「進捗」を「進ちょく」と表記することが、日本人の頭を悪くする

「隠蔽」を「隠ぺい」、「語彙」を「語い」と書くなど、常用漢字以外をひらがなで表記するケースが多々見られるようになりました。しかしながらこうした熟語内の「漢字とひらがなの混在」には、ある種の違和感もつきまとうものです。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、こうした常用漢字以外の一部をひらがな表記する風潮に対して異を唱え、その理由を記しています。

常用漢字に拘るおバカ

今日の話は、読者さんからのリクエストを元に考えてみました。頂いたリクエストは、

この頃、新聞やネットの情報に接していますと、一時期までは漢字表記されていたものが、ひらがな表記か括弧でふりがなが振られています。例として、熾烈がし烈とか、招聘を招へいとかですね。所謂、常用漢字のせいではないかと思うのですが、常用漢字の是非をメルマガで扱って欲しいです。

なるほど、これは私も気になっていたんですよ。「被曝」とかは最近は「被ばく」って書いたり、顰蹙なんて「ひんしゅく」って全然漢字じゃないじゃないか!って私は怒り心頭に発しているところです。この他にも「謙遜」が「謙そん」に、「進捗」が「進ちょく」に、「危惧」が「危ぐ」になったりして、一体この国はどこまでおバカになったんだ?と思うわけです。

なぜこういう漢字がひらがなになったのかというと、これらの漢字が常用漢字ではないからですね。常用漢字ってWikiによるとたったの2,136字しかないんですね。これがお上が認める通常使う漢字で、これ以外は特殊な用途で使う漢字だよとなったわけです。

だったらふりがなを付ければ済むわけですよ。

知らない漢字にふりがなが振ってある、それを何度も読むことでなんとなくこの形状の漢字は、こんな読み方だったよなと思い出す、これが漢字を覚える王道なんですよ。憂鬱とか薔薇なんて漢字は、ほとんどの人が書けないけど、見た瞬間に「ゆううつ」、「ばら」って読めますよね。それは何度もふりがな付きの漢字を見ているからです(ちなみに「鬱」という字は常用漢字で、おまけに最も画数が多いんですね)。

こういう漢字をひらがなに変えてしまうと、そもそも馴染みの無い漢字ですから、読めるようになりません。おまけに漢字には意味があるわけですから、例えば先ほどの「進捗」の「捗」という字には、「はかどる」という意味があって、はかどりがどの程度「進んでいる」のかから、進捗の意味を類推できるようになるわけです。これをひらがなに置き換えたら、どうなるのか?「ちょく」という音(おん)から「はかどる」という意味を類推することはできませんから、漢字を覚えないだけではなく、「進ちょく」という熟語の意味も類推できなくなるわけです。

このことが日本人の知能の発達にどれだけマイナスに作用するのかを、文科省の人間は考えた方が良いですよ。

で、この常用漢字が使用頻度に応じてかなり正確に分類されているのなら、まだ理解もできますが、実はテキトーに選んでるんじゃないの?ってくらいヒドい分類になっているんです。

例えば、「炒める」という漢字は常用漢字ではないのですが、料理の用語としてあまりにも定着しているため、これはひらがなに置き換えず漢字のまま使っています。

「嘘」という漢字も実は常用漢字ではありませんが、やたら使っていますよね。

私のメールマガジンでは「繋ぐ」という字をよく使うのですが、これまた常用漢字ではありません。

醤油の「醤」も、「喋る」も「吊す」も「萌」も「儲ける」もまた常用漢字ではありませんが、これをひらがなに置き換えて使うことはありません。つまり常用漢字とそうでないものとの境目なんて無いようなものなんです。だったら全部一律に漢字で表記して、必要に応じて(それはつまり想定読者のレベルによって)、ふりがなを付けるということに統一したら、それで全て解決するはずなんです。

そしてそうすることが、日本人がもっと漢字に馴染むこと(「馴」も常用漢字ではありません)に繋がるわけです。

ちなみに浅田次郎氏の時代小説なんて、こういう難しい字がほぼ全部のページに出て来ますよ。読めも書けもしないけれど、何度も見ているうちに当たりが付けられるようになりますから。そういう漢字を使うことが、文章の味わいのひとつになっているんです。

それを味わえる環境を保全することが、日本語文化のためには必要だと思うんですけどね。

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新型コロナの隔離場所にも。民泊施設は今どう使われているのか?

