カギは「抑揚」。客をトリコにする販売員の話術は「歌」に似ている

商品を紹介したいのに自分の話に興味を持ってもらえない…それって販売員としては辛いことです。しかし、そもそも自分の話に興味を持ってもらえるテクニックなんてあるのでしょうか? そんな悩みに、メルマガ『目指せ! 販売の達人 ~販売力向上講座~』の著者・坂本りゅういちさんが「秘策」を伝授。販売員のみならず、普段から自分の話に興味を持ってもらいたい方、必読です。

抑揚と本題

こんにちは、坂本りゅういちです。

話を聞かせるのが上手だなと感じる人の中には、ある特徴を持っている人がいます。「抑揚」がちゃんとあるのです。抑揚(よくよう)とは調子を上げ下げすることですが、話の中でまさにその抑揚を巧みに使っています。

私は会話は歌と似ていると思っていて、どちらもリズムとテンポと抑揚が大切な要素です。ずっと一定のまま歌われる歌が心に響かないように、会話も同じ調子のままでは相手にはなかなか伝わりません。ただ延々とでかい声を出していればいいわけでもなく、ただ延々と小さな声で話していればいいわけでもないのです。

ですからどこで抑揚をつけるかがポイントになってきます。と言っても難しいことは全然なくて友人に会って話しをするときを思い返せばいいだけです。仲の良い友人に会って、いきなりテンションが低いあいさつはしませんよね。近況を伝え合う時なんかもやっぱり楽しいですから、声も弾みます。

お客様相手でも全く同じで、何気ない会話やあいさつなんかはある程度調子を上げて話をしていけばいいだけです。

大事なのは調子を下げるタイミング。それは本題を話すときです。

友人との会話の中でも、大事な話をするときがあります。その本題を話すときに、世間話と同じテンションで話すよりも「実はね…」と慎重に話す方が相手も「なになに?」と身を乗り出して聞いてくれます。一番大事なことを話すときに、慎重な雰囲気を出すことで相手も「聞かなきゃいけない」と感じるのです。

同じように商品にも本題がありますよね。そのお客様へ最大限アピールしたいポイントのことです。そのお客様が聞けば購買意欲を刺激されるようなポイントでも、相手が聞いてくれなければ意味がありません。

それをきちんと聞かせられることができるかどうかもまた、販売員の話し方1つなのです。

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日銀マイナス金利、海外の評価は?「明白な為替操作」「世界経済に暗雲」「中国なら激怒」

日本銀行は1月29日、新たな金融緩和策として「マイナス金利政策」を導入することを発表した。マイナス金利は、欧州中央銀行(ECB)、スウェーデン、デンマーク、スイスの各中央銀行がすでに導入しているが、日銀にとっては初の試みとなる。黒田総裁は記者会見で、日銀の金融政策は「通貨をターゲットにしたものではない」と断っているが、マイナス金利は円安要因の1つとなる。一部海外メディアは、マイナス金利によって生じる円安が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念について伝えている。中でもいくつかの韓国メディアは、日銀はこの政策ではっきりと円安を目的にしていると断定し、通貨戦争が引き起こされることを懸念している。

中央銀行の必死さを表すマイナス金利政策

黒田総裁は昨年10月の金融政策決定会合後の会見で、「付利の引き下げについては検討していない」「近い将来考えが変わる可能性もないと思っている」と語っていただけに、海外メディアでも、今回の発表は驚きをもって迎えられたようだ。

マイナス金利の対象となるのは、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部である。現在、金融機関は当座預金の大半について0.1%の利息を受け取っている。2月16日以降、新たに預けられる預金の一部の金利がマイナス0.1%となる。日銀は「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる」としている。

黒田総裁は会見で、マイナス金利が実体経済に与える効果について、「金利を押し下げ、消費や投資を刺激し、経済を拡大することで、物価上昇率を2%へ引き上げていく。従って効果は十分期待できる」(産経ニュース)と語っている。

インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙(INYT)は、マイナス金利への移行は、各中央銀行の必死さを表す、と語っている。中央銀行が従来用いる手段はおおむね使い尽くされており、たいていの国の利率は0%近くまで押し下げられている、と同紙は状況を語る。

フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、マイナス金利への衝撃的移行により、黒田総裁は、デフレと闘う者としての信用を取り戻そうと務めている、と語る。

金利が下がったところで企業の借り入れ需要が高まるとは限らない

マイナス金利政策によって、企業による投資がどれだけ活性化されるかについては、疑問視する向きも多いようだ。「巨額の内部留保を抱える大企業は、資金不足で投資を控えているわけではない」と読売新聞の社説は伝える。また、ECBによると、企業向けの融資残高はマイナス金利の導入後もほぼ横ばいだ、と同紙(30日)は伝えている。

 FTも、マイナス金利が日本経済をどれほど後押しすることになるかは、非常に大きな疑問である、と語っている。企業向け融資の金利が下がったとしても、借り入れ需要の大きな増加をかき立てないかもしれない、としている。

本当に期待されているのは円安効果?

一方、マイナス金利政策で日銀が本当に期待しているのは、円安を誘導することだとの見方が、多くの海外メディアで語られている。

FTはそれを遠回しに伝えている。日銀の今回の措置の最大の意義は、これからもさらなる緩和が可能であり、とりわけ円高の進行に直面しているときも可能だというシグナルを送ることにあるかもしれない、と語っている。それに続けて「為替レートを通じた効果がメインになるだろうと考えている」とのクレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミストのコメントを伝えている。

独アリアンツのチーフ・エコノミック・アドバイザーのモハメド・エラリアン氏は、ロイターのインタビューで、日銀のマイナス金利の採用という衝撃的措置は、経済を再インフレ化するために円安に誘導したいという日本の考えを明確に示している、と語っている。

自国通貨の高騰を防ぐためにマイナス金利を導入する、という事例はすでにある。ガーディアン紙は、スイスは昨年、投資家がスイスフランを購入するのを思いとどまらせるためにマイナス金利を採用した、と語る。また、デンマークがマイナス金利を採用した狙いは、自国通貨の望まない増価を制限することだった、と伝えている。当時、投資家が、危機に苦しめられているユーロ圏の外に安全な投資対象を求めていて、デンマークに大量の外資が流れ込み、デンマークの通貨は高騰していたと同紙は語る。これは、日本円が現在置かれている状況に似ていると言えるだろう。

韓国メディアは通貨戦争の危険を警告

いくつかの韓国メディアは、日銀ははっきりと円安を目的としてマイナス金利政策を導入する、との見方に立っている。

中央日報は、マイナス金利の景気浮揚効果は顕著なものではないが、その一方、外国為替市場で通貨価値を目立って引き下げてはいる、と専門家らが説明したと報じた。ECBがマイナス金利政策を始めた2014年6月以降、対ドルでユーロは9%近く下落し、スイスフランなども同様の流れだったと同紙は語る(他の要因について同紙は触れていない)。専門家らは、日銀のマイナス金利政策は、「景気浮揚より通貨戦争(為替相場操作)の性格が濃い」とみている、と同紙は語る。

韓国経済新聞社の社説は、日銀のマイナス金利導入は、円高傾向をこれ以上放置しないという明らかな意志を示したものだ、と主張している。円高が進んでいる状況下、日本がマイナス金利というサプライズカードを取り出したのは、露骨に円安を断行するという意だと見るほかはなく、これは明白な為替レート操作と同じだ、と主張している。

中国が元を切り下げるだろうとの展望があり、ECBは3月に追加の量的緩和を予告している。そこに日銀のマイナス金利政策が加わった。主要国のこうした動きは、新興国の競争的な通貨切り下げを呼び起こす可能性が高い、と同紙は警告している。

