落胆の三木谷氏。ゴリ押し英語民間試験「身の丈」発言への恨み節

萩生田文科相のいわゆる「身の丈」発言もその一因となり、「2020年度からの実施」より一転、導入見送りとなった大学入試への英語民間試験の活用。そもそもなぜ、そして誰が、公平性の担保が困難な新制度を押し通そうとしたのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、民間試験導入決定に三木谷楽天社長が果たした役割を記すとともに、今回の「混迷」をもたらした元凶を暴いています。

旗振り役・三木谷楽天社長が落胆したであろう民間英語入試見送り

三木谷浩史・楽天社長はどんな気分だろうか。まさか、あの安倍首相が、その忠臣、萩生田光一・文部科学大臣が、かくもたやすく、大学入試の英語試験改革から退却するとは思わなかったに違いない

ここまで、三木谷氏にとっては長い道のりだった。大学入試にTOEFL、GTECなどいかがなものかと、専門家から強い疑問が呈されるなか、三木谷氏は官邸の産業競争力会議文科省の有識者会議をリードし文科省を動かした。何ごともなければ、2020年度から大学入学共通テストに民間の英語試験を活用する新制度がスタートするはずだった。

そんなおり、予期せぬことが起きた。萩生田文科相が何の拍子か、テレビ番組で本音をもらしてしまったのだ。10月24日夜放送のBSフジ「プライムニュース」でのことだ。

キャスターの反町理氏がTOEFLなど民間試験を使うことに関し、「お金や、地理的な条件などで恵まれている人は何回も受けて練習できる。その不公平、公平性ってどうなんでしょう」という趣旨の質問をすると、萩生田氏はこう答えた。

「それ言ったら、『あいつ予備校通っていてズルいよな』と言うのと同じだと思うんですよね。裕福な家庭の子が回数受けて、ウォーミングアップができるみたいなことがあるかもしれないけれど、そこは、自分の身の丈に合わせて、2回をきちんと選んで勝負して頑張ってもらえば」

世にいう「身の丈発言である。新自由主義的経済政策は、多かれ少なかれ、「分相応」を低所得層に強いてきた。しかし、公平を実現すべき入試で、その責任者である大臣に、「身の丈」に合わせればいいのだと、知らんぷりを決め込まれたくない。公平、平等な入試を実現するために存在するのが文科相ではないか。そのような反発の声がネット上や巷にあふれた

この発言をきっかけに、英語民間試験導入の問題点や不備がクローズアップされた。難易度の異なる民間試験のスコアをどうして1つの物差しで測れるのかと、合否判定に使うことを見送る国立大学もあった。受験料や試験会場などについて、国からさまざまな注文が出され、事業者側の混乱が続いた。受験生からも、「試験会場が少ない地方は不利だ」「検定料が高すぎる」など、不満の声があがった。利益を確保しなければならない民間団体のコスト計算と、受験の公平性が相容れないという、あたりまえの矛盾が露呈したかたちだった。

全国の高校の校長でつくる団体は今年9月、文部科学省に、英語民間試験の延期見直しをするよう申し入れをしていたが、萩生田大臣は「万全の体制を整える」と、予定どおり実施するかまえを崩さなかった。

しかし、「身の丈」発言で自らの身が危うくなると、萩生田大臣の脳回路は、批判の矢が飛んでこないようにすることを優先する方向に働き始めた。安倍首相とは携帯電話ひとつで連絡がとりあえる仲である。二人が話して結論を出したのは間違いない。民間試験を受けるための共通IDの申請が、全国一斉に始まる予定だった11月1日当日の定例記者会見で、萩生田大臣は「来年度からの導入を見送り、延期する決断をした」と発表した。

安倍首相の教育改革の目玉の一つとみて、文科省の官僚も十分に忖度し強力に推し進めてきた新制度である。萩生田大臣の失言で、いとも簡単に見送られるほどの熱意しか安倍官邸にはなかったのか。ハシゴを外されたのは文科省官僚だけではなかった。もっとも驚いたのは楽天の三木谷氏ではないだろうか。

どれだけ三木谷氏が、英語入試の改革に熱心だったかは、文科省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」における発言を議事録でたどることによって確認できる。

