家の劣化を「どうせ直すから」と後回しにするとやってくるツケ

年末のバタバタモードを迎える前に立てておきたいのが大掃除の計画ですが、普段はなかなか手の回らない箇所の汚れを落とす際に、「ご自宅のメンテ」も一緒に済ませてしまうというのはいかがでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、そんな「家のメンテ箇所発見の手引」を記してくださっています。

ついでに見直し

さて、本日は重大欠陥を見つけるお話。

もう11月も中旬ですね。そろそろ12月が見えてきて、年末モードになってきますよね。

12月の家事と言えば

  • 大掃除!

ですよね。さすがにまだ始める人はいないと思いますが、そろそろザックリした計画くらいは立てておいてもいいかもしれません。

我が家の場合、どうやっても12月の出張が終わってからじゃないとヤル気にならないんですよね。でも、そこから計画を立てていては他のところにしわ寄せが行くので、今のうちに♪

さて、その大掃除ですが、ついでにやるとヨイのが

  • 家のメンテ箇所

です。家も、だーんだんと経年劣化していくわけですが、家はココが痛いとか言いませんから、人間が気がついてあげなくちゃいけないわけです。

この経年劣化は、毎日少しずつ進行するものなので、住んでいる人は却って気がつきにくいものです。毎日会っている家族が気がつかないのにたまに会う親族が老化に気づきやすいのと、オンナジですね( ̄∇ ̄) ヤだわ。

そして、早めに手を打てば

  • 軽症で済む

んです。どうせいつか直すんだから、ギリギリまで待って一気に…とかいうのは、余計にお金がかかちゃうし、家が長持ちしないんですよね。

なので、大掃除のついでに

  • ヘンだなあ?

と思うところがあったら、早めに対処しましょう。慣れてしまっていると、ヘンだなあと思いにくいものですが、たとえば

  • 水の流れが悪い
  • ヒビが入っている
  • 大きな音が出る
  • ドアや扉が閉まらない
  • イヤな匂いがする
  • スキマがある
  • 割れている剥がれている

などです。場所にも依るのでしょうが、重大なトラブルに発展してしまうこともあるようです。家の中だけでなく外回りも大掃除の予定に組み込んでおいて、是非一度家全体を見回り、ヘンだなと思う部分があれば、業者に相談してみた方がいいかもしれません。

ちなみに我が家。横浜に住んでいたころですが、大掃除をしていたときに室内の壁面に

  • クロスの裂け

を発見しました(*゚Д゚) 驚いて業者に見てもらったところ壁面自体に問題はなく、表面に張ってあるクロスだけだったことが分かり、事なきを得ました。クロスの裂けは、重大なトラブルであることもあるそうで、発見が早くて良かったと思っています。

まあ、これくらいと思っているうちにオオゴトになりかねない家の経年劣化。大掃除のついでに不審なところがないかチェックしてみてくださいね。

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鍼灸師が教える。体力低下で長引く鼻やのどの風邪症状への対処法

子どもは風邪や寒さへの対処方法をカラダがあまり経験していないため、やみくもに全身で発熱し抵抗するそうです。そういったことを繰り返すうちに、上手な風邪をひけるようになると、局部的な炎症症状で風邪に対応できるようになると教えてくれるのは、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生です。反対に局部的な炎症で治らないときにはどうしたらいいのか、その対処法も伝えています。

風邪の効用

【寒くなれば風邪をひきやすくなる】

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳や発熱など、風邪の症状は多岐にわたります。もちろん感染症としての風邪をひいた場合、症状は感染源に関わりのあるものを発症するわけです。

そもそも風邪をひいて症状を発症するのは、命を守るため。感染源が人の命を侵すから、カラダは全力で炎症症状をカラダのあちこちでひきおこして、感染源の排除とカラダの回復をうながすわけです。

また、カラダは寒さを感じるだけでも、感染症とは関係のない風邪をひきます。じつは「寒さ」というのも「人の命を脅かす」ストレスになります。

この「命」に負荷をかける寒さに対しても、カラダは当たり前のように風邪症状をひきおこして、「寒さ」を排除して、カラダの回復と抵抗力を身につける仕度を、風邪症状を経過することで獲得するというわけです。

【発熱と炎症】

目のかゆみや鼻づまり、のどの痛みなど、局部的な炎症症状がおこるのは、風邪を上手にひいてきた証拠です。子どもの頃は寒さに体がさらされると、全身で発熱します。

これは風邪をひいたことのないカラダが、あり余る体力を用いて手っ取り早く全身で炎症をおこして、やみくもに寒さに抵抗しているわけです。

こうした「子どもの風邪」を上手にひき続けることで、大人になってから局部的に寒さにさらされている鼻やのどなどの「部分的な風邪」ですませることができるようになります。

