【高岳史典×MB】自らをブランド化させる「濃厚なファン」の作り方

「ライブドアを再生させた男」として知られ、メルマガ『銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ』の著者である高岳史典さんと、メルマガ『【最も早くおしゃれになる方法】現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断』の著者で、人気ファッションアドバイザーとして様々なメディアから引っ張りだこのMBさん。先日都内にて、ごく少数のギャラリーのみを招いて開催された、このお二人による特別トークイベントの模様を、一部ですが公開いたします。マスマーケティングの専門家と個人ブログ・メルマガの雄であるお二人が考える「最強ブランドの創り方」から、ご両人ともに縁が深い堀江貴文さんにまつわる裏話まで、終始濃厚なトークが展開された今回のイベント。対談の全文は、お二人のメルマガで7月内にそれぞれ配信されます。気になられた方はこの機会に是非7月中ご登録を!

ショップ店員からメディアを作り上げたMBのマス戦略

高岳 マーケティングとか会社勤めをやっていて、それから飲食店を始めると、飲食のスタッフっていい意味で全然、違うカルチャーがあるんです。僕が言っていることで「当然分かるだろう」と思ったことが、スタッフには分からない。逆に、彼らが言ってる言語も「当然、オーナーは分かるでしょう」っていうことが、僕には分からない。そこが初めは辛いんですけど、その溝が埋まっていくとなかなかいい経験だなと思っていて。僕がもし、あのまま社長さんをやっていたら、多分こういう感覚は全然なかったと思うんです。だからそういう意味では、飲食にハマっているといえばハマっている。

MB きょうの座組からすると、高岳さんがマーケティングの専門家っていうことはもちろん分かっていたので。僕はマーケティングもやったことなくて、どちらかというとワン・トゥ・ワンな業界にいたわけです。だから僕が多分ワン・トゥ・ワンみたいな話をして、高岳さんがマーケティングの話……マスマーケティング的な話をするという座組なのかなって思ったんですけど、いきなりすごく泥臭い話から入ったんで……。

高岳 逆に聞きたい。どうやったらMBさんみたいにワン・トゥ・ワンで人の心をつかめるのか。まだ僕は、今でも全然うまくいかないことがいっぱいあるんで。僕の店は、全部日報が上がってくるんで、毎日見るわけです。こんなことが起こった、あんなことが起こったということが、いっぱいあって、「すごくうるさい客がいた」って書いてあって、よく見ると俺のことだった(笑)。「本当に非常に困りました」って書いてあって。

MB よく見ると俺だと(笑)

高岳 そういうのがあるから、店の事情はわかる。MBさんはもともと新潟やってらっしゃったじゃないですか。

MB はい、ショップスタッフやってました。

高岳 そこからどういう過程で、今のようにマスっぽくなってきたんですか。

MB そうですね、確かにマスっぽくなってきていますね。厳密にはハイブリッドだと自分では思っているんです。高岳さんに、すごく話していただいたんで、僕も生い立ちじゃないけど、どうやっていたかを、簡単に話したりすると……。

高岳 言っちゃおう、どうですか。

MB ショップスタッフとしてやっていたときは、本当に1対1な話なわけですよね。その人が何を考えて、どういうのを求めているのかを考えて、接客するんですけど、それがある時から逆転するんです。ワン・トゥ・ワンでずっとやっていて、ショップスタッフをやって、店長もやっていたけど、だんだん業界全体が落ちてきちゃったんです。それで、どうしたらいいかと考えたときに「じゃあ、ウェブの世界にいかないといけないだろう」となりました。その頃、ZOZOもあったはあったけど、全然元気がなくて、BEAMSとARROWSぐらいしかウェブの世界に入っていなくて。

高岳 それって何年ぐらい前?

MB 10年以上前です。

高岳 その頃からもう、その感じがあったんですか。

MB そうなんです。僕は、好きなブランドがいっぱいあったんですけど、ブランドの関係者の知り合いが多かったんですが、みんなだんだんと給料が落ちていって、ブランド自体がなくなったりして、どうしようと思って。このままだと僕の好きなブランドがなくなっちゃうし、好きな洋服を買えなくなっちゃうし、こんなにいい物なのに誰にも伝わらなくなっちゃうから、ワン・トゥ・ワン……その頃はワン・トゥ・ワンってことをあまり意識してなかったけど、そんなことしている場合じゃないなって思って、通販の世界に行ったんです。

サラリーマンでしたから、会社の中で社内ベンチャーをやらせてくれって言って。ノートパソコンを1台だけ買わせてもらって、ノートパソコンでひたすらウェブサイトを作る仕事をしていたんです。会社からは店長をやりながらじゃないとダメって言われて、店長としての仕事が終わって、「お疲れさまでした」ってやったら、ゴミ置き場の端っこのところにちっちゃいデスクがあるんですけど、そこで4万円ぐらいのノートパソコンで、ひたすら作業をやって。

高岳 僕と、あんまり変わらないことやっていますね。

MB その当時、半年で800点ぐらい洋服の取り扱いがあって。それらを取りあえずウェブに載せなきゃ意味がないんで、800点全部をウェブに載せる作業をしなきゃいけなかったんです。でも、モデルはもちろん雇えないし、カメラマンもいない。全部、自分でやるしかないんで、カメラもタイマーで、服は自分が着て……っていうのを、ずっと繰り返していたんです。

高岳 それが今につながっているわけですね。

MB そうです。それが本当に今につながっていて、その商品紹介の説明も、今だとメーカーが商品紹介の説明文って書いてくれるんですけど、昔はそんなことやってなかったんで、全部自分で書いていた。だから800点とか、半年で全部自分でひたすらカタカタってやって。

高岳 そりゃすごいな。

MB でもウェブにアップしただけでは、当然、売れない。最初はアップすれば売れるのかなって、勝手に思っていたんですけど、上げても全然売れない。通販で洋服を買うこと自体が、その頃は文化としてまだ根付いていなかったから「何とかしなきゃいけない」って考えて。ただ僕自身は、ショップスタッフとしては、そこそこ優秀で、大体付いた人には買わせることができたから「てことは、ウェブ上で接客をすれば、多分買ってくれるんだろうな」って思ったんです。

そこで「ウェブ上の接客って何だろう」って考えたときに、その当時はブログかなって思ったんです。「ブログで接客してみよう」と思って、ブログの向こうにお客さんがいるって頭の中で考えながら、文章を書いたんです。「もしお客さんがブログをたまたま読んで、その人が店に来てくれたらという仮定にして、その人にどういうふうに説明したらこの人は買ってくれるだろう」って。大体、僕の接客スタイルって、買わない理由をつぶしていくので「なぜあなたがこれを買う必要があるのか」みたいなのを徹底的に話すんです。例えば、この白シャツだったら「あなたのこの服装にはこれが足りないから、これを着るとこうなる」とか、「どういう生活をしてるから、コレを着ると、ああいう人に褒められる」みたいな。

高岳 それがどんどん積み重なっていって……。

MB そうです。それをどんどん一つ一つやっていったら、ブログを読んで買ってくれるって人がどんどん増えていって、だんだん売り上げが上がっていって、最終的には2、3年ぐらいしか僕、実際にそのサイトを自分では動かしてなかった。あとはもう事業部を作っちゃって、そこに投げていたんですけど、最終的にはゼロから年間で4億から5億ぐらいに……。

高岳 マジ?

