【書評】デキる人の預言は実現する。あなたの10年先の働き方は?

「現在の激しい社会の変化を考えると、これからはひとつの組織に一生面倒を見てもらうという働き方は終わる」と語るのは、『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者・土井英司さん。今回は、これからのキャリアの考え方について、とても勉強になるという1冊を紹介しています。

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藤原先生、これからの働き方について教えてください。』藤原和博・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

こんにちは、土井英司です。

「デキる人の予言する未来は、大抵実現する」。

これは、土井が高校生の頃、父親から聞いた言葉です。半信半疑になりながら、いろんな本を読んできましたが、いまはこれが正しかったことがよくわかります。

梅棹忠夫さんが「情報の文明学」で書いた通り、情報産業の時代が到来しましたし、堺屋太一さんが「団塊の世代」で書いた通り、コンビニが全盛となりました。そしていまわれわれは、20年前にビル・ゲイツが予言した通りのインターネットライフを謳歌しています。

もちろん、細部における違いはありますが、デキる人の予言の大枠は実現するのです。

本日ご紹介する1冊は、これから10年先の働き方について、元リクルートフェロー、教育改革実践家でベストセラー作家の藤原和博さんが予言した1冊。

自身、リクルートで部長職、メディアファクトリー創業、ヨーロッパ駐在、同社フェロー、都内で義務教育初の民間校長、大阪府知事特別顧問、武雄市アドバイザーなど、さまざまなキャリアを歩んできた著者だけに、キャリアに対する多面的な見方が参考になります。

なかでも象徴的だったのは、30~40代がピークの「富士山型一山主義」ではなく、人生の後半に複数ピークがある「八ヶ岳型」を目指せという話。

社会の変化が激しく、個人が長寿化する時代、複数の仕事を組み合わせてキャリアを考えるという著者の思想は、とても勉強になります。

拉致問題を「政治利用」してのし上がった安倍総理の罪と罰

大きな話題となっている、北朝鮮の拉致被害者・蓮池薫氏の実兄、蓮池透氏が著した『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』。メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では本書の内容を引きつつ、拉致問題を利用しのし上がった安倍総理の不誠実さと外交戦略の稚拙さを厳しく糾弾しています。

波紋呼ぶ蓮池透氏の「安倍晋三と冷血な面々」への告発

蓮池透の12月新刊『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)が大きな波紋を呼び起こしている。

蓮池は、言わずと知れた拉致被害者=蓮池薫の実兄で、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会家族会)」の元事務局長・副代表として一貫して運動の先頭に立ってきたシンボル的なリーダーである。その彼が、2002年9月の小泉純一郎首相の訪朝以来13年4カ月にも及ぶこの問題の全過程を振り返りつつ、自分自身の恥をさらけ出すことを厭わずに運動内部の矛盾や政府の対応の不誠実を赤裸々に描いたのだから、話題にならないわけがない。

もちろん彼の意図は、単なる暴露や告発にあるのではない。

弟が帰国してから13年余り、拉致問題は一向に進まず、人々の記憶から風化しているように感じる。反発を覚悟の上、話題になるように強い題名にした。「冷血な面々」には私も含まれる。拉致被害者は高齢化していて、一刻の猶予も許されない

(1月14日付東京新聞インタビュー)

という切羽詰まった思いからのことである。端的に言って、何かと言えば「経済制裁」強化の一本槍で相手が膝を屈してくるのを待つだけという事実上の無為無策の連鎖を断ち切って、いかにして戦略的な知恵を絞って対話と交渉による現実的・具体的な解決の道筋を軌道に乗せるかが喫緊の課題であり、運動側、政府、マスコミだけでなく国民皆が蓮池の身を挺しての問題提起を真剣に受け止めるべきであると思う。

拉致を「政治利用」してのし上がった安倍

書名からも分かるように、拉致問題を利用するだけ利用して実は拉致被害者を見殺しにしてきた「冷血な面々」の筆頭として、安倍が名指されている。

小泉訪朝に同行した当時の安倍官房副長官は、拉致問題を追い風にして総理大臣にまで上がり詰めた。この第1次安倍政権で講じた手段は(第2次内閣を含めて)、北朝鮮に対する経済制裁と拉致問題対策本部の設置、この2つのみである

