都知事選「小池圧勝」が都民から全幅の信頼の結果ではないワケ

5日に行われた東京都知事選挙。結果は現職の小池百合子知事が歴代2位となる約366万票を獲得し、事前の予想通りに再選を決めました。しかし、これは本当に「都民からの全幅の信頼の結果」なのでしょうか? そんな小池氏の圧勝に終わった今回の都知事選について、新聞各紙がどう伝えたかをジャーナリストの内田誠さんが検証。自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で都知事選を総括します。

新聞各紙が報じた、圧勝・小池百合子都知事への注文

【ラインナップ】

◆1面トップの見出しから……。
《朝日》…熊本豪雨 死者22人
《読売》…熊本豪雨 死者22人に
《毎日》…熊本豪雨 死者22人に
《東京》…小池都知事 再選

◆解説面の見出しから……。
《朝日》…急速に浸水 最大9メートル
《読売》…未明の豪雨 大被害
《毎日》…防災の村 想定及ばず
《東京》…コロナ禍 追い風に

【プロフィール】

■一極集中を加速させるつもり?■《朝日》
■首都の活力維持?■《読売》
■「7つのゼロ」は何処へ?■《毎日》
■知事の「情報発信力」■《東京》

一極集中を加速させるつもり?

【朝日】は6面のオピニオン欄に社説。タイトルを以下に。
小池氏再選
求められる説明と実践

●uttiiの眼

冒頭、小池氏は、「自民が候補者の擁立を断念。野党系も一本化を果たせず、これにコロナ禍による各陣営の街頭活動の抑制が加わり、盛り上がりを欠いた選挙戦を制した」と書かれている。政治的な関心の薄い都民はほぼ忘れてしまっているような経緯を含め、手際よくまとめられた一文は、選挙戦の全体をうまく表現している。

小池氏は圧勝したが、その小池氏の「実績」とは何か。《朝日》の社説中、小池氏に対する積極的な評価と見えるのは、「休業要請に応じた事業者に協力金を出すといち早く表明し、政府を動かした」とする部分のみ。反対に、「豊洲市場問題を始めとして何度か耳にしてきた、聞こえのいい言葉だけで実行を伴わない政治」を批判。新型コロナに関しては、「都内で再び感染が広がるが、確たる戦略を打ち出せない状況」が続き、「ネーミングで関心を集めた「東京アラート」はうやむやのうちに終わり、もっぱら都民に「自衛」を促すにとどまる」と厳しい。選挙戦中に掲げていた「東京版CDC」の創設も、詳細は不明のままだとする。

東京五輪を巡っても大問題が山積していて、「1年延期を前提に大会の簡素化と経費縮減を約束したが、中身は一向に見えない」という。戦略がない、具体性がない、中身が見えない、と散々。

決定的なのは、「稼ぐ東京」を目指すという小池氏の考え方についての批判。コロナ禍によって東京一極集中の危うさが顕在化したことを考えれば、「膨張を続けることが東京にとって、そしてこの国にとって望ましいのか、根底から問い直す時ではないか」とする。

この社説をキチンと読んだ都民は、さぞや、これからの4年間が不安なものに感じられるだろう。ただ、皮肉な話だが、選挙においては、《朝日》が散々厳しく批判するような小池候補で十分だったのであり、《朝日》も認めざるを得なかった小池氏の「実績」が、いや、それのみが、投票先を選択する都民の脳裏には強く焼き付いていて、その一事をもって、「都知事を代える必要はない」との判断を都民有権者が下した。それが、今回の選挙だったと言えるのではないか。

筑後川が氾濫。国土交通省、河川の様子をYouTubeで試験Live配信

気象庁は7日までに降った大雨により、「大分県において、筑後川が氾濫し、浸水が始まっている」と発表しました。「各地の河川事務所や気象台などが発表する河川の氾濫に関する詳細な情報に留意し、引き続き安全な場所に留まるなど、厳重に警戒」するよう呼びかけています。

筑後川の氾濫を受けて、国土交通省九州地方整備局水災害予報センター・筑後川河川事務所は、公式YouTubeチャンネルにて、筑後川河川事務所管内の河川カメラを試験的にライブ配信しています。カメラは随時、各所の河川カメラに切り替わり、筑後川および筑後川水系の各河川の様子をライブ配信。7日午後12時現在、かなり水位が上がっていることが確認できます。