MB いったんですよ、そんな大した金額じゃないですけど。それで、さっきワン・トゥ・ワンからマスマーケっていう話があったんですけど、そこで僕がハイブリッドって言った意味が分かると思うんですけど、これって完全なマスじゃないんです。例えば、ZOZOとかAmazonがやっていること、Amazonなんか特にそうだと思うんですけど、いかに買いやすく、いかにクレームが出ないか、不満が出ないかみたいなサイトのつくり方をしていると思うんです。でも、僕は1万人とか100万人とか、1000万人とか1億人とか、そういう人たちを相手にするブランドでは、そもそもなかったんで、そういうふうにマスに働きかけるということをそもそもしたことがなかったし、もっと小さい規模でいいから、例えば10人に1人でいいから、100人に1人でいいから、1000人に1人でいいから、深く突き刺さるものをやりたかったんです。

そうした時に、ツールとしてはウェブ通販という、すごくマスなものを使うんだけれども、実際にやっていることは、ものすごく研ぎ澄まされた、100人中1人しか反応しないけど、その人には深く心に突き刺さることをその時はやっていて。それは今の仕事も……みなさん分かっていると思いますけど、その延長線上でやらせてもらっていて。

洋服の着こなし方でオシャレになるとか、ユニクロを着てオシャレになるとかって、割といろんな人がやっているけど、結構みんなマスに向けてやろうと思っていて、当たらない玉をひたすら投げていることをしているんじゃないかと思います。僕は100人に1人でいいから、その人のみぞおちにボカッと入るぐらいのボールを投げるつもりで、いつも書いているから、多分濃いファンが生まれるんです。濃いファンや濃い支持者が生まれて、その人たちが支えてくれる。ビジネスモデルといったら変ですけど、そういうマスなんだけどワン・トゥ・ワンに近いような形ですね。

高岳 分かる。メルマガでも、一個一個のスタイルの解説長いもんね。

MB 長いですよね。

高岳 普通にユニクロUのコレとコレで組み合わせてって言って、それでおしまいかと思ったら、解説というかそこに至った背景がどうでというのが続いて。

MB 徹底的にやります。でも、本当の裏側を言っちゃうと、アレは全然特別なものじゃなくて、10年も20年も前からやっていたことなんです。接客でずっとやっていたことを、メルマガにしているだけなんで、僕としては何も変わってないんです。昔からああいうことをずっとお客さんに言って、説明していて。それでお客さんの10人に1人ぐらいは、感動してくれるんです。「こんなこと考えているヤツいるんだ」みたいな。

高岳 そりゃそうですよ。例えばユニクロのこの襟のところって、実はグッチのコレクションから来てる。こんなことって言われないわけですから。だから「すごっ。え、そうなの?」「でも、見てみたらそうだよね、確かに」と思うわけですよ。

MB そういうことをやっていたんで、すごくワン・トゥ・ワンに近いと思うんですけど。ただ、僕の長いメルマガを嫌いっていう人も、もちろんいると思うんで。基本的には今、時間のかかるメディアって嫌われると思うし、逆に動画とかインスタントで見られるほうが支持は集まりやすいから、結構時代に逆行していると思うんですけど。

高岳 その動画でも、YouTubeのコマーシャルなんてみんな5秒で飛ばす。もたないんです、それ以上。それだけに、あれだけ読ませるっていうか、あれだけの分量でずっとやっているのって、すごいですよね。

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高岳史典/銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ

LINEの社長は土日はSNSを見ない。非効率の贅沢が求められる時代へ

MB そうなんです。でも、話はちょっと変わるんですけど、YouTubeってみんな見るのかな。僕はちょっと疑問に思っていて。……何が言いたいかっていうと、YouTubeって意外と時間が取られるんじゃないかなって。だって、視覚も聴覚も取られるじゃないですか。「ながら」ができなくて、YouTubeを見るっていうことしかできないから。もちろん、テレビよりは便利だし、時間を気にしなくていい、いつでも見られるし、どこでも見られるから便利だと思うんだけど。ただ僕も高岳さんもそうだと思うんですけど、すごく忙しいから、YouTubeを一つ一つ見る時間なんて、ないんですよね。

高岳 確かに。ちなみに僕は、夜中にYouTubeで尾崎豊を聞き出したら、永遠にずっと尾崎豊を聞いてるんで(笑)。

MB (笑)。めっちゃ分かる。

高岳 俺は今晩、尾崎豊で終わるなと思いながら、ずっと尾崎豊が止まらないんだけどっていう。めちゃくちゃ時間取られます。

MB 分かります。超時間取られるから、そういう意味では、ラジオがもう一回来るんじゃないのかなって。

高岳 ラジオは来そうな気がします。

MB そんな感じしますよね。

高岳 気はしますよね。

MB だから、みんなやること多くて忙しいじゃないですか、今って。すごく忙しいビジネスマンとかではなくても、みんなやることが多くて、すごく大変だと思うんです。そんななかでYouTubeで何かを伝える、視覚も聴覚も占領するって、現代っぽくないよって思っていたら、アメリカで今ポッドキャストがまた再燃した。日本でもまた、ポッドキャストが再燃するんじゃないかみたいな話があって。

高岳 そうですよね。ボイシーみたいなサービスで、自分たちでラジオ放送やったりして。

MB ボイシーもそうですよね。だから音声で何かしながら、「ながら」で勉強できるとか、「ながら」で何か情報を得られるようなものって、意外と需要があるんじゃないのかなって、個人的には思っているんですよね。

高岳 今、ZOZOに田端信太郎って……。

MB 田端さん、はい。

高岳 会ったことあります?

