、田中も山本も育ち切れなかった男かもしれない。

「原発なくして病院のこす!」がスローガンの片桐は住宅建設会社の副社長で73歳。兄と共に高卒で会社を興し、50歳を過ぎて新潟大学に入ったという肝っ玉母さんである。

巻原発に反対して、若いころは子どもをおぶって運動に参加していたらしい。原発反対には年季が入っている。次世代の県民のために世界最大の柏崎刈羽原発をなくそうという主張には熱がこもっていた。

私は演説の途中で、原発再稼働などと言っている自民党の、とりわけ安倍晋三の地元の山口県に移転させようと主張した。演説はこうしたことを口走らせる。

やはり、中央政府から新潟を含む東北は低く見られて原発もより多く押し付けられているが、長州(山口)中心のこの国の政治を転換させなければならないとも訴えた。

そして、奥羽越列藩同盟の話をしたのである。福島県の会津、山形県の庄内、そして新潟県の長岡を中心として「官軍」に抵抗する「賊軍」の列藩同盟は結成された。これに尽力した1人が長岡の河井継之助である。司馬遼太郎が『峠』で描いて、さらに評判となった河井の映画が、たまたま、6月に上映される。河井役は役所広司。そんなこともあって、この話をしたら、長岡では受けた。

片桐は「私は国の言いなりにはなりません!」と言っている。ビラには小泉純一郎が登場して「まず新潟から原発ゼロにしよう」と主張している。陣営では「新潟県初の女性知事を」とも訴えていたが、確かに私の出身の山形では女性知事が誕生している。

現職の花角は自民党のボスの二階俊博に極めて近い元官僚。そんな現職を腐れ連合が推している。かつて滋賀県で嘉田由紀子が当選して“嘉田ショック”と言われたが、新潟にもショックが起こらないものか…。(結果は残念無念)

 

image by: imacoconut / Shutterstock.com

プーチン4月に「がん治療」か?ついに停戦も視野に入れ始めたロシア

ロシアの軍事侵攻開始から100日以上が経過するも、未だ激戦が続くウクライナ紛争。食糧危機を揺さぶりの道具に使うなどして世界の批判を集めるプーチン大統領ですが、戦況はこの先どのような推移を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、両国の戦争継続力などを踏まえつつ今後の戦争の行方を分析。さらに戦後の世界新秩序構築に日本が果たすべき役割についても考察しています。

 

ウクライナ戦争の推移

ウクライナ東部での戦争は、ロシア軍の主力がセベロドネスクを把握し、ウ軍は撤退した。しかし、ドネツ川西側の高台のリシチャンスクで反撃に出て、セベロドネスクの2割を取り戻したという(編集部注:6月4日時点)。

ロシア軍は、ポパスナ高地にサーモバリック弾の発射ができる多連装ロケット砲TOS-1を置き、周囲のウ軍を攻撃している。サーモバリック弾は、周囲の酸素を奪い取るので地下にいても酸欠で死ぬことになる。

このため、1日で100人の兵士が死んでいると、ゼレンスキー大統領も発言している。よって、このロケット砲をウ軍は叩かないといけないが、まだ、全部を排除できていないようである。

この高地の榴弾砲やロケット砲を潰すのに、M777榴弾砲を使うしかないが、安全な場所からの砲撃ができず、危険を冒して、高地に届く25キロ以内で砲撃している。この距離だとロシア軍の榴弾砲が届くので、両軍の砲撃戦になっている。ロケット砲は20キロ程度であり、届かない。

しかし、突入を繰り返したセベロドネツク攻略のロシア軍主力の損害も大きく、攻撃力が弱くなってきたようだ。このため、ウ軍も反撃ができることになった。

この状況で、空輸可能な80キロの射程距離があるM142高機動ロケット砲(HIMARS)4門が緊急でウ軍に供与されることになった。しかし、射程300キロのM26ロケット弾(ATACMS)の供与はしない。ロシア領内を攻撃できるので、ロシア軍を過度に刺激してしまうからだという。

もう1つ、ウ軍に空対地ミサイル「ヘルファイア」搭載可能なドローン「MQ-1Cグレーイーグル」4機を売却する。これにより、大幅な戦力アップになる。この攻撃機でロシア領内を攻撃しないという覚書を取り交わすようで、米国はロシアの負け過ぎも警戒している。

