人生が豊かになる。著名人や文化人とFacebookで交流を深める方法

かつては望むべくもなかった著名人との交流ですが、今やSNSの普及で誰しもが彼らのとの繋がりを持つことが可能な時代となりました。そんな現代ならではのメリットを最大限に活かし、人生を豊かなものにする方法があれば是が非でも知りたいものですよね。今回のメルマガ『久米信行ゼミ「オトナのための学び道楽」』では、iU情報経営イノベーション専門職大学教授を務める久米信行さんが読者からの質問に答える形で、「人生の師匠」と決めた著名人とFacebookを通して結びつきを深める方法を、自身が講演時に用いているというレジュメを駆使しつつレクチャーしています。

 

オトナの放課後相談室:SNSでの関係の深め方

Question

shitumon

このコロナ禍になってから本格的にSNS(主にfacebook)をはじめました。

リアルで接点のある人とは、徐々に繋がってきましたが、そろそろSNSだからこそ繋がれる人(著者さんや文化人の方々)と交流したいと思っています。

ただ、コメントしたり、友達申請とか、ぶしつけで失礼なんじゃないかと思ったりもして、行動できずにいます。

久米さん流のSNS交流術やスタンスを教えて頂ければ幸いです。(埼玉県・45歳、男性)

久米さんからの回答

ググって調べて愛読し、同じものごとを好きになり、講演会や勉強会で会う

ようこそ、楽しきfacebookの世界へ。ご賢察の通り、facebookなど実名のSNSを上手に使えば、インターネット普及前には考えられないようなご縁に恵まれるでしょう。

今回のご質問は、私が講演する時の主要テーマでもありますので、講演で使うレジュメも活用しながら回答させていただきます。

km20200209-1

まずは、私も実践してきたことですが、「この人みたいになりたい」と思える師匠を探しましょう。人生を豊かにするには「10人の師匠を探せ」が合言葉です。ご自身のこれからの人生を輝かせるために必要な知識・スキルを10項目選んで、それぞれの師匠を探すのです。

km20200209-2

師匠を探すには、図書館なども活用して、それぞれのテーマに関する著書が異なる本を10冊選んで読んでみましょう。そこでピンと来た著者が見つかったら、その著書を3冊は読みたい ところです。

3冊読んで、この著者こそ師匠だと感じたら、ググってSNSなどで発信をしていないか探してみるのです。師匠はできれば、これから10年20年と付き合いたいので、まだ働き盛りでSNSや勉強会を熱心にやっている著者から選びたいところです。

私にとって良い師匠とは、その専門分野だけでなく、あらゆる分野に精通して、日々の生活もバラエティに富んでいて楽しそうな達人です。それは、著書だけでなく、facebookの発信などを見ればわかります。人生を楽しみながら道を歩んでいる雰囲気が伝わってきたら、きっと、ご自身もそうなりたいと感じるでしょう。

 

石原慎太郎氏の訃報に寄せて。時給250万の印税を得た“3時間”会合の思い出

芥川賞作家で政治家でもあり、運輸大臣や東京都知事を歴任した石原慎太郎氏が2月1日、都内の自宅で亡くなりました。89歳でした。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』では、『それでも「NO」と言える日本』の共著者である軍事アナリストの小川和久さんが、同書刊行に至る経緯を振り返ります。小川さんは、前作で示された石原氏の軍事知識がお粗末であると指摘したのが縁で、初めて会った石原氏とのやりとりを紹介。その時の話が本になり、時給換算で250万円にもなる印税を得たことで、「いまでも石原さんの褌で相撲を取った気分」と独特の言い回しで故人を偲んでいます。

 

石原慎太郎の褌で相撲をとった

石原慎太郎さんが亡くなりました。1955年に小説『太陽の季節』で芥川賞に輝き、作家デビュー。以来、70年ちかくにわたって作家、政治家としてスターダムで活動してきた方ですから、発するオーラも尋常ではありません。人脈も限りなく広い。だから、私などが語ることができるのはほんのわずかな関わりについてですが、石原慎太郎という人物の人となりを知るうえで、参考になればと思います。

