防衛費、過去最大5兆円を海外はどう見た?向上する米軍との相互運用性

政府は24日、2016年度の予算案を閣議決定した。一般会計の歳出総額は96兆7218億円で、過去最大となる。防衛費に関しても、過去最大、初の5兆円台となる。中国が海洋での主権主張を強めていることや、今年9月に国会で安全保障関連法が成立したことを背景として、多数の海外メディアがこの防衛予算案に注目した。

尖閣諸島に対する中国の主権主張への警戒

2016年度の防衛費は、今年度から1.5%(740億円)増の5兆541億円とされた。今年度の4兆9801億円がこれまでの最高額だった。

主要メディアはいずれも、第2次安倍政権が2012年12月に発足して以来、防衛費は4年連続での増加となることを記事の始めのほうで言及している。それによって、防衛費の増額は安倍政権の傾向だと示している。AP通信は、安倍首相が10年間続いた減少(傾向)を(2013年度予算で)終わらせた、と語る。なお、2015年度の防衛費は対前年度比2.0%増、2014年度は同2.8%増で、2016年度の伸び率が際立って高いというわけではない。

だが、中国が東シナ海、南シナ海で、強引な主権主張を展開しているという事情が、この予算案についての海外メディアの関心を高めたようだ(22日には、中国海警局が、尖閣諸島周辺の日本の領海のすぐ外側の接続水域で、初めて機関砲らしきものを搭載した船を航行させるという事案もあった)。

防衛費が過去最大となることについて、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、中国との領有権問題の中心にある離島(尖閣諸島)の防衛強化という安倍首相の願望を反映したもの、と語る。ブルームバーグは、中国が地域においてますます主張的な軍事的姿勢を取っている中、島国日本の領海と領空の安全を確保することを求めてのものだと説明した。

それを裏付ける事実として、新たに購入が決められた防衛装備の多くが、離島防衛を主眼に置いたものであることをWSJやAP通信が伝えている。例えば、水陸両用車、垂直離着陸輸送機オスプレイ、機動戦闘車などである。機動戦闘車は戦車よりも離島への配備が容易である、とWSJは説明する。AP通信は、日本は南西諸島の監視と防衛を強化しつつある、と述べ、来年度予算には、弾道ミサイル防衛能力を有する先進的イージス艦、潜水艦の建造費、新型ソナー開発費用も含まれる、と伝えた(高額の装備に関しては支払いは複数年に分けて行われるものが多い)。

WSJは、防衛省が、尖閣周辺により多くの部隊とレーダーを配備する準備と、米海兵隊と同様の、上陸作戦を行う部隊の創設準備を進めている、と伝える。国際大学の教授で元自衛官の山口昇氏は、予算案は機動性に重点を置いたもの、すなわち重大局面の際に、本州から南西諸島への部隊の移動をより容易にするものだとWSJに語ったという。

日米防衛協力の強化に向けた高額装備の調達

主要海外メディアは残らず、9月に国会で安保法が成立したことにも触れている。成立後初の防衛予算案だと強調しているメディアも多い。安倍政権が、日本の軍事的役割の拡大や、同盟国アメリカとの協力の深化を図っていることも、防衛費の増大に結びついているという見方のようだ。AP通信やWSJは、4月に日米両政府間で「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」が改定されたことにも触れ、その見方を強調している。

AP通信は、中国が地域の海洋でますます主張的な活動を行っている中、日本政府は米政府との協力を強化している、と背景を説明する。そして、この予算案の閣議決定は、高価なアメリカの無人偵察機や、ジェット戦闘機F-35の購入計画を承認するものだとした。来年度は、翌年度以降の支払い分も含め、無人偵察機「グローバルホーク」3機(146億円)、6機のF-35(1084億円)、1機の空中給油機ボーイングKC-46A(231億円)が予算に計上される。

AP通信によると、防衛省官僚が「この予算には、ISR(情報、監視、偵察)分野で、日米の協力強化に寄与するだろうアイテムが含まれているとわれわれは考えている」と語ったそうだ。またロイター(日本語版)は、装備は離島防衛強化と米軍との共同運用を主眼に置いて調達すると説明している。WSJは、(取得する)航空機の多くはアメリカで開発されたもので、防衛省が、それによって自衛隊と米軍の相互運用性が向上するだろうと語っていると伝える。円安のために、米製兵器の取得費用が上昇している、とも指摘した。

実は普天間基地の移設費用と自衛隊の人件費上昇が最大要因?

