統一教会に特大ブーメラン。自らの身に訪れた霊感商法勧誘トークで使う「因果応報」の罰

過去7回に渡る文部科学省の質問権行使による調査に対して、回答拒否を繰り返してきた旧統一教会。東京地裁は26日、同教団に対して10万円の過料を命じる決定を出しました。これを高く評価するのは、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さん。多田さんはメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』で今回、教団側の主張をことごとく退けた東京地裁の決定を「解散命令への司法判断に近づく」と歓迎するとともに、高額献金の返済を求めるも「念書」の存在ゆえに教団に敗訴した、とある裁判の判決が見直される可能性が見えたという最高裁の動きを紹介しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

東京地裁の旧統一教会側への10過料の決定から思うこと

文科省庁は旧統一教会に対して行った7回にわたる質問権行使の一部について報告しなかったことに対して、東京地方裁判所は過料10万円の決定をしました。これにより、旧統一教会に初めて行政罰の決定がなされました。

1.東京地裁の旧統一教会側への過料の決定から思うこと

旧統一教会の田中富広会長に、過料10万円の司法団が出された件については、「旧統一教会側への過料10万円が決定 たかが10万、されど10万 解散命令の司法判断に向けた重要な一歩」に詳細を書いています。解散命令への司法判断に近づくような決定になったといえます。

旧統一教会側への過料10万円が決定 たかが10万、されど10万 解散命令の司法判断に向けた重要な一歩

東京地裁は過料の決定のなかで、旧統一教会への「報告徴収の手続について、違法の廉(かど)はうかがわれない」としており、教団側の主張であった「報告徴収自体が違法」や「報告を拒否したことは正当」などという主張はことごとく退けられたことになります。

さらに、22件の過去の教団の違法性を問う民事裁判にも言及しており、この民事裁判の1件の当事者である私としても、天網恢恢疎にして漏らさずの思いを強くしています。被害を生み出した悪質な行為は必ず報いを受けます。

それは、まさに教団が霊感商法などを行う上で勧誘トークで使う「因果応報」(悪い行いをすれば、自らに悪い報いがやってくるの意)が自らの身に訪れたことになった結果になっていると感じています。

2.法テラスの援助制度はすべての財産を奪われた被害者への救済への第一歩

3月19日より、法テラスにおいて、特定不法行為等に係る被害者の法律援助業務が開始されました。その内容は、解散命令請求等の原因となった不法行為等とされており、旧統一教会が指定宗教法人になっています。

施行当日に行われた司法記者クラブの会見で、阿部克臣弁護士は、その内容を次のように話します。

  1. 被害者の資力を問わずに援助すること
  2. 費用の償還・支払いを一定期間猶予すること
  3. 償還等を免除できる範囲を通常より拡大することとし、その範囲を具体的に想定する

「これにより、法テラスによる弁護士費用等の援助制度について、資力を問わずに誰でも広く利用できるようになります」とのことです。

全国統一教会被害対策弁護団の村越進団長も「本日(3/19)以降のご相談ご依頼につきましては、原則として全件に特例法を利用いたします」として「法テラスにおける通常の法律扶助では償還(お金を返す)が原則になりまして、償還免除というのは、生活保護の受給者などとかなり限定されていますが、今回の特例法では償還免除の範囲がかなり広くなっています。どのくらいの人が免除になるかは、ケースバイケースですけれども、最終的に負担を伴わないで救済を求められる方が相当の割合になると思っております」と画期的な援助がスタートすると話します。

木村壮弁護士は、具体的な事例として「例えば主婦の方ですごく献金してしまったあとでも、親族も、例えば夫とか家族もそのことを知って、お前にはお金を管理させられないと言われてしまう方が結構多いんです。そういう方は、家にはお金があってももう依頼するだけのお金を出してくれとかというのは言えないような状況にあります。そういう方についても最初に費用がかからないということは、非常に大きなことで、依頼する動機になるのではないか」とも話します。