MB ないんです。

高岳 今度、紹介します。めっちゃ話が合うと思う。

MB 本当ですか。

高岳 知っています? 田端信太郎って、よく炎上する人(笑)。よく炎上する男がいて、彼も僕の同僚だったんです。彼がたまに真面目なこと言うんです。「メディアのキングは映画だ」って。2時間の間、完全に何もできない状態にする。アレがキングだって。だからこそ、みんなあそこにお金を払って、逆に行くんだと。ていうのが彼が言っていることで、たまにはそういうことを言って、たまに余計なこと言うから、前澤さんと一緒に炎上していますけど(笑)。

僕なんかもう逆に、全てを忘れたい時は映画館に入っちゃいます。スマホも何もできなくなるんで、とにかく朝行って、やっている映画を見ると。ゴジラだったらゴジラを見るし、欅坂の映画だったら欅坂を見る。それも結構、また面白かったりするんだけど。そういう意味では、完全に取られる。逆に取られたいから行くみたいなのって。

MB それはあるかも。……今、僕、ラジオが来るみたいな話の仕方というのは、普通に需要としてあることだと思うんですけど、ファッションブランドの話で例えると、分かりやすいのかな。トレンドって、作用と反作用で出てくるっていうんです。太いのが流行ると、次、細いのが流行るよとか。カジュアルが流行ると、次はドレスが流行るよとか。大体、その波みたいなものがあって。今、音声を聞くと視覚が取られなくて手間がかかんないから、ながらで勉強できるよっていうのって、正の多分トレンドだと思うんですけど、同時に逆もあるなと思っていて。

こないだ僕、インドネシアに行ってきたんですけど、そこで比較的ラグジュアリー層が集まるようなプールに行ったんです。そしたら、入り口で「スマホをよこせ」って取られちゃうんです。

高岳 スマホ、取られるの?

MB 結局VIPがいるから撮っちゃいけないし、あとSNSを忘れて欲しいっていうコンセプトみたいで、取られちゃうんですけど、これが結構新鮮だったんです。何にも考えないで、本当にやること何にもない。雑誌も置いてないし、何も置いてないけど、パラソルとベッドが置いてあって、酒が頼めてピザが頼めてみたいな感じで。外人ばっかりなんですけど、みんながスマホをいじってなくて、ボーっとやって酒を飲んでるっていう空気が、これってすげえ確かに需要あるなって。反作用のほうで需要があるなって、すごく思って。

高岳 逆にそっちが。

MB そう、だから映画の話もそうですよね。映画ってすげえ非効率だと思うけど、非効率だからこそ多分、今、求められてるところもあると思ってて。

高岳 あまりにも効率化が進みすぎたんですよね。似たような話で、こないだ出澤さんって、今LINEの社長やっている彼と話ししていて、彼は土日にスマホをいじらないと言うんです。LINEも基本的にはしないんだそうです。なぜそうなったかというと、彼の奥さんと自分のFacebookのタイムラインを比べた時に、全然違うらしいんです。友達のつながりが違うから。そうすると、日々Facebookを見ていて、自分たちに入ってくる情報が「そうだ」と思っていても、隣の人は全然、違うタイムラインを見ている。これって多分、Twitterもそうなんです、フォロワーによって。

彼はそれにはたと気付いて、実は自分が限定された情報しか持っていないんだっていうのが分かったらしくて、全部それを外してみた。土日は逆にテレビを見たり、本を読んだり、新聞を見たりとして、スマホから外れるようにしているんです。そうすると、全然違うんですって。それで、また月曜からめちゃくちゃLINE、スマホの世界に戻るという、このバランスが。これに気付いたから、全然違う風になったって言っていたので。

そう考えると、情報は効率化されていて、そこから逃げたいとか、まさに反作用もあると思うんですけど、自分が思っている効率化って、実は効率化じゃないのかもしれないとか。

MB うーん。そうですよね、確かに。

高岳 キュレーションされ、自分にぴったり合い過ぎていて。例えば、スマートニュースと日経新聞と、あとLINEニュースでもいいんですけど、1面を見ると全然、違いますから。僕はそれで最近、日経新聞をわざわざ取るようにしているんです。あとテレビでニュースを見るという習慣も、もうずっとなかったんですけど、テレビでニュースを見るとながらで見られるし、日経とかに載っている欲しい情報がバーっと入ってくるんで、めちゃくちゃ効率いいことが分かって。こいつをスマホでやっていると、そもそも一般的なところに流れてるニュースが、僕のところに全然、流れてこなくて。「これ、ヤバいな」って。

今、スマホを見ていたら、一番のニュースはほとんど吉本芸人の闇営業ばっかり。それはなぜかというと、ページビューが取れるからです。ページビューを取れるもんばっかり上がってきちゃうから。でも一般のニュースって、別にページビューなんて考えないで、ニュースは起こっていて、そこに触れないとヤバいのかなと、特に最近、思っています。みんな思い当たるでしょう。全然、当たるニュースが違うんで。違う人、今、MBさんと僕も全然、違うところにいるんです。実は永遠にタコ壷に入っているっていう。

MB そうです。コンフォートゾーンみたいな話だと思うんですけど、同じような。よくメルマガでも、差別化みたいな話をしますけど、みんなと同じことしてるから、みんなと同じ結果しか生まれない。違うことをやらないと、違うことは生まれないんで、みんなと同じものしか見てない。例えばスマホの話もそうですけど、みんなと同じことしかしてないと、結局みんなと同じ視点しか持てないんで、みんなと同じ感想しか出てこなくて。闇営業の話を見て「こいつら何だ」って非難して、それでSNSで盛り上がって、気分が晴れたみたいなことをやっていると、いつまでたっても人生変わらないので。「そんなの見ないほうが、だったらいいんじゃないか」っていうのは僕も思うし。


……と、話は尽きないお二人。2時間強に渡った濃厚トークの全文は、7月中にお二人どちらかのメルマガをご登録された方のみ読むことができます。続きが気になる方は、この機会に是非ご登録ください。

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高岳史典/銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ

中学生になった息子が「干渉しないで」初めて言われた母の戸惑い

子供が成長するに連れ、親との関係性にも変化が出てくるのは当然のことですが、なかなか受け入れることができない親御さんがいるのも現実です。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、ご主人からも「干渉しすぎではないか」と言われるほどに我が子とべったり過ごしてきたお母さんから届いたお悩みに、著者のパピーいしがみさんが回答しています。