世間では北朝鮮に対して当初から強硬な姿勢をとり続けてきたと思われている安倍首相は、実は平壌で日本人奪還を主張したわけではない。この事実は、本書の特別対談でも、ジャーナリストの青木理氏が明らかにしている。安倍首相は拉致被害者の帰国後、むしろ一貫して、彼らを北朝鮮に戻すことを既定路線として主張していた。弟を筆頭に拉致被害者たちが北朝鮮に戻ることを拒むようになったのを見て、まさにその流れに乗ったのだ。そうして自分の政治的パワーを増大させようとしたとしか思えない

いままで拉致問題は、これでもかというほど政治的に利用されてきた。その典型例は、実は安倍首相によるものなのである。まず、北朝鮮を悪として偏狭なナショナリズムを盛り上げた。そして右翼的な思考を持つ人々から支持を得てきた。アジアの「加害国」であり続けた日本の歴史の中で、唯一「被害国」と主張できるのが拉致問題。ほかの多くの政治家たちも、その立場を利用してきた

(P.52~54)

ここで言及されている特別対談での青木の発言とは……。

振り返ってみれば、拉致問題を膠着状態に陥らせた最大の責任は安倍さんにあると思うのです。そもそも彼は何をしてきたのか。日朝会談を実現に導いたのも、金正日に拉致を認めさせて謝罪させたのも、彼の仕事ではまったくない。日朝首脳会談後の北朝鮮バッシングムードを煽り、それに乗っただけです

会談時には「金正日が拉致を認めて謝罪しなかったら席を蹴って帰国しましょう」と安倍さんが小泉首相に直言した、などという妙に勇ましい「武勇伝」ばかりが喧伝されたけれど、そんな発言が本当にあったかも怪しい。田中均さんに聞いたら、はっきりとは否定はしないのですが、「そんな発言は記憶にない」という。「金正日が拉致を認めて謝罪しなかったならば平壌宣言など署名できない、そんなことは会談に関わっていた全員の共通認識だったから、あらためていう必要もない」ともいっていました

しかし、安倍さんは日朝首脳会談を跳躍台として、政界の階段を一気に駆け上がった。以後も「対話と圧力」といいながら、対話のルートすら作ることができず、やってきたことといえば北朝鮮への圧力をひたすら強め、勇ましい発言を繰り返すばかり。……拉致問題を最も政治的に利用したのが安倍さんだといっても過言ではないと思います

(P.268 ~270)

私も同意見である。

世界に1つだけの花よりも、それを育てた「花屋」が一番偉いのか?

早くも今年1番のビッグニュースになりそうな「SMAP解散危機」騒動。1月18日夜、レギュラー番組「SMAP×SMAP」は番組内容を急遽変更し、生放送で騒動後初のメンバー自らの口によるメッセージを放送しました。しかし、「解散はしません」と明言したわけでもなく、かえって騒動の「深い闇」を想像させる、ファンにとって腑に落ちない放送内容でした。なぜ、彼らは自らの考えを具体的に、はっきりとテレビで話すことが出来なかったのでしょうか。メルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』の著者でジャーナリストの上杉隆さんは、彼らが沈黙せざるを得なかった「暗い宿命」について、その真相を明かしています。

SMAP「解散騒動」 メンバーが何も話せない本当の理由

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1月中旬、SMAP解散というニュースが日本中を駆け巡った。NHKはトップニュース扱いで報じ、共同通信や時事通信も速報を流した。

アイドルの解散がニュースを占拠する……、平和な日本、なによりである。

さて、そのSMAPがこれまでのアイドルの境界を超えたスーパーグループであることに異論を挟むつもりはない。

バラエティや司会業などの他分野へのアイドルタレントの本格的な進出は、おそらくSMAPの5人が先駆けだと言っても言い過ぎではないだろう。

しかし、自由な言動で、ひとつの時代を変えて来たとみえる、現在40歳代(香取慎吾さんは38歳)の彼 らが、今回の解散騒動に際しては、何一つ、自らの意志を発信できないというのは一体どういうことだろうか。

圧力か、自主規制か、それとも大人の事情か?木村拓哉さんがラジオで発言した通り、「いまは言えない」というのが限界なのだろう。

実は、この解散騒動の問題の本質は、ここにある。

SMAP解散の是非について、私自身は特段の感想を持ち得ない。

もちろん、かつてはメンバーの番組にも出演し、同時代に、同じテレビメディアで働いて来た同じ40歳代としては、彼らがずっと活躍していくことは喜ばしい限りだ。

さらにいえば、16年前のニューヨークタイムズ時代に、ジャニーズ事務所の取材を長期間にわたってやってきた私からすれば、こ こでは書けないが、彼らやまた周囲の苦労も、他のメディア人よりも知悉し、ずっと理解しているつもりでいる。