昔の被害で返金が難しい可能性のあるものでも、まずは相談することをお勧めします。

この記事の著者・多田文明さんのメルマガ

「大谷翔平の嘘」と「水原一平の嘘」でさらに深まる疑惑。なぜ大谷サイドは被害届を「出せない」のか?広がる憶測と送金の謎

弊サイトでも既報のとおり、記者団を前に発表した声明で、専属通訳を務めていた水原一平氏39)が「僕の口座からお金を盗み、なおかつまわりの皆に嘘をついていた」としたドジャースの大谷翔平選手29)。その席上、大谷の口座に許可なくアクセスしてブックメーカーに送金した水原氏について、弁護士から「窃盗と詐欺で警察当局に引き渡すとの報告を受けたとも語った。

【関連】大谷翔平、声明発表も「限りなく黒に近い灰色」印象払拭できず。「普通400万ドルも送金されたら気づくだろ?」アメリカで“疑惑”がくすぶり続けるワケ

「しかしどうも様子がおかしいんです」

と話すのは、この騒動を勃発時から追っている40代の男性ネットメディア編集デスク

「僕の口座からお金を盗んだ」。大谷は「嘘」をついたのか

「アメリカのスポーツ専門局『ESPN』のサイトに27日に掲載された記事で、窃盗の疑惑を調査する可能性がある複数の機関へ同局が“大谷サイドから被害届が出ているか”を問い合わせたというのですが、確認できなかったと記されているんです」

つまり現時点では、被害届が提出されていないということになるのだろうか。ネットメディア編集デスクによれば、大谷サイドがどの捜査機関に被害報告を行ったかについてもコメントを避けている、と同記事は伝えているという。

なぜ大谷は水原氏を速やかに告発しないのか。長年の盟友を「懲役20年」に追い込まないための優しさからなのか。

【関連】大谷翔平vs水原一平、最長「懲役20年」の衝撃。メジャー永久追放もかかる崖ぷっち法廷闘争で“存立危機”のMLBオンライン賭博

しかし、当然ながら大谷サイドの「玉虫色」とも取れる回答に海外メディアが納得するはずもなく、その対応に疑問を呈する上掲のESPNの記事が読まれているのもその証拠だ。

ネットメディア編集デスクは、「出さないのではなく、出せないのでは?という指摘もあります」と言う。

「被害届を出すということは、『水原さんはどのような手口で大谷選手の口座から、独力で複数回に渡って送金したのか』という“最大の謎”に関して詳らかに説明することが求められるということです。これに関して、やはり大谷選手に“明らかにできない何か”があるのではないか、という憶測が囁かれています」

となると、大谷の「僕の口座からお金を盗んだ」という主張に嘘があった、ということになってしまうのだろうか。

水原氏がインタビューでついていた「嘘」

一方の水原氏だが、違法賭博に関わったことをこちらの記事で認めていることは既報のとおりだ。同記事で彼は「賭けたのは野球以外のスポーツ」で「野球に賭けたことはない」としているが、作家で米国在住の冷泉彰彦氏(64)が自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の最新記事で指摘しているように、MLBが認めてきた合法オンラインのスポーツベッティングを巡る不正関与があったか否かが、今騒動の最大の焦点になっている。

この件に関しては今のところ“真偽不明”としか言えず、今後のアメリカ国土安全保障省や同国国税庁による捜査の展開を待つしかない。しかし水原氏は、博打に関して「重大な嘘」をついていたという指摘もある。医療に関する書籍の出版経験もある50代の男性ライターはこのように話す。

「水原さんはESPNの記事で『(ギャンブルで)一度も勝ったことがない』と語っていますが、ありえない話ですよね。どんな博打であっても“負け続ける”のは、逆に確率的にも不可能です」

確かに、ポーカーや麻雀、競馬にパチンコを例に挙げるまでもなく、“勝率”が0%というギャンブルは存在しない。もしも一度も勝ったことがないプレイヤーがいたとしたら、そのプレイヤーは逆の意味で“天賦の才”があると言えそうだ。

