すべての食堂のお手本。沖縄のとある大衆食堂が地元に愛されるワケ

沖縄県民で知らない人はいないと言われるほどの大衆食堂があります。創業は昭和49年ですが、いまだに多くの人から愛され続けている名店だそうです。今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中でそのお店をピックアップ。その人気の秘密を語っています。

チキンナゲット定食? 観光客をも引き寄せる、沖縄大衆食堂の魅力

沖縄県那覇市に、昭和49年創業の大衆食堂があります。沖縄県民で知らない人はいないと言われるほどの人気店。

9:30~23:00の長時間営業の間には、お店の前にある沖縄大学の学生や周辺のサラリーマンがたくさんやって来ます。

地元のおばあたちが作るメニューは、約80種類。毎日来る人が多いので、飽きさせないように、メニューが多くなったのです。

メニューには、沖縄の郷土料理が並ぶので、県外(内地)の人から見れば、驚きとワクワク感があります。地元の人が食べる日常食を体験できるので、観光客も多くなっているのです。

「ヘチマ定食」「中味いりちゃー定食」「麩ちゃんぷる定食」「ゆし豆腐定食」「やんばるそば定食」など。

その中でも、ちょっと異質なものが目に留まります。

「チキンナゲット定食」。

チキンナゲットとマカロニサラダ、山盛りポテトフライ、ソーセージ、沖縄そば(小)、ご飯がセットになっています。

これは、沖縄県民でさえ、驚くものです。ナゲットでご飯を食べることが想像し難いからです。

しかし、これは沖縄県民の食の好みを知っているからこそ、生まれたものです。

沖縄県民は、鶏肉好きです。フライドチキンやチキンナゲットをイベントの度に食べます。生活に欠かせない料理になっているのです。

このお店では、ふと食べたくなった時に、そこにあるメニューなのです。

長年に渡る営業で、地元の食を知り尽くし、お客さまが欲する料理を揃えていった結果が、80種類のメニューとなったのです。

吉野家、子会社のはなまるうどんでも不適切表現。「女子ぶっかけ」「男子おいなり」で反省ゼロ、役員解任も火に油

早稲田大学で行われた講座で、マーケティング施策について「生娘をシャブ漬けに戦略」などと発言した、大手牛丼チェーン「吉野家」の取締役常務・伊東正明氏が解任されたことがわかった。吉野家ホールディングスが19日午前に発表した。しかし、吉野家の子会社である「はなまるうどん」でも性的表現を匂わせるキャンペーンを行っていたことが発覚し、炎上騒動は収まりそうにない。

子会社の「はまるうどんでも」お下劣なコピー

ネットで話題となっているのは、はなまるうどんが2013年に行った「誰が一番綺麗にうどんをすすれるか」を競う「スリリングカップ」というキャンペーン。

「女子ぶっかけ部門」「男子おいなりさん部門」「かまたま部門」など、明らかに性的表現を匂わす言葉を用い、低俗なキャッチコピーを打ち出していた。

これは案の定、すぐに消費者からクレームがついて名称は変更された。あまりにも低俗な手法だったため、わざとクレームを誘導して、注目を集める「炎上商法」ではないかと勘ぐるむきもあったが、誰もが知る有名うどんチェーンでそんな姑息な手段を使う必要はない。

下品なコピーが社内でストップがかかることなく、そのままリリースされる企業体質は当時から問題視されていたが、まさか親会社である吉野家でも似たようなことが起きるとは誰も想像していなかっただろう。

そうした差別表現や下品な発想を楽しむ風土がグループ内にあると思われてしまっても仕方がない。

現在、吉野家はタレントの藤田ニコル(24)をイメージキャラクターにして、牛丼だけでなく親子丼や定食に注力して若い女性を客層に加える取り組みが進められている。そんな中、役員自らの不用意な発言で台無しにしてしまうとはあまりにも情けない。

はなまるうどんの件から10年経っても、その企業風土は改善されることがなかったと言わざるえない。

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蔑まれたのは女性だけじゃない。男性蔑視発言も

「生娘シャブ漬け戦略」だけが取り沙汰されている伊東氏だが、講座の中では男性客に対しても「家に居場所のいない人が何度でも来店する」と、利益の源泉である男性顧客を中傷する発言もしていたという。

ビジネスインサイダーにおける女性受講者のインタビューによると、授業には早稲田大学教授をはじめ他の講師陣や運営スタッフも同席していたが、その場で注意をする人はいなかったという。