【長引く炎症は体力の消耗】

上手な風邪もあれば、ヘタな風邪もあります。疲れや体力の消耗のあるカラダでは、全身で発熱する元気がありません。目鼻やのどでの局部的な炎症症状が長引きそうだと、元気なカラダは全身の発熱をおこして、末端の風邪の始末だけでなく、全身の抵抗力を高めます。

体力がない下手な風邪をひいているといつまでも「小手先」の末端の炎症症状を続けるにとどまります。目鼻やのどの風邪が長引くなぁと感じたら、抵抗する元気を回復するためにしっかり睡眠時間を取るようにしましょう。

カラダを十分温めながら寝ることで、炎症=局部の発熱を助けることもできます。冬場の風邪をサッサと済ませるには、温かくサッサと寝るに限りますね。

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国際交渉人が解説。マクロン大統領「NATOは脳死状態」発言の意味

フランスのマクロン大統領がNATO(北大西洋条約機構)の現状について、「脳死状態に陥っている」と発言し波紋を呼んでいますが、欧州でいま何が起こっているのでしょうか?メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で国際交渉人の島田久仁彦さんが、アメリカ、Brexit、トルコが絡んだNATOやEUを取り巻く現状を解説。12月初めにロンドンで開催されるNATO首脳会議が今後の国際秩序を見る上で非常に重要であると指摘しています。

欧州の漂流~フランスの賭け~Brexitとトルコの揺さぶり

NATOは脳死状態に陥っている」というフランス・マクロン大統領の発言は、大西洋の両岸で大きな波紋を呼びました。

この発言の裏にあるのは、フランスが感じる様々なジレンマだと思われます。いつまでも結論が出ないBrexit、第2次世界大戦後、欧州の雄としての地位を失い、その地位をドイツに奪われたという認識、ドゴール大統領が掲げた『欧州はフランスが統合する』というグランドデザインと現実のはざま、アメリカ・トランプ政権の欧州への無関心と威嚇など、そのジレンマの理由を数え上げればきりがありませんが、欧州はまた大きな存続の危機に直面しています。

第2次世界大戦後、戦禍の傷跡が深く、その復興に時間と資金が必要だった欧州各国でしたが、その窮地に手を差し伸べ、マーシャルプランなどを通じて、欧州復興に貢献したのは、間違いなくアメリカ合衆国でした。ゆえに、これまでGrand Allianceと言われた米英の特別な繋がりに加え、フランスもドイツも、20世紀のリーダーとなったアメリカとは密接な友好関係を継続してきました。

その図式に歪みが出たのが、2001年の同時多発テロを受けたアフガニスタン攻撃とイラクのサダム・フセイン政権打倒後の対応です。米英のGrand Allianceは変わりなく強固なままでしたが、フランスとドイツは、次第に“健全な”距離をアメリカと取り、緊張感をもった関係を続けるようになってきました。

独仏の“アメリカ離れ”が加速したのは、トランプ政権の誕生後です。トランプ大統領は欧州各国に対して貿易上のチャレンジを仕掛け、またNATOに代表される環大西洋、そしてアラブ・中東地域や中東欧にもまたがる共同安全保障体制の見直しを欧州各国に迫ったことで、大西洋に吹く隙間風は顕著になりました。

「欧州各国はアメリカによる庇護を当然のように扱っているが、そろそろ応分の負担をするべき」とするトランプ大統領の主張は腑に落ちますが、欧州にとっては、経済の状況が思わしくない中、対応を先延ばしにせざるを得ず(国内の支持層の理解が得られていないため)、アメリカの不満は高まるばかりです。

それに合わせるように、今年の頭には、マクロン大統領が発案者となり、欧州バージョンの安全保障同盟の設立が提案されるようになりました。トランプ大統領はあえて公式にはコメントしていませんが、情報筋によると、渡りに船ではないかと考えているようです。

とはいえ、ここで欧州における安全保障上の足掛かりを失うことは、中東やアフリカ情勢にも対応せざるを得ず、またロシアとの関係で中東欧諸国を舞台に勢力を維持しないといけないアメリカとしては、無碍にNATOなんてやめてしまえ!というわけにはいかないのも実情です。

人という字、互いが支えているか?片方が支えられ楽しているか?

