プーチンでもゼレンスキーでもない。ウクライナ戦争の真の勝者

ロシアによる軍事侵攻から100日を超えてなお、激戦が続くウクライナ紛争。当事国のみならず世界の人々がさまざまな負の影響を被りつつある中、異常とも言えるしたたかさを発揮する国が存在しています。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では著者で元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、この紛争を自国の利益拡大に巧みに利用するトルコの「暗躍ぶり」を紹介。さらにウクライナ戦争後に世界を襲いかねない、ある深刻な事態を記しています。

 

ウクライナ戦争は起死回生のチャンス?トルコ外交の賭け

「ああ、またウクライナのことか…」
「いつ戦争が終わるのかなあ?しかし、それよりも最近、いろんなものが値上がりしていない?」
「ウクライナの人たちにはシンパシーを感じるし、ゼレンスキー大統領もよく頑張っていると思うけど、そろそろ飽きてきたなあ」

最近、囁かれるのは世界で進む“ウクライナ疲れ”の声です。

2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が起きてからしばらくは、

「プーチン大統領はひどい」
「ウクライナは思いのほか、持ちこたえているなあ。応援しないと」
「ウクライナの人たちと連帯しよう」

と熱狂と興奮が世界を席巻し、同時にロシア批判の波も広がりました。

ロシアは欧米諸国とその友人たちからの制裁を受け、一見、国際経済からも切り離され、「ロシアもいつまでもつかな」との賭け事まで始まる始末でしたが、欧米諸国が武器を供与し、武器の性能もアップグレードを続けても、一向にロシアが諦めることはなく、戦況が一進一退の状況に陥るごとに、徐々に興奮は冷め、ついには飽きがやってくる事態が目立ってきました。

冒頭の表現は、最近よく耳にするようになったそのような「ウクライナ疲れ・飽き」の心境を表した例です。

その一因として、ウクライナ政府からの“くれくれ”攻撃への呆れを先週号で指摘し、ウクライナ問題に対する欧米諸国とその仲間たちの結束の揺らぎについてもお話ししました。

【関連】バイデン訪日後に急変。米国がウクライナ援助を“様子見モード”に替えた裏事情

イタリア・ドイツ・フランスは、軍事的にロシアを追い詰めるためのウクライナ支援から、和平交渉への転換を主張しだし、しばらく絶っていたロシア政府およびプーチン大統領との対話を再開しました。

英国については、表面的にはハードライナーの立場を強調していますが、BBCなどを用いた情報操作が次々と明らかになり、情勢のポジティブ面を誇張し、成果を過大に宣伝している疑いが指摘されるようになってきました。

理由はジョンソン首相の延命のため、彼のリーダーシップをアピールする手段ですが、それがついにアメリカ政府にもばれ、呆れられる始末とのことです。

つまり、英国のウクライナ支援も、いろいろな綺麗ごとではなく、あくまでも内政的な問題と思われます。ジョンソン首相の失態を隠すだけでなく、戦争の長期化によって英国経済と消費者に訪れる損失を覆い隠すために過ぎないことが、大西洋にも、ドーバー海峡にも、何とも言えない隙間風を吹かせています。

ではアメリカ政府はどうでしょうか?

まず議会は今でもウクライナへの支援を増大させ、Stand with/by Ukraineをアピールし続け、対ロ抗戦のためにウクライナに提供する武器のレベルも増大させています。

それに対してホワイトハウスは、口先ではStand with/by Ukraineを続けていますが、戦争の長期化が欧米の結束を弱め、ロシアを利することになるのではないかとの懸念が出てきたのか、プーチン大統領への“配慮”とも取れる動きを取っています。議会がOKしたウクライナへの射程の長い兵器の供与には表面的に合意しつつも、「ロシア領への攻撃に用いることは許容しない」というメッセージを付け加えてブレーキをかけ、ついには「プーチン大統領の体制転換を狙わない」とまで発言して、プーチン大統領をこれ以上苛立たせないようにという方針転換が行われています。この点でフランス・マクロン大統領と期せずして歩調を合わせることになっています。

 

