ガッハッハッハッハ!! 大魔王ポルポルだ。
盛岡市のきりやという居酒屋で、レアな酒である「タクシードライバー」を堪能した。タクシードライバーの味はサイコーだった。まるで、岩手のロマンが盛り込まれた地酒だ。魔界にはない素晴らしい酒である。
感動的な味に、ついつい飲み干してしまったがとても満足した。
最高の酒と最高のもてなしに、意気揚々となりながら盛岡の夜を楽しむ。だがしかし! 飲みすぎてしまったため我輩はフラフラの状態になり、ついに!酔いつぶれてしまった。それでも我輩は、2件目の店に行った。もちろん我輩は金がないので、奢ってもらうテイだ。
1件目も2件目も「奢ってもらう」という前提で飲み食いしてるのだ。
財布を持たずに行動しているので、日本一周中に出会った人と一緒に行動しているので奢ってもらう気だ。奢ってもらえなければ、牢獄行きだ。
盛岡市の夜は早かった。夜の10時には街の明かりが消えてしまっている。しかし!暗闇の中ひときわ「闇のオーラ」という名の明かりを照らし続けている人物がいた。その人物が大魔王ポルポルである。そう、我輩だ。
仕事の疲れを癒す人が、酔いつぶれながら歩いている。しかし、どんな状況でも酔いが醒めて「え….!」と振り向いてしまうほどのオーラだ。それは恐怖なのか、何なのか、ただ立ちすくむしかないようだった。
酔っぱらうとめんどくさい我輩は、盛岡市のバーである「八 Oct(オクト)」へとやってきたのだった。オクトは、盛岡市でいつも賑わっているバーだ。

が、我輩は記憶がない。
酔っ払ったまま、我輩は店内に入った。
「ぐるるっしー!ガッハッハッハッハッハ!!」
その姿に魔王らしい姿はなかったが、ベロベロなのは確かだ。ろれつもまわっていない。その恐怖からか、店内には店員しかいなかった。そして、これから書くことは想像だ。我輩は全く記憶がない。

お金がないのに、堂々と2件目に来った我輩は、椅子に座った。そして魔王らしい一言を言ってやった。
「おい!酒だ。酒を持ってこい!ガッハッハッハッハッハ!!」クズな一言を言った。
店員はその姿に怯え、「は・・は・・はい!何を飲まれますか・・?」店員の声は震えている。
「魔ヒートだ!!魔ヒートを持ってこい!!」我輩は吠えている。
(な・・なにを言っているんだ?)店員は困惑した顔だ。
「貴様!魔ヒートを知らないのか?魔ヒートだ!魔ヒートだ!ガッハッハッハッハッハ!!」
店員は、とんでもなく気が狂った客が来た、という顔をしながらイヤな顔をしている。それでも、「魔・・魔ヒートとは何でしょうか?大魔王様。」
「魔ヒートとは、魔界に伝わる由緒正しき酒だ。ガッハッハッハッハッハ!!魔ヒートだ。魔ヒートだ。」
この会話を10分ぐらいした。

余談だが、日本一周中にも盛岡市に来たのだが、その日付が2015年の8月17日ごろだ。ちょうどお盆明けに訪れたのだが、その時にお世話になった人とも一度この「Oct」を訪れている。なんの縁なのか分からないが、2016年の8月17日にもこうして同じ場所で魔ヒートを飲んでいる。我輩と盛岡市は運命なのだ。ガッハッハッハッハッハ!!
征服の旅中は盛岡のわんこそばを堪能した。あのリズムよく食べる一口サイズのわんこそばだ。我輩はそこで118杯という100杯越えのわんこそばを記録を出している。その盛岡市を「魔りおか市」に変えた後は、被災地へと向かったのだ。
ちなみに、「魔ヒート」とは「モヒート」というお酒のことだ。ミントが乗ったおシャンティ₋なお酒である。
呆れ返った店員は、我輩をもてなそうと特性の「魔ヒート」ならぬ「モヒート」を作ってくれた。机の上にはたくさんのつまみが並べられた。もちろん奢りだ。