インバウンド需要の高まりから「民泊」が法で認められたのが、2018年の6月。あれから2年、新型コロナウイルスの流行で海外からの旅行者が激減した今、民泊施設はどのような形で利用されているのでしょうか。マンション管理士の廣田信子さんが自身の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、その意外な現実をレポートしています。

多くのマンションでの「民泊」禁止は正解だった

こんにちは!廣田信子です。

2年前の今頃、大きな話題になっていたのは、「民泊」でした。2018年6月15日に「住宅宿泊事業法」が施行され、正式に「住宅宿泊事業法」による「民泊」が開始されました。私も、2018年の夏休みは「民泊」を利用してみました。何だか、遠い昔のことのように思います。

多くのマンションでは、施行までに、民泊禁止の規約改正を行って、「民泊」がマンションに入って来るのを阻止しました。「住宅宿泊事業法」の施行により、違法民泊の取り締まりも厳しくなり、マンションにおける違法民泊問題は概ね解決してきました。

もし、新型コロナウィルスの感染拡大がなかったら、今頃は、東京オリンピックの真っ最中です。民泊施設は高価格でも満杯だったことでしょう。その時期を目指して、民泊事業を個人で始めた方も少なくありません。それが一転、コロナの影響で、外国人旅行者はほぼゼロ。人の移動が制限され国内需要もあまりありません。

「民泊」は、インバウンド需要を見込んで増えた宿泊施設ですから、大きな打撃を受けているはずです。「民泊」は今どうなっているのでしょうか。

6月に、2019年度(2020年3月まで)の「住宅宿泊事業法」による民泊の状況が観光庁から発表され、順調に登録件数が伸びているという内容でした。コロナ禍で、民泊事業者が大打撃を受けていると聞いている最中だったのでちょっとびっくりしました。

でも、確かに3月末までの状況はそうだったんでしょう。その後は、大きく変わっています。7月7日現在で、登録件数は2万6,473件です。登録件数は増え続けていましたが、今年5月から7月までの連続3カ月、新規登録数より廃業数が上回る状況が続き、登録件数が減っています。

「住宅宿泊事業法」による「民泊」は、年間営業日数の上限180日という制限があり、採算性を確保するのが難しいことから、コロナ以前から、「旅館業法にも基づく簡易宿所」としての「民泊」に移行するために、「住宅宿泊事業法」による「民泊」の廃業届出数は増えていました。

今のコロナの感染状況をみると、今後、ますます廃業が増えると予想されます。そんな状況で、民泊関連事業者による新たな事業展開が始まっています。コロナ禍で生まれた新たな需要、海外からの帰国者や感染者の濃厚接触者の自主隔離に使われているというのです。そのためのサイトも出来ています。

また、コロナ禍で、急増したテレワークの受け皿となるケースもあります。ワーキングスぺースとして空間を時間貸しするのです。ベッドを一部片付け、インターネット環境を強化し完全にワーキングスペースに変えているところもあります。ただし、「住宅宿泊事業法」の民泊施設は、宿泊に限られるので、時間貸しには使えません。

独立した空間である「民泊施設」は、確かに、コロナ感染の疑いがある人の隔離にも、コロナ感染の心配をしないで仕事をするためにも、すぐれた空間であるとは思いますが…使用する人が入れ替わる状況で、厳格なコロナ対策を求められているホテル並みに、コロナ対応ができているのか不安です。

こうなってくると、「民泊」とはそもそも何なのか…の定義が分からなってきます。改めて、一般のマンションで「民泊」を禁止にしたのは、正解だったと思います。利用者の情報が秘匿される民泊では、知らないうちに、コロナ感染の疑いがある人の隔離に使われていた…というようなことも起こり得るのですから。

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コラボマスクも好評完売。カインズに学ぶ「行く理由」の創り方

7月初旬、ホームセンターのカインズがジーンズのエドウインとのコラボで製品化した「EWD マスク」がすぐに完売し話題となりました。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんは、カインズが以前から多くの企業とコラボしてきた実績を紹介。使いやすさが評判のアプリ開発など、実店舗やECサイトに「行く理由」を創り出す「IT小売業」戦略には、学べることがあると伝えています。

なぜ、カインズはマスクを出したのか?~イノベーションに本気で取り組む、カインズのイノベーションハブ

ホームセンター大手のカインズが、ここのところ面白い動きをしています。新型コロナウイルスの拡大の中で見えてきたのが、企業は1つの事業に偏らず、「事業ポートフォリオ」を組み、不測の事態に陥った時にも、落ち込まない事業を持つことで、収益を確保しなければならないことです。バランスよく経営ができるよう、準備をしなければなりません。

そのためには、新しい事業を立ち上げる力や、今の事業を常に改善していける力を、組織の中に蓄えなければなりません。今回は、このような力を付けていくためには、何をすればいいのかを、カインズの事例から紐解いていきます。

なぜカインズはエドウインとコラボのマスクを出したのか?

