小池百合子に水原一平容疑者との共通点。カイロ大学“主席卒業”と言い張る都知事に向けられる「なにか隠してるんじゃない?」という疑惑の目

小池百合子東京都知事にまたも浮上した学歴詐称疑惑。12日に都庁で開かれた定例会見で小池氏は疑惑を改めて否定しましたが、「従来の釈明」を繰り返しただけとの指摘もあるその会見は、多くの有権者が納得できる内容と言えるものではありませんでした。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、そんな有権者の声を代弁するかのような人気タレントや敏腕弁護士が小池氏の疑惑をラジオ番組で語った内容を紹介。その上で、「知事の余命は夏の都知事選まで」と見立てる理由を記しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:待てばカイロの疑惑あり

小池都知事はカイロ大“名誉卒業”か。口先の詐欺師が都政を握る異常

4月から4時間枠に拡大した文化放送の平日帯番組『くにまる食堂』は、リニューアルの目玉の1つが月曜パートナーに抜擢されたカンニング竹山さんの歯に衣着せぬ正論の数々です。特に聴きごたえがあるのが、11時台の最後の「聞いてよ大将」で、その日の竹山さんが一番取り上げたいテーマについて話しまくるコーナーです。

一昨日の4月15日(月)の「聞いてよ大将」では、何故だかメディアが触れたがらない「小池百合子都知事の学歴詐称問題」について、竹山さんが熱弁しました。この問題に興味のある人の多くが納得していない12日(金)の小池都知事の記者会見での説明について、まさに直球ド真ん中の正論を述べていますので、その部分を文字起こししてみました。ぜひお読みください。

カンニング竹山さん 「東京都知事の小池百合子さんの学歴詐称問題が、先週、先々週に出ましたね。元都民ファーストの事務総長の小島さんという方が『私も(小池さんから)相談を受けた』と告発する記事が『文芸春秋』に出ました。そこでですね、週末金曜日かな、知事が定例記者会見をやりまして、ネットとかで放送されたんですけど、あの~、小池知事は話をはぐらかすというか、そういうのが非常に多かったんですね」

竹山さん 「あと僕が個人的に思ったのは、都庁の記者クラブですよね。記者クラブの方が知事に指されて質問するんですけど、あまりにもジャーナリストとして、記者として、追及が甘すぎるんじゃないかと。そこまで腐ってんのかって気がしたんです。長年にわたり、知事に気に入られないと当てても貰えないし取材もできなくなる。こういうことがずっと続いて来たので、知事に対して厳しい追及ができなくなった。知事も毎回当てる記者と当てない記者が決まっている。そうした事情は分かりますが、それにしても今回の記者会見はあまりにも追及が甘すぎると思いました」

竹山さん 「知事は『カイロ大学の卒業証書(卒業証明)があるから問題ないでしょ?』『これが真実ですよ、ファクトですよ』『選挙になるたびにこういうのが出る』と言っていて、これが知事のご意見なんですけど、今回の場合はそうじゃないんですよ。卒業証書があるというのは前から分かってます。あんたが出したのは分かってます。ところが、その卒業証書が嘘だという記事が出たんですよ。そして、それを暴露した人が、1人でなく何人もいるんです。だから、その卒業証書が本物かどうかを改めてもう1回精査しないとダメなんですよ」

竹山さん 「なのに記者クラブは誰も追及しない。知事側も『じゃあ卒業証書も何も全部お貸ししますので調べてください』とは言わない。『カイロ大学も調べてください。エジプト政府にも聞いてください。私、嘘はまったくないですから』と言えば簡単な話なのに、それは言わないんですよ。となると、なんか隠してんじゃないの?なんかあるんじゃないの?って疑問も出て来ますよね」

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また町田市か…隠された「中3いじめ自死」事件。LINEで送られた「死ね」の文字、死去の前日まで続く難癖、校長が隠ぺい“陣頭指揮”か?

先日掲載の記事で、いじめにより小学校6年生の女子児童が自死した事件における東京・町田市の第三者委員会の呆れるほかない対応を紹介した、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな町田市において、またも公教育そのものを疑わざるを得ないような事実が発覚しました。今回のメルマガ『伝説の探偵』で阿部さんが、2023年に起きてしまった「中3いじめ自死事件」の隠蔽の陣頭指揮を取るかのような学校長の信じがたい言動の数々を公表。マスコミが一切報じていない真実を白日の元に晒しています。

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※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:隠されたいじめ自死事件_また町田市

「中3いじめ自死事件」を隠蔽工作か。またも町田市で発覚した教育関係者の不適切な言動

また町田市か…隠された「中3いじめ自死事件」。LINEで送られた「死ね」の文字、死去の前日まで続く難癖、校長が隠ぺい“陣頭指揮”か?