この有識者会議では民間試験導入にかなり慎重な意見もあった。たとえば明海大学外国語学部教授大津由紀雄氏のこの発言。

「TOEIC、TOEFLのスコアが高い、700、800、900点というようなあたりを取っていても、英語が使える人というのが非常に少ない。それだけではなくて、日本語がきちんと使える人が非常に少ない。例えば、私が日常的に接している大学生だなんていうのも、とてもみじめな状況になっている。母語という礎なしの外国語の運用能力というのは、よくてただぺらぺらしゃべることができるという、ハリボテ英語力というものにすぎない」

楽天社内の英語常用を進めるため「TOEFL」の効用を信仰してやまない三木谷氏に対するあてつけのような意見であるが、同様の考えを抱く学者は数多い。日本語もまともに書けない学生がほんとうにグローバル人材といえるかどうか。「ハリボテ英語力」とはよく言ったものである。

ラノベ風ゲームも?再選を目指す台湾・蔡英文総統のユニークな秘策

いよいよ来年1月11日に迫った台湾総統選。一時は劣勢が伝えられていた蔡英文現総統ですが、香港でのデモの長期化で状況が一変、当選確実との声も上がっています。台湾出身の評論家・黄文雄さんはメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、アドベンチャーゲームをリリースするなど次々と新機軸を打ち出す蔡陣営の動き、そして相も変わらず展開される中国の揺さぶり等、選挙直前の「台湾の今」を紹介しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年11月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】中国の懐柔策をはねつける蔡英文

これが台湾の選挙! 蔡英文総統、再選目指しラノベ風ゲームになる『ええっ! 台湾高校3年2組の私が突然異世界に迷い込んで総統に出会うなんて!?』

台湾の総統選挙活動がそろそろ本格的になってきました。呂秀蓮元副総統が出馬を断念したことで、蔡英文と韓国瑜の一騎打ちだとマスコミは騒いでいます。

台湾・呂元副総統が総統選への出馬断念

民進党の党内予備選で戦った頼清徳も、蔡英文の応援に回り、蔡英文再選へ向けて協力体制にあることをアピールしています。

蔡総統と頼氏がそろって選挙活動 党内予備選以来初/台湾

中国からの横やりもあの手この手で登場しています。最近も、台湾人向けの様々な優遇策を提示して台湾人を懐柔し、中国派支持に結び付けようとしていました。優遇策についての詳細は、以下の報道をご参照下さい。

優遇策は26項目からなり、さまざまな分野で中国の企業や個人と「同等」の待遇を受けられるようにするというもの。台湾の企業に対しては、次世代通信規格「5G」の研究開発や通信システム建設への参入、航空業への投資などを認める。個人では、不動産購入などで中国人と同じ待遇が享受できるとされた。

 

個人については、「台湾同胞は中華人民共和国の在外公館で領事における保護や支援を受けることができ、渡航文書の申請も可能となる」と明記された項目もある。

中国の台湾向け優遇策、総統府「選挙干渉」強く警戒

しかし、これに対して台湾の外交部は、「中華民国台湾は主権国家であり、領事権は中国と無関係だと言明。中国政府が代わって行使する必要はないとの立場を示した」、とのことです。

こうして、中国からの余計なお世話をはねつける一方で、国際社会へのアピールも忘れていません。その方法として、様々な新しいことにチャレンジしています。例えば、外国人観光客を総統府台北市に1泊招待するイベントの開催です。これは、外国人のネット上の有名人を対象にしたイベントです。当選した人は、総統府に宿泊した様子のオリジナル動画を編集して、自身のSNSで流すことが参加の条件となっています。

すでに第一回目の当選者は発表されており、その中には台湾在住の日本人ブロガー石井三紀子さんも含まれています。石井さんは、すでにミッションである総統府宿泊動画を自身のブログでアップしています。第二回目の応募も準備中とのこと。民間の力を借りて総統府をアピールしようという意図のイベントです。

何度でも言おう。いま中国に近づいたら安倍総理も日本も終わる理由

10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」で、米国は日本軽視の態度を露骨に示していたようです。こうした日米関係悪化の深刻さを注視すべきだとするのは、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんは今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、かつて、日米ロ韓と良好関係を築いた安倍外交の歯車が狂い始めた原因を探るとともに、日本外交が今優先すべき課題について記しています。

日本外交、真の危機

少し久しぶりの配信になります。久しぶりなので、今回はざっくり復習をしたいと思います。安倍政権の流れを振り返ると、日本が現在「かなりヤバい状況」にあることがはっきり理解できるでしょう。