話を水原氏に戻そう。男性ライターはギャンブル依存症に陥るメカニズムをこのように語る。

「ギャンブル依存症を簡単に説明しますと、賭け事に勝って賞金等を手にした際に、脳内報酬系という部位が反応してドーパミンという快楽物質が放出されます。これが快感や興奮をもたらすわけですが、その興奮を求めてギャンブルの回数や掛け金が増えていきます。一方で、脳内では衝動的な行動を抑制するセロトニンが減少すると言われており、まさに抑えが効かない状況になるとされます。こうして人は依存状態に陥るわけですが、そのような意味では“一度も勝ったことがない人”がギャンブル依存症になるということはありえないはずです」

つまりは水原氏は「一度も勝ったことがない」と嘘をついていたことになってしまう。

大谷と水原氏が開けてしまったとんでもない「パンドラの箱」

渦中の大谷、水原氏がついていた可能性のある「嘘」。そんな2人は銀行送金システムの脆弱性、MLBオンライン博打の闇、そしてスター選手の不祥事隠蔽工作疑惑といった、とんでもない「パンドラの箱」を開けてしまったのかもしれない。

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元国税が本音で語る「新NISA」のお得度と危険度。森永卓郎氏の警告を個人投資家はどう受け止めるべき?

2024年1月からスタートした新NISA。昨年までの旧制度から大きく変わったその「お得度」がメディアでも盛んに報じられていますが、一方で「危険性」を指摘する声が上がっているのも事実です。識者はこの新NISAをどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では元国税調査官で作家の大村さんが、新制度の特徴やメリット等を詳細に解説。個人投資家が新NISAを賢く使うコツをレクチャーしています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:新NISAは辞めた方がいいのか?

「いいことずくめ」の新NISAに落とし穴が?

今年から新NISAが始まりましたね。この新NISAは、国や金融機関がけたたましく喧伝する一方で、「新NISAは危ない」というような言説もチラホラ見かけます。本当のところはどうなのでしょうか?今回はこのような説の真偽を考えてみたいと思います。

そもそもNISAというのは年間120万円までの投資であれば、そこから得た値上がり益や配当金(分配金)は非課税になる、という制度でした。

従来のNISAは、年間120万円ずつ投資の枠がもらえ、これを5年間続けることができました。だから最大枠が600万円となります。つまり最大600万円までの投資について、そこから得た値上がり益や配当金(分配金)は非課税になっていたわけです。

このNISAが、今年から大幅にリニューアルされたのです。年間120万円までだった投資枠が360万円まで拡大され、生涯で総額600万円までだった投資の枠が1,800万円まで増えました。一挙に3倍に増えたわけです。しかも、5年間だった非課税期間は無期限になりました。

ですが、いいことずくめのように見えるこの新NISAに関して、「新NISAは損をする。国に騙されるな」というような説が一部では言われているのです。

森永卓郎氏の“警告”をどう解釈するか

経済評論家の森永卓郎氏や荻原博子氏なども、「新NISAをしてはいけない」というようなことを言っておられます。

筆者は、経済評論家としての森永卓郎氏を敬愛しておりますし、彼の言説を大いに参考にしている面もあります。

もちろん、彼の主張すべてに賛同するというわけではありません。

で、この「新NISAはしない方がいい」という説については、少し言い過ぎというか、言葉足らずの点があると思われます。

森永卓郎氏が「新NISAをしない方がいい」と言っている理由をざっくり言うと「今後株価が下がるから」ということです。

「新NISA」には「つみたてNISA」という制度があります。この「つみたてNISA」は、年間120万円まで政府が指定した金融商品に投資できる、という制度です。

このつみたてNISAの対象になっている金融商品のほとんどが、今後、世界経済や日本経済が順当に成長したときに儲けがでる商品となっています。逆に言えば、世界経済や日本経済が大きく失速したような場合は大損になることもあるのです。