ハンギョレ紙の社説は、日銀のマイナス金利政策について、日本経済に及ぼす影響とは別に、世界経済に及ぼす影響は侮れないだろう、と語っている。ヨーロッパ、中国などの中央銀行も、世界経済の回復が期待できないとして、日銀に追随して通貨緩和に踏み出す可能性が高い、と同紙は語る。輸出市場での価格競争力を高めるために自国通貨の価値を切り下げる「通貨戦争」の様相は、世界経済の不確実性を一層高めるだろう、と警告している。

通貨戦争への懸念は欧米メディアでも

欧米メディアでも、FTは、日本の予期せぬ措置は、いわゆる「通貨戦争」への懸念を新たにかき立てるかもしれない、と指摘している。ヨーロッパと日本の金融緩和策が、ユーロと円の下げ圧力となっているという状況がある。

INYTは、日本の決定は世界市場において波及効果を持つかもしれず、世界経済の見通しをさらに曇らせるかもしれない、と語っている。その一例として、円の下落が、中国の人民元の下落の原因となる可能性について語っている。中国は資本流出を抑制すべく、元を安定させようと格闘している、と同紙は語る。

米ヘッジファンドのヘイマン・キャピタル・マネジメントのマネージャーのカイル・バス氏は、通貨戦争がすでに始まっていると受け取られる可能性があると考えているもようだ。バス氏が、日銀総裁は「(ダボス会議から)1週間後に、通貨戦争がどのようなものかをはっきり見せた」と語ったことをウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。「日銀総裁はダボス会議で中国に、元安を食い止めるため、厳密な資本規制を行うよう言ったが、その1週間後には、元に対して2%円安の状況にした。私が中国だったら日本に激怒するだろう」と語っている。

(田所秀徳)

 

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毛布におしっこ、奢るから飲みに行こう―変なお爺さん、獄中で大暴れ

身に覚えのない罪で逮捕勾留された際の体験を書き綴る元弁護士・山本至さんが、メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』で今回取り上げたのは、塀の中で出会った「自宅を放火」したというお爺さん。その人のヘンな行動にみんなお手上げ状態で…。さて、困り果てた山本さんは?

ある弁護士の獄中体験記 「おしっこおじさん」

当初いた5号室から3号室に移った私は、「嫁に申し訳ない」と言うのが口癖の窃盗犯と暮らしていた。

11月23日の就寝直後、係官が寝具一式を持って「夜中に1人来るから寝る場所を空けておいて」と言われた。時計が0時を回った24日に入ってきたが、半睡眠半覚醒状態の私にはどのような人か分からなかった。ただ、寝ることもせず布団とトイレの間を行ったり来たりとうろうろしており、朝方になってやっと寝てくれた。そのとたん、ものすごい鼾が始まった。収容施設で一番嫌われるのは鼾をかく者だそうだ。

朝になってみれば70歳近くに見える爺さんだ。

「何をしたのですか?」

小泉から安倍にかわってついていけない。もうどうでもいいんだ。」

窃盗犯と思わず顔を見合わせると、続いて

「どうせ俺に日本国籍はないし」と言い、何をしたのか再度聞いた私たちに「自宅に放火」との返答。さらに「1人だったの?」と聞くと、「農業やっていて妹がいる。妹も殺そうとして火をつけたけど助かったみたい」。本当なら放火と殺人未遂かよ、重いぜと内心で思っていると、「明日には刑務所に行けるよね」との質問がくる。

私たちは声をそろえてきっぱりと「行けません」と教えた。これを聞いた彼は、黙り込んでしまい、なぜかトイレ前の板敷に自分の毛布を運び、そこに座り込んでしまった。畳敷部分は3人でもけっして狭くはないのに、わざわざ板敷に行くとはやはりおかしい人なのか? 私たちはあまり関わり合いになるのはよそうと暗黙の了解をした。

ところが、向こうから話しかけてくるのを無視することはできない。いきなり立ち上がって出入り口の鉄格子にしがみついて、「開かないな」との一言。当たり前である。開かないように造られているのだから。仮に開いたとしてもその後いくつもの関門があり逃亡なんてできない。「開かないよ」と教えるまでもないことを言ったが、それでもまだしがみつき揺すりながら、「自由に出入りできないの?」と聞いてくる。

「友達」と「知り合い」 この境界線はどこにあるのか?

