ついに中国が「不況の時代」へ突入。なぜこんな事態に陥ってしまったのか?

中国の経済が悪化し始め、不景気に悩む中国アパレル経営者が増えてきているそうです。メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、そんな中国アパレルの経営者に向けて、デフレなどをいち早く経験した日本人の立場から、低成長時代を乗り越えるための戦略を語っています。

低成長時代を乗り越えるための戦略

こんにちは。

中国の経済が悪化しています。コロナが明けて、中国アパレルの経営者向けのセミナーの打診があったのですが、これだけ景気が悪いと有効なアドバイスができないと考えて、お断りしました。

断ってはみたものの、何となく心に引っかかっています。バブル崩壊後の不景気の経験を元に、不景気時代の戦略についてアドバイスできるのではないか、と考えたりしています。

自分の考えをまとめるために、不景気に悩む中国アパレル経営者に向けた戦略について考えたいと思います。

1.低成長時代への戦略転換

世界中が好景気で、給料が上がり続ける中で、日本はデフレと不景気に苦しんできました。コロナ禍が収束した現在、これまで好調だった中国は景気減速に苦しみ、希望を失っているように見えます。

そこで、デフレと低成長時代をいち早く経験した日本から中国アパレル経営者に助言を送りたいと思います。

高成長時代は、明るく積極的な気分が主流です。お金持ちは成功者であり、リッチであることをアピールすると、周囲もそれを讃えるムードがあります。

経済成長の時期は、昨日より今日、今日より明日がより良くなります。将来に明るい展望があるので、ローンを組むことにも抵抗がありません。欲しいものがあれば、売り切れる前にクレジットカードで買物をします。そういう積極さを持っていないと時代に取り残されると考えています。

市場が拡大しているので、企業も常に新規顧客を獲得できます。市場シェアを拡大するには、積極的に広告宣伝に投資することが必要です。ブランド知名度を一気に上げ、顧客を囲い込む戦略が有効です。

低成長時代は、堅実で消極的な気分が主流です。お金持ちでも、自分がお金を持っていることを周囲にアピールせず、慎ましく振る舞います。それが上品であると評価されます。

経済が成長しないので、昨日も今日も明日もあまり変わらず、むしろ悪くなることさえあります。高望みはせず、借金も極力避け、収入に見合った支出を心がける賢い生活者を目指すべきであると考えます。

市場は拡大しないので、リピート顧客の獲得を目指すことが重要になります。商品の品質、アフターサービスに注力することで、顧客との関係性を高めることが必要です。

広告宣伝への投資より、品質を向上させる設備投資や人材への投資がより重要になります。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

詰んだプーチン。ついに「核兵器使用」以外の報復手段が無くなった窮地の独裁者

ウクライナへの軍事侵攻により、21世紀最悪の戦争犯罪者に成り下がったプーチン大統領。そんなロシアの独裁者もいよいよ以て最大の窮地に立たされているようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナが反転攻勢に向けて開始した「形成作戦」の狙いとその進捗状況を解説。さらにロシア国内でも進む「プーチン大統領の孤立化」という現状を伝えています。

汚職と腐敗にまみれた独裁に絶望。露国内で広がる反プーチンの波

ウ軍は、形成作戦を行っているようだ。ウクライナは、専守防衛ではなく積極防衛であり、ロシア領内への攻撃も加速させている。

形成作戦の1つの目的は、ロシア全体を混乱にして、クーデターなどの体制崩壊を目指すロシア人達を立ち上げらせることである。

そして、もう1つがウ軍は、後方基地の破壊と、突破する地点を見つけて、そこに一点集中攻撃することだ。

このため、ロ軍占領地の後方基地をストームシャドーで攻撃し、ロシア領内には、UJ-22ドローンを用いて攻撃、ベルゴロド州などの国境地域には、自由ロシア軍団やロシア義勇軍団などの親ウ派軍団を侵攻させている。

モスクワ方面

5月30日、32機のドローンがモスクワを目指し、内8機がプーチンが住むモスクワ市の高級住宅街に飛来した。5機を撃墜し、3機を制御不能にしたとロ軍は発表したが、2機はレーニン通り内側で爆発した。

