文筆家が気づいてしまった「効率化」についての「不都合な真実」

少し面倒なことが簡単に短時間でできる「効率化」のノウハウを開示すると、多くの人が喜び、SNSなどで瞬く間に拡散されることもあります。その方法にたどり着いた人は、ある種の達成感を得られますが、虚無感のようなものを抱くこともあるようです。今回のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』で、「知的生産」に役立つ考え方やノウハウについて探究を続ける文筆家の倉下忠憲さんは、「効率化」を追求するライフハッカーたちにとっての楽しみがどこにあるのか考察。見えてきたのは、効率化を目指す過程こそが楽しいという「不都合な真実」でした。

効率化についての不都合な真実

皆さんは、「効率化」が好きですか。私は好きです。今回はその効率化が持っている不都合な真実についてお知らせします。といっても、賄賂があったり、悪の組織の野望だったり、地球を温暖化させてしまっているといった話ではありません。ごく単純なことです。

「効率化」という作業は効率的ではない。

ただそれだけの話です。別の言い方をしてみましょう。私たち──あるいはライフハッカーたち──が効率化に取り組むのは、効率を欲しているからではなく、効率化の作業が楽しいからです。だってそれはきわめて創造的な作業なのですから。

わかりやすいイメージ

効率化は、無駄を削ぐために行われます。その処理を施せば、あとは機械的に作業が進むようにすること。そうすることで、私たちは時間を手にすることができ、それが生産性につながっていく。

これが一般的な効率化のイメージでしょう。無駄な時間をどんどん削減していくことによって、自由時間を手に入れ、それでやりたいことができるようになる。わかりやすいイメージです。

そうしたイメージを徹底していけば、あらゆる無駄なことや手間のかかることがなくなった日常が超ハッピーということになります。でも、本当にそうでしょうか。おそらくそうでなかったからこそ、ライフハックという分野は袋小路に入ってしまったのでしょう。

そこにある高揚感

先ほどのイメージが見逃していたのは、何かしらの作業を効率化しているときの楽しさや、効率に向かって進んでいるときの充実感です。

具体的な問題を認識し、その問題を分析して解決可能なアプローチを検討する。その上で、試行錯誤をしながら少しずつ問題解決に近づいていく。多くの失敗の後にやってくる、「うまくできた」という高揚感。これがライフハッカーの心を捉えていた体験です。その結果として得られる効率はグリコのおまけですらなく、Apple製品についてくるステッカーくらいのものでしかありません。

この記事の著者・倉下忠憲さんのメルマガ

ビッグモーターの“あくどい接客”を実体験。ゲンナリした「悪徳商法」並みのやり口とは?

不正問題が発覚し、話題となっている中古車販売大手・ビッグモーター。連日、同社関連のニュースが報道されています。メルマガ『マーチン先生の恋愛教室PREMIUMの著者であるマーチン先生、実はビッグモーターの接客を「実体験」していました。その際に複数の違和感をおぼえただけでなく、“悪徳商法の基本”と言わざるを得ない手口を目の当たりにしたといいます。

ビッグモーター、実体験していました

ビッグモーター、もう国民なら誰もが知っているレベルで有名になってますね(苦笑)、今年は大きなニュースが重なる年なんだな~と感じています。

でっ!実は僕、この5月に家の車を買い替えることにしまして、4月終わりから色んな車屋さんを回っていたのです。

なんと、最初に行ったのがビッグモーター(笑)←すぐ近くにあるんです(^^;

車は問題なかったのですが、担当者の話を聞いて「ああ、ここはないな」と即決したお店でした。それはこんなお話だったのです。

最初の違和感は、これ!

希望していたAという車があり、まずそれを見ました。すると凄くキレイでフル装備も付いていて、「ああ、もうこれでいいんじゃない!?」と思うような車でした。それで店内に入って説明を、ということになりました。

「今日はご来店頂き、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ、ありがとうございます」
「今ビックモーターは国内○店舗あり、工場もあって、業界No.1でやらせて頂いております」
「そうなんですか~。凄いですね~(^^)」
「かくかくしかじかで、業界No.1となっております」
「そうなんですね~(^^)」
「あれこれあれこれで、業界No.1なんですよ~」

あんたは何回「業界No.1」を言いたいんじゃー!って、何を根拠にNo.1、No.1言うとるんじゃー!