2020年に起きた町田市タブレットいじめ自死事件は3月に再調査委員会の答申があった。いじめは認定されたもののいじめの定義を歪めていたり、「殺し方ノート」をいじめと認定しない他、ドッキリいじめに計画書があったことを隠すなど、不十分な調査にご遺族は2024年3月28日に記者会見を開き、再調査を求めた。

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これに対し、町田市は既に終結したという認識だが、回答を調整すると報道取材に回答したという。

実は当日、町田市側は、回答を連絡するかどうかも検討するというとんでもない回答を遺族側に告げている。

権力を背景に何とも上から目線の回答であったが、報道機関の取材ではその挑発的なトーンは下がっている。

まるで、町田市ではいじめ問題は皆無とでも言いたいのだろうか?

しかし、隠そうとしても隠せない問題が実は発覚したのだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

学歴詐称には2種類ある。小池都知事と野村沙知代の決定的差とは?記者の脳裏を離れないあの衝撃写真の記憶とともに…

小池百合子東京都知事の「学歴詐称疑惑」再燃により、故・野村克也さんの妻として世間を騒がせた“サッチー”こと故・野村沙知代さんに注目が集まっています。沙知代さんにもかつて、遊び先のNYでたまたま立ち寄ったコロンビア大学を「最終学歴」としていた時期があり、それを週刊誌が引き合いに出したのがキッカケ。ただ、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、このふたりを比較することに「強い違和感を覚える、ちょっとレベルが違い過ぎるというか…」と戸惑いを隠せない様子。一体どういうことなのでしょうか?

学歴詐称疑惑が再燃、小池百合子都知事に「容赦ないヤジ」

大谷翔平の元通訳、水原一平容疑者に続いて、今度は小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑が再燃しています。

昨日告示され選挙戦が始まった衆議院東京15区の、補欠選挙立候補者の応援に街頭に現れた小池都知事に対しては案の定、容赦ないヤジも飛び交っていたようです。

小池都知事が、わざわざ演説で中東問題に自ら触れたことも話題になりました。

小池都知事の学歴詐称疑惑は、月刊『文藝春秋』で元側近が告発した記事がきっかけですが、4月12日の定例会見で小池都知事は「カイロ大学が卒業を認めている」と発言しています。次なる展開に注目ですね。

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学歴詐称といえば“サッチー”こと故・野村沙知代さんではあるけれど…

この疑惑に『デイリー新潮』が、故・野村克也さんの妻で“サッチー”こと故・野村沙知代さんのケースを引き合いに出した記事を掲載していました。

今から28年前、1996年の衆議院選挙に立候補したサッチーは、“遊びに行ったニューヨークでたまたま立ち寄ったコロンビア大学”を最終学歴と自らのプロフィールに記し、大騒ぎとなったのです。

しかし私は、小池都知事とサッチーを同じ土俵に上げたことに非常に強い違和感を感じました。ちょっとレベルが違い過ぎるような気がしたからです。

当時の大騒ぎが私の頭の中に蘇ります。

私もこの取材に対応したのですが、その時偶然目にした60年以上も前のサッチーの名刺は今でも鮮明に憶えています。

情報提供者から差し出されたこの名刺は、野村氏と再婚する前の1957年に結婚した夫と知り合う前、サッチーが“商用”で使っていたというもので、そこには「I hope see you soon!」(また会いましょうね!)と自筆で書かれていました。

情報提供者によれば当時のサッチーは、米国軍人専用の、今で言うキャバクラみたいな風俗店で働いていたそうで、「次も私を指名してね!」という意味が込められた名刺だということでした。

国民学校高等科を卒業しただけのサッチーが、片言の英語での会話をこの店で重ねたことで最初の結婚相手…ユダヤ系アメリカ人将校とも結婚できたのではないか…とこの情報提供者は教えてくれました。