この高級住宅街の近くのフラシハには、戦略ロケット部隊の司令部があり、そこを狙った可能性もある。このドローンは、UJ-22ドローンであり、航続距離は800kmなので、ウクライナ領内から飛ばした可能性が高い。しかし、速度は120Km/hと遅いし、載弾量は20kgと少ない。GPS誘導では、モスクワ近郊はGPSを狂わせる「スプーフィング」があり、誘導方式でも北斗やグローナス誘導の可能性もある。

このドローンをモスクワまでに発見できないということは、ロシア国内での防空体制はスカスカのようだ。S-400などの防空システムを前線に配備しているので、国内では配備がないようである。しかし、ベラルーシ方向からドローンが飛んでくると、敵認識ができなかった可能性がある。

これに先立ち、5月3日には、クレムリンに2機のドローンが到達して、防空体制の強化をプーチンは指示していたにも関わらずに、またしても、ドローン攻撃を受けたことになる。

プーチンは、「ウ軍はテロ攻撃をしてきた」と述べて、報復を示唆したが、大量のミサイルやドローンなどのキーウ攻撃は既に行っているが、ほとんど迎撃されている。核攻撃以外に報復の手段がない。

しかし、このモスクワ攻撃に対して、ポドリャク大統領顧問は「直接の関与をしていない」としている。

しかし、5月24日に前回のドローン攻撃を「ウクライナの特殊軍事部隊か情報部隊が計画した可能性が高い」との複数の米当局者の新たな分析をしたことが報道されている。この秘密工作の背後にいるとみられているのが、キリロ・ブダノフ国防省情報局長である。

自由ロシア軍団のベリヤ・ポノマリョフ氏は、「最終的には、モスクワを解放する」としたように、自由ロシア軍団が関与した可能性はある。そして、ポノマリョフ氏は、「プーチンはキーウに攻撃ができます。なぜウクライナがモスクワを攻撃することがだめなのでしょうか。(このような西側の要望は)愚かであり、偽善的です」と述べている。

モスクワ郊外の蒸留所でも火災があり、モスクワ市内でバスなど32台が火災にあっている。こちらは放火のようである。これにも自由ロシア軍団が関与している可能性がある。

この自由ロシア軍団には、ロシアで数千人の応募があるという。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

もはや前世紀の遺物。それでもG7にしがみつくニッポンの無知蒙昧

ゼレンスキー大統領の電撃来日もあり、世界中の注目を集めることだけには成功したG7広島サミット。しかしそもそもG7は、21世紀の国際社会において重要な役割を果たすに足る枠組みと言えるのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、「G7が世界の問題を解決できると思うこと自体が幻想」と一刀両断。その枠組はもはや20世紀の遺物との厳しい見解を記しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年6月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

西側のみが世界の問題を解決できるという幻想。もはや異物と化したG7にしがみつく日本

岸田文雄首相が精一杯に演出を盛り上げて、あわよくば会期末解散への踏み切り台にしようとまで企んだG7広島サミットだったが、何ら目覚ましい成果をあげることもなく終わった。もし岸田が本気でウクライナ戦争の泥沼化に歯止めをかけるつもりであれば、ゼレンスキーだけでなくプーチンも呼んでその場で停戦交渉を始めさせるくらいの芸当が必要だったろう。しかしそんなものは何もなく、「ウクライナ支援」と「ロシア非難」の合唱を繰り返しただけだった。

他方、せっかく広島を会場に選んだのだから、「核なき世界」への覚悟を世界に示す機会にすることを被爆者はじめ国民も期待したけれども、原爆資料館の見学の様子さえ非公開にしなければならないのほどのズッコケぶりで、被爆者たちを怒らせてしまった。

おそらく岸田には、国民も世界も目に入っておらず、ひたすら米国のご機嫌を伺って、バイデンが旗を振る「西側先進国=民主主義国vs東側共産陣営=専制主義国」の対立構図を際立たせ、インドやインドネシアやベトナムなど地域の有力国をロシア・中国の影響から引き離そうと図ったのだろうが、そもそも21世紀の今日では、「西側」というものが存在せず、「先進国」の観念も半ば崩壊しているし、そうであれば「東側」もまた存在せず、ロシア、中国、北朝鮮など元と現の共産国が1つの陣営を成して西側に挑んでくるといったこともない。