このように、防衛費増額のメインファクターとして、尖閣諸島に対する中国の領有権主張への警戒を挙げたメディアが多い中、ロイターは他とは一線を画した見方をしている。来年度の増額について、ロイターは、米軍基地の移設費用と、人件費の上昇によって余儀なくされたものだ、と語った。日本語版では、740億円の増額分のうち半分を米軍再編費が占める、と語る。その中でもとりわけ大きいのが普天間基地の移設費で、今年度の244億円から595億円へと、351億円の増額となっている。

自衛隊関連の費用では、今年度からの増額分が386億円のところ、351億円を人件・糧食費の上昇が占めているという。英語版では、民間の賃金上昇を反映して、自衛隊でも人件費が上昇している、と説明している。日本語版では、(その反面)南西諸島の防衛力強化に振り向ける予算は限られている、と報じた。

(田所秀徳)

 

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無責任なメディアが原因?ホンダの普通車がイマイチ売れないワケ

フルラインナップメーカーながら国内シェアはトヨタの1/3以下というホンダ。「今後の復活のカギはスポーツカー」とするメディアも目立ちますが、無料メルマガ『週刊くるまーと ~賢く選んで、楽しく運転~』では、そんな狭い視点がホンダの足を引っ張っているのでは、と疑問を呈しています。

自動車雑誌を斬る!:スポーツカーだけじゃない

応援のようで、そうなっていないのが面白い。

いま売りの「ベストカープラス」はホンダ特集。最近、売れているのは軽と一部のコンパクトだけ。こんな体たらくで大丈夫なのかという前提のもの。国内軽視の日産に比べれば1.5倍程のシェアを持つホンダだけど、それでもフルラインナップメーカーとしてトヨタの1/3以下というのは、たしかに納得の数字じゃないかもしれない。

じゃあどうすればいい?

「復活の狼煙」として編集や評論家諸氏が期待するのは、まず東京ショーでお披露目した新型NSX、ウワサが絶えないS2000後継車、そしてタイプRなんだそう。で、S660の絶賛でもって、すでに逆襲は始まっているとも。

いや、まあ何とも相変わらずな感じだ。

たしかにホンダは、F1を筆頭にスポーティ・イメージが強い会社ではあるけれど、当然のこととしてスポーティとはスポーツカーだけを表現するものじゃない。しかも、先のとおりいまやフルラインメーカーとなったホンダにとって、純粋なスポーツカーはある意味サイドを固める脇役であって、決して主役というわけでもない。

もちろん、ドラマは脇役が光ることも大切だけど、それは盤石な主役が立ってこその話なのは言うまでもなくて。たとえば、量販価格帯の新型車であるグレイス、シャトル、ジェイドがいまひとつパッとしないのはなぜか。いくらセダン不振とはいえ、アコードやレジェンドはどうしていつまでたってもこんなに影が薄いのか? あるいは、トヨタ・ミライに並ぶ筈のクラリティも、東京ショーでさほど大きな注目を得られなかったのはどうしてなのか?

もしホンダが不振だというなら、僕はこのあたりの理由を一度しっかり考えた方がいいと思う。ホンダが、自身のスポーティ・イメージをどんな風にとらえているのか、ホンダらしさとは何だと認識しているのか。

少なくとも、ホンダの躍進にはNSXやS2000後継、タイプRこそ必要なんていう主張は、視野を一向に広げられない一部マニアの戯言だし、S660が復活の狼煙だなどとは無責任も甚だしい。タイプRを語るなら、そもそもベースのシビックはどうして日本市場から消えたのかの検証こそ肝要ということだ。

メディアのそういう狭い視点が、応援どころか、実はホンダの足を引っ張っているんじゃないか? ホンダ自身にもあらぬ勘違いを与えているんじゃないか。

もちろん、脇役のスポーツカーはどんなクルマであるべきか?の検討も含め、そろそろより現実的な提案を期待したいと思うんである。

すぎもとたかよし

image by: VanderWolf Images / Shutterstock.com

 

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「護衛艦カレーの祭典」に悪魔が闖入…大魔王が一票投じたカレーは?