子供の自発と親の関わり

こんばんは。パピーいしがみです。さて、今日のメルマガは「子供の自発と親の関わり」と題しました。

「子育て」を考えた時、多くの方が乳児・幼児・小児…の関わり方をお考えになりますが、子供たちは必ず成長し中学生高校生になって行きます

子供が成長するに従って変化があるのが当然ですが、なかなかそれを受け入れられない方や、子供に変化があっても親の関わり方が上手にできずお悩みになる方もおられます。

今日は、そんな中学生になった息子さんとの接し方で悩んでおられたマルモンさんをご紹介したいと思います。

まずはマルモンさんからのご相談メールにはこのようにありました。

パピー様、この度、勉強を始めさせていただきました。マルモンです。初めてのご相談ですが、よろしくお願いします。

 

私が今、悩んでいる事は、中学1年生になった一人息子の事です。

 

何が起きた…という訳ではないのですが、今まで私の子育てがとても自分本位のものだったので、中学に入ってどんどん変わっていく息子に戸惑っています。

 

息子はもともととても大人しくて、からかわれやすい子でした。

 

幼稚園の時にも、からかいやいじめられることが(私自身が)辛くて、二度転園しています。

 

小学校でも、最初は公立の小学校に入学したのですが、からかいが頻繁にあったので、私立の小学校に転校しました。

 

私立の小学校でも、からかいがあったものの、いじめにまでは行かず、又、先生にお伝えすることで未然に防げてもいましたので何とか過ごすことができました。

 

ですが、パピーさんの勉強を始めてから、簡単に転園や転校を選んでしまった事。これはすべきことではなかったな…と反省しています。

 

又、反省や後悔は他にも数々あって、この子は運動が苦手だから…と決めつけて「苦手な運動をするより勉強を頑張ればいい」と嫌な事から逃げるように教えてきてしまったと思います。

 

そして「勉強だけは…」と私も執着し過ぎてしまい、毎日、子どもと一緒に家庭学習をして、子供の学力も上位をキープさせていました。

 

それを見ていた主人からは「ちょっと干渉し過ぎじゃない?」「もう少し自分で考えさせた方が…」と言われることもありましたが、心配性な私が過保護になり過ぎて、結局、小学校卒業まで子供にべったりになってしまいました。

 

中学になり、学校の方針として“文武両道”を勧める事も有り息子は陸上部を選び、初めてのスポーツと向き合うようになりました。

 

土日は試合がなければお休みの日が多いのですが、毎日授業の後、部活があってとても疲れて帰ってきます。

 

今まで一緒にやっていた家庭学習も「疲れているからムリ」と拒否をするようになり、次第に「自分のやりたいようにやるからほっといて」と言い、今では「あんまり干渉しないでくれる?」と拒絶されるようになってしまいました。

 

直近の成績では、学年で真ん中ぐらいまで落ちてしまい、この先どうなってしまうんだろう?と心配でどうしたらいいのか悩んでいます。

 

今までの私の子どもとの関わり方に問題があったと思うのですが、今後、私はどうしたらよいかお教えいただきたく思います。よろしくお願いします。

松下幸之助と稲盛和夫に退社を決意させた「ダメ上司」の一言

経営者や組織を率いるリーダーにとって、業績を上げることが成功のひとつであることに疑いはありませんが、「究極の成功」となると何が上げられるのでしょうか。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では著者の浅井良一さんが、一流の経営者らのエピソードや名言を紹介しつつ考察しています。

「人の成長」こそが

“人使いの達人”松下幸之助さんは「人間は本来働きたいもの。働くことをじゃましないことが一番うまい人の使い方である」と言い、ジャック・ウェルチは「リーダーになる前の成功とは、自分自身を成長させることである。リーダーになったならば、成功とは他人を育てることである」とリーダーのあり方を規定します。

ドラッカーは「『人こそ最大の資産である』という。マネジメントのほとんどが、あらゆる資源のうち人がもっとも活用されず、その潜在能力も開発されていないことを知っている。だが現実には、人のマネジメントに関する従来のアプローチのほとんどが、人を“資源”としてではなく、問題雑事費用として扱っていると実情を批判しています。

松下幸之助さんと稲盛和夫さんの創業の経緯を観ます。そこには「よくあるケース」として取り上げられもしない「卓越した人材を失ってしまう」典型的な中間管理職の対応の姿があります。よく経営者が言う「良い人材がいない」というのは大きな錯誤で、人材を発掘するシステム”“ノウハウを知らないがための不幸です。

松下幸之助さんが起業した経緯ですが、「いろいろ相当苦心して工夫してつくった改良ソケットを上司に見せたところ、使いものにならないと酷評されてくやしい思いをした」のがきっかけになったそうで、もしこの時、聞く耳を持った上司がいたなら「大阪電灯内」に有望な新事業部門が立ち上がっていたかもしれません。

稲盛さんが京セラを立ち上げたのも同じような経緯です。松風工業という碍子メーカーに勤めていたのですが、セラミック真空管の試作に悪戦苦闘しているさ中に、新たに着任したばかりの技術部長に「君の能力では無理だな。ほかの者にやらせるから手を引け」と引導を渡され、これが会社を辞めて起業する契機となったそうです。

この時の心境をこのように吐露しています。「私はとかく思い込むとわき目もふらず独走する。それを『彼は自由にさせた方が力を発揮するタイプ』と前任の部長は任せながら支援をしてくれた。後任は外部からきた人で『あなたこそニューセラミックスがわかるのか』と頭の血が逆流した」とその時の状況を明かにしています。

またドラッカーの言葉を引用します。

「組織には“価値観”がある。そこに働く者にも“価値観”がある。組織において成果を上げるためには、働く者の価値観が組織の価値観になじむものでなければならない。同じである必要はない。だが、共存しえなければならない。さもなければ、心楽しまず、成果を上がらない」

ジャック・ウェルチは「人に自信を持たせることが、わたしにできる何より重要なことだ。自信さえ持てば人は行動を起こすからである」と。

あなたが経営者なら、達人技をマスターすることこそが力となります。「マネジメント」の本質と一体化するならば、松下幸之助さんや稲盛和夫さんのような「利他」を行いつつ、業績を上げることとなるでしょう。ここで大切なことは「腑に落ちる」ことで、それが起こったなら勇気を持って精進し努めることで後は試行錯誤して“やり通す”ことです。