しかも冷戦最中の1970年代半ばにG7が始まった時には、その経済規模は世界の7割にも達していたのに、今は4割程度までに縮んでいて、G7が協議すれば世界の問題を解決できると思うこと自体がもはや幻想なのである。

さらに、その西側の「盟主」気取りの米国は、政府債務の上限を外さないと政府自体が債務不履行に陥ってしまうという問題で議会と折り合いがつかず、一時はバイデンはサミットに来られないかもしれないとまで言われた。何とか出席はしたものの、彼は上の空で、一部の会合や晩餐会を途中退席してワシントンに電話をかけまくっていた。超大国の衰退を絵に描いたような有様だった。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

英国では“首相辞任”の引き金に。岸田バカ息子「忘年会」写真の非常識

首相公邸での「忘年会悪ノリ写真」流出当初は処分に否定的だったものの、世論の厳しい反発に抗いきれず、首相秘書官を務める長男・翔太郎氏の更迭に踏み切った岸田首相。その問題の本質はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では伊東さんが、一連の騒動の経緯を振り返るとともに、海外で起きた同様の問題を紹介。その上で、翔太郎氏の行動に対する各メディアの甘さを批判しています。

「親の顔が見てみたい」岸田首相“息子テロ”更迭。そもそも首相公邸とは何か?同じ問題は海外でも

5月29日、岸田文雄首相は長男で政務担当の首相秘書官でもあった翔太郎氏(32)を、6月1日付で交代させると発表した。事実上の更迭である。

翔太郎氏は、昨年末に首相公邸で親族らと忘年会を開くなどした問題が、与野党から批判を浴びていた。後任には、昨年10月に翔太郎氏と交代した山本高義氏(51)を充てる。

岸田首相は記者団に対し、

「公邸での昨年の行動が政務秘書官として不適切で、けじめをつけるため交代させる」(*1)

と説明。自身の任命責任においては、

「私自身にあり、重く受け止めている」(*2)

と強調。さらに、

「先送りできない課題一つ一つに答えを出すことにまい進することで、職責を果たしたい」(*3)

とも語った。

翔太郎氏をめぐっては、昨年10月の政務担当の首相秘書官として起用された際も、野党を中心に批判が相次いだ。今年1月に首相のヨーロッパ訪問に同行した時には、公用車で観光するなどの疑惑が報じられた。

目次

  • 問題の概要
  • 首相公邸とは
  • 海外の場合 イギリス、フィンランド、アメリカ

問題の概要

週刊文春は、翔太郎氏が昨年12月30日、首相公邸で10人以上の親族と忘年会を開いた際に撮影された写真を複数枚、掲載。

掲載されていたものは、内閣改造の時に新閣僚の写真撮影で使われる階段で翔太郎氏を最前列に、同じように整列して撮影したものや、親戚とみられる男女が外国の賓客に接遇で使うホールで記者会見のポーズをとっていたもの。

橋本龍太郎首相の政務秘書官を務めた立憲民主党の江田憲司衆院議員は、東京新聞の取材に対し、岸田首相が歴代の首相と異り、経済産業事務次官経験者の嶋田隆氏に加えて、翔太郎氏も政務秘書官に据えている時点で、

「二人というのは異例中に異例で、長男は仕事がないのでは」(*4)

と指摘。一時、続投を判断させた首相の判断については、

「明らかに後継含みの箔付けとして政務秘書官に登用しており、更迭すれば傷がつくのでできないのだろう。いずれ世論が忘れると高をくくっているのでは」(*5)

との見方を示していた。自民党の閣僚経験者は今回の事態に対し、

「意識が低いとしかいえない。選挙のつらさを知っていたら、こういうことはしない」(*6)