反日統一共同戦線を無力化した安倍総理

2012年9月、当時の民主党野田政権は、尖閣を国有化しました。これで日中関係は、「戦後最悪」になった。中国は2012年11月、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線をつくろうぜ!」と提案しました。

全国民必読の証拠→反日統一共同戦線を呼びかける中国 

ここには、驚愕の「対日戦略」が記されています。その中身は、

  • 中国、ロシア、韓国で【反日統一共同戦線】をつくる
  • 反日統一共同戦線の目的は、日本の領土要求を断念させること
  • 日本に断念させる領土とは、北方4島、竹島、尖閣、【 沖縄 】である
  • 日本に【 沖縄 】の領有権はない!!!!!!!
  • 反日統一共同戦線には、【 アメリカ 】も引き入れなければならない!

これを読んで、「陰謀論?」「トンデモ?」と思われた方は、必ずこちらをご確認ください。

全国民必読の証拠→反日統一共同戦線を呼びかける中国 

さて、中国の戦略は簡単に言うと、

  • 日米関係を破壊する
  • 日ロ関係を破壊する
  • 日韓関係を破壊する
  • 日本を世界的に孤立させ、破滅させる

です。だから日本の戦略は、

  • 日米関係を強固にする
  • 日ロ関係を改善させる
  • 日韓関係をを改善させる
  • 孤立をさけて、反日統一共同戦線戦略を無力化させる

です。で、安倍総理はどうしたのでしょうか

2013年12月の靖国参拝で安倍政権は世界的に孤立しました。中韓だけでなく、アメリカ、イギリス、ドイツ、EU、ロシア、オーストラリア、シンガポール、世界一の親米国台湾までが、これを厳しく批判したのです。RPEは、参拝以前からこうなることを警告していましたが、予想通りの結果になりました。

日本政府は、「反日統一共同戦線戦略」のことを知らなかったので、「え~~、なんでここまで批判されるの?小泉総理が6回参拝しても、ほとんど問題にされなかったのに~」とうろたえることになった。これは、中国の戦略に基づく反日プロパガンダの結果です。

しかし、強運の安倍総理は、ある歴史的事件に救われました。2014年3月、ロシアがクリミアを併合した。リベラル・オバマさんは、保守安倍さんが嫌いでした。しかし、クリミアを併合したロシアを制裁しなければならない。それで、オバマさんは安倍さんと和解して、日本を「対ロシア制裁網」に引き入れたのです。

そして、2015年3月、今度はAIIB事件が起こった。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スイス、オーストラリア、イスラエル、韓国などなど、ほとんどすべての親米諸国が中国主導のAIIBに入ってしまった。しかも、彼らはアメリカの制止を無視した。しかし、日本だけはAIIBに参加しなかった。それで、日米関係は、さらに良くなりました。

2015年4月、安倍総理は、「希望の同盟演説」をし、意気消沈していたアメリカのエリートたちを激励します。これで、日米関係は劇的に改善されたのです。

2015年12月、日韓関係は慰安婦合意によって改善されました。ここでは、詳細には触れません。問題の多い合意ですが、事実、日韓関係はよくなりました。2016年12月、プーチンが訪日。クリミア併合後、日本が対ロシア制裁に参加したことで悪化していた日ロ関係。この訪日で、大いに改善されたのです。

中国の戦略は、日米、日ロ、日韓を分断することで、日本を孤立させ、破滅させること。これに対し安倍総理は日米日ロ日韓関係を改善させ、見事に反日統一共同戦線戦略を無力化することに成功しました。これが、2016年末の状況です。

在職中に年金を繰り上げて受給しようとすると何が起きるのか?

60歳で定年を迎えた場合、そこからの数年間は「無年金期間」が生じるようになりました。そのため継続雇用で無年金の期間を補うことが一般的です。年金の繰り上げを行うことで無年金期間はなくすことができるのですが、そこにはペナルティが生じます。そこで、今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、年金の繰り上げを行い60歳から年金を貰っている人がそのまま働き続けた場合の年金額の変化を紹介しています。

無年金期間を作らずにペナルティが大きい繰上げ年金と給与で収入を考える場合

年金貰う年齢が上がっていき、昔と違って60歳以降に無年金期間が生じるようになりました。それ故に無年金期間を継続雇用で補って、完全な年金生活まで働くというスタイルが普通になってきました。

