自殺をしようと思うのは昼間が多い。では、なぜ遂行する時間帯は夜間なのか?

私たちの身近な問題を精神医学論文から読み解く、もりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』。今回は若年者の自殺について、アルコール併用の危険性について紹介しています。

若年者の自殺企図は夜間に増加する

睡眠に関する衛生と、自殺企図との関連が指摘されることがあります。

今回は、若者の自殺企図や希死念慮に関する発表(SLEEP 2023: the 37th Annual Meeting of the Associated Professional Sleep Societies)についてご紹介します。

・11~18歳の精神科病棟に入院している165人(72%が女性)に直近の自殺企図の時間帯を尋ねると、58%が夜間、35%が昼間、7%が朝と答えました。

・部分的入院のプログラムを終了した12~15歳の61人(61%が女性)に1日3回、EMAs記ecological momentary assessmentsと呼ばれる記録法を用いて調べると、昼間の遅い時間に希死念慮が増していました。

要約:『若者において、希死念慮の自覚と自殺企図のタイミングは必ずしも一致しておらず、自殺企図は夜間が半数以上である』

自覚される希死念慮だけではなく、他者の目があるかどうか等、自殺企図の遂行に影響する様々な要素があると考えられました。

ウクライナ戦争の裏で燻る「新たな世界の火薬庫」が、別の戦争の“火種”になる日

世界の目がウクライナに向いている間隙を突き、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフを電撃的に奪取したアゼルバイジャン。かような紛争の火種は、他の地域でもくすぶっているようです。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、米中ロという大国の影響力低下により「新たな世界の火薬庫」となりうる地域を挙げ、その注視すべき動向を詳細に解説。最悪の場合、世界を巻き込む終わりの見えない戦争に突入する可能性もあるとの見方を示しています。

次なる戦火はどこで上がるのか?各地でくすぶる紛争の火種

【世界の火薬庫】と聞いて、どの国・どの地域を思い浮かべるでしょうか?

私は旧ユーゴスラビアを含むバルカン半島をすぐに思い浮かべます(実際には「ヨーロッパの火薬庫」と呼ばれることが多いですが)。

実際に紛争調停の初めてのケースはコソボでしたし、紛争調停の世界に入るきっかけになったのは、先の旧ユーゴスラビアの崩壊とボスニア・ヘルツェゴビナにおける紛争でした。

また過去には「オーストリア・ハンガリー帝国の皇帝がサラエボで暗殺され(サラエボ事件)、そこから第1次世界大戦が勃発することになった」という“史実”も存在します。

しかし、そのバルカン半島諸国も、火薬庫と揶揄されるほどの不安定な緊張関係は現時点では存在せず、先のユーゴスラビア崩壊の悲劇以降、コソボ紛争を除けば、大きな武力紛争に発展していません。

ただそのコソボでまたセルビアとの武力紛争の可能性が急浮上してきました。アルメニアがナゴルノカラバフ紛争における完全敗北を認めざるを得なかったのとほぼ時を同じくして、9月24日にコソボ北部バニスカにかかる橋をセルビア系の武装勢力が封鎖し、コソボの警官を射殺したことに端を発し、コソボ特殊部隊と武装勢力との間で激しい戦闘が行われました。

セルビア政府は国境線沿いに重火器を装備した部隊を展開したのに対し、NATOはKFOR(コソボ治安維持部隊)を4,500人増派して対応に当たっていますが、コソボでの紛争ぼっ発以来、最大級の軍事的な対峙となっています。

今後、コソボ問題が大きな戦争に再度発展するかどうかは、コソボの後ろ盾である欧米諸国(国家承認してコソボの独立を承認)がセルビアを制裁対象にし、軍事的な行動を慎むように圧力をかけるかどうかにかかっているかもしれません。

元調停担当者として、本件の解決(できれば予防)にすでにお声がかかっておりますが、しっかりと状況を見極めたいと思います。

コソボを除けば比較的安定してきているバルカン半島情勢に代わり、ユーラシアがかなりきな臭くなってきました。

この地域の危うい安定は、すでに1917年のロシア革命によってできたソビエト連邦の成立以降、何度も民族問題・独立問題によって脅かされ、1991年のソビエト連邦崩壊と共和国の独立の連発に繋がり、“帝国”は崩壊しています。