と語っていたものの、結局は辞任に追い込まれる。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

梅雨の時期に必要なのは「攻撃的防御」。個性的な季節の楽しみ方

頭痛や関節痛、めまいや倦怠感に不快感やイライラ。さらには、カビやダニなどによるアレルギー反応など、体調が悪化しやすく、鬱やノイローゼなどの精神障害も発症しやすい梅雨の季節。そんな難敵から心身を守るには、ポジティブに楽しむ姿勢が良いようです。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』で、心理学者の富田さんは、「ウキ雨季大作戦」と題して、梅雨の季節が楽しくなるアイテムやおでかけスポットを紹介し、この時季を乗り切るコツを伝えています。

ウキ雨季大作戦:攻撃は最大の防御

タイトルに「ウキ雨季大作戦」(あまりにも昭和風?)とあるように、今回は「いかにして雨季(梅雨)を楽しむか」がテーマです。孫氏の兵法にも「攻撃は最大の防御」とありますから、「梅雨のジメジメ低気圧」に負けないために、むしろ積極的な反転攻勢に出て、逆に梅雨という季節を楽しんでしまおう、というわけです。

心理学的に言えば、これは「コーピング(coping)」ということになるでしょう。コーピングとは、「ストレスに対処する(cope)ための行動」という意味です。と言うのも、梅雨時というのは、私たちのメンタルにとって、かなり危ない季節だからです。放っておけば、いつの間にかストレスが溜まって、精神が蝕まれかねません。

天候というものは、私たちの肉体や精神に様々な影響を与えます。梅雨の時期には当然雨の日が多くなります。そして、雨の日は気圧が下りますから、「頭痛」や「関節痛」などが出やすくなります。こうした肉体的な不調は精神面にも影響を与え、「不快感」が積み重なり、「ストレス」が増加します。

また、梅雨時には「高温多湿状態」が長く続きます。汗が渇きにくくなり、体温が内にこもることで「熱中症」が生じる場合もあります。そこまで行かなくとも、「めまい」や「倦怠感」などが生じやすくなり、「不快感」や「イライラ」も酷くなり、これもまた「ストレス」を増加させる原因となります。

さらに、「高温多湿状態」はカビやダニなどを繁殖させます。これらによる「アレルギー反応」は、健康問題を抱えている人には要注意ですが、たとえ健康な人でも、「慢性的な不快感」や「疲労」の原因となりますから、これらもまた「ストレス」を増加させます。

こうした「体調の悪化」や「ストレスの増加」は、「睡眠障害」や「鬱(うつ)病」、「ノイローゼ(神経症)」などの精神障害を発症しやすくします。そこまで酷くなくとも、ストレスの蓄積は「否定的感情」を刺激し、「攻撃性」を高め、「不適応な行動(親しい人とケンカをするとか)」の原因となります。放置すれば、仕事や人間関係にも悪影響をおよぼしかねません。

梅雨ストレスを溜め込み過ぎて、こうなってしまう前に、「攻撃は最大の防御」、梅雨という「個性的な季節」を逆手に取って、これをポジティブに楽しむ工夫をしようではありませんか。

この記事の著者・富田隆さんのメルマガ

岸田家の「父子バカ」に聞かせたい。“平民宰相”原敬と息子の話

岸田一族による官邸での「大はしゃぎ」に対して世間の批判の声は厳しく、庶民の感覚がわからない世襲議員の岸田首相は、慌てて長男で首相秘書官の翔太郎氏を更迭しました。一連の騒動を「父子バカ」と評すのは、辛口評論家として知られる佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、大正時代に“平民宰相”と呼ばれた原敬元首相について、その息子が語った逸話を紹介。狭量だと思った父の言動が、実は重い公職にある者としての信念と覚悟によるものだったとの話に、岸田首相とはあまりに違う姿を見ています。

父子鷹ならぬ父子バカ

5月27日付の『朝日新聞』に「どれだけの恥か気付かぬ親子かな」という川柳が載っていた。岸田の息子の論外の首相公邸での忘年会騒ぎを指してである。「世襲です泣いて馬謖を斬りませぬ」ともあったが、最初、岸田は首相秘書官の翔太郎を更迭しないつもりだった。