伊東氏はマーケティング分野で日本最高峰と呼ばれるP&G社で「ジョイ」「アリエール」をトップシェアに引き上げた立役者。2018年に独立後、マーケティング塾を主催しながら、吉野家に常務取締役として引き抜かれた、マーケティング分野では超一流の人物だ。

日経クロストレンドの2021年のインタビューでは「顧客とは数字ではない。顧客を分析することよりも、ユーザーの声に耳を傾けることが大切」という主旨の発言をしている。自身が語ったように顧客の声を聞いていたら、このような失言はなかったはず。

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今回は受講生がすぐに大学の運営サイドに報告したことで発覚したが、誰も声をあげなければそのままスルーされていた可能性が高い。大きな代償を払うことになった吉野家だが、企業体質を根本から変える良いきっかけにするしかなさそうだ。

デジタル人民元が、対プーチン露の金融制裁“抜け穴”説は本当なのか?

中国が通貨覇権を目論み繰り出し、今や2億人以上がウォレットアプリを利用しているとも言われるデジタル人民元。そんなデジタル通貨が、ロシアへの経済制裁の抜け穴になりうるとされ議論を呼んでいます。果たしてそのような可能性はあるのでしょうか。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、タイムスパンを短期・長期に分け、デジタル人民元が抜け穴として機能するのか否かについて考察。さらにこのデジタル通貨の未来についての予測も試みています。

 

「中国『デジタル人民元』は、対ロシア経済制裁の『抜け穴』になる」は本当か?

ウクライナ戦争の停戦は遠のいたのか。

中国メディアの多くは、ロシア軍によるウクライナ侵攻直後から「アメリカ・北大西洋条約機構(NATO)の目的は、戦いの長期化」と予測していた。ゆえに停戦が具体化した3月29日の協議直後から、米・NATOがにわかに攻撃型兵器の支援に踏み切ったのを受け、「やっぱり」と大見出しで報じた。

アメリカの支援は侵攻後50日間で計25億ドル(3,125億円)に達した。ウクライナ国防予算の約40%に匹敵する莫大な額で、間接的にウクライナの戦いを支えている構図が透けて見えるのだ。

当然、ロシアは敏感に反応し、兵器供与への正式な抗議として外交文書「デマルシェ」を米国務省に送付した。同時にキーウへの攻勢を再び強めようとしている。

戦争が泥沼化へと向かうことへの世界の苛立ちは、ロシアへの経済制裁の有効性への疑問や、これに参加しない中国へも向けられている。そして対ロ制裁の要、金融制裁の抜け道として中国が進めるデジタル人民元にもその矛先は向けられ始めた。

デジタル人民元は対ロ金融制裁の「抜け穴」なのだろうか。

結論を急げば答えは「Yes」であり「No」だ。そう言わざるを得ないのは、短期的には「否」で長期的には「是」だからだ。

例えば、対ロ制裁の切り札である国際銀行間通信協会(SWIFT=金融機関の国境を跨いだ取引のメッセージ通信を提供する国際的ネットワーク)からの排除は、一時的にルーブルの価値を大幅に損ねた。だが現状、ルーブルの価値は侵攻前の水準に戻っている。つまり制裁の不発を思わせるが、それは世界がロシア産天然ガスなどエネルギーに依存──とくに欧州が──していることが前提であり、対ロ貿易の決済をルーブルで行うとプーチン大統領が宣言したことが影響したと考えられる。エネルギーが不可欠であれば決済方法は多種ある。

アメリカの金融制裁にはさらに広範で強力な「二次制裁」もあるとされるが、プーチン大統領が「困るのは買い手」と発言したように、かえって買い手が決済方法を模索することになる可能性は排除できない。

いずれにせよここにデジタル人民元が抜け穴の役割を果たしたという話は寡聞だ。

一方でデジタル人民元が将来的な制裁の抜け穴となるかもしれないとの指摘はアメリカ国内からも聞かれる。

例えば、元米国防次官補のアディティ・クマール氏は「デジタル人民元とドル── 脅かされる米ドルの覇権」(『フォーリン・アフェアーズ』2020年7月号)のなかで「デジタル通貨は、現行システムを回避するスケーラブル(計測可能)なクロスボーダーメカニズムを提供できるため、米ドル取引とアメリカによる金融監督を回避するという目標の実現に貢献できる」と記している。