そんなスーパーグループの彼らが自由に発言できない理由は、芸能プロダクションとテレビの不適切な関係にある。

いまや黒い利権と化したその大きな力が、40歳(香取慎吾さんは38歳)を超えた大人のアイドルですら沈黙させるのだ。

芸能プロダクションがタレントを縛るのは、何もジャニーズ事務所に限ったことではない。もとより、興行として発展してきた、日本の芸能が背負って来た「暗い宿命」のひとつといえるだろう。

業者からの脅しも表面化。「電力自由化」の不都合な真実

あまり報じられてはいませんが、集合住宅で電力自由化絡みのさまざまな問題が起きていることをご存知でしょうか。メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者である廣田信子さんは、サービス開始の4月までにマンションの一括受電の契約を取ろうとする業者の動きが加熱しすぎて、脅しまがいの事例も発生していると警鐘を鳴らしています。

電力の完全自由化を前にして

こんにちは! 廣田信子です。

4月からの完全電力自由化(個人が好きな会社から電気を購入できる)に向けて、各社の宣伝合戦が激しくなっています。

昨年の記事で、「マンションの一括受電の電力の完全自由化」について書いたときは、まだ、どんな商品が生まれるか読みにくかったのですが、この5か月で大きく変わりました。

実は、4月の電力自由化までにマンションの一括受電の契約をまとめたいという一括受電を扱う会社の営業が激しくなっているようで、暮れにいくつか相談がありました。

今は各戸が既存の電力会社(関東なら東京電力)と契約しているので、一括受電に切り替えるにあたって各戸に東京電力との契約を解除してもらえばいいのですが(全戸の契約解除は、決して簡単なことではありませんが…)、しかし完全自由化になって、各戸がばらばらに、他のサービスとセットで電力購入の契約を結ぶようになると、解約がより難しくなります。

それで、3月末までに何とか一括受電に切り替えたいという動きが、これまで一括受電を検討してきた管理組合で起こっているのだと思います。

現時点では、やはり一括受電の方が電気料金の削減効果は大きいようですが、以前にも書いたように、10年~15年変更できないという縛りがあると、本当に今の段階で切り替えていいのかどうか迷うのも致し方ないと思います。

私が気になったのは、総会の特別多数決議で一括受電に切り替えると急に決まったが、個人的には、完全自由化を前にした今の段階で、契約を切り変えたくないと承認の印を押さない人に対して、一括受電の業者が、「印を押さないと管理組合が裁判を起こしますよ。裁判になったら、あなたが負けることは判例でも明らかで、損害賠償を求められることにもなりかねないですよ」と脅すよう話をしているという相談が続いたことです。

何度も言っていますが、こういう全員の承認が必要になるようなことは、合意形成に時間を掛ける必要があります。3月までに切り替えたいからと急いでも難しいのです。ましてや、こんな脅しのような話をしたらこじれるばかりです。

一括受電の業者の言う判例というのは、2010年11月29日の横浜地裁の判例を、都合の良いように解釈したか知識がないためにそう思い込んでいるかだと思います。

親日家デビッド・ボウイ、欧米の日本文化への考えを変えた? BBCなど日本との関係を報道

世界的に著名なミュージシャンであるデビッド・ボウイさんが10日死去した。69歳だった。氏のアーティスト活動では、その中性的な美貌を生かしたビジュアル面での表現も大きなウエートを占めた。ステージでの衣装やパフォーマンスに関して、歌舞伎などの日本文化がインスピレーションを与えていたと英BBCなどが伝えている。氏と日本の関係には浅からぬものがあったようだ。

若き日の歌舞伎や能との出会い

BBCは「デビッド・ボウイの日本流への熱情」と題する記事で、氏と日本との関係を詳しく描き出している。氏は親日家としてよく知られ、自身のステージ・パフォーマンスに日本文化の要素を数多く取り入れた、とBBCは伝える。

ボウイさんが初めて日本文化を知るようになったのは、歌舞伎や能といった伝統芸能を通してのようだ。氏が20歳前後の頃、イギリスの舞踏家リンゼイ・ケンプ氏の下でダンスとマイムを学んだが、BBCによると、ケンプ氏は伝統的な歌舞伎の様式に大きな影響を受けていた。誇張された身振り、手の込んだ衣装、人目を引くメーキャップ、「女形」の存在などである。