天安門事件の新たな犠牲者か。消えた中国人インフルエンサーの謎

死者数1万人以上との説もある天安門事件の発生から今年で33年。中国では徹底した情報統制により事件自体が「なかったこと」とされていますが、当局による監視は強まるばかりのようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、天安門事件の前日にあたる今年6月3日に起きた「不可解な事件」を取り上げ、詳細をニュース記事を引きつつ紹介。その上で、この事件からも窺い知ることができる「中国が覇権国家になれない決定的な理由」を記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年6月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

 

【中国・台湾】天安門事件を知らぬ若者のうっかり言動が命取りに

台湾で天安門事件の追悼集会 香港撤去の像再現 「かつての香港」思いはせる

中国政府によって、香港は言論の自由や香港人による自治権が奪われましたが、その結果、毎年行われていた天安門事件の追悼集会ができなくなりました。その代わりに台湾で追悼集会が行われるようになっています。記事を引用しましょう。

中国政府が民主化運動を武力弾圧した天安門事件から33年を迎えた4日夜、台北市内で追悼集会が開かれ、香港で撤去された同事件の犠牲者を悼む像の複製が披露された。集会に参加した香港からの移住者は、台北での集会には天安門事件を追悼できた「かつての香港」を悼む意味もあると語った。

 

香港国家安全維持法(国安法)施行以降、反体制的な言動を取り締まる動きが強まる香港では天安門事件の追悼集会が開催できなくなっている。この日の台北での集会には香港からの移住者も駆け付け、会場では広東語が飛び交い、参加者は「光復香港(香港を取り戻せ)」などと声を上げた。

 

集会で披露されたのは昨年、香港大から撤去された「国恥の柱」の複製。作者であるデンマークの芸術家から許可を得て、3Dプリンターで制作された。主催団体「華人民主書院協会」の曽建元・理事長はこの像について、香港が天安門事件を忘れないという思いを台湾が引き継ぐことの象徴だとしている。

台湾で天安門事件の追悼集会 香港撤去の像再現 「かつての香港」思いはせる

これに対して、蔡英文総統はフェイスブックで「天安門事件の集合的記憶が香港から組織的に消されていると指摘」しました。

1989年6月4日に起こった天安門事件は、専制政治による弾圧の象徴として、主に香港を中心に語り継がれてきましたが、ここ数年はコロナを理由に追悼集会は禁止されていました。7月1日には、行政長官が警察出身で中国寄りの李家超氏に交代する予定となっており、そうなったら追悼集会などもってのほかでしょう。

これを受けて、今年は香港から台湾に移住した人々を中心に、台湾で追悼集会が開かれました。それが冒頭の報道です。台湾は、言論の自由も行動の自由も保障されています。これからは、毎年台湾で追悼集会が開かれることでしょう。

 

だから国民から支持されない。左派野党が起こしている論理矛盾

昨秋の衆院選では自民党の圧勝を許し、7月に控えた参院選に向けても存在感をアピールできずにいる左派野党。なぜ彼らは国民の支持を得ることができないのでしょうか。その原因の1つとして左派野党の「ダブルスタンダード」を挙げるのは、立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、彼らの「9条」と「基本的人権」の扱いの違いを取り上げ、そこに論理矛盾が起きていると指摘。さらに左派野党が現状から脱却するために取るべき戦略を提示しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

参院選を前に、野党の「憲法改正」に関する公約をダメ出しする

7月の参議院議員選挙では、「憲法改正」が重要な争点となる。ロシアのウクライナ侵略を契機に、北朝鮮のミサイル開発、台湾海峡のリスクなど日本を取り巻く安全保障環境の悪化への不安感や恐怖感も高まっているからだろう。

自民党は、参院選の公約で憲法改正を「重点項目」に位置付けている。岸田文雄首相は、憲法9条の改正について「現実的な課題であり、早期実現が求められる」と述べた。自民党は参院選に勝利して、連立与党の公明党や、改憲に協力的な野党の日本維新の会、国民民主党とともに、改憲の発議に必要な衆参両院での3分の2以上の議席を確保し、24年の改憲発議、25年の国民投票実施で改憲を実現するシナリオを描いている。

