医者がオススメ。丸めたタオルを握るだけでOK、高血圧の改善法

高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの原因となることも多く、取り除いておきたい生活習慣病リスクのひとつ。自宅で気楽に取り組める改善法はないものでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日野原記念クリニック所長の久代登志男さんが、簡単で習慣化しやすい「タオルグリップ法」を紹介しています。

自宅で取り組める高血圧改善法

日本では高血圧の患者が4,000万人以上いると推定され、「国民病」とも言われています。しかし、その高血圧を自宅で簡単にできエクササイズで改善に導けるとしたらどうでしょうか。

本日は、日野原記念クリニック所長・久代登志男さんが提唱する、身近なタオルを活用した高血圧改善法をご紹介します。


日本における高血圧の患者数は4,300万人と推定されています。男性は40代以降、女性は50代以降に発症することが多い生活習慣病の一種で、患者さんの数が多いことから「国民病」ともいわれています。治療法や予防法を理解し実践していくことは、長寿社会において大切なことです。

高血圧の治療法や予防法の一つとして、私は5年ほど前から「タオルグリップ法」と呼ばれる方法を紹介しています。どの家庭にもあるフェイスタオルを丸めて手でぎゅっと握って緩める─。それを何度か繰り返すだけで、高くなってしまった血圧を落ち着かせる効果が期待できるのです。

基本原理は、カナダのマックマスター大学(オンタリオ州)のフィリップ・ミラー博士が開発した「ハンドグリップ法」で、この新メソッドはアメリカの心臓病学会が高血圧の補完療法として、その効果を認めています。

ハンドグリップ法がデジタル握力計を使うのに対して、タオルグリップ法はその名が示す通りタオルを使用します。なぜ効果があるのか、その仕組みについては後ほど説明するとして、まず具体的な方法からご紹介しましょう。

用意するのは、手や顔を拭く際に使われるフェイスタオル一枚。一般的には34×85センチ前後の大きさになります。

準備

  1. タオルを正方形に近い形になるよう、横に2回、縦に1回折り畳みます
  2. 端からくるくると巻いて、筒状に形を整えてください。やや緩めに巻くのがポイントです
  3. 握った時に親指が他の指につかない程度の太さに調整します

実践

  1. 椅子に座ってリラックスしましょう。テレビを見ながらでもOKです。腕の位置は、自分のやりやすい位置で結構です
  2. 丸めたタオルを片手に持ち、全力の3割程度の力で2分間握り続けてください。2割以下ではあまり効果は出ません。強過ぎても効果が増えることはありません
  3. 2分間過ぎたら手の力を緩めて、タオルを握ったままの状態で1分間お休みします。呼吸は普通にしてください。

この後、再び2.を行ってください。反対側の手にタオルを持ち替えても、同じ手でも構いません。そして、2~3を計3回、タオルを3回握ることになり、所要時間は8分間になります。握る回数を増やしても効果は変わりません。

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加計学園「韓国人受験生、面接0点」報道。文科省は「確認中」

学校法人加計学園の大学に「不正入試」疑惑が浮上していると、5日発売の『週刊文春』が報じている。問題となっているのは、2019年11月16日の岡山理科大獣医学部(愛媛県今治市)で行なわれた推薦入試である。文春は、韓国人受験生全員の面接試験を一律0点としていたことを示す内部文書と複数の職員の証言を明かした。この報道を受けて5日、萩生田光一文部科学相は参院予算委員会で、立憲民主党の石川大我氏への答弁として、文科省が大学側に事実確認を求めていると明らかにしたと、朝日新聞が報じている。



韓国人受験者の言語レベルは?