リーダーになると「成功とは他人を育てることである」となります。経営者になると「リーダーをも育てることである」となります。ドラッカーは「組織が一人ひとりの人間に対して位置と役割を与えることを当然としなければならない。同時に、組織をもって自己実現と成長の機会とすることを当然のこととしなければならない」と言います。

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死に至る暑さ。現役科学者はどんな装備で熱中症を防いでいるのか

夏本番を迎えるにあたり、目下の心配のひとつといえば「熱中症」ですよね。そこで!今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では著者で科学者のくられさんが、 熱中症対策に有効なモノ、そして逆におすすめできないモノを紹介してくださっています。

コミケでの熱中症対策

我々さんのところで夏のコミケットでの告知が始まりました。

夏コミ参加のお知らせ&二次創作ルール(2019.07)

長蛇の列が予想される上に、真夏です。夏のコミケ会場は炎天下になりやすいので暑さ対策が必須です。感覚的には真夏のビーチに行く(ただし靴はビーチサンダルはNG)という感じで考えておけばよいでしょう。

熱中症対策はまずは、軽装であること白っぽい服がいいと帽子を欠かさないこと。帽子は邪魔にならない小さいもので、やはり白色のような薄い色のほうが好ましいです(黒は光を全部熱に変換するので熱い)。日傘はコミケでは危ないのでNG。帽子です。汗をかくのでメイクをする人はウォータープルーフでないと顔が溶けます(笑)。

鞄の中に凍ったペットボトル1本凍ってないものを1本スポーツドリンクとお茶か水という感じにしておきましょう。モンエナのような濃い甘いものやコーヒーなどは自殺行為なのでスポドリと水っぽいもの…という組み合わせです。1本を凍らせて(コンビニに売ってる凍ってるものでもOK)もう1本は普通に飲める状態にしておくのがベスト。

水分補給は喉が乾いたらすぐ飲む方がベスト。すごく汗をかくのでそもそも尿が出にくいのでトイレのことはあまり考えないで1時間にコップ1杯程度の水分補給は絶対しましょう。

家から行く人は手のひらサイズの保冷剤を保冷バッグにいれて数個持って行くとかなり無双できます。脇や内もも胸元(女性ならブラのパッド入れの中に)いれることで、驚異的なクーリングが可能です。

また首からタオルをかけるのもオススメです。特に気化熱タオルはかなりオススメ。

冷感タオル(amazon)

別にこの商品である必要は無いですが、薬局などで売られている冷感タオルは濡らしただけで、気化熱でかなり冷やしてくれるのでペットボトルの水やお茶とあわせて少し湿らせて首にかけておくとかなり涼しいです。

逆にオススメではないのは冷感スプレー。メンソールの冷感効果で冷たく感じて、炎天下ほど冷たく感じる強いものも売られています。「冷たく感じる」だけで「冷たくならないので熱中症待ったなしです(笑)。

また携帯扇風機も気温が体温より高いとただのドライヤーです。

ポケットクーラー、ホッカイロの逆のやつ。効果的ではありますが、所詮は硝酸アンモニウムの吸熱反応を利用したものなので、冷温はマジで一瞬です。重さのわりにコスパもどうしようもないので、1、2個非常用に持ち歩く程度で過信は禁物です。

せっかくの楽しいイベント、熱中症には気を付けて楽しみきりましょう!

なお、冒頭でウォータープルーフなメイクについて触れましたが、ポータルにりりか先生の「夏場崩れない調合コスメ」という記事があるので、気になる人はぜひご一読を。

【寄稿:淡島りりか】理系女子の選ぶ、夏場崩れない調合コスメ
アリエナイ理科ポータルのこの記事をお読みになりたい場合は、こちら

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現役教師が暴露、夏休みの宿題テキストが無くならない大人の事情

いつの間にか、児童各々の家庭環境や、学習理解度を考慮をせず、ワークブックなどの一律配布スタイルが定着した「夏休みの宿題」。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、読者から届いた悩みに返答する形で、画一的で受動的な宿題と上手く付き合う方法を具体的に記しています。

「夏休みの友」を考える

読者の方から、質問をいただいたのでお答えする。夏休みの宿題の在り方についてである。

どこから、どう変えていけばよいのか、ヒントをぜひ、メルマガでいただけるとありがたいです。無しにするなら、どこからアタックすればいいのでしょうか。

慣習」としてある様々なあれこれを変えられないのが、現場の教師の切なる悩みである。ここに関してお答えする。

何よりも最優先で、真っ先に考えるべき点がある。

一番の当事者である子どもと家庭教育の主役である保護者の意見考えである。一番大切なこれらの人の意見が置いておかれて、すべて学校が一方的に決定していることが多いのが現状である(10年以上前からの「例年通り」で議論の余地も工夫もないひどいものも散見される)。

宿題について扱う場合、これは本来家庭教育の分野である。実施時の監督責任者は、学校での教師から家庭での保護者に移る。つまり、保護者の了解を得ない大量の宿題というのは本来あり得ない負担はすべて家庭だからである。

しかし、これがまかり通っている。なぜか。「慣例」「暗黙のルール」だからである。中学校あるあるの「1年生は白ソックスのみ、第一ボタンを開けてはいけない」みたいな謎の慣例と同じである。「私たちも苦労したから」「いじめられたからいじめていい」というような理不尽な論理である。そして慣例としてみんながそう信じているものには、強大な力がある。

ここは本来、口出ししていい部分である。我が子がその課題をこなすのにどれぐらいかかるか、理解していない(というより全く考えていない)可能性が高い。

「夏休みの友」のようなドリル、ワーク集の類が一番わかりやすい。あれを個別に相談せずに丸投げした宿題というのは弊害が相当に出る(ちなみに、私も過去にこれを実施したことが一度や二度ではない。深く考えていなかったという点においても、全くの同罪である。贖罪の念を込めて書く)。

はっきりいうと、このワーク集の最大の良い点は経済が回ることである。教材を作る会社と売る会社に多くの利益が出る。最近では、加えて代行業者にもお金が回っていくようである(こちらは自由研究系の宿題の需要がより高い)。この辺りの利益を享受できる人々からすれば、「夏休みの宿題をなくすという考えの輩は排除すべき存在である。

夏休みの宿題系は、お金以外にもとかく利権問題等の大人の都合が関わるものが多いのでなくしづらいのである。一教諭の判断だけでは簡単になくせない理由がここにもある。

夏休みワーク集の宿題には、最大の問題点がある。個人差に対応していないことと、学力面で平均値から大きく外れている子どもにとっては、全く役に立たないどころか害悪になることである。