また、NHKニュースの報道によると、国土交通省九州地方整備局からの発表として、「大分県と熊本県にまたがる下筌ダムで午前10時半ごろまでに筑後川水系の津江川への緊急放流を開始した」と報じました。津江川の水位が上昇する可能性が高く、同省は「命を守る行動を」と注意を呼びかけています。

また、同省筑後川ダム統合管理事務所では、下筌ダム下流カメラで、緊急放流の様子を5分おきに切り替わるライブカメラで配信しています。同ページでは、ライブ画像の他にも全放流量を確認することができます。

● 筑後川ダム統合管理事務所 下筌ダム下流カメラ

Twitterの投稿

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: 国土交通省九州地方整備局水災害予報センター・筑後川河川事務所

ブラジル大統領がコロナ感染か?類似の症状にネット「自業自得」

共同通信によると、ブラジルのボルソナロ大統領が「地元民放CNNブラジルに対し、自身に38度の熱など新型コロナウイルス感染症の症状があることを明らかにした」とし、「既に検査を受け、7日にも結果が判明する」と報じている。

ブラジル・ボルソナロ大統領に新型コロナ感染の疑い

ブラジルでは6日までに162万人の感染が確認されており、そのうち6万5000人が亡くなっている。感染者数、死者数とも米国に次いで世界で2番目に多い。

しかし、ボルソナロ大統領は経済活動を優先し、新型コロナ感染症を「ただの風邪」と断言。危機感を募らせる地方の州知事たちを敵視し、新型コロナウイルスの脅威を否定し続けていた。

記者たちからブラジル国内で増え続ける感染者数について尋ねられても、「だから何なんだ? 」と言い放つなど、大統領の資質を疑問視されていたボルソナロ氏。当初は批判的な意見が多かったが、ここへ来てその方針を評価する声も聞かれ始めていた。

国内では評価されつつあるボルソナロ大統領

実はボルソナロ大統領はさまざまな経済対策を打ち出している。仕事を失った貧しい人たちへ助成金をスムーズに配布したり、デリバリーサービスをする飲食店やネット企業などに集中的に助成金を出すなど、失業者の増加食い止めに尽力している。

また、経済の生命線だとして、長距離トラックの運転手に徹底した衛生対策を行うなど、経済の側に立った感染対策を進めているといってよい。刻々と状況が変化する中、これらが今改めて評価されているのだ。

ボルソナロ大統領は高熱のため、今週のスケジュールを全てキャンセルしたというが、自身も新型コロナウイルスに感染してしまったのか。検査結果が出るのは7日。もし陽性反応が出て離脱することになれば、ブラジルにとって大きな影響が出そうだ。

Twitterの反応

メディアのこれまでの報道から、すっかり悪者イメージのボルソナロ大統領。ネット上では「やっぱり自分も感染したのか」「しばらく帰ってこなくて良い」「身をもってコロナの恐ろしさを知ることになった」など、さまざまな声が上がっている。

国民に強いてきた事を
身をもって体験してほしいね

トップがこれだとね
特に貧困層は救われないhttps://t.co/eWCntByLuQ

ブラジル大統領が38度発熱でコロナ検査、今週の予定取りやめ-CNN – Bloomberg https://t.co/dkcKObnL2T

— sun-go☆ (@sungo_show) July 7, 2020

コロナは風邪って言うてたブラジルの大統領がコロナとかフラグ回収すぎる

— じよーじ🍥 (@ltlsjoh) July 7, 2020

無防備戦法のブラジル大統領がとうとうコロナかも…? https://t.co/wQ0yaVr4YO

— 令和干物ちゃん (@himono_1234) July 7, 2020

新型コロナよりはるかに厄介なブラジル大統領 https://t.co/rPEJ1tsQec

— 【第9回総選挙お疲れ様】MA108P (@MA108P) July 7, 2020

ブラジルのポルソナ大統領にコロナの症状が出たというのが話題となり、重症化して自分の誤りを認めて欲しいと思う人は大勢居ると思うが、こういう人に限って重症化しないんだよな…

— 学生 (@sa07782248) July 7, 2020

「コロナは風邪」発言のブラジル大統領、発熱で検査 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://t.co/xXKe7OjmjW
2年くらい入院していた方がいいと思う。