重要なことはこの抜け穴が実現するのか否かだ。そしてそれはアメリカ次第なのだ。

 

ウクライナ紛争でも証明か。戦争は「英国が味方に付いた方が勝つ」という不敗神話

圧倒的な軍事力を誇るロシアを相手に、一歩も引かぬ抗戦姿勢で驚異的な戦果を上げるウクライナ。そんなウクライナをアメリカとともに強力に援護するイギリスには、現在まで継続している「味方についた国は負けない」という神話があるといいます。この不敗神話を取り上げているのは、立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、その事例として日露戦争を挙げイギリスが果たした役割を紹介するとともに、日本が今後、イギリスと同盟関係を結ぶべき「神話」の存在以外の理由を解説しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

「戦争は英国が味方についた方が勝つ」という不敗神話

ウクライナとロシアの停戦協議が停滞している。ロシア軍による民間人虐殺疑惑が明らかになったことで、ウクライナ側が態度を硬化させた。ウクライナ側は、ロシアが併合した南部クリミアについて「15年かけて協議する」との方針を撤回し、「ウクライナの領土の一体性」について一歩も譲歩しない姿勢に戻った。それをロシア側は、「最も重要な部分が抜け落ちている」と拒否した。停戦協定は、先行きがみえなくなった。

ウクライナ軍の想像を超える奮戦が続き、紛争が長期化・泥沼化した背景には、米国、英国などを中心とするNATO軍のウクライナに対する支援がある。対戦車ミサイル「ジャベリン」、トルコ製のドローン「バイラクタルTB2」、歩兵が肩に担いで撃てる地対空ミサイル「スティンガー」などの、NATO軍からウクライナ軍に提供された兵器が威力を発揮している。重要なことは、これらの兵器が、戦争が始まってから提供されたものではないことだ。すでに開戦前にウクライナが保有し、ロシア軍を待ち構えていたのだ。

特に、米英は昨年11月頃から、ロシアのウクライナへの大規模侵攻の懸念を訴え続けていた。確かに、ロシア軍約17万人がウクライナとの国境沿いに終結していた。だが、ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相が「侵攻が迫っている兆候はない」と発言するなど、誰も本当にロシア軍がウクライナに侵攻するとは考えていなかった時だった。ところが、ジョー・バイデン米大統領やボリス・ジョンソン英首相は、まるで戦争を煽るかのように、ロシア軍の危険性を指摘し続けていた。

昨年12月、米誌ワシントン・ポストは、情報機関の文書の内容として、ロシアがウクライナ侵攻を計画中と報じた。そして、ウクライナ国境に集結したロシア軍の規模や侵攻ルートを指摘した。驚くべきは、実際に侵攻が始まった時の規模・侵攻ルートを正確に当てていたことだ。

そして、戦闘が始まると、ウクライナ軍は、ロシア軍の経路、車列の規模、先端の位置などを把握して市街地でロシア軍を待ち伏せし、対戦車ミサイルやドローンで攻撃した。ロシア軍は多数の死者を出してしまった。ウクライナ軍の背後には、米英の情報機関の支援があると指摘されている。

要するに、米英は、プーチン政権・ロシア軍の意思決定をリアルタイムに近い形で把握している。それが、ウクライナの想像を超えた大善戦をもたらし、ロシアを「進むも地獄、引くも地獄」の泥沼の戦争に引き込んだということだ。

これで職場のストレスとはおさらば!誰でも仕事を効率化できるお役立ちツールとは?

「仕事が進まない!」確認だらけでストレスMAX

ストレス社会といわれて久しい現代の日本。経済的に豊かになり、科学技術も高度に発達し、より便利で快適な生活が実現しているのに、なぜこんなに現代人はストレスを抱えているのでしょうか。

特にストレスを感じやすいのが職場です。厚生労働省が正規労働者および非正規労働者1万8000人を対象に行った「労働安全衛生調査」によると、54.2%の人が仕事や職場に対してストレスを感じ、中でも働き盛りである20~60歳では約6割の人がストレスがあると回答しています。

人間関係によるものが一番多いようですが、「意思疎通が上手くいかない」「仕事が思うように進まない」ことでストレスを感じる人が増えているようです。

皆さんの職場を振り返ってみれば、何を進めるにも上司の確認が必要、しかも確認は一人ではなく複数いる、ルールやマニュアルに縛られて全然進まない~なんていうことが多いのではないでしょうか?