そして森永卓郎氏は、「現在の世界の株価はバブルの状態になっており、必ず遠くないうちにバブルが崩壊する」と述べられています。

だから森永卓郎氏は、「新NISAはしてはならない」と言われているわけです。確かに、これまでのところはその通りです。

この記事の著者・大村大次郎さんのメルマガ

『北の国から ’87初恋』でも見せた存在感。孤高の俳優が若き新聞記者の心に残した痛烈な一言

『北の国から ’87初恋』や『Dr.コトー診療所』をはじめ数々の名作ドラマで重要な役どころを演じ、3月20日に94歳で鬼籍に入った坂本長利さん。「名優」として名の挙がる坂本さんは、一人芝居『土佐源氏』をライフワークとし、1967年から実に55年もの間、国内のみならず海外でも演じ続けたことでも知られています。そんな坂本さんとの交流を振り返っているのは、要支援者への学びの場を提供する「みんなの大学校」学長の引地達也さん。引地さんはメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で今回、自身が新聞記者時代に坂本さんを追うようになたきっかけと、『土佐源氏』公演前の楽屋で坂本さんからかけられた今も忘れられない言葉を紹介しています。

本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

一人芝居『土佐源氏』の坂本長利さんが導いた「道」

俳優、坂本長利さんが亡くなった。

人の深奥を表現しようと探究する役者の「魂」に触れた日々は今も忘れられない。

「何も分かっていないよ」と若い私を諭した声音は心に響き続けている。

テレビドラマ『Dr.コトー診療所』『北の国から』の出演で存在感のある役柄で知られる坂本さんだが、小劇場運動の先駆けとして活動した舞台俳優として師と仰ぐ人も少なくない。

馴染みやすい風貌とどことない「孤高の人」の雰囲気を兼ね備えた役者は私にとっても師であり続けた。

1967年初演の一人芝居『土佐源氏』は海外を含め1,223回の上演を重ね、呼ばれたらどこへでも出向く出前芝居もライフワークであり、地方でのファンも多い。

私は民俗学者の宮本常一の軌跡を追っていた頃、宮本氏の名著『土佐源氏』の取材で坂本さんの芝居に出会った。

高知県梼原村(現梼原町)の目の見えない元博労の「乞食」の一人語りを宮本氏が聞き書きした作品に、坂本さんが「ここには人間がいる」と感じ入り、自身が脚本に書き起こした芝居である。

「お前もよっぽど、酔狂ものじゃのう。乞食の話を聞きにくるとはのう」。

薄暗い舞台は蝋燭だけが灯され、遠くから聞こえる御詠歌と鈴の音。むしろをまとった乞食がおぼつかない足取りで舞台のそでから現れ、一人語りが始まる。

私が20代半ばの頃、新聞記者という仕事にちょっとした違和感を覚えていた時期。

事件取材や行政取材で然るべき人に話を聞くことが優先された日々、「普通の言葉」に飢えていた無垢か無知の瀬戸際にいた私に、声なき声を書き続けた民俗学者、宮本常一はあるべき道を示してくれた。

集落から集落を旅し、人々の暮らし、生業、考えを聞きつづった「旅する巨人」は憧れともなり、宮本氏は当時亡くなっていたが、存命だったご家族に会い、身近に宮本氏を感じ、そして膨大な著書の中でも人を描いた代表作である『土佐源氏』は、人が生きることの根本を問いかけてきた。

宮本氏の足跡を追っていた私は、それを芝居で表現しようとする坂本さんと出会い、一人芝居を続ける坂本さんを追うようになった。

一人芝居の場に赴き、楽屋で話をし、舞台を見て、そして芝居後にも交流し、時には当時、坂本さんが住んでいた原宿でもお茶をしながら、孤高の役者の言葉を拾っていった。

土佐源氏の冒頭のセリフは、坂本さんが私に直接問いかけてくるような気がしてならなかった。

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

睡眠の質と「睡眠時無呼吸」が認知能力に影響する可能性。アメリカ大規模調査の研究結果

睡眠と健康の関係はさまざま指摘されていますが、中でも脳の健康状態とは深い相関関係があるのかもしれません。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、5つのグループ約6千人を対象としたアメリカでの大規模な研究を紹介。睡眠中の覚醒時間や睡眠時無呼吸が認知能力に影響を与えている可能性を伝えています。

眠りの質、閉塞型睡眠時無呼吸と認知能力

◎要約:『睡眠中の覚醒や無呼吸が多いことと認知能力の低下は関連している可能性がある』

特に中年期以降の不眠(睡眠の質や時間短縮・変動)が認知能力低下と関連することが指摘されてきました。今回は、家庭における睡眠モニターによって確認される覚醒や無呼吸と認知能力がどのように関連しているのを大規模な集団で調べた研究をご紹介します。