実は食が細くて辛い料理もちょっぴり苦手な、『ママチャリで日本一周中の悪魔』こと大魔王ポルポルさん。どうやら、超巨大ハンバーガーの前に屈辱のお残しをやらかした長崎・佐世保の地に留まり、護衛艦カレーの祭典「GC1グランプリ」に参戦してきたようです。日本各地の名物料理を食べまくるグルメな悪魔は、一体どの護衛艦カレーに一票を投じたのでしょうか。

護衛艦が自慢のカレーを競う「GC1グランプリ」

佐世保市のフリーペーパー「ライフさせぼ」に取材されたり職務質問を1日に2回されたり、着々と佐世保に名を轟かせている大魔王ポルポルであるが、佐世保市のビッグイベント「GC1グランプリ」にも顔を出していた。

「がッハッハッハ!! 佐世保を闇に染めるため、我輩が護衛艦カレーを食してやろう。がッハッハッハ!!」

と、海上自衛隊に少しビビりながらも、護衛艦カレーを食べようとしていた。

海上自衛隊のカレーとは、長い航海中に曜日の感覚を失わないようにするため、隊員が毎週金曜の昼食にカレーを食べているのだそうだ。それぞれの護衛艦で異なるカレーが出来るために、毎年、護衛艦カレーグランプリ(GC1グランプリ)を開いて、どのカレーが美味しいか勝負している。

今年は護衛艦9隻と第2掃海隊の計10チームが出場。参加者は、紙コップに入れられた各艦の自慢のカレーを食べ比べ、自分が美味しいと思った味にスプーンで投票する。

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「がっはっはっは!! 海上自衛隊がカレーでバトルを行うというのか!! これは面白そうだ。我輩も魔界の代表として投票してやろう。がっはっはっは!!」

すると、我輩を怪しい人物と思ったのか、本物の警察官が我輩のもとにやってきて声をかけてきた。

「君……何してるんですか?」

「あ……GC1に参加するために……」

「その顔でっ!?」

警察官もさすがに驚き、佐世保の3度目の職務質問は10分ほどで終わった。

 

そして、いよいよ入場するために列に並んだ。入場するには整理券が必要だ。

「がッハッハッハ!! このイベントには整理券が必要なのか……がッハッハッハ!!」

整理券の他にも容器とライス代として500円が必要となる。大魔王ポルポルは、整理券とライス代500円を用意させるために、まぐまぐスタッフを佐世保に呼びつけた。カレーをタダ食いしようとしていたのだ。

「がッハッハッハ!! 我輩は久しくカレーを食べておらん。我輩が佐世保のカレーを食べ、佐世保のカレーをPRしてやろう。ただし、辛いものは受け付けんがな。」

と言って整理券と500円を、まぐまぐスタッフに用意させた。

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佐世保最大のイベントというだけあって、多くのニンゲン達がイベントに訪れていた。用意させた整理券で入場まで1時間ほど並び、会場の中に入ると海上自衛隊の気迫に驚いた。

「くらま、宜しくお願いします。」

「はまな、宜しくお願いします。」

それぞれ所属している護衛艦の名前を呼びながら、カレーを配っていた。滅多に見られない海上自衛隊に、我輩は逮捕されないかとビクビクしながらカレーを貰った。

「なんだ! “えんま”という護衛艦はココにはないのか? 残念だ。がッハッハッハッハ!!」

と、思いながら10種類のカレー全てをもらった

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会場内では、佐世保市のフリーペーパー「ライフさせぼ」に掲載された関係で、我輩のことを知っているニンゲンが、何人かいたので嬉しかったのだ。我輩はこう見えてツンデレである。その嬉しさをバネに1つ1つのカレーを食し始めた。

「ん! これは……辛い……論外だ。がッハッハッハッハ!!」

「まぁ。イイ……辛いが食べれる!! サンカクだ!」

「これ、チキンベースかも! よく分からん。サンカク!」

「ん? 鶏ガラか? マルだ!!」

10種類全てのカレーを食したが、8種類は同じ味に感じた。

カレーはカレーだ。がッハッハッハ!!」

と、カレーの味も護衛艦の名前も同じに見え、めまいがしそうだった。

そのため、どれに一票入れるか迷っていると、“ちょうかい”という護衛艦の人が我輩に会いに来た。

「すみません! 大魔王様! ちょうかいの方に一票お願いします。」

「がッハッハッハ!! わざわざ、我輩に頼みに来るとは、イイ度胸である。気に入ったぞ。がッハッハッハッハ!!」

と、頭をペコペコ下げながら言った。

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ちょうかいのニンゲンが帰ると、続いて“あさゆき”という護衛艦の人もやって来た。