友達と知り合い の境界線、あなたはどこですか?「私はそんなに親しい友達いないんだけど…」と思っているのは、実はあなただけではないよです。

今日は、きれいごとでは済まない「大人の友達事情」について見ていきましょう。

友達と知り合い :新成人は「友達」が37人いるっていうけど…

2014年、調査会社マクロミルが新成人に交友関係についてのアンケートを行っています。

その結果によると・・・新成人が「自分の友達」と認識している人の人数は、なんと平均すると「37人」なのだそうです。

「37人も友達がいるなんて、普通の人はみんな友達が多いんだ・・・私はそんなにいない!」と思うかもしれません。でもこの結果を鵜呑みにするのはまだ早いです。

友達と知り合い :SNSでつながれば私もあなたもオトモダチ!?

では次に、「友達とどのようなコミュニケーションをしていますか?」と尋ねた結果を見てみましょう。

直接会うことが多い・・・ 38.4%
TwitterやFacebookを見ることが多い・・・ 28.5%
メールを送ることが多い・・・ 19.2%
Twitterでつぶやく、Facebookに書き込むなどの不特定多数に向けての発信・・・ 18.8%
写真やスタンプなどを使ったショートメッセージを送る・・・ 18.6%

「友達」と「知り合い」  境界線はどこ?
(記事協力:マクロミル調べ)

「直接会うことが多い」と答えている人がいちばん多いのは納得できますが、注目したいのは「TwitterやFacebookを見ることが多い」と答えている人の多さ。

何と3割もいますよね。

話をしたり、直接会ったりしていない相手であっても、「友達」にカウントしている人が3割、ということになります。

また、「Twitterでつぶやく、Facebookに書き込む」と答えている人も2割近く。

「相手が公開している情報を見るだけ」「相手を特定せずに文章を投稿するだけ」という行為が「友達としてつき合っている」といえるのかどうか・・・かなり微妙なところです。

友達と知り合い :みんな「深くつき合える友達」を欲しがっている

「友達に対する考え方」についての、さらに興味深い結果もあります。

狭く深くつき合える友達が欲しい・・・85.2%
友達とつながらなくて寂しいと感じることがある・・・54.4%
友達を作るのは苦手だ・・・66.6%
友達づき合いが面倒くさく感じることがある・・・70.6%

この結果から見ると、ふたりにひとりは「友達とつながらなくて寂しいと感じる」ことがあって、8割以上もの人が「深くつき合える友達が欲しい」と思っていることになります。

しかも7割近くの人は、友達が欲しくても「友達を作るのは苦手」「友達づき合いが面倒くさい」のです。

友達と知り合い :大人なら「本当の友達」は少なくて当たりまえ

冒頭では「新成人の友達の数は平均すると37人」という結果を紹介しましたが、上で示された結果は、それとは少し矛盾している気もします。

「SNSでやり取りすれば私とあなたはもう友達!」という風潮があるいっぽうで、やはりそれだけでは満たされない何かがあるわけです。

大人になると「ただの知り合い」はどんどん多くなりますが、それを「友達」にカウントしてしまう人が最近は増えているのかもしれません。

でも仕事や家族の用事で忙しくしていれば、「知り合い」は多くても「本当の友達」なんて少ないか、むしろまったくいなくても不思議はないのです。

だからCMを見て「私は友達が少ないんだ・・・」と落ち込んでしまったあなたはごくごくまともです。「友達」と「知り合い」の区別ができていて、「友達」がいかに得がたくて貴重な存在か、きちんとわかっているのですから。