衆院の憲法調査会は、開催の回数が増えた。従来は、「国民投票法」など憲法改正の「手続き」に関する議論が中心だったが、緊急事態が発生した時に、政府への権限の集中と国民の私権を制限することを認める「緊急事態条項」の是非が議論されるようになっている。

このような状況において、日本維新の会に注目が集まっている。維新の会は、昨秋の衆院選で議席を3倍以上に増やす躍進を果たした。この勢いを維持して、参院選で改選議席の倍増、次期衆院選で野党第一党の座を立憲民主党から奪うという野心的な目標を打ち出している。

維新の会は参院選で、改憲について自民党を超える踏み込んだ提案をしている。憲法9条に自衛隊を明記し、防衛費を国民総生産(GDP)比2%へ倍増することで、国民を守るための「積極防衛能力」を整備する。そして、「米国の核兵器を日本に配備し運用する『核共有』政策を含めた拡大抑止の議論を日米間で開始する」と訴えている。

維新の会は、改憲・安全保障政策に対する積極的な姿勢を示すことで、右派・保守層の支持を獲得することを狙っている。また、大阪を中心とする「地域政党」から確固たる「国家観」を持つ全国政党への脱皮を図ろうとしている。

この維新の会の姿勢を、自民党は基本的に歓迎しているようだ。維新の会がさらに議席を増やして、自民党と維新の会だけで改憲発議可能な議席を確保できるようになれば、公明党と連立を組む必要性がなくなるからだ。自民党にとって維新の会は、改憲にやや消極的な公明党を強烈に牽制するカードとなっている。維新の会側も、将来的な自民党との連立の可能性を否定していない。

罰則も処罰もなし。問題教師を付け上がらせるいじめ防止法の欠陥

いじめの根絶を目指し、2013年に施行されたいじめ防止対策推進法。しかし同法には、「不備」とも言える点もあるようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、いじめ防止法に罰則・処罰がないために教育現場で頻発している問題を紹介。さらにこれまでさまざまないじめ事案を解決してきた専門家の目線で、この法律に罰則規定を設けるか否かについて考察しています。

 

もっとこどものことを考えよう!

「第三者委員会を設置したとしても、不安でしかない」

このような相談が、重大事態いじめの被害側から、あまりに多く寄せられている。

例えば、大阪堺市の中学2年生の女子生徒が自死した事件の調査委員会は、いじめを数件認めたものの、自死までの期間が空いたこと理由に因果関係を見出せないとしている。

山形県酒田市いじめ自死事件では、いじめを自死の主な原因とはしなかったが、一定の因果関係を認めたと報道されたが、教育委員会が遺族に対し、報告書の内容を他言しないように書面への署名押印を求めたことが報じられている。

いわゆる不信感が募り、各報道からご遺族や被害側の声を聴いて不安になってしまうというのだ(ご遺族や被害側の声が悪影響ということではない)。

重大事態いじめになるまでのハードル

そもそも、生命や財産など深刻な被害が認められる「重大事態いじめ」の被害者は、被害を受けて速攻で被害を訴え出るというケールの方が稀であり、私が知り得る限りでは、数年間の被害を積み重ねて、我慢に我慢の上で訴え出ているケースが大半なのである。

その中には、担任への相談やそもそもいじめを発見するために行われているアンケートに、「いじめがある」とチェックしたり、その詳細な内容を書いて報告しているのに、スルーされて諦めてしまったというのはざらにあり、私のところに来るケースでは、証拠形成などを必要とすることが多いから、「それ証拠あんのか?」と難癖をつけられているものばかりである。

つまり、「いじめられています」と申告する段階から心理的なハードルを含め、申告自体にハードルがあるのだ。

さらに、重大事態いじめ等が認められていくには、実務上は年間通算で30日以上の欠席という不登校が認められることを、条件のようにしている教育委員会が大半であり、事案を丁寧にみて、その深刻さから不登校になっていなくても、積極的に認めていくという姿勢は正直みとめられないのだ。

一方で、環境変化により学校への復帰を求めて被害側が転校したいという希望を出している場合では、重大事態いじめとせず、第三者委員会の設置要望もしないことを転校の条件に出していくケースすらある。