「大魔王様! 是非、あさゆきにお願いします。」

「ふん! もちろんである! この“あさゆき”のカレーはとても美味であったぞ。がッハッハッハッハ!!」

と、「カレーの味はどれも同じだ。」というと怒られそうなので、とりあえずコイツには褒めておいた

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どれが勝っても別にいい。そう判断した大魔王ポルポルは“ちょうかい”に一票いれた。とりあえず褒めておいた“あさゆき”には悪いが、この1票は我輩の気まぐれである。

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「ふん! 佐世保のカレーはなかなか美味であったのだ。がッハッハッハ!!」

とても満足になった大魔王は、最後に、護衛艦の衣装を着せてもらった。

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「なかなかお似合いですよ。大魔王様!」

と言われ、

「いや、ほんま、ありがとうございます」

と言い、会場を出た。

正義の雰囲気を悪の雰囲気へと変えた大魔王ポルポル。

「佐世保市は魔族の手の落ちた。がッハッハッハ!!」

そう思い、そろそろ寒くなってきたので、どうにかして、暖かい沖縄方面を目指すのだった。

 

『大魔王ポルポルの日本征服の旅』
著者/大魔王ポルポル
日本一周の旅をしている大魔王ポルポルである。旅の裏側、隠れた小話など話したいことは盛り沢山!! だがしかし! タダで公開はできない。メールマガジンで日本のいろいろなことを掲載するのだ。メルマガに記載のアドレスに悩みや質問を送ってくれればメルマガで公開回答するぞ! ガッハッハッハ!!
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元気があれば何でもできる!一石数鳥、冬場を快適に過ごす裏ワザ

今年は例年より気温が高めでしたが、やはりこの時期、布団から出るのは辛いものです。でも大丈夫! 無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者・音多秀茂さんが、寒い季節を心身ともに元気に過ごす裏ワザを伝授してくださっています。「何だかウキウキして力がみなぎる」そんな冬になればいいですね。

冬場に前向きになる方法

今日は健康のタネをお届けします♪

健康のタネの背景となっているテーマは「元気」です。アントニオ猪木さんに「元気ですかー!!」と言われたら「元気ですッ!!!」と答えられなきゃあかんのです(笑)。

「元気」は万人共通のステータス。見た目はどんなにクールでも、身体の中には生命力の源である「元気」がほとばしっていなければなりません。元気は運と同様に、あらゆるステータスを凌駕し生物としての優劣を決めてしまいますから、現代のような知的生産社会の中でも一番大事なステータスとも言えるんですね。

「元気の源シリーズ」では、元気の三要素である「食事呼吸運動」の三位一体バランスを整え、自発的に元気を発動する為のノウハウをお伝えしています。

冬場に元気が落ちるわけ

さて、ここ数日、関東北部の私の住む場所にもようやく冬将軍様が到来されました。それでも例年と比べて霜が降るのも遅く、日中も耐えられない程の寒さではありません。ま、人は温かさに幸せを感じますから、寒くならないに越したことはありません。

それを証明するように、寒いと人は人肌の温もりが恋しくなり、同時に家庭の温もりへも憧れが強まるとのことで、冬ほど「家」が良く売れるのだそうです。やっぱり人は温かいものを自然と求めてしまうんですね(*^_^*)。

さて、いずれにしてもこれから極寒の季節に突入しますから、同時に元気も低下していきます。何故なら「元気」とは、人の細胞中の「ミトコンドリア」の活性状況に左右されるから。寒さで活動量が減りがちな冬場には、ミトコンドリアの活動源となる食事から得られるエネルギー(脂質や糖質)が余りやすいものの、それを燃やす為の肝心の運動量が減り、エネルギーの供給過剰によるバランス崩れが起こります。

この仕組みが分かっていれば、「食事、呼吸、運動」のバランスを自分でコントロールし、元気を損なわずにパフォーマンスを維持出来るのですが、プロのスポーツ選手でもない限りそこまで思考して体調管理をしている人は少なかろうと思います。

ロシアの進撃で、トルコとイスラエルが接近。まるで聖書の預言通り

ロシア機撃墜事件で国際的に孤立を深めたトルコが、イスラエルとの関係修復に動き出したというニュースが報道されました。『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんは、ロシア対イスラエル&トルコの敵対関係ができたことで、旧約聖書のひとつである「エゼキエル書38章」の預言通りになりつつあると指摘しています。