当時の私は目の前に提示された可愛らしいピンク色の名刺と、立候補した“鬼妻”とか“毒舌”で人気を得ていたサッチーのギャップをとても不思議に感じたものでした。

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ニセモノではなかった野村沙知代さんの英語力

後にサッチーの学歴詐称を取り調べたという若狭勝弁護士(元東京地検特捜部副部長)が、「彼女の英語力を調べるために、2ヶ国語放送のニュース番組を聞かせ、訳させてみた」と証言していますが、これを楽々とクリアしたというサッチーの読解力は、勤務先での実戦英語会話に鍛えられ上げた賜物だと私は解釈しています。

サッチーといってもうひとつ思い出すのは、この4年後に発売した『Stay Young Forever 野村沙知代』という写真集のインパクトです。

“人生経験豊富な68歳が写真集を発売して誰が買うのか…”と。

この写真集の企画発案者は、サッチー応援団のひとりだった高須基仁氏でした。

御存知ない方には申し訳ありませんが島田陽子や天地真理、林葉直子や高部知子、現在のLiLiCoこと当時のLILIKOのヌード写真集を次々と発表し、“ヘアヌード仕掛け人”とか“脱がし屋”と呼ばれていた名プロデューサーです。

しかしやはり全てが上手くいくことは無く、この写真集の“返本率95%”…書店に並べられた本がほとんど手付かずで戻された事は今でも出版界の伝説になっています。

怖いもの見たさでそぉ~っと覗いたサッチーのセクシー・ショットの衝撃は、今だに私の脳裏から消えません…。

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次は小池都知事が問われる「本物かニセモノか」

今年の7月には都知事選も控えています。

小池都知事も話していますが、都知事以外でも、何故選挙戦が始まるという時期に立候補予定者の様々なスキャンダルが浮上するのでしょう。

立候補で注目されるから過去がクローズアップされるのか、それとも立候補者を邪魔したい誰かが糸を引いているのか…不思議です。

いずれにしてもこの疑惑がどんな形で展開していき、選挙戦にどんな影響を及ぼすことになるのか、注目していたいと思っています。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by: 東京都知事 小池百合子の活動レポート - Home | Facebook

「老害」の何が問題なのか。シニアvs.若者という対立を煽るために使われる“嫌な言葉”

ネット上のみならず、実生活でも頻繁に耳にするようになってしまった「老害」なる言葉。近年は「ソフト老害」なる新語まで登場し、40代以上の人間がそのターゲットとされる事態となっています。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合さんが、「老害」という言葉を「シニアvs.若者という対立を鮮明にするために使われているようにしか思えない」と分析。さらに「本来の老害」の一番の問題を考察しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:「老害」という思考停止

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「老害」という思考停止

「ソフト老害」なる言葉が話題になっています。

きっかけは3月31日に放送作家業を引退した鈴木おさむさんです。1月に著書『仕事の辞め方』を出版し、そのなかで「30代の人と自分たちより上の世代の人の間でバランスを取り、若い人の気持ちがわかるふりをしながら、結果として若者たちの意見を潰している」状態を“ソフト老害”としたのです。

鈴木さん自身「若者に嫌われたくない気持ちから、ソフト老害になっていた」とのこと。それが結果的に、若者が能力発揮する機会を邪魔していると、自戒もこめて世間に訴えたかったのでしょう。

かつて株主総会で株主から「若い社長が就任できないのは、あなたの存在が原因なんじゃないのか。老害という言葉もある」と問われ、「私は確かに後期高齢者です。老ではあるが、害ではない」ときっぱり言い放ったトップがいたけど、いまや40代で煙たがられる時代に突入してしまいました。

昨年は「#老害意見」が話題になったことも。X(旧Twitter)利用者のある男性が「老害意見かもしれないけど、若い方は飲み会で年上の方におごってもらったら翌日の朝一番で対面でお礼言いに行ったほうがいいと思います」と投稿したことに対し、#老害意見がつけられ、瞬く間に拡散されたのです。

あまりのバズりっぷりに男性も驚いたようで、翌日には、「一方的なアドバイスになったこと、飲み会で嫌な思いをされた方への想像もつかなかったことはおわびします」と謝罪投稿をする事態に発展しました。

…老害。嫌な言葉です。

個人的には「老」に「権力」というものがかけ算されたとき、結果的に「害」になる、と考えていたのですが、最近は「年をとった」だけで老害と言われてしまうのです。

要するに「老害」という言葉は、ある年齢、おそらく50歳くらい?を過ぎた人の言動を指し、40代だと老害予備軍の「ソフト老害」です。今の日本は、大人人口(20歳以上)の10人に8人が40歳以上、10人に6人が50歳以上ですから、会社は老害だらけ?ということでしょうか。んなわけない、ですよね。