執筆:Mocosuku編集部

 

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日本が第2次大戦中フィリピンで米国と戦わなければならなかった理由

太平洋戦争においてフィリピンが激戦地であったことをご存じの方は多いかと思います。では、なぜ日本は彼の地で米国と戦わなければならなかったのでしょうか。無料メルマガ『心のビタミン』では、その理由の1つに「植民地支配への抵抗」があったと記しています。

両陛下の「比島戦没者慰霊」を正しく伝えられない日本メディア

1月29日、フィリピンを公式訪問中の天皇皇后両陛下は、マニラから約70km離れたラグナ州カリラヤに日本政府が建立した「比島戦没者の碑」に供花し、大東亜戦争で犠牲となった日本人戦没者を慰霊されました。

27日には戦争の犠牲になったフィリピン人が眠る「無名戦士の墓」に供花されており、フィリピン人と日本人それぞれへの慰霊を今回の訪問で果たしました。

フィリピンは海外の地域別で最多の約51万8,000人の日本人が戦没した激戦地です。今回の訪問の主目的は日本との国交正常化60周年を機とした友好親善ですが、両陛下の強い意向で現地での戦没者慰霊が実現しました。

戦後70年の昨年のパラオに続く海外での慰霊となりました。両陛下が、パラオとフィリピンの慰霊を強く希望され実現されたことは、深い意義が込められていると私には思えます。

ところが日本のメディアが伝えるニュースを見ていると、フィリピン人の犠牲者、特にマニラ市民約10万人の犠牲者が強調され、しかもまるで日本軍が殺戮(さつりく)したかのような印象を与える内容も散見されました。いわゆる戦後のGHQによる極東軍事裁判史観の闇が未だ日本の社会を覆っていると言えます。

ここで、比島においてなぜ日本軍が米軍と戦わなければならなかったのか、その歴史背景と戦闘そのものの事実を再考してみたいと思います。

レッツ・ポジティブ!子どもの「短所」、見方を変えれば「長所」かも

やるべきことをやらない、落ち着きがない、愚痴が多いなどなど…、日々子どもの「短所」に頭を悩ませている親御さんは多いのではないでしょうか。しかし、ちょっと待ってください! その短所だと思っていること、本当に悪いことですか? 無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、一見、ネガティブにとらえがちな子どもの行動も、見方によっては「長所」になることを、具体的な事例を挙げながら紹介しています。子どもの可能性を信じて…レッツ・ポジティブ!

子どもの短所はあなたにそう見えるだけ

たとえば、やるべきことを後回しにして平気で遊んでしまう子がいたとします。それは大人であるあなたにとって不快なことなので、短所とみなされます。

でも、それは見方を変えれば神経が太くて度胸がいいという長所でもあり得ます。本人が大人になって仕事を始めたとき、大きな仕事を成し遂げる原動力になるかも知れません。

逆にやるべきことを先にやらないと気がすまない子がいたとします。それは大人であるあなたにとって都合のいいことなので、長所とみなされます。

でも、それはまじめすぎて息が抜けないという短所でもあり得ます。大人になって仕事を始めたとき、自らを追い込んでしまうことになる可能性もあるのです。

大人は自分たちにとって都合のいい面を長所とみなしてほめます。そして、その逆を短所とみなして叱ります。でも、本人が長い人生を生きていく上では、短所に見えたことが実は長所だったということがよくあるのです。

このようなわけで、子どもに対するいつもの見方を少し変えてみることをお薦めします。「この子はこういうところが困る」と感じていることが、その子の生きる力に思えてくるかも知れません。

落ち着きがないというのは活動的ということでもあり、文句や愚痴が多いというのは溜め込まないということでもあります。すぐ飽きてしまうというのは好奇心が旺盛ということでもあり、ぐずぐずしててきぱきできないというのは自分のペースでゆったりしているということでもあります。

