核のゴミを「永久」貯蔵する羽目に。山口県上関町の核燃料中間貯蔵施設プランは何がヤバいか?

8月2日、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を山口県上関町に建設するプランを発表した中国電力。町は前向きな姿勢を示していますが、市民団体からは反対の声が上がっています。このプランを「マヤカシ」と断言するのは、元全国紙社会部記者の新 恭さん。新さんは自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』で今回、中間貯蔵施設が「永久貯蔵施設」になりかねない理由を解説するとともに、脱原発以外に核廃棄物問題の解決方法はないと断言しています。

すべてマヤカシ。山口県上関町の核燃料中間貯蔵施設プランに見る原子力ムラの往生際の悪さ

原発回帰に前のめりな岸田政権の政策を奇貨として、各電力会社は原発再稼働を急いでいる。だが、原発を動かせば動かすほど、施設内のプールにたまっている使用済み核燃料が増え、満杯になる日が近づいてくる。

満杯になって、持っていき場があるかといえば、残念ながら無い。「トイレなきマンション」とたとえられるように、最初からそんな場所や処分技術が確保されていないからだ。そのうち何とかなると見切り発車したのが、そもそも原子力発電というシステムだ。

そこで、日本政府と電力会社は、できもしないことをできるかのように吹聴してきた。使用済み核燃料を再処理してウランやプルトニウムを取り出し、再び燃料にして原発で燃やす。つまり「核燃料サイクル」だ。この構想の中核である高速増殖炉の開発に途方もない巨額投資をし、あえなく失敗した。それでも、“原子力ムラ”は諦めない。いつまでも“神話”を生かし続けねば、原発温存政策の土台が崩れるからだ。

山口県の上関町に、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設するプランが持ち上がっている。中間貯蔵施設も、核燃料サイクルの一環として考え出されたものだ。

まだ決まったわけではない。中国電力が原子力発電所をつくるために所有していた敷地の一部を活用し、福井県から使用済み核燃料の県外搬出を求められている関西電力と共同で建設するというプランで、上関町に示したばかりだ。

過疎化が進む上関町の町長から地域振興策を求められたのに中国電力が応えたかたちだが、原発建設に反対してきた住民にしてみれば寝耳に水の話で、ましてや高浜・大飯・美浜の3つの原発を福井県内に抱える関西電力の使用済み核燃料の面倒までみるということになると受け入れがたいだろう。

中間貯蔵施設の設置場所が見つからず、どこよりも焦りを募らせてきたのは原発再稼働が進む関西電力だ。高浜3・4号機、美浜3号機、大飯3・4号機の5基に続いて、このほど運転開始から48年も経つ「高浜1号機」が再稼働、9月には「高浜2号機」も再開し、廃炉が決まった4基を除く全7基がフル稼働する見込みだ。

岸田首相は原発政策を大転換し、60年を超える老朽原発の運転も可能にする法律を成立させた。古い原発の多い関電にとっては望みどおりになったといえる。

そこで問題になるのが使用済み核燃料の増加だ。高浜原発では約5年もすればプールが満杯になるといわれている。満杯になると、置き場がなくなり、原発の運転ができなくなってしまう。放射性物質がたまり続けると、当然、地元の不安は高まる。

使用済み核燃料の県外搬出を求める福井県の杉本達治知事に対し、関電は中間貯蔵施設を県外に設けると約束したが、ことは放射性物質にかかわるだけに、受け入れる自治体が簡単に見つかるはずはなく、関電は候補地の提示期限が来ても約束を果たせないまま、解決を先送りしてきた。それだけに、中国電力から共同で中間貯蔵施設をつくろうという話が持ち込まれたのは、“渡りに船”だっただろう。

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台湾に連帯示すのは当然。麻生氏の発言を非難する中国贔屓の面々

訪問先の台湾での講演で、東アジア地域での戦争抑止の重要性を訴えた麻生太郎自民党副総裁。しかしその内容について、野党や一部メディアが批判を強めています。果たして麻生氏の発言は責められて然るべきものだったのでしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、麻生氏の発言をことさら問題視する面々を痛烈に非難。かような姿勢に対して、「中国を利するだけ」との指摘を記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年8月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【日台】麻生氏「戦う覚悟」強気の態度が中国の暴走を止める