平民宰相の異名をとった原敬の養子の奎一郎が父について書いている。

奎一郎が小学生の頃に、隣に同年輩の遊び友だちがいて、彼の父親が国技館の相撲を見に行くのに誘ってくれた。奎一郎は行きたくて、母親に尋ねたら、「いいと思うが、一応父親に訊いてみる」。すると敬は「隣家の主人は何をする人か」と問い、「商人です」と答えると、「断れ」と言われた。

それで母親は「今日は都合が悪いから折角ですが御一緒できませんと言って断りなさい」と奎一郎に伝えたという。残念に思った奎一郎の回想を引く。

「子供心に僕は父を狭量だと思わざるを得なかったが、そのとき僕は母から政治家としての父が実業家から不当な恩恵をこうむることを極度に避けなければならないという意味のことを説明されてやや納得した」

書き写していて、原と岸田のあまりの違いに空しくなる。岸田自身も二世だから、公職私有を当然のように思っているのだろう。

原の遺言の中に、ある人から贈られた数万円(当時の金額である)の銀行預金を、自分の没後直ちに返却しろという一項があった。原は何度も断ったのだが、どうしてもと言われてやむをえず手元に置いたが、この人のために何らかの尽力をした覚えがなく、受納すべき理由がないから、没後直ちに返すべしというのだった。

奎一郎は「僕が遺言状のこの一節に接して、子供のとき隣家の一行に加われなかった理由を、今更の様に思いおこしたことは言うまでもない」と記している。

原が遺言状を書いたのは、原の身辺を狙う者があるという警報がしきりに伝えられる頃だった。原は護衛を極度に忌避した。「十重二十重にしていたって、やられる時にはやられる。護衛などしなくても、やられない時にはやられない」と常々、原は言っていた。

奎一郎はイギリスに留学したが、母親に、「イギリスから帰って来たら、お父さんは僕を秘書官にでもして下さるつもりかな」と尋ねると、彼女は笑って言った。「お前さんなんかにお父さんの秘書官がつとまるものか」。

浜口雄幸も犬養毅も軍人政治に待ったをかける軍縮を推進して凶弾に倒れた。軍拡の岸田との決定的な違いである。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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発売3日間で20万食を販売。丸亀製麺「シェイクうどん」が大ヒットした当然の理由

軽快な音楽に乗り躍動する若者たちのCMが印象的な「丸亀シェイクうどん」。5月16日の販売開始から3日で20万食を売り上げたという大ヒット商品は、いかにして生まれたのでしょうか。その秘訣を探るのは、フードサービスジャーナリストの千葉哲幸さん。千葉さんは今回、「丸亀シェイクうどん」誕生のキーパーソンを紹介するとともに、丸亀製麺の企業文化を深く掘り下げ解説しています。

プロフィール千葉哲幸ちばてつゆき
フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

丸亀製麺の強みが全面に出た「丸亀シェイクうどん」は何が凄いのか?

全国に約830店舗を展開する「丸亀製麺」(本社/東京都渋谷区、代表/山口寛)では5月16日からテークアウト商品の「丸亀シェイクうどん」を全店で発売している。

これはプラスチックの容器にうどんと具材、そして出汁が入れてあり、食べるときに容器を“シェイク”して、うどんに出汁を絡ませるというもの。発売当初はサラダうどんも2種類あったが、今は「梅おろしうどん」390円(税込、以下同)、「明太とろろうどん」390円、「ピリ辛坦々うどん」490円の3種類をラインアップしている。

この容器は自動車のドリンクホルダーにすっぽりと入るような設計になっていて、自動車の中でうどんを食べるシーンが想定されている。ちなみに同チェーンではコロナ禍まったただなかの2021年4月よりテークアウト商品の「丸亀うどん弁当」を販売して、苦戦する同業他社が多い中で業績を大きく伸ばすことに成功している。販売は継続されて累計3,400万食(2023年4月末)となっていて、同チェーンにおけるテークアウトは有力な販売チャネルとなっている。