その中には今、ロシアによる侵攻を受けているウクライナ(2022年から)、チェチェン(2000年)、ジョージア(2008年当時はグルジア)などが含まれ、さらにはロシアと微妙な距離感を保つスタン系の国々(カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンなど)や、ナゴルノカラバフ紛争の主役であるアゼルバイジャンとアルメニアも含まれます。

それらは各国が抱く飽くなき領土とコントロールへの欲望の表れであり、ユーラシア諸国を常に悩ませる民族問題でもあります。

ナゴルノカラバフ紛争やウクライナでの戦争は、地域内のみならず、中東欧諸国の内政問題をクローズアップし、世界を分断する要素になっています。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

Google日本元社長が抱いた違和感。X(旧Twitter)新CEOが動画で見せた“苛立ち”

今年6月、イーロン・マスク氏によりX(旧Twitter)にCEOとして迎えられたリンダ・ヤッカリーノ氏。NBCユニバーサルの広報担当責任者として辣腕を振るった彼女ですが、現在X社でどのような立場に置かれているのでしょうか。今回のメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』では、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作で知られる辻野さんが、ヤッカリーノ氏のインタビュー映像から読み取れる、マスク氏と彼女の関係性を解説。さらに今後のヤッカリーノの行く末を予測しています。

かつての部下に嫌がらせも。イーロン・マスクに振り回されるX(旧Twitter)の新CEO

5月26日に配信した本メルマガ第6号で、X(旧ツイッター)の新しいCEOに決まったリンダ・ヤッカリーノを取り上げましたが、Xも相変わらずイーロン・マスクばかりが悪目立ちしていて、ヤッカリーノの存在感はまったくありません。その後上手くやっているのかが気になり調べてみました。

読者の中にもXのユーザーは多いと思います。買収後のXで何が起きているのか、今後Xはどのようなアプリになっていき、またXはどのような言論空間になっていくのか等々、大いに興味があるのではないかと思います。是非、あらためて第6号と合わせて読んでいただければと思います。

ヤッカリーノの最新の発言は、9月27日に、「Code2023」というイベントに彼女が登壇した時の動画(「Linda Yaccarino defends Elon Musk, X, and herself at Code 2023 [FULL INTERVIEW]」)が公開されていますので、それを見るのが良いと思います。彼女はこの動画の中で、昨年イーロン・マスクが買収した後、去っていった主要広告主の大半が戻ってきていて、損益分岐点に近づいており、2024年初頭までには黒字になるだろうという見通しを述べています。しかし、動画を見るとわかるように、彼女は終始落ち着かない態度で、自信が無さそうだったり、急に強気になったりで、インタビュアー(CNBCのジュリア・ブースティン)とのやり取りも噛み合わず、何だかイライラしているような印象を受けます。

理由の一つは、彼女が登壇する直前のセッションで、イーロン・マスクから不当な個人攻撃を受けて大炎上した、旧ツイッターの元「信頼性および安全担当責任者(Head of Trust and Safety)」だったヨエル・ロスがサプライズ登壇し、「Xはユーザーや広告主を失いつつある」などと批判したことでの動揺があったようです。ヨエル・ロスが登壇したセッションの動画(「Yoel Roth warns new X CEO about Elon and company status [FULL INTERVIEW]」)も公開されています。

ヨエル・ロスは8年間旧ツイッターに勤務し、イーロン・マスクが旧ツイッターを買収した5週間後にツイッターを辞めました。最初、マスクはロスを好評価していたようですが、辞めたことを根に持ったのか、ロスの過去のツイートや、2016年のペンシルバニア大学での博士論文を持ち出して、彼が小児性愛の支持者であるというデマを拡散しました。マスクは、自分を裏切った相手や敵と見做した相手には、平気でこういうえげつないことをよくやります。その結果、ロスのもとには殺害予告が相次ぎ、彼は家族(ロスはゲイで、動画の中ではパートナーの事をmy husbandと呼んでいます)とともに住居を何度も変わることを余儀なくされたということです。