— 越後屋 もっち (@1905Tor) July 7, 2020

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 共同通信

image by: BW Press / shutterstock

横浜市が成人式をオンライン化で振袖業界によぎる「はれのひ事件」

横浜市は7月6日、2021年1月11日の成人式をオンラインで開催すると発表した。市はその理由として、「現段階で新型コロナウイルス感染症の終息の見通しが立っていないことや、式典によって、感染拡大を引き起こす可能性が否定できないこと」を挙げている。

横浜市の成人式が今年はオンライン化

昨年、2万5千人が参加した横浜市の成人式は、その人数の多さから「マンモス成人式」としてしられ、毎年横浜アリーナで行われている。今年の新成人は約3万7千人だが、例年のような規模で行えば密状態になることは避けられず、苦渋の決断となったようだ。

式当日には特設サイトを開設し、市にゆかりのある著名人らからのお祝いメッセージを配信するほか、市民や新成人が写真などを投稿できるようにするという。具体的なオンライン成人式の内容については、今年12月中旬までに発表するとしている。

当の新成人たちからは悲痛な叫び

横浜市が成人式のオンライン化を発表したことに、ネット上ではさまざまな意見が上がっている。特に当事者となる新成人からは、「振袖を買ってしまった」「楽しみにしていたのに…」「開催できるかどうかちゃんともっと考えた? 」「何でもかんでもオンラインって安易じゃないか」など、悲痛な叫びが聞こえてくる。

え、横浜市来年の成人式オンラインってま?
さすがにぴえんだよ

— らいとぱっちょ (@Lightpa_cho) July 6, 2020

横浜市オンライン成人式なのね…たまアリ成人式も無くなるのかな…人数が人数だから厳しいか…??振袖も買っちゃったし、同窓会の計画も始動してたのにな…コロナ憎いわ。

— 荒巻鮭(しゃけ) (@Takarazuka_90) July 6, 2020


思い出される「はれのひ事件」

成人式をめぐる混乱で思い出されるのは、2008年の成人式で起きた「はれのひ事件」だ。振袖の販売・着付け・レンタルなどを手がけていた「はれのひ株式会社」が成人式当日に店舗を突如閉鎖し、晴れ着が着られなくなった新成人が相次いだ前代未聞の事件で、一部では「計画倒産」との声もささやかれた。

もちろん、今回同じような悲劇が起こるとは限らないが、成人式用の振袖をすでに購入している人も多いはずで、振袖の販売やレンタルを行う会社にダメージを与えることは十分考えられる。

また、横浜市が成人式のオンライン化を決めたことで、追随する自治体は他にも出てくることが予想され、振袖業界に与える影響は大きい。新型コロナウイルス第2波の不安がある中、半年先のイベントがどうなるのか、今から注目しておかなければならない。
【関連記事】
夜逃げした着付け業者「はれのひ」事件を、探偵が調査した結果

コロナの失敗を隠せ。安倍政権が「専門家会議」を急ぎ廃止した訳

以前掲載の「あまりにも不可解。新型コロナ専門家会議『廃止』発表のウラ事情」でもお伝えしたとおり、専門家会議の廃止を巡ってにわかには信じがたいような「ドタバタ劇」を演じた安倍官邸。なぜ総理及びその周辺は、今回のような失態をさらしてしまったのでしょうか。ジャーナリストの高野孟さんが自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』でその真相に鋭く迫るとともに、6日に発足した「分科会」のメンバーに対して苦言を呈しています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年7月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

専門家会議に相談もせずにその廃止を一方的に公表――コロナ対策の大失敗を隠したい一心の安倍首相とその側近たち

西村康稔コロナ対策担当大臣が6月24日、政府の「専門家会議」を廃止すると唐突に発表したのは、安倍政権のコロナ対策の大失敗を隠蔽――と言うと少し言い過ぎかもしれないが、そのプロセスを詳細に検証されることを避けたいがために、早くその痕跡を消去してしまおうと思う「逃げの心理」の現れだった。

この政権の最大特徴は、何事に於いてもきちんと説明せずにグズグズダラダラと弁解しているうちに証拠がどこかに行ってしまうというウヤムヤ体質にあるが、今回もまさにそれで、本来であれば、この段階で初動以来の約6カ月を徹底総括して問題点を析出し、来たるべき第2波、第3波に備えるのでなければならないというのに、そこに出来るだけ触れずに前に進むフリをすることで安倍晋三首相、今井尚哉補佐官ら政権中枢の面子だけを救おうという姑息さである。

専門家会議自身が廃止を知らなかった?