眠りの質、閉塞型睡眠時無呼吸と認知能力
Sleep Architecture, Obstructive Sleep Apnea, and Cognitive Function in Adults

一般地域の5つの集団からなる5,946人(58~89歳、31.5%女性)が対象となりました。循環器疾患や骨粗鬆症の状態等、他の状態像を揃え、眠りの状態による認知能力への影響を5年の経過で調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

  • 睡眠モニターで記録された睡眠中の覚醒時間は44~101分で、中度以上の睡眠時無呼吸は16.9~28.9%でした。
  • 睡眠が長時間維持できること、睡眠時無呼吸が少ないことが、認知能力の保持と関連していました。
  • 睡眠相の違いは、認知能力と関連を示していませんでした。

長期にわたる睡眠の質の変化が、認知能力に影響を与えている可能性を感じる内容でした。

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指にとまった赤トンボ。都立小山台高校野球部が「大輔のために」力を振り絞った理由

ある事故でチームメンバーを失ってしまった東京都立小山台高校野球部。今回、メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、同校野球部監督の福嶋正信さんがその当時の悲しみと、その後に起きた感動のエピソードを紹介しています。

感動秘話「エブリ デイ マイ ラスト」福嶋正信(東京都立小山台高等学校野球部監督)

忘れもしない、あの事故が起こったのは、私が野球班(部)監督として東京都立小山台高校に赴任し、2年ほど経った2006年6月3日のことでした。

「福嶋先生、夏の大会も1か月に迫ったので新しいバットを買いに行きたいのですが、大輔も連れていっていいですか?」。

市川大輔は、当時2年生唯一のレギュラー。

派手さはないけれど、何事にもコツコツと一所懸命に取り組む、誰からも信頼される選手でした。

私は、「いいぞ、大輔も先輩といっしょに行ってこいよ」と、練習が終わった後に、子供たちを近くのスポーツ店に送り出したのです。

しかし、それが大輔との今生の別れになるとは、夢にも思いませんでした。

皆で購入したバットを手に帰宅の途に就いた大輔は、自宅マンションに設置されていたシンドラー社製のエレベーターに挟まれる事故に遭い、帰らぬ人となったのです。

大輔は手にバットを握り締めたまま亡くなっていたといいます。

あの時、大輔を買いに行かせなかったなら……。

事故後、私も生徒たちも、大輔のことが悔しくて、悲しくて、大粒の涙が止めどなく溢れ、練習することさえままなりませんでした。

そんな私たちに、再び前を向いて一歩を踏み出す力を与えてくれたのが、大輔のお母さんから届いた、

「皆さん、悲しい顔で練習をしていたら大輔が泣きます。だから笑顔で練習してくださいね」

というお手紙。

そして大輔が野球日誌に書き残した次のような言葉の数々でした。

「当たり前のことを当たり前にやる。でもそれが難しい」

「一分一秒を悔いのないように生きる。精いっぱい生きる」

「エブリ デイ マイ ラスト」。

泣いていてはいけない、大輔のためにも笑顔でプレーしよう、毎日を精いっぱい生き、絶対に甲子園にいこう──。

期待するだけ無駄?「提案してこない店長」は何ができていないのか?

店長からの提案がない、出てきても使えない…そんな悩みを持つ現場の方々は多いかもしれませんね。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、支援先の例を出して「店長への期待はしないほうがいい」とまで言い切っています。

店長からの提案を期待してはならない!

「店長からの提案がないんです。もっと色々と提案して欲しいんだけど・・。それに、仮に提案があったとしても、全く使えないものばかり・・だから、結局、こちらから指示をだしてしまう。なのに、『やらされることが多い』とか言われる。どうしたらいいんや!って感じです」

こんな話は、多くのご支援先やセミナーに参加される社長さんからよく耳にする話です。主体的に取り組んで欲しいから、どんどん任せる範囲を増やしたり、提案を待っているという社長さん、幹部さんは多いはず。

しかし、社員さんに提案を「期待」してはいけません!