そんな悩める人たちのためにおすすめしたいのが、Adobe Acrobat です。

 

Acrobatを使えば作業効率化で仕事がはかどる!

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Adobe Acrobat といえばPDF。さまざまなビジネスシーンで利用されているので、多くの人に認知されています。文書を固めるためのフォーマットというイメージが強いPDFですが、実は仕事を効率化するためのさまざまな機能がPDFとAcrobatには備わっているってご存知ですか?

業務ではWordやExcelといったソフトなどを利用することが多いですが、これらはファイル形式が異なるため、「macだから開けない!」など不都合が生じます。こうした状況を回避するため、複数の人と情報を共有する場合はPDFを利用している人が多いでしょう。

しかし、問題はその後。担当者が同僚や上司などに確認依頼を出すと、フィードバックがメールやチャット、口頭などのバラバラな方法で返って来るので、コメントをまとめるのに時間と労力がかかります。実はこの作業がかなり面倒で、途端に業務のスピードが落ちてしまいます。

誰もが経験したことのある“無駄な時間”、この作業を効率化できるのがAcrobatです。

 

Acrobatの「コメントを依頼」機能が凄い!

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Acrobatの「コメントを依頼」という機能を使用すれば、クラウド上で共有されたひとつのPDFへのフィードバックをすべての関係者が確認することができるようになります。

2GBのストレージ範囲内であれば、無料のAcrobat Readerでも使えるので、まずはお試しで導入してみることができます。

より本格的にご利用になる場合は、100GBまでのクラウドサービスが付く有料製品のAcrobat Standard/Acrobat Proも用意されています。

 

コメントを共有機能を利用するステップ

コメントを共有する機能を利用するためのステップは以下の通り。

①確認してもらいたいPDFのリンクを発行して関係者に共有

リンクを受け取った人はAcrobatを持っている必要がなく、ブラウザー上で誰でもコメントを追加することができます。

②関係者がPDF上にコメントを追加

コメントする箇所をピンポイントで指定できるだけでなく、手書きの描写も加えられるので、紙に近い感覚で具体的なコメントができます。入力されたコメントはリアルタイムで他の関係者のPDFにも反映されます。

③追加されたコメントを確認して返信

PDFを送った人は追加されたコメントを確認し、必要に応じて返信することができます。また、メンション機能を使って特定の相手にメッセージを送信することもできるので、PDF上でコミュニケーションが完結します。

 

Acrobatはアドビが自信を持ってお勧めするツール

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PDFの生みの親であるアドビが開発したAcrobat。世界中で500万以上の企業、団体が使用しており、品質やセキュリティ面での安心感は抜群。国内の販売シェアもNo1を誇っています(PDFソリューションにおいて、直近年度の販売本数シェア/東京商工リサーチ調べ2022年3月時点)。

そんなアドビが自信を持ってお届けするAcrobatの機能であれば、作業を効率化できることは間違いなしといえるでしょう。

 

Adobe Acrobatに関する詳しい情報はコチラ

PR: アドビ株式会社

image by : アドビ株式会社

元朝日新聞校閲センター長が教える、ビジネス文章に最も必要なこと

会社や役所などが自らホームページやSNSなどを運営する時代。手のこんだ企画や商品の説明だけでなく、簡単なお知らせでも、どう書いたら伝わるのか悩むことはないでしょうか。今回のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』では、著者で朝日新聞の校閲センター長を務めていた前田安正さんが、「“さっと読んで、すっと理解できる”文章こそがビジネスシーンにおける名文」とレクチャー。難解なことばや言い回しで読み手の時間を奪わないように、文章力を磨くことが必要だと伝えています。

 

読み手の時間を奪ってはいけない

企業や自治体の広報文の研修やコンサルティングをする機会が増えてきました。最近は広報文だけでなく、プロジェクターに投影する資料やホームページの監修などの依頼も多くなってきました。

いずれも、伝えたい内容がうまく相手に理解されないということが課題です。いまは、リモートでの打ち合わせやプレゼンテーションが増えてきました。その資料が読みにくくてわからない、とクライアントから指摘されるのだそうです。

すると、その原因は資料のデザインにあるのではないか、と「見せ方」を変えようと考えます。資料やプレゼンテーションのテンプレートをつくったり、フォントの大きさを変えたりします。もちろん「見せ方」は重要なポイントです。