なお、65歳以降も働くという傾向が多くなってきたので、65歳以降も年金を貰わずに更に年金受給を遅らせるという選択も一つの形になってきました。65歳以降の年金受給を遅らせると、その結果として年金を増やす(年金の繰り下げ)というメリットはあります。結構毎回言ってきましたが、1ヵ月遅らせるごとに年金が0.7%増えていきます。最大65歳から70歳まで60ヵ月使えるので、42%の年金を増やす事ができる。

しかし、年金の繰り下げは何かと制約が多く、うまく年金が増えている人は稀です。年金の繰り下げ自体を使ってる人もほとんどいない。単に、65歳以降の年金を貰うのを遅らせて我慢するだけですが、利用者は2%未満。

 どうして年金の繰下げはうまく機能しないのかの重要な理由事例など(2018年11月有料メルマガバックナンバー)

最近は75歳まで拡大しようという動きがありますが、ただ遅らせればいいという我慢以外の様々な制約があるから利用するとすればほんの一握りの人になるでしょう。

ところで、60歳以降に無年金期間が生じるので、貯蓄または働くという事が必要にはなってきますが、60歳になれば請求によりさっさと年金を受給する事は可能です。今までも何回か取り上げてきた年金の繰り上げを行えば、本来は無年金期間となる期間でも受給する事ができる。

しかし、ペナルティとして年金は永久に一定率引き下げられた状態となる。1ヵ月早く貰うごとに0.5%年金がカットされる。60歳から繰り上げて、最大60ヶ月間早く貰うと60ヵ月×0.5%=30%もの減額となってしまう。

というわけで、今回は繰り上げをやった人がそのまま働き続けた場合の年金の変化を見ていきましょう。

1.昭和33年10月13日生まれの男性(今は61歳)

 何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!

この男性は年金受給資格期間10年以上で、厚年期間と共済期間合わせて1年以上を満たしていれば63歳から年金受給が可能な人。

● 厚生年金支給開始年齢(日本年金機構)

60歳時点で63歳(令和3年10月12日受給権発生)から受給できる見込み額。厚年期間は20年以上ありとする。


63歳から老齢厚生年金(報酬比例部分)50万円(月額41,666円)。

65歳から老齢厚生年金(差額加算)12,000円(月額1,000円)。

65歳から配偶者加給年金390,100円の予定。

65歳から老齢基礎年金満額60万円(月額5万円)受給。

65歳時点の合計年金額1,502,100円(月額125,175円)。


なお、この男性は60歳以降も継続雇用で働く。月給与(標準報酬月額)は32万円とし、賞与は7月と12月に60万円ずつ。これが65歳まで続くとします。

この男性は最初の年金支給開始は63歳ですが、月の収入をもうちょっと増やしたくて、61歳になって年金の繰り上げを行う事にした。厚生年金は63歳から支給ですが、それを24ヵ月早く61歳から受給。基礎年金と差額加算は65歳から支給ですが、それを48ヵ月早く61歳から受給となる。どうなるのか。

老齢厚生年金は50万円×(100-24ヵ月×0.5)%=44万円。

差額加算は12,000円×(100-48ヵ月×0.5)%=9,120円。

ただし、差額加算の減額分12,000円-9,120円=2,880円は当分の間、報酬比例部分から差し引く事になっているため、差額加算自体は12,000円支払う。

老齢基礎年金は60万円×(100-48ヵ月×0.5)%=456,000円。

よって、61歳からは老齢厚生年金(44万円-2,880円=437,120円)+差額加算12,000円+老齢基礎年金456,000円=905,120円(月額75,426円)。

それと、月給与(標準報酬月額)32万円と年2回それぞれ60万円。

強大化する台風の原因は温暖化。待ったなしで必要な対策とは

強い勢力のまま相次いで首都圏に上陸した台風。頻発する「これまでに経験したことのない」雨。これらの気象現象の最大の原因と考えられているのは地球温暖化です。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で沖縄在住現役医師の徳田先生は、温暖化に向き合わない日本政府の姿勢を問題視。抗議のために航空機を利用しなかったスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんと真逆で、ニューヨークに到着するやステーキ店へ出向いた小泉環境大臣の無頓着を戒めています。

待ったなしで必要な世界の温暖化対策。強大化する台風

毎年9月は台風の季節です。沖縄に生まれ育った私は、台風が来て停電し、電気が使えなくなることを何十回も経験していました。暑い夏で扇風機もエアコンも使えなくなるので、体中が汗びっしょりとなります。窓を開けると蚊が侵入してきますので、蚊取り線香をつけます。夜になると、電灯が使えないために真っ暗となるので、ろうそくで本を読んでいました。電気のない生活は辛いものです。