このように、ウ軍の攻撃力が増強されているのに、東部でも大幅に攻撃力が落ち、4月上旬に任命されたばかりのロシア軍アレクサンドル・ドボルニコフ総司令官が更迭されたようで、陸空の連携攻撃ができずに、陸軍の損害が大きくなり、その責任を取らされたという。新総司令官はゲンナジー・ジドコ軍政治総局長であるという。

しかし、この問題の根本には、装備に問題があり、各部隊に暗号化された無線機が必要であり、空軍パイロットとの交信ができないと達成できない。

しかし、陸軍に暗号化無線機は配備されていない。配備したと思われる無線機は、高級将校の汚職で闇市で売られてしまっている。

このため、現状では陸空連携攻撃はできるわけがない。今の無線機で交信すると、攻撃位置がウ軍に分かり、待機したスティンガーミサイルで撃墜されるだけだ。

ということで、東部セベロドネツク攻撃をしているロシア軍の一部で局地的な反乱が起こり、この反乱で攻撃力が落ちているようである。この責任を問われたことが大きいはずで、空陸連携攻撃失敗は見せかけであろう。プーチンは、6月12日の「ロシアの日」に勝利宣言する予定が、できなくなる心配が出てきた。

 

2年経ってもトランプという“悪霊”を祓えないアメリカ共和党の重症度

11月8日に中間選挙が行われるアメリカですが、共和党内においては未だトランプ前大統領の“威光”にすがりつかなくてはならない状況が続いているようです。この現実を識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、自らのMAGA度、すなわち2年前にトランプ氏が叫んだ「Make America Great Again」の度合いを競い合う共和党候補を痛烈に批判。さらに民主党のバイデン大統領が抱える問題を指摘するとともに、中間選挙の「真の見どころ」を挙げています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年6月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

米中間選挙を覆う「MAGA」という心の病/共和党はトランプの悪霊を祓うことができるのか?

半年後に迫った米中間選挙に向けて民主・共和両党の候補者選びのための予備選挙が進んでいるが、そこに暗く重い影を投げかけているのはトランプ前大統領という黒い禍いの雲である。

2年前の大統領選で彼が敗北し、その選挙結果をフェイクだと主張、それに煽られて興奮した支持者が米議事堂に突入するという米民主主義史上で前代未聞の醜態まで演じた挙句に去って行った後に、しかし共和党には本来の穏健・中道保守路線を立て直そうとする主流派の目覚ましい動きは何も始まらず、その荒野のようなところを相変わらずトランプが徘徊して「キングメーカー」であるかに振る舞い、あわよくば2024年大統領選で再選を果たすための条件を掴もうと画策しているのである。

共和党有利の予想は変わらない

一般に、新しい大統領は最初の中間選挙で野党の批判を浴びやすく、第2次大戦後の19回のうち17回で与党が議席を減らしているという統計があるほどである。加えてバイデン政権の政策は内外共に精彩を欠いて一向に支持率が上がらず、このままでは共和党有利のまま11月を迎え、上下両院とも共和党に多数を握られることになる公算が大きい。

上院は100議席を50対50で分け合い、辛うじて議長をハリス副大統領が務めることで民主党が1票差を確保している形。今回改選となる3分の1=34議席のうち共和党の議席が20、民主党が14で、しかも民主に選挙に強い議員が少なくないので、そう大きく負けることはないだろうが、しかし1~2議席減らしただけでたちまちバランスが崩れる危うい状態である。下院は435議席の全てが改選となり、現状が民主222、共和210、欠員3とほぼ拮抗状態にある中、共和党が8議席以上を奪えば逆転するので、そうなることはほぼ間違いないと見られている。

とはいえ、問題は民主党との議席差よりも、おそらく両院で多数派を占めることになる共和党議員の中でトランプ派がどれほどの比重を占めることになるかによって決まる「質」である。

 

プーチンも高く評価。ウクライナに和平をもたらす「唯一の解決策」

トルコの仲介により実現したものの、3月29日を最後に中断したままとなっているロシアとウクライナの停戦交渉。しかしその際に話し合われていた合意案が、世界を救う鍵となりうるようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、ウクライナに和平をもたらしうる唯一の解決策として米国の有力外交専門誌が取り上げた「イスタンブール合意」の内容を、同誌の記事を引く形で紹介。さらにこの案の実現性についても考察・解説しています。