世界の経済状況

FRBが米景気が良いと利上げを発表したが、原油市場などコモディティ価格の下落が止まらないために、ハイイールド債が崩壊して、米株価は大幅下落している。

日本も日銀黒田総裁が、市場を見下した騙しをおこなったことで、日本の株価も下落して、金融緩和がこれ以上できないと見透かされて、円高121円台前半になってしまった。

FRBが笛を吹いても、世界の供給過剰・需要不足は止まらないし、それを感じて株式市場も盛り上がらない。この市場が活気づかない原因を解消しないと世界経済は復活しない。

また、日銀が意図せずに示唆したように、国債の量がなく金融緩和を長くは続けられないことも明確になった。非伝統的金融政策を逸脱した一部銘柄のJPXというETFを年間3,000億円買うとしたが、これに日本株の取引7割の世界の投資家が中央銀行として逸脱した行為だと反発した。このため、日本株の売りが出ている。また財政拡大による需要創造も財政赤字で限界にきているし、金融政策も限界にきている。

日本政府は、金融政策もできず財政政策もできずに、企業に投資拡大を要求しているが、世界経済の需要不足で多くの企業も投資拡大はできない。もちろん、インバウンド消費が期待できる観光業界や百貨店などは投資するとは思うが、それ以外の業界では、無理がある。

このため、現在世界経済を活性化する方法として、平和的手段は出尽くし、ないのが現状になった。非常に世界経済が難しい状態になってきたことになる。

この難しい経済状況に、石油価格の下落とEUや米国からの制裁で、ロシアは世界より先に陥ったことで、その打開策を模索している。その過程で戦争経済にシフトしようとしているようだ。

しかし、主に財政的な問題で、大部隊の展開ができず戦争の拡大もできずに、かつトルコとの問題が生じて、現在、より苦しい経済状況になっている。

イランからの要望でシリアを助けるために、シリアに空軍を展開したが、ロシア空軍は反政府軍を叩くために、トルコがシリアにいる同じ民族に対する空爆に反発してしまった。

ロシアのプーチンは、過激派組織「イスラム国」(IS)も反政府勢力も同じとイランから唆(そそのか)されて、シリア政府を助けたが、それを米国とトルコに大反発されてしまった。目算が違ったようだ。

傾きマンション問題、短い杭を打たせた不動産会社の「被害者面」

今年の後半に大きな話題を呼んだ、横浜のマンション傾き問題。杭の長さが足りないことで起こった今回の問題は、まだ記憶に新しいのではないでしょうか。この件について、『辛坊治郎メールマガジン』では、本当に責任をとるべき会社は一体どこなのか、その真相を追求しています。

マンションが傾いた責任はこの会社に

例のマンション、「2センチ段差が出来た」って報道されましたが、体内センサーの鋭い人なら場所によっては頭がくらくらするレベルだと思います。終の棲家と思ってこのマンションを買った皆さん、ホント気の毒です。いったい誰が一番悪いのか

このニュース報道が始まった当時、真っ先にやり玉に挙げられたのはくい打ち工事を担当した旭化成建材でした。そりゃ確かに、長さの足りない杭を打った上にデータを偽装し、杭が堅固な地層に到達していたように偽ったのは悪いですよ。でもね、今思えば、下請けの旭化成建材に全責任を押し付けて、あたかも自らが被害者であるかのように装った三井不動産の責任が最も重かったのは明らかです。だって、あの場所に14メートルの杭を打つように旭化成建材に指示したのは三井不動産だったんです。

くい打ち工事に当たって、下請け業者はあくまでも仕事の発注者の指示の下で工事をする権限しかありません。で、あのマンションを設計して、地盤強化のために打つ杭の長さを決めたのは三井不動産で、旭化成建材は三井不動産の指定した長さの杭を打っただけですからね。それもタチが悪いのは、あのマンションの建設場所って、元々どこかの工場が建っていたらしいですが、その工場建設の時に使われていた杭の長さは18メートルだったって三井不動産は知っていながら、「14メートルで足りるだろう」って根拠なく決めていたんです。杭の長さ一つで建設コストが変わりますから、短い杭を指定したのは、工期短縮とコスト削減のためでしょう。