会社自体が「50歳以上を要なし扱い」してるという現実があるにせよ、シニアvs.若者、中高年vs.若者、老人vs.若者という対立を鮮明にするために、「老害」という言葉が使われているようにしか思えません。

本来、若者には若者のいい面があるように、シニアにもシニアだからこそのいい面がある。どんなに物忘れがひどくなろうと、一人でできないことが増えようとも全ての年齢に、その年齢ならではの武器が存在します。

これだけ「それ多様性だ!」「ほれダイバーシティだ!」という言説が飛び交っているのに、なぜ、年齢差別はオッケーなのか。老害はオッケーで、おばさん、おじさんは、なぜNGなのか?

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

釈放まで82時間!いなり寿司「万引き誤認逮捕」悪いのは警察か店かあの政治家か?議論白熱…「他人事じゃない」「対策しないとヤバい」の声も

常軌を逸したと言っても過言ではない「誤認逮捕劇」にネット上が騒然となっている。

滋賀県警近江八幡署は13日、近江八幡市内のスーパーマーケットでいなり寿司1パック約300円相当を万引きした疑いで、同市内に住む74歳の女性を逮捕。各種報道によると、13日午前、女性がいなり寿司をカバンの中に入れそのまま店を出たのを目撃した店舗関係者が110番通報し、駆けつけた警察官が防犯カメラ映像を確認したところ女性が持参したバッグに何かを入れる様子が映っており、カバンに女性が支払った記録のない「いなり寿司」が入っていたため午前11時10分ごろに現行犯逮捕したという。

女性は「顔見知りの人からもらったもの」として、一貫して容疑を否認し続けていたものの、警察はその後に彼女を送検。しかし16日になって近江八幡署が女性の知人男性に話を聞いたところ、その男性が同スーパーで購入した「いなり寿司」を店内の休憩スペースで女性に渡していたことが分かり、さらに店の在庫数と販売数を確認したところ窃盗がなかったことも判明。同日午後9時25分ごろに女性を釈放したと伝えられている。女性は“誤認逮捕”で82時間以上も拘留された形だ。この件について近江八幡署の杉中高広副署長は、「逮捕された方には心からおわびを申し上げます。しかるべき調査をした上で再発防止を図って参ります」とコメントしている。

ネット上にはスーパー側や警察の責任を問う声が殺到

女性が一貫して容疑を否認したにもかかわらず、82時間にも及んだ拘留。ネット上には74歳という彼女の体調や精神状態を案ずる声も相次いだ。

<70歳超えて3日間も拘束されて、体調は大丈夫だったんだろうか>

<「やってない」って言ってるのに逮捕されて3日ブタ箱って、お婆ちゃんの精神的ショックは大きすぎると思う>

<これ、下手したら何の罪もない年寄りが死んでた可能性もあったよな>

また、店側の責任を問う声も数多い。

<販売記録を調べなかった店が悪い>

<当日の締めに販売記録を確認してないスーパーも悪いよ>

そんな中にあって、スーパー勤務経験者からはこんなポストが。

上掲ポストには「在庫確認できる物は確認」が基本と記されている。仮にその場で確認できなかったとしても、万引きがあったとされる13日のレジ締めでいなり寿司の在庫数と販売数に矛盾がなかったことは判明していたのではないかと考えてしまうのは筆者を含む“素人の浅はかさ”だろうか。少なくともその時点で警察に店舗サイドから報告があれば、82時間にも及ぶ拘留は発生しなかったとは言えないか。

