アベスガを継ぐ空虚な器。「骨太の方針2022」で判る岸田首相の無能

「新自由主義からの転換」を旗印の一つに掲げ、昨秋の衆院選を大勝し政権運営を盤石なものにした岸田首相。しかし5月31日に示されたいわゆる「骨太の方針2022」の原案は、むしろ「新自由主義を推進する内容」であるという声も上がっています。今回のメルマガ『室伏謙一の「霞が関リークス」増刊号』では著者で国会議員や地方議員の政策アドバイザーを務める室伏謙一さんが、元官僚の目線でこの方針の内容を分析。さらに岸田首相に対して、「空虚な器」なる強烈な批判を記しています。

 

岸田政権の「新自由主義からの転換」は「新自由主義の強力な推進」だ

骨太の方針2022をめぐり、攻防が激しくなっている、とされています。世間の注目は2025年度のPB黒字化という目標が入れられるか否か。原案の段階では、PB黒字化とか2025年度といった言葉は姿を消し、「財政健全化の『旗』を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む」という文書に変わったので、「盛り込まれなかった!」、「PB黒字化目標が姿を消した!」と懸念する声(財務省の喧伝機関である大手メディアや貨幣観を間違えた御用言論人らが中心ですが)と、歓喜の声が入り混じっているようです。

しかし、元役人の私からすれば、表現ぶりが変わっただけで、実質的に何も変わっていないどころか、目標の「堅持」が目標に「取り組む」に変わったので、PB黒字化という緊縮目標を2025年度に達成したい勢力からすれば、更に前進したというのが正しい理解です。

つまり、自民党内の「対立」を上手く利用して、折衷案という形で事実上PB黒字化目標も達成目標時期も維持し、巧妙に表現ぶりを変えることでシラっと盛り込むことに成功した、財務省の完勝ということです(あくまでもこの時点での話ですが)。

積極財政派の議員たちは、責任ある積極財政推進議連の面々を中心に、騙されまいと、かなり細かく内容を精査して、党政調の会合で闘ったようで、財務省の完勝も糠喜びになる可能性もゼロではないかもしれません。

さて、この骨太2022、まだ原案の段階ではありますが、もっと大きな問題があります。それは、この骨太に記載されている内容が、ことごとく新自由主義の推進、小さな政府の推進のための事項であるということです。総裁選の時に訴えていた「新自由主義からの転換」はどこへ行った?と聞きたくなりますが、要するに言葉が踊っていただけで、何も考えていなかったということです。だから私は岸田総理のことを「新々空虚な器」と呼んでいるわけですが、その空っぽの器である岸田総理に、最大のブレーンである木原誠二官房副長官を通じて、新自由主義政策が大量に盛り込まれ、骨太2022という形に盛り付けられたということです。

以下具体的に一つ一つみていきたいところですが、一事が万事と言ってもいい程に、新自由主義色、小さな政府色が強い、強すぎるので、今回は「新しい資本主義に向けた改革」の二つ目の柱である「社会課題の解決に向けた取組」のうち、「民間による社会的価値の創造」について見ていきたい、というかバッサリ斬っていきたいと思います。

(メルマガ『室伏謙一の「霞が関リークス」増刊号』2022年6月2日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

 

image by: 首相官邸

高まる銃規制への声。米国「子どもの死因1位」が「銃暴力」の衝撃

5月24日、アメリカの小学校でまたしても銃乱射事件が発生し、著名人や政治家が銃規制への声を上げています。こうした声を後押しするように、米国では2020年に19歳以下の死因の1位が銃暴力になったことや、今年既に銃暴力による死者が17400人以上となっていることなど、衝撃的なデータをメディアが伝えています。紹介してくれるのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者でNY在住人気ブロガーのりばてぃさん。銃の購入にバックグラウンドチェックを求める人が89%にも上りながら、実際にチェックが必要なのは50州中21州しかないことなど、すぐにでも改革できることはあると訴えています。

 

米国「子どもの死因1位」データの衝撃

日本でも大きく報じられているように、5月24日、テキサス州ユバルデの小学校で銃乱射が発生し児童19人、教師2人の21名が亡くなるという痛ましい事件がありました。

ブログの方でも取り上げましたが、プロバスケ(MLB)ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチ(つまり監督)が試合後のメディアインタビューで銃規制法案に対する議会の指導者たちの無策を批判する演説を行っていたり、上院議会での政治家による熱いスピーチ、他にも様々メッセージが出ています。