私が石原さんと最初に会ったのは1990年1月30日。場所は羽田空港内の羽田東急ホテルでした。石原さんは2月に控えた総選挙のため、選挙区の東京2区内にある伊豆七島の八丈島に遊説に行く途中、私との会合に3時間ほど予定を空けて待っていました。

きっかけは、前年の1989年に石原さんがソニーの盛田昭夫会長と出した共著『「NO」と言える日本─新日米関係の方策─』(光文社)がミリオンセラーとなり、米国でも話題となったことです。私のところにもウォールストリートジャーナル(WSJ)のアーバン・レイナー東京支局長が取材にやってきて、そのときの私のコメントがWSJに掲載され、それが石原さんの耳に入ったのです。

私は本に出てくる石原さんの軍事知識があまりにも幼稚で、しかも間違っていることを挙げ、そんなレベルではいくら米国からの自立を叫んでも単なるデマゴーグとしかみなされず、日本の国益にとっては逆効果でしかないという趣旨でコメントしました。

当然、石原さんは激怒したそうです。しかし、『NOと言える日本』の担当編集者のMさんが私と旧知の間柄ということもあり、私の話を聞いてみるべきだというMさんの勧めで、羽田東急での会合となった次第です。

用意された部屋に入ると、少し緊張した表情の石原さんは「なにか食いながら喋らない?」と言い、私の希望でカレーライスを頬張りながらの3時間となりました。カレーを所望した私に石原さんは「遠慮深いんだなぁ。出版社が払うんだから、もっと高いものを食べたら」と勧め、私は「今日のメインディッシュは日米同盟ですから」と返して話しに入りました。

私は、イデオロギー的な立場にかかわらず客観的な事実を踏まえなければ、目が曇って戦略的な見方ができなくなると、在日米軍基地のフィールドワークの結果をもとに話し、石原さんはときおり質問を挟みながらメモをとり、あっという間に3時間は終わってしまいました。

この会合の結果は渡部昇一上智大学教授を加えた3人の共著『それでも「NO」と言える日本─日米間の根本問題─』(光文社)として出版され、初版5万部からスタートし、これまたベストセラーになりました。私のところに入ってきた印税は数年間の合計が700万円あまり。時給にして250万円!3時間喋っただけの収入としては空前のものとなりました。石原慎太郎、恐るべし!いまでも石原さんの褌で相撲を取った気分を拭えずにいます。

石原さんについては、他にもいろいろなエピソードがありますが、それはおいおい。(小川和久)

 

image by: Shutterstock.com

羽生結弦ジャンプミス「穴が原因」と炎上?ロシア・モザレフ選手に「殺害予告」説の不毛な大騒ぎ

中国・北京でおこなわれている冬季五輪のフィギュアスケート男子に出場中の五輪3連覇がかかる日本代表・羽生結弦選手(27)とロシア代表のアンドレイ・モザレフ選手(18)が、思わぬ“ネット上の中傷ハプニング”に巻き込まれている。事の発端は8日におこなわれたショートプログラムだ。

この日、羽生選手は「4回転サルコー」を飛ぶ際に、リンク上に出来た“穴”にハマってしまい、本来4回転するはずのところを1回転しかできず、結果は8位と大きく出遅れてしまった。この穴について羽生選手は試合後「他のスケーターが作った穴にガコッとハマってしまった」と述べたところ、ネット上で「穴を作った犯人さがし」が始まってしまったというのだ。

東京スポーツによると、ロシアメディア「スポーツ・エキスプレス」の報道として、羽生選手の直前に出場したモザレフ選手が「羽生ファンによって勝手に“犯人だ”と特定された」と報じたとしている。

日刊スポーツが報じたところによると、この「犯人探し」によって、モザレフ選手の公式インスタグラムには「殺害予告」まで書き込まれ数時間ほど閉鎖したとしている。

なお、MAG2 NEWSが確認したところ、9日16時現在、モザレフ選手のインスタグラムは問題なく公開されており、殺害予告と思われるコメントも見当たらなかった。当該コメントがインスタ閉鎖時間中に削除されたのか、もともと殺害予告コメントなどなかったのか、今後の調査が待たれる。

