「家族の一体感」という呪縛。夫婦別姓と犯罪を結びつける人々

先進国の中で日本のみが義務化されているという、夫婦同姓。「選択的夫婦別姓」についてもさまざまな場で議論がなされていますが、その法制化にはまだ高い障壁があるようです。そんな現状を象徴するような愛媛県会議員の信じがたい発言を自身のメルマガ取り上げているのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは今回、『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、その発言がいかに根拠無根かを指摘するとともに、法制化反対派がたびたび口にする「家族の一体感」がどれだけの人間を追い詰めているかを白日の下に晒しています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2020年3月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「家族の一体感」という呪いの言葉

「安易な選択的夫婦別姓は犯罪が増えるのではないか」――。

愛媛県議会で行われた「選択的夫婦別姓制度導入を求める請願」への審査で、自民党の森高康行県議の件の発言により、反対多数で不採択になるという“珍事”が起こりました。

“珍事”?はい、珍事です。だって、この発言の根拠も、真意もよくわからないからです。

(以下、全文)

――いろんなかたちで議論してきた課題ではあるが、子どもの殺人事件等の解説を聞くと、離婚ということで、パートナーとの事実婚が起因した虐待、殺人等が非常にニュースで目につくようなことも最近多いなということを私は感じている。本来の家庭、家族という価値観が日本社会で崩壊しつつあるのではないかと心配もしていて、私は安易な選択的夫婦別姓はより犯罪が増えていくようなことにもなりゃせんかなと心配をもつ立場であるので、より慎重にこのことについてあるべきだということを意見表明しておきたいと思う。――(by 森高氏)

このように「パートナーとの事実婚が起因した虐待」と指摘されてますが、選択的夫婦別姓は「事実婚」では決してありません。むしろ逆です。「選択夫婦別姓が認められないから「事実婚」を選ぶ人は、少なくありません。

また、森高氏は新聞社の取材に対して、「日本社会で離婚が多くなり、本来あった家族の価値観が崩壊しつつある。それが目につくような事件が多い」と答えたと報じられています。「選択夫婦別姓」と「離婚」が、なぜ結びつくのか?その真意はどこからきているのか?まったくもって意味不明です。

つまり、森高氏の思考を整理すると、「選択的夫婦別姓を認める→『離婚』が増える→『事実婚』が増える→虐待や殺人が増える」ということを懸念している、ということなのでしょう。

選択的夫婦別姓については、かねてから「選択的なんだから反対する意味がわからない」という容認派と、「家族が同じ姓を名乗ることで家族の一体感が生まれ、子供たちが健全に育つ」という反対派が対立してきました(反対派の見解は、2009年に自民党の山谷えり子議員を通じて法務委員会に提出された請願書に書かれているので、興味のある方はこちら「選択的夫婦別姓の法制化反対に関する請願」をご覧ください)。

森高氏の「犯罪が増える」という意見の背後には、反対派の「一体感」がなくなるというロジックが存在しているのでしょうが、増えているのは、「同じ姓」を名乗る家族間の殺人事件です。

警察庁によると、2016年に摘発した殺人事件(未遂を含む)は770件で、1979年に比べほぼ半減しました。ところが、親族間が占める割合は44%から55%に増加。実に半数以上が“家族間の悲劇”で占められていたのです。

家族間の悲劇は、2004年以降急激に増えました。

2003年までの25年間は検挙件数全体の40%前後で推移してきましたが、2004年に45.5%と増加に転じ、その後、増え続けているのです。

兵法の大家・孫子の言葉の誤解で知った「生兵法は大怪我のもと」

「危機管理においては『巧遅拙速』を旨とせよ」。軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さんが、災害やテロ、そして新たな感染症などに対峙する側の心構えとして、事あるごとに発してきた言葉です。小川さんはこの言葉の出典を『孫子』としてきましたが、それが誤りであるとの指摘を受けたようです。今回、主宰するメルマガ『NEWSを疑え!』で、自身の不明を正直に告白し、孫子の言葉と意味を危機管理や軍事の教訓として読み解き直しています。

「拙速」と言った『孫子』に「巧遅」はない

これまで、ことあるごとに「巧遅は拙速にしかず」と、古代中国の戦略の書『孫子』を引用したかのように、知ったかぶりをしてきましたが、親切な方から教えていただきましたので、おのれの不明を恥じつつ、以下、書かせていただきます。