もちろん警察に対する批判も多数投稿されている。

<誤認逮捕で3日も拘束なんて監禁と同じじゃないか。立派な犯罪>

<いなり寿司の万引き容疑なんて、逮捕拘束しなくても取り調べできるんじゃないか>

<ごめんで済めば警察はいらないって言うけど警察はごめんと言えば済むのかよ>

さらに当然といえば当然だが、一般人と政治家の扱いの違いに対する憤りに近いポストも散見される。

<お婆ちゃんは300円で逮捕されて、何千万もポケットにつっこんでる自民党議員は元気に娑婆を歩き回っているヘル日本>

<300円で逮捕なら裏金議員なんて死刑だろうがよ>

<いなり寿司盗んだおばあちゃんを誤認逮捕って、50億円ネコババしたおじいちゃん逮捕しないのはどうしてだか誰か警察に問い合わせて>

近江八幡市を含む現滋賀4区選出の衆議院議員は小寺裕雄氏。1月19日に解散が決定した“ネコババおじいちゃん”が率いる派閥に所属していたことをつけ加えておく。

“誰もが万引き犯”になりうるセルフレジとレジ袋有料化

「万引きするつもりがなくても、誰もが“万引き犯”にされてしまいかねないのがここ数年の日本の現状です」

と話してくれたのは、40代の男性ネットメディア編集デスクだ。

「人件費削減が期待できるということで導入が進むセルフレジですが、店側が客に労働を押しつけていると見るのが妥当で、有人レジに慣れ親しんできたお年寄りが右往左往している姿をよく見かけます。バーコードをかざしたつもりでもレジが反応していなかったら“万引き扱い”ですから」

筆者が利用する、とある大型量販店でもセルフレジを上手く操作できず“未払い”状態の商品をマイバッグに詰めてしまい、店員から声をかけられているお年寄りを目にすることも頻繁だ。

「加えて、店ごとに使い方が異なるという、ユーザーを無視したようなセルフレジの仕様では、使いこなせないお年寄りが多くなるのも無理はありません。おそらく現時点での最適解は、支払いのみセルフの“セミセルフ”でしょうね」(同前)

今回の誤認逮捕に関しては、このようなポストも投稿されている。

「バカ」かどうかは別として、「レジ袋有料化」を進めたのは小泉進次郎衆院議員。文春オンラインのこちらの記事によると、「レジ袋有料化」により万引き犯が「言い逃れしやすい」状況を作っているという。そのために無数の監視カメラが設置され、万引きGメンが目を光らせるしかない状況にあるのだ。

そんな中で起きた「誤認逮捕82時間拘留」。小泉進次郎氏に「まったく責任がない」と言い切ることはできないだろう。

「ネットの巨大掲示板には『ネットスーパーを使えば万引き犯に仕立て上げられる心配はない』との書き込みもありますが、そのような指摘には、地域によってサービス自体が行われていないため誰もが使えるものでもないという事実がすっぽり抜け落ちています」(同前)

さらに加えれば、過疎化が進む現代にあって、たった1つのスーパーがライフラインという高齢者が多数いることもまた事実で、そのようなお年寄りが“誤認逮捕”されようものなら精神的打撃はあまりに大きい上、気まずさから唯一のライフラインであるその店舗に通えなくなることも容易に想像できる。つまり、大げさではなく命にすら関わる大問題なのだ。

あまりに釣り合わない“補償金額”と、誤認逮捕された際の対処法

かような“誰もが万引き犯”になりうる時代。もしも我々が誤認逮捕され、今回の74歳女性のように3日も拘留された場合、打てる手はあるのか。まずは補償関係から見てみよう。中村国際刑事法律事務所の「誤認逮捕された場合を弁護士が解説」には、このような記載がある。

誤認逮捕であることが認められ、不起訴処分となった場合、被疑者補償規程(法務省訓令)が適用され、補償を申し出ることで拘束された期間の1日について1,000円以上1万2500円以下の範囲内で補償が受けられる可能性があります(同規程第3条1項)。

滋賀県警近江八幡署は「誤認逮捕」であることを認めているので、上記を参照すると今回の“被害女性”には3,000~5万円ほどが保証される見込みがあるということになるだろう。傷つけられたプライドや身体的負担を考えると、最大である5万円を受け取ったとしても、それは十分な金額とは言い難い。ましてや働き盛りの現役世代であったら、失うものとの釣り合いが取れない保証と言っていいだろう。

では、万引きで誤認逮捕された際、どのように対処すべきなのか。ベリーベスト法律事務所のこちらのコラムを参照しつつ以下に記す。

(1)黙秘権の行使

「本人は誤認逮捕だと分かっていても、捜査機関は犯人だと思って取り調べをしており、ときには自白を誘導するような質問も行う」ため、黙秘権の行使が重要だという。

(2)供述調書へのサインの拒否、変更権の行使

捜査機関が署名捺印を求めてくる「供述調書」は、「後に裁判になったときの重要な証拠のひとつ」になるため慎重に確認することを求めている。「署名、捺印は義務ではありませんので、一部でも不明な記述があればサインを拒否することができます」「供述調書に事実と異なる記述があれば、修正を求めることもできます」ともしている。