店長さんや社員さんには、提案したい気持ちは少しばかりはあるはずです。

しかしながら、「どうやって考えればいいのか分からない」「何を考えていいか分からない」のです。なので、結局のところ、「何もしない」という選択をとっているのです。

つまり、「何も提案しない」ではなく、「何を、どう考えていいか分からない」から提案できないのです。また、何か提案があっても、トンチンカンなものになってしまうのは、「どう考えていいか分からない」からなのです。

なので、会社としてやるべきことは、社員さんに対して「何を考えるのか」、そして、「どう考えるのか」を教えること、また、社内で共有することが重要なのです。

例えば、「提案してくれない」という話でよくあるのが、商品開発についてです。

店で、定期的に商品を開発しているところでは、定期的に商品開発会議を実施しているところが多いかと思います。ただし、社員さんから出てくる商品で、実際にお客様に出せる商品は、ほとんど提案されないということは、結構多いのではないでしょうか?

以前、私のご支援先でも、イタリアン居酒屋の「月のおすすめ商品」を考えるよう社員に指示をだしたところ、提案された商品が、なんと「生姜焼き」。「生姜焼き」をベースに何かヒネリがあるのかと思ったのですが、純粋に「生姜焼き」ということで、腰がぬけるほどビックリしたこともありました。

このようなことは、多くの会社で起きることで、こんな状態だから商品開発を社員さんにやらせても意味がないと仰る社長さんもいらっしゃいます。

会社から現場までの「移動時間」は、すべて「労働時間」とみなされるのか?

移動時間が労働時間となる場合、ならない場合の違い、これはどこにあるのでしょうか? 無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社会保険労務士の飯田弘和さんは、移動時間以外にも問題になりやすい待機時間と休憩時間についても語っています。

移動時間は労働時間となるか?

建設業などでよくみられる、“朝、会社に集合して社用車に乗り合いで現場に向かう”ような場合、会社から現場までの移動時間は労働時間に該当するのでしょうか。

労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間とされています。そのため、次のような場合は、会社と現場との移動時間は労働時間となります。

  • 社用車での乗り合いで現場に向かうことが指示されている場合。
  • 会社に集合して資材の積み込みを行うことや、現場から会社に戻った後に道具清掃や資材整理を行うことが指示されている場合。
  • 移動の車内に使用者や上司も同乗し、車内で打ち合わせが行われる場合。

一方、社用車の乗り合いであっても、直行直帰が自由であり、労働者間で任意に集合時刻や運転者を決めて社用車に乗り合って移動する場合などは、その移動時間は労働時間に該当しません。

一般的には、移動時間であっても、移動中の業務指示を受けず、事務に従事することもなく、移動手段の指示も受けず、自由な利用が保証されている場合には、労働時間に当たらないとされます。

逆に言うと、移動中に業務の指示を受けたり、移動手段の指示を受けたり、あるいは移動時間中の自由な利用が保証されていなければ、その移動時間は労働時間と解される可能性があります。

また、待機時間(手待ち時間)についても、“使用者の指示があったら、すぐに対応しなければならない状態で、労働から離れることが保証されていない時間”は労働時間とされます。

待機時間か休憩時間かで、労使で揉めることがよくあります。

休憩時間とは、“労働者が、権利として労働から離れることを保証されている時間”です。待機時間であれば、その時間は労働時間であり賃金が発生します。休憩時間であれば、その時間は労働時間ではないので賃金は発生しません。待機時間と休憩時間の違いについて、よく理解しておくことが重要です。

ただ、自宅での待機については、“緊急対応の頻度が少なく、自宅待機中に食事や入浴などの日常的な活動や外出が特段規制されていない場合”は、実質的には使用者の指揮命令下にあるとまでは言えず、労働時間には該当しないと考えられています。

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目先の「カネ」だけに奔走した大きなツケ。若手教員の高離職率は「働くことの真理」を失った時代の象徴か

メディアでたびたび報じられている、深刻な教員不足がもたらすさまざまな問題。そんな中にあって、将来を嘱望される若手教員たちが続々と現場を去っているという事実をご存知でしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では健康社会学者の河合さんが、その原因と若い人材の離職を少しでも減らすための方策を考察。かつて現場のベテラン教師から直接聞いたという言葉を「ヒント」として誌上で紹介しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

若手が辞める理由とは?