先日も、ジーンズのエドウインと、コラボ商品で出したマスクが話題になっていました。見た感じもジーンズのような色合いの生地を使っていて、ちょっとかっこいい感じです。

ちなみにブラックもあるそうで、さりげなく、エドウインのロゴも入っています。本物のジーンズ生地を想像すると、なんとなくゴワゴワしていそうですが、肌にあたる内側の部分には、柔らかくてサラッとした、風合いのある生地を使用しているとのこと。

マスクが耳に当たるゴムがやや太めになっているため、耳が痛くなりにくいように配慮してある上に、立体縫製なので呼吸もしやすく、空気の通りもいいため蒸れにくくなっているそうで、メガネが曇りにくいという特徴があるそうです。私もメガネをしているので、こんな工夫があると重宝しますよね。

ITメディアニュースによると、使い捨てのマスクは供給もかなり進んで、品薄感も減ってきたそうですが、「高品質なマスクの需要は依然として高く、品切れ状態になっている商品も多い。そのため、国内の大手アパレルなどが、次々とマスク市場に参入している」ということです。これは、ユニクロが発売した「エアリズムマスク」も、同じ流れですよね。

PBで“行く理由”を創り出すカインズ

カインズは、ホームセンターとして業界でも大手なのですが、このように、自社で製品開発をして、自社の店舗やインターネットサイトで販売する、いわゆるプライベートブランド=PBを開発しています。もともとカインズブランドのネーミングで、洗剤や除菌グッズなど、家庭用品周りのものを多く扱っています。

このような自社開発、自社ブランドのPBだけではなく、カインズデザイン展と称して、メーカー21社とコラボレーションした、限定デザインの商品を中心に、オリジナルの日用品を販売しています。「毎日のシーンをたのしく」をテーマに、くらしに最も身近な日用品にちょっとした工夫を加え、くらしを楽しく、心地よくするデザインを提供します、というコンセプトでやっているとのこと。

このホームページに行くと、カラフルなデザインの商品がたくさん紹介されていて、思わず買いたくなります。アサヒビールとのコラボでの、スーパードライ「燻製」パックとか、キリンビバレッジとのコラボでの「アレンジティーセット」など、家で楽しむことができる商品を限定として販売しています。「そこでしか買えない」という特徴があるため、カインズの店舗や、インターネット通販のページに行きたくなります。

指原莉乃に加え木梨憲武を起用。OPPOのCM戦略は成功するのか?

キャリア向け、SIMフリー市場向けのスマホを展開する中国メーカー「OPPO」が新製品を発表。これまでの指原莉乃さんに加え、木梨憲武さんを起用した新CMによりさらなる認知度アップを目指しています。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者で、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、指原さん起用後の広告戦略は成功していると評価。他の中国メーカーがネットでのプロモーションにとどまる中、OPPOの存在感は増していくだろうと予測しています。

「リノとノリ」OPPOがCMキャラクターに指原莉乃に加えて木梨憲武を起用

7月21日、OPPOはオンラインで新製品&新CM発表会を開催。すでに発表済みのau向け「Find X2 Pro」、ソフトバンク向け「Reno3 5G」、SIMフリー市場向け「Reno3 A」を紹介するとともに、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどのIoT新製品を発表した。

また、新CMとしては、昨年、起用された指原莉乃さんに加え、木梨憲武さんも参加することが明らかになった。これまで製品名の「Reno」と指原莉乃さんの「リノ」をかけたCMであったが、これからはさらに木梨憲武さんの「ノリ」もかけるなど、コピーライターがドヤ顔していそうなCMがすでに放映されている。