……と、これが違和感、その1でした(笑)。

「法的に」という言葉にご注意!?

次に、大きな画面に詳細や見積もりを映して、それを見ながらの説明が始まりました。車の説明は見たらわかりますので(←これが男の発想・笑)、要は見積もりです。車を買う時、自分でやれば節約できる費用が多々あります。その典型が車庫証明の手続きです。

本来、車庫証明は自分で取るものです。もっと言えば、車検も車の持ち主がやるべきものなのですヨー(笑)。

だから僕は学生時代、車検も自分でやっていました。お金の節約もですが、自分でやるのが楽しかったですね~。それを友人に教えて回って(笑)、そうだ!女性でも自分で車検を通した方がいらっしゃいましたよ!

って、それはいいとして。

「取り敢えず、どこまで値段を下げられるか、削れる費用は削ってみましょう」ということで、担当者に「車庫証明は自分でやるから、削ってください」と伝えたところ、

「いえ、それは削れないです」

これくらいは、半分くらいのお店で言います。削ると売上が下がるからです。

「削れないっていうか、御社として削りたくない感じですよね?(笑)」

「いえ、それは書士が手続きをしないと、いけないことになっているんです」

「えっ、何回も自分でやっていましたけど?」

「いえ、今は法的に資格を持っている書士がやらないとできないんです」

そんな話は聞いたことがありませんでしたので、これが違和感その2でした。結論を言うと、これは今でも自分でできます。お店によってはすんなり削ってくれました。 

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“金満”ソフトバンク、魔の11連敗。育成力「元」12球団トップチームの暗すぎる未来

負の連鎖が止まらない。現在、パ・リーグ3位のソフトバンクが11連敗を喫した。球団としては「54年ぶり」となる11連敗となり、昨日の試合後、藤本博史監督が取材を拒否するなど、チームの雰囲気は最悪の状態と言ってもいいが、そのソフトバンクに関係者は「ある指摘」を口にする。“元”育成力12球団トップチームの暗すぎる未来とは?

記者が感じた嫌な予感

「悪夢の11連敗」に追い打ちをかけるかのように、24日の相手先発は令和の怪物・佐々木朗希。25日からのオリックス戦では山本由伸、宮城大弥の先発が濃厚で、厳しい戦いが予想される。

スポーツ紙の記者はこう話す。

「やはり、ミスが重なっている印象です。なかなか点が取れない打線に元気のない投手陣と、チームとしてすべてにおいて噛み合っていない。ベンチも焦りからか、投打ともに焦りの戦術になっているのは明白で、今のままでは明るい兆しは見えてこないでしょう」

この記者は、藤本監督の精神面についても言及する。

「藤本監督は就任当初の春キャンプで高卒2年目の野手をA組に抜擢するなど、世代交代に積極的でした。そうした姿勢が今年は一切見えてこず、その証拠に、今季のオープン戦vs広島戦でベンチ入りした高卒3年目の井上朋也選手と笹川吉康選手に対し〈この3連戦は大事なのでチャンスを与えている場合じゃない〉〈(ベンチ入りの理由は)会社が1軍の雰囲気を味わわせてくれと…〉などと本音を吐露しました。もともと、2軍で自らが見てきた若手にチャンスを与えることに積極的だった藤本監督のこの発言で、嫌な予感はしていたんです」

藤本監督の覚悟が見えない

チームを7年間率いて、日本一5度、リーグ優勝3度に導いた、前任の工藤公康氏が監督を退いた2年前。球団としては工藤氏の続投を強く望んでいたが、8年ぶりBクラス転落の責任を取るという本人の強い意志は変わらなかったようだ。

「誰もが、当時ヘッドコーチだった小久保裕紀氏の監督就任を予想する中、藤本政権が誕生するという仰天人事でした。藤本監督は王会長の鶴の一声で生まれたとのことですが、どう考えても小久保さん就任の流れでしたから、あの時は驚きました。それだけ、小久保さんの監督としての器に不安要素があったのでしょう」(夕刊紙記者)