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ

ターゲットは日本だけなのか。中国が進める「服装禁止令」を考える

中国政府が「治安管理処罰法」の改正案に、「中華民族の精神を損ない、感情を傷つける服装の禁止」を盛り込むとして、議論を呼んでいます。この規制問題を取り上げるのは、メルマガ『j-fashion journal』著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。「感情が傷つく」という曖昧な基準で、日本をイメージする服装を規制するならば、中国を植民地化した英国発祥のスーツに感情的な抵抗はないのかと疑問を呈します。そして、安心して着用できる「標準服」導入を提案し、「くれぐれも、欧米のラグジュアリーブランドなどを身につけないように」と皮肉っています。

中国共産党は服装もコントロールする

1.中華民族の感情を傷つける服装の禁止

中国政府は、「中華民族の感情を傷つける服装の禁止」を盛り込んだ法改正案を公表しました。改正案では、発言や服装が「中華民族の精神を害する」もしくは「国民感情を傷つける」と見なされた場合、罰金刑や禁錮刑の対象となるとされています。

改正案については、9月30日まで意見公募を実施しています。そこに寄せられた主な意見は、「誰に決定権があるのか、判断方法などを決めるには時間が必要だ」「法改正を進めるなら、判断基準を慎重に考えるべきだ」、などです。

どのような服装が中華民族の感情を傷つけるのでしょうか。これまで、「ゆかた」を着ていて逮捕された事例があるので、日本をイメージする服装は規制されそうです。また、以前から習近平主席は、「男は男らしく、女は女らしくあるべきだ」という意見を持っています。実際、スカートを履いていた男性が逮捕されるという事例も起きています。

「中華民族」という定義も曖昧であり、「感情を傷つけられる」という定義も曖昧です。曖昧にしているのは、政府当局や公安が「その服装はけしからん」と判断すれば、法律違反にしたいということなのでしょう。

2.民族衣装の着用はフォーマル

欧米では、民族衣装の着用は、フォーマルとして扱われます。「ゆかた」も民族衣装と見なされるので、海外のフォーマルな場に「ゆかた」を着ても失礼には当たりません(日本国内では批判されると思いますが)。

例えば、日本の総理大臣の奥様がきものを着用して訪中した場合、中華民族の感情は傷つくのでしょうか…。他国の民族衣装で感情が傷つくとしたら、中国は、大きな国家的トラウマを抱えていることになります。

中国でも剣道人口は少なくないのですが、剣道着と袴のスタイルは感情を害さないのでしょうか。インドの民族衣裳、イスラムの民族衣装に対して、中華民族が感情を害されることはないのでしょうか。インドは中国の経済的ライバルとして台頭しているので、政府が対立すれば、中華民族も感情を害するかもしれません。

中国は自らの民族衣装を捨て去り、国際標準の洋服に切り換えましたが、それについて感情的な抵抗はなかったのでしょうか。中国を植民地化したイギリスがルーツであるスーツを着用することについて、どのように考えているのでしょうか。疑問は限りなく浮かんできます。

今回の法律改正は、文化的な理由ではなく、政治的な理由によるものです。国民の服装を規制しないと安心できないのは、政府の自信の無さからくるのでしょう。私には、日本風の服の存在で、中華民族の愛国心が影響を受けるとは思えないのですが。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

内定辞退や離職を怖れる企業の「新入社員様扱い」を疑問に思うワケ

大卒新入社員の入社3年以内の離職率は3割を超えていて、企業は離職率の抑え込みに頭を悩ませています。10月2日、内定式を開いた多くの企業が、内定辞退と入社間もない離職を防ぐためにあの手この手を繰り出したようです。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、健康社会学者の河合さんは、内定式の様子を伝えた朝日と日経の着眼点の違いを指摘。いずれにしても“新入社員様”扱いが滲む状況に、興味のないこと、苦手なことにも取り組むからこそ引き出される潜在能力があるはずなのに…と疑問を呈し、学生に対しては入社前の能動的な準備が違いを生むと伝えています。