2019年9月、関東に非常に強力で大きい台風が襲いました。千葉県では、激しい暴風雨によって大規模停電が長期間続き、人々の生活に深刻な打撃を与えています。風速50メートル以上の暴風雨が吹いたことで、無数の倒木が発生しました。電柱の倒壊は約2000本にのぼり、多数の電線が切断されたからでした。

このような強力な台風が日本を襲うことが最近頻繁になりましたが、今後その可能性はますます増えていきます。近年の巨大台風襲撃の根本原因は地球温暖化だからです。台風による暴風雨、洪水、そして土砂崩れによる被害は確実に増えていきます。また、熱帯地域のスコールのようなゲリラ豪雨や突風、竜巻に襲われることが多くなります。2019年は、日本を含む世界各地の気温が40度を超えました。

今なら気候変動は抑えられる

気候変動をもたらす地球温暖化の原因は人間です。原因を作った人間にしかそれを元に戻すことができません。それにもかかわらず、人間は、石油や石炭などの化石燃料の燃焼、畜産、軍事活動などで、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスの排出を増加し続けています。

しかも、最近の国際機関のデータによると、温暖化ペースが予想以上に進んでいることがわかりました。2030年まで世界の全ての国が、抜本的で大規模な緊急対策を行うことが大切であることがわかったのです。実は、温暖化対策は理論的には簡単です。石油・石炭などの化石燃料を太陽光・風力のクリーン発電に切り替えること、畜産を減らすこと、ガソリン車は電気自動車に切り替えることです。

それができずに、この温暖化ペースが続くと、今世紀中に、島や海岸に住む何億人もの人々が難民となり、内陸へ移動せざるをえなくなります。これに加えて、温暖化による干ばつでの農作物不足と魚介類の死滅による食糧危機が深刻となり、資源の奪い合いや国境での紛争や戦争が起こります。理論的には簡単な温暖化対策ができないのは、既得権益を握ったグループによる猛烈な抵抗があるからです。

そんな中、スウェーデンの女子高校生が1人で始めた抗議活動が世界中に広がっています。スウェーデンの高校生、グレタ・トゥーンベリさんです。彼女は国連本部での気候変動サミットに参加するのに、大量の温室効果ガスを出す飛行機を拒否して、ヨットで大西洋を横断することを決めました。太陽光などで動くヨットで、2週間かけてニューヨークに到着しました。彼女はノーベル平和賞を受賞するでしょう。

よく見かけるクドい敬語のオンパレード。正しい使い方は?

ビジネスメールを作成していると、先方に対して失礼のないようにと気を使いすぎるがあまり、ついつい過剰な敬語表現を用いてしまうことは多々あるものです。特に「お」や「ご」の使い方については迷ってしまいがちですが…、今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン』では、くどく感じられる敬語の「整理の仕方」等をレクチャーしています。

敬語の使い方 「ご丁寧なご案内」

ご丁寧なご案内をいただき、ありがとうございました。

という一文。これは、形容動詞の「丁寧な」、名詞の「案内」にそれぞれ尊敬を表す「ご」がついたものです。二重敬語ではないのですが、一つのフレーズにが続くとくどく感じられることがあります

このように敬語の「ご」や「お」が続く場合は、後のほうの言葉に敬語表現を用いるのが一つの目安です。上記の一文では

丁寧なご案内をいただき、ありがとうございました。

とするとすっきりします。「ご親切なご回答をいただき」も間違いではありませんが「親切な回答をいただき」ですっきり。「ご立派なお車をお持ちですね」も同様に「立派なお車をお持ちですね」ですっきりします。

「ご」や「お」が続いて表現がくどくなると感じたときの参考にしてください。

敬語の使い方 「ご依頼」

発注者であるA社から受注者である私宛てに、次のようなメールがありました。

原稿作成のご依頼をさせていただきます。

上記のメールを受け取った私は、恐縮してしまいました。受注者の私からすると、発注者のA社の方が立場は上(お金の流れで考えると、私はA社から報酬をいただく身)です。ですから、発注側のA社から受注者である私にここまで丁寧な言葉を使っていただくのは、恐れ多い気がしたからです。