 

ウクライナの出口、イスタンブール合意案

ウクライナ戦争が混迷化しています。

ロシア軍はキーフ周辺からは撤退したものの、東部の要衝地域を固めつつあります。ウクライナのゼレンスキー大統領は意気軒高なものの兵士に疲れが見られます。

そんな中、米国の権威ある外交専門誌、「フォーリンアフェアーズ」がウクライナ和平の出口の可能性として3月29日にトルコで話合われたイスタンブール合意案(コミュニケ)に注目しています。

その時は、ロシア側の交渉責任者が「もっと強硬な姿勢で交渉に臨むべきだ」とロシア国内で激しく非難されたこともあり、この案にそった和平条約の締結は難しいと思われていました。

しかし、このイスタンブール案が唯一、ウクライナに和平をもたらしうる解決策になるのではないかというのです。

なぜならロシアの強固派の反発にもかかわらずプーチン自身は前向きだったからです。

「メディンスキー氏(交渉責任者)は、イスタンブール案を非常に高く評価した。プーチンに相談もせず、そのような評価をする可能性は極めて低いと思われる。そして、プーチン自身、4月末のグテーレス国連事務総長との会談で、この案を“真のブレークスルー”と呼んでいるのだ」(「フォーリンアフェアーズ」6月1日)

それでは、そのイスタンブール合意案とはどのようなものなのでしょうか?それは、ウクライナを永世中立国にするという案です。

3月29日のイスタンブールでの会談後、報道陣にリークされたこの提案は、少なくとも双方から予備的な支持を得ている。ウクライナはNATO加盟の野心を捨て、永世中立を受け入れる代わりに、西側諸国とロシアの双方から安全保障を受けるというものである。

保証人は、中国、フランス、ロシア、英国、米国の国連安保理常任理事国すべてと、カナダ、ドイツ、イスラエル、イタリア、ポーランド、トルコの5カ国とされる。これらの保証国は、ウクライナが攻撃された場合、同国からの公式要請を受けて緊急協議を行い、必要に応じて武力行使を含む支援を行うとしている。

このイスタンブール案では、ロシアはウクライナの安全保障に関わる利害関係者となる。ウクライナはいかなる軍事連合にも参加せず、自国領土に外国軍の基地や軍隊を持たない。ウクライナでの多国間軍事演習は、すべての保証国の同意がある場合にのみ可能である。

米国の“弱腰”に批判も。明らかになるロシア兵による「残虐行為」の数々

3カ月が過ぎても終わりが見えないウクライナ情勢。ロシア軍が去った首都キーウ近郊のブチャでは、ロシア軍による数々の残虐行為が明らかになっています。今回のメルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「虫の目、鳥の目、歴史の目」』では、著者の嶌信彦さんが、どういった行為が「戦争犯罪」とされているのかを列挙したうえで、ウクライナの地でのロシア軍と兵による行為を「意図的な作戦でまさしく戦争犯罪だ」と語ったアメリカのブリンケン国務長官を言葉を紹介。にもかかわらず、弱腰な米国の姿勢には批判があると伝えています。

 

米国の慎重対応に批判も

ロシア軍のウクライナ侵略と人間性を疑うようなロシア兵によるウクライナの一般市民、女性、少女などへの暴行が次々と明るみに出始めている。それらの行為は国際条約で禁止されているもので、そうした行為を放置しているロシアの大統領・プーチンの「戦争犯罪」を問う国際世論も大きなうねりになってきた。

ロシア軍の行為が「戦争犯罪」と言われているのは、ジュネーブ条約やオスロ条約、ハーグ陸戦条約などで禁止されている攻撃を実施しているためだ。

たとえばダムや堤防、原発などの施設は破壊されると一般市民に危険を及ぼすので攻撃してはならないと定められているし、病院や学校、住宅などの爆撃もジュネーブ条約で禁止されている。また燃料気化爆弾やクラスター爆弾の使用なども禁止されているが、国際人権団体によるとロシア軍がミサイルで病院を攻撃し死者が出たり、各地で複数の学校や一般住宅が攻撃された。

またウクライナの首都キエフ近郊のブチャでは、民間人を中心に400人以上が殺害されたとみられ、無抵抗の男性への銃撃、少女への性暴力、水や食料不足をもたらしたことによる衰弱死──などの犯罪が住民の証言によって明らかになっている。