“準備”なき先の悪循環

「新入社員かんたんに辞める問題」は、企業規模、業種、地域に関係なく、「人が働く」現場のいたるところで起きてる問題です。ある時は講演会で、ある時は取材で、ある時はインタビューで、経営者や役員、中間管理職、部下を持つ上司たちから、耳にタコがきるくらい相談を受けてきました。

「1週間前まで『がんばります!』って言ってたのに…」
「『なんか合わないから辞めます』とメール一本で…」

みな「突然&簡単」に辞める若者に頭を抱えていました。そんな中、おとといの月曜日(2日)、多くの企業が来春入社予定の大学生らを対象にした内定式を開き、「離職防止のプログラム」を実施したそうです。

興味深かったのが、朝日と日経新聞がその内容を詳細に伝えていたのですが、内容が全く違う、というか記者の着眼点に大きな違いがあったことです。

朝日新聞は「辞職防げ 交流重視の内定式」という見出しで、各社が行ったプログラムを紹介。内定者同士が協働作業をする研修を実施したり、チーム別に運動アプリを使って競い合ったり、中には大物スポーツ選手を呼んだりしたそうです。

一方、日経新聞は「内定式、離職防止にらむ」との見出しで、内定者と入社後のキャリア面談を実施した企業を掲載。配属や転勤先の希望、長期的なキャリア構想などなど、「部下オリエンテッドならぬ、内定者オリエンテッドに進化(?)したのね」と思わす内容でした。

いかなる事実も常に「記者のフィルター」を通じて伝えられます。人は見えるものでではなく、見たいものを見る。同じものを見ても、人によって切り取る部分が大きく変わります。朝日は「人」を日経は「キャリア」を選択してのは、たまたま、かもしれないし、社風の違いかもしれないし、記者の知覚の違いかもしれません。

いずれにせよ、会社も大変だよね~と思う一方で、“新入社員様”扱いするのもどうなん?と昭和おばさんは企業の姿勢にちょっとばかり呆れ、手取り足取り攻撃が余計に、若者の成長を阻んでいるように思えてなりませんでした。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

私たちが今口にしている食べ物はどうやって生まれてきたのか?

毎日する食事。しかし口にしているその食べ物がどうやって生まれてくるかを知っている人は多くないと思います。今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で紹介しているのは、教養として知っておくだけでなく、ビジネスやイノベーションのヒントにもなる食のお話です。

必読の教養書⇒『「食」が動かした人類250万年史』

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「食」が動かした人類250万年史

新谷隆史・著 PHP研究所

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、食が人類の歴史を動かした様子を、生命科学の視点から見た、興味深い読み物。

著者は、基礎生物学研究所ならびに東京工業大学において神経科学と栄養生理学の研究を行う、新谷隆史さんです。

本書のなかで著者は、ヒトがあらゆる動物の中で、もっとも食べ物を美味しく食べられるように進化してきたと主張。

われわれが果実を食べ始めることで、自らビタミンCを作れないようになり、そのため大航海時代に多くの船乗りが死んだこと、それを防ぐためにさまざまな食べ物・飲み物が開発されたことなど、生命科学の必然から生まれた、興味深い人類の食の歴史が書かれています。

なかでも面白かったのは、集団で狩りをする際に役立つ脳の「ブロードマン10野」の話。

解説には、この「ブロードマン10野」が、食事を美味しく感じさせること、美味しいものを食べた時の幸せを記憶すること、創意工夫を生み出すことが書かれており、なぜわれわれが文明を発展させることができたのか、そのメカニズムがわかります。

後半に行くに従って、話は食べ物や飲み物の歴史の話となり、果ては未来食にまで行き着くのですが、時系列で並べてここまで面白く解説できるのは、すごいと思いました。

われわれが今日口にしている食べ物・飲み物がなぜ、どのように生まれてきたのか、その歴史もわかり、教養書として、ぜひ読んでおきたい一冊です。

本書の理論に従うと、食に異様な執念を燃やす日本人は、きっと集団行動に向いているはずであり、また本来、イノベーションも起こせる民族のはず。

ビジネスやイノベーションのヒントとしても、ぜひ読んでおきたい一冊です。

幻覚剤として有名なMDMAが、PTSDに及ぼす「意外な影響」とは?