仕事の発注元が「現場の地盤を調べて設計したから14メートルの杭を使うように」って指示してきた時、どうでしょう、仕事をもらっている下請けが断れますかねえ。そりゃ職業倫理としては、「14メートルの杭では堅固な地層に届きません。もっと長い杭を使わせてください」って言うのが正解です。でも工期とコスト管理を厳命されている下請けが、親会社にそんなことを言い出した時に考えられる反応を想像した時、「全部の杭が利いてない訳じゃないから、データ改ざんでごまかして穏便に済まそう」ってなるのは、仕方ないとは言いませんが、あり得る話ですよね。等々、現場で起きていたことを知ると、ホントに悪いのは杭打ちデータを偽装した旭化成建材じゃなくて、旭化成建材に短い杭を打つように指示した三井不動産だったんです。

これらの事実はその後の報道を丹念に追っかけている人にとっては常識のレベルでしょうが、当時の嵐のような報道しか記憶にない人の多くは、「杭打ちデータを偽装した旭化成建材が悪い。下請け業者にデータを改ざんされ、不十分な工事をされた三井不動産は被害者」って思っている筈です。理不尽ですよねえ。

image by: MAG2NEWS

 

辛坊治郎メールマガジン』より一部抜粋

著者/辛坊治郎
「FACT FACT FACT」をキーワードに、テレビや新聞では様々な事情によりお伝えしきれなかった「真実」を皆様にお伝えします。その「真実」を元に、辛坊治郎独自の切り口で様々な物の見方を提示していきたいと考えています。
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初の女性大統領か、過激な極右候補か。米国民が問う「良識」の有無

アメリカは現在、大統領選の候補者選びの真っ只中で、来年11月の選挙に向けて「お祭り騒ぎ」の様相を呈しています。過激発言のトランプ氏か、それとも初の女性大統領誕生か、まだまだ目が離せそうにありません。メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、この米大統領選挙に関連して、「アメリカの隠された問題」などについても言及しています。

米大統領選 良識ある民主主義国家に戻れるのか?

共和党候補者選びの中でトランプ氏の過激な発言が波紋をよんでいる。トランプ氏は大金持ちでニューヨークにトランプタワーを作った有名な人でドンドン過激な発言をしている。最近では「イスラム教徒の入国を禁止すべきだ」という極端な発言で有名に。そのことで2位のクルーズ氏を大きく引き離してリードし筆頭候補となっている。

共和党に対して民主党ヒラリー・クリントン氏も2位のサンダース氏を大きく離して筆頭候補となっている。前回はオバマ氏で初の黒人の大統領が誕生したが、今度は初の「女性の大統領が誕生するのか!?」ということが話題にもなっている。

民主党対共和党の争い

アメリカ大統領選といえば「民主党共和党」という2大政党の争い。「共和党」は保守的でリベラルで、白人中心富裕層やサラリーマン層が主に支持。「民主党」はリベラルだが労働組合を中心としたマイノリティー、主に有色人種が中心に支持している。常にこの2大政党が大統領の座を相争っている。

過去の大統領をみてみると、現職のオバマ氏はおそらく8年務める(民主党)ジョージ・ウォーカー・ブッシュ氏(在任4年・ブッシュ元大統領長男・共和党)ビル・クリントン(在任8年・民主党)前ブッシュ大統領の父、ジョージ・ブッシュ氏(在任4年・共和党)ロナルド・レーガン氏(在任8年・共和党)ジミー・カーター氏(在任4年・民主党)のように相争って極端な争いになっている。

大統領選はお祭り騒ぎ

私がワシントン特派員時代はちょうどカーターからレーガンに代わるときだった。大統領選というのは、お祭りみたいなもので大統領候補を最終的に選出する西海岸で行なわれていた大会を見に行った。宿も埋まっており、大統領選を扱う部門が記者の宿を手配してくれ、お祭り騒ぎでここから大統領選が始まるということだった。今回は来年11月を予定している。

名大統領が持つべき条件の言い伝え

大統領にとっての「人気の条件」が動物に例えられ言い伝えられているのを紹介したい。

「サイのような面の皮の厚さ」
「馬のような体力」
「象のような記憶力」
「カモシカのような速さ」
「ライオンのような勇気」
「セントバーナードのように親切」
「ビーバーのような執念」
「ブルドックの忍耐力」
「カラスのユーモア」
「子犬のような人なつっこさ」
「年老いたラバのようなガンコさ」

これらの事を備えた人が人気になっていくと言われる。あてはまる人というとレーガンが人気があった理由というのがこういうところだったのではないかと思われる。

kadomatsu

お正月はいったい何がおめでたい?お年玉の語源はお餅にあった!?

なぜ、お正月に「あけましておめでとうございます」って言うの?