「王会長が〈Bクラス転落は小久保ヘッドとしての責任もある〉と考えたこととはいえ、その上の工藤元監督には続投を要請しているわけですから、1軍監督をやらせるにあたっての“育成”が必要と判断したのです。そして、藤本監督に求められたのは勝利と世代交代。1年目の昨シーズンは優勝を逃しながらも、ファームから選手を引っ張ってきた功績は球団から高く評価されていました。しかし、今年は若手選手を上げても中途半端な起用、ベンチでの塩漬けが目立つなど、監督としての覚悟を感じません。2軍監督時代にあれだけ目をかけてきたリチャード選手への言及が今年は減りましたからね。上から勝利の圧をかけられて疲弊しているのは明らかです」(スポーツメディア編集者)

価格だけで「高い」と嘆く人が無駄金を使いやすい理由とは?

インフレ突入の日本では物価の値上がりで、多くのところから「高い」という声がよく聞かれるようになりました。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょうおんさんは、単純に価格だけ見て高いと言っている人は要注意であると語っています。

「これ高い!」ってホント?

今や完全にインフレに突入した日本では、価格に対する感度が高まった人がたくさんいると思います。そういう人たちの口癖は、

 ■ これ高い!

だったりします。

この口癖、注意しないとあなたの金運を下げてしまう結果になるので要注意なんですよ。

あるモノやサービスの価格が高いと言う時に、単純に価格だけ見て「高い!」と言うのはマズいんですよ。

例えばロールスロイスや、ポルシェという高級外車の価格を見て、「高い!」って言ってしまったら、それはあなたがロールスロイスやポルシェの価値が分からない人間だということになるんです。

なぜならば、これらの車は価格に相応しい価値があるからです。高い値段が付いている正当な理由があるんです。それをあたかも不当に高い価格であるかのように、「高い!」って言ってしまうと、

 ▼ あなたはモノやサービスの価値が分からない人間だ
 ▼ 価値の高いモノを手に入れる値打ちのない人間だ

ということを、あなたの潜在意識に埋め込むことになるんです。

価値と価格が見合っているのなら、それは高くないんですよ。あなたの所得が低いから、アフォーダブルではないだけなんです。アフォーダブルでないモノを高いと言ってしまったら、あなたの未来にそれらがアフォーダブルになる世界は作られません。

小さなメモ帳と方眼ノートから生まれる「お金になる」アイデア

アイデアをお金に変えるにはどんな視点を持てばいいのでしょうか?今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、「Pontaカードの父」と呼ばれLoppiの端末やコンビニのセルフレジ導入も手掛けた著者がアイデア発想に関してのアレコレを伝授する一冊を紹介しています。

イチオシのアイデア本⇒『アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート』

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アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート』市原義文・著 三笠書房

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、会員数1億人の「Pontaカード」、コンビニ業界初の「セルフレジ」、飲食業界初の「手洗い管理システム」などを生み、現在はコンサルタントとして活躍する著者がまとめた、アイデア発想の本。

おそらくローソン時代の功績を認められてでしょう、サントリーホールディングスの社長、新浪剛史さんが本書を推薦しています。

どこの世界でも、大ヒットが出ると、ちょっと「関わった」程度なのに「仕掛けた」とか「プロデュースした」とか言う人が出てくるものですが(笑)、本書の著者は、業界で「Pontaの父」と呼ばれる本物。

巻末にはなんと「Pontaカード」の企画書の一部が、新浪社長の確認のサインとともに特別掲載されています。

現在、赤色をしているLoppiの端末のアイデアを考えたのも著者らしく、とにかく実績が半端ない。

本書には、これらのアイデアのベースになった著者の思考やアイデア創出法、タイトルにもなっているノート術が紹介されています。

「拡げる」時は、「小さなメモ帳」
「絞る」時は、A4サイズの「方眼ノート」

という、シンプルなルールをはじめ、著者が実際にやっている方法が紹介されているので、同業者には特に刺さる内容だと思います(土井もアイデア仕事なので、興奮して読みました)。