幻覚剤として知られるMDMA。実は、最近PTSDに対する改善効果が指摘されているようです。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、MDMAの効果をまとめた論文を紹介しています。

PTSDに対するMDMA投与の効果

メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)は、幻覚剤に分類される薬剤ですが、最近PTSDに対する改善効果が指摘されてきました。

今回は、MDMAのPTSDに対する効果を、偽薬を対照として比較した研究をご紹介します。

MDMA-assisted therapy for moderate to severe PTSD: a randomized, placebo-controlled phase 3 trial
PTSDに対するMDMA投与の効果

中等度から重度のPTSD患者を、MDMAを服用する53人、偽薬(+通常治療)の51人に振り分けて、効果の違いを調べました。

結果として、以下の内容が示されました。

・PTSD症状に関する指標(CAPS-5 点数が高いと症状が高度)では、MDMAで-23.7、偽薬で-14.8となっており、MDMAでより大きな改善を認めました。

・機能障害に関する尺度(Sheehan Disability Scale)では、MDMAで-3.3、偽薬で-2.1となっており、MDMAでより大きな改善を認めました。

・副作用はMDMAで5人、偽薬で2人で、いずれも重篤なものはありませんでした。

要約:『PTSDに対するMDMAを用いた治療では偽薬よりも大きな改善を示す』

ドラッグとしてのイメージが強いMDMAですが、PTSDに対する有効性が確認できた結果でした。

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韓国でインスタントラーメン発売60年。その裏にあった「ある日本企業」との美談

韓国でインスタントラーメンが生まれて60年が経ったそうです。その韓国ラーメンの成り立ちには日本のとある企業が大きく関わっているのをご存じでしょうか?今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、韓日両企業家の韓国ラーメン発売にいたるエピソードを紹介しています。

韓国ラーメン60年、世界で最も美しい契約

9月15日は韓国ラーメンの還暦の日だった。三養工業(現三養食品)の三養(サムヤン)ラーメンの発売日でもある。60年前のこの日にまつわる韓日両企業家のラーメンについて話だ。三養食品創業者の全重潤(ヂョン・ジュンユン)と明星食品の奥井清澄(おくい・きよずみ)がその主人公だ。

東邦生命(現三星生命)副社長を務め、第一生命社長を務めていた全重潤(ヂョン・ジュンユン)は1961年8月、ソウル下月谷洞(ハウォルゴクドン)で創業に乗り出した。目標はラーメン事業。

ある昼休み、南大門(ナムデムン)市場で米軍部隊の残飯で煮たてた「クルクリ粥」(別名・国連湯)を買おうとする長い列を見ながら決心したことだった。直接食べてみると、割れたボタンはもちろん、タバコの吸殻まで出てきた。「同胞に今すぐ必要なのは食事だ。未来を準備する保険(保険会社の社長だった)が何の役に立つのか。安くて満腹になれる食べ物を作ろう」。

1959年に日本出張の時に味わったラーメンを思い出した。しかし創業は難関の連続だった。全重潤は思った。「日本に行って機械と技術を買ってこよう。」

私財をはたいて資金は用意したが、ドルを集める方法がなかった。当代最高の実力者であった金鍾泌(キム・ジョンピル)中央情報部部長を訪ねた。「革命をなぜしたのか。国民が豊かに暮らせるようにしようということではないか。」全重潤が言うと頭の回転の速い金鍾泌はすぐに理解した。実力者金鍾泌の説得に成功し、5万ドルを確保した。

ジャニーズが揺れる中『A.B.C-Z』塚田僚一へ飛んだ文春砲に、芸能記者が「ダンプ松本」のグラビアを思い出した訳

さまざまな問題で揺れているジャニーズ事務所ですが、そんな中、A.B.C-Zの塚田僚一に文春砲が飛びました。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、この報道を受けて、ジャニ担の知り合いから得た、知られざる情報を明かしつつ、過去に経験した取材の苦い思い出を語っています。