(3)権利の行使について弁護士へ相談

こちらは家族に対するアドバイスとして記されている。「逮捕された段階ですぐに弁護士に相談し適切なアドバイスを受ければ、不利な処分がされる可能性を小さくすることができます」とのことなので、頭に入れておく必要があるようだ。

【参照】万引きしていないのに誤認逮捕された! 逮捕した相手に慰謝料を請求できる?(ベリーベスト法律事務所)

繰り返すが、現代日本は“誰もが万引き犯”になりうる。そんな社会を作り上げた“責任者”への厳しい追求の手は緩めるべきではないが、自己防衛手段も身につけておく必要がありそうだ。

社会的孤立感が高く“寂しい”人は「つい食べてしまう」という研究結果

社会的孤立の強さによって食生活に関連する脳の働きが異なってくるという実験結果があります。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、その結果を紹介し、孤独感と食行動の関連を解説しています。

孤独と食事に関連する脳の働き

◎要約:『社会的孤立感は食事に関連する脳の反応に影響し、これが食行動に関する不適応の背景となっている可能性がある』

社会的な孤立はパンデミック期間中において、精神状態悪化の主要な原因であると指摘されてきました。

今回は、食事に関連する脳の働きに関して、孤独感の影響を調べた研究をご紹介します。

Social Isolation, Brain Food Cue Processing, Eating Behaviors, and Mental Health Symptoms

社会的孤立、脳の食物刺激処理、食行動、精神症状

アメリカのロサンゼルスにおける研究で、閉経前の女性93人(平均25.38歳)が対象となりました。

孤独感や食行動等についての調査と、脳の機能的画像検査を行い、関連性を調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

・実感されている社会的孤立が強いグループでは、比較的体脂肪率が高く、食事の質が低下しており、食行動の不適応(渇望、報酬希求の強い形態、制御困難、依存性)、精神状態の悪化(不安、うつ、抵抗力低下)が生じていました。

・社会的孤立感の強いグループでは、食事に関する刺激への脳の反応が、デフォルト・モードに関する領域(ぼんやりしている時に活動する領域)、遂行制御に関する領域、視覚的注意に関する領域で変化していました。

・甘いものに対する脳の反応の変化は、食行動の変化や精神症状の変化と関連していました。

・脳の反応の変化は、社会的孤独感と食行動の不適応との関連を仲介してしました。

孤独感と食行動との関連性は、「さみしい気持ちの時に食べてしまう」という現象で感じられるかもしれません。

脳の反応として客観的変化が生じている点が興味深い内容でした。

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68歳で子供を作って「若気の至り」と照れる。50人の子をもうけた新1万円札の顔・渋沢栄一の子沢山秘話

今年7月3日に発行開始が予定されている新紙幣の1万円札の新たな顔となる渋沢栄一。生涯で500を超える会社を興したことで知られる実業家ですが、「日本資本主義の父」と称される渋沢が生涯で50人を超える子供をもうけていたことをご存知でしょうか。今回の『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』では時代小説の名手として知られる作家の早見俊さんが、そんな渋沢と明治維新の元勲のひとりで総理大臣も務めた松方正義の「子沢山列伝」を紹介。さらに彼らの妻のエピソードも取り上げています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:明治の子沢山偉人

明治の子沢山偉人

明治時代に活躍した二人の子沢山偉人を紹介します。

まずは、渋沢栄一です。

新1万円札の顔となる渋沢栄一は日本資本主義の父と称される大実業家です。

明治、大正、昭和に亘って精力的に活動し、第一国立銀行、王子製紙など500に余る会社や東京株式取引所の開設に尽力しました。生涯の愛読書、『論語』の精神で経営にあたり、「私利を追わず公益を図る」というモットーを貫ぬいた実業家人生でした。

そのため、巨大財閥を作ることはなく、昭和6年91歳で大往生を遂げるまで現役で活動を続けました。

現役だったのは仕事だけではなく、性生活もであったのかもしれません。というのは、渋沢は68歳で子供を作っているからです。この時、「いやあ若気の至りで」と照れたとか。

仕事、性生活、共にエネルギッシュな渋沢栄一の最初の結婚は18歳の時、妻千代は14歳でした。渋沢は千代との間に二男三女をもうけます。千代は42歳で病死、翌年兼子と再婚します。兼子とは二男二女をもうけました。

二人の妻だけで渋沢の性欲が満たされるはずもなく、複数のお妾さんを持ち、嫡子、庶子合わせて20人の子供に恵まれました。すごいことに、妻、妾、子供たち全員と一緒に暮らしていたそうです。また、非嫡子を入れると50人を超す子供がいたとも噂されています。