麻生氏「戦う覚悟」で抑止力強化 台湾訪問中に講演

自民党の麻生太郎副総裁が台湾を訪れ、「ケタガラン・フォーラム」で講演し、台湾海峡を含む地域で戦争を起こさせないことが最も大事だと語るとともに、「今ほど日本、台湾、米国などの有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている時代はない」と力説しました。

この麻生氏の発言に対して、多くの日本メディアは「戦う覚悟」発言があったとして、あたかも問題があるかのような報じ方をしています。

また、立憲民主党の岡田克也幹事長は「米国は、はっきり台湾有事の際に軍事介入するとは言っていない」「非常に軽率だ」と批判、共産党の小池晃書記長も「極めて挑発的な発言だ。専守防衛に明らかに反する」などと述べました。

麻生氏「戦う覚悟」発言が波紋 蔡政権は歓迎の一方、「観光客が…」

しかし思い返せば、ロシアのウクライナ侵攻は、アメリカのバイデン大統領が「ロシアがウクライナに侵攻してもアメリカは軍を派遣しない」と明言した直後に起こりました。そのことを歴史の鑑とするなら、「いざとなればともに戦う」と表明することのほうが、よほど平和を守れることになります。

そもそも麻生氏は「自由と繁栄の弧」という外交政策を掲げ、安倍晋三元首相とともに価値観外交を推し進めた人物でもあります。

民主主義国が連帯して、中国やロシアなど権威主義国に対峙する戦略を主導してきたわけですから台湾に連帯を示すのは当然ですし、「台湾有事は日本有事」という認識は、安倍首相と共有していたと思われます。

民主党政権下では、尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりするという事件が発生、漁船の船長が逮捕されましたが、当時の菅直人首相が中国との関係を気にして、船長の釈放を命じたことが明らかになっています。

前原誠司元外相「菅首相が船長を『釈放しろ』と言った」

その民主党時代には、小沢一郎代表が600人もの訪中団を率いて中国に「ご機嫌伺い」したこともありました。このとき、民主党の松原仁議員が衆議院外務委員会で「南京大虐殺はなかった」という発言をしたということで、日本共産党は赤旗で批判しています。

小沢代表訪中の最中 民主議員が国会で「南京虐殺」否定発言

これまで日本の政治家は、自民党を含めて中国に過剰に配慮してきました。尖閣諸島にしても、日本人の接近・上陸が事実上禁じられています。自国の領土であるにも関わらず、中国への配慮から禁止し、日本人であっても尖閣に上陸すれば不法侵入となるのです。

領土「尖閣」、なぜ上陸だけで処分

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ソフトバンク社長が“シビれた”。楽天の「最強プラン」名称問題

広告業界やメディアにおいては、客観的なデータの明示なく最上級表現や最大級表現を使うのはご法度で、社会的責任が大きい企業も微妙な表現で購買や契約を煽るのは避けるもの。そうしたなか、通信業界をざわつかせているのが、楽天モバイルが打ち出している「最強プラン」という名称です。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんが、この名称への見解をソフトバンク宮川社長に直接質問。その正直な感想とともに、ナンバーポータビリティのワンストップ化を機に攻勢をかける楽天への懸念を示しています。

宮川ソフトバンク社長が楽天モバイル最強プランに「シビれる」──データ専用契約の本人確認厳格化にも言及

某キャリアが「楽天モバイルの『最強プランって言い方、どうなのよ』」と各メディアを焚きつけて回っている。ただ、それだけ記事化するのはなかなかハードルが高いので、8月4日に行われたソフトバンクバンク決算会見で、宮川潤一社長に「最強プランという言い方、どう思います?」と単刀直入に質問をぶつけてきた。