それだけでなく、ユバルデの襲撃を受けた小学校で生き残った子供たちの体験も伝えられており(すでに撃たれたクラスメートの血を塗って死んだふりしたなど)それらのニュースを見聞きするだけで、心を痛めている人は多いことでしょう。

アメリカではあり得ないほど数多くの銃事件が起こっていて、「もう十分だ」とみんな言ってるわけですが、罪もない、しかもまだまだこの先の将来がある子どもたちが殺されるのはあってはならないこと。1回目だろうと何回起きてようと重く受け止めきちんと対策を取らないといけないわけです。

そして対策をとるために重要な要素の1つがデータですが、報道機関は特にその辺の情報を取りまとめるのが早く複数出ているので今回はそれらをご紹介します。

(1)Gun Violence Archive

まず1つ目は、Gun Violence Archiveによる銃での死傷者数のデータです。銃による暴力に関する統計データ(2014~2020年)によると、銃乱射事件(Mass Shooting)による死者数は、年々、増加傾向。2014年には269人だったのが、2020年には611人に増加。

また、アメリカでの19歳以下の子どもの死因の第1位は2019年までは交通事故でしたが、2020年には銃による暴力が死因の第1位になっています。交通事故を抜くって相当の数です。

さらに2022年中、つまり今年、銃による暴力で亡くなった人はすでに17,400人以上とのこと。27件の学校での銃乱射事件が発生しています。

今回のテキサスの小学校以外にも大きく報じられていないだけで銃事件が起きているのです。異常です。
米国の子どもの死因1位は「銃による暴力」…高まる「これでいいのか?!」の声 : ニューヨークの遊び方

 

世論の声を汲んで創設された国民年金はなぜ、即危機に陥ってしまったのか

毎回、年金についての詳しい説明と事例を用いた解説で人気のメルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』。その著者で年金アドバイザーのhirokiさんが今回教えてくれるのは国民年金創設時のお話です。早い段階で危機に陥ってしまったという国民年金。その理由とは?

 

創設から早い段階で危機に陥った国民年金と、15年かけて国民年金を約4割引き下げた過去(1)

こんばんは!年金アドバイザーのhirokiです。

それぞれが独立していた年金制度。ある業界が斜陽化すると年金も危機に陥る事があった

よく、年金額が引き下げられるという事に世間は非常に敏感ではありますが、過去には大幅な年金額の引き下げが行われた事がありました。

その始まりとなったのは、昭和60年改正(昭和61年4月から)です。

昭和60年改正というと、非常に大事な改正の年ですね。何を思い浮かべますでしょうか…。

一番有名なのは基礎年金導入ですね。

どんな職業の人でも国民年金に加入し、65歳になったら国民年金から老齢基礎年金を受けるようになった出来事ですね。

基礎年金が導入される以前の昭和61年3月31日までは国民年金というのは、農家の人や自営業の人等が加入する年金制度でした。

サラリーマンや公務員は国民年金には加入せずに、厚生年金や共済年金に加入していました。

年金制度は基本的に互いに独立していたわけですが、昭和61年4月からは全ての職業の人に国民年金に加入させる事になりました。

どうして農家や自営業の人が加入していた国民年金をすべての人が加入する年金となったのか。

 

小泉進次郎、空回りしすぎて菅前首相が激怒?前環境大臣なのに“空気”読めず政治家生命のピンチに

岸田政権ですっかり冷や飯食いとなってしまった小泉進次郎氏。今夏に行われる参院選をきっかけに存在感を示そうと躍起になっているが、話題になるのは昆虫食を試食した話や妻である滝川クリステル氏の話ばかり。一発逆転を狙う小泉氏だが、その空回りぶりに敬愛する菅義偉前首相からも徐々に煙たがられているという。 

小泉進次郎、失地回復のため菅派設立に奔走するも空回り

5月22日、小泉氏は神奈川県・桜木町駅前に立った。参議院選挙に向けた参議院議員・三原じゅん子氏の応援演説のためだ。しかし、登壇した小泉氏が口にしたのは菅義偉前首相のこと。

菅氏は出張先から駆け付ける予定となっており、「私と三原さんが来るまで、どうかみなさんお待ちいただければと思います」と菅氏のつなぎ役を買って出た。というのも聴衆の人気はもっぱら菅氏に集中しているからだ。

在任中はコロナ対策の対応で散々叩かれた菅政権だったが、コロナワクチンの接種、携帯電話料金の値下げ、不妊治療の保険適応など今になってその仕事ぶりが再評価されている。

小泉氏も終始、三原氏の応援はそっちのけで、その場にいた菅氏を褒めちぎる話ばかりだったという。

なぜ小泉氏はそこまで菅氏を持ち上げなければならないのか?