見開き2ページの問題をやるのに、Aさんは2~3分で終わる。すべて理解しているこの子どもにとっては、ほぼ無意味な作業の繰り返しである。「人生は無意味なことでも、我慢して取り組まなければならない」という面を学ぶにはいいのかもしれない。

一方、Bさんは60分かかる。Cさんに関しては、2時間かかる。極端な例のようだが、どの学級でもよくあるごく一般的な話である(過去十数年に何度も面談等で相談されていることで、間違いない。授業をしていてもわかる)。

BさんやCさんのご家庭が真面目にこれを終わらせるとなると、とんでもないことになる。しかも、ご両親は働いていて、日中宿題を見てくれる人はいないというパターンも多い。たまに見てあげれば、我が子のあまりの遅さと理解の悪さにイライラして叱るはめになり、子どもの自尊感情も下がる。当然、ただでさえ苦手意識をもっていた子どもがより勉強嫌いになる。

どうするか。最終的にさっぱり意味のわからない答えを丸写しするしかない。この行為から何を学ぶかは、言わずもがなである。

いつでも、その教育行為が「子どもを悪くしているかもしれないという可能性を考える必要がある。善意から発している、あるいはただの慣例としてやっていることの中に、これが多い。

中共の差し金か。香港デモ参加者を襲撃する白Tシャツ集団の正体

香港で大きなうねりを見せた「逃亡犯条例」改正案撤回を求めるデモですが、その参加者たちが100人以上の集団に襲撃された映像が、世界に衝撃を与えています。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、暴漢たちの背後に中国政府が存在することを疑うとともに、香港政府に然るべき対処を強く要求。さらに台湾の選挙が毎回熱を帯びる理由も併せて記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年7月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】「暴漢」に襲われる香港市民を救う台湾

台湾、香港から避難のデモ参加者に援助を表明

香港の混乱は全く終息していません。それどころか、ついに中国人による香港人襲撃がはじまったかもしれないというニュースが流れてきました。まずは、デモの参加者が保護を求めて台湾にやってきたというニュースです。以下、報道を一部引用します。

台湾紙の蘋果日報(Apple Daily)が複数の情報筋の話として報じたところによると、1日の香港議会占拠に関わったことで訴追を恐れるデモ参加者30人以上が、保護を求めて台湾入りしたという。

 

台湾の対中政策を担当する大陸委員会は19日、「人権保護と人道的懸念への配慮という原則の下」対応していく方針を発表。「政治的理由で身の安全と自由が危急にある香港市民に対しては、(われわれが)必要な援助を提供できる」と述べた。

 

蔡英文(Tsai Ing-wen)総統もこれを支持。中央通信社(Central News Agency)は、同総統が「香港の友人らは、人道的見地から適切な対応を受ける」と述べたと伝えている。

台湾側としては当然の対応です。香港では、デモ隊の一部が中国政府の出先機関『香港連絡弁公室』に卵やペンキを投げつけたり、壁に落書きをしたりしたことで、中国政府の堪忍袋の緒が切れそうです。

香港デモ、中国政府の出先機関に卵やペンキ

この行為に対して、香港連絡弁公室トップの王志民主任は反政府デモの参加者を激しく非難し、前夜の襲撃は「すべての中国人を侮辱したと発言。中国政府も、「絶対に容認できない」として、深夜になって警官隊が催涙弾などでデモ隊を排除し、負傷者が出ました。

こうした動きがある中、7月21日、デモに参加した市民が駅や電車内で突然暴漢たちに襲撃されました。暴漢たちは一様に手に棒などの武器を持ち、白いTシャツとマスクを着用しています。報道によれば、彼らは100人以上の集団で、デモ帰りの市民や報道関係者、そして偶然そこに居合わせた民主派の議員も襲われ、負傷したということです。この報道で注目したいのは、この後です。以下に引用します。

襲撃が始まってから警察の到着まで時間がかかったことや、親中派議員が現場付近で白シャツ姿の人物にねぎらいの声を掛けている映像がネット上に流れたことから、当局の関与を疑う見方が出ている。

デモ参加者襲撃、45人けが=謎の「白シャツ」集団-香港

ついに、中国政府の息のかかった暴漢が登場したのでしょうか。彼らが一様に白シャツを着ているのは、黒シャツを着て抗議しているデモ隊への敵意を示すためではないかとも、記事には書いてあります。

香港は、アヘン戦争以後イギリスに割譲されて、1997年に中国に返還されるまでの間に人口が1,000倍以上に膨れ上がりました。これは、中国からの経済難民が香港を駆け込み寺として利用したからです。

中国人にとっては、「自由」と「生命財産」を守ってくれるだけでユートピアの「王道楽土」だったのです。中国人が「香港はイギリスの『真珠』」と言ったのは、香港が金融センターだからではなく、「自由法治があったからでした。

改憲勢力2/3割れ。安倍首相が憲法改正のチャンスを逃した理由

先日行われた参院選で、「勝利」は収めたものの改憲勢力議席は2/3を割り込み、悲願の憲法改正が遠のいた形となってしまった安倍首相。当選挙前までは衆参両院で「改憲勢力2/3超」となっていたわけですが、その間、なぜ改憲は実現しなかったのでしょうか。ジャーナリストの高野孟さんが自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で考察するとともに、安倍政権の今後を予測しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2019年7月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

参院選で改憲勢力は3分の2を喪失──ゆっくりと坂を転げ始める安倍政権

参院選で自民党は57議席、公明党は28議席、合わせて71議席を獲得し、非改選と合わせて141議席を占めた。「71」は全改選議席数124の過半数「63」を8つ上回り、「141」は新定数245の過半数「123」を18も上回って今後とも安定した政権運営を続けることができるということで、これは紛うことなき安倍晋三首相の勝利であり、「国政選挙6連勝の偉業達成であるとされる。

しかしその割には、画面で見る安倍首相の表情には精気が乏しく、ボードの当選者にバラの花を付ける時にも口は笑っていても目は淀んでいる。それはそのはずで、

▼自民党の今回改選数は66であるのに対し、当選数は57で、9議席減らしている。定数が3増えていることを思えばそれ以上の後退と言える。

▼自民党は選挙前、旧定数242に対し122で、辛うじて単独過半数を持っていた。ところが今回の結果、新定数245の過半数123に対し自民は113で10議席も足りなくなった。ということは、今まで以上に公明党の言うことに耳を傾けざるを得なくなるのである。