こうした「羽生ファンが悪い」「いやロシア選手側だ」という不毛な誹謗中傷合戦は、モザレフ選手には当然として、羽生選手側にも迷惑がかかる。もし責めるべき相手があるとすれば、それは前に滑った選手などではなく、北京五輪の運営側による「氷上メンテナンス」の有無ではないか。リンクがベストなコンディションを保てていたかどうか調査する事の方が、10日に再びリンクを舞う羽生選手にとってもメリットがあることに違いない。インスタ炎上もさることながら、殺害予告などもってのほかであることは言うまでもない。そのようなコメントが書き込まれたという事実がなかったことを切に願いたい。

今回の、羽生選手ジャンプミス「穴」騒動について、ネット上にはさまざまな意見が投稿されている。

年金受給額は増やせる。「未納が多くて不安」な中高年でも増額できる方法とは

年齢を重ねれば重ねるほど気になってくる将来の年金。特に学生時代など、未納や未加入期間があった方は「実際にいくらくらい貰えるのか」不安で仕方ないのではないでしょうか。そこで今回は、メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』の著者で、年金アドバイザーのhirokiさんが年金の増やし方について解説。受給額を増額させる知恵を伝授します。

 

未納問題の始まりと、40~50代で未納が多い場合のその後の年金の増やし方。

1.未納問題が大きくなり始めたのはいつからか。

時々今も年金の未納の問題が話題として挙がる事がありますが、いつ頃から未納の問題が大きくなり始めたのでしょうか。

それは平成10年頃からでした。

それより前からの話を少しすると、1991年にバブルが崩壊してから深刻な不況に陥りましたが、金融機関がバブルの頃に貸しまくったお金が回収できない巨額の不良債権を抱える事になりました。

倒産する企業が相次ぐ中、平成9年11月に三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券、徳陽シティ銀行などの大手金融機関が1ヶ月の間に相次いで倒産していきました。

倒産する金融機関が発生しそれが続くと、「もしかしてあの銀行も倒産するのではないか…」と不安になり、一斉に大勢の預金者がお金をおろし始めるような事が起きる危険があります。

取り付け騒ぎですね。

普段、銀行はいろんな企業にお金を貸しているので手元にはそんなには現金は持っていません。一斉に預金者がお金をおろそうとすると返せるお金は普段そんなに持ってないから、返せなくなって倒産という事態が起こります。

どこかの金融機関が倒産すると、次はあっちの銀行が危ないのでは!?…と取り付け騒ぎが連鎖する危険があります。

こういう不安が連鎖してしまうと倒産が止まらなくなってしまうので、日本銀行が「金融機関には担保なしでいくらでもお金を貸すよ!」と宣言してようやく事態は収まりました。

【関連】年金収入も確定申告が必要?対象になるのはいくら以上の受給者か

 

高畑充希は“坂口健太郎より仕事”を選択。結婚秒読み元彼と完全破局で女優一筋のストイック生活

現在、日本テレビ系で放送中のドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』で主演を務めている、女優の高畑充希(30)。今年7月から帝国劇場で上演されるミュージカル『ミス・サイゴン』では、ヒロイン・キム役に初挑戦します。女優として絶好調といっても過言ではない高畑さん。しかし、その裏には、結婚秒読みとまで言われた男性との辛い別れがあったようです。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

高畑充希、交際・破局を乗り越えて大女優へ

2月15日号の『FLASH』が今年1月期のドラマの舞台裏をリポートしています。記者たちが這いずり回って集めた小噺のタイトルは「高畑充希がギャラ1話180万円で上戸彩超え!」。昨年12月に30歳になった高畑が、いよいよ大女優の仲間入り…ということでしょうか。

今年1月期のドラマに出演している女優といえば、清原果耶、浜辺美波、佐々木希…何だか“手探り”感をいつも以上に感じてしまいます。方向性が定まらないという“手探り”感を…。