今のあなたの見方が絶対的に正しいわけではありません。それは、常にあなたに都合のいい見方になっているからです。一度、自分の色眼鏡を外して子どもを見てみましょう。

初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)

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不吉な言葉だから?今年の干支「さる」を「えてこう」と呼ぶ理由

日本では古代から言葉に「言霊」が宿ると言われてきました。そのため、使用を避けたほうが無難な「忌み言葉」というものが存在します。この忌み言葉を覚えていないと、知らず知らずのうちに相手に不快感を与えてしまいかねません。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』の著者・神垣あゆみさんは、冠婚葬祭における「忌み言葉」の言い換えについてわかりやすく解説してくれています。

忌み言葉に注意

言霊(ことだま)」という言葉があります。サザンオールスターズの楽曲にも「愛の言霊」という曲がありますね。

万葉集には、柿本人麻呂が詠んだ歌として

「磯城島(しきしま)の大和の国は 言霊の助くる国ぞ 真幸(まさき)くありこそ」

があります。海路の無事を祈る歌で

「日本の国は言葉の精霊が人々を助けてくれる国だから、私が贈るこの言葉も、きっとあなたの助けになってくれることでしょう。どうぞ、ご無事で」

という意味が込められています。

このように、古代の日本では「言葉にも魂が宿る」と信じられていました。こうした背景からお祝いの席や悲しみの場では、不吉なことを連想させる言葉を「忌み言葉」として避ける傾向にあります。

例えば、正月にお供えした鏡餅を下ろし、雑煮や汁粉にして食すことを「鏡開き」と言いますが、これは「鏡割り」の「割りが忌み言葉に当たるとして「開き」に言い換えた言葉。

※「鏡開き」には他の意味も
参照:【仕事美人】間違いやすい表現 < 言葉の雑学(3)>

日本では古来から不吉な言葉、縁起の悪い言葉を「忌み言葉」として避ける一方で、それを言い換えることで少しでも幸せを呼び込もうとしていました。

今回は、お祝いや悲しみの場面で使うをの避けたい「忌み言葉」とその言い換えを紹介していきます。

 結婚祝いの忌み言葉

結婚のお祝いを言葉で伝える際は「切れる」「別れる」といった「別れを連想させる言葉や、「重ね重ね」のように繰り返すことを意味する「重ね言葉」を使うのは控えましょう。

▼別離を連想させる言葉
 切る、別れる、帰る、去る、戻る、離れる、終わる、壊れる、破れる など

▼繰り返しを連想させる言葉
 重ね重ね、重々、返す返す、再び、再度、くれぐれも など

不吉な予感を与える忌み言葉は、できるだけ縁起の良い言葉や肯定的な表現に置き換えて使えば、差し支えありません。例えば……

×これから、夫婦として新生活のスタートを切るわけですが

○これから、夫婦としての新生活が始まりますが
 あるいは「スターラインに立つ」

×料理が冷めないうちに召しあがってください。

○料理が温かいうちに召しあがってください。

×終わりにひと言申しあげます。

○結びにひと言申しあげます。

気づかず使ってしまいがちな重ね言葉も次のように書き換えてみましょう。

×新郎の活躍は重々存じていますが

○新郎の活躍は十分存じていますが
 あるいは「よく」

×くれぐれもお幸せに。

○いつまでもお幸せに。
 あるいは「末永く」

売れない訳だ。大手旅行誌の元編集長が暴露する出版不況「負の連鎖」

スマホやネットが普及した現在、紙の雑誌は軒並み発行部数が落ち込んでいます。「雑誌が売れなくなった」と言われて久しいですが、全国の宿や温泉の情報を網羅した旅行雑誌も例外ではありません。なぜ旅行雑誌は売れなくなってしまったのか、かつて全国誌「旅行読売」の編集長をつとめた、メルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の著者である飯塚さんが、その原因と裏事情を暴露しています。