つまり、いじめ防止対策推進法上の条件や解釈、重大事態いじめのガイドラインにおいて、その要件を満たしており、被害者側が重大事態いじめとして対応をしてほしいという要望をしても、そこは大きなハードルがあるのである。

また、法の要件やシステムがあるのだから、自動的に「重大事態いじめ」の対応に切り替わるものだと考えている保護者も多くいるが、まず自動的に対応が変わるということはない。申告して、要望して、交渉して、やっとのことで、「重大事態いじめ」になるわけだ。

 

コロナの痛手もインフレも放置。岸田政権が推進する日本の貧困化

国会の会期末恒例の内閣不信任決議案は野党すらまとまらずにあっさりと否決されました。メディアは法案審議などには無関心。政党も議員も心は既に閉会後の参院選に向いているようです。そんな“無風”の今国会の状況を嘆くのは、メルマガ『室伏謙一の「霞が関リークス」増刊号』著者で国会議員、地方議員の政策アドバイザーを務める室伏謙一さん。原材料価格の上昇と円安によるコストプッシュ型のインフレが進み、コロナ禍から続く国民と事業者の困窮を放置。一切対策を打ち出さない岸田政権を「ノー天気」「お花畑思考」と痛烈に批判しています。

 

貧困体験を「商品化」する悪しき傾向が日本を衰退させる

来週15日の会期末を控えて通常国会も終盤を迎え、国会論戦は熱を帯びているかと思いきや、無風、凪、春先の日中のような暑くもなく寒くもなくのほほんとしていられる気候のような状況です。立憲民主党等の一部野党は衆院議長及び内閣の不信任決議案を提出しましたが、こちらも盛り上がりにかけ、いつもの会期末の風物詩以下のような扱いです。

それもそのはず、国民の注目がコロナからウクライナにシフトし、こと更にウクライナや「国際社会」なる実態のないものとの連携を強調する以外、岸田政権は特段何もしていない(実はトンデモ法案は提出されているのですが、意図的なのかほとんどメディアでは取り上げられていないようです。)ですし、国会論戦が紛糾することもほとんどなく、淡々と時が過ぎていっているかのような状況ですから。

そうした中で、新型コロナの感染蔓延に対応するためと称した緊急事態宣言やまん延防止等措置を濫発したにも関わらず、緊縮脳に特に囚われた菅・岸田両政権は、国民・事業者に対する有効な支援策は講じず、困窮状態は深刻化しているところに、輸入物価の上昇によるコストプッシュ・インフレが襲いかかり、ジワジワとその影響を広げています。コストプッシュ・インフレは、家計のみならず、輸入物価の上昇を、何らかの形で転嫁せざるをえない事業者にも多大な影響を与えます。

それに対する有効かつ短期的にできる対策は、消費税減税、ガソリン税のトリガー条項の凍結解除、そして国民に対する一律給付ですが、岸田政権は一切やる気はなく、国民・事業者が困窮しようとお構いなし。それよりも「2025年PB黒字化」という緊縮教の絶対的教義を守り、達成することが大事なようです。

こうした中で、我が国の貧困化はより深刻化していっています(にも関わらず、投資して資産倍増!などと抜かしている岸田政権はどこまでノー天気、お花畑思考なのかと思います)。

しかし、今に始まった話ではなく、数年前からの話ではありますが、自らの貧困体験をある種「商品化」して、それを起爆剤というかバネにして有名になろう、のしあがろうという動きが、芸能界を中心に出ているように思います。私は子供の頃こんな悲惨な生活をしていた、〇〇も食べていた、こんなところに住んでいたといった話、テレビ番組のみならず、ネットでもご覧になったことがあるのではないでしょうか。

 

20年でGDP世界順位を26位も落としている日本はもはや後進国なのか?