発注者から受注者へのメールであれば

原稿作成のお願い
原稿作成依頼

という件名、一文にするなら

原稿を依頼いたします
原稿をお願いします

で十分ではないでしょうか。

私が特に違和感を覚えたのは「ご依頼の使い方です。受注者から発注者に向けて「ご依頼をいただき、ありがとうございます」という言い方は自然ですが、その逆(発注者→受注者)の場合、「原稿作成のご依頼」の「は不要だと感じました。

敬語の使い方 「お伝えします」

先方からの問い合わせに返信した際、次のメールを受け取りました。

早速のご返答ありがとうございます。○○にお伝えします。

おそらく、メールの送信者は私(メールを送る相手)に対して丁寧な表現を使おうとして「○○にお伝えします」としたのでしょう。ですが、上記の一文にある○○さんはこの送信者の上司に当たる人物。そうすると、次のように書くとしっくりきます。

早速のご返答ありがとうございます。○○に申し伝えます

「お~する」は謙譲語で、自分の動作を低めて言う時に使います。この場合の「○○にお伝えします」は、メールを送る相手ではなく、自社の上司に敬意を払っている表現になり、社外の相手に送るメールとしては不適切となります。

このようなときは「申し伝えます」という表現を使います。

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「頭でっかち」が変わる。松下幸之助がエリートに与えた、縁の力

数理経済学や経営学に基づいて意思決定し、冷徹に経営判断を下す…もちろんそれは大切なことですが、このような考え方だけで企業はうまく回っていくのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、「中塾」代表の中博氏が体験した松下電器入社時のエピソードを通じ、松下幸之助が育て上げてきた「ヒトと縁の文化」を紹介しています。

松下幸之助氏が入社式で語ったこと 中博(「中塾」代表)

創業した松下電器産業(現パナソニック)を一代で世界的企業にまで育て上げた松下幸之助氏。

現在発行されている『致知』最新号の12月号では、その謦咳に接し、教えの伝導に尽力している「中塾」代表の中博氏に、同社入社のいきさつと入社式でのエピソードを語っていただきました。


私は大学で数理経済学や当時最先端のアメリカの経営学を学んでいましたから、「世界企業をつくった松下幸之助というイメージを描いて松下電器に入社したわけです。ところが、入社式に出てきた松下幸之助は、にこにこして次のような話を始めたんですね。

「君らな、僕の顔をよく見ろよ。このおっさん、何か面白いな、なんか縁があるなと思ったら松下電器で頑張ってほしい。しかし何かぱっとせんな、こんな会社は嫌やなと思ったら明日から来なくていい。

 

……君らは偉くなりたいやろう。この中で誰よりも松下電器が好きになったら、偉くなるよ」

私はてっきり経営戦略の話が聞けると思っていましたから、その時は松下幸之助の言葉がそこまで心に入ってきませんでした。ただ同時に、会社を本当に好きになれば年齢に関係なく活躍できるというのは面白いなという気もしたんです。なので、希望と落胆の両方を感じながらの入社でしたね。

それで入社をしたら、私らの時は販売実習と共にまず製造実習に行かされたわけです。当時は60事業部くらいあったと思いますが、皆が行きたがったのはテレビ事業部やラジオ事業部といったかっこいいところですよ。

順番に名前が呼ばれていきまして、私は最後のほうだったのですが、乾電池事業部で実習することが決まった。それが分かった瞬間、皆が「可哀そう」と言うわけや(笑)。というのは、当時の電池工場では炭素を使いますから、実習すると一日で真っ黒になるんです。全工場の中で一番大きなお風呂があったのが乾電池事業部だった。

しかも、乾電池事業部で実習することになった6人のうち、なぜか私だけ工場を抜けた先にある小さな掘っ立て小屋に連れていかれましてね、「君の実習所はここだよ」と。えっ、と思った(笑)。そこは、アメリカのマロリー社と提携したアルカリ電池の実験工場だったんです。

掘っ立て小屋の中は、それこそチャップリンの映画の世界でね、ラインで流れてくる電池の管にスポイトでひたすらアルカリ液を入れていく。毎日8時間ずっとその繰り返しです。

作業が追いつかなくなると、足でボタンをばっと押してラインを止めるのですが、そしたら中卒や高卒の女性社員がさっとやって来て手伝ってくれる。自分より年齢が下の彼女たちがもう私より作業も早いし上手なわけですよ。