私は、どんなに立派に仕上がったものでも、タイミングを逸してしまったら何の意味もない。むしろ、雑な部分が沢山残ることは覚悟のうえで最優先すべき目的だけを達成するために素早く行動することが、戦争でも、大規模災害でも、感染症対策でも重要だと述べてきました。

考え方自体はこれでもよいのですが、『孫子』に出てくる言葉は「ゆえに兵は拙速なるを聞くも、いまだ巧の久しきを睹ざるなり」というもので、「巧遅」という言葉は使われていないのです。この言葉の意味は、「拙速で勝った例はあるけれども、巧みにやろうとして勝った例は知らない」というものです。

教えてくださった方によれば、それに関連して『孫子』は次のような意味のことを言っているそうです。
「遠征で自軍を疲弊させては兵の士気と多額の資金を失うので、長期にわたる持久戦をすることになれば国家経済は窮乏する。そうなったら中立だった諸侯も、その疲弊につけ込んで攻めてくることがある。いったんこうした窮地に立ってしまえば、いかに知謀の人でも、善後策を立てることはできない」

ちなみに「巧遅」のほうの出典は、南宋の科挙のための受験参考書『文章軌範』とのことで、模範的な簡潔な文章を書くためのポイントとして「巧遅は拙速に如かず」とあるそうです。辞典の類いにも、『孫子』と『文章軌範』を合体させたと思われる「巧遅拙速」という言葉があり、それにすっかり惑わされてしまったようです。

一般社団法人・孫子塾のウェブサイトには、読者の質問に対して次のような回答が掲載されています。

「拙速の出典は『孫子』ですが、拙速を巧遅より貴ぶのは、『兵には』という前置きがありました。戦争の最中に丁寧に事を運んで、負けてしまっては何にもなりませんね。定石や先例に反していても、結果として戦争に勝つことのほうが優先されます。『拙速は良くない』というのは常識ですが、私(孫子)は戦争ではその常識は通用しないと言いたい、ということです。あえて常識に反することを言っているのです」

これを聞いて、少しは安心しました。やはり、緊急事態にはもたもたしないで早く目的を達成することが第一、ということです。旧軍で「兵は拙速を旨とすべし」と教育されたという話を聞きますが、軍人勅諭、戦陣訓、作戦要務令には見当たらないようです。ご存じの方、教えてください。

今回の教訓。「生兵法は大怪我のもと」。親の言いつけはちゃんと守らなければ。(小川和久)

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シリア情勢再加熱とイラク情勢複雑化。トルコとロシアの狙いは?

このところ断続的に届いていたトルコとシリアの武力衝突のニュース。3月5日にシリア北西部イドリブ県での停戦が合意されましたが、状況はいまだ安定を見ていません。複雑でわかりにくいシリア情勢と、その影響を大きく受けているイラク情勢をメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、国際交渉人の島田久仁彦さんが解説します。トルコ、ロシアの思惑とEUやアメリカ、そしてISの出方は?目が離せない状況にあると声を上げています。

シリア情勢再加熱の恐れ。その背景とは

シリア情勢は9年の歳月と苦悩を経て、アサド大統領側がほぼ全土掌握するまでに勢力を回復し、“落ち着いた”と伝えられていました。それに呼応するかのように、ISの勢いも削がれ、シリアやイラクを舞台にしたISの夢は無残に散ったかのように報じられていました。

その楽観的なムードを一転させたのが、トランプ大統領が突如打ち出した『米軍のシリアからの撤退』と、そこに機を見出したトルコ・エルドアン大統領のギャンブルじみたシリア・イドリブ県への侵攻です。

以前にもお伝えした通り、イドリブ県は、アサド政権軍が唯一奪還できておらず、反政府武装勢力の最後の拠点となっていましたが、トルコにとって大問題だったのは、ここにクルド人勢力が多数存在したことでした。

シリア内戦を巡るチーム分けとしては、トルコは、アサド大統領に反対する反政府組織をバックアップしてきましたが、アメリカの介入で突如、クルド人勢力が反政府組織に加えられたことでとても複雑な状況に追い込まれました。

反政府武装勢力の健闘も虚しく、イドリブ県以外はアサド政権軍が奪還に成功しますが、そのイドリブ県で反政府武装組織とクルド人武装組織が拠点を作り、対アサド大統領の最後の戦線をはることになります。