そんな中、日本テレビが“水曜ドラマ”枠で高畑をキャスティングしてきたのは、何と言っても彼女の女優としての“堅実”ぶりが評価されたということでしょうね。

2005年に舞台『プレイバックpart2~屋上の天使』で女優デビューして以来17年、確実に実力を蓄えていますし、活動の中心が舞台というのも、演出家たちを安心させる要因のひとつと言っていいでしょう。

“失敗したくないときの高畑”…といった感じでしょうか。

『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』はスタートから視聴率に苦しんでいますが、日テレ関係者の誰もが“最後は盛り返す”と口を揃えて言うほどのドラマです。

それは3年前の『同期のサクラ』、5年前の『過保護のカホコ』の実績…最後の最後に一気に視聴率が爆発した経験があるからでしょう。

“2度あることは3度ある”というわけです。“後半からラストに強い高畑”と口にする局幹部もいるくらいです。

ドラマをしっかり追っていれば、必ずその面白さを自覚させてくれる…高畑はそんなタイプの女優のようです。

さて、『FLASH』が報じた1話180万円というギャランティ、“地盤沈下”を始めた女優を除けば、このラインを超える存在は数える程しかいないのが現状です。

制作費が削減されているこの時代には実に貴重な存在だと言えるでしょう。

【関連】広瀬アリス&大倉忠義、なぜ“熱愛の証拠”が出てこない?イメージダウンを狙った人物のリークか

将来的には米倉涼子、綾瀬はるか、長澤まさみ、北川景子あたりが目標になるのでしょうが、私的には“決定的とも思える代表作品に巡り逢えるか”が今後の大きなターニングポイントになるのでは…と思っています。

無理にがんばらない。やる気がなければ「やらなくて良い理由」を考えよ

やるべきことがあるのにやる気が起こらない…そんな時は誰にだってあるもの。とはいえ、大人であればモチベーションを無理矢理上げて、取り組まなければならないことがあります。では、そんな時、どのように対応すれば良いのでしょうか。そこで今回は、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者である佐藤しょ~おんさんが、目からうろこの方法を教えてくれます。

やる気を出すには「なぜ?」が必要

やるべきことがあって、それをやらなきゃならないのに、やる気が起こらない…そんな時に特効薬になるのが、

 ● なぜ自分はそれをやらなければならないのか?

という理由を考えることです。

やるべきことの裏には、それをすべき理由が存在するわけです。じっくりとこれを考えて、その理由が存在しない、または大した理由ではないと分かったら、これは堂々とやらなきゃ良いんです。

やるべき理由を考えて、もしやらなかったら

 ▼ 会社をクビになってしまう
 ▼ 生活ができなくなってしまう
 ▼ 大きな恥を掻くことになる
 ▼ 健康を害してしまう

という未来に繋がってしまうとしたら…。

そして、もしやったらどうなるか

 ▼ 給料が増えるかも知れない
 ▼ 同僚に認められるかも知れない
 ▼ 自尊心が高まるかも知れない
 ▼ 達成感に満たされるかも知れない

という未来に繋がっているとしたら…。

探偵学校は詐欺だらけ?現役のプロが教える、探偵になるための方法

あまり身近ではない探偵という職業。もはや映画やドラマの世界の話と思っている人も多いかもしれません。そもそも探偵にはどうすればなれるのでしょうか?そこで今回は、現役探偵である後藤啓佑さんが自身のメルマガ『探偵の視点』で言及。探偵学校にまつわる話と探偵になるための最善の方法を語っています。

 

探偵学校とは何か?

今回は、たまに耳にする「探偵学校」とはなにかをお伝えします。僕自身、現在は社長業のほかに社内人事についても触っています。

その業務の中で入社希望の方を面接することもあるのですが、そこで話を聞いていると「御社に来る前にネットで探偵学校についても調べました」と言う方が多くいます。

一般の方からすると、探偵学校で勉強してから探偵になるというイメージがあるようです。では、実際に探偵学校はどうなのか?役に立つのか?