ちなみに「丸亀シェイクうどん」の初日売上は「丸亀うどん弁当」のそれと比較すると1.3倍、5月16日から19日の3日間で20万食を販売したという。

成田空港で逮捕されたガーシー容疑者。着用していたTシャツの「定価」に唖然

4日、著名人らを脅迫したなどの疑いがあるガーシー容疑者が、滞在していたUAEから帰国、逮捕されました。テレビ中継では笑みを浮かべて歩くガーシー容疑者の姿が放送され、世間からは様々な反応がありますが、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは別の点に注目したようです。

定価62,700円のTシャツで帰国したガーシー

前参院議員のガーシーこと東谷義和容疑者が約1年半ぶりにUAE・ドバイから帰国、成田国際空港で逮捕されました。

今年3月、警視庁が暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)や名誉棄損容疑で逮捕状を取得しても、UAEで10年間の滞在が認められているビザを取得した東谷容疑者は「一生帰国しない」と強気な発言をしていました。

しかし自ら帰国する可能性は低いと判断した警視庁は外務省を通じてパスポートを失効させSNSアカウントも凍結、国際手配のランクも所在確認だけの“青手配”から身柄拘束が必要な“赤手配”に格上げし、UAE現地当局に東谷容疑者がいかに悪質かを説明、説得し続けてきたそうです。

そして4日、UAEが国外退去処分を命じたことで帰国、逮捕となったわけです。

昨日の東谷容疑者の映像で私が最も印象的だったのは、胸にピカチュウの後ろ姿がプリントされた『Balmain』の青いTシャツ…何と定価が62,700円!を着ていたことでした。

実は大昔、日本橋『三越』のワゴンセールで3,000円と思って手を伸ばしたTシャツがひと桁違う30,000円だったことを、『Balmain』というブランド名を見て思い出していました。

Tシャツが3万! ふざけるな!と言いたいところでしたが、見間違えたのは自分のせい…こんなの特別な事じゃないと精一杯取り繕って会計を済ませましたが、心の中では“ワゴンに3万超のTシャツを入れるなよ…”と半泣き状態でした。

そんな思いをした私の、更に倍もするTシャツを着ている東谷容疑者に“俺は少しもひるんじゃいないぜ!”という強いメッセージを感じたのは勘違いでしょうか…。

そして『Balmain』は今、この映像にどう感じているのか大変気になりました。

とにかく明るい安村の世界的大ブレイクで中田敦彦もニンマリ?日本で「松本人志の時代」が終わる日

英国のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で日本人初の決勝進出を果たした、お笑い芸人・とにかく明るい安村(41)。惜しくも優勝は逃したものの、決勝で披露した「スパイダーマン」「バットマン」「スーパーマン」「フレディ・マーキュリー」に扮した「はいてますよ」ネタで会場は大盛り上がりだったようだ。安村本人も「夢みたいでした!」とSNSに投稿している。今回の快挙に関係者は「オリラジ中田さんの言う通りになるかも」「一発屋芸人の価値が見直されるのでは?」と話す。物議を醸している、オリエンタルラジオ・中田敦彦(40)の発言は「予言」だったのだろうか?

テレビのニュース速報に『とにかく明るい安村』の名前が

都内のIT企業で働く男性(30代)は、今朝の衝撃を振り返る。

「テレ朝の『グッド!モーニング』で、次番組に切り替わる前に〈速報です〉って言うから、また北朝鮮か?と思ったら〈とにかく明るい安村さんが決勝進出~〉だったんです。いや、びっくりしましたよ。わざわざ、放送最後に直接言うことなのか?と。次の羽鳥さんの番組(モーニングショー)でゆっくりやればいいじゃないかと思いましたが……」

当初、この速報に懐疑的だったこの男性。しかし、時間が経つにつれて考えが変わったという。

「ネットニュースにも安村の記事が多くて、ブリテンズ・ゴット・タレントで決勝進出することが本当にすごいことなんだと分かりました。申し訳ないけど安村って、一発屋タイプの芸人じゃないですか。テレビに出てもトークで笑いをとるわけではないですし。私は、日本のお笑いといえば絶対に漫才(喋り)だと思っていたけど、客のノリとかを含めて、世界に出るとこうも違うんだなと感じました。ちょっと勉強になった気分です」

安村が日本のお笑いを変える?