実は6月24日の夕方には、専門家会議の尾身茂=副座長らが予定された記者会見を開いていた。そこで尾身氏らは、専門家会議が行う科学的見地からの提言とそれを受けて政府が打ち出す政治的立場からの政策との関係について、一定の整理をしようと試みていた。「専門家会議が政策を決めているかのような印象を与えてしまったが、政策に責任を負うのは政府であり、専門家会議との役割分担を明確にすべきである」との趣旨を尾身氏が語っている最中に、別の場所で会見した西村大臣が専門家会議の廃止を発表したという第一報が入り、尾身氏は「えっ、もう1回言って」と、非常に驚いた様子だったという。

してみると、西村大臣は、当事者である専門家会議それ自身に相談することもなく、また閣議もしくは(それとほぼ同義の)新型コロナウイルス感染症対策本部の議決を得ることもなく、恐らくは安倍首相、今井氏、西村大臣の3人だけの言わば私的会合で専門家会議の廃止を急ぎ公表する方針を決め、当の専門家会議が記者会見を開いている最中に別の場所で会見してそれを発表するという奇妙な行動に出たことになる。

何をこんなに慌てふためいて、後に陳謝しなければならないような行動に出たのか。あくまで推測に過ぎないが、専門家会議がこの夕方の会見で「専門家会議と政府の役割分担の明確化」を主張するらしいと聞いて、専門家たちが政府の政策の遅れに批判がましいことをいうのではないかと疑心暗鬼に陥り、ならば先手を打って同会議の廃止を発表してしまったほうがいいと、いかにも今井氏らしい小賢しいことを考えたのではあるまいか。この様子をトップ特集で取り上げた『週刊新潮』7月9日号は、

「政府は、政府との軋轢を公表するような会見を専門家会議が開くことを、苦々しく思っていて、政府が常に後手に回っていたとの印象を抱かれないように、先回りして専門家会議の廃止を発表したフシがある」

との政治部記者の解説を引用している。

 

フジサンケイだけじゃない。繰り返されるイカサマ世論調査の手口

フジテレビと産経新聞が、過去約1年にわたる世論調査において架空回答の不正があったと謝罪し、関連する放送や記事を取り消しました。新型コロナに埋没させ、不正を働いた下請け側の問題で片付けてはいけない大問題です。メルマガ『きっこのメルマガ』を発行する人気ブロガーのきっこさんは、自民党の御用メディアにより誘導的な設問での調査が繰り返されてきた歴史を紹介。今後についても、憲法改正を企む安倍政権の意向を汲んだ偏向世論調査が実施される可能性があると注意を呼びかけています。

自民党発祥のイカサマ世論調査

ちょっと前の話題で申し訳ありませんが、6月19日、とんでもない報道がありました。フジテレビと産経新聞社が合同で行った「内閣支持率」などの政治に関する世論調査で、昨年5月から今年5月までの1年間に計14回も「不正」が行なわれていたというのです。

皆さんもニュースを見聞きしたと思いますが、フジテレビと産経新聞社は自社で世論調査を行なっておらず、すべて「株式会社アダムスコミュニケーション」という調査会社に外部委託していました。その会社が、さらに調査の一部を「日本テレネット株式会社」に再委託していたのですが、この会社が請け負った調査数の半数を実際には電話調査せず、架空の回答をデータ入力していたというのです。

この架空の回答は、全体の17%にも及んでいたそうです。たとえば「内閣支持率」の項目で、すべて「支持する」とデータ入力されていたら、これだけで17%も支持率がアップしていたのです。

今回、あたしが何よりも「怪しい」と感じたのは、この不正発覚に対するフジテレビと産経新聞社の対応です。両社ともに謝罪文をリリースし、これまで14回の調査結果を取り消すと述べました。それは当然です。しかし「不正の17%を削除した上で正式な調査分の数字を公表すべき」との指摘は断固として拒否したのです。

本当に下請けの下請けが勝手にやった不正であれば、不正分のデータを削除して正式な調査結果を堂々と公表できるはずです。しかし、フジテレビも産経新聞社もそれは絶対にできないと言います。何故でしょうか?何か都合の悪いことでもあるのでしょうか?たとえば「不正分を削除すると内閣支持率がちょうど17%下がってしまう」とか。