旅行雑誌のウラ読み術

これは『温泉批評』の創刊号に書いたネタなのだが、誌面の関係でカットした部分もあるので、最初に書いたオリジナル原稿に加筆してご紹介しよう。

第1回目は「旅行雑誌の取材の現状」について書きたいと思う。

まず、出版業界の現状を考えてみたい。

現在、ネット情報の発達などもあって、情報誌は軒並み販売部数を落としている。 これは情報誌に限らず、出版物のすべてが売れないという状況が、もうずいぶん長い間続いている。 実はこのことが、紹介記事の質を落とす要因の一つになっているのは間違いない。

出版社としては、雑誌が売れなければ、制作予算を削って利益を確保しようと考える。 人件費も削らないといけないから、編集や取材に携わる人数も減る。予算がなければ現地取材に行くことが難しくなるし、社内の記者が少なければ外部スタッフに撮影から執筆までの一切を外注することが多くなる。

僕も外部スタッフの一員だから、仕事が増えることはうれしいことではある。問題はそれによって版元編集部員の能力=「外注スタッフの原稿をチェックする能力」が、低下している傾向がある、ということだ。 それはなぜなのか。

雑誌の編集にかける予算が減って編集部員が減れば、外注の原稿まとめ作業に時間をとられて、部員本人が現地へ行くことができなくなってくる。

自分で行ったこともない温泉地の原稿を、外部スタッフが書いてきたとして、現地を知らないから、仮に原稿に間違いがあっても編集者は気が付かない。

結果として、間違った原稿が雑誌に載る。 記事に間違いが増えれば、雑誌の信頼性は揺らぎ、その雑誌は売れなくなる。

編集者は自分でチェックできないから、先方校正をして間違いのリスクを減らす。 時と場合、そしてライターによっては、自分の取材したことから少々はずれていても、先方(宿など)の言われた通りに直す。

取材したことと違う情報が載るということは、これまた間違った記事を掲載することにもつながる。そしてまた雑誌は売れなくなる

売れなければ制作費が減って、きちんとした取材ができなくなる。

ヒヨコか卵か、という気がしないでもないが、まったくの悪循環である。

業界全体が前述のような状況におかれているから、外部スタッフを有効に使わないと雑誌自体を作ることすらできなくなってきている、というのが現在の状況である。

その外部スタッフには、いわゆる旅行ライターや温泉ライター、カメラマン、編集プロダクションなどがあるわけだが、最近では編集部が企画したテーマに沿って、温泉施設などの情報を調査し、施設をピックアップすることを専門に任されるスタッフも存在する。

たとえば旅行雑誌などで、編集部が「ニューオープン&リニューアルオープンの宿」という特集企画を考えたとしよう。

すると、雑誌発行の2~3か月前くらいにピックアップ専門スタッフに依頼して、全国の温泉宿を洗い出してリストアップするわけである。

もちろん選ぶのは温泉宿や施設だけではない。 味の店や、見どころ、史跡、特別公開情報、イベントなどがあり、スタッフそれぞれに得意分野がある。そして、こうしたスタッフがピックアップしたリストをもとに、編集部内で会議がおこなわれて、最終的に紹介する施設を決める、というのが、昨今では多くなってきているようだ。

ここ数年来の経済状況で、宿も店も倒産や閉鎖、新規オープンが相次ぎ、めまぐるしく温泉地の様相も変わっている。 人員削減で人数が減った編集部員だけでは、すべてを把握することは確かに難しいとは思う。

【書評】コロンビア大学教諭が教える、仕事効率を上げる脳の使い方

誰しも「効率的に仕事を進めたい」と思うもの。でも、具体的にはどうすれば? そんな疑問にお答えするべく、無料メルマガ『「欲しい人材がザクザク採れる!」採用成功術』では、時間を効率的に使いパフォーマンスを最大限に上げる方法が書かれた1冊の本を紹介しています。

「成功する人は、2時間しか働かない」で人材定着について考える

今回は、最近読んだ本の内容から、人材定着について書いてみます。

真に生産的になるのに必要なのは、効率性を捨てかわりに毎日、結果を出せるとびきり最高の2時間をつくる条件をそろえる、ただそれだけでいいのです。

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成功する人は、2時間しか働かない」ジョシュ デイヴィス 著/西川美樹 訳

「仕事を効率的に行いたい」

おそらく誰もが願っていることでしょう。では、どうするか?