そんな性豪ぶりを兼子は、「論語とはうまいものを見つけなさった。聖書だったらてんで守れっこないものね」と言ったとか。聖書は姦淫を禁じていますが、論語に性についての戒めは書かれていないことを皮肉ったのですね。

渋沢は己が艶福ぶりを反省したのか、家訓として女遊びを戒め、芸者に近づくなと定めています。自身は花柳界で五本の指に入る遊び人と評判を取ったのにです。

渋沢の女好きの血は長男に受け継がれ、家訓を破って新橋の芸者にのめり込んでしまいました。渋沢は自分のことを棚に上げて長男を叱りましたが長男は聞く耳を持たず、妻を追い出して芸者を家に入れようとしました。渋沢は激怒して長男を廃嫡します。長男にしたら親父には言われたくないと思ったことでしょう。

道徳と経営は合一すべしと語っていた渋沢栄一は、生涯、500を超える会社と50人を超える子供を産んだ偉大な父だったのです。

問題です、1000円はどこにいったでしょう? 超一流企業の採用試験問題が面白い!

グーグル、アップル、マイクロソフトなどの世界を牽引する企業の採用試験に興味はありませんか?今回の無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、著者である土井英司さんが超一流企業が使っている論理的思考問題集をピックアップしています。

【ビジネスに役立つ難問集】⇒『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』

71-Q+jiUkhL._SL1418_

頭のいい人だけが解ける論理的思考問題

野村裕之・著 ダイヤモンド社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、グーグルやアップル、マイクロソフトなど、超一流企業が採用試験で出題している論理的思考問題をまとめた一冊。

ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏が1950年代に提唱し、のちにピーター・ドラッカー氏が提唱した組織モデルにも組み込まれていたという、「10のコンセプチュアル・スキル」のうち、「トリプルシンキング」と呼ばれる「論理的思考(ロジカル・シンキング)」「、批判的思考(クリティカル・シンキング)」、「水平思考(ラテラル・シンキング)」を主に扱い、さらに「俯瞰思考」「多面的思考」が身につく問題も紹介・解説しています。

「10のコンセプチュアル・スキル」

(1)論理的思考

(2)水平思考

(3)批判的思考

(4)多面的思考

(5)柔軟性

(6)受容性

(7)知的好奇心

(8)探究心

(9)応用力

(10)俯瞰力

「消えた1000円」「2回目の競争」「逆風の飛行機」など、答えが直感に反する難問がいくつも出題されており、思考トレーニングに最適です。

試しに、批判的思考を養うための問題「消えた1000円」を見てみましょう。

「消えた1000円」

あなたは、2人の同僚と一緒にホテルに泊まりに来た。宿泊料は1人1万円、合計3万円を受付係に渡した。ところがその後、3人の場合、宿泊料は2万5000円だったと気づいた受付係は、5000円を返そうとした。しかし受付係は「5000円は3人で割れない」と考え、2000円をポケットにしまい、残りの3000円を3人に返金した。3万円を支払った後で3000円返ってきたので、3人は合計2万7000円を支払ったことになる。受付係がくすねた2000円を足すと2万9000円。残りの1000円はどこに消えたのだろう?

これは比較的易しい問題ですが、本書にはこんな感じのややこしい問題がいくつも出てきます。

恐ろしいのは、これらの問題・思考が、ビジネスシーンに直結しているということ。

人を選抜する時や交渉、オペレーション、情報が限られた中での意思決定など、リーダーに求められる思考が身についているか、セルフチェックできるのがポイントです。

また、「水平思考」以降のパートでは、追い込まれた時の問題解決・発想のヒント、人間関係の改善に役立つ思考・視点が説かれています。

つい「頑張ろう!」と思ってしまう人が“大成しない”のはどうしてなのか?

何かを始めるとき「頑張ろう!」と思っていませんか? 無料メルマガ『【スキル×運】で年収1000万円を目指せ!』の著者・佐藤しょうおんさんによると、そう考える人は素人なのだそう。その理由とは?