目を銃撃され遺体となったまま道路に放置された光景や後手に縛られて背後から銃で撃たれた遺体なども複数あったといい、一部は映像で世界に流された。また母親と10代の娘の親子がロシア兵によって地下室に連行され、連日のレイプを止めようとした母親が銃で殺されたなどの報告もあった。

アメリカのブリンケン国務長官は、ロシア軍の虐待疑惑は「意図的な作戦でロシア軍が組織的・計画的に実行したものだ」との認識を公にしている。またウクライナ検察当局は、戦争犯罪の容疑で約5000件を捜査していると明かし、ロシアの組織的犯行とみて追及しているという。こうした実情はアメリカの情報機関も把握している模様で、ブリンケン長官は「我々が目撃しているのは、ならず者による暴走ではない。殺害や拷問、性的暴行など残虐行為を目的にした意図的な作戦だ」とし、まさしく戦争犯罪だと記者団に述べた。

これらに対し、プーチンは5月の第二次大戦対独戦勝記念の式典で「ウクライナへの“特別軍事作戦”は、ウクライナのゼレンスキー政権がネオナチであり、今回の侵攻はウクライナのナチス主義者から人々を守ることを目的としたもので、必然的で時宜を得た唯一の正しい決定だった」と公言している。また、「ウクライナ攻撃の目的はナチスに居場所を与えないためだ」と指摘し、戦いの行方によっては核戦力を使用する可能性もあると示唆して米欧を威嚇している。

さらにロシア軍が制圧した南部のヘルソン州では、州知事やヘルソン市長を解任し、親露派の後任を一方的に任命、同州のロシア編入の方針も言明して“ロシア化”を押し進めている。

こうしたロシアの攻勢に対し、バイデン大統領は“正面から対抗すると第三次世界大戦を招きかねない”として武器供与についても慎重で米国の弱腰に批判が出ている。

 

image by:Alexandros Michailidis/Shutterstock.com

「女子高生ミスコン」でワイセツ行為が横行か。投げ銭と引き換えに裸の写真&肉体関係を要求、実態はただのパパ活という闇

「女子高生ミスコン」の裏側で、中年リスナーが性犯罪を行っていたことが発覚した。金にものを言わせてミスコンを荒らし、女子高生を餌食にする悪質な行為。調べを進めると、そこにはミスコンという名のもとに、知られざる闇深い現実があるようだ。

投げ銭の見返りで女子高生に裸の写真を要求さらに…

女子高生ミスコンの闇告発があったのは、6月3日に配信された暴露系YouTuberコレコレのライブ。コレコレは「ワタナベマホト児童ポルノ写真要求事件」「ストプリななもり不倫騒動」など数々のネット界隈のスキャンダルを暴露してきて、今やネット界の駆け込み寺的存在になっている。

コミュニティアプリ「ミクチャ」では2021年から「日本一かわいい女子高生を決める」というテーマで、「女子高生ミスコン」を開催、今回はその2回目だった。

問題が発覚したのは「第2回シードオーディション」で、この大会で1位になるとシード権を獲得し、予選大会を飛びこえて決勝大会に進むことができるというシステム。勝敗はリスナーからもらうポイントで決定する。

無料で貯められるポイントもあるが、多くは1ポイント=約1円で購入する“投げ銭”だ。つまり、ポイントはファンの数ではなく、“金に余裕のあるファン”がいくら課金するかにかかっている。

今回告発したというAさんは、ライブを頑張っても分厚い壁に阻まれて上位に上がることができなかったようだ。調べてみると、Aさん以外の上位者の全てはと、「じょー」というファンが一律10万Pも課金していることが発覚した。

なんと「第1回シードオーディション」で1位に輝いた子は2位と100万P以上も引き離していたのだ。1位の子に100万円を課金したのも「じょー」だった。(現在は「じょー」は排除され、ポイントも無効になっている)

この「じょー」という人物は運営側も警戒しており、第2回が始まる前に「高額ポイントと引き換えに参加者に無理な要求をしてくるので相手をしないように」と注意喚起していた。

やがてAさんにも「じょー」からのDMが送られてきた。その内容は「1位にするかわりに裸の写真を送れ」というもので、添付されていたのは第1回で1位になった子の上半身裸の画像だったという。Aさんは自力でがんばると「じょー」の申し出を断った。