ボウイさんはこのケンプ氏から日本文化について初めて紹介された。服飾史家のヘリーン・ティアン氏は、ボウイさんと日本のファッションについての文章の中で、「ケンプこそが、ボウイに、日本文化、演劇、演劇の音楽や身振り、女形を初めて紹介した人物だ」と語っている。米国際公共放送(PRI)が伝えている。

アジアニュースサイトのアジアン・コレスポンデント(AC)によると、ケンプ氏は、能と歌舞伎についての本を用いて、ボウイさんに日本の演劇の伝統的手法について教えたそうだ。ボウイさん自身、1960年代にリンゼイ・ケンプの下で学んだということが、自身のキャリアのターニングポイントになったとインタビューで語っていたそうだ。

70年代の氏のビジュアル・イメージ作りに山本寛斎氏が大きく貢献

デビッド・ボウイについて、人々は彼の1970年代の著しく創作的な時期を最も強く記憶に留めていくだろう、とACは語る。この時期、同氏は、現代大衆文化に最も長く残るイメージのいくつかを生み出したが、最も記憶に残るボウイの初期のビジュアルの多くは、日本にルーツをたどることができる、とACは語っている。

例えば、ボウイさんはあるアルバムのジャケットで、顔にカラフルな稲妻を描いているが、ティアン氏は、ここに歌舞伎のメイクの影響を見ている(BBC)。

この時期のボウイさんにビジュアル面で大きな力を与えていたのが、日本人ファッションデザイナーの山本寛斎氏だった。両氏は1970年代に初めて知り合った。初めての対面で「私たちは即座に親密になった」と山本氏はファッション誌「エル」のインタビューで語った(AC)。山本氏は、2人があれほど強い親近感を持った理由ははっきりと分からないが、「私たちの間で共鳴する何かがあった、国籍や性別を超えた何かが」と語っている(BBC)。

ボウイさんについて、山本氏は、「音楽とファッションの両方で自己表現するすべを知っていた人だった」「そういう人は、最近ではそれほど珍しくないかもしれないが、彼は両方ともやる先駆者の1人だった」と語っている(BBC)。

山本氏はボウイさんから依頼を受け、ツアー衣装を制作した。ティアン氏は、ボウイさんの美しい中性的な容姿が山本氏のデザインのユニセックスなスタイルに合っていた、と述べている(BBC)。

山本氏のアバンギャルドな着物と、歌舞伎にインスパイアされた「たやすく引きはがせる」衣装が、ボウイさんの中性的なビジュアルを確かなものとし、ロックンロールの歴史において最も記憶に残るイメージのいくつかを創造するのに役立った、とACは述べる。ティアン氏は、ボウイは歌舞伎の「早変わり」の技術をステージで用いた最初の欧米人アーティストだったと述べている(BBC)。

BBC、ACは記事中、写真で山本氏のデザインした衣装を紹介しているが、それらは歌舞伎の衣装や、着物など、日本の要素を取り込んだものだった。ある衣装には、ボウイさんの名前が「出火吐暴威」と当て字で書かれている。

男女の性差の橋渡しと同時に、東洋と西洋の橋渡し

PRIによると、ティアン氏は、ボウイさんが中性的なビジュアルを前面に押し立てていたことに注目し、そこに「女形」の影響を見ているようである。ティアン氏は、日本文化では、ボウイさんにそれほどの影響を与えたこの中性さというものは、普通のことだった、と語っている。つまり、ボウイさんのスタイルは、日本人にとって受け入れやすいもので、そのためもあって日本での人気が高かった、という見立てのようだ。

また、ボウイさんが日本的な要素を取り入れたことを、日本人はオマージュとして受け取ったということをティアン氏は語っている(PRI)。昨今、同氏のような立場を取るアーティストは、文化盗用、すなわち異文化を自らの用途のために盗用するものだとして非難されるかもしれないが、日本では決してそんなふうに見られなかった、とティアン氏はBBCで語っている(こういった異文化の「つまみ食い」を非難する姿勢は、日本人には縁遠いものに思われる)。

日本でのボウイ人気は非常に高かかった。BBCは、日本では彼は今でも崇拝の的であると語っている。ACによると、ボウイさんは日本で初めてのツアー中に急速に有名になったという。その後の10年で彼は13回日本を訪れた。日本はボウイさんの音楽が世界で2番目に売れる国となり、母国イギリスでの売り上げをしのいだ。(1位はアメリカ)