…そんなわけで、日本の世論調査が怪しいのは今に始まったことではありませんんが、特に酷いのが読売新聞社の世論調査です。ちょっと古いですが、分かりやすい例として、福田康夫政権下の2008年5月に実施された読売新聞の「ガソリン税暫定税率」に関する世論調査の設問を紹介します。

「ガソリン税の暫定税率が復活したことで、ガソリンの値段は上がりましたが、国と地方自治体の税収に穴があく期間は1か月で終わりました。あなたは、暫定税率の復活を、良かったと思いますか、良くなかったと思いますか。」

これは、悪しき「ガソリン税暫定税率」が2008年4月に期限を迎えてようやく消滅してガソリンが値下げされたとたんに、自民党と公明党が伝家の宝刀「数の暴力」を使ってガソリン暫定税を復活させた直後に実施された世論調査の設問なのです。ですから、自民党のスポンサーの読売新聞としては「良かった」という回答を多くしたかったのです。

ここで問題なのは、誘導が見え見えの偏向的な設問自体も当然として、最後の「聞き方」なのです。読売新聞では「良かった」と回答させたい設問は「良かったと思いますか、悪かったと思いますか」ではなく「良かったと思いますか、良くなかったと思いますか」という聞き方をするのです。

すべては繋がっている。中国がコロナ禍の世界で見せる怪しい動き

コロナ禍が世界的な問題になってから半年が過ぎ、ここにきて中国が不穏な動きを見せています。世界中で流れる中国関連のニュースが、日本では個別のニュースとして流れていますが、実はすべて繋がっていると指摘するのは、メルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』の著者、宇田川敬介さん。宇田川さんは自身のメルマガで、中国が香港をはじめ世界で「覇権」を握るために取っている様々な行動について紹介し、中国国内の動きについても伝えています。

コロナウイルス発症時に出てくる中国覇権主義の正体と共産党内部の乱

2020年になって発生した中国の事件

今月からは「第39話 コロナウイルス発症時に出てくる中国覇権主義の正体と共産党内部の乱」としてお届けします。

日本の言論界かつ経済界は、その辺のことや、中国を取り巻く世界の環境が全く変わっていっているということが見えていません。しかし、コロナウイルスを境に、中国を取り巻く世界環境は大きく変わっているのではないでしょうか。

そのようなことが見えず、専門家とかテレビコメンテーターといわれる、誰からお金をもらっているかわからないような評論家の無責任な意見をもとに、中国へ進出していても全く意味がないのです。

それ以上のしっかりとした根拠があれば別ですが、何しろイギリスとの「一国二制度」の国際公約を完全に反故にしてもなんとも思わない政府ですから、そのような政府を相手に、日本の企業くらいで何とかなるものでしょうか?

さて、その辺のところはまたゆっくりと語る機会に譲るとして、コロナウイルス禍の後、中国は4月8日にコロナ克服宣言を行い、そして武漢の都市封鎖を解きました。しかし、一方で3月には新型コロナウイルスの「アメリカ散布説」を出し、アメリカとの対立を明確化させてゆきます。さらに、南シナ海、東シナ海に対する軍事的な進出を強めています。また、ヨーロッパやアフリカに対しては「マスク外交」を行い、「医師の派遣」なども行っています。

インドの国境では、徐々にその国境を押し広げていたことがバレたのか、そのまま軍隊が「殴り合いのけんか」をはじめ、双方で多数の死者が出たというニュースが流れましたね。

その上で、先日は「香港国家安全法」という法律が施行されました。これは、香港における言論の自由を奪うものであると評価されています。もともとイギリスのサッチャー首相と中国の最高指導者トウ小平が香港の返還を語った時に、「返還後50年は一国二制度を維持する」ということが公約でした。

1997年の7月1日が返還の日ですから、本来であれば2047年までは「一国二制度」が続くはずです。

しかし、現在の中国の習近平国家主席は、その国際公約を無視し、香港に対して中国共産党政府を批判する言動を行ったものは、すべて中国共産党の法律で処罰するということを決めたのです。

これは「一国二制度」、つまり「司法の独立性」が完全に無視されてしまい、中国政府の法律と基準で行動が縛られるということを意味しています。そのため、香港の人々がデモを起こして370人を超える人々が逮捕・拘束されました。