若手教員の離職率に歯止めがかからない状況が続いています。

21年度中に離職した教員数は公立小学校で1万4,973人、中学校で8,448人、高校は5,580人。このうち精神疾患を理由に離職したのは小学校571人、中学校277人、高校105人で、09年度の1.6倍にのぼりました。

また、東京都教育委員会が2022年度に採用した新人教諭2,429人のうち、108人が年度末までに退職し、離職率は4.4%で過去10年間で最も高かったこともわかっています。

そこで東京都教育委員会は「ただでさえ教員不足なのに!なんとかしなきゃ!」と、若手との接し方をガイドブックにまとめ、公表しました(タイトル『若手教員5280人の声と専門家の視点から読み解く職場作り――教職員のためのコミュニケーションガイドブック』)。

若い世代とのコミュニケーションに悩む昭和おじさん・おばさんは、ありとあらゆる企業にいますが、子供にコミュニケーションを学ばせる立場の教師に、“ガイドブック“が必要な時代になってしまったとは。切ないやら、情けないやら。ガイドブックはないよりあったほうがいいとは思いますし、件のガイドブックでは若手教員にアンケート調査を実施するなど、現場の声を生かす側面もあるので、とても意義のある冊子に仕上がっています。

しかし、問題は本当に“そこ“なのでしょうか? もっと根深い問題があるのではないでしょうか。

例えば、今の若者たちの多くは「一人っ子」です。1970年代前後から30年以上、きょうだいの数は2.2人前後で安定していましたが、2005年に2.09人に減少し、2010年には1.96人と2人を割り込みました。

そこに「子供の個性を伸ばせ!」だの、「褒めて育てろ!」だのといった英才教育本が普及し、親たちの「子への期待」は過熱します。親も格差拡大を肌で感じているので、余計に「子供に苦労させないようにしなきゃ!」と英才教育熱は拡大しました。

その結果、昭和時代はお父さんの指定席だった家庭の主役を子供が取って代わり、親からチヤホヤされて育ったのが、今の「平成の若者」たちです。

しかし、当然ながら会社には、チヤホヤする人もいなけりゃ、上司は部下に嫌われるのを恐れて必要以上に関わらない。父親のように見守ってくれた「油を売るおじさん」も、慰めてくれる“夜の看護師”も消えました。

夜の看護師とは“ママさん”のこと。昭和の会社員は行きつけのバーやスナックで、“戦場で傷ついた羽”を人生経験豊富なママさんに癒やしてもらいましたが、今は仕事帰りに一杯やるカネもなければ、「それでいいのよ」と励ましてくれるママさんもいません。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

小林よしのり氏が読み解く『ドラゴンボール』の秘密。戦闘漫画に潜む無意識と「鳥山明の戦争論」

漫画家・鳥山明氏の死去からもうすぐ1カ月。本記事では、「週刊少年ジャンプ」での連載経験もある人気漫画家の小林よしのり氏が、同時代を駆け抜けた同業者として、また希代の“漫画読み”として、鳥山氏の代表作『ドラゴンボール』を批評する。ジャンプ特有のインフレバトルが個人的には嫌いだったという小林氏が確信するに至った、孫悟空と“戦闘漫画”の本質とは?(メルマガ『小林よしのりライジング』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題「ゴーマニズム宣言・第527回『鳥山明の戦闘漫画に敬意を表する』」

同業者として鳥山明氏を追悼する

急逝した鳥山明に「国民栄誉賞」をという声が上がっている。

国民栄誉賞なんて時の政権があげたい人にあげる賞でしかなく、基準もほとんどないに等しいから、あげたきゃ勝手にやればいいと思う。とはいえこの現象自体は、とても興味深く感じる。