菅人気の流れにのり、「菅派」を立ち上げ、その上で派閥の中心に自分が立つとも目論んでいるからだろう。岸田政権下での冷遇はあきらかで、話題になるのは政治とは直接関係のないことばかり。なんとしてでも、再び政治の表舞台に立たなければならない必死さがうかがえる。

しかし、そこに立ちはだかるのが、自民党幹事長特別補佐で二階派幹部の武田良太氏だ。週刊現代によると、選挙対策会議に菅氏と同行しながら、菅派設立後の片腕役のポジションを狙っているという。

一方、小泉氏も武田氏に負けじと参院選に向けて、あからさまに菅派参加を態度に表している。

この二人に共通するのは“自分のことしか考えていないこと”だろう。菅氏やずっと菅氏を支持してきたグループにとってはありがた迷惑でしかないのだ。

菅氏はああ見えてかなりの戦略家。冷静に現状分析することができ、小泉氏や武田氏のように一時の感情で動くことはない。そう、菅氏からすれば、岸田政権の支持率が高い今は行動を起こす時ではないのである。

にもかかわらず、小泉氏や武田氏は主導権争いに躍起となっていて周りが見えていない。このまま突っ走ってしまうと空中分解したり、他派閥に潰される危険性が出てくる。何としてもそれを避けたい菅氏は目立った行動を慎み、まずは勉強会にとどめている。

自分が再び表舞台に出ることしか考えず、暴走気味になっている小泉氏。菅氏から見放されてしまえば政治家として絶体絶命のピンチとなるだけに、今後の活動に注意する必要があるだろう。

話題は政治以外のことばかりの小泉進次郎

最近は夫人の滝川氏があまりにもヴィーガン食にこだわりすぎて、肉好きな小泉氏は嫌気が差し、議員宿舎で寝泊まりしているという「ヴィーガン別居」が話題になった。

他にも、“次世代のスーパーフード”として近年注目が集まっている昆虫食を試食し、「オレ、今、食べてるって感じ」と感想を述べ、“新しい小泉進次郎構文が生まれた”とネットで話題に。

このところ、政治とは関係がないところばかりでクローズアップされていた小泉氏。久々に政治にまつわる話で注目されたといえるだろう。

しかし、このままだとまた政局の中に埋もれてしまう。小泉氏の“得意分野”である環境問題を扱うように、まずまわりの空気を読むことも大事だと言えそうだ。

本能寺の変で泣いたのは嘘?なぜ晩年の豊臣秀吉の夢枕に織田信長が立ったのか?

豊臣秀吉と織田信長。戦国武将としてあまりにも有名なこの二人ですが、信長に仕えていた時ならいざ知らず、死後において、秀吉は信長をどう評価していたのでしょうか。メルマガ『歴史時代作家 早見俊の「地震が変えた日本史」』の著者である早見さんは今回、歴史を紐解いて秀吉の信長への思いがわかるエピソードを紹介しています。

 

秀吉の天下倒壊 秀吉は信長をどのように評価していたのか

秀吉は信長をどのように評価していたのでしょう。

信長の家臣であった頃は心服し、ひたすら忠勤を励んで気に入られようとしていたと思われます。では、信長死後はどうだったでしょう。

以前、NHKのお正月特番で中村勘三郎(当時は勘九郎)さんと笑福亭鶴瓶さんが日本史上の有名人物を語りました。秀吉に話題が及んだ時、勘三郎さんが大阪の縁で鶴瓶さんに秀吉について語ることを求めました。

この時の鶴瓶さんは、正直言って、あまり秀吉のことを知らない、と前置きをして、「ただ、緒形拳が泣くがな」と信長の死を報せる文を読み、緒形拳さん演ずる秀吉が号泣する場面を引き合いに出して秀吉の人間味を話しました。おそらく、NHK大河ドラマ、「太閤記」の場面を指すのでしょう。