多くの人が「いかに無駄を省くか」を考えるのではないでしょうか。その無駄の中には「じっくり考える時間」も含まれます。「即断即決」という言葉がある種の褒め言葉として使われるように、いかに早く決めて、行動するかが効率性には直結するように考える人が多いのではないでしょうか(私もそう思っていました)。

ところが、本書ではまったく逆のことを言っています。行動に移す前に、そのじっくり考える時間を取ることこそが大切なのだというのです。なぜか? その時間こそが、その後どういう行動をすることが一番有効かを考えることができるときだからです。

それをなしに、ほぼ無意識的に次の作業に移ってしまうと、結果として非効率な作業の順番になってしまったり、重要な作業に集中できないことで余計に時間がかかったりしてしまうことになります。

甘利氏「涙のサプライズ辞任」を美談にしたがる異常事態

週刊文春の記事に端を発した甘利前経済再生相の辞任劇。会見で甘利氏は涙を見せつつ自らの政治家としての美学を語りましたが、メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』はその言を「三文芝居」とバッサリ切り捨て、さらに「カネを受け取っておきながら被害者ツラは許されない」と厳しく糾弾しています。

強欲に悪乗りし墓穴を掘った甘利明

どうやら、甘利明とその秘書たちは、怪しげな人物が持ち込んだ「儲け話」に加担した挙句、お粗末にも寝首をかかれてしまったようである。

安倍政権中枢4人組の1人、甘利にカネを出して、利をはかろうとする企業は、電力業界をはじめ、数多い。なにも危ない橋を渡らなくてもよさそうなものだが、政治錬金術は、しばしば見さかいなく対象を選ぶ。

甘利の金銭授受疑惑は、週刊文春(1月28日号)の記事で発覚した。一色武なる人物が「甘利大臣に賄賂1,200万円を渡した」と、録音テープや膨大な証拠資料まで添えて売り込んだ「自白ネタ」だ。それをもとにした週刊文春のスクープ記事。録音データの存在は、甘利大臣の脳天を一撃した。

甘利は否定も肯定もせず、「調査したい」という理由で「1週間」の期限を区切り、時間を稼いだ。次週号がどう報じるかを見極める目的もあったが、なにより、身に覚えのあることゆえに、危機管理の対策を立てる時間が欲しかったのである。

その結果出てきたのが、涙のサプライズ辞任。演出力と目くらましの手際は、さすが安倍晋三のお友達というほかない。

甘利が被害者ヅラするために、詰め腹を切らされ、やむなく辞表を提出したのが、甘利から信頼されていた2人の秘書たちだ。多忙な大物国会議員に代わって政治の裏側の実務を担ってきた連中である。

秘書といっても、国費で給料を支払う公設秘書(身分は国家公務員特別職)と、各議員の事務所から給料が支払われる私設秘書がいる。文春の記事によると、今回の「賄賂疑惑」に主としてかかわったのは、公設第一秘書清島健一だ。甘利の信頼が厚く、神奈川県大和市の甘利事務所長でもあったという。

この記事について、自民党の幹部や、一部メディアから「罠だ」「嵌められた」など、甘利をかばい、悪を情報提供者に転嫁する意見が続出した。それに呼応し文春の記事にケチをつけるように週刊新潮2月4日号では「甘利大臣を落とし穴にハメた怪しすぎる情報源の正体」なる記事が掲載された。