鳥山明が「週刊少年ジャンプ」で『Dr.スランプ』の連載を始めて、たちまち大ヒットとなったのは昭和55年(1980)のことだ。

わしはその前年にジャンプを出て、『Dr.スランプ』のスタートとほぼ同時期に「ヤングジャンプ」で『東大快進撃』の連載を開始しているので、鳥山明とはジャンプでは完全にすれ違いで、ただ作品を見て「ものすごく絵の上手いやつが現れたなあ」と思っていた。

その後、鳥山明は連載が『ドラゴンボール』に代わってさらなる大ヒットとなり、ゲーム『ドラゴンクエスト』のキャラデザインでも人気を博したということはもう説明の必要もないが、鳥山は郷里の愛知県から出なかったこともあって、ジャンプ関連のイベントなどでもわしと顔を合わせる機会は一度もなかった。

そんなわけで、一面識もないので個人的な人物評などは書けないが、同業の漫画家として見た作品評を書いて、追悼としたい。

『Dr.スランプ』と『ドラゴンボール』の決定的違い

今回、鳥山明の死を惜しむ声が世界中から届いている。

鳥山明が全世界で大人気となり、「レジェンド」となったのは『ドラゴンボール』があったからこそであり、『Dr.スランプ』だけでは、ここまで世界に広がることはなかったのは間違いない。

『Dr.スランプ』は、とにかく平和な漫画だった。

それに対して『ドラゴンボール』は徹底的な戦闘漫画である。 戦闘に次ぐ戦闘で、戦闘のエスカレーションを起こしていく、ジャンプ特有の漫画だった。

初期の『ドラゴンボール』は、『Dr.スランプ』のカラーも残した冒険ファンタジー漫画で、戦闘の要素はそれほど前面に押し出されてはいなかった。

ところがそれで人気が伸び悩んだため、路線を変更して徹底した戦闘漫画にしたら、たちまち人気が大爆発して、ついには世界的な「レジェンド」にまでなったのだ。

戦闘漫画にしたら、必ず人気が上がる。 世界中の人々が、戦闘が大好きなのである。

沖縄の平和ガイド女性が嘆いた『ドラゴンボール』の好戦性

かつて『沖縄論』の取材で、沖縄戦の際に住民が避難し、集団自決の悲劇も起きたガマ(洞窟)を現地の「平和ガイド」の年配女性に案内してもらったことがある。

ガイドさんは沖縄戦や戦後の沖縄の苦難の歴史を切々と語っていたが、その後、話は現在の反基地運動へと移っていった。

当時、嘉手納基地周辺では米軍のパラシュート降下訓練が行われていて、これの中止を求める運動が行われていたが、そのことを話したところで、ガイドさんの表情が曇った。

つい先日、ガイドさんが家に帰ったら孫がテレビでアニメ番組を見ていて、そこでは大空からパラシュートでカッコよく人が舞い降りてきて、派手な戦闘シーンを繰り広げていたという。

そして、そのシーンを孫が目をらんらんと輝かせて見ている様子に、ガイドさんは衝撃を受けたという。自分が日頃から家でも戦争の悲惨さを訴え、パラシュート降下訓練に反対していることも話してきたのに、それは一体なんだったのか、孫に全く伝わっていないじゃないかと、驚愕したというのだ。

そして、その時に孫が見ていたのが『ドラゴンボール』という番組だったと、ガイドさんは憤然として言ったのである。

「みんな結局、戦闘が大好き」という事実

わしはそれを聞いて、漫画に対してそんなことを言うなんてバカくさいと思ったのだが、確かに徹底的な反戦平和主義に立てば、『ドラゴンボール』もキャンセルしろと主張するしかないことになる。

だがいくらそんなことを言ったところで、その声は決して広がることはない。むしろ冷笑されるだけだろう。みんな結局、戦闘が大好きなのだ。

徹底的に反戦平和を否定する戦闘漫画だったからこそ、みんな『ドラゴンボール』が大好きだったのであって、平和な雰囲気も漂っていた初期の『ドラゴンボール』は好きではなかったのだ。

ところが、誰もそのことは絶対に言わずに鳥山明を称えているのだから、それは欺瞞だというしかない。