この1年を振り返ると、指原莉乃さんを起用した効果は相当、大きかったのではないか。1年前、一般的には無名だったがOPPOが、指原莉乃さんのおかげで認知度が相当、上がった。SNS上においても、普段、iPhoneを使っている指原莉乃さんが「念願の仕事用のスマホを手に入れた」と語って、RenoAを使い始めたのは本当に巧みであった。

海外などでは、Androidスマホのイメージキャラクターに就任した有名人が、SNSでiPhoneを使っているのがバレて炎上することが多々あったが、指原莉乃さんは「プライベートのiPhoneとは別のお仕事用スマホ」とあらかじめ宣言することで、炎上を回避している。この辺りの立ち振る舞いは本当に素晴らしい。

発表会に登壇する有名人が製品について語っている時、メディアとしては「それ、本当に使っているのか。台本を読んでいるだけではないか」と突っこみたくなる人が多いのだが、指原莉乃さんの場合は説得力があるから不思議だ。

一方、ノリさんこと木梨憲武さんが今後、どのようにOPPOを盛り上げてくれるかはかなり興味深いところだ。CM発表会では、ワイヤレスイヤホンを手で飛ばし、口の中に入れるという「悪ノリ」を見せていた。新製品を口の中に入れるという、これまでの発表会にもなかったし、強いていえば、このコロナ禍であり得ない行動ではあったが、ネット上ではそれなりに盛り上がったのではないか。

新CM発表会もオンラインでありながら生中継、リアルタイムのコメントを演者がチェックしながら発表会が進行していくというのも新鮮だったように感じた。

ファーウェイがトランプ政権からの禁輸措置によって、Googleサービスに対応できず、苦戦を強いられる中、日本におけるOPPOの存在感はさらに増していくのではないか。特にキャリア向けにおいても、KDDIとソフトバンクで5G対応スマホを納入できたのはかなり大きい。カメラ機能も申し分なく、キャリアでも扱われることになり、有名人を起用したCMによって、ますます認知度は上がることだろう。

他の中国メーカーがネットオンリーのプロモーションにとどまる中、OPPOはテレビCMに注力することで他社を大きく引き離すことになりそうだ。

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パートや従業員を休業させる場合、会社は手当を払うべきなのか?

新型コロナウイルス等の影響で従業員を休業させる場合、企業には平均賃金の60%以上の休業手当を支払う義務が生じます。そこで気になるのが、「平均賃金」という言葉。この平均賃金はどう算出すればよいのでしょうか。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では、著者で社会保険労務士の飯田弘和さんが、平均賃金の算出法を含めた休業手当の計算の仕方について詳しく解説しています。

休業手当の計算方法について

新型コロナ感染拡大の影響で、従業員を休業させざるを得ない事業所が増えています。従業員を休業させる場合、原則、休業手当の支払いが必要となります。休業手当については、平均賃金の60%以上の金額でなければなりません。そこで今回は、休業手当の計算の仕方についてお話しします。

休業手当は、平均賃金の60%以上の金額でなければなりません。では、平均賃金とは、どのように算出するのでしょう?

労基法12条に、「平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう」と定められています。

実際の計算方法ですが、休業させた日の直前の賃金締め日から遡る3か月間の賃金総額を、その3か月間の歴日数で割ります。

たとえば、賃金締日が毎月20日、賃金支払日が翌月10日である事業所で、45日に従業員を休業させた場合を考えてみます。この場合、直前の賃金締め日は320日となります。そこから3か月遡るので、

  • 221日~320
  • 121日~220
  • 1221日~120

上記の期間の賃金総額を、上記期間の歴日数である91日で割ります。要は、210日、310日、410日に支払われる賃金の総額を91日で割るということです。この計算で出てきたものが平均賃金であり、その平均賃金の60%が休業手当一日分の金額となります。このように計算しますので、休業させる日によって、休業手当一日分の金額が変わります。

また、この計算期間中に、会社が従業員を休業させた日が含まれている場合、その日数とその日の休業手当は、計算期間中の期間及び賃金総額から控除します。

入社後間もない従業員を休業させる場合、計算方法が多少変わります。雇入れから3か月に満たない従業員の休業手当の計算方法については、入社日から休業させた日の直前の賃金締め日までの期間の賃金総額と歴日数から計算します。ただし、入社日から休業させた日の直前の賃金締め日までの期間が1ヶ月に満たない場合には、入社日から休業日の前日までの期間の賃金総額と歴日数から計算します。