すると宮川社長はなぜか「ありがとうございます」と言いつつ「名前をつけるのは、企業の自由。外部からコメントする立場では無く、実害はないので静観していたが、顧客に誤認される可能性が出てくるということで、現場が総務省と打ち合わせしているという話は聞いている」と回答してくれた。さらに個人的な見解として「なかなか、シビれるという感じで見ておりました」とも語ってくれた。

かつては、ソフトバンクもいろいろとヤンチャしてきたイメージがあるが、そんな経験があるソフトバンクだからこそ、いまの楽天モバイルの立ち振る舞いは看過できないのかも知れない。

楽天モバイルは5月24日から始まったMNPのワンストップ化を契機に、楽天銀行などのユーザーに対してワンクリック契約を提供しはじめている。現在はデータプランのみの提供だが、楽天モバイルとしては音声契約のMNPでも対応させるつもりのようだ。三木谷浩史会長は「8月には提供したい」としているが、楽天モバイルのオフィシャルコメントとしては「白紙」というのが正しいようだ。

そんなワンクリック化に対しても、宮川社長は「犯罪防止の観点からも本人確認はとても重要」だとしている。今の時代、データ通信だけであっても、音声通話アプリを使えば、電話のように利用できる。宮川社長としては、法整備自体を見直し、本人確認が不要なデータ通信契約専用回線を本人確認必須にするよう総務省に働きかけたいとしている。

ソフトバンクからの横やりに対して、総務省はどのように動くのか。確かに本人確認については050番号に対しても、契約時の本人確認を義務化するという動きがでている。ここ最近、電話による詐欺行為を撲滅しようと本人確認を強化する雰囲気になりつつある。

そんななか、楽天モバイルは音声契約でもMNPのワンクリック化を実現できるのか。ソフトバンクが総務省にどのように耳打ちし横やりを入れていくのか。また、ソフトバンクに続くキャリアは現れるのか。楽天モバイルの命運は総務省の判断に左右されることになりそうだ。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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広末涼子に“ポイ”された鳥羽周作に世の女性は同情。「広末に振り回されただけ」と芸能記者

女優・広末涼子(43)とのW不倫で世間を賑わせた、フレンチレストラン「sio」の元オーナーシェフ・鳥羽周作氏(45)の現在について、10日『文春オンライン』が報じている。文春によると、鳥羽氏は騒動以来、広末と会っていないこと、「冷静になってまずは妻と話をする」などと話しているという。

広末に“ポイ”されたのか?

夕刊紙の記者は鳥羽氏に同情的だ。

「まあ、相手は超一流の芸能人。好感度の問題もあるだろうし、広末さんはああ見えて子煩悩。一連の騒動で、彼女も少しは冷静になったんじゃないか。鳥羽さんは長野にオープンした古民家レストランで料理人として再起を…とのことだが、シェフとしてはともかく、家庭人としてはどうか…。和田アキ子さんや広末さんの元夫・キャンドル氏にも悪態を付いてイメージは最悪。家族も愛想をつかしているんじゃないかな。なんか、自業自得とはいえ広末さんに振り回された印象です。彼女にポイされたといってもいい状況じゃないか」

別の週刊誌の記者はこう話す。

「広末が鳥羽氏を嫌いになったとか、愛がなくなったとかそういうことはないと思います。ただ、現実的にゴールインは難しいと、お互い思っているんじゃないですか? キャンドル氏との間に生まれた子どもはまだ小さく、学校のことなど色々とありますからね。大人の問題に、子どもを巻き込んではダメでしょう。しかし、今回は広末家よりも鳥羽家の方がよっぽどダメージがあったと、私は思います。一般の方ですから……旦那(父親)の報道に迷惑したはずで、同情します」

「広末が子どものことを考えて海外で暮らすという選択肢は当然、ある。被害者・加害者は別にして、東出昌大と離婚した杏と同じルートになりますね」(実話紙記者)

ビッグモーターみたいな“質の悪い企業”のCMをタレ流す民放テレビ局に未来などない

社長の会見が炎上し、その後も数々の不祥事が明らかになりつつある、中古車販売大手ビッグモーター。印象的なテレビCMソングでおなじみだった同社は、いったいどんな悪事をはたらいてきたのでしょうか? 今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、ビッグモーターの不祥事を振り返るとともに、そんな悪質な企業のCMをタレ流してきた民放テレビ局を厳しく批判しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