男性を話を聞いて思い出すのが、先日YouTubeチャンネルで「松本人志への提言」と題した動画を公開したオリエンタルラジオの中田だ。彼は動画で、「お笑いって漫才だけではない」「漫才とコントとその他の演芸は本当はフラット」などと発言していた。M-1グランプリの影響で「漫才至上主義」の価値観が浸透した日本のお笑い界に一石を投じたのだ。

英国で「はいてますよ」ファーバーを巻き起こした、とにかく明るい安村の活躍は、この「漫才至上主義」を変えるきっかけになるのだろうか? テレビ関係者はこう語る。

「YouTubeやTikTokなどテレビ以外での表現の場が増えても、中田さんの指摘通り“漫才ができないと芸人としては認められない”空気があるのも事実。相方の名を出されて激怒した霜降り明星のせいやさんが〈真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな中田〉とツイートしましたけど、〈真っ直ぐ勝負〉というのが、まさに今のお笑い界の空気。安村さんの躍進で、これが変わることも充分考えられます」

安村の快挙は、お笑い芸人を志望する人々にも変化をもたらすのでは? と言うのは、ラジオやテレビを中心に活動する放送作家である。

「一発屋と呼ばれるようなジャンルでも、勝負する場所を変えれば戦えることを証明しましたよね。活動の場を日本に限定する必要はないじゃないかという話です。中田さんの発言は正しい部分もあって、お笑いの養成所のネタ見せでは、笑いを学ぶ前のほとんど生徒が初めから漫才やコントを披露します。やはり、〈お笑いといえば漫才orコント〉の価値観が強いのでしょう。リズムネタやギャグをする芸人はピン芸人のごく一部です。安村さんの快挙で、この流れが変わってくるかもしれません」

テスラの上海工場「視察」だけじゃない。イーロン・マスクが中国を訪問した理由

先月30日、イーロンマスク氏が中国を訪問しました。今や電気自動車大手「テスラ」の第二の市場ともいわれる中国。マスク氏は31日に上海工場を訪れ、従業員の前でスピーチをする熱の入れようだったそうです。しかし、同氏の今回の訪中は、テスラ事業目的だけではなかったとの見方もあります。現地ではどのように報道されているのでしょう? 中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で解説しています。

イーロン・マスク氏訪中、テスラ事業だけではないその目的は?

イーロン・マスク氏が2023年5月30日、訪中した。中国外務大臣と会見、激しい口撃で知られる中国外務省スポークスマンも大歓迎するなど、中国でも話題になっている。

マスク氏と言えばテスラ、中国はテスラにとって第二の市場であり、その上海工場は上海市を支える大きな産業になっている、と言っても過言ではない。

一方、今回の訪中について、当然テスラ事業のみならず、ツイッター、スターリンクの中国における展開の可能性を模索することも目的に含まれる、とするのが、中国自動車情報サイト「蓋世汽車」だ。

生産能力拡張

「蓋世汽車」では、今回のマスク氏の訪中の目的は四つだ、とする。一つ目はテスラ上海工場の生産能力向上。

2030年に年間2,000万台の生産販売を目指すテスラにとって、それまでに現在4つのギガファクトリーは10~12ヶ所にのぼる予想とは言え、上海工場の拡充は必須。

一方で、中国は全体的に自動車生産能力過剰が目立っており、生産能力拡張に対する規制は厳しい。現在までに年間125万台の生産能力である上海工場も、175万台への引き上げを申請したばかり。

FSDの中国展開

二つ目はFSD(Full Self-Driving)。テスラにとってソフトウェア収入は既存OEMと一線を画す貴重な財源。中国でFSDが解禁されれば、ユーザー数の膨大さから考えて、テスラFSD事業の分岐点となるのは確実。

中国では自動運転実証実験が盛んなものの、まだ法整備が追い付いていない面もあり、今回中国におけるFSD受容度の見極めもマスク氏の大きなミッションの一つと考えられる。

この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