聞いたことも言ったこともあるけれど、その意味がわかっていないものって結構ありますよね。お正月の代表的な挨拶「あけましておめでとうございます」も、そのひとつではないでしょうか。

「あけまして」は、年が明けるの意味というのはわかるのですが、なにが「おめでたい」のか…。

そこで、仏事や神事に詳しい「はせがわ」の港北ニュータウン店・安藤浩一さんに「あけましておめでとうございます」とはどういう意味なのか、お聞きしました。

お正月がなぜおめでたいのか?

――さっそくですが、お正月には「あけましておめでとうございます」と挨拶をしますが、なにが「おめでたい」のでしょうか?

安藤浩一さん(以下・安藤):お正月は新たな年、つまり年神(歳神)様をお迎えするということ。だからおめでたいのです。

――年神(歳神)様とはいったいどのような神様なのでしょうか?

安藤:お正月以外ではあまり聞くことはありませんが、年神(歳神)様というのは、古来より日本人の暮らしの中で伝えられてきた神様です。日本人が考えてきた神様とは、一言でいえばご先祖様のこと。

日本人の古くからの考え方では、人間は亡くなってから一定期間を過ぎると、ご先祖様の仲間入りをすると考えられてきました。ご先祖様は亡くなられた後、生まれ住んだ地域の山に上って山の神として山頂から子孫の暮らしを見守り、そして春になると山から里に降りて子孫たちの行う米作りを見守る田の神に。そして、新年になると年神(歳神)として子孫の家庭を訪れ、各家庭に繁栄をもたらし、見守ってくれたのです。

――なるほど。そういったことがあっての「おめでとうございます」なんですね。

お年玉の語源は鏡餅!?

――せっかくなので、続けてお正月のあれこれについてお聞きしたいです。お正月と言えば、門松を思い浮かべるのですが、これにはどういう意味があるのでしょうか。

安藤:門松は、今では既製品を購入することが多くなりましたが、本来は近くの山に出向き、松・竹・梅やその他の植物を採り、自ら作るものでした。

門松は、神様を迎えるための目印ですから、それを山から採ってくるという行為自体に、年神様を山からお迎えするという意味が込められていました。

――あの門松にはそんな意味が込められていたんですね。

安藤:また、年神様をお迎えする場所は、しめ縄を張って聖なる空間を作ります。しめ縄には、秋に収穫された稲の藁(わら)を使います。田の神に見守られて育った稲には、稲魂(いなだま)という霊魂が込められていると考えられ、その稲藁で作るからこそ神聖な空間を作り出すことができると考えられてきました。しめ縄を簡略化したしめ飾りも同様の意味を持ち、各家庭の家の入り口などに飾られ、その名残を感じさせます。

――では鏡餅はどんな理由なのでしょうか。

安藤:鏡餅は魂の形を模したといわれる、年神様に宿っていただくための依り代(よりしろ)です。

神様が宿ったお餅を鏡開きの日に皆で食べることによって、家族が1年間無事に過ごすことができると考えられていたようです。

また、お年玉の語源も、供えたお餅をお下がりとして子供たちに食べさせ、これを、年神様の魂をいただく=お年魂と呼んだことからお年玉と変化したと言われています。

――お年玉の語源がそんなところにあったとは…。とっても勉強になりました。ありがとうございました。

もう今年も残りわずか。お正月は、神棚や床の間、お仏壇に鏡餅をお供えして、家族そろって年神様をお迎えしてみてはいかがでしょうか。

そしてお年玉をあげる時には、語源であるお餅を渡して、ちょっとした話題作りをするのもいいかもしれませんね。

※今回お話しいただいた内容については諸説あるうちのひとつです。

●information
はせがわ

「音読」と「消しゴム不使用」で、子どもの国語の成績はグングン上がる

全国の小中高生向けにオンラインの作文・小論文講座を展開している教室のメルマガ『言葉の森 オンラインマガジン』。今回は中学生向けに、日本語の読解力・記述力をアップさせるための秘策として、「問題集読書」の方法を伝授! 子どもの国語の成績がなかなか上がらない……とお悩みの保護者の方は必見ですよ。