対して勘三郎さんは、「わたしの頃は西田敏行さんですけどね」と、同じくNHK大河ドラマ、「おんな太閤記」を例に挙げ、あそこで泣くから秀吉は人気がある、とお二人は意気投合していました。

本能寺の変は多くの大河ドラマで描かれていますが、秀吉を演じた様々な役者さんが信長の死に涙を流す、というのが見所の一つになっています。

実際、本能寺の変報を知り、秀吉が涙を流したのかどうかはわかりません。何より、彼自身が絶体絶命の窮地に立ったのですから、信長の死を悲しむよりも、目の前の窮地をいかに脱するかで頭は一杯だったのではないでしょうか。

ただ後日、本能寺に居合わせた武将で茶人の長谷川宗任から明智勢来襲の様子を聞き、「上さまはさぞご無念であられたろう」と落涙したとされています。

宗任は信長から女房衆を落ち延びさせるよう命じられ、明智勢も女房衆には手出しをしなかった為に生き残ったのでした。

また、秀吉は信長の葬儀を盛大に行いましたが、その際には太刀持ちとして葬列に加わり、この時も涙を流したと記録されています。

 

保守陣営が圧勝した韓国。「チョ・グク狙撃手」当選でどう変わる?

韓国の全国同時地方選挙が行われ、現在の政権与党である「国民の力」が圧勝しました。そのなかで、韓国の文在寅大統領の側近だったチョ・グク前法相を相手に不正疑惑を暴露して注目された金泰佑(キム・テウ)候補も当選しました。無料メルマガ『キムチパワー』では、韓国在住歴30年を超える日本人著者が、キム・テウ氏の戦略を紹介し、今後のビジョンを語っています。

チョ・グク狙撃手が区庁長となる

6月1日に行われた第8回全国同時地方選挙で、政権与党の「国民の力」が圧勝した。3・9大統領選挙に続く全国選挙2連勝だ。今回の選挙は広域団体長(道知事、市長、郡守など)と国会議員の補欠選挙と教育監(ソウル市や忠清南道など道の教育全般を担当する長)を選ぶ選挙だった。

ここで「国民の力」はソウルを含め全国12の広域団体長選挙で勝利し、民主党は光州、全羅南道、全羅北道の3か所に京畿道、済州道を加えた5か所で勝利し、保守:進歩が12:5というスコアとなり、保守陣営「国民の力」が圧勝することになった。

そんな中、進歩性向の「票田」であるソウル江西区(カンソグ)で、いわゆる「チョ・グク狙撃手」と呼ばれる保守の「国民の力」金泰佑(キム・テウ)候補が当選した。キム当選者は6月2日午前6時、51.3%得票率で相手の民主党キム・スンヒョン候補に勝った。46歳と若手の江西区区庁長となる。

キム当選者は2020年第21代総選挙(国会議員選挙)当時、江西乙(カンソ・ウル)にて民主党のチン・ソンジュン候補に敗れたが、今回の選挙ではチン議員の補佐官出身であるキム・スンヒョン候補を相手に勝利した。

保守政党である「国民の力」の立場としては、12年ぶりに江西区庁長の座を奪還することになった。

江西区は今年3・9大統領選挙でも民主党のイ・ジェミョン候補(49.17%)が「国民の力」尹錫悦(ユン・ソンニョル)候補(46.97%)を上回ったところだ。

尹錫悦政府発足直後に行われた今回の選挙なので、「国政安定論」に民心が傾いたという分析が出ている。

キム当選者は検察捜査官(検察捜査官というのは検察官のもとで捜査や事務などを補佐する役割)出身。李明博・文在寅政府にかけて青瓦台特別監察班を務めた。

特にムン政府の民政首席室で起きた不正疑惑を暴露し注目された。チョ・グク当時民政首席を相手にした「ユ・ジェス前釜山市経済副市長監察もみ消し疑惑」が代表的だ。ユ・ジェス前副市長の収賄疑惑は今年3月、最高裁で有罪が確定した。