なかでも、ブレストの基本原則に加え、著者がIDEOのメンバーとセッションを行ってヒントを得たという、「ひとりブレスト」3つの原則、「商品開発4つの窓」、差別化のための「11個の切り口」、広告制作のためのABC理論などは、即役立つ内容で、今すぐ買って読むことをおすすめします。

 

「何もしていないのに成績トップ」の営業マンが醸し出す魅力とは

全国にあるフランチャイズの会社のトップに立つ営業スタッフと話をしたというメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者で経営コンサルタント、関東学園大学で教鞭を執る菊原さん。「特別なことはしていない」と語るそのスタッフ自身が気づいていない魅力を発見したといいます。なぜ、何もしていないのに人を魅了することができるのでしょうか?

トップ営業が気づいていない人を魅了する3つのポイント

不動産のトップ営業スタッフとお会いした時のこと。この会社は全国にあるフランチャイズ。その仲介の部門でトップに立っている。

それも東北。そんな有利なエリアではない。にもかかわらずスゴイ成績をたたき出している。

不利なエリアで結果を出す。これはカッコいい。並大抵のことではない。

しかし、この営業スタッフは“傲慢に振舞う”といったそぶりを微塵も見せない。

それどころが誰よりも丁寧。そして腰が低かった。

タイプで言うと“純朴な好青年”といった感じ。

本人も「田舎育ちで勉強はしていなかった」と話していた。確かにあまり知的な感じはしなかった。これがまた安心感を生む。

どの業界でもトップ営業スタッフは“結果を出すためのノウハウ”を持っているもの。

・新規開拓が得意
・トーク力がある
・クロージング強い

などなど。どこかに得意分野がある。

しかし、そのトップ営業スタッフは「本当に私は特別なことをしていない」と言う。

初めのうちは「ノウハウを言いたくないのかな」とも思っていた。

しかし、この方は素直で正直。何かを隠すタイプではない。本当のことなんだと思った。

自分の長所に気づいていない。こういったトップ営業スタッフも少なくない。

この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ

プーチンを支持、ウクライナを叩き潰せ。メディアが報じない“もう一つの真実”

ウクライナ産穀物の輸出協定への参加停止を表明したロシア。国際社会から大きな非難を受けること必至の決断を下したプーチン大統領の狙いは、一体どこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、プーチン氏が叶えたい「本当の目的」を推測。さらに現実的には「ウクライナのNATO加盟」の線がない理由について解説しています。

ウクライナとNATOを引き離す。成功したプーチンの画策

「私たちはフェイクワールドにどっぷり浸かって生活している」

これはモスクワにいる友人がつぶやく言葉です。

「しかし、ウクライナとの戦争に勝つかどうかは実はあまり関心がなく、ロシア国民一般の最大の関心は日々の生活を維持できることであり、プーチン大統領の統治がしばらく続く見込みであることから、今は彼を信じてついていくしかない」と続けていました。

多方面からの情報でもロシア国内でも厭戦機運は高まっているのは確かなようですが、予てより根強くある「ロシアはいつも欧米から虐められ、蔑まれている。だれもロシアのことを理解しようとしない」という感情も健在どころか、日に日に強まっているようで、その観点からプーチン大統領とロシア政府・軍が進めるウクライナ侵攻を後押しするという構図になっています。

「ロシアは冬の時代を経験し、苦難を耐え抜くことに慣れている。今回の戦争も長期化するだろうが、ロシアは耐え抜く」とすでにロシア国内でもウクライナ戦争の長期化を覚悟しているようです。

その背景には、先ほど触れた“感情”も強くありますが、2014年以降、ウクライナがウクライナ東南部のロシア系(ロシア正教会教徒)への執拗な攻撃と迫害をしてきたことにも怒っており、その迫害されるロシア人を守るために立ち上がったプーチン大統領の方針を支持し、ウクライナを“ロシア化”するか、叩き潰すことが必要と答える市民が多いこともあります。