中古車販売大手ビッグモーターの相次ぐ不祥事発覚が止まらない。ここにきて店舗前の街路樹消滅や自動車保険の契約捏造疑惑まで浮上

九州の販売店の営業部門に勤務する40代に男性社員は、街路樹が枯れる経緯について、西日本新聞の取材に対し、次のように語る(*1)。

まず経営陣が月に一度、「環境整備点検」と称し店を訪問。150点満点で採点され、人事やボーナスを左右する。チェックする項目は、敷地の周囲10メートル以内にごみや落ち葉、雑草がないかなど。

男性社員は、

「点数が悪いと店長は交代、主任はヒラに降格。雑草を抜く作業が嫌で除草剤を使い始め、落ち葉がなくなるように街路樹にもまくようになった。伐採のためのチェーンソーを備えた店もあった。罪悪感はなかった」(*2)

と語る。

ビッグモーター店舗前で街路樹や植栽がなくなったり、街路樹が不自然に枯れている例は、これまでに札幌市や神奈川県平塚市、大阪市、福岡県春日市などの店舗で確認されている(*3)。

街路樹への除草剤の散布が確認できた場合、器物損壊罪に問われる可能性がある。また国や自治体によっては土壌から除草剤成分が見つかった場合、警察に被害届を提出することを検討しているという(*4)。

ビッグモーターをめぐっては、保険代理店としての立場を悪用し、虚偽の自動車保険契約を結んでいた可能性があることが30日、判明。

個人が所有していない車両を対象とした保険契約が昨年、福井県の店舗で複数確認され、これが捏造にあたると判断された(*5)。

今後、最悪の場合、一定期間の業務停止や保険代理店の登録取り消しといった厳しい措置がなされる場合がある。

目次

  • 「ノルマ」という名の日本のブラック慣習
  • 損保ジャパンの問題は?
  • ビッグモーターのような”質の悪い”企業のCMを流すテレビ局に未来はない

「ノルマ」という名の日本のブラック慣習

ビッグモーターの不正の温床として、厳しい“ノルマ”があったことは間違いない。たとえば、同社では事故車両の修理費用に1台あたり14万円前後のノルマを課していた。

本来、修理費用というものは損傷の状況により決まるというのが正当であるが、しかしビッグモーターの場合、板金や塗装部門が修理工賃や部品から得る粗利の合計額が14万円前後になるように、求められていたという。

そもそも、ノルマというものが、日本において“悪しき慣習”として持ち込まれ、日本企業を“ブラック化”させる一因となっている。この、ノルマというものは、日本において、戦前・戦中に持ち込まれている(*6)。

しかしながら、そのノルマというものは、実際のところ、なんら法的意味をなさない。労働契約を結びことにより課される労働者の義務は「労働に従事すること」(民法・第623条)であり、ノルマのような「結果」を出すことは義務ではない。

むしろ結果を出す義務は組織の経営戦略を決定する取締役など管理責任者の役目であり、ノルマを労働者に押し付ける企業は「ブラック」と断じて間違いない。

また、ノルマの未達成でペナルティを課すことについては、たとえば賃金が減額される場合には、労働基準法第16条違反の違反行為であり、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される(労働基準法・第119条第1号)。

しかしながら、日本の企業社会にはいたるところで「ノルマ」が散見され、日本社会を“総ブラック社会”化させている。

たとえば、東芝などでは「チャレンジ」と称した過大なノルマによる経営戦略を据えたことが、粉飾決算の原因となった。

もともと、「ノルマ」というものは旧ソ連下の計画経済下の産物であり、21世紀の時代に入ってもノルマが横行していること時代、日本経済の“非近代性”を物語る。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