さらに、中国国内における民主化の動きに関しても、かなり大きな問題が出てきています。

もちろん、ウイグルやチベット、内モンゴルなどの問題はそのまま残っていますし、天安門事件以来の中国の民主化運動は、いまだにくすぶっている状態です。

さて、これを併せて考えると、どうなるのでしょう。

日本の場合、こうしたことすべてのニュースが、まるで個別のニュースかのように報道されてしまいます。しかし、実際はどれも「中国政府」が行っていることです。つまり、中国政府は、東では南シナ海と東シナ海に向けて「不当な軍事的圧力によって、自分の領海であるということを主張」しています。

また、中国国内に向けては「一国二制度」としている地域との約束をすべて反故にして、そのまま取り込もうとしています。いかに「罰則のない国際公約が無力であるか」ということがよくわかりますね。

さらに、中国とインドの国境では、軍事的な衝突が起きている一方で、「買収」しようとしている国や地域へは、すべて「マスク外交」のように何か援助をするという形になっています。

しかし、その「マスク外交」がうまくいっていないために、マスクの返品が多く、またマスク工場が国際的な衛生基準を満たしていないとして、資格をはく奪されるなどの問題が起きています。

また、中国国内は「豪雨」によって洪水が起きており、1000万人以上が避難生活を余儀なくされています。そして、遼寧省などの東北三省では再び新型コロナウイルスの感染が拡大しており、そのため北京周辺でも大規模な集団感染が起き都市封鎖に近い状況になっている都市もあるようです。

つまり、今の中国は「外部に出て行けるほど、国内は落ち着いていない」ということになるのです。(メルマガより一部抜粋)

image by: Drop of Light / Shutterstock.com

事実上の香港併合で崩壊した一国二制度。台湾は生き残れるのか?

日本や欧米諸国の懸念や批判を「内政干渉」と突っぱね、「香港国家安全維持法」の施行に踏み切った中国。これほど“こと”を急いだのはなぜなのでしょう。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんは、もともと中国は「法治」という概念がない「独裁」の国であると解説。経済で成果を出せず、建前の法改正で香港の自治を奪った習近平の次なる狙い、台湾の行末を案じます。蔡英文政権も警戒を強め、香港の民主活動家らを支援するなど手を打っていますが、行末は不透明です。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年7月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【香港】次は台湾を狙う中国と、滅びゆく香港の力を結集する台湾

蔡総統「一国二制度が実行不可能だと証明」=中国が香港国家安全法可決/台湾

6月30日、中国の全国人民代表大会常務委員会は、香港での反政府的な動きを取り締まるための「香港国家安全維持法案」を全会一致で可決しました。「BBC」(2020年6月30日付)によれば、これにより、中国政府は香港に対して、次のようなことができるようになるといわれています。

  • 中国政府は香港に独自の治安機関を設置する。この機関は情報収集とともに国家安全保障を脅かす「犯罪を取り締まる」という。また、一部の事件は香港以外の場所で裁判にかけることもできるという。
  • 香港はこの法律を施行するために独自の安全保障委員会を設置し、中国政府が任命した顧問を起用する。
  • 安全保障に関わる事件の裁判については、香港の行政長官が裁判官を指名できる。この条項によって司法の独立が損なわれるという懸念が出ている。
  • 安全保障に関わる犯罪で有罪となった場合、5~10年の禁錮刑が科せられる予定。香港行政会議筋によると、終身刑が科せられる可能性もあるという。
  • この法律の解釈は香港の司法・行政機関ではなく、中国政府に委ねられる。香港の既存法と矛盾が生じた場合、国家安全法が優先される。

【解説】 中国の「香港国家安全維持法」 香港市民が恐れるのは

同法案が可決されたことを受け、台湾の蔡英文総統は、「一国二制度が実行不可能であることが証明された」と語りました。

中国は1997年の香港返還を前に、イギリスとのあいだで、「返還から50年間は、香港には社会主義を実施せず、資本主義・自由主義を維持する」という、「一国二制度」を約束しました。それが1984年の英中共同声明です。そこでは、香港は香港人による高度な自治が約束されたのですが、返還からわずか23年で、一国二制度は崩壊し、香港人による自治は失われたことになります。

梅雨の「重い身体」を解消。鍼灸師が教える「股関節」ストレッチ

梅雨のジメジメした気候が続いて何だか体が重い気がする。これ、決して気のせいだけではないようです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が、そんなコンディション不良を判断する目安と、重い体の原因となる股関節の硬さを取るストレッチを教えてくれます。