アメリカも反政府武装組織をサポートしていましたが、一方的な撤退のアナウンスがなされたことで、『反政府武装組織へのサポート』という建前を用いて、宿願のクルド人勢力の壊滅という本当の目的を果たすべく、力の空白と混乱の最中、トルコ軍が国境越えをしたのが、確か昨年秋でした。

その後、散発的な戦闘がシリア軍とトルコ軍の間で繰り広げられていたのですが、小競り合いが次第にエスカレートしたことで、双方に死者が出て、一触即発の危機が訪れましたが、シリアの後ろ盾であるロシア・プーチン大統領が仲介することで、イドリブ県における停戦合意を昨年12月に締結し、事態が落ち着くかに思われました。

しかし、今年に入って、停戦合意は破られ、再度、シリアとトルコの戦闘が始まりました。エルドアン大統領は、ロシアがシリアに停戦合意を守らせていないと批判したことで、一気にトルコとロシアの関係がぎくしゃくし、2月末までに数度、シリアに派遣されているロシア軍とトルコ軍が対峙するという緊張状態に陥ることになりました。

トルコとしては、ロシアとの戦闘はどうしても避けたいと願っており、またロシアとしても、ウクライナ問題を抱え、またシリアを死守したいとの思惑があることから3月5日に首脳会談を開催することで合意しました。

しかし、ご存じの通り、6日からイドリブ県におけるbuffer zoneをロシアとトルコが共同でパトロールするという合意ができましたが、実際には両国の認識に大きな差があり、火種は消えていません。

五輪中止なら払い戻し不可?IOC「開催宣言」には選手から批判も

新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、東京オリンピック・パラリンピックが中止となった場合の観戦チケットの払い戻しができない可能性が高いことがわかったと、朝日新聞などが報じている。また、国際オリンピック委員会(IOC)は17日、電話会議形式による臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大で中止や延期の懸念が高まっている東京五輪を予定通り開催する方針を再確認したと共同通信などが報じている。

最高額30万。払い戻しは不可能?

観戦チケットの購入・利用規約によると、テロや火災、天候、国や自治体の規制など、大会組織委員会のコントロールが及ばない範囲の問題で開催ができなかった場合は、「不履行について責任を負わない」とされている。大会関係者は、新型コロナウイルスの感染拡大によって開催されなかった場合は「公衆衛生に関わる緊急事態」に当てはまり、規約上、払い戻しはできないという。

日本経済新聞によると、競技チケットは、バスケットボールと競泳で最高10万8千円。野球は最高6万7千円。男子100メートル決勝などがある陸上競技・午後決勝では、なんと最高13万円にもなる。このほかにも、開会式は1万2千~30万円、閉会式は1万2千~22万円。規約には記載されていたとはいえ、払い戻しができないとなると購入者からのクレームも予測される。

東京五輪は予定通り開催される?

IOCは17日、臨時理事会を開催。「東京五輪に向けて変わらず全力を尽くす。大会まで4カ月以上ある現段階で、思い切った決定を下す必要はない」として、予定通り開催に向けた準備を進める方針を示した。IOCは、各国オリンピック委員会や国際パラリンピック委員会、アスリート代表と電話会議を実施する予定だという。

しかし、東京新聞によると、これを受けたスペイン・オリンピック委員会のブランコ会長は、「世界中で日々、心地よくないニュースが流れている。開幕まで残り4カ月で公平な条件の下、選手が五輪まで到達できない」と延期を求めたという。

「カラダの冷えは、もったいない」鍼灸師が訴えるワケと対処法

外出を控えて運動不足になると、知らずしらず低体温となってしまうようです。そして、体温が低い状態は内蔵、筋肉、関節、果ては気持ちまで停滞させてしまうと、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者のぶ先生が注意を促します。先生は「冷えていては都合が悪い生活習慣」を推奨。適度な運動として「階段昇降」をオススメしています。

カラダの冷えは、もったいない

【カラダが冷えていると、いろいろもったいない】

カラダが冷えているということは、「体温が十分に高まっていない」ということ。体温が低いと、

  • 血流が不十分なため筋肉や関節はこわばり
  • 心臓の働きが弱いからカラダの活力が落ちて、気持ちも憂鬱傾向に
  • 内臓の筋肉も機能低下するから、胃もたれや便通異常で体の居心地が悪くなる
  • 手足の末端が冷えていると、細かい作業が苦痛になったり、根気が続かなくなったり
  • 脳や目への血流が不足しがちだから、集中力が落ちて、物事に取り組む意欲が低下する