国内総生産(GDP)はアメリカ、中国に次ぐ第3位に位置する日本。この順位だけ見れば豊かな国と思われがちですが、平均的な豊かさを示す指標として使われる、GDPを人口で割った「一人当たりGDP」でみれば日本は30位。深刻化していることがわかります。そこで今回は、無料メルマガ『キムチパワー』の中で、韓国在住歴30年を超える日本人著者がデータを詳細に分析していきます。

20年で2位から28位に転落

バブル経済が崩壊した1990年、日本の1人当たり国内総生産(GDP)は2万5,896ドルで世界8位だった。韓国は6,610ドルで42位、日本との差は4倍あった。

2000年、日本の1人当たりGDPは3万9,173ドルで世界2位まで上昇した。韓国は1万2,263ドルで10年ぶりに2倍増えたが、世界順位は35位だった。日本との差も3倍を超えていた。

2021年、日本の1人当たりGDPは3万9,340ドルで世界28位、韓国は3万3,801ドルで世界30位だった。韓国が日本を目前に追い上げることができたのは、1人当たりGDPが20年間で3倍近く増えたためでもあるが、日本の停滞が深刻だったのがより大きかった。

2012年、4万9,175ドルまで増えた日本の1人当たりGDPは、9年ぶりに19%減少した。世界順位が20年ぶりにこのように墜落した国は先進国の中で日本が唯一だ。

世界3大経済大国、先進7か国(G7)の一員である日本内部でさえ、「あっという間に後進国になった」(2021年4月9日、日本経済新聞)や「衰退途上国であり発展停滞国」(寺崎彰情報通信振興会理事長の2021年産経新聞寄稿文)という嘆きが出る理由だ。

国内総生産(GDP)の256%まで増え、G7の中で断然最悪の国家負債比率は、日本の未来も明るくないことを警告している。

デジタル技術力順位27位(韓国8位)、電子政府順位14位(韓国2位)、総合国家競争力順位31位(韓国23位)など未来競争力部門で日本は到底先進国とは言えない成績表をひっさげている。

国際連合(UN)の2021年持続可能な発展達成度でも、日本は19位(韓国27位)と毎年順位が下がっている。

日本経済新聞は「中国がリードしている第5世代(5G)通信規格競争には参入できず、特技だった半導体は米国・韓国・台湾に遅れをとった」として「電気自動車転換がかなり遅れたうえに新再生エネルギー分野は欧州・中国との格差が大きく広がった」と指摘した。

福島原発事故を経験しても「環境後進国」のレッテルを免れなかったという自省も出ている。日本は世界5位の二酸化炭素排出国だが、時代の潮流である脱石炭社会の実現を宣言したのは120番目だった。

星野源、新垣結衣から“おあずけ”で性欲我慢の限界?別居婚にストレスMAXで下ネタ爆発か

昨年5月に新垣結衣(33)との結婚を発表した星野源(41)。7月22日公開予定の映画『GHOSTBOOK おばけずかん』で、2人は結婚後に初コラボをする。新垣も星野も忙しく、仕事は順調。その一方で、相変わらず夫婦生活の中身が見えてこないが、そんな現状に星野はある不満を抱えているようだ。

星野源の下ネタ加速は新垣結衣の“おあずけ”が原因?

過激な下ネタが人気だった星野源の深夜ラジオオールナイトニッポン。しかし、結婚後は妻である新垣結衣にあらぬイメージがついてしまわないようにと配慮して、すっかりおとなしくなったと6月8日の「女性自身」が報じている。

星野源と同じ事務所で下ネタが話題だった福山雅治も結婚が決まるとオールナイトニッポンを引退。やはり、星野源といえども結婚後の下ネタは封印せざるを得ないのか……と思いきや、実際はまるでそんなことはないようだ。

ラジオ業界ではこれから聴取率を意識した「スペシャルウィーク」という強化期間に入るが、星野のオールナイトニッポンはとんでもない“ド”がつくくらいの下ネタ企画を用意。あえぎ声の音声データを流す「A-1」グランプリを約5年ぶりに開催すると発表した。

他にも、人気コーナー「夜の国性調査」では、思い出深い性体験を相変わらず募集しており、下ネタを封印どころか、加速しているようにさえ感じる。

妻である新垣を大事に思うことはわかる。しかし、星野から下ネタを取り上げてしまっては、せっかくの魅力もどこか物足りなくなってしまう。何より星野自身が一番楽しんでいるし、リスナーもそれを期待しているに違いない。