ビジュアル系バンドなど、日本のミュージシャンたちにも、ボウイさんは大きな影響を残した(AC)。また、ティアン氏によると、ボウイさん以後、日本の衣装やメイクを取り入れる欧米のミュージシャンが頻出したそうである(PRI)。「実際、ボウイが、欧米での日本文化とファッションの理解を一新した張本人であると言っても、多大な飛躍にはならないだろう」とティアン氏は語っている。

このように、ボウイさんが東洋と西洋の橋渡しを行う存在となったことについて、ティアン氏は「ボウイは究極の外交家兼アーティストになるべくして生まれた」と語っている(BBC)。

(田所秀徳)

 

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25%の外国企業が猛反対。スペイン・カタルーニャが独立で失うもの

そもそものカタルーニャ州の独立問題は願望の発端は18世紀初頭のスペイン王位継承戦争にまで遡ります。独立反対票が賛成票よりも上回り過半数をこえるものの、州議会選挙では独立を支持する政党が優勢となっている中、プッチデモン州知事が誕生。独立に反対する3800社以上の企業がすでに撤退しましたが、なかなかわかりづらい独立問題の争点を、スペインの政治経済に詳しい現地在住の白石和幸さんにわかりやすく解説してもらいます。

カタルーニャ州独立を嫌い3,839社が既にカタルーニャから撤退

2015年927日にカタルーニャ州議会選挙独立を支持する3政党過半数の議席を獲得した。

119日には州議会はカタルーニャの独立に向けての歩みを開始する為の動議を賛成72:反対63で可決させた。

この先、30日以内に州政府はカタルーニャ憲法制定の準備と社会保障及び財務を担う機関の創設を進めるための法案の起草が予定されるというものだ。

以上の過程が新しい州知事が議会で選任される以前に進めらたのだった。

しかし、州知事の議会での信任を得るべく過半数には2議席が不足

その鍵を握っているのが独立支持3政党のひとつ民主統一党CUP)であった。

CUPは知事候補に指名されているマス現州知事の続投を「彼は汚職の容疑がある」として支持せず今月1月もマス州知事を続投させる為の交渉が続いた。

が、CUPはそれでもマス州知事を支持しないと言明。

その影響で新たに州議会選挙が実施される可能性は強くなっていた。

カタルーニャ州はこれまで5年間に4度の州議会選挙をしているのである。

州民そして州議会議員の間でも新たに選挙をせねばならなくなるという状況にうんざりしていた。

そんな状況の中でマス州知事に代わる彼のクローン的人物を知事候補にした。

それをCUPは承認。

そこで遂に112日にプッチデモン州知事が誕生した。

独立したい願望の発端

そもそも独立したいという理由はどこから生まれたのか以下に説明しよう。

18世紀の初頭のブルボン家ハプスブルグ家スペイン王位継承戦争でハプスブルグ家に味方したカタルーニャ自治領はブルボン家が勝利したことによって自治権を失なったことが現在の独立気運の端を発するのだ。

そして戦後40年続いたフランコ独裁政治によってカタルーニャは政治的そして社会的に抑圧を受けた。

それらが、カタルーニャ人の特にブルジョア層独立気運を高める要因となった。

そして、現在に至ってスペインの財政難のしわ寄せが影響してカタルーニャ自治州も財政悪化

特にカタルーニャ州はスペインのGDP20%を担っているのに、スペイン中央政府からの交付金の額がそれに相当しないという不満がこの不況下でカタルーニャ政府で問題視された。

その一方、ラホイ首相はカタルーニャ地方の特異性に充分なる理解がなく、寧ろその特異性を無視しようとする動きもあった。

それがまたカタルーニャの独立気運はより高めた。

ここで読者が留意すべき点がある。

前述の州議会選挙では独立支持政党に投げじた票は1,910,075票で47.8%独立反対は1,915,727票で52.2%という結果が出ていることである。

即ち、独立反対派の方が投票数では過半数なのである。

しかし、州選挙のシステム上から独立支持派の3政党の議席数が72、反対派の4政党の議席数が63という結果になったのだ。

独立反対派が多い理由はカタルーニャには1950年代から他の地方からの移民が住みついた。

そして、彼等多くはカタラン人という前に、スペイン人であるという意識が強いのだ。

更に、多くの企業経営者も商いの50%はカタルーニャ以外の地方との取引から成り立っており、独立する意味を感じないのである。

【実話】携帯を壊したがためにヒドい目をみた元天才子役の悲しい物語

踏んで壊れてしまった携帯の修理をお願いしようとショップに持っていったという、元天才子役にして現フリーターの黒田勇樹さん。携帯保証サービスに入っていた黒田さんは、意外とすんなり新品に取り換えてもらえる……ハズでした。いったい彼の身に何が起こったのか、自身のメルマガで、そのやりとりの一部始終を公開しています。