ところが、資料の「文章力」が機能していないのではないか、ということに思いがいたらない場合があるのです。文章力の課題を聞くと、

魅力的な文章を書きたい
表現力をつけたい
資料にキャッチーな見出しをつけたい

というものが多いのです。それも文章力の重要な要素です。しかし、本当に大切なことは

読み手がさっと読んで、すっと理解できること

なのです。

時間を左右する文章力

読み手の存在を忘れて書いた文章は、相手の時間を奪うことになります。読み手も何とか内容を把握しようとしますが、読み進めることができないのです。5分で読める文章を10分かけても内容が理解できない、となれば、読み手の時間を無駄にしてしまいます。こうした文章が10本あれば、読み手の時間を50分余分に奪うことになります。

筆者の文章を点検する上司にかかる時間的な負荷は、それ以上に違いありません。また、わかりにくい文章は誤解を生み、大きなトラブルのもとになります。時間をかけてつくった文章がもとでトラブルを引き起こすということは、危機管理ができていない、というレッテルを貼られてしまうからです。時間の損失だけでなく信用の問題にもなります。

 

平和ボケよりタチ悪い。自分は大丈夫という思い込みが日本を滅ぼす

国内外から指摘され始めて久しい、日本人の危機意識の低さ。ことに外的脅威に対しては、「自分とは無関係」とすら思い込んでいる節があると言っても過言ではありません。何が平均的日本人に、このような考え方を抱かせているのでしょうか。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、日本人の国民性を軸にして、その思考形成における特徴や問題点を考察しています。

 

「平和ボケ」という言葉と日本人の認識

前回、日本の防衛に関する内容を書いてみた。

【関連】自衛隊OBも嘆く。ウクライナ戦争で増した“防衛後進国”ニッポンの不安

まずはウクライナと日本を比較し、そして前回は、日本の「危機管理」ということに関して、基本的には「自然災害」を想定したものばかりで、人為的な危機を想定したものがほとんどないということではないかと思います。

もちろん「人為的な危機」という状態に関して、必ずしもウクライナ侵攻のような「戦争(軍事侵攻)」ばかりではなく、テロや通り魔のような無差別殺人のような犯罪、組織犯罪などに関しても、その内容はあまりよくできていないのではないかと思います。

1995(平成7)年3月20日に東京都の地下鉄霞が関付近で発生した「地下鉄サリン事件」は、ある意味で日本におけるテロ対策の問題を提示した一つの大きな問題ではなかったかと思います。

非常に不謹慎な言い方をしますが、あの時の東京メトロは、当然「サリン」などというような神経ガスによるテロが発生したとは思ってもいなかったでしょう。

もしも早期に化学兵器的なテロであると判断ができていたならば、またはその疑いを持っていたのであれば、もう少し違う対応があったのではないかと思うのです。

実際に、丸ノ内線では、中野坂上駅で乗客から通報を受けた駅員が重症者を搬出し、サリンを回収したが、列車はそのまま運行を継続し終点荻窪駅に到着します。

そして新しい乗客が乗り込みそのまま折り返したため、新高円寺駅で運行が停止されるまで被害者が増え続けることとなったのです。

つまり、中野坂上の時点では乗客個人の体調不良と判断され、サリンによるテロであるというような感覚は全く持っていなかったということから、被害が拡大してしまったということになるのです。

また霞ヶ関駅では、千代田線で被害が出てサリンが入っているとは知らずにパックを除去しようとした駅員数名が被害を受け、うち駅の助役と応援の電車区の助役の2人が死亡し、231人が重症を負うという被害が発生しています。

このように、「まさか」という感覚がなく、通常の平時の対応をしてしまうということから、被害を拡大した一つの例ではないかと思います。

もちろんこのことで東京メトロを問題視することはできないと思われます。

日本人は、「そんなことはあるはずがない」と思ってしまい、被害を大きくしてしまう性質があります。

通常危機ということに関しては、当然に「現象から考えられる最悪の状態を想定して行動する」ということが危機に対する対処であることは言うまでもありません。

しかし、日本の場合はそのようにしてしまうと「大げさな」とか「そこまでしなくても」などというような声が上がってしまうということになります。

つまり、管理担当者や危機管理者が、最悪を考えて行動をしていたとしても、他の国民の多くは「危機などはあるはずがない」というような感覚でいるということになるのです。

要するに、「危機などはあるはずがない」ということが、基本的には日本人の通常の感覚になり、最悪の構えをすれば「大げさ」というようなマイナスの評価をしてしまうということになるのです。