また、パート労働者等、日給または時給で働く労働者については、計算期間中の賃金総額を、その期間中の実際の労働日数で割った金額の60%を平均賃金の最低保障額としています。ですから、この最低保障額と、正規の計算方法で計算した平均賃金額を比べて、金額の大きい方がその労働者の平均賃金額となります。休業手当は、この平均賃金額の60%となります。

休業手当は、平均賃金の60%以上でなければなりません。当然ですが、多く支払う分には何の問題もありません。私が相談を受ける事業所の中には、賃金の100%を保障している事業所もあります。会社にとっては、売り上げが減少し大変厳しい経営環境でしょうが、雇用調整助成金等も活用しながら、できる限り従業員が生活に困窮することがないような対応をしたいものです。

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米中対立激化で一気に進む開戦シナリオ。その時日本はどうする?

米中で互いの総領事館が閉鎖される事態となり、両国の関係悪化は一段と深刻さを増しています。ここへきて急速に対立が先鋭化してきた2つの大国。これからどのようなシナリオが待ち受けているのでしょうか。元国連紛争調停官で国際交渉人の島田久仁彦さんは、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で、さまざまなケースをシミュレーション。世界を巻き込むことになる米中の対立を危惧しています。

米中対立─Point of No Return?!

このところ米中対立の激化が止まりません。これまでは、米中貿易戦争に代表されるような経済的な権益を争う“新”覇権国同士の争いや、南シナ海における制海権を争う安全保障上の利権争いというように、リーダー間の協議を通して改善可能なレベルでしたが、ここにきてアメリカにおける対中批判がついに共産党そのものへの批判を行う“政治的な戦争”にエスカレートしているようです。

中国もアメリカから矢継ぎ早に出される批判に対して直接的に応じ反抗していますが、北京の複数の情報筋によると『アメリカからの批判はすべて言いがかりであるが、正直なところどう対処していいか非常に困惑している』ようです。

とはいえ、南シナ海における領有権を強硬にアピールする中国の姿勢や、東シナ海(尖閣諸島および沖ノ鳥島周辺)への100日以上連続の侵入という威嚇行為、香港国家安全維持法の制定の強行、そして新疆ウイグル自治区への“弾圧の疑い”など、中国政府が新型コロナウイルス感染拡大の隙を突いた、まるで畳みかけるような動きは、アメリカのみならず、欧州、日本、そして東南アジア諸国への脅威と移っています。

もちろん、香港国家安全維持法の余波を受け、『次は我が身か?!』と台湾を身構えさせ、台湾海峡での緊張を一層高めてもいます。ゆえに、言い方は激しいかもしれませんが、ある意味、国際社会に対して宣戦布告しているとも言えるでしょう。それも国運を賭けて。

そのような中、アメリカでは11月3日に行われる大統領選挙に向けていろいろな政治的なバトルが繰り広げられていますが、対中強硬姿勢については、民主党・共和党の別なく、アメリカ政府および議会の総意として行われています。よく『トランプ大統領の対中強硬策』が報じられますが、今回、大統領選挙を戦うジョン・バイデン前副大統領は『トランプ政権の対中政策は生ぬるい』と批判しており、それは、どちらが次の大統領となっても対中強硬策は変わらないか、強化されるということを意味します。

しかし、この対中強硬策の基盤となる理由や中身については、アメリカ政治の舞台では非常に稀なことに、ほぼ議論がなされることなく、ただ【中国は悪】という思考があるだけで、【中国との戦いのカギはアメリカの揺るぎない強い姿勢であるから、中国に一歩たりとも妥協してはならない】という意見が大半で、それに対する反論が聞こえてきません。

何に対しても「ああでもない。こうでもない。」と議論したがるアメリカ議会の特徴からすると、非常に気味悪いほど、中国憎しの空気・意見で埋め尽くされています。

そしてより懸念を覚えるのが、対中批判が今や【中国共産党性悪論】という形で、【中国が何をしても悪い。それは共産党だからだ!】という、かつての対ソ連の戦いにおいて、アメリカ国内に吹き荒れたマッカーシズム・レッドバージを想起させるほど、政権中枢のみならず、アメリカ議会内では超党派で、共産党とその幹部に対する敵意が渦巻き、ついには“人格否定”にも思われるほどの激しい嫌中姿勢が強まっています。