「下ネタはラジオの醍醐味のひとつ。テレビでは一切そんなことを言わないパーソナリティーも、ラジオになるとなぜか下ネタばかりになる人も多いです。星野さんも大好きですからね。ただ、新垣さんが忙しくて夫婦生活の“おあずけ”をくらい、星野さんの性欲が爆発寸前なのでは?なんていう声もあるようです」(スポーツ紙の芸能記者)

あまり夫婦の話題に触れることがない星野だが、関係は良好で何も心配はないようだ。とはいえ、お互いに仕事で忙しく、別居婚状態が続いたままだとみられている。

もしかしたら、なかなか叶わない夜の営みのストレスを大好きな下ネタで星野は発散させているのかもしれない。

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下剋上リア充男はファンを裏切らない

そんな2人が携わり、結婚後“初タッグ”を組む作品として話題になっている映画『GHOSTBOOK おばけずかん』。新垣が出演し、星野が主題歌を担当しているが、実は結婚前の2020年に発表されており、映画を宣伝するためのあざとい話題作りというわけではなさそうだ。

星野は福山や菅田将暉のようにずっとモテ男で今日の地位を築いたワケではなく、小学3年生のときに消しがたい黒歴史があった。

体育のマラソン中に大便を漏らしてしまい、担任の女性教師に下半身を丸出しのままホースで洗われたという。しかも、その様子をクラス全員に見られていたというから、なかなかハードな思い出だ。

しかし、初めて出演した映画「69 sixty nine」のオーディションではその時の経験を告白して合格。偶然にも大便を漏らす役で、初めて漏らしてよかったと思えたという。

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気合いを入れて臨んでいたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での出演も終わり、映画PRの稼働が終わればその後は大きな仕事が入っていないとみられる新垣。ようやく夫婦水入らずの時間ができることで、念願の同居と子作りのチャンスが訪れるかもしれない。

秀吉が『豊臣』を名乗った本当の意味。「源平藤橘」の常識を覆す野心

豊臣秀吉が隠居したと言われる伏見城。秀吉の力を象徴するように、絢爛豪華なお城だったとして知られていますが、その最後は地獄絵図だったそうです。メルマガ『歴史時代作家 早見俊の「地震が変えた日本史」』の著者である早見さんは今回、伏見城を廃墟にした慶長伏見地震と『豊臣』という姓について詳しく解説しています。

 

秀吉の天下倒壊 慶長伏見地震で廃墟と化した伏見城

伏見城は秀吉の隠居城として普請されました。実子に恵まれなかった秀吉は甥の秀次を養子に迎え、関白職と政務の中心である聚楽第を譲ります。秀吉は伏見に一旦は隠居したのです。

摂政、関白を引退し、子供が摂政、関白に成った者を太閤と呼び、以後秀吉は太閤殿下と尊称されます。

秀吉以外にも太閤と呼ばれた者は存在するのですが、太閤といえば秀吉がイメージされます。大師といえば弘法大師を指す為、「大師は弘法に奪われ、太閤は秀吉に奪われる」とも語られてきました。

ご存じの読者も多いと存じますが、江戸時代、人形浄瑠璃、歌舞伎などでは、「太閤記」ではなく、「太功記」として上演されました。

作中、秀吉は、「羽柴秀吉」ではなく、「真柴久吉」、「織田信長」ではなく、「小田春長」、「明智光秀」ではなく、「武智光秀」と名前を変えています。

江戸時代を通じて秀吉は人気があり、信長は不人気でした。本能寺の変の原因も、信長の光秀に対するパワハラとして描かれます。暴君信長の虐待に耐えかねて立ち上がる光秀という構図でした。

お芝居の、「太功記」は秀吉ではなく光秀が主人公で、光秀が信長を討ってから秀吉に敗死するまでを描いています。

世にいう光秀の三日天下を描いた作品で、今日では十段目、尼ケ崎閑居の段が、「太十」と称されて上演されます。

また、太閤というと、貧しい境遇から身を起こし大成功した立志伝中の人物を、「今太閤」と呼びますね。伊藤博文、田中角栄、松下幸之助などが「今太閤」と称されました。

 