“自宅警備員”1600万人という中国の現実。習近平「異例の3期目」を脅かす、若者たちの高すぎる失業率

激しいつばぜり合いが続く米中関係。しかし異例の3期目に突入した習近平国家主席の最大の脅威は、自身の足元に存在するようです。これまでも中国を巡るさまざまな問題を論じてきた国際政治を熟知するアッズーリ氏は今回、若年層の高すぎる失業率が習政権の安定を脅かしかねない理由を解説。さらに一党独裁への不満が募る中国の現状を紹介しています。

中国・習政権にとって最大の脅威は米国ではない。3期目を脅かす「異次元の失業率」

今日、米中対立の主戦場は台湾と半導体だ。8月でペロシ前米下院議長が訪台してからちょうど1年となった。この時、中国は台湾を囲むように大規模な軍事演習を実施し、大陸側から台湾周辺海域に複数のミサイルを打ち込んだ。そのうち一部は日本の排他的経済水域にも落下したが、それから今日までの1年間でそれ以上の軍事的緊張は見られない。

しかし、4月に蔡英文総統が中米の訪問帰りにカリフォルニアに立ち寄り、そこでマッカーシー米下院議長と会談した際、中国は同様に軍事演習を行い、中国軍機が中台中間線を超え、台湾の防衛識別圏に侵入することは今日常態化している。

半導体分野でも、中国はバイデン政権による先端半導体の対中規制に対抗する目的で、半導体の材料となる希少金属ガリウムとゲルマニウムで輸出規制を開始した。今後は中国当局が具体的にどの程度厳しい規制を敷いてくるかがポイントになる。いずれにせよ、習政権は今日台湾と半導体という分野で米国への不満を募らせ、強硬な姿勢を堅持している。

習近平政権を脅かす1,600万人の「自宅警備員」

しかし、異例の3期目を務めている習国家主席にとって、最大の脅威は米国ではない。我々はどうしても習政権の対外政策ばかりに着目してしまうが、今日同政権の安定を最も脅かす要因は国内にある。

中国国家統計局が6月に発表した統計によると、16歳から24歳の若年層の失業率が21.3%に上り、5月の20.8%、4月の20.4%から上昇傾向にあることが分かった。これは日本と比較しても驚くほど高い。一方、最近北京大学のある副教授がネット上で公開したコメントでは、親に依存する自宅警備員の若者ら1,600万人あまりを含めたら、実際の失業率は46.5%に達する可能性があるとされるが、その後この投稿は中国当局によってすぐに削除された。

ここでは中国国家統計局の統計をもとに論じるにしても、極めて高い数字であることは変わらない。中国ではゼロコロナ政策が3年あまりにわたって厳重に取られ、市民は自由に外出できなくなり、企業は経済活動で大きな制限を受けた。それによって中国経済は大きなダメージを受けるようになり、近年中国の経済成長率は鈍化傾向にあり、習政権にとって経済の立て直しが喫緊の課題となっている。

習政権はバイデン政権との小競り合いを続ける一方、最近訪中したイーロン・マスクやビル・ゲイツら大物経営者たちを熱烈に歓迎した。習国家主席はビル・ゲイツと会談し、米中経済の重要性を共有した。習政権が米大物経営者らを歓迎するのは、中国から外資が撤退することへの恐れがある。

現在も欧米企業の間では中国依存を減らしていく動きが広がっているが、習政権は外資が次々に中国から撤退し、それによって国内経済の陰りを見せ始め、若年層の雇用問題がさらに悪化するだけでなく、その不満や怒りの矛先が自らに向かうことを恐れている。だから、イーロンマスクやビルゲイツらにさらなる投資を呼び掛けたのである。

被害者を“吊し上げ”の異常。いじめ重大事態を6年も放置した和歌山県海南市「村八分令」に怒りの告発

当サイトでもこれまで何度もお伝えしてきた、和歌山県海南市の殺人未遂いじめ放置事案。実質6年間、被害者の訴えを無視し続けてきた海南市教育委員会が重い腰を上げ第三者委員会を設置するに至りましたが、市議会だよりに掲載された「設置までの経緯」なる文章は呆れざるを得ないものでした。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、その画像を掲載するとともに「5つの異常」を指摘。さらに同市第三者委の今後に対する偽らざる心境を綴っています。