『A.B.C-Z』塚田僚一熱愛報道に思い出す、芸能記者ならではのエピソード

『週刊文春』が『A.B.C-Z』塚田僚一の熱愛報道を掲載していました。

『ジャニーズ事務所』に入所から25年、36歳のアイドルの初めての本格的熱愛報道に拍手!です。

『A.B.C-Z』といえば2020年10月にリリースした第9弾シングル『頑張れ、友よ!』が、ファンクラブで総動員をかけたものの初日のセールスが1万8,814枚だった…というエピソードを思い出します。

この楽曲に詞を提供したのは江頭2:50というのは、すこぉ~し話題になったのですが…。

『A.B.C-Z』の魅力について“ジャニ担”に聞いてみるとー

「ジャニーさんが“ひとつぐらい、CDの売り上げだけで価値が測れないグループがあってもいいんじゃないか”と真顔で言っていたんだよね」と教えてくれました。

グループ名の由来は『Acrobat Boys Club』の略で、これに“ゼロからスタートを切る”とか“最初から最後まで、いつでもリ・スタートが切れる”という意味で『Z』が付いたようです。
ジャニーさんらしい命名です。

『週刊文春』が『A.B.C-Z』の塚田を何故ターゲットにしたかを考えていたら、私の頭の中にふっと『FRIDAY』が昔、女子プロレスラーのダンプ松本をカラー・グラビアに起用し、その本がバカ売れしたというエピソードを思い出しました。

意表をついた人選という共通項で…。

塚田については少し前、テレビの“街歩き”系番組スタッフから「アクセサリーショップで、塚田がペアの装飾品を買った」という情報がタレこまれていました。

普通ならこのヒントを頼りに、タレント周辺の取材をスタートさせるのですが、申し訳ないのですが私は、全くと言っていい程食指が動かなかったのです。すみません…。

こんなことを考えていたら、昔、私が籍を置いていた女性週刊誌のプラン会議のことを思い出してしまいました。

生成AIの登場でなぜ「文章を書く必要はなくなる」になるのか考えた

藤井聡太棋士の登場で空前のブームに沸く将棋界。10月6日に開幕した竜王戦も2002年生まれの若者同士の対戦が大きな注目を集めています。進化するAIに勝てなくなってもなお失われない人間同士の将棋の面白さ。そうした状況と比較して、生成AIの進化に伴い「文章はAIに任せればいい」という話が出てくるのを不思議がるのは、メルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』著者で、朝日新聞の校閲センター長を長く務め、ライティングセミナーを主宰する前田さんです。前田さんは、AIが長けていることできないことをあげたうえで、文章作りをAIに任せたいと思ってしまう理由に「書き手のジレンマ」があると考えています。

生成AIと将棋とメジャーリーガー

僕がAIを身近に感じるようになったのは、2012年の第1回将棋電王戦です。そこでAIが米長邦雄永世棋聖に勝ったということに驚いたのです。それまでにも、将棋とAIの研究が続いていたことは知っていました。でもそこで一気にAIが「人間を超えた」ということを実感できたのです。

それでも将棋の人気は衰えません。「将棋はAIに任せておけばいい」という話にはならないのです。藤井聡太さんがAIを相手に将棋の研究をしているという話があります。あくまでもAIは、棋士が腕を上げるための道具なのです。将棋はAI同士の戦いを見ていればいい、とはなりませんよね。

無から生み出すことはできない

ところが不思議なことに、ChatGPTのような生成AIが出てきたら「文章を書く必要はなくなる」という話を耳にするようになりました。確かに便利です。

会議録や、簡単な調べ物をまとめたりするには、とても便利です。それは、あるものをまとめる作業をしているだけです。会議録なら、録音やテキストを生成AIに読み込ませなくてはなりません。調べ物なら、ネット上にある情報(正確であるかどうかは別にして)を検索しまとめる作業です。つまり、無から何かを生み出すことは不可能なのです。

たとえば、海の中を歩きたいという思いが、潜水用具をつくる切っ掛けになります。宇宙はどうなっているのだろうという思いが、天文学を生み、宇宙ロケットを開発するのです。AIにはそもそも海の中を歩きたいという思いや、宇宙はどうなっているのか、といった疑問を持つわけではありません。AIは、そうした思いや疑問に突き動かされた人たちの研究成果や営みの軌跡を抽出して組み立てることに長けているのです。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