プーチンと習近平、金正恩が手を組むか。日本が直面する反欧米独裁国家の脅威

プーチン大統領によるウクライナ侵攻以来、緊張感が高まる西側諸国と反欧米姿勢を鮮明にする国家との対立関係。中国、ロシア、そして北朝鮮という独裁国家と至近距離で対峙する日本は、現状どのようなリスクを抱えているのでしょうか。これまでも様々な視点から日本の国防問題を検証してきた、外務省や国連機関とも繋がりを持ち国際政治を熟知するアッズーリ氏は今回、5月下旬に大きく動いた日本を取り巻く国際関係を詳細に解説。その上で今後の中ロ北の動きを予測するとともに、我が国が直面している脅威について考察しています。

プーチンに習近平、金正恩も。厳しさを増す日本の安全保障環境

5月下旬、日本を取り巻く国際関係は大きく動いた。まず、バイデン大統領は5月20日から5日間の日程で日韓を初めて訪問した。20日から3日間の韓国訪問ではユン新大統領と会談し、対北朝鮮や経済安全保障などで米韓が協力を深化させていくことで一致した。ユン大統領は前政権で冷え込んだ米国や日本との関係改善を目指し、対北朝鮮で日米韓の連携を強化する姿勢を示しており、バイデン大統領としてもユン政権の誕生を強く歓迎している。

そして、22日からの日本訪問では岸田総理と会談し、岸田政権の厳しい対露姿勢を高く評価し、海洋覇権を強める中国に対する強い懸念を共有した。日米首脳会談の翌日には、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国で構成されるクアッドの首脳会合も開催され、共同声明ではロシアを名指しで批判することを避けられたが、6兆円規模の途上国へのインフラ支援が発表されるなど中国の一帯一路に対抗する政策が打ち出された。

しかし、バイデン大統領の日韓歴訪、クアッド首脳会合という一連の重大行事に合わせるかのように、それと対立する中国やロシア、北朝鮮はけん制的な動きを見せている。5月24日、中国軍とロシア軍の爆撃機が日本周辺の日本海や東シナ海、西太平洋上空で長距離にわたって共同飛行しているのが確認された。

しかし、中露が結束してけん制する動きはこれが初めてではなく、昨年10月には、ロシア海軍の駆逐艦など5隻と中国海軍の最新鋭ミサイル駆逐艦5隻が北海道奥尻島の南西およそ110キロの日本海で並びながら航行している姿が目撃され、そのまま津軽海峡を通過し、千葉県の犬吠埼沖、伊豆諸島沖、高知県の足摺岬、鹿児島県の大隅海峡と太平洋を南下していった。

【関連】中露海軍が「津軽海峡」航行の衝撃。日本は“鬼門”の防衛力を強化せよ

また、中露両国は同月、極東ウラジオストク沖の日本海で4日間にわたって合同軍事演習を実施した。さらに、ロシアはウクライナ侵攻以降、4月14日に海軍が極東沖の日本海でウクライナ侵攻の時にも使用された巡航ミサイル「カリブル」の発射実験を行い、3月30日には北方領土の国後島で軍事訓練を実施するなど、日本をけん制する動きを見せている。

さらに、北朝鮮はバイデン大統領が帰国した翌日の5月25日、首都ピョンヤン郊外からICBM=大陸間弾道ミサイルと推定される弾道ミサイルと短距離弾道ミサイルなど合わせて3発を発射した。ミサイルは日本のEEZ外側の日本海に落下したが、北朝鮮は5月4日にも今年13回目となるミサイル発射を行っている。バイデン大統領の就任から1年半あまりが経つが、バイデン政権は北朝鮮が何かしら改善的な行動を取らない限り対話には応じない姿勢を堅持しており、今後も米国をけん制することを目的とした挑発的な行動が続く可能性が高い。

【関連】バイデンをあざ笑う金正恩。コロナにあえぐ北朝鮮、感謝ではなくミサイルで返答

読売どころか朝日まで。維新の会に魂を売った大手マスコミの落日

自民党の圧勝が濃厚とされる今夏の参院選で、昨年の衆院選同様の大躍進が予想される日本維新の会。そんな維新を巡ってはネット上を中心にさまざまな不祥事が取り沙汰されていますが、大手メディアが取り上げることはほぼないのが現状です。その裏にはどのような力が働いているのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村大次郎さんが、維新が圧倒的な力を持つ大阪府・大阪市と読売・朝日両新聞社との「特別な関係」を紹介。報道機関の使命を放棄したかのような両社を強く批判しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の2022年6月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

 

なぜ日本維新の会の不祥事は報じられないのか?