いじめ探偵が激怒。公式HPで殺人未遂いじめ被害者を恫喝した海南市

いい加減にしろよバカヤロー。

本音で言えば、そうなるだろう。

和歌山県海南市、報道機関によれば4年間のいじめ放置、実質6年間いじめ重大事態を放置した「海南市重大事態いじめ放置事件」。

本誌『伝説の探偵』がいち早く本件を報じ、その後、あまりに酷い内容に報道機関が驚き、後追い報道が続いた。

ある記者は、海南市の教育委員会の担当者があまりに幼稚な嘘を平気でつくのを目の当たりにして、法律を守るはずの行政がこんなにわかりやすい嘘をつくことに混乱したと話してくれた。

世間が気付き、報道機関が連続して報じ、市民からの声も大きくなり、抑えきれなくなって海南市教育委員会は一転して「第三者委員会を設置する」と言った。

これらに関係する記事は下記のとおりだ。

【関連】教員らの暴走、校長の嘘。いじめ被害者を迫害する小学校「異常対応」の証拠写真
【関連】用水路に落とされ死んだかもしれない。和歌山県海南市立小学校で起きた重大事態いじめ全貌
【関連】“殺人未遂いじめ”を6年間も放置。NHK報道を受けた和歌山県海南市の信じ難い公式コメント
【関連】もはや無法地帯。殺人未遂いじめ放置事件の和歌山県海南市が見せた“異次元”対応

さて、下記は、海南市の市議会だより「かいなん」(令和5年5月号、NO,73)に表記されたものである。

dt20230810-1

「第三者委員会の設置に至るまでの経緯は」という問いの答えがある。

本市小学校児童の保護者から、子どもが1年生の頃にいじめを受けているとの訴えがあり、学校や教育委員会では、当初の訴えをはじめ、2年生以降も保護者からのいじめの訴えがあるたびに公平・中立的な見地をもって、事実確認の調査を行うとともに、保護者には、訴えの事実を確認できなかった旨を説明したが納得いただけなかった。

 

そうした中、今般、このいじめの事案の報道があり、市民の方にもご心配おかけすることになったので、これ以上市民の方を混乱させないため、改めて当該いじめ事案に直接利害関係等を持たず、かつ公平性・中立性が確保された組織で、客観的な立場から事実関係を明確にすることを目的に第三者委員会を設置する。

とある。

第三者委員会を設置するにあたり、本件の放置には「海南市教育委員会」も当事者として関与している状態であり、その当事者が、恰も利害関係のない第三者のように、このコメントを市議会だよりに掲載している異常がまず1つ。

すでに文科省からも和歌山県教育委員会からも、海南市教育委員会の対応は、いじめ防止対策推進法から逸脱しており、誤りであったと指摘、指導されていながらも、口語に要約すれば、「自分(教委)たちはちゃんとやってんのに、親がクレーマーでさ」との口ぶりで公式な広報誌に載せてしまうという誤報という異常が2つ目。(ちゃんとやってないから指導されたんでしょ)

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

就職先を探して8年。複合的な障がいをもつ要支援者の死に思うこと

一定数以上の規模の事業主に課される障害者雇用義務。その意義を理解し、積極的に雇用しようとする企業も増えていますが、マッチングは簡単ではありません。複合的な障がいを抱えている人の場合はなおさらです。今回のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』では、生きづらさを抱えた人たちの支援に取り組み、「就労継続支援B型事業所」を運営する引地達也さんが、8年にわたり一緒に就職先探しを続けた当事者のケースを紹介。何度不採用となっても就職活動をやめようとはせず、苦手な掃除の仕事にも挑戦しようとしていた矢先に病で亡くなってしまった彼との交わりを振り返っています。

挑み続けた夢の中での突然の死

真夏の炎天下にスーツを着てネクタイを締めてさわやかな顔をして過ごすのはもはや修験道の苦行である。この8年間、就職を目指すある40代の男性当事者は季節限らず自分が出来そうな仕事があれば、応募書類を出し続け、書類が通れば面接を受け続けた。真夏でもスーツを着込み、同行する私も同じく正装し、2人で滝のような汗を流しながら面接に臨み、そして落選を続けた。