日常「クレーム初め」

踏んで壊れた携帯を、ようやく時間が取れたのでドコモショップへ修理に

前にも書いたかもしれませんが、この携帯、子供の頃からの契約なので名義が母

何をするにも名義の人の許可が必要で、なんとも手続きが面倒臭くなるのですが、それはこちらの事情なので我慢してやるしかない。

問題は携帯保証サービス

5000円ぐらいでどんな故障であっても本体を新品と取り替えてくれるサービスなんですが、今回それを使ったところ、

同じ機種の在庫がないので、同等の機種と交換します」

つって、発売時期が同じという3機種ぐらい提案されて、お兄さんの話聞きながら機種選んだんだけど、使ってみるとどうにも使い勝手が悪いので(ちょっとアプリをインストールするとメモリが足りないと出ちゃう)、ドコモショップに、このエラーの消し方を聞きに行ったら、それは保証サービスの管轄、って電話を渡されて保証サービスの窓口と話したんだけどクレーム対応」をされてしまって、俺は「エラーを消す方法」を聞いているだけっつっても「申し訳ありません」とか「契約者様本人でないと、これ以上のご案内は」とか話を聞いてくれない

元コールセンターのお兄さんからすると「明日誰かが電話すればいいから、今はとりあえず電話を切らせればいいや」という態度が見え見えのクソ対応

「一般的にこういうエラーが出るときはどうすればいいかの対策を聞きたいだけなので契約者である必要はないし、謝罪も必要ない」とハッキリ説明しても平謝り。

しばらく粘ったら「操作のご案内は別の部署なのでおつなぎします」。

…まあ、どうせそうなると思ってたんだけど転送され技術的なコールセンターへ。

男は知らなきゃ良かった?本当は恐ろしい「女子会」の生々しい実態

「女子会」という言葉はすっかり世の中に定着しましたが、その実態を知る男子はほとんどいないのが現状ではないでしょうか? 世の女子たちは、女子会でどのような生態を見せているのか。その「禁断の扉」を開いたのは『メイド喫茶元オーナーが教えるサブカル恋愛塾』の著者、ヒロNさん。このレポート、男子にはちょっと…いやいや、かなりショッキングかも!?

ヒロNが見た!女子会の真実

女子だけの飲み会。女子会

ちょっと前までは、「女子会」という言葉、結構珍しい感じがありましたが、今では、当たり前も当たり前、特に、「女子会」なんて気張る必要もないくらいですよね。

私の知り合い、特に、若い男子っていうのは、あまり酒を飲む奴がいなくなってしまったので、むしろ、「男の宴会」よりも「女子会」の方が多いんじゃないか、とか思います。

飲んでるのは、僕たちみたいなおっさんたちばかり。なんてね。

僕は、女子たちに人気があるのか、アンパイだと思われてるのか、(多分、後者のほうだと思う)結構、女子会にオブザーバー的な立場で、呼ばれることがあるのです。

女子校の同窓会に呼ばれる担任のおじいちゃん先生みたいなものですかね。そのうち、赤いちゃんちゃんこでも贈られるのかな?

まあ、僕のことはいいや。

今回は普通、男子が、その実態を知りたくても知ることが出来ない、「女子会の真実を、するどくレポート!なんてね。

1.男子同席と女子だけでは当然全然態度がちがう

よく「女子は猫を被っている」とか「裏表が激しい」とか言いますけど、確かにそれはある。と思います。

女子会ではありませんが、うちのメイド喫茶でも、バックヤードで、だらだらしてた女子が、「お客さんが来たよ!」とかいった途端、髪の毛をいじったり、背筋を伸ばしたりして、急に態度を変化させたりするシーンを何度も目撃しました。