個人的には、やめておいたほうがいいという結論です。

まず第1に、探偵学校という名の詐欺が多いこと。

300万円取られ、なにもしてくれなかった、よくわからないマニュアルを渡されたというケースはよく聞きます。

そして第2に、100万円程度で座学形式の授業を受けるという内容が多いこと。

正直言って、探偵の現場に関しては座学で上達するスキルはありません。空気感、距離感などの感覚が全てです。

そういった探偵学校は、実際に探偵業できちんと食べれていないところが運営していることが多いようです。現場の数が少ない探偵に、教えてもらえることは少ないかと思います。

さらに第3として、決定的なのが「探偵事務所に採用されれば給料をもらいながらスキルを習得できる」という点です。

おそらく95%の探偵事務所は、採用に関してはそもそも初心者を想定しています。経験者募集など聞いたことがありません。

ですので、初心者を育てることは探偵事務所にとっては自然なこと、そこに投資するのは自然なのです。

お金を払って座学で勉強するよりも、探偵事務所でお金をもらいながら勉強したほうがいいのは間違いないですよね。

このような状況なので、個人的には探偵学校という選択肢はないのではないかなと思っています。なにより、準備ゼロでいきなり業界に飛び込める人のほうが、成功すると思います!

 

image by: Shutterstock.com

安倍晋三氏“右翼ぶりっ子”の浅知恵。林外相を忌み嫌う男の幼稚な悪あがき

昨年10月に誕生したばかりの岸田政権ですが、自民党内では早くも後継者を巡る攻防戦が激化しているようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、与党内で繰り広げられている暗闘とも言うべき駆け引きが「3つの次元」で進行しているとした上で、それぞれについて詳細に解説。各所でキングメーカー気取りと報じられている安倍晋三氏に対しては、外交を内政の駆け引きの道具として弄ぶ姿勢を厳しく批判しています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年2月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

岸田政治の退屈の陰で安倍の右翼ぶりっ子の悪足掻き/複雑化する自民党内のモザイク模様の軋み

国会は開かれているのを忘れてしまうほどの静けさで、それはひたすら低姿勢に徹する岸田文雄首相の低空飛行路線と、それを掻き乱す方策を持たない立憲民主党はじめ野党のだらしなさに起因するところが大きい。とはいえ、水面下での与党内の、ポスト岸田への思惑と路線問題とが絡んだ「暗闘」とも言うべき駆け引きはむしろ激しさを増しており、それは

  1. 岸田・林・茂木の「新角福連携」vs安倍・高市の「右翼ぶりっ子連盟」
  2. それを睨んだ二階を中心とする菅義偉・石破・森山ら「中間派」の動き
  3. 自公連立のヒビ割れ

――の3つの次元で進行している。

林を忌み嫌う安倍の悪足掻き

安倍晋三元首相の林芳正外相への反感は、ほとんど恐怖に近いもので、それは中選挙区時代の旧山口1区での安倍晋太郎元外相と林義郎元蔵相との確執に由来する。晋太郎は1958年初当選、67年に3回目当選を果たして以後は9回連続でトップ当選を続け、まさに「安倍王国」を築き、それを93年に晋三に受け渡した。その間、ほぼ常に2番手につけていた宿敵が林義郎で、93年を最後に小選挙区制が導入されて旧1区が新4区に再編された際に林が比例単独候補に転出、03年に引退。息子の芳正は95年以後、参院からの立候補を余儀なくされてきた。昨秋の衆院選で山口3区で河村建夫元官房長官を押し退ける格好で衆議院初当選、たちまち外相に任命された。