▼さらに重大なことに、選挙前は旧定数242の2/3超=162に対し自民党122+公明党25+維新・希望15=162で、ギリギリ「改憲勢力」2/3超を実現していたが、今回の結果は113+28+16=157で、新定数の2/3超=164に対して7議席も足りず保守系無所属を掻き集めても埋まりそうにない

3項加憲論が間違いの始まり

つまり安倍首相は、3年前の参院選によって生じた衆参両院で改憲勢力が3分の2を占めるという千載一遇の機会を活かすことが出来ないまま早くもそれを手放してしまったということである。そうなった要因はどこにあるかと言うと、

第1に、安倍首相自身の浅はかな憲法理解に基づく「9条3項加憲論の筋の悪さである。

9条1項2項をそのままにして3項を付け加えてそこに自衛隊の存在を言葉として明記するというアイデアは、前回参院選の直後に日本会議系のシンクタンク=日本政策研究センター代表の伊藤哲夫が同センターの機関誌『明日への選択』16年9月号に書いた論文「『三分の二』獲得後の改憲戦略」の受け売りである。その要旨は本誌で何度か触れているので(例えばNo.890、17年5月22日号「憲法9条は改正可能なのか? 安倍政権の描く『加憲』のシナリオ」)繰り返さないが、要するに1項2項に触らないのであれば護憲派も文句を言えないだろうという、一見すると巧妙な野党攪乱戦術ではあるけれども、少し考えれば論理的に全く意味をなさない唯の言葉遊びでしかないことがたちまちバレてしまう程度の代物である。

安倍首相が胸を痛めているように、自衛隊を違憲だと指摘する人は今も後を絶たなくて、それは、国連憲章と日本国憲法を貫いている反戦平和・国家非武装の理念と、目の前で朝鮮戦争が勃発してGHQの命令で急遽、警察予備隊を編制して対米協力をしなければならなかった歴史との──要するに理想と現実とのどうにもならない矛盾相克の根深さゆえである。9条を議論するとすれば、その戦後日本が抱え込んだ根本矛盾を、遠い理想の方向に向かって現実を変革していくのか、目先の現実に従って理想を取り下げるのか、どちらを選ぶのかというところから始まるはずで、安倍首相は言うまでもなく後者だが、彼はそのようにキチンと国会にも国民にも問いかけたことがない

そこを避けた上で、戦後自民党がやってきたのは、自衛隊はあくまで実力であって9条2項が明確に禁じている戦力には当たらないというそれこそ姑息な言葉遊びにすぎなかった。それではどこまでが実力でどこからが戦力なのかという説明が付くわけがなく、いくら野党が国会で追及しても曖昧にごまかし続けるしかなかった。そのため12年の自民党改憲草案は2項を削除した上で自衛権の発動国防軍の保持を明記することでこの言葉遊びを止めることを企図していた。それに対して伊藤=安倍の「3項加憲」論は、2項の戦力禁止を削除せずに3項に「自衛隊の保持」を盛り込もうとしているので、相変わらず「ではその自衛隊は戦力ですか」「いえ、実力です」「では実力の定義は何ですか」といった禅問答が続くことになってしまう。つまり、安倍改憲論は自衛隊の存在をめぐる矛盾を何も解決することにならないのである。

自衛官の子どもが可愛そうとかいった情緒論に立って、それを解消するには憲法に「自衛隊」と書き込みさえすれば済むというのは、いまだかつて自民党の指導者から発せられたことのない、驚くべき幼稚な9条論で、こんなものに自民党の憲法族や防衛族をはじめまともな保守政治家が喜んで付いて行くわけがない。そのことが全く理解出来ずに、独り笛を吹いて踊っている間に、貴重な3年間が終わってしまったのである。

軍事アナリスト提案。イランへも要請、タンカー護衛の日本モデル

ホルムズ海峡とバブエルマンデブ海峡でのタンカー護衛を目的とする有志連合への参加をアメリカが呼びかけ、日本は19日にワシントン国務省での説明会合に参加しました。25日には2回目の会合が予定されており、難しい決断を迫られることになります。この件に関し私案を披露したのは、メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で軍事アナリストの小川和久さん。有志連合参加時の法的な根拠とともに、イランとの外交関係を最大に意識した日本が取るべき道を大胆に提案しています。

タンカー護衛の日本モデル

ホルムズ海峡でタンカー攻撃が相次ぎ、イエメン沖のバブエルマンデブ海峡でも、シーア派武装勢力によるタンカー攻撃が起きています。これについて、米政府はイランと同国が支援する武装勢力が背後にあるとみなし、2つの海峡でのタンカー護衛について有志連合の結成を提唱、ダンフォード統合参謀本部議長は9日、有志連合に加わる同盟国を2週間程度で決定したいとの考えを示しました。

これを受けて、日本では、護衛艦の派遣は海上警備行動を適用するのか、海賊対処法に準拠するのかと、またまた押っ取り刀の議論がわき起こっています。そこで今回は、少し「頭の体操」をしてみたいと思います。

1958年の「公海に関する条約」によれば、海賊行為とは国家機関としてではない私的な目的で行われる、公海における他の船舶の交通の安全を脅かす性質の暴力行為、とされています。海賊行為に参加したり扇動したりする行為については海賊行為とみなされ、その主体が国家であっても同様との解釈も成り立ちます。

そうした海賊行為に対しては、軍用機、軍艦、権限を与えられた公船は拿捕、臨検などを行うことができます。一方、軍用機、軍艦が同様の行動をとっても、反乱勢力の支配下にある場合を除いては海賊行為とはみなされません

この「公海に関する条約」を前提とした場合、次のモデルのもと、日本は海賊対処法の援用によって有志連合に参加可能と考えることができます。

1)日本は、国家ではない勢力による海賊行為からタンカーなどを守るために、海賊対処法の援用として有志連合に参加、護衛艦、航空機などを派遣するものとする。

2)日本は、海賊対処において第151合同任務部隊(CTF151)の一角に位置しているのと同様に、海賊対処法の枠組みの中での情報共有や強制力を行使する。使用する武器については、ソマリア海賊より強力な武器を保有する海賊行為を前提に、海上自衛隊の護衛艦、航空機などが装備するものを適宜使用できるものとする。

3)海賊行為のレベルを超えて「公船、軍艦、政府航空機による同様の行為」が行われる事態は国際不法行為であり、米国など他の有志連合参加国が武力行使を行うこと、すなわち戦争になることから、イランが国家としての武力行使に出ることはないと思われる。