疑惑の入試は学科2科と面接試験、高等学校での成績を反映した評点平均値を各50点、合計200点で採点されるもの。韓国人受験者全員の面接試験での点数は0点で、なかには10点足りずに不合格となった生徒もいるという。0点の理由として、獣医学部の教授陣は「日本語でのコミュニケーションが著しく困難だった」と説明。しかし、文春の取材によると、幹部職員は「これまで面接試験で0点というのはほとんど見たことがありません」「すべて日本語で記された科目試験で満点に近い優秀な成績を収めた学生もおり、韓国人受験者全員が、日本語に不自由だという説明は不可解極まりないです」と怒りを滲ませていたとしている。

朝日新聞によると、萩生田氏は同予算委員会で「一般論として大学入学者選抜は公正かつ妥当な方法で行うことが求められている」と指摘。「選抜実施要項には、合理的理由なく出身地域などで一律の取り扱いの差異を設けることは不適切と明記している」として、報道が事実である場合は問題になるとの認識を示したという。

仮に、記事に書かれていたように言語能力が十分であったにも関わらず、国籍で差別したことが事実であるならば「不正入試」となる。文科省は「確認中」としているが、加計学園側から直接、説明や会見はあるのだろうか。

新型肺炎からの教訓。各自治体に「病院天幕」の備えが必要な理由

クルーズ船内で新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止しようするわが国の試みは、事実上失敗に終わりました。「隔離の発想が裏目に出た結果」と分析するのは、軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さんです。この経験を生かすべくさまざまなアイデアを発信する小川さんは今回、主宰するメルマガ『NEWSを疑え!』で、各自治体や一定規模の病院に「病院天幕」を備えることを提案。南海トラフ巨大地震なども見据え、その必要性を訴えています。

新型肺炎から学ぶべき教訓

新型肺炎(新型コロナウイルス感染症)が日本国内でも感染拡大の兆しを見せ、様々な行事の延期、中国からの部品供給停止をはじめ、社会的・経済的影響は避けられない事態となっています。

そうしたなか、様々な疑問が頭をもたげてきて、そこから生まれたアイデアを今後の危機管理に活かせないかと、考えを整理し、然るべき関係筋に提案したりしているところです。

そのひとつは病院天幕です。一例を挙げれば、神奈川県のキャンプ座間に第1軍団前方司令部を置く米国陸軍は、相模総合補給厰に250ベッドの病院天幕4セットを備えています。合計1000ベッドの運用には4000人の医療スタッフが必要とされ、そのために米本土から予備役部隊が投入されることになっているのです。

なぜ、病院天幕の話をするのか、不思議に思われる向きもあるかと思いますので、少し説明しておきましょう。

クルーズ客船ダイアモンド・プリンセスで乗客・乗員約3700人の10%を超える感染者が発生したのは、クルーズ客船をひとつの「島」のように位置づけ、そこにとどまってもらえば感染拡大を防げるだろうとの、一種の「隔離」の発想が裏目に出た結果でした。

しかし、巨大なクルーズ客船といえども乗客乗員の数からすれば「密閉空間」であり、米国の専門家から「ホットスポット(感染源)にいるようなもの」という批判が出るのも、無理からぬところがあります。

このようなクルーズ客船に対する日本政府の対応の背景には、乗客・乗員を一定期間、社会から遮断して経過観察するための医療施設が不足しているという現状があるのです。そして、実を言えば、医療施設の不足は感染症ばかりではありません。南海トラフ地震などの巨大災害時に万人単位で発生する重傷者に対応できるだけの病院もないのです。

これに対して、私は病院天幕の準備を提案してきました。避難所などに指定されている学校の校庭などの空間に、一定の水準を満たしたテント村を迅速に構築し、全国から駆け付けるDMAT(災害派遣医療チーム)などが手当にあたるのです。

先に紹介した米国陸軍の病院天幕は高度の医療設備を備えたものですが、平均的な重傷者の手当にそこまで高度なものは必要ありません。自衛隊の病院天幕のレベルで構いません。それを必要数、自治体が備えておけば、大規模災害だけでなく、今回のような感染症の経過観察や「隔離」にも投入できます。一定規模の民間病院にも、駐車場に展開できる規模のものを備えておけば、来院者に車の中にとどまってもらい、外から医療スタッフが検査するようなことも避けられるでしょう。

そうした総合的な取り組みにいまから着手し、新型肺炎対策だけの縦割りに陥ることなく、次なるパンデミックと大規模災害から国民を守ること。それこそ、今回の新型肺炎から学ぶべき教訓のひとつだと思います。パンデミックも、大規模災害も、新型肺炎が蔓延しているさなかでも、われわれを襲ってくる恐れがあることを忘れてはなりません。(小川和久)

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日本政府、韓国・イラン・中国全域を入国拒否の対象にする方針