同じ山口4区と言っても、安倍家は日本海に面した人口3万余の長門市(という名の寒村=旧日置村)の出であるのに対し、林家は瀬戸内海に面した県下最大の大都会=下関市が地盤で、宇部興産創業者にも直結する家柄。東京生まれ・東京育ちのボンボンという以外に見るべきキャリアのない晋三に対して、芳正は東大法から米ハーバード大ケネディスクール修了、三井物産、父=蔵相の秘書官という申し分のない歩み。晋太郎はもちろん岸信介~福田赳夫の親台湾派「清和会」の系統であるのに対し、父は田中派から宮澤派を経た親中国派で、日中友好議連会長、日中友好会館会長も務めた……という具合に、何から何まで対照的。すでに農水、文科など閣僚経験も積んできている芳正がこのままポスト岸田のホープとして躍り出ることになれば、次期衆院選での山口県での1区減による選挙区事情の変動とも絡んで、「安倍家存続の危機」が現出することすらありうる。

そこで、何としても林に一太刀も二太刀も浴びせたいと思うのだけれども右翼ぶりっ子程度の知恵しか湧かないのが安倍で、

  1. 「台湾有事は日本有事」と煽って日中関係改善を阻害し
  2. 北京五輪開幕直前に衆議院で「対中非難決議」が採択されるよう段取りし
  3. さらに韓国が嫌がる「佐渡金山」の世界遺産登録申請をわざとこの時期に閣議決定させる

など、ジタバタ行動を続けている。外交を国益観念から考えることができず内政の道具として弄ぶいつもながらの浅知恵である。

 

陰謀論に激怒の大物ミュージシャンが続々撤退。Spotifyで何が起きているのか

音楽ストリーミングサービスの世界シェアトップを走るSpotify(スポティファイ)ですが、ここに来て超大物ミュージシャンたちが次々とアカウントを引き上げるという状況に見舞われています。一体何がこのような事態を招いてしまったのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、スポティファイがミュージシャンから見限られた原因を解説。さらにこの騒動で顕在化した「デジタル時代ならではの恐ろしさ」についても記しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年2月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

 

大物ボイコットで揺れるスポティファイと「言論の自由」

サブスクを買うと無制限に音楽が聴けるストリーミングのサービスでは、アップル社の「アップル・ミュージック」が必死になってシェア拡大に走っていますが、今でも世界でのトップはスポティファイです。スウェーデンの企業で、GAFA的な巨大企業という悪印象がないのと、UIがまあまあ洗練されていて、特にスマホとPCの連動がスムーズとか、顧客満足度は悪くないようです。

Spotify(日本版)

また、何よりも「無料会員」という制度を維持しているのが、シェアを維持している秘密だと思います。無料会員だと、ガンガン広告を聞かされるとか、再生順なども自由にならないという問題はあるのですが、タダより安いものはないということで普及しています。また気に入ったら無料から有料にシフトするという格好でのマーケティング効果もあるんだと思います。

このスポティファイが揺れています。まず、ロックの大物、ニール・ヤングが、「アカウント引き上げ」を断行してショックを与えました。これに盟友グラハム・ナッシュが続いたのは分かるとして、この動きに連帯するとして超大物のSSWジョニ・ミッチェルまで引き上げを断行、アメリカの音楽界は揺れています。

騒動の原因は、ネトウヨ系(日本風に言えばそんな感じです)DJのジョー・ローガンのポッドキャスト「ジョー・ローガン経験(Joe Rogan Experience)」の内容が「目に余る」ということです。特に、アンチワクチン陰謀論のメッセージが垂れ流しになっていることに、ヤングが我慢ならなくなったというのがキッカケでした。

ローガンというのは、格闘技の解説者やコミック(漫談)芸人だったりという経歴のコメンテーターですが、口がうまいのと「陰謀論が大好き」といったノリで人気を獲得しています。その延長で、ワクチン陰謀論を展開したところ、アンチワクチンのリスナーがウヨウヨと湧いてきて、このポッドキャストに集結してしまったというわけです。

ニール・ヤングという人は、言ってみれば「団塊ヒッピー文化のチャンピオン」的な人物ですから、筋金入りのリベラルです。また、若い時にポリオに罹患していること、そしてワクチンがポリオ撲滅を実現した歴史を身をもって体験していることから、アメリカの保守派を中心とした「ワクチン陰謀論」に対しては、相当に苦々しく思っていたようです。