4)日本は、海賊行為の根絶を目的とする国際的枠組みの構築を提唱し、有志連合を発展的に解消する中でイランにも参加を提案する。

5)このような日本のスタンスは、イランとの国家間の外交関係を維持することを念頭に置いたものであり、イランに海賊行為以上の国際不法行為をためらわせるうえでも抑止効果があり、日本が事態の平和的解決を図るための外交的余地を残すものでもある。

いかがでしょうか。まだまだ整理しなければならない点は沢山あるかもしれませんが、世界の平和が日本の安全と繁栄の前提であり、日本国憲法の性格を規定している前文の基本原理のうちの平和主義世界の平和を実現するために行動するとの趣旨を誓っている)を具現するものとして、タンカー護衛に関する日本モデルを描き、国際社会に提案してみてはどうかと思います。(小川和久)

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国際交渉人が解説。各国首脳がこぞって『安倍詣で』に参じる理由

この国のメディアは、日本外交に対して高い評価を与えることはほとんどないようですが、外交のプロや国際社会の評価はどうなのでしょうか?メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、国際舞台で活躍する国際交渉人の島田久仁彦さんは、第2次安倍政権後の日本外交の存在感は国際社会で高まり続けていると解説。他国の首脳が不思議がるトランプ大統領との親密な関係や、それでも崩れない中東諸国との信頼関係に加え、外交当局が気づいていないかもしれない期待感の存在にも言及しています。

混迷の国際情勢と存在感を増す日本の外交力

これまでメディアなどを通じての日本外交の評価は、あまりよかった記憶がありませんが、安倍首相の2度目の登板から始まった日本外交の存在感は、国際社会において評価と期待が高まっています。今回は、現在、国際社会を懸念で溢れさせている様々な案件を上げつつ、『日本は今、国際情勢において、どのような位置付けにいるのか』についてお話しできればと思います。

安倍総理の下での日本外交の特質を挙げるとしたら、やはりトランプ大統領との絶妙の距離と双方向の信頼関係でしょう。2016年11月に大統領選に勝利し、トランプ氏がthe President Electになってすぐに、ご存知の通り、安倍首相はトランプ氏を訪問し、トランプ政権への協力を約束しています。 大統領選の間から、累積対日貿易赤字への懸念と日米安全保障条約に関わる誤解をチャネルとして、対日批判を行うことがありますが、大統領になった後、時折Twitter経由でドキッとするようなことを言ってくることがあっても、日本に対して決定的な対決姿勢は示してきません

それよりは、様々な情報を見てみると、トランプ政権が打ち出すcontroversialな外交姿勢を表明する前、もしくは直後に、必ずと言っていいほど、安倍総理に対して何らかの相談が行われていたり、安倍総理からの指摘を受けたりしています。 これは、これまでの日米関係ではなかなか見られなかった事態であり、なかなかトランプ大統領とどう付き合っていいか分からない他国の首脳たちが安倍総理の『トランプ操縦術』に非常に関心を示しています。 その表れが、歴代日本の総理大臣には見られないほど、各国の首脳が『安倍詣で』を行い、日本そして安倍総理との良好な関係を築き、それをベースにトランプ大統領を操縦してくれるように期待を寄せているといいます。

フランスのマクロン大統領は比較的、トランプ大統領とは良好な関係を示し、トランプ大統領からも敬意を表されていますが、それでも安倍総理にアドバイスを求めてきています。 実際に安倍総理からの働きかけがどの程度、トランプ大統領の“決定”に影響を与えているかは謎ですが、一部の国を除いては、『日本・安倍総理と良好な関係を築いておくことが、対米外交の一つの重要マター』になっている様子です。 そのおかげでしょうか、各国の外交筋との話をする際、必ず『この案件については、日本はどうするつもりなのか?』と尋ねられる機会が圧倒的に増えています。

誰も教えてくれない残り50年の人生をどう生きるのかという大問題

つい100年前の日本人の平均寿命は男女とも43歳だったそうです。メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』の著者、武田邦彦中部大学教授は言います。人類が誕生した600万年前からつい最近までは、人間の一生は50年と少しに過ぎず、故に膨大にある先人の記録という人生の指針はすべて50年分のものでしかないと。そして、50歳からの「第2の人生」の計画を自ら立てることの必要性を訴えています。

人生100年の時代、50歳からの「第二の人生」が共存する社会とは

このシリーズの話は非常に重要だということと、大昔のお釈迦様やイエスキリストから、現代の文学や哲学にいたるまで、まったく触れていないことなので、少し繰り返しになることを恐れず、私たちの人生をしっかり見ていきたいと思います。

さて、日本人の平均寿命は戦争が終わるまで50歳を超えることはなかった。戦争が少なかった今から100年前の1920年代。男女ともに平均寿命は43歳、そして戦争が終わって数年後にようやく50歳を越えた。 私たちは実に奇妙な時代に生きているものだ。人類が誕生してから600万年もたち、さらに現在の人種(ホモサピエンス)ができてから10万年ほど経つのに、人類は生まれて50年も生きることができなかった。だから、私たちがちょっと早く生まれたら、確実に50歳以前に死んでいる。

ところが戦後、日本人の平均寿命は毎年0.4年ずつ伸びてきた。かく言う著者などは戦中に生まれたので、自分が1歳年を取ると、平均年齢が0.4年延びる。だから、生まれた時の平均寿命は45歳ぐらいだったのに、歳をとってもとっても、まるで追っかけごっこのように死ぬ時期が延びてきた

そしてついに2000年に平均寿命が80歳になり、その時、57歳だった著者はまた23年も生き残ることになったのだ。そして現在、50歳の人が死ぬときの平均寿命は100歳になっているといわれる。もちろん、人間の寿命に上限があるかも知れないし、逆に言えば、AIの発達で赤ちゃんの時から血圧やいろいろな健康指標が測定され、記録され、なにか少し病気になりそうだったら、事前にわかるようになるかもしれない。そうしたらさらに寿命は延びるだろう。

またこれまでの西洋医学の療法と全く違う、ペプチドを使った新薬が登場し、感染症も生活習慣病も十把一絡げに治す時代が来る可能性もある。さらには、日本女性は50歳以下の人と、50歳を越えた人の数が同じくなるのも数年以内である。
つまり、今後の日本社会は今までの日本人の人口分布をもとに、「高齢化」とか「少子化」というように呼ぶことはできず、「50歳以下の(第1の人生)の人」と「50歳以上の(第2の人生)の人」が共存する社会になるのは間違いない情勢なのだ。