前号では、日本維新の会の創設者であり、元大阪府知事、元大阪市長の橋下徹氏の「上海電力問題」について、ご説明しました。

【関連】大手メディアが取り上げぬ橋下徹氏と上海電力の「ただならぬ関係」

上海電力問題というのは、ざっくり言えば次のようなことです。

橋下氏が大阪市長時代、大阪市が計画していたメガソーラー事業に関して、中国の上海電力が突然、事業参加したこと。日本と中国との関係は微妙なのに、社会インフラの根幹を外国企業に任せるのは、政治家として不見識であること。

この上海電力問題は、かなり大きな政治問題のはずなのに、大手メディアはまったく取り上げていません。それどころか、大手メディアは日本維新の会の不祥事に関しての報道が異常に少ないのです。

たとえば、愛知県知事のリコール不正事件では、日本の維新の会の元県議が首謀者だったのですが、日本維新の会との関りはあまり報じられませんでした。またこのリコール不正事件に関しては、リコール運動を大阪府知事の吉村知事なども支持しており、日本維新の会の責任は免れないところなのに、メディアが責任を追及することは一切ありませんでした。ほかにも、維新の会の議員は、たくさんの不祥事を起こしていますが、これもあまりメディアでは取り上げられません。

大阪は、新型コロナにおいて日本最悪の被害を出しているにも関わらず、吉村知事の人気は爆上がりするという怪現象が起きています。維新の会は、大阪で吉本興業と提携しており、吉村知事は大阪のテレビ番組に出まくって、吉本芸人からヨイショしまくられているということを前にこのメルマガでもご紹介しました。維新の会のメディア操作はこれだけではありません。それを今回、ご紹介したいと思います。

【関連】吉村知事を露骨にヨイショ。民主主義を脅かす「吉本興業」と維新の浅からぬ関係

 

なぜオンキヨーは経営再建ではなく、いきなり「破産申請」を選択したのか?

かつては国産高級オーディオの雄として名を馳せたオンキヨー。その直系とも言えるオンキヨーHEが先ごろ破産申請を行い、多くのファンから悲嘆の声が上がっています。なぜ同社は経営再建ではなく破産申請を選択したのでしょうか。その疑問に答えてくださるのは、財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズ代表取締役で、iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授の村上茂久さん。村上さんは今回、オンキヨーHEが破産申請に至った理由を会計とファイナンスの視点から探るとともに、同社破産後も2つの「オンキヨー」の名を冠する企業が残る理由を解説しています。

プロフィール:村上茂久(むらかみ・しげひさ)
株式会社ファインディールズ代表取締役、GOB Incubation Partners株式会社CFO。iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授。経済学研究科の大学院(修士課程)を修了後、金融機関でストラクチャードファイナンス業務を中心に、証券化、不動産投資、不良債権投資、プロジェクトファイナンス、ファンド投資業務等に従事する。2018年9月よりGOB Incubation Partners株式会社のCFOとして新規事業の開発及び起業の支援等を実施。加えて、複数のスタートアップ企業等の財務や法務等の支援も手掛ける。2021年1月に財務コンサルティング等を行う株式会社ファインディールズを創業。

破産申請のオンキヨー。その後に残る2つの「オンキヨー」の名前がつく会社とは

オーディオ機器で有名なオンキヨーホームエンターテイメント株式会社(以下、オンキヨーHE)が2022年5月13日に大阪地方裁判所に対して、破産手続き開始の申立を行い、同日破産手続きの開始を受けたと発表をしました。負債総額は31億円です[1]。

オンキヨーHEの過去5年間の売上は図表1のとおりです。年々売上は下がっていたことに加え、慢性的に赤字の状況で、2021年8月には業績不振で上場廃止にもなりました。

図表1 オンキヨーHE売上の推移

図表2 オンキヨーHEの営業利益及び当期純利益の推移

とはいえ、今回の破産申請には気になる点が2点あります。第一に、民事再生や会社更生といった経営破綻後の企業再生手続を申請するのではなく、いきなり会社そのものが無くなる破産を申請した点です。過去、英会話学校のNOVA、航空会社のJALやスカイマーク、半導体メーカーのエルピーダ等のように大企業が経営破綻したケースは多数あります。これらの企業において、NOVA、JAL、エルピーダは会社更生、スカイマークは民事再生といった法的整理を通じて、経営を再建していきました。