こんな風に、体が冷えていると、「生きていくパフォーマンス全般」が落ちるわけです。

【冷える体で満足しない】

そもそもカラダが冷えているのは、カラダが冷えている状態に満足しているから。カラダが「冷えている状態」に、不満や危機感を持ち始めると、代謝はよくなります。

そのためには、「冷えていては都合が悪い生活習慣」に切り替えること。無理をする必要はないですが、少し体をアクティブに使うことが必要。

【温まるカラダづくりのキーワード】

「足腰」と「立ったりしゃがんだり」、です。1日の内、こまめに立ったりしゃがんだりをすることで、心臓に適度の負荷をかけて、足腰の十分ストレッチを効かせる運動が、血流を促し自律神経を適度に刺激して内臓機能を高めます。

カラダが緩慢なら、こまめに「立ったりしゃがんだり」を繰り返すこと。身近なことは自分でやる。身の周りのごみをごみ箱まで捨てに行くとか、人に頼まないで自分でものを取りに行く、などですね。あるいは、呼吸を丈夫にするために、「ちょっと散歩に出かける」のもよい取り組みです。

おすすめは「階段昇降」。「階段上り」でひざをあげたり、「階段下り」で踵でしっかり地面を踏むことで、足腰の関節や筋肉に適度な刺激が加わり、体の活性度が上がります。

活気ある日常生活を送るには、そもそも「低体温」では役に立ちません。日常生活に程よい負荷をかけることで、「温まるカラダ」は手軽に手に入れることができます。

もちろん、怠ければ「冷めた体」で十分なわけですから、怠ければ「元の木阿弥」。このあたりの自覚は、どれだけ自覚を持つことができるかにかかっています。5年10年先の体のことを考えて、「今の暮らし方」にちょっと責任意識を持ち合わせてみると、体づくりの必要性は見えてきそうですね。

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NY市、外出禁止と服役囚釈放の検討も。全米でコロナの影響広がる

アメリカのニューヨーク市のデブラジオ市長は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための策として、ニューヨーク市に屋内退避勧告発令の可能性を示したとロイター共同通信などが報じた。デブラジオNY市長は、屋内避難勧告の決定は下していないものの「市民はその可能性に備えるべき」とし、48時間以内に決定されるとの見込みを述べたという。また、サンフランシスコ市ではすでに外出禁止が発表された。



サンフランシスコ市周辺は外出禁止

ニューヨーク州全体ではこれまでに1300人以上の感染が確認されており、ニューヨーク市では配車サービスについて、家族や夫婦などを除き、他人との相乗りは禁止された。また、共同通信によると、サンフランシスコ市と周辺地域では、4月7日までの外出禁止期間がスタート。不要不急の外出が禁じられ、違反すれば罰則の対象となるとしている。

店内飲食禁止も…

中日新聞によると、アメリカ国内の一部地域では、飲食チェーン大手が店内飲食を一時的に停止し、テイクアウトと配達だけの営業に切り替えている。マクドナルドは店内飲食コーナーを閉じ、飲料のセルフサービスも停止。商品はテイクアウト、ドライブスルー、配達で提供するという。スターバックスは、商業施設や大学構内にある直営店の休業と、店内飲食の停止を発表している。

政府、1万2千円以上の現金給付を検討。ネット「消費減税を」の声

新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みへの緊急経済対策として、政府・与党は17日、国民1人ずつに現金を給付する案を盛り込む調整に入ったと毎日新聞テレ朝newsなどが報じた。リーマン・ショック時には、1人あたり1万2000円の定額給付金を配布していたが、今回はそれを上回ると見られている。


給付の対象は?

安倍首相と岸田文雄政調会長は17日、経済対策について協議。「国民1人ずつに現金給付」といった緊急経済対策を、大筋の方向性で一致したと岸田氏は記者団に明かした。しかし給付の対象を、子育て世帯や所得の低い人に限る検討も行なわれているという。

米は1人あたり10万円の給付

アメリカのムニューシン財務長官は、国民への現金給付を2週間以内に実施したいと発表。金額は、1人あたり1000ドル=10万円ほどを給付する案が噂になっている。正式な金額はまだ発表されていないが、噂通り1000ドルが給付されるのであれば、新型コロナウイルスが与える家計へのダメージは大幅に削減されるだろう。