日本政府は5日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染を防ぐ水際対策として、入国を拒否する対象を韓国とイラン全域に滞在歴のある外国人に拡大する方針を固めたと、産経新聞がスクープで報じた。また、読売新聞もスクープとして同日、中国と韓国からの入国者全員について、検疫法に基づき、医療施設などで停留するか、政府指定の施設で2週間隔離したうえで入国許可を出す方向で調整に入ったと報じている。中国と韓国に発行済みの査証(ビザ)は効力を停止し、観光客の来日自粛を要請するという。

読売新聞によると、中国と韓国からの航空便は到着空港を成田空港と関西国際空港に限定。さらに船舶は旅客運送を停止するように要請するとした。安倍首相は5日夕にも、新型コロナウイルス感染症の対策本部を首相官邸で開き、これらの中国、韓国に対する入国制限措置を表明する見通しだという。

Twitterの反応






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source: 産経新聞読売新聞

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新型コロナ「特措法」なぜ現行法を適用しない?野党が疑問視の訳

安倍首相は4日、野党5党の党首と会談し「新型インフルエンザ等対策特別措置法」に新たに新型コロナを追加する改正の成立に向けた協力を呼びかけたと朝日新聞東京新聞報道ステーションなどが報じた。

山場に間に合わない法改正より現行法を

立憲民主党としては「法案審議については急いでやることに協力する」としており、国民民主党としても審議日程での駆け引きはしない方針。しかし会談では、法律を改正しなくても現行の「新型インフルエンザ特措法」を適用できるとの指摘が相次いだ。枝野氏は「緊急事態宣言は慎重であるべきだ。私権制限が大きい」とし、ここ1、2週間が山場になるという状況から「現行法で明日適用しないと間に合わないのではないかと申し上げた」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表も「今の法律を使うべきだ」と訴えている。

現行法の内容は?

旧民主党政権で成立した「特措法」は、新型インフルエンザと再興型インフルエンザ、新感染症の3つが対象となっている。立憲民主党、国民民主党は今回の新型コロナウイルスを「新感染症」にあたるとみている。新感染症とは、すでに知られている感染症の疾病とその病状や治療の結果が明らかに異なるものと定義されており、確かに新型コロナウイルスはここにあたると考えてよいだろう。

武田薬品が新型コロナウイルス治療薬開発へ。ネット賞賛の声

全世界で新型コロナウイルスの感染者が9万人以上、死者数は3000人越え(3月4日現在)。感染者は日に日に増える一方だ。連日暗いニュースばかりが流れる中、少し明るいニュースが話題となっている。武田薬品工業が新型コロナウイルスの治療薬を開発すると発表したのだ。


武田薬品が新型コロナウイルス治療薬の開発へ

待ちに待ったニュースだと言えるかもしれない。武田薬品工業が4日、新型コロナウイルスの治療薬を開発すると発表。血液由来の医薬品開発技術を使って新規治療薬を開発するとし、人での安全性や有効性を確かめる臨床試験(治験)を早期に始め、最短9カ月程度で実用化すると日本経済新聞が伝えている。

新たな治療薬は新型コロナウイルス感染症から回復した患者の血液中の抗体を活用して作る。患者に投与することで免疫力を高め、感染症から回復する可能性を大きくすることが期待できるという。

産経新聞によると、武田薬品は開発を進めるため日本を含むアジアや米国、欧州の規制当局と協議していて、製造は米・ジョージア州の工場の隔離されたエリアで行うという。既に関連する技術は特定済みだとし、新型コロナウイルス治療薬の開発に自信をのぞかせている。

香港でペットの犬に新型コロナが感染。ヒトイヌ感染の予防策は?