しかしながら、オンキヨーHEは会社更生や民事再生といった法的整理を通じた経営再建を行わず、いきなり破産申請となっています。なぜでしょうか。

2つ目は、負債額が31億円と売上と比べてそれ程大きくないことです。図表1にあるとおり、2021年3月期においてもオンキヨーHEの売上高は89億円ありました。この売上規模からみると、負債総額31億円というのはそれ程大きくありません。売上高を踏まえると、31億円の負債額でいきなり破産ではなく、民事再生等の法的整理を通じて事業を継続しても良いように考えてしまいます。

本稿ではこれら2つの疑問に答える形で、オンキヨーHEの破産の背景を探るとともに、オンキヨーHEが破産したあとも残る「2つのオンキヨー」について解説を行います。

[1]オンキヨーHE 破産手続開始の申立てに関するお知らせ (6/2現在閲覧できず)

武田邦彦氏が振り返る、米国に甘えた情けない“属国”ニッポンの戦後

以前掲載の「武田教授が明言、「独立国」と認められるために日本人が示すべき決意」で、プーチン大統領の「日本は属国」との主張を一部認め、独立国の要件を説いた中部大学元教授の武田邦彦さん。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』では、敗戦後約80年にわたり、与野党が「阿吽の呼吸」で結託し、アメリカの「属国」に甘んじるシステムを維持してきた手法を暴くとともに、その茶番劇を追認し国民にウソを伝えてきたメディアの罪を厳しく指摘しています。

 

良くやってこれたものだ。属国主義の日本の全政党

アメリカに甘える属国「日本」の80年の政治を振り返る

大東亜戦争から80年弱、よく日本はやってこれたと思う。戦争に負けたとはいえ、輝かしい戦果を挙げて、むしろ敗戦した原因は、戦闘より大量虐殺(東京大空襲、広島長崎の原爆、沖縄占領)などが原因とも言える。

その後、サンフランシスコ平和条約によって形式的には独立国家に戻ったが、実質はアメリカ軍が駐留していたので、国際的には特定の国の軍隊に占領されている属国と言える。日本人はともかく先進国の人から見ると、不思議な国に見えただろう。日本は人口でも、GDPでも世界の大国だ。その大国で、しかも世界一古い歴史を持ち、誇り高き民族が80年弱もアメリカの属国に甘んじているのだ。信じられないだろう。

でも、日本の属国システムは国会で、実に「阿吽の呼吸」でうまくやってきた。集団行動が得意な日本人らしい政治であり、社会だった。

手法としては、独立を回復しても、「憲法九条」をうまく使って「日本の未来を考えないなれ合い政治」に終始してきた。著者の推定も入れて、この80年弱を考えると次のようになる。

1)自民党は「改憲、再軍備」を掲げて結党したが、当初から独立する気持ちはなく(主として当時の記録にある)、それはアメリカの指導部に通知していて(これも日米の記録にある)、日本国民には「改憲、再軍備」と言っていた。

2)日本社会党をはじめとする野党は自民党の腹の内を知って、故意に対決姿勢を取った。この矛盾はやがて社会党の「自衛隊は違憲、合法」という奇妙な言い訳になった。現在でも立憲民主党、共産党などは同じ騙し路線である。

3)日本のマスコミの首脳部は自民党の思惑と社会党との茶番劇を知っていて、それを知らないようなふりをして報道を続けた。

4)自衛隊を作り、すでに世界で5番目の軍事力なのに、「憲法の番人」とされる最高裁判所があるのにも関わらず、憲法九条違反という訴訟は起きていない。自衛隊と称する軍隊は年間、5兆円ほどの国家予算を使っているのだから、訴訟の理由は十分である。でも訴訟が起きていないのは、茶番劇であることの証拠の一つである。

5)属国が自ら属国であることを望んだのは、長い世界史の中でも弱小国以外では初めてであると考えられる。

このうち、最も罪が深いのは、与党と野党の連携で国民にウソをついてきたこと、メディアがそれを知っていてこれも国民に違う情報を伝えていたことだろう。いずれも、もし自分の職務に忠実で正直であれば、70年になるウソを続けることはできなかっただろう。