その中で、私も大学で数理経済学や経営学をやっていたなんて全部忘れて、人生哲学が180度変わりました。こういう人たちが一所懸命働いて日本の産業を支えているんだと。それに彼女たちは働かされているという雰囲気は全くなくて、むしろ嬉々として工場の改善点を提案してくるんです。

そして、彼女たちと次第に仲良くなって、仕事帰りに皆で食事などに行くようになるとね、「ああ、これが入社式の時に松下幸之助が言っていた縁なんや」と思ったんです。そう思うと、自分も彼女たちのために戦ってやろうという気持ちが起こって、現場の改善点や電池の販売方法も含め、事業部長に提案書をだーっと書き始めた。

『致知』2019年12月号

何が嬉しかったのか添える。「ありがとう」で子を成長させるコツ

子どもに対して周りの状況に応じた対応や、相手の気持ちを察しての行動を望むのは、少々無理があるとも言えます。経験の絶対量が少ないのですから、何をすれば人に喜んでもらえるのかのかを理解出来ないのも仕方ありません。今回の無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、そんな子どもたちの行動の質を上げる方法を紹介しています。

躾――ありがとう」に添えて

子どもが親切にしてくれた時、ちゃんとありがとうと言っていますか?

子どもに「ありがとう」を言うように指導・躾をするなら、まずは親自身が率先してその姿を見せてあげたいところです。親が「ありがとう」を言わずに、子どもに対しては指摘する、という接し方を続けていると…、子どもには「自分のことは棚に上げて、他人に対して指摘ばかりする」という振る舞い方が伝わってしまいますよ。気を付けてくださいね。

さて、今号では親自身がありがとうを言うことよりも一歩進んだ内容をお届けします。普通は、子どもが親切にしてくれた時に「ありがとう」と言いますよね。

─食事の時に、食卓に醤油を持ってきてくれた。
「リュウセイ、ありがとう!」

─遊びに行く時に、行先をメモに書いて残してあった。
「ミユ、ちゃんと行先を書いておいてくれたんだね。ありがとう」

お勧めしたいのは、この「ありがとうに加えて、「なぜありがたかったのかを一言添える、という接し方。

─食事の時に、食卓に醤油を持ってきてくれた。
「リュウセイ、ありがとう!今日はお刺身だから醤油がテーブルにあるとすぐに使えて助かるよ

─遊びに行く時に、行先をメモに書いて残してあった。
「ミユ、ちゃんと行先を書いておいてくれたんだね。ありがとう。こうしてメモが残っていると、どこに行っているかわかるから安心して待っていられるんだ

こんな具合に伝えることで、子どもに対して「自分の行動が他者にどのような良い影響を与えたのか」の理解を助けることができるのです。

ここまで深い理解を繰り返し体験できた子どもは、「相手の状況を見ながら適切な親切行動を選ぶことのセンスも磨かれていきます。その違いを非常に極端な例えでお伝えすると…、「ありがとう」だけ言っていると、「とにかく醤油を持って行くと喜ばれる!」という誤解を生む恐れがあり、サンドイッチでもパンケーキでも醤油を持ってきてしまう可能性がありますが、「どうして嬉しかったのかを一言添えていれば、「醤油を使う料理の時は醤油を持って行くと喜ばれると正しくメッセージが伝わるので、サンドイッチの時には子ども自身が頭を働かせてマヨネーズを持ってこれるようになる…、このような違いを生み出す、ということ。

この違いは、かなり高度な思いやりスキルそのもの。

  • 相手の状況を理解し
  • 相手の立場で必要なこと・求められていることを察し
  • 適切な援助をしてあげる

こんな発想と、それを実行する能力を育むことができるのです。

子どもに「ありがとうを言う時に一言添えること、頭の片隅に置いておいていただけたら、私も嬉しいです!

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なぜ多くの有名アスリートは『AXF』のウェアを使い続けるのか?

プロ・アマを問わず世界的なアスリートがこぞって愛用する、日本発の機能性ウェアの存在をご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、パフォーマンスの向上・安定はもちろん、疲労回復効果までもが期待できるという機能性ウェア『AXF』の戦略・戦術を分析しています。