それは、ただ、お客さんを迎えるための態度の変化ではない、あきらかに、女子として男子に接するための態度の変化でしたね。

それが、別に、特別なお客さんではなく、ただの、モテてない、常連のお客さんであってもです(常連さん、知ってた?)。

ああ、やっぱり女子って男子によく思われたいのだな、とか思いましたよ。

だから、「そんなの別に、イケメン限定で、僕のためじゃないでしょ」とかいじける男子には、「君、それは違うよ!」と強く言いたい。そんなことはけしてないよ。

女子は、どんな男子に対しても、本能的に、そういう行動をするものです。ま、考えてみれば、ありがたいことではありませんか、皆さん。

女子会というのは、その逆の例です。

つまり、その席は、女子だけのもので、男子はけっして同席しない訳ですから、これはもう、はっきり言って、かなりだらけている状態なのです。それはまあ、想像つくでしょ。

それが、そこの飲み屋のホール係が、イケメンだったりすると、急に、皆、座りなおして、背筋を伸ばしたりしてね。観察してると、非常に面白い。

それはともかく、特筆したいのは、ただ、だらけている、ということだけではなくて、普段、男子に見せているキャラとは全然別の人格になる子も多い、という事実。

具体的には、どういうことかというと、たとえば、ロリっぽいキャラで売ってた子が、実は、女子の中では、大酒のみで姉貴分だったとか、おとなしい地味子で、引っ込み事案キャラを演じている子が女子の間では、超おしゃべりの、毒舌だったとか。逆に、元気少女キャラのはずの子が、女子の間では、根暗のいじいじ少女だったとか。

そういうこと。

全員が全員ではないけど、まあ、男子向けに見せているキャラとは真逆。というケースってかなりあるのです。

多分ですが、これって、普段というか、表向きに、そういうキャラを演じているので、その反動も働いているんじゃないか、と思うのですよね。

よく、女子が、「男子って見た目に騙されてるけど、あの子って、そんな子じゃないよ」とか言うことがありますよね。

それって、男子は、評判のいい、いい子、かわいい子とかに、女子がジェラシーをいだいて言っているとか思いがちですけど、案外、そうではなくて、男子があまりにもバカみたいに、女子の演技に騙されていて、疑いも持たないもんだから、見るに見かねてってということもあるんじゃないか、と思う。

それほどまでに、「嘘だろう!」ってほどに、激しく、表と裏の顔が違う、って子って多いものです。

ま、男子は騙されているうちが幸せなのかもしれませんけどね。

もし、未来の自分からメールが届いたら…あなたはどうしますか?【妄想小説大賞】

「未来から助言が届く」。映画や小説によくある設定ですよね。

土屋太鳳主演の映画『orange-オレンジ-』では、未来から来た手紙で好きな人を救おうと動き、韓国映画の『イルマーレ』では、男性の死という運命を変えるために女性が手紙を過去に送ります。他にも、『オーロラの彼方へ』や『STEINS;GATE』など、時空を超えた愛の物語が数多く生まれています。

そのどれもが、自分や大切な人の運命を変えようと四苦八苦する作品ですが、これまでとは一線を画す、不思議な短編小説を紹介します。

時は2080年。医学が発達し、自分の寿命が正確にわかるようになった未来世界。主人公は余命45日と「死の宣告」をされてしまう。逃れられない運命に絶望した彼は、恋人に別れを告げるなど終活を始めるのだった。そんな死を間近に迎える男の前に、ある日、1通のメールが届く。その差出人は「1年後の自分」からだった……。

45日後に死ぬ予定なのに、1年後の自分からメールが届くとは一体どういうことなのか? 宣告された自分の寿命は嘘なのか? 自分の運命は変わるのか? 衝撃の結末は、以下にてお楽しみ下さい。

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『嘘』 綿瀬 夕

西暦2080年。産業革命から続く技術革新は留まる事を知らず、今もなお成長を続けて僕達の生活を豊かにしていた。

電車や車は全て無人運転。家電製品はその人の脳波に合わせて作動し、その人が過ごしやすい環境を提供してくれる。開発こそされていないが、タイムマシンももうすぐできるという噂だ。正直これ以上の進歩は無いのではないかと言われている。

そんな科学技術の進歩の中でも特に発達した分野は医学だった。ありとあらゆる病気は全て治療薬が開発され、診断技術も格段に上がり誤診などは万に一つも起こらない。不治の病なんて言葉はもはや都市伝説と化した。これらはすべて、20年ほど前つまり僕が生まれた頃に導入された医療機器「ラプラス」によってもたらされた恩恵である。