「新しい資本主義」はアベノミクスと何が違うのか?見えてこない分配の中身

岸田総理大臣が掲げる「新しい資本主義」の全体の構想と実行計画が7日、閣議決定されました。およそ100万人を対象に能力開発や再就職の支援を行うことや、個人の金融資産を貯蓄から投資に促すための「資産所得倍増プラン」を策定することなどが盛り込まれました。有識者メンバーとして参加している渋澤健さんは決定したこの新しい資本主義の中身をどう評価するのでしょうか?詳しく見ていきます。

プロフィール:渋澤 健(しぶさわ・けん)
国際関係の財団法人から米国でMBAを得て金融業界へ転身。外資系金融機関で日本国債や為替オプションのディーリング、株式デリバティブのセールズ業務に携わり、米大手ヘッジファンドの日本代表を務める。2001年に独立。2007年にコモンズ(株)を設立し、2008年にコモンズ投信会長に着任。日本の資本主義の父・渋沢栄一5代目子孫。

ウィズコロナ政策で日本は出遅れているのか

謹啓 ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

「新しい資本主義」の実行計画案が発表され、今月の7日に閣議決定されました。この半年間、新しい資本主義実現会議の有識者メンバーとして討議に参加する貴重な機会を頂戴したことへの感謝、そして、多くの意見をまとめて幅広い課題を網羅する実行計画を作成していただいた事務局および関係者のご尽力に、心から敬意を表します。

「新しい資本主義とは何か、意味がわからない」という声を色々なところで聞きました。

ただ、私は確信しています。今の世界情勢や日本が少子高齢化社会へと突入している時代環境において、新しい資本主義が目指しているところは極めて重要であり、このタイミングで議論を重ねたことにとても意義があると思います。

新しい資本主義が目指しているところ、すなわちWHEREは「成長と分配の好循環」であります。

「成長か」や「分配か」ではなく、大事なポイントは「好循環」を経済社会で促すことです。成長「と」分配、分配「と」成長により、好循環が生じます。

では、そもそも何故、WHY、好循環を目指す新しい資本主義が必要なのか。それは、持続可能な成長に加え、「外部不経済の是正」のためです。

総理が、文藝春秋2月号の寄稿で示したグランドデザインや5月のロンドン演説でもしっかりとご発言されたこの重要なキーワードを、報道や解説のコメンタリーで見た覚えがありません。

一般庶民にとって「外部不経済」という表現や概念が難し過ぎるという意図的の判断なのでしょうか。新しい資本主義のパーパスそのものに焦点を当てないことは、とても残念です。

「外部不経済の是非」を簡単に説明するならば、今までの新自由主義的な価値観が置き去りにしてきた環境や社会的課題を資本主義に取り込むことです。

ESG(環境、社会、ガバナンス)を情報開示というステージから、より意図的にインパクトを測定して、ポジティブな目標を設定にするという、バージョンアップです。

以上のWHEREとWHYを合わせて考えれば、「新しい資本主義」の何であるWHATが見えてきます。それは、取り残さない包摂性ある資本主義、つまり、インクルーシブな資本主義です。

「新しい」概念ではないかもしれません。しかし、これからの新しい時代の繁栄には極めて重要な資本主義の有り方だと思います。

この、WHERE、WHY、WHATを実際に実行するHOWが、実行計画案に表現されているという関係性に対する認識こそが、新しい資本主義への評価には必要だと思います。

しかし、一般的に、報道されてコメンタリーが焦点を当てるところはHOWです。もちろん、実行できなければ意味がありません。

ただWHERE、WHY、WHATをしっかりと認識した上でHOWに進めることが大事な思考的な順路です。HOWだけに焦点を当ててしまうと、「できない」という判断で思考が停止し、新しい時代が必要としている新しい課題解決が生じない可能性が高まるからです。

また、実行計画のHOWは様々な分野を網羅しなければならないため、結果的にWHATがピンボケに見えてしまう恐れがあります。私の理解では、実行計画が提言している様々な分野において一つの軸を通せば、それは「人的資本の向上」です。