説得力

今号は、新技術を活用した機能性ウェアを分析します。

● 製薬会社である株式会社テイコク製薬社とアパレルメーカーのサンフォード株式会社の共同開発により生まれたハイパフォーマンスギア「AXF(アクセフ)」

戦略ショートストーリー

習慣的に運動をする方をターゲットに新技術「IFMC.」や「エビデンス」に支えられた「体幹が安定する」「疲労回復効果が期待できる」等の強みで差別化しています。

研究成果やアスリートからの支持を得ていることに加えて、実際に効果を確認できることが、信頼感を高めています。

■分析のポイント

アスリートが「AXF(アクセフ)」製品を着用する最大の理由は自身のパフォーマンスの向上であると考えられます。多くのアスリートにとって競技におけるパフォーマンスの向上やパフォーマンスを安定させることは、大きな課題となります。アスリートはそれらの課題解決のために突き詰めている方々ですから、パフォーマンスが0.1%でも向上することは非常に大きな意味があります。

そのアスリートが「AXF(アクセフ)」製品を継続的に利用していることは、興味深いです。アスリートは自身のパフォーマンスに敏感ですし、当然、機能性ウェアなどの効果に対しても敏感なので効果が感じられないものを継続的に身につけることは考えにくいですからね。

なお、サッカーでの実験ではシュートのボールスピードやキックの飛距離、ドリブルのスピードが向上するという結果が得られたようです。このように定量的に効果が表れているというのもアスリートにとっては魅力的だと思います。

「AXF(アクセフ)」製品を利用すれば、押されても倒れにくくなるように感じるなどの定性的な効果はもちろん、定量的な効果も見えますので効果は明らかです。この効果が明らかにわかるということが今回のポイントです。使ってみて効果が実感できる、定量データで効果が目に見えてわかるというのは非常に説得力があります。「何となく」や「そうかもしれない」といった曖昧な効果ではなく具体的な効果であり、説得力があることが素晴らしいです。東京都市大学にて検証を進めているようですが、さまざまな競技へのパフォーマンスの効果についても今後、明らかになっていくことが期待できます。

また、パフォーマンス向上だけではなく、疲労回復などリカバリーの向上が期待できることも「AXF(アクセフ)」製品の大きな強みとなります。オンとオフに使える(効果が期待できる)というのは利用シーンが増えることを意味していますし、費用対効果が高いと感じることにつながります。

今後、「AXF(アクセフ)」製品がどのように拡がっていくのか注目していきたいです。

デメリットも。宅配ボックスをマンションに後付けする時の注意点

その利便性から、これまで設置されていなかった集合住宅でも宅配ボックスの後付けを検討するケースが増えていますが、やはり注意も必要なようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、宅配ロッカーのメリットやデメリットを記した上で、「本当に必要か」をきちんと検討してからの設置を、と呼びかけています。

既存マンションで宅配ロッカー設置を考えたら

こんにちは!廣田信子です。

再配達を減らし、居住者の利便性を確保するために、既存マンションで、後から宅配ボックスの設置を検討するところが増えています。悩みは設置場所の確保です。エントランス等に余裕があればいいのですが、なかなかそうもいかないというところも…。

建築基準法上の制限があり増設はできないし…と思うようですが、実は、現在、宅配ボックスは、容積率算定面積から除外できるので、容積率に余裕がないマンションでも増設は可能なのです。2018年9月に、容積率緩和の対象に宅配ボックスの設置部分が加わったからです。宅配の増加、再配達問題を受けての措置だと思います。

床面積の合計の1/100が上限ですが、マンションでこれをクリアーできないことはまずないと思います。認められるのは、宅配ボックス本体と、出し入れスペース(本体から1メートル以内)となります。

高経年マンションで検討する場合は、住民のニーズ(使用頻度、荷物の大きさや重さ、必要度等)を細かく把握し、高齢者が使いこなせるかもきちんと検討してほしいと思います。高齢の方の中には、宅配ロッカーから重い荷物を取り出して、自宅まで運ぶということが困難な方もいます。重くて運べないから、宅配を頼んだのに、宅配ボックスに入れられたら困る…という方も

さらに、今、宅配ボックスは宅配以外にも利用されています。例えば、管理員さんがいない時間帯の集会室の鍵や来客用駐車場許可証等の受け渡しに活用しているケースもあります。住民が共用で使うために購入した、工具やキャンプ用品の保管と受け渡しに使用しているケースも。どうせ導入するなら、いろいろな可能性も検討してみてください。

また、確かにあれば便利でしょうが、今、宅配は、時間指定が細かくできるようになっていますし、コンビニや駅など受け取れる場所も増えています。宅配ロッカー導入には、初期投資だけでなく、メンテナンス費用も必要になりますから、メリット、デメリット全部出し切って、検討して頂ければと思います。

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