香港政府は4日、新型コロナウイルスに感染していた患者が飼っていた犬が低レベルの新型コロナウイルスに感染したと発表した。朝日新聞産経新聞などが報じている。ヒトから動物への感染が確認されたのは初めてのこと。


初のペットへの感染

飼い主は2月中旬にせきの症状が出て、2月下旬に入院し、新型コロナの感染が確認された60歳の女性。この女性が飼っていた犬の鼻と口から採取した検体から、新型コロナウイルスの弱陽性反応が繰り返し出ていたという。ウイルスが付着していただけの可能性も視野に入れ、動物の感染症対策を担う国際獣疫事務局などに見解を求めた結果、感染を示すとの判断に至ったとしている。犬は16〜17歳のポメラニアン。特異な症状はなく、また現在は発症しておらず、別の施設で隔離されているとのこと。

香港政府は「現時点でペットがウイルスを媒介するというデータはない」と強調し、動物が感染源になるといった過剰な心配は不要だという。今回の発表によって、ペットを手放す人や虐待する人が出たら…と思うと心が痛くなる。一刻も早く新型コロナの感染拡大がおさまってくれることを願うばかりだ。

飼い主が注意すべきこと

まずは、ペットを人混みに連れていかないこと。飼い主がコロナウイルスに感染しないよう気をつけること。帰ってきたらペットに触れる前に手洗いうがいを心がけ、十分に睡眠を取るなど免疫を高めておくことも必要だといえる。もし飼い主が新型コロナウイルスに感染してしまったら、マスクや手袋を着用し、ペットと食事をしないなどの注意が必要だ。

Twitterの声







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source:朝日新聞産経新聞Yahoo!ニュースNHK

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信じがたい野次も。新型肺炎から高齢者を守るつもりのない自民党

新型肺炎の専門家会議では議論されなかったと言われる「全国一斉休校」を決めた一方、罹患すれば重症化しやすい高齢者を守る対策を打ち出さない政府に対する批判の声が、各所から上がっています。安倍首相は何を拠り所に新型肺炎の感染拡大防止策を決定しているのでしょうか。健康社会学者の河合薫さんは今回、自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、「絶対感」をキーワードにその分析を試みています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2020年3月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

思考が短絡化した末の「感染拡大防止策」

すったもんだ続きの政府による「新型コロナウィルス拡大防止策」ですが耳を疑うような“野次”が自民党議員からありました。

3月2日に開かれた参議院予算委員会で立憲民主党の蓮舫議員が、「専門家会議の見解には学校の一斉休校の記述はない一方で、高齢者の感染リスクを重視している」と指摘。「高齢者施設などに対して、イベント自粛や学校の一斉休校と同等の対応をしないのはなぜなのか」と質問しました。

これに加藤勝信厚生労働大臣が回答している間に、「高齢者は歩かないから」と、自民党の松川るい議員(大阪府選出)が野次を飛ばしたのです。

松川議員はその後、「舌足らずの表現で誤解を与える表現だったなと思って、それは反省しています。気を悪くされた方がいたら、すみません」と謝罪したということですが、…情けない、実に情けない。

「高齢者は歩かない」などと野次る輩が政治家であることも、そういう人を政治家にしまっているということも、情けないとしか言いようがありません。

WHOの調査報告で明かされているとおり、重症や死亡のリスクが高いのは60歳を超えた人や持病のある人で、逆に子どもの感染例は少なく、症状も軽い。19歳未満の感染者は全体の2.4%です。一方、致死率は高齢になるほど高く、80歳を超えた感染者の致死率は21.9%と5人に1人に上っています(※ WHOが派遣した各国の専門家や中国の保健当局の専門家らによるチームが、中国で感染が確認された5万5,924人のデータについて分析した結果)。

また、北海道の感染状況を調査した専門家は、「症状がでない、あるいは症状が軽い」若い世代から感染が拡大する可能性があると指摘しています。こういったエビデンスに基づけば、高齢者施設などで感染拡大を防ぐことのプライオリティは極めて高いわけです。

ところが高齢者を守る防止策はほぼ皆無です。

介護職員らでつくる労働組合が全国の介護事業所4,043カ所への緊急調査を行ったところ、マスクがすでにないと回答した事業所が約2割に上り、訪問介護に限ると、マスクがすでにない事業所は27.8%を占め、在庫が2週間分以内の事業者は3分の2に達していることがわかりました。

政府がマスクを買い取って北海道に送るのもいいですけど、密閉された空間で高齢者と長時間関わる人たちにこそ、優先的にマスクを配布することも重要です。…っていうか、そんなこと小学生だって理解できる。

言い方は悪いですが、そんな「低レベルの思考力」さえ持ち合わせていない政府と、いち政治家の野次とはいえ「高齢者は歩かないから」などと笑い飛ばす自民党議員。いったいどこまで人を馬鹿にしているのか。専門家を軽視し、頓珍漢な“政治的決断”をする我が国のお偉い方たち…ホントに情けない。

権力で生じる「絶対感」に酔いしれた人が、稚拙で倫理にもとる行動をとり、リスクの高いおバカな決断をすることは、世界中の研究者たちが証明してきましたが、悲しいかな、新型コロナ拡大防止策はまさにこれ。“絶対感に酔いしれる権力者”によって、救うべき人たちが救われないという意味不明が行われているのです。

深刻な中小企業への打撃。新型肺炎は日本経済を破綻に導くのか?