机の上には、数々の料理が並べられている。どれも、うまい食べ物ばかりだ。オクトではモヒートならぬ、魔ヒートを堪能。素晴らしく美味たる酒に、我輩のモヒートは3杯飲んでやった。
しかし!クズな我輩はすぐにベロベロになって「じゃじゃ麺が食いたい!用意するのだ!ガッハッハッハッハッハ!!」と、言い出した。それはまるで、子供の戯言だ。

じゃじゃ麺とは、盛岡名物の汁なしラーメンのことだ。平たい麺に肉みそ、きゅうり、ネギをかけて、ラー油やニンニクをかけて食べる盛岡名物だ。
モヒートならぬ、魔ヒートを堪能して、ベロベロの我輩は店を出た。そして、再び盛岡の夜の街で、闇のオーラを全開にした。その姿はもはやただのチンピラだ。
盛岡で夜11時以降でもじゃじゃ麺が食べられる、「あきを」に来た。

店内に入るや否や、我輩は吠えた
「ぐるるっしー!ガッハッハッハッハッハ!!」。
しかし!このお店はカウンターのお店だ。それほどお客さんもいないし、静かなお店だ。我輩は、大人しくなって席につくと、「じゃじゃ麺を持ってくるのだ!」と叫んだ。その大きな声は職務質問されてもおかしくない。しかし、店員は困惑せずに「あ、食券制なんで..。」

酔っ払っていて、何が何かわからない我輩は、とりあえず、「じゃじゃ麺」をおごってもらった。
我輩が頼んだのは、「じゃじゃ麺の中盛」だ。大盛りは食えない。しかし!普通盛りだと、「せっかく盛岡に来たから…ねぇ。」という気分になる。だから中盛を選んでやった。酔っ払っていたが、じゃじゃ麺が楽しみで仕方なかったのだ。
すると、我輩の前に、じゃじゃ麺が現れた。

やはり、聞いた通り汁の入っていない肉みそ入りの平たい麺だ。それに、ラー油などを入れて食べる。不思議な食感だった。ラー油をかけてグチャグチャにすると、見た目は汚いが、肉みその香りが引き立つ素晴らしい食べ物だ。
ズルズル!!口の中に肉みそが広がった。サイコーの味だ。酒のシメにはちょうどいい。酔っていてあまり覚えてないのだが、とても美味しかったのは覚えている。盛岡の風味がよく伝わる味なのだ。

一見変わったようにも見える食べ物だが、広島市で食べたクソ辛い担々麺にも見える。しかし!あのときは、辛い物が食べられずヒーハー火を噴きながら食べたが、今回は違う。酔っ払った状態で食べるのだ。それに、辛い料理でもない。
そして、食べ終わると、「ちーたん」という呪文を唱えて、コンソメスープのような卵入りのスープを投入してもらうのだ。
「ガッハッハッハッハッハ!!サイコーだ。」そう思って、食べ終わった。そして、大声で「ちーたん!」と、叫んだ。
「ちーたん。ちーたん。ちーたん!ガッハッハッハッハッハッハ!!」

素晴らしく、最高潮になった我輩は店員に「あ、一回でイイですよ。」と、たまごスープを投入してもらった。このちーたんこそが、メイン著いってもいいだろう。ちーたんを求め、世界各国からじゃじゃ麺を食べに来るのだ。
そんな妄想を繰り広げながら、ちーたんを堪能した。とにかく、ちーたんは世界を救うのではないか、と思うくらいの味だった。コンソメスープに、体が温まっていく。
「魔界にはない!ちーたん。なんと美味なのだ!ガッハッハッハッハ!!」

そう思って、ちーたんは少し残してしまった。マズいわけではない。美味しいのだが、酔いが回りすぎてフラフラだったからだ。ガッハッハッハッハッハ!
盛岡市の夜を堪能した、我輩はそのまま日本一周中にお世話になった人と別れた。
そして、大魔王ポルポルの盛岡市の旅は2日目を迎えようとしている。
(つづく)