複合的な障がいがあるこの当事者は、障がい者雇用の枠組みの中でも企業側にはある程度配慮を要する必要がある方ではあったが、本人の就職の熱意は強かった。その思いに応える企業と、二人三脚で対応していこうとの思いを持って私もその二人三脚の相手を探すつもりで挑み続けた。

時には実習にこぎつけ仕事の現場で「お見合い」をするケースもあったが、結局コミュニケーションの問題などで1日か2日で挫折し、実習も貫徹できない経験を繰り返した。そして、もう少しハードルを下げて、就労を考えてみようと方針を変更した数日後、彼は帰らぬ人となった。

父親から示された死亡確認書に記載された死因は「脳内出血」。自宅で倒れ、病院に運ばれた後も意識は戻らず翌日、死亡が確認された。倒れてからほんの数日で彼は遺骨となって小さな箱に収まった。

一般企業への就労をひたすらに目指してきた中で、掃除が苦手なため清掃作業を伴う仕事を避け続けてきたところから、最近は掃除の実習もしてみてもよい発言が出てきていた。私の頭の中では丁寧にケアをしてくれる掃除の仕事を、これまでのつながりから思いをめぐらし、具体的なプロセスを描いていた最中で、そのイメージは消えないまま、彼が亡くなってからも、シミュレーションは止まらない。

障がい者雇用でも、企業の対応が難しい人の場合には必ず存在する本人の希望と社会とのギャップ。それをどう埋めればよいかを考え続けてきた私として、常に頭の中にあった彼をすぐに消し去ることも難しいのかもしれない。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

「ずっと赤字」のカフェが営業利益率40%に。お店が取り組んだことは?

コロナ禍の途中から始めたカフェ事業で、2年以上赤字が続いたお店が、単月ながら「営業利益率40%」を達成できた事例があるそうです。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、そもそもカフェという業態が大きく儲けにくい理由をわかりやすく解説。ノウハウがない中で売上と利益率を上げるために取り組んだことを細かく教えてくれます。

ずっと赤字だったカフェが営業利益率40%を達成できた理由

コロナ禍でオープンされたご支援先のカフェ店舗。これが辛い事にずっと赤字でした。自社でやろう!と動いた案件ではなく、依頼されて始めたのが経緯であり、かつカフェは初参入。

2年以上赤字となり今年の頭にも「もう流石に撤退だ!」となっていたのですが、それがまだ単月ではありますが営業利益率40%に到達。この辺りの流れを本日のメルマガにまとめてみましたので、意思決定や実行の参考になる事があれば幸いです。

お店の概要

  • 立地:駅徒歩3分
  • 客席:64席
  • 単価:1,200円~1,300円
  • 客層:30代女性

赤字だった時の取り組み

  • 足元商圏への毎月のポスティング
  • Googleの強化
  • 食べログの強化
  • SNSの強化

などなど、施策としてはやる事はやっていました。しかし、そもそも論な問題がありました。

ビジネスモデルが破綻していた理由

カフェは席回転率が悪いビジネスです。一見繁盛していて毎日満席でも、その滞在時間が2時間になると、売上はもちろんあまり行きません。64席が満席になったとしても、売上230万円=1,200円×64席×30日こんな感じになってしまいます。

そしてカフェの場合重要なのは、「人件費率」をどう組むか?です。こちらの場合は35%かかる状況でした。

  • 調理工数が多いので厨房スタッフが必要
  • フルサービスなので接客スタッフが必要

つまり、どこまで売上を上げても利益が出ない。ビジネスモデルが破綻していた理由です。

人件費率の圧縮も限界がある

  • 注文方法の変更
    スタバのような事前決済もしくはモバイルオーダー
  • 料理内容の変更
    仕込みレスにし、調理も工数が似たもののみ

これによって、変動費率で20~25%には抑えることができました。しかし、人件費率の圧縮は結局コストダウンの話。これで損益分岐点は確かに下がりましたが、利益がたくさん出るか?で見ると全く違う話。そこで決めた事があります。