新型肺炎の感染拡大とそれに伴う対応の影響は、我が国の経済にさらなる深刻な打撃をもたらすことは確実なようです。ジャーナリストの内田誠さんは今回、自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、新聞各紙の経済記事に注目し現在の日本経済の状況を把握するとともに、今後の展望を占っています。

新型肺炎の拡大とその対策が経済に及ぼす影響を、新聞各紙はどう伝えたか

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…保護者休業 最大8,330円助成
《読売》…若い世代 拡散リスク
《毎日》…軽症者から感染拡大
《東京》…外務省「原爆展 変更を」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「若者、気づかず感染拡大」
《読売》…株安連鎖 焦る日銀
《毎日》…肺炎検査 答弁ズレ
《東京》…コロナ不況 突入の恐れ

プロフィール

新型コロナウィルスの感染拡大とスポーツやコンサートなどの大規模イベントの中止、さらに小中高校などの一斉休校が、経済にどのような影響を及ぼすかについて、各紙の取り上げ方を見て見たいと思います。

■時差出勤やテレワークは非現実的■《朝日》
■小売業界への影響■《読売》
■減・減・減■《毎日》
■近づくコロナ不況■《東京》

時差出勤やテレワークは非現実的

【朝日】は9面に、休校などに伴う対応についての大きな記事。その最後段に、中小企業への深刻な影響に関する記述。見出しから。

  • 操業に影響■時差出勤、非現実的
  • 新型肺炎 中小企業「悲鳴」

感染の拡大と共に中小企業の景況感が急速に悪化し、なかには経営破綻する事業者も出始めているという。これまでにクルーズ船運航会社ルミナスクルーズ、学習塾の志学アカデミーの破綻が明らかになっている。日本商工会議所は「多くの業種で悲鳴に近い声が出ている」と。2月の早期景気観測調査での業況DI(前年同月比で「好転」と答えた企業数から「悪化」と答えた企業数を引いたもの)は全産業でマイナス32.6。1月に比べて5.8ポイントの落ち込みだったという。「非常に大きな落ち込み」(三村日商会頭)だと。

uttiiの眼

中小企業への影響と対応については、大企業とは同列に論じられないということが重要なのだと思う。記事中、中小メーカーなどの労組で作る産別組織JAMの会長が「時差出勤やテレワークは中小の製造業では現実的ではない。4月に入ると在庫もなくなり、より厳しい状況になるのでは」と指摘しているのが紹介されている。

日商は、休職に伴う新たな助成金を、個人事業主ら経営者にも拡大するなど、具体的な措置を求めていくという。ただ、こうした枠組みが作られたとしても、助成金から排除されている「フリーランス」あるいは個人事業主(一人親方を含む)の窮状を救うことにはならない。「学校」というインフラを奪われることの悪影響は、弱い立場の人々にこそ大きくのし掛かっている。

小売業界への影響

【読売】は7面に大きな記事。見出しから。

  • 訪日客減 百貨店を直撃
  • 2月売上高2割減
  • 2月新車販売10.3%減

《読売》の関心は「小売業」。売上のおよそ2割減少は各社共通のようだ。さらに「今後は客足の減少だけでなく、小学校などの臨時休校により従業員の確保にも苦労しそうだ」という。

百貨店の場合は、そもそもユニクロなどの台頭やネット通販に押されて若者を中心に百貨店離れが進む中、頼っていた訪日客が来なくなったという形。「訪日客頼みのもろさが露呈した形」だという。