「コロナばらまいてやる」愛知・蒲郡市の50代男性が死亡と判明

新型コロナウイルスに感染していると知りながら複数の飲食店を利用していた愛知県蒲郡市の男性(57)が、18日午後1時ごろ、県内の入院先の病院で死亡したと、中日新聞産経新聞などが報じた。男性は新型コロナウイルス感染前から重い持病があったという。

男性は4日、新型コロナウイルスの陽性が判明した後、愛知県蒲郡市内の居酒屋とパブの2店に立ち寄り、その際にパブ店主が知人から「男性がパチンコ店や飲食店で菌をばらまいてやるといっている」と連絡を受けたため、男性に事実を確認。男性が陽性を認めたことから30分程度で退店させたが、その際に店内に居合わせていた従業員が8日から発熱や喉の痛みを訴え、12日に感染が確認されていた。

蒲郡市の鈴木寿明市長は記者会見で「自宅待機の指導がありながら、市民に感染の危険が及んだことは大変遺憾」と述べていた。

パブ経営者の男性は13日、営業を妨害されたとして県警蒲郡署に被害届を提出、県警は業務妨害の疑いがあるとみて捜査する方針を発表していたばかり。

社会問題として連日ワイドショーなどに取り上げられていた感染者の男性が、入院先の病院で死亡したというニュースを受けて、ネットでは驚きの声が多数挙がっている。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 中日新聞産経新聞時事通信

image by: 蒲郡市役所 Lombroso / CC BY-SA

トランプ正直発言が裏目。新型コロナ全米「パニック」モード突入

新型コロナウイルスについて、先月末には「米国ではよくコントロールされている」と述べていたものの、13日に国家緊急事態を宣言するなど、ここに来てその対応姿勢を一変させたトランプ大統領。この変化をアメリカ社会はどのように受け止め、どのような動きを見せているのでしょうか。米国在住の作家・冷泉彰彦さんが今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、新型コロナ渦に揺れる「アメリカの今」をレポートしています。

(ドキュメント)激しく揺れるアメリカのコロナウィルス対策

3月11日(水)の晩、ホワイトハウスの執務室から行われたトランプ大統領のTV演説は大変な不評でした。コロナウィルスに関して国民に説明するという触れ込みで行われたにも関わらず、内容は「30日間にわたりヨーロッパからの渡航を禁止する」というものだったからです。

大統領の論理ですが、この時は幼児のように単純に見えました。「米国は中国との国境を閉鎖したので感染を防ぐことができた」「だが、ヨーロッパは国境を開き続けて感染を拡大させた」「だから今度はヨーロッパとの国境を閉鎖する」というのです。ちなみに、BREXITを評価する観点からなのか、英国は除外するという支離滅裂なオマケもついていました。

また、ウィルスのことを数回にわたって“foreign virus”(外来のウィルス)と表現したことも批判を浴びました。孤立・排外主義のコア支持者には「ウケる」表現かもしれませんが、危機感不足と言われても仕方がないからです。

市場は、落胆というよりも激怒したと言っていいでしょう。12日の木曜日は、NY市場は取引開始前から先物が暴落、9時半にオープンすると投げ売りとなり、9時35分には、S&P指標が7%下落して自動的に「サーキットブレーカー」制度が発動して15分の取引停止となりました。再開後も株価は下がり続けて、午後4時の取引終了時にはダウ平均で10%(正確には9.99%)という猛烈な下げとなったのです。

そもそも、この時点までトランプ大統領は、コロナウィルスに関して非常に安易な姿勢を取って来ていました。

「コロナウィルスへの過剰反応は民主党の陰謀」
「致死率3.4%というのはフェイク」
「アッという間に消えてなくなるシロモノ」

というような発言を、特に国際交流の薄い中西部の支持者を相手に喋りまくっていたのです。

同時に、ウィルス検査(PCR)については、大衆迎合主義とでも言ったらいいのかもしれませんが、「検査はビューティフル」「数百万単位ですぐに受けられるようになる」などと、これまた楽観論を振りまいていました。

12日(木)の株式市場における史上最大の暴落は、そうしたリーダーシップ不在状況を前提に、広がる不透明感への恐怖と絶望から起きたのです。

そんな中で、13日(金)の午後3時30分からは、再び大統領の緊急会見が行われました。会場はこんどは屋外で、ホワイトハウスの「ローズガーデン」でした。多くのメディアは、再び大統領が的外れなことを言うのではないかと思って中継をしていたようです。