そして、真偽のほどは分かりませんが、ホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーや国務省の面々によると、『9000万人超のすべての中国共産党員とその家族に対する米国入国禁止』を検討するにまで至っているようです。非常に激しい、そして稀に見る対立です。
なぜこのようなことになっているのでしょうか。

目の前のお客様を喜ばせる店が、世間の影響を受けずに生き残る訳

新型コロナウイルスの影響で客足が遠のき、飲食店は苦しい状況が続いています。売上も立ちにくく、これがいつまで続くのか、不安で仕方がないことでしょう。だからといって、何もしないわけにはいきません。では、経営者や従業員はどういう心構えを持ち、お客様を迎えればよいのでしょうか。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、あのリーマンショックを乗り越えたとある店舗の店長の考え方を紹介しつつ、「このような時だからこそできること」を記しています。

こんな時だからこそ、目の前のお客様を全力でおもてなししよう!

ちょうど10年ほど前、リーマンショックの影響で苦戦する飲食店が多い中、僕のご支援先にそんな影響を全く感じさせず、営業していた焼き鳥店がありました。

その当時で、確か創業20年ぐらいだったと思います。そのご支援先は、当時6店舗ぐらいあったのですが、創業の頃はそんなにお店を増やそうなんて思っていなかったそうです。なので、最初の5年ぐらいは、20席弱の小さなお店でコツコツ営業していたそうです。すると、ある時、地元のテレビに取り上げられて、それから客足がものすごく増えたそうで、それを機に近所に2号店を出したそうです。

その後まもなく2号店も繁盛店になり、「あれ、これもうちょっと店を増やしてもいいかも」と思ったらしく、それから年1店舗ぐらいのペースで出店をするようになりました。

そんなときに、「もっと、組織化したい!」という相談が僕にあってコンサルティングをするようになったのですが、コンサルティングが始まった当時、社長に質問をしたことがあります。「創業から20年、バブル崩壊とか世間では色々なことがありましたが、やっぱりそういうときは、影響をうけたのですか?」と。すると社長は、

「創業当時、お客さんがつくまでは、なかなか苦労した時もあったけど、その後は、世間がどうこうというのはあんまり関係なかったねえ~!」

「まじっすか!すごいですね!」

こんな会話を10年ぐらい前にしたのを今でも鮮明に覚えています。で、その会社のこと、社長のことを思い出すと、いつも言っていたことがあります。「とにかくお客様を大事にしろ!」と。

社長は、正直、論理的に考えたりするのがあまり得意ではなく、なので、コンセプトの重要性とか、色々な理屈(これはこれですごく大事です!)を嫌う傾向があったのですが、ただ、お客様に対してはすごく真摯で、とにかくお客様が喜ぶことをやりなさい、ということをスタッフに事あるごとに言っていました。

販促なんかもほとんどせず、とにかく、「お客様は喜んでいるのか?」「お客様は何をすれば喜んでくれるのか?」と商品、接客の向上に注力されていました。だから、永くお店が続くし、ファンも多いのだろうと、納得した記憶があります。

最近は、飲食店の多くがコロナの影響を受けていると思います。そのため、融資などを検討しなければならない店もあるでしょう。そんな中でも、いつも通りとはいかなくても、お客様が入っているお店もあるわけです。きっとそんな店は、日頃からお客様を大切にされていたのではないかと思います。

先日、あるご支援先の勉強会で、こんなことを言って会を締めました。

「今は、いつもより暇かもしれない。暇だからどうしよう?って考えるかもしれない。でも、そうやって悩むより、今できることに必死に取り組もう。

きっと、少ないながらでも、お客様は来店してくれます。そのお客様をいつも以上に、楽しませよう。いつも以上に、心配りをしよう。そして、まだ、余裕があるなら、アルバイトと面談したりして、アルバイトの教育に力をいれましょう。

この状況はいつかは落ち着きます。その時に、以前の状態よりもさらにレベルの高い営業ができるよう、今、準備しよう!とにかく、今は、目の前のお客様を喜ばせることに必死に取り組もう!」と。

こんなときでも、「できること」を必死に取り組みましょう!

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その売り文句大丈夫? 視点を少し変えるだけで商品は劇的に売れる

良い商品を売っている、お客様に有益なサービスを提供している…だけでは、なかなか商売はうまくいきません。大事なのは宣伝やアピール。しかし、商品やサービスをアピールする際、「直接的な効果」だけを謳う宣伝文句は実はそこまで人の心に響かないそうです。では、どういった宣伝をすればよいのでしょうか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、ターゲットを絞り込んだうえで効果を発揮する商品アピールの方法を紹介しています。

デメリットをメリットに。アピールの方向性を変えろ!