なかなかショッキングな感情と発言であり、メディアでは報じられないもう一つの“真実”と言えます。

また、聞いてみるとモスクワにいるロシア人(モスクワ市民)にとっての“ウクライナ”はシンパシーを感じる対象ではあるようですが、ウクライナはウクライナ東部のドンバス地方と、対立こそしても同じ正教系が多く住む中部(キーウ含む)であり、ポーランド系でカトリックエリアと称されるEuro-Ukraine、つまりウクライナ西部へのシンパシーはほとんどないという答えが多く返ってきます。

ゼレンスキー大統領はそのEuro-Ukraine出身であり、就任当初は“話し合いによる東部問題の解決”を掲げていたにもかかわらず、国内のナショナリスト勢力に押され、ウクライナ東部のロシア系コミュニティへの攻撃を容認したと見られています。

これについては、ゼレンスキー大統領の言い分も聞いてみないといけないと考えますが、私たちがよく耳にするOne-sided gameというわけではなさそうです。

その感情の存在が、ウクライナ東部戦線における反転攻勢の膠着化につながっており、ゼレンスキー大統領が掲げる「2014年以降ロシアに占拠された領土をすべて取り返す」という目的を実現困難にしているようです。

NATO諸国はウクライナの反転攻勢を支え、大規模な軍事支援もウクライナ軍に提供していますが、それと並行して、ウクライナに対して一時停戦を促し、時間を稼ぐことを勧めているようです。

それがNATO首脳会談での“ウクライナ加盟問題に対する条件”に「戦争状態にないこと」が掲げられた背景と思われます。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

米中対立で中国が戦略転換。見せつける「無視できない現実」とは

アメリカはイエレン財務長官に続いてケリー大統領特使を中国に派遣。さらにレモンド商務長官の訪中も調整されているとの報道に、両国関係の「雪解け」がささやかれています。しかし、長年続くアメリカの「言行不一致」を警戒する中国は、対話の裏側で封印してきた「反撃カード」の準備を整えていたようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』で、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂教授は、中国が希少金属の輸出規制を打ち出した背景を解説。中国の半導体産業だけにダメージを与えるのは難しいという現実を踏まえて、米中が取る今後の動きに注目しています。

米中関係のわずかな雪解けがささやかれる中で、習近平政権が具体化し始めた有人月探査プロジェクトと地球観測の重要性

ジャネット・イエレン米財務長官が訪中を終えて間もなく、今度はジョン・ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)が中国訪問の準備をしているとブルームバーグが伝えた。

するとメディアは一斉に「米中間に対話のムード」、「協力再開」と報じ始めた。ケリーの次にはジーナ・レモンド米商務長官の訪中も取り沙汰され、中国商務部は「歓迎」のコメントで応じた。対話増進の流れは確かに米中間に生まれつつあるようだ。

だが米中関係の今後は、本メルマガでもずっと書いてきたように、すんなり「雪解け」へ向かうとは考えにくい。実際、イエレン訪中後、アメリカ国内ではイエレンに対する批判が噴出。国論が割れている現実を浮かび上がらせた。そもそも「反中」さえ叫べば手軽で無難に人気を獲得できるのだから、そんな旨味を政治家(これはメディアも専門家も同じ)が簡単に手放すはずはない。

もし彼らの目を覚まそうとすれば「無視できない現実」を見せつけること以外にない。そして中国はいま、話し合いによる進展に期待を寄せるよりも、むしろ対立をもてあそぶデメリットをアメリカ側にイメージさせる戦略へと傾き始めたようだ。

典型例が希少金属・ガリウムとゲルマニウムの輸出規制だ。かつての中国はトランプ大統領が対中制裁関税を発動すれば報復関税で応じてきたが、中国の半導体産業を狙い撃ちしたバイデン政権の輸出制限では防戦一方で、即座に対抗策を打ち出す姿勢は封印してきた。これを転換したのは、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの製品を中国国内の重要インフラ事業者が調達することを禁止した5月21日からだ。アメリカのお株を奪う「安全保障上の懸念」を理由だった。

6月28日には中国全国人民代表大会常務委員会が「対外関係法」を可決。次いでガリウムとゲルマニウムの輸出規制が打ち出されるという流れだ。興味深いのは、これらの動きがアントニー・ブリンケン米国務長官やイエレン財務長官の訪中という、バイデン政権下でもとりわけ目を引く米中接近の動きの裏側で起きてきたという点だ。