ラプラスに血圧、体温、年齢などありとあらゆるデータを打ち込む事でその人の体調を正確に読み取り、具体的にどこに問題点があるのかが分かる。さらに驚くべき事に、導きだした健康状態からその人の寿命を正確に導き出すこともできる。

名前の由来は、物理学者のピエール=シモン・ラプラスによって提唱された空想上の生物「ラプラスの悪魔」だ。与えられたデータから寿命を算出し、さらには患者にその事実を容赦なく突きつける。これほどまでにふさわしい名前はないだろう。

僕は今その悪魔の目の前にいる。

<<全文を読む>>

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こちらの作品は、「まぐまぐ」と小説投稿サイト「エブリスタ」で行われた『三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第12回 withまぐまぐ!』にて、見事、まぐまぐ賞に輝いた綿瀬 夕様の『嘘』という作品です。

本コンテストは「○年後の私からメールが届いた」というテーマで小説を応募。綿瀬 夕様の『嘘』以外にも、恋愛、SF、純文学と様々なジャンル、構成の作品を500以上も応募頂きました。

1年前にメールを送ることができるアプリで恋人と別れようとする話や、約1年後の自分とメールできるため達観したバーのマスターの話など、1ページ目を読むだけで続きが気になる、そんな作品がそろっていますので、ぜひ他の受賞作品も読んでみてください。

<<三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第12回 withまぐまぐ!』受賞発表ページ>>

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妊娠中の喫煙で赤ちゃんの体重が減るってホント?

1月6日、妊娠中にタバコを吸い続けた母親から生まれた赤ちゃんは、タバコを吸わない女性の子どもと比較して、出生時の体重が平均100グラム以上少ないということが、環境省が公表した調査結果により判明しました。この調査は、2011年末までに生まれた全国の9369人の赤ちゃんを対象に実施され、妊娠中の母親の病気などの影響を極力取り除いた「喫煙による直接的な影響」について調べたものです。このように、妊婦の喫煙が赤ちゃんの出生体重に影響をおよぼすことが大規模な全国調査によって確認されたのは、国内ではこれが初めてとなるそうです。

妊娠中の喫煙によるさまざまなリスク

厚生労働省が過去におこなった調査でも、喫煙している妊婦から生まれた赤ちゃんは、喫煙していない妊婦から生まれた赤ちゃんに比べて低出生体重児となるリスクが約2倍高くなっていることが判明しています。また、同省の資料では、妊娠中の喫煙が、早期破水や早産、胎盤異常のリスクを高めることや、子宮外妊娠や自然流産と関係がある可能性についても指摘されており、赤ちゃんが突然亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群」の原因のひとつとしても妊娠中の喫煙があげられています。

このように、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんにとって「百害あって一利なし」ともいえる妊娠中の喫煙ですが、こうしたさまざまな健康への影響の原因としては、タバコに含まれるニコチンの血管を収縮させる作用や、喫煙の際に発生する一酸化炭素の働きによって血液中の酸素が不足することなどがあげられます。これらの物質の働きにより、子宮や胎盤の血流が悪くなることで、妊娠中のさまざまなトラブルのリスクが高まったり、胎児への酸素や栄養の供給が不足して、赤ちゃんの成長を阻害する事態を引き起こしてしまうのです。

妊活中から禁煙を

また、喫煙が女性に与える影響として見逃せないものに「妊娠する能力の低下」があげられます。これは、喫煙が卵巣機能や女性ホルモンの分泌に悪影響を与えることが原因といわれていますが、こうしたことを考えると、妊娠しやすいカラダづくりのためにも、タバコは「妊活」をスタートするときからやめておいたほうが良さそうですね。

さらに、近年では、喫煙が精子に悪影響を与えるという報告もあり、喫煙者の周囲の人(特に子どもや妊婦)がタバコの煙を吸いこんでしまう「受動喫煙」による健康被害も問題となっています。そのため、妊活・妊娠中の期間は、「パートナーも一緒に禁煙」するという形が、妊婦さんが禁煙をスムーズにおこなうためにも望ましいといえるでしょう。
 
<参考>
妊娠中の喫煙で子の体重減=100グラム以上少なく―環境省調査 時事通信

喫煙の妊娠出産などへの影響 厚生労働省 e-ヘルスネット

喫煙の健康影響について 厚生労働省