小学生の子どもがいる従業員がいつもどおりに出勤できなくなった影響は、デパートの営業時間短縮や牛丼チェーンでのメニュー限定などの形で現れている。

uttiiの眼

小売業への関心を突き詰めれば、「消費の落ち込み」という冷厳な結果を直視することになり、やがてはGDPへの影響という形で顕在化するのを見届けなければならない。エコノミストは「訪日客だけでなく、日本人も外出を自粛するようになってきた。全国で影響が出ており、消費の落ち込みが日本経済に与える打撃が心配だ」と話しているという。意味としては同じようなものだが、《読売》はGDPへの影響を活字にすることに、躊躇があるのかも知れない。「不況」という言葉も出てこない。

見えぬ本気度と誠意。安倍首相の記者会見に全国民がシラケる理由

新型肺炎の感染拡大を受け、全国の小中高に一斉休校を要請し、今後の対策を説明した安倍首相の2月29日の会見は、形式的で現場の立場を汲んでいないという批判にさらされているようです。これに同調し、「首相の言葉が響かない」とするマンション管理士の廣田信子さんは、今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、未知の病と対峙する日本に必要なリーダーシップ像を記しています。

言葉が相手に響くかどうかは発する人によって決まる

こんにちは!廣田信子です。

2月29日、安倍内閣総理大臣の記者会見がありました。

令和2年2月29日 安倍内閣総理大臣記者会見

迷走しているかのように見えた新型コロナウイルス対応。記者会見では、これまでの対策の問題点をきちんと踏まえ、今度こそ、私たちが一体になってがんばろうと思えるような国のリーダーとしての言葉が聞けるのだろうか…と淡い期待を持って聞きましたが…あまりにも、言葉が軽いのです。

この、心に入ってこない「言葉の軽さ」は何だろう…と思ってしまいました。

この1か月、この問題が深刻化していく過程で、我が国のリーダーは、この問題を真剣に考えてはいなかったんだろうな…ということが透けて見えました。もっと、個人的に重要なことがあったのでしょう。急に、これは何かしないとまずいな…と思って、思いつきで、唐突な対策を打ち出したことがわかります。

その思いつきを、もっともらしい文章にしたのは、官僚でしょう。その文章が映し出される左右のプロンプターを交互に見ながら読み上げているだけ…。正面を見て、しっかり語ることがほぼないのは、本当に、心から伝えたいことがないのでは…と思わされました。

国民にどんな影響があるか、現場がどんなにたいへんなことになるのか、それも十分シミュレーションをした上で、それでも、今、この対策が必要なんです、という説得力もありません。

この方にとって、普通の生活やそれぞれの現場はほんとうに想像がつかないほど遠いものなんでしょう。それを補うために、現場の声を本音で聞かせてくれるブレーンもいないのだろうな…と。

そして、自分が発する言葉に合わせて、それを正当化するために、周囲も官僚も、つじつま合わせに翻弄するのが当たり前…ということを重ねて、周りの意見を聞くこともなく、自分が言えば何でもできるという誤った万能感を持ってしまっているようで、何だか怖い気がしました。

会見の次の言葉は、決意表明の要のはずです。

それでもなお、内閣総理大臣として国民の命と暮らしを守る。その大きな責任を果たすためこれからも先頭に立って、為すべきことは決断していく。その決意であります。

この言葉を聞いて、安倍総理、これからも先頭に立って決断してね…と思った人は、どれほどいるのでしょうか。私は、「いえいえ、これ以上、勝手に決断しないで、現場の声をしっかり聞いて決断してもらわないと困ります」と思ってしまいました。

もし、言葉に嘘がない、常に国民の立場で考えられる真のリーダーが発した言葉であったら、この言葉は、国民の不安を払拭し団結をもたらす言葉になったでしょう。ほんとうに、伝わるかどうかは、その語る内容でなく、それを口にする人によって決まるものなんだと思いました。

安倍総理の下記の言葉

本当に大変な御苦労を国民の皆様にはおかけしますが、改めてお一人お一人の御協力を、深く深くお願いする次第であります。

を聞きながら、国民の大変な苦労をとても本当に理解しているとは思えない人に、お願いされて心が動くものではないけど、今を乗り越えるために、自分の身近な人のため、そして、同じように、日々の生活を頑張っている誰かのためにできることは、協力し合いたい…と思いました。

多くの国民が、同じような気持ちでいるのだと思います。

image by: 首相官邸