中学生の問題集読書の進め方──読解問題の選択肢の分析

小学生の問題集読書は、難しい語彙のある物語文や説明文を読み慣れることに力点がありますが、中学生の場合はもう少し進んだ勉強ができます。

その方法は、読解問題の選択肢を分析することです。

まず、問題集読書の最初の勉強方法は、あらかじめ問題集の解答を見て答えを書き込むことから始まります。これは、英語でも理科でも社会でも、基本的には同じです。

答えの既にある問題を、最初からわざわざやるのは時間の無駄です。答えを見て、すぐにわかる問題はやらなくてもいい問題で、答えを見てわからない問題だけを自分なりに理解していけばいいからです。

問題集に答えを書き込んだあと、見開き2ページを音読していきます。音読は、問題文だけでなく、設問も答えも一緒に読みます。見開き2ページなら、大体3分で読み終えます。

なぜ音読をするかというと、音読によって文のリズム感が身につき、繰り返し音読をすることによって文の理解が深まるからです。中学生は黙読で済ませたがりますが、黙読の読みでは、繰り返し読むことが難しくなります。

音読の必要性は、英語でも同じです。英語の教科書の1ページ分を毎日20回以上音読して暗唱するのが、英語の勉強の基本です。

さて、国語の問題集読書で音読が終わったら、50字で感想を書きます。その際、50字ぴったりにまとめるようにすると、言葉を選択して書く力がつきます。

これからの国語の試験は、記述力が問われるようになりますから、感想はできるだけ早く書き上げるようにします。これは、作文を書くときにも生きてきます。

早く書き上げるためには、消しゴムは決して使わずに、最初から最後まで一息で書くように心がけることです。消しゴムは、うっかり書き間違えたときの1文字分を消すのには使ってもよいのですが、それ以上の語句や文を消すのには使わないようにします。

この答え書き込み、音読、感想書きがひとまとまりの勉強で、大体15分もあればできると思います。

これを毎日続けて1冊を最後までやり終えたら、同じ問題集の2回目に挑戦します。2回めは、もう既に答えの書き込みが終わっているので、音読と感想書きだけです。

感想を書く力をつけるために、「○○はAでなくBである」というような対比をはっきりさせた文を書くようにします。また、読解問題の選択肢のうち、正しい選択肢でないものが、どういう理由で正しくないのかを言葉ではっきり言えるようにします。

国語力の基本は、難しい文章を読み慣れることですが、国語の成績を上げるためには、読み慣れるだけでは不十分です。

成績を上げるコツは、この選択肢の分析のように、正しくない答えがなぜ正しくないかを自分なりに理解することです。

しかし、その分析の土台になっているのは、読み取る力ですから、問題集の音読だけでなく、普段の生活の中で読書をする時間も毎日確保しておく必要があります。

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人を太らせる細菌が実在する! 肥満が感染症だったと米研究

さまざまな病のリスクを高める肥満ですが、その肥満が実は感染症だった、という研究結果が発表されていたことをご存知でしょうか。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で、その衝撃のメカニズムが紹介されています。

肥満は「デブ菌」による感染症?

人を太らせる細菌「デブ菌」が実在するそうです。肥満の人の腸から取った腸内細菌群を移植された人が、急激に太るという現象からわかりました。

これは、米国ロードアイランドのニューポート病院とマサチューセッツ州のマサチューセッツ総合病院の研究グループが、感染症分野の国際誌であるオープン・フォーラム・インフェクシャス・ディジーズ誌(論文タイトル:Rapid and Unexpected Weight Gain After Fecal Transplant, 2015年2月)に報告したものです。

クロストリジウム・ディフィシルによる細菌感染症に罹ると、治療の抗菌薬により腸内細菌のバランスが崩れて、下痢を起こしたり、毒素が産生されたりして、ひどい場合には命に関わります。

この感染症の治療として、健康な人の糞便から抽出した腸内細菌を患者さんに移植する方法があるのだそうです。

ところが、肥満のボランティアの糞便を移植された人では、逆に短期間で急激に太ることがわかりました。

研究グループが報告した女性は、糞便の腸内への注入を受けてクロストリジウム・ディフィシル感染症の治療そのものは成功したそうです。このときの治療のための糞便を提供したのは、肥満である以外は健康状態が良好な10代の女性でした。この治療を受ける前の患者さんの体重は62kg、BMIは26で正常体重でした。

ところが移植の16か月後、女性の体重は一気に約77kgまで増えて、BMIが33まで増加したそうです。そして移植3年後には、減量の努力にもかかわらず体重が77kg、BMIは34.5の肥満が定着してしまいました。

以上の結果から、肥満の原因の1つに腸内細菌フローラが関与しており、肥満も一種の感染症と考えられるそうです。

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