「成長と分配の好循環」には主役が必要であります。誰が、この好循環をつくるのか。「人」以外ありません。また「外部不経済」をつくったのは「人」です。

したがって、「外部不経済を是正」できるのも「人」しかいません。誰一人も取り残さないためには、一人ひとりの想いと一人ひとりの行いを合わせる融合が必要になります。

なぜ中国が好かれ米国は嫌われるのか?バイデンが新興国から拒絶される当然の理由

“アメリカの犬は日本と韓国だけ”とまで揶揄されるアメリカの外交政策。それは同盟国作りが難航していることを示しており、特に新興国からアメリカはかなり嫌われているようです。一体、原因はどこにあるのでしょうか?その理由を総括していきます。

バイデンが同盟国作りに苦戦している3つの明確な原因

今、世界は大きくブロック化の流れを見せている中で、一か国でも多くの賛同国をつくりたいアメリカですが、ご紹介してきた通り関係構築に大きく苦戦しています。

特に新興国では、今のアメリカバイデン政権が同盟国作りに苦しむ根拠、原因が明確に存在しています。

これを整理すると大きく3つになりますが、まず1つ目は、人権問題やグリーンエネルギーなどで、高い目標や基準を要求することです。

特に新興国の中には専制主義色の強い政権がまだまだ多く、人道主義で厳しい規制をされることを嫌う傾向にある一方で、その専制主義をより深めてより経済的な繁栄を目指す中で、余計な基準で邪魔をされたくないと考える国が多くあります。

次に2つ目ですが、アメリカが自国の市場を開放せず、新興国に参入機会を与えない方向に変わったことです。

新興国は、当然ながら何よりも自国の経済発展と繁栄を優先しますが、最前線で市場開放と自由貿易によってグローバル経済を推し進め、世界の経済的繁栄に最も寄与して来たアメリカが、今は完全に逆。

「保護主義化」していて、自国の雇用を優先し、世界最大のGDPを持つ「アメリカ市場」を開放しない結果、新興国から見れば、アメリカは利益や繁栄をもたらしてくれない国、になってしまっています。

そして最後は安全保障です。これも、ベトナム、イラク、アフガンと軍事介入に失敗してきて、益々有事の際にアメリカ軍の直接参加が期待出来なくなってきています。

一方で、残る手法は今ウクライナの手法に近い、武器の供与、実際は売却ですが、こちらも、アメリカ製の武器はまず非常に高価であること、そして機密に関する規制が複雑で強く、購入後のメンテなどに困難を要します。

そのためサウジアラビアなどでもそうですが敬遠され、ロシア製や、後で述べますが、中国製が購入される、という流れが大きくなってきています。

この3つの要因によって、アメリカは新興国から見ると、繁栄には寄与してくれないのにルールばかりがうるさく、安全保障面でも頼りにならない、という存在になりつつあります。

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嫌われるアメリカに対して中国はうまく進めている

一方で中国は、このアメリカの足かせとは全く逆の手法で新興国に大きく食い込んでいます。

人権問題やグリーンエネルギー問題でルールは一切なく、経済問題では一帯一路構想が「債務の罠」で批判されて以降、大きく方向転換をして、支援金でインフラ整備を行い、世界第2位のGDPの中国市場を開放することで経済繁栄をもたらします。

そして安全保障では、アメリカ製に比べて安価で機密の規制もない武器をどんどん売却し、軍事依存度も同時に高めることに成功しています。

成功している最たる例が、今話題の南太平洋諸国です。

中国の王毅外相が5月26日から10日間の日程で、ミクロネシア、ソロモン諸島、フィジーなど太平洋8か国を訪問しました。

本当は30日に太平洋10か国が参加する大きな2つの地域協定に締結する予定でしたが、そこまではもって行けなかったものの、少なくともアメリカからは大きくリードしています。

これらの国々には、相当のお金をばら撒いて経済支援、つまりインフラ整備などを行っていて、数か国の反対が無ければ締結する一歩手前でした。

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西側としてはギリギリで大きなリスクを回避出来ましたが、今後の流れ次第ではあのエリアが丸々中国の軍事支配圏になる可能性は捨てきれません。