それにしても、通常は午後4時まで取引の続く株式市場がオープンしている時間帯に会見をぶつけて来るというのは、大胆不敵、そうとも受け取れるわけですが、会見冒頭の大統領は、2日前と同じように「ヨーロッパに対する国境閉鎖は正しかった」などと既定路線の繰り返しとなりました。この時点で、株価は500ドルぐらい下げたのでした。「国家緊急事態宣言」をしておきながら、その内容が水曜日のコピーであれば落胆が広がるのは当然です。

ところが、開始数分後に様子が違って来ました。株価は急速に上昇して、一気に1,000ドル以上暴騰、前日の下げのほとんどは戻してしまったのです。

新型コロナ対策のジレンマ。30万人以上の死者か、大量の失業者か

先日掲載の「『新型コロナの感染拡大を遅らせても感染者総数は同じ』の大ウソ」で、独自に立てたモデルの計算から導き出された「感染拡大速度と感染者数の関連性」を提示し、大反響を呼んだメルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さん。中島さんは今回、同モデルで試算した「イベント自粛や休校をやめるべきタイミング」を記すとともに、各国が避けて通れない「新型コロナ対策のジレンマ」についても論じています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2020年3月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

● 【大反響記事】「『新型コロナの感染拡大を遅らせても感染者総数は同じ』の大ウソ

感染モデルの詳しい解説

3月1日に100人の感染者が国内にいたとなると、ピークの時期は、

  • 感染率1.8:4月18日
  • 感染率1.3:5月8日

となります。色々な仮定が入っているので、必ずしもこうなるとは限りませんが、おおよその目安として参考にするのは悪くないと思います。つまり、今の感染拡大のスピード(1日33%)のままでは、4月の中頃にピークが来るけれど、何らかの対策で感染拡大のスピードを落とすことが出来れば、ピークは5月にずれ込む、ぐらいのイメージです。

「感染率を下げるために特別なことを永遠に続けないといけないのか?」という質問が来たので、それも考慮に入れたグラフを作ってみました。

下のグラフは、感染が縮小に向かい始めたところで、(規制を緩めるなどして)感染率を1.8に戻した場合にどうなるかを示しています。

nakajima20200317-1

収束に向かっていた感染者数が再び増え始めますが、医療崩壊を起こすほどのことはなく、二つ目のピークを迎え、収束に向かいます。

この場合、ピークを低く抑えることは出来ますが、感染者数は6,200万人に増えてしまいます(感染率を1.3に押さえたままだと4,500万人)。

ちなみに、感染率を下げるために学級閉鎖・渡航禁止・イベント禁止などの措置をすると経済的なインパクトが大きく、あまり長期間行うことも好ましくないので、「どの時点で、どのくらいの期間」やるべきかがとても難しいのです。

このモデルに基づいて色々と試しましたが、ある程度感染者が増えた段階(40万人程度)で規制をスタートし、国民の35%程度(3,500万人)が免疫力を持った時点で規制を緩めるのが良いという結論になりました。

「ある程度感染者が増えた段階(40万人程度)で規制をスタートし」という部分が不思議に思えるかもしれませんが、感染者があまりに少ない段階で規制を初めてしまうと、規制期間が長期間に渡ることになるため、ある程度感染者が(つまり免疫を獲得した人が)増えてから規制をスタートした方が、規制期間が短くて済むのです。上で計算した拡散のスピードを代入すると、約30日となります。

ドイツのメルケル首相が、ドイツ国民の6~7割が新型コロナウィルスに感染することになると発言して注目を集めていますが(参照:「Merkel Gives Germans a Hard Truth About the Coronavirus」)、私も彼女のような立場にいれば、同様の発言をすると思います。

米国でも専門家は同じようなことを言っていますが(参照:「Republicans Were Warned in Private Briefing Most Americans Will Be Exposed to COVID-19」)、トランプ大統領からはそんな発言は出てきません。

有効なワクチンや治療薬が見つからない限り、このウィルスの拡散を止めることは出来ないのです。拡散のスピードをよほど上手に出来たとしても国民の45%、最悪の場合80%がこのウィルスに感染することになるのです。

そうなると、我々が出来ることは、(適切なタイミングで)拡散のスピードを抑えて医療崩壊を避け、重症者に適切な治療を施して、致死率を可能な限り下げることに尽きるのです。