また、スポティファイに関しても、創業時には「アーティストに金銭的な還元を」といった美しいメッセージを掲げていたのですが、その後は参加アーティストが思い切り広がる中では、収益金というのが「薄く広く」しか入ってこなくなっており、ヤング自身かなり文句を言っていたようです。

 

トレパク疑惑の古塔つみ氏に多額の損害賠償の恐れ。YOASOBIも激怒?コラボ企業に陳謝もタレコまれ窮地に

トレースを使ったとみられる“パクリ疑惑”が浮上し、大炎上してしまったイラストレーターの古塔つみ氏。音楽ユニット「YOASOBI」のキービジュアルなどを手がけた人物として知られる古塔氏だが、次から次と新たな疑惑が浮上。“被害者”である同業者が検証動画を公開するなど、騒動は一向に収まる気配がない。

コラボ企業へ弁解するも裏側暴露され窮地に

YOASOBIは大迷惑、古塔つみ氏に新たな疑惑。トレースではなく画像処理ソフト?もはや絵すら描かない40代おじさん説』でもお伝えした通り、イギリスの有名写真家の写真を反転させてトレースさせたのではと暴露された古塔氏。

「写真そのものをトレースしたことはございません」と完全否定したものの、新たな疑惑が噴出。ネットでは更なる追及が行われ、トレースではなく単に画像処理を使っただけで、絵すら描いていないのではないかとの疑惑まで出てきている。

そんな中、さまざまな企業とコラボする古塔氏には早くも大きな影響が出始めているようで、5日に行われた暴露系ユーチューバー・コレコレのライブ配信では、古塔氏が「ネット上の憶測には惑わされないようにお気を付けください」とコラボする企業に伝えていたことがわかった。

「コレコレさんがとある企業から直接こうしたタレコミがあったことを暴露しました。パクリが確定してしまえば古塔氏は莫大な損害賠償を請求される恐れがありますから、必死になって否定するしかないというのが現状でしょう」(ネット事情に詳しいフリーライター)

ネット上では次から次へとパクリの“ネタ元”となった画像が登場し、しかもそのどれもが古塔氏のイラストと酷似。もはや言い逃れするのは難しい状況に追い込まれてしまっているようだ。

【関連】古塔つみ氏『AKIRA』もトレパクか。“金田のバイク”酷似イラストを勝手に商品化、悪質手口に有名漫画家も「真っ黒」

古塔氏にパクられた被害者の悲痛な叫び

古塔氏にまつわる疑惑が噴出する中、パクられた側の人たちから声も上がり始めた。

イラストレーターとして活動する江角明日香さんは自身のツイッターで検証動画を公開。2016年に載せたという絵が、古塔氏が2021載せていたという絵と酷似していることを指摘した。

当時のオヤ?を検証。
ボブの方は私が2016年に載せた絵。
先方(ロング)は2021年に載せておられた絵。
輪郭ピッタリ。その他諸々もピッタリ。当時はインスタで相互フォローでしたがその際にブロックいたしました。最近話題の方ですね。厄落としに^ ^

検証動画を見ると、女性の髪形がボブからロングに変わるものの、その他はほぼ同じ。これでは盗作だと言われても言い訳ができなそうだ。

この動画を見ていただきたいところだが、残念ながら予想以上に反響が大きかったとのことで、江角さんはツイートを削除している。

古塔氏が言うところの「引用・オマージュ・再構築として製作した」作品なのか、あるいはトレースしてパクってしまったのかは不明だが、これがもし盗作だとしたらネタ元が同業者というかなり悪質な行為。

しかも、相互フォローまでしていた関係性で、あまりにもリスペクトがない。クリエイターが魂を削って創作していることを知りながら、なぜ簡単にそんなことができてしまうのだろうか。

【関連】密室で行われる選考。五輪選手団ユニフォームという利権ビジネス

これからも同様の声はさらにあがってくるとみられる。YOASOBIも大迷惑を被ることになってしまった今回の騒動、まだまだ解決への道は果てしなく遠いようだ。