習近平政権が「無視できない現実」を見せつけなければ米中関係は変わらないと考えていることが、ここからも読み取れる。では中国が考える「無視できない現実」とは具体的に何を指すのか。端的に言えばサプライチェーンを政治的に分断すれば、必ず混乱と損失がともない、どの国もその損失を免れないという現実だ。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

今になって出た「過剰なコロナ対策」の悪影響。いま子供たちにヘルパンギーナが流行している訳

夏風邪の一種で乳幼児が罹患しやすいヘルパンギーナが猛威を振るっています。ここ3年ほどほとんど見られなかったというウイルス感染症が爆発的拡大を見せているのは、一体何が原因なのでしょうか。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では、漫画家・小林よしのりさん主宰の「ゴー宣道場」参加者としても知られる作家の泉美木蘭さんが、その理由を解説。さらに子供たちとウイスルとの関係について、自身の思うところを記しています。

ヘルパンギーナが大流行。過剰なコロナ対策が子供たちから奪ったもの

7月11日、京都大や筑波大などの研究チームが、小児科分野の国際学術誌「JAMA Pediatrics」にオンライン発表した研究によると、3~5歳の間にコロナ禍を経験した5歳児は、未経験の同年齢と比べて、平均4.39カ月の発達の遅れがあることがわかったという。

コロナ禍で5歳児に約4か月の発達の遅れ―3歳、5歳ともに発達の個人差拡大:京都大学

首都圏の保育園に通っている乳幼児887名に対して、2017年から断続的に追跡調査をしてきたもので、総合的な発達のほか、運動、手指の操作、言語理解、言語表出、抽象的な概念理解、社会性など130項目以上の指標で評価したという。

3歳児では、コロナ禍での発達の遅れはみられず、むしろ、運動や手指の操作、抽象的な概念理解、社会性などでは進んでいた。

しかし、5歳児に発達の遅れが見られ、特に、保護者が精神的な不調を抱える家庭の子は、発達の遅れが顕著であったという。

3歳児の場合、大人とのやり取りを通して学ぶ発達段階にあたるため、保護者の在宅勤務が増えるなどしたことで発達が進んだ可能性があるが、5歳児の場合は、社会性を身につける段階にあり、他者との交流が重要であるにも関わらず、保護者以外の大人や、他の子どもと触れ合う機会が制限され、負の影響を与えた可能性が考えられるという。

ほら、言わんこっちゃない、という感想だ。

自粛を強要し、他人と異様に距離をとって生活することを奨励した結果、教員が子どもと話す機会が減り、家庭訪問が見送られていることが問題になり、「児童虐待の過去最多」が報道された。

だが、そういった暴力的なケースだけでなく、社会全体でマイルドに幼児をいたぶったようなものだ。大事な幼児期にマスクをさせて、恐怖を与えられながらピリピリと過ごす日々を煽った大人たちの責任は重大である。

いまだに「第9波」だの煽っている奴は、もうテレビに出すな!

この結果を受け止めて、「あのコロナ対策は正しかったのか?」をちゃんと総括してくれと叫びたい。

子どもにとって遅れているのは、発達だけではない。免疫機能の低下も起きている。

現在、ヘルパンギーナが大流行中だ。

口やのどの奥に水泡がたくさんできるウイルス性の咽頭炎で、原因は、エンテロウイルス。主流の患者は幼児で、珍しくたま~に大人がかかることもあり、水も飲み込めない痛みにしばらく耐えなければならず、げっそり痩せてしまう。

今年は、全国約3,000の小児科定点医療機関から2万人以上の報告があり、過去10年で最も多い数となっている。

流行しているウイルスの型は、特に今年に限って特別なものではないようで、小児科専門医の斎藤昭彦氏によると、「コロナ対策で病気になる機会が減って、免疫が低下したことが原因の1つと考えられる」という。

マスクをさせて、人と接触させないようにして、外へもほとんど遊びに行かないような日々を送っていれば、当然、子どもは肉体的にもひ弱になってしまう。

この記事の著者・小林よしのりさんのメルマガ