これは一つには「自分たちには被害がない」というような、根拠の無い自信があるということになります。

ここに「根拠がない」としっかりと書きましたが、なぜ根拠がないのに自信があるのでしょうか。

 

韓国ソウルの真実。北からの核攻撃に「逃げ場なし」という悲惨な実態

ミサイル発射実験を繰り返す独裁国家と国境を接し、常にその脅威と対峙し続ける韓国。もし仮に今、首都ソウルに北朝鮮から核攻撃を受けたとなった場合、市民の命は守られるのでしょうか。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、現地日刊紙に掲載されたソウルにおける避難所の実態を伝える記事を紹介。そこに記されていたのは、首都に住む一般市民に逃げ場はないという悲惨な事実でした。

【関連】旧ソ時代に建設。ウクライナの地下シェルターが想定していた敵

ソウルに核が落ちたら

ソウルに核が落ちたら…というテーマで国民日報で取材している記事があった。簡潔にご紹介したい。

ウクライナのように爆撃を受ければ、韓国は安全なのか。ある理由で戦争が起これば、ソウルが第一標的になる可能性が高い。都市を離れようと車を運転していては立ち往生する道路の真ん中でミサイルが頭の上に落ちないことを祈るしかない。結局、まずは避難所に駆けこまねばならないが、避難所がどこにあるのか分からない人がほとんど。ある地域は避難所が不足しており、収容人員も膨らみ、町内の人が全員入ることもできない。互いに体をくねらせながら隠れていても、一般のビルやマンションの地下駐車場である民間防衛避難所は、核やミサイルを防ぐほど安全に設計されてはいない。

「避難所とはいえ、駐車場だけがぽつんとあるだけです。避難マニュアルもなく民間防衛訓練もしたことがありません」。ソウル恩平区津寛洞(ウンピョング・ジングァンドン)にあるマンション管理事務所のある関係者は、平然とこう説明した。先月24日に訪れた同マンションの地下駐車場は民間防衛避難所に指定された所だ。

行政安全部が決めた通りなら10個の洞(ドン=何丁目に相当)の住民が使用する同マンションの地下駐車場の2階は、戦争が起これば近隣住民1万9,693人を収容しなければならない。しかし、駐車場は進入から簡単ではなかった。マンションに住む住民はエレベーターや階段で降りることができるが、外部の人は自動車が出入りする出入口から歩いて入らなければならない。出入口は傾斜が急な坂道なので、車椅子に乗った障害者や高齢者はかなり下りにくい。駐車場の出入口のすぐ隣の警備室に勤める警備員は、そこが避難所として使われていることも知らないというおそまつさだ。

平日午前10時を過ぎた時間だったにもかかわらず、駐車場の内部はすでに車でいっぱいだった。2万人に達する避難人員が果たして全員入れるのか疑問だ。辛うじてここに入れたとしても駐車場の構造上、砲火を避けることは容易ではなさそうだ。

地下1階は天井の一部が外から日光が入るようガラス張りになっている。砲弾が降り注いだらガラスの破片とともに頭の上に飛んでくるだろう。避難空間を外部から隔離できる遮断器もない。核や生物化学兵器で攻撃を受けると、毒性物質が穴の開いた駐車場の入り口から入りこみ、ここに避難した住民らを窒息させるのは時間の問題。当然のように、防毒マスクや飲料水のように基本的な非常物資も見当たらない。管理事務所の関係者は、「マンションだけで5回目の勤務だが、民間防衛物資が備えられたところは1か所もなかった」と話した。

韓半島で戦争が起これば、ソウル・京畿道住民の大半は真っ先に民間防衛避難所に避難しなければならない。人口の半分が密集している首都圏で、それぞれ自家用車を運転して脱出しようものなら、渋滞した道路の真ん中で車窓の外に落ちる砲弾を見届けるかもしれない。普段から渋滞の激しい主要道路は脱出車両が殺到して歩くことしかできないのは目に見えている。

日本国憲法の草案者の一人ベアテさんが看破した日本人の封建思想

日本国憲法の草案者の一人で、女性の権利の明記に尽力したベアテ・シロタ・ゴードンさんに関し、以前掲載した「日本人が忘れてはならない、ウクライナ人父娘と日本国憲法の関わり」で触れた評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、ベアテさんが著書で語った日本人の民族的特性を紹介。憲法を「押しつけ憲法」と主張する人ほど、人権意識が希薄で封建主義的であると指摘しています。