どうやって売上自体を伸ばすのか

「カフェ営業で売上を伸ばしていきますか?」。そもそもゼロベースで考えるのはここでした。結論ここのご支援先では強化しない事に。

もちろん業態としてはあるのですが、

  • 貸切イベント
    法人系・ブライダル系
  • ケータリング
    法人特化
  • MICE
    提携の強化
  • 通常カフェ

通常カフェの優先順位は最も下げました。

  • カフェという業態力を活かす
  • 伸びている領域を伸ばす
  • 1日辺り売上最大化できるものを伸ばす

このように考えました。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

「いじめ」であっても例外なし。子どもを育てる“不親切教師”のススメ

教師の仕事とは何でしょう。生徒が困っているときに助けてあげるのはもちろん大切ですが、生徒たちが成長する機会を提供することも、先生の大事な仕事のひとつかもしれません。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教諭の松尾英明さんは、一見「親切」な行為は長い目で見ると子どもを不幸にするとし、不親切教師のススメについて語っています。

「不親切教師のススメ」をどう実践するか

教員の夏といえば、研修である。自分もこの数カ月、全国の様々な研修の場に何度も立たせていただいた。「不親切教師のススメ」や、クラス会議を含めた「自治的学級づくり」あたりのテーマ依頼が多い。

どの場でも「質問コーナー」で確実に出る質問がある。それは「どうやって周りの理解を得るか」である。あるいは「どうやって周囲と揃えるか」である。

多くの人にとって、この壁が高い。たとえ校長の立場だとしても、周囲の理解を得るのには容易ではない。せめて学年主任ぐらいの立場であれば、自分からやろうと言うことは何とかできる。しかし、新卒数年目や異動したてなどの立場では、なかなか言えたものではない。

そしてどの立場であっても「揃える」は必ず無理が生じる。なぜならば、違う人間が教える違う相手だからである。「全員Mサイズで統一」は必ず無理が生じる。

だからこそ、多様な実践が保障される自由度の高い教育現場であることが大切である。懇切丁寧な方がいいこともあれば、不親切な方がいいことも多々ある。

例えば『不親切教師のススメ https://www.amazon.co.jp/dp/4908983615』では「けんかを解決してあげない」という基本方針がある。自治を考える時、けんかのような対立状況は、最も深い学習のできる機会であると捉える。これを安易に奪わない。本人と相談して可能な限り、見守る姿勢をとるのである。

これがなかなかできない。同僚だけでなく保護者も含めた周りからのプレッシャーに耐えかねる。ベースには「けんかを解決してあげるのが先生の仕事」という常識がある。

ここが子どもが育たないポイントなのである。そういう一見「親切」な行為は、長い目で見て子どもを不幸にする。敢えて解決してあげないことは、一見不親切なようで、子どもの問題解決力や折り合いをつける力を大幅に高める。

「いじめ」であっても即座に介入して解決が正しいとは限らない。把握は絶対にした方がよい。相談にも乗った方がよい。まずいじめられている子どもを守るのが第一優先事項であることに疑いはない。

ただし同時に、本人に「どうしたい?どうして欲しい?」と尋ねることが必須である。「自分でやってみるから、見守っていて欲しい」と言ったら、自立への第一歩を踏み出しているといえる。自分には「安全・安心」の基地があると思えばこそ、外へ出て挑戦できるのである。自らが勇気を出していじめをはねのけたという経験は、子どもにとって一生ものの自信になる。

確かに、いじめがあるという事実は学級の問題であり、学校側の課題である。しかし人間関係の課題は、あくまでも子ども自身の課題である。子ども自身が解決できる方向に導くことが、学校としてあるべき課題解決の姿である。なぜならば、学校の存在意義は、子どもがよりよく成長することだからである。

つまり「いじめを解決する」は間違いなく大切なことなのだが、そのやり方である。大人が全て介入して解決してしまったのか、子ども同士のぶつかり合いの中で解決されたのか。両者は一見同じ「いじめが解決された」という様相を呈しているが、その意味や内実において正反対の結果をもたらす。