「ラードで揚げた豚カツ」。

どんなイメージを持ちますか?

豚カツ好きの方なら、「ラードで揚げた方がコクがあって、風味も良く、美味しそうだ」となります。しかし、油に弱い方なら、「コッテリし過ぎていて、重たそう」となります。豚カツ好きにはメリットでも、油に弱い方にはデメリットになるということです。

ターゲットをどんなお客さまに設定するかで、アピールの方法が違ってくる、という話です。女性をターゲットにするお店なら、植物油を使った方が、美容・健康の面からも受け入れられやすくなります。「ラードを使わず、植物油で揚げているので、カロリーも低く、胃にもたれません」と、アピールすることができます。

逆に、豚カツ好きの方には、アピールできないのかというと、そうではありません。「豚カツが好き。でも、メタボが……の方も安心」と、アピールすれば、デメリットがメリットに変わります。つまりは、表現次第だということです。あなたのお店のデメリットも、違う視点で見れば、メリットになり得るのです。

また、ほんの小さなキッカケが、お客さまの心を捉えてしまうものです。店名を変えた。商品名を変えた。営業時間を変えた。キャッチフレーズを変えた。たったそれだけのことで、繁盛店に生まれ変わってしまうのです。そんなキッカケのひとつが、「アピールの方向性を変える」なのです。

たとえば、マッサージ店。

・リフレッシュ
・疲れをとる
・身体の歪みを治す

これらのように、直接的な効果をアピールしても、ハッキリとした自覚がなければ、マッサージを利用したいとは思いません。

しかし、中高年以上になると、病気でもないのにいろんな体調不良が出てきて、「何とか体質を変えなければ…」という、漠然とした思いが沸いてきます。そんな人が非常に多いのです。

そこで、「体質改善マッサージ」をアピールするのです。身体の不調を正す施術です。やることは同じでも、お客さまの目的がハッキリすることで、利用者が増えるのです。

このように、アピールの方向性を変えるだけで、見込み客が一気に増えます。あなたの扱う商品をもう一度じっくりと見直してください。まったく違うアピール方法が見つかるかもしれません。

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現役医師が教える、新型コロナ第2波に負けない身体を作る食事

すでに到来しているとも言われる、新型コロナウイルス感染拡大の第2波。手洗いうがい、マスクの着用はもちろんのこと、免疫力アップもその予防に重要とされていますが、どれくらいの方が対策を講じられているでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、現役医師の星野泰三さんによる「免疫力を高める食材とその摂り方」が紹介されています。

食事で第2波に備える身体づくりを

新型コロナウイルスの流行を受け、石けんやアルコール消毒液を用いた手洗い、マスクによる咳エチケットによる感染予防はもはや常識として浸透しています。

一方で、自粛期間が明け段々と日常が戻ってくるなか、「栄養・休息」を基にする内からの予防が疎かになりはじめた方も増えているのではないでしょうか。

本記事では免疫学の権威である星野泰三博士に、免疫力を高める食事について教えていただきました。


免疫と栄養が関わっていることは、果物による実験で立証されています。バナナを食べてからの免疫細胞の数の推移を観察すると、12時間後、24時間後に顆粒球、マクロファージを中心とする白血球の数がいずれも大きく増加することが確認されています。最も免疫力が増強するのは、1週間ほどおいて皮に黒い斑点ができたバナナです。

椎茸(しいたけ)に限らず、キノコ類ががんを防いだり免疫力を高めることは以前から知られていましたが、最近の研究ではβ(ベータ)-グルカンと呼ばれる多糖類にその効果があることが認められました。β-グルカンは水溶性なので、調理の際には、長時間水に浸したり、煮込んだりしないことがポイントです。

キャベツや大根、長ネギ、ニンニクのような淡色野菜にも免疫力を高める効果が確認されています。これは植物に含まれる色や香り、辛み、苦みなどの成分でファイトケミカルと呼ばれているものです。ちなみに、ファイトケミカルは緑黄色野菜にはあまり含まれていません。