その配信を見ていたミスコン参加者のBさんが参加し、「投げ銭をもらっても裸の写真は送っていない」と否定したものの、芸能事務所を立ち上げるという「じょー」の言葉に惹かれて、LINEや電話でやりとりしていたことは認めた。

「じょー」に投げ銭をもらった参加者のほとんどは「じょー」と直接連絡をとり、中には直接会って、肉体関係を結ぶ交渉までしていたようだ。

「じょー」は自分が「ミクチャ」上で排除されないように、男子高生ミスターコンの参加者にも投げ銭をして、ミスコン参加者の誹謗中傷を言い、自分が被害者のように装っていた。

翌日、コレコレはツイキャスライブで直接「じょー」と電話で直接対決。「じょー」は始終酔っ払った様子で、容疑を否定し、コレコレを罵倒していた。女子高生側もコレコレとのメールや画像を保存しておくと、自分の落ち度が他人にバレてしまうので、証拠は消していると踏んでいるのか自信満々だった。

しかし、複数の女子高生とのメールのやりとりと画像が証拠として提示されると、急に電話を切って、それきり電話にも出なくなった。

女子高生の1人は6日にも警察に相談に行くという。「じょー」は近日中に児童買春、児童ポルノ等禁止法違反の容疑で逮捕される可能性が高いといえそうだ。

実態はパパ活とほぼ変わらない危険なミスコン

「ミクチャ」では現在様々なミス、ミスターのコンテストが行われている。容姿が問われる以上、ほとんどが顔出しになり、個人情報が特定されやすい。

他のコンテストには特定のファンがいて、女子高生ミスコン以上の高額の投げ銭を行っているようだ。

この中でポイント競争をしていたら、10万、100万などのポイントが“金銭”であるという感覚が麻痺してしまうのもおかしくない。

今回は未成年ということで犯罪行為にあたるとみられるが、成人同士なら規約違反にはなっても、犯罪にはなりにくい。女子高生ミスコンは氷山の一角で、ネットに素顔を出すのは常に危険が伴うことを忘れてはならない。

ロシアから永久撤退も「転んでもただは起きぬ」マクドナルドの商魂

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア国内での営業を一時停止していたマクドナルドが、5月16日同国からの完全撤退を発表しました。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、国際政治経済学者の浜田和幸さんが、この撤退によりいよいよロシアとアメリカの戦争が始まるとの懸念が広がっていることや、世界での売上の10%を失うことになるとその影響を伝えます。さらに、そんなマクドナルドが始めた「多様性と平和へのキャンペーン」を紹介し、ウクライナ危機と関連付ける商魂の逞しさに感服しています。

 

マクドナルドが先頭を走る“プライド月間”キャンペーン

ぶっちゃけ、ウクライナを巡る米ロの対立は長期化する一方です。

キッシンジャー元国務長官は間もなく100歳となりますが、発言力は一向に衰えず、先月のダボス会議でも「戦争を終わらせ、人的、経済的被害を抑えるには、ウクライナが領土の一部を割譲するのが最善の収めどころだ」と発言。この現実派らしい発言には賛否両論が巻き起こっています。

そんな中、ロシアからの全面、永久撤退を宣言したのがマクドナルドでした。しかし、これでは「マックの法則」が効かなくなります。何かと言えば、「マックの進出している国同士では戦争が起きない」という不文律です。このタガが外れたことで、ロシアとアメリカの本格的な戦争が起きるのではないか、との懸念が広がっています。

そこで、マクドナルドは新たな「多様性と平和へのキャンペーン」を始めました。それが毎年6月にアメリカはじめ世界各国で繰り広げられる「プライド月間」活動に他なりません。日本でも代々木公園で3万人が集まる集会が開かれました。

これは1969年6月28日、ニューヨークを皮切りに発生した「ストーンウォールの反乱」に因んで、LGBTQ+の権利を促進しようとするものです。性の多様性を象徴するシンボルとして6色のレインボーフラッグが掲げられ、世界各地でイベントやデモが展開されています。

こうした動きとウクライナ危機を関連させ、マクドナルドでは「皆、違っていて当たり前。愛は違いを乗り越える」といったキャンペーンを始めました。その一環として、従来のポテトフライに加えて、「レインボー・スティック」を多様性の象徴として売り出しています。