梅雨のイライラ解消

【思うように動かない体】

ジメジメしてカラダが重だるい。何をするのにも、思うように動かない体を感じると、それだけでイライラします。そう、思い通りに動かない体は、気持ちに置いてけぼりにされてしまっています。

【脚がついていかない目安】

  • 歩いていてすぐに疲れる
  • 平地で躓く
  • 息が浅い
  • 膝の痛みを最近感じる
  • 顎をあげて歩いている

こんなコンディションの人は、腰が反り返ってカラダのばねが効いていません。足腰の柔軟性を取り戻すには、股関節の血流を積極的に促すことが必要です。

【フットワークを取り戻す】

  1. 仰向けに寝て背中全体をペタンッと床につけます。
    ※頭持ち上げないように気をつけましょう。
  2. 両膝を苦しくない程度に胸の方へ抱え込みます。
  3. ゆっくりひざを外側に開いたり、元のように膝をくっつけたりを繰り返す。

意外と股関節が硬くなっていることに気が付かれるのではないでしょうか。股関節がゆるむことで血流がよくなって脚が伸びやすくなると、ココロとカラダが一致します。イライラを解消するにはコンディションから整えることです。

image by: Shutterstock.com

世界的エンジニアがクリアなZoom会議のために準備した2つのこと

回線速度が速く、電波が強くても音飛びしてしまうZoom会議にZoom飲み。話が聞き取れなかったり、「もう1回話して」と言われたりでイライラしていませんか?メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的エンジニアの中島聡さんは、堀江貴文さんのZoomイベントに出演した際、音声の問題が起きないように2つのことを準備したと教えてくれます。今日からリモート会議やリモート飲みが格段に快適になる方法とは?

コロナ後の世界:Zoom会議

先週、堀江貴文さんのオンラインイベント「スナック堀江万博」にゲストとして出演させていただきました。堀江さんとは過去に何ども対談しているので、気楽に話せました。堀江さんはとても聞き上手な上に博識なので、良い対談になったと思います。

ちなみに、この対談はZoomで行いましたが、Zoomで起こりうる細かな問題は過去に何度も経験しているので、丁寧に準備をしておきました。

まず第一に、パソコン(MacBook)はWiFiではなく、有線(イサネットケーブル)でルータに繋いでおきました。WiFiは電波が強くてもどうしてもノイズがあるため、時々パケットロスがおき、音が途切れてしまうのです。

NetflixやYoutubeのようなストリーミング放送の場合、多少のパケットロスがあってもバッファを十分に(数秒間)とっているため、多少のパケットロスがあってもリカバリーが可能ですが、ビデオ会議の場合、あまりバッファを長くとると遅延が生じて話しにくくなるため、バッファは最低限に抑えてあります。そのため、少しでもパケットロスがあると、音が途切れたり音飛びがしてしまうのです。

もう一つしたことは、パソコンのスピーカーとマイクは使わずにAirPods Proを使ったことです。最近のソフトウェアにはエコー(相手の声が、こちらのマイクを通して、時間遅れで相手に届いてしまうこと)を防止するエコー・キャンセラーがついてはいますが、状況によってはエコーが起きてしまうことがあるので、それを避けるためです。

意外と知らない人が多いのですが、この2つをやるだけでビデオ会議のクオリティは格段に上がります。その結果だと思いますが、対談中は一度も音が途切れることもなく、スムーズに会話が出来ました。

ちなみに、私の次の対談相手は、冒頭から接続が悪く、何分間か無駄にしていました。画面の状況から見ると、スマートフォンでテザリング(通信キャリアのネットワークにスマートフォン経由で接続すること)をしているようでしたが、これは最悪です。スマホとパソコンの間がWiFiである上に、通信ネットワークそのものに遅延とパケットロスがあるからです。テレビ会議には最悪のネットワーク環境と言えます。

それに加え、ネットワーク環境が良いと、それをソフトウェアが認識して、遅延を減らしてくれるケースもあるので、なおさら会話のクオリティが良くなります。

小さなことのように思えますが、ビデオ会議をする時の、音切れ・音飛び・遅延は会話にストレスを加え、最悪な場合、相手に嫌なイメージを持ってしまう・与えてしまうので、とても重要です。次にZoom会議をやるときには、(1)有線でインターネットに繋ぐ、(2)ヘッドホンを使う、の2つを是非とも試してみてください。

image by:Tada Images / Shutterstock.com