 

ベアテ・シロタ・ゴードンと日本

「ウクライナと日本国憲法」で紹介したベアテ・シロタ・ゴードンが自伝の『1945年のクリスマス』(平岡磨紀子構成・柏書房)にこう書いている。

「日本人というのは、本質的に封建民族だと私は思う。権力者の命令ならば、たとえ気が進まなくとも実行する。戦争の末期に、特攻隊の志願者を募った時、そのほとんどの若者は死にたくなかったのが、本音だったと思う。でも、一歩前に出る勇気よりも、一歩前に出ない勇気の方が日本では難しいのだ。

 

また、日本の道徳は、犠牲者的精神を発揮する人物を必要以上に美化する。その中にヒロイズムを感じる人も、他の民族より多いように思う。日本人に人権という概念を話しても通じない。わがままとか、個人主義とかいう悪意のあることばに置きかえられてしまうからだ」

書き写していても胸が痛いが、これが5歳から15歳までを日本で過ごし、「自分の故郷は日本なのだとしみじみ感じ」ていたベアテの言葉なのである。

ベアテの父、レオ・シロタはウクライナを故郷とし、ベアテはウィーンで生まれているが、ベアテたちユダヤ人にとっては特に「ウィーンはナチスに汚染された町」だった。彼らが日本に惹かれたのはユダヤ人に対して偏見をもたないということもある。

自伝には、GHQが日本国憲法の作成を急いだのは、極東国際軍事裁判で「天皇を戦犯に」という声が大きい中で、天皇を象徴にしてしまって中央突破する作戦だったとも記してある。

しかし、ベアテにとっては、天皇よりも女性の権利の確立が問題だった。明治憲法には「女性」や「児童」という文字はまったく入っていなかったからである。この草案に対して、日本側は「日本には、女性が男性と同じ権利を持つ土壌はない」と言って抵抗したという。「押しつけ憲法」などと言われるが、誰が押しつけと感じたかがわかるだろう。

日本国憲法が施行された1947年5月3日からしばらく経って、時の首相、吉田茂から草案に携わった25人に菊の紋入りの銀杯が贈られた。それを受け取ったベアテは「なぜ日の丸ではなく、天皇家の紋なのかわからなかった。異物を飲み込んだような気持だった」と記している。

日本人は封建性が天皇制を許しているのか、天皇制が日本人の中途半端さを温存させているのか。私も「異物を飲み込んだような気持ち」のままである。

1995年4月にベアテと対談した土井たか子はこう言っている。

「人権の条項が、憲法にこんなにたくさん盛り込まれて充実しているのは、草案者のベアテさんが女性で、生活者であったからだと思うのです。憲法学者ではなく、素人であったことが良かったと思います。憲法の専門家なら、いろいろな規約にとらわれるけれど、ベアテさんは人が幸せになるためには何が必要かを知っていて、その本質をズバリ書いてくださった」

 

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【武田双雲×茂木健一郎】人は「幸せ」だからこそチャレンジできる。今まで“真逆の選択”をしてきた日本

書道家・武田双雲さんと脳科学者・茂木健一郎さんの対談がまぐまぐ!LIVEで配信されました。対談のテーマは「新年度をポジティブに迎える方法とは?」。今回のクロストークの模様を一部だけテキストにて特別に公開いたします。司会進行はフリーアナウンサーの内田まさみさんです。

<動画で対談のダイジェストを視聴>

※「まぐまぐ!Live」アプリでアーカイブ動画公開中。視聴方法は記事の最後で紹介しております。

 

武田双雲×茂木健一郎:クオリアは「ノーベル賞1000個分」ぐらい深淵なもの?

茂木健一郎(以下、茂木):よろしくお願いします。

武田双雲(以下、武田):よろしくお願いします。やったー、茂木さんとまた話せるんだ。僕も脳科学が大好きなただの素人なんですけど、やっぱり「クオリア」って、書道家で言う質感ってあるじゃないですか。質を感じるっていうか、例えば和紙の手触りとか、あとは感覚、言葉にならない質感みたいなのを僕の書から感じたり、僕も書くときに感じている時の「クオリア」って言葉を、だいぶ前だけど茂木さんの本で読んだ時に感動したんです。改めて脳科学的に言うと「クオリア」って何なんですか?