要は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に反対し、多様性と平和の大切さをレインボー関連商品に込めているわけです。あちこちの店舗ではレインボーフラッグが見られます。

ロシア市場から撤退したことで、世界的な売り上げを10%近く失うことになったわけですが、新たなキャンペーンの効果でマックの売り上げは順調に伸びているとのこと。ぶっちゃけ、「転んでもただは起きぬ」商魂の逞しさを感じさせます。

 

image by:FotograFFF/Shutterstock.com

日本より先にバイデンが来た。歓喜の韓国に米報道官が発した言葉

文在寅氏の後継候補を破り5月10日に第20代韓国大統領に就任、同21日にはアジア初歴訪となるバイデン大統領との首脳会談に臨んだ尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏。これまで政治経験の一切ない尹氏の舵取りを不安視する声も一部で聞かれますが、外交面の課題についてはどのような取り組みを見せるのでしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、早くもさまざまな動きを見せている米韓・日韓関係、さらに南北関係の今後を考察。さらに6月5日、北朝鮮が1日に8発ものミサイルを発射した理由を推測しています。

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2022年6月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

日本より先にバイデン大統領訪韓で歓喜。尹大統領就任でどうなる朝日米

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の新政権発足後1か月になる。本格的に始動になった「今後の日本、米国、北朝鮮との関係はどうなるのか?」を展望しよう。

まずは、米韓関係である。5月21日、米国のバイデン大統領は、初アジア歴訪で日本より先に韓国を選んだ。韓国メディアは、バイデン大統領が日本に先立って韓国を訪れたのは異例の対応だと報道した。尹錫悦新政権に対する期待の大きさの表れだと肯定的に受け止めている。韓国の聯合ニュースは「歴代米大統領は就任後、アジア外遊でまず日本を訪れた」と指摘。米側には、尹政権が文在寅前政権より米韓同盟を重視するとの期待があるとし、「バイデン氏にとって今回は韓国訪問が重要になる」と説明した。5月10日に就任したばかりの尹錫悦大統領は韓国の大統領としては、就任後最速で米韓首脳会談を実現したのである。

会談後の共同記者会見でバイデン大統領は、「抑止態勢をより強化し朝鮮半島の完全な非核化に向けて取り組むことで北朝鮮による脅威に対処していく」と述べ、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速させる中、核戦力を含む米国の抑止力で同盟国を守る「拡大抑止」に責任を果たすことを確認した上で、抑止態勢を強化していく考えを強調した。

これに対し尹錫悦大統領は、北朝鮮の核やミサイルの脅威について「高度化する核・ミサイルについて深刻な憂慮を共有し、どんな課題よりも優先的に取り組む必要があると共感した」とした上で、両国の軍が毎年行っている合同軍事演習について、規模を拡大する方向で協議を始めることで合意したと明らかにした。両首脳は、両国の間で途絶えていた拡大抑止の強化に向けて話し合う高官レベルの協議を早い時期に再開させることで一致したということである。

一方、冷え込んだ日韓関係について、バイデン大統領は、「日米韓の3か国が経済や軍事面で緊密に連携していくことは極めて重要だ」と述べ、関係改善への期待をにじませた。これを裏付けるように、米国のホワイトハウスの報道官は、歴訪の順番については「深読みする必要はない」とし、「米国は日本と強い関係があり、韓国ともそうだ」と述べ、日本への配慮も見せている。

次に、日韓関係である。尹錫悦新政権し、次の駐日大使として尹徳敏(ユン・ドクミン)前国立外交院長(62)が内定している。尹徳敏氏は、日本の慶応大学への留学経験があり、日韓関係や北朝鮮問題など外交・安全保障が専門の学者で、朴槿恵(パク・クネ)前政権で次官級の国立外交院長に起用された。国立外交院の前身である外交安保研究院で約20年間、教授を務めた。日韓関係が悪化した前の文在寅(ムン・ジェイン)政権で就任した姜昌一(カン・チャンイル)現大使は、日本の外相や首相とも面会していないなど、日本での活動が萎縮している。

しかし、両国は悪化していた関係の改善に向けた協議を加速させている。朴振(パク・ジン)外相の就任後初めての訪日も調整している。6月2日、韓国外交省の李相烈(イ・サンリョル)アジア太平洋局長は、ソウルで日本の外務省の船越健裕アジア大洋州局長と協議した。