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんは今回論じるのは、「人」という漢字の説明について。元々の成り立ちからは誤りでしかない説明を感じ取り、取り入れ、真逆の説明を返す日本人の言語感覚を語ります。

人について

「人」という字は、誰かと誰かとが互いに支え合っている様を表している、などとよく言われるが、これは漢字の成り立ちから言えば全くの誤りである。ただ、このような意義を文字の外から付与し、まるでそれが真理でもあるかのように感じている日本人のメンタリティーには興味深いものがある。

今「真理」とは言ってみたものの、実際には「定型真理」あるいは「道徳的真理」とでも言った方がいいくらいにその運用に関しては応用性が無い。とりあえず一日本人としては、この「人という字は…」噺が始まると、その場にいる誰もが腹の中では「コイツめんどくせえ~」くらいに思っていてくれることを願うばかりである。

さて、改めてこの「人」という字を見ると、その仕事量の分担は凡そ平等とは言い難いものであることが分かる。長い方が一方的に短い方に圧し掛かっているような体である。「長い物には巻かれろ」という諺を持つ日本人としては、こちらの方が遙かに真理に近いように感じるのだがどうか。少なくとも偽善的な嘘っぽさはなくなるであろう。

となれば「人」という字は、長いもの・大きいもの・強いものが短いもの・小さいもの・弱いものに一方的に支えられて楽をしている様を表し、さらにそれを説明するのに決して片務的とは言わず飽くまで双務的な支え合いであると言い張るべきものである、と記述できる。

このように思う人は少数のひねくれ者ではなく、今や多数派なのではないか。実際、言語表現の場においては近年こちらの皮肉的な用法の方が多いように感じる。

視覚情報としての文字、即ち活字においてはどうだろう。最近では文章を手書きすることは寧ろ珍しく、ほとんどの人がワープロソフトを使うからこちらの方が見慣れている筈である。

さて、その「人」だが、見ての通り右側の/も左側の\も平等に仕事を分担している。そればかりか、長短の差さえ無いように見える。これだと「入」と弁別する特徴が無くなってしまうのでは、と思ってしまうが、それは「入」上部の横棒が担っているようである。

この双務的な活字体「人」の字は、何らかの理由(例えば、版の制作や植字の都合)でこうなったのであろうが、最初に「支え合い」の意を読み取った人はことによるとこの活字体の影響を受けたのかもしれない。

ともかく一旦は綺麗ごとを綺麗ごととして迎え入れ、その実、皮肉的意義付けを怠ることをしなかった日本人の言語感覚には脱帽するばかりである。

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電気グルーヴ、新会社とファンクラブの設立発表。活動再開か?

ミュージシャンの石野卓球とピエール瀧による音楽ユニット「電気グルーヴ」の電気グルーヴofficialサイトが、新会社「macht inc.」の設立と電気グルーヴのオンラインストアオープン、ファンクラブ設立を発表した。オンラインストアは全アイテム受注生産限定で、受注期間は11/18-11/30まで。

電気グルーヴofficialサイト

DENKI GROOVE ONLINE STORE

ファンクラブ設立

新会社設立

発表をめぐっては、メンバーの石野卓球がツイッターで予告するツイートを投稿していた。



同ユニットをめぐっては、メンバーのピエール瀧がコカインを使ったとして麻薬取締法違反の罪に問われた件で、所属事務所との契約を解除されていた。これに対して卓球も「もう事務所は辞める」などとTwitterでつぶやいていたが、新会社やファンクラブの設立、オンラインストアの開店が発表されたことで、ネット上で活動再開に対する期待の声が高まりそうだ。

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 電気グルーヴofficialサイト石野卓球Twitter

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新潟女性刺殺事件、指名手配の男を逮捕「イケメンでも殺人犯」

JR新潟駅近くの雑居ビルで15日夜、飲食店店員の石沢結月(ゆづき)さん(20)が刺殺された事件で、新潟県警は18日、殺人容疑で全国に指名手配していた斎藤涼介容疑者(25)を逮捕したと、共同通信毎日新聞NHKニュースが速報で報じた。



NHKニュースによると、11月15日の夜、新潟市中央区の雑居ビルで、飲食店店員の石澤結月さんが男に刃物で刺されて死亡したという。警察は知り合いで、埼玉県上尾市出身の齋藤容疑者が事件に関わったとして殺人の疑いで逮捕状を取り、全国に指名手配して、行方を捜査してたとしている。18日午後、新潟市内で身柄を確保し殺人の疑いで逮捕したという。警察は詳しいいきさつや動機を調べる方針。

この結果を受けて、日本のネット上では「あのイケメン捕まったのか」「女性との関係が知りたい」「新