魚料理を見てみましょう。免疫力を高めるのに一番いいのは刺身です。免疫システムの主力である白血球には、ウイルスなどの異物を退治するキラーT細胞があり、その栄養源となるのが、イワシやマグロ、サバなどに含まれる良質タンパク質です。加えて、魚に含まれているDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は血圧を下げて脳の機能を高めたり、血管を拡張させ血行をよくする働きがあります。

味噌汁の中に入れる具を工夫すれば、さらに免疫力を高めるメニューができます。長ネギや大根などの淡色野菜、胃や大腸の免疫を守るビタミンCを含むジャガイモ、解毒作用のあるアサリ、β-カロテンが豊富な小松菜など、いくつかのメニューを考えましょう。

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NYの地下鉄は赤字1兆円。米にジワジワ押し寄せるコロナダメージ

世界で最も新型コロナウイルスの感染者数が多いアメリカ。経済活動が一時完全にストップしていたその余波が、徐々に今アメリカに押し寄せていると言います。米国の邦字紙「NEWYORK BIZ」CEOでメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者である、ニューヨーク在住の高橋克明さんが、そのコロナダメージについて解説。約1兆円にものぼる赤字となった、ニューヨーク州都市交通局(MTA)を例に、その経済損失を検証します。

徐々に始まってきたコロナダメージ

6月24日、ニューヨーク州都市交通局(MTA)が100億ドル(約1兆円)の赤字を抱えていることを発表しました。 もちろんこの額は史上最大の財政難を意味しています。 理由は当然、コロナ。 肉眼では見えない微細なウイルスが、この街の動脈源を根本から破壊しました。 ここから先、MTAは4年の歳月をかけての資本計画の検討を余儀なくされました。

具体的に僕たち庶民がどうこの検討計画に関わっていくのか、今の所は具体的な案件は出ていません。 もちろん運賃の値上げは避けられないと思います。 僕が初めてこの街に来た今から20年前は、シングルライド(片道)1ドル50セントでした。 2020年現在、2ドル75セントです。 20年で、倍近く上がりました。

そう考えると、JR東日本は良心的だなと思う反面、当初の1ドル50セントという料金設定自体が安すぎたのかもしれません。 東京と違って、こっちの地下鉄はどこまで行っても同料金。 隣駅でも端から端まででも同じ。

当時は、ホームレスの巣窟でした。 この街の冬は日本の北海道の冬と同じです。 路上で寝て凍え死ぬよりは、1ドル50セントで暖房の効いた車内で寝るほうがずっといい。 彼らにとっては命がけで得た24時間のホームでした。 今はめっきり見なくなりました。 行政がなんらかの対策をしているのかもしれませんが、ひょっとしたらこの倍近い値上げも彼らが地下の暖かい寝床に来られなくなった理由のひとつかもしれません。

仕事柄、この20年間、MTAの「ちょっとずつ」の値上げをニュースにしてきました。 編集部で「まぁた、値上げだったよ、サブウェイ!」という編集部員の会話を何度も聞いた記憶があります。

おそらく、次は、今までのようなレベルの値上げではない。 致し方ないとしても、この街のある種、象徴であった庶民の乗り物が、どんどん庶民からかけ離れた贅沢交通機関になっていく気がします。 しかも、今度は乗る側の利用者の財布も今まで以上に厳しくなっている。 アフターコロナの厳しい現実が、少しずつ顔を見せ始めてきた感じです。

THE HEROES ACT(ヒーローズ法)という、新型コロナウイルスによる経済打撃の対策案として可決された法も、実質的には機能していません。 とにかく、あらゆる機関、民間も含め、承認待ち状態が続いています。 現段階でMTAが発表した対策「具体」案は、「とにかく経費を削減していく」という、どこが具体的なんだ、な対策。 それも仕方ないのかもしれません。 とにかく国も行政も民間もそして、僕たち一般人も含め「これから、どうなっていくんだろう」状態です。

それにしても、地下鉄の打撃は相当なものだったと想像します。 ビフォーコロナには、毎日のように、利用していた僕も、この4カ月1度も利用していません。 実は3カ月ほど前からすでに本数は減れど、営業はしていました。でも、やっぱり、心理的にも乗りたくはない。

飛行機や車を利用しないといけない場所なら、他の代わりはありませんが、地下鉄の場合、目的地は、大抵は少し頑張れば歩いていける距離になります。 なら、歩く。 もともと、コロナ前からも衛生的なイメージがない交通機関ではありました。 なので、余計に、です。