茂木:「クオリア」は「クオリア」だから(笑)。クオリアは神経細胞の活動で生まれているんだけど、どう生みだされているのかは正直ノーベル賞1000個分ぐらいの謎です(笑)。もうそれぐらい深淵な謎で、一部の物理屋が「クオリアを定義するのって難しいですよね」っていうのを聞くと、マジで言ってんのお前?っていつも思うんだけど、俺は大人だから今ここで言うまでは黙ってた(笑)。

武田:要するに、クオリアは「ノーベル賞1000個分ぐらい」っていうぐらい深淵なもので、茂木さんみたいな人たちがクオリアを研究してるんだけど、まだまだ分かってない部分がたくさんあるってことですね?

茂木:これは、俺たち脳の研究を始める人が必ず読む、エリック・R・カンデルという神経学者が書いた『Principles Of Neural Science』っていう本です。この人は2000年にノーベル生理学・医学賞をとった人で、カンデルはアメフラシの神経細胞の特徴を研究している人なんだけど、こんな感じの分厚い本をみんな読まないと、修士とか博士号の研究を始められないわけ。こんな電話帳みたいな本を。脳のすごく複雑なシステムの中から意識が生まれているわけだから、双雲はそれをアートとしてやってるわけじゃん。それは興味あるわけだよね、クオリアに。

武田:すごい興味あるんだよな。だから今、茂木さんっていう最先端の人には、クオリアの世界がどこまで見えているのかっていう感覚が知りたいって思います。

何かに挑戦するためには「安全基地」が必要なワケ

武田:茂木さんってハイブリッドな人で、「無邪気な青年」の部分もそのまま大事にしつつ、「超大人の社会派」と「頭のよさ」を手に入れちゃっているという。無邪気さと頭が圧倒的に良いという、この「矛盾エネルギー」が、今の茂木さんの爆発を作っていて、茂木さんみたいな人が日本で一番これから必要とされてくるんじゃないかと思います。

茂木:いや、俺はもう引退だからさ。俺は日本のメディアを全然信用してないんだけど、人間って何か挑戦するために必要な「安全基地」が無いと、いろいろなことに挑戦できないんだよ。双雲は、めっちゃくちゃ「安全基地」がある気がする。

武田:いや、もう毎日安心しきって安堵感の中で生きてますよ。

茂木:でしょ? だからこそチャレンジできる訳じゃん。安全基地って親子関係がすごく重要で、親に丸ごと肯定された子って安全基地が出来るんだよね。

武田:マジでそのままです、もう全肯定です。神様だと思って育ててもらった。なぜ肯定され続けると安全基地ができるんですか?

茂木:脳の中のある種の「貯金」みたいなもので、「安全基地」とは感情の中枢である扁桃体のことで、これがあればあるほど前頭葉を中心とするチャレンジができるんだけど、これって要するに子供の時に丸ごと肯定されることでできるんです。日本人に自信がない人がなぜ多いのかというと、日本の親って条件付きの子育てをする人が意外と多いからなんです。勉強できればいい子だけど、勉強しないんだったらママは知りません、みたいな。そういう育て方をしちゃうと、安全基地が減っていっちゃう。褒めて伸ばすってよく言いますけど、叱る必要は一ミリもないんです。叱ることはゼロで大丈夫です。双雲は、どう思う?そう思わない?

武田:いや僕、まったく叱られたことが無いんですよ。

茂木:日本のお母さんとしゃべっていると、めっちゃ息苦しいんだよね。「子供の叱り方はどうすればいいですか?」って。いや叱らなくていいですからっていつも思うんだけど。俺は勉強しろって言われたことは一度もないです。俺は、はっきり言って、中学受験とかマジでいらないと思ってるし、受験文化はまったく認めていないので。双雲も受験したんだよね? どうやって東京理科大に入れたの?

武田:僕は本当に勉強しない子だったので。理科大の対策試験を、家庭教師の先生に頼んで予想してもらって、うちの親父が競輪の天才的なギャンブラーなので、競輪の予想と同じように一緒に賭けて問題を絞って、本当にそれがそのまま25点、25点と出題されて、国語とか英語とか(笑)。

でも、この「安全基地」のことって意外に知られていないですよね。チャレンジっていうと、もう無謀なイメージがあるじゃないですか。命知らずの無謀なやつ、みたいなカッコいい感じがあるけど、実はすごく「まろやか」なんですよね。