頑張らずに本気になる

何かをやる時に、「頑張ろう」とするのは素人なんですよ。頑張るとは、できそうもないと考えることをやろうとすることなんですから。ですからそんなことが成就するわけがないんですね。。

プロは頑張ろうとは思わないモノです。ただ本気になってやるだけ。では本気になって何をやるのか?といえば、それは自分が確実にやれると考えることを、エラーなく、確実にやり切ること(これが本気)なんですね。やれると分かっていることをやろうとするのだから、頑張る必要なんてないでしょ。

頑張る必要がない、それはつまりやる気になったらちゃんとできると思えることなんですが、そうなるために練習や修行をやるんです。練習でできもしないことを、本番のプレッシャーの掛る場面でちゃんとできるわけないんですよ。

つまり本番というのは、あなたのできることの内数が現実になるんです。昔のスポ根マンガにあるように、本番の時に奇跡の力が出てしまうなんてことは現実にはないのですよ。

では本気って簡単に出せるのかというと、これがまた難しいんですよね。力こぶを作らずに、飄々と淡々と、自分ができることを抜かりなく、確実にやり切るのって、プレッシャーがない状態ならできても、めっちゃプレッシャーの掛る場面では簡単じゃないですよ。

これは完全に量稽古が必要で、とにかく場数を踏んで、いつでも平常心でできるようになるまで繰り返す必要があるんですよ。その過程で、本気になった時の自分のこころの有り様が変化してきますから。これはある種のスイッチがパッと入って、舞台の幕が開くみたいな感じになるんですよ。

今までの平時の自分から、本番としての自分に切り替わる、そんな意識の変化が起こるんです。

例えば私の場合、セミナーで演台の前に立った瞬間で、あそこから受講生が座っている風景を見ると、意識が完全に切り替わります。完全に講師としての新しい自分が立ち上がる感じです。その瞬間に、素としての自分は消え去って、講義を伝えるモードに入るわけです。

楽天・三木谷会長の心中やいかに。NTTドコモと「Amazon」が協業開始のウラ側

Amazonで買い物をするとドコモのdポイントがたまるサービスがスタート。NTTドコモとアマゾンジャパンは、記者発表会で協業サービスの内容や狙いを説明しました。「楽天グループに対抗」の言葉は出なかったと語るのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、この20年の間に変化してきたドコモと楽天の関係を振り返り、三木谷会長が携帯事業への参入を決断し、巨額の負債を抱えることになった背景にもドコモとの関係悪化があると説明。今回の競合同士の協業に思うことがあるはずと綴っています。

Amazonで「dポイントが貯まる、使える」サービス開始。あからさまな「楽天対抗策」に三木谷会長は何を思う

NTTドコモとアマゾンジャパンはdポイントに関する戦略的協業を発表。Amazon.co.jpにおいて「dポイントが貯まる、使える」サービスを開始した。

Amazon.co.jpでは「他社のポイントが使える」サービスとして、すでにJCBやリクルートのポイントが使えるようになっているが、「他社のポイントが貯まる」という点においてはdポイントが初のこととなるという。

このタイミングでNTTドコモがネット通販においてdポイントを強化してきたというのは「楽天経済圏」を意識しているのは間違いない。

質疑応答では「我々がやっているすべての取り組みは、基本的に『お客さまのために何をすべきか』から逆算し『Amazonとして何をすべきか』という考え方に基づいている。他社がやっているからというわけではない」(アマゾンジャパン担当者)、「競合他社というよりも、dポイントクラブ会員のニーズに応えるにはどうすればいいのか、というところが起点」(NTTドコモ担当者)ということだったが、さすがに「楽天グループに対抗する」とは口が裂けても言えないだろう(言っちゃえばいいのに)。

今回の協業、20年以上、業界を見ている立場からすれば「NTTドコモと楽天グループが仲が良かったら、あり得ない組み合わせだな」と改めて思う。そもそも、NTTドコモと楽天グループは2005年、いまから20年近く前に「iモードサイト上でのオークション事業を共同展開する」という発表をおこなっている。楽天の一部門を分社化し、新会社「楽天オークション」を設立。そこにNTTドコモも出資していた。

当時のケータイWatch記事にはNTTドコモの中村維夫社長、夏野剛マルチメディアサービス部長、楽天の三木谷浩史会長兼社長が仲良く握手をしている写真が掲載されている。当時、パソコン向けとしてヤフーオークションが強かったが、携帯電話向けオークションは広まっておらず、KDDIがDeNAと組んで「auオークション」を展開していたのだった。

10年前からは、NTTドコモ回線を使ったMVNOとして「楽天モバイル」も提供していたが、楽天が「第4のキャリア」として新規参入する前ぐらいから、両社の関係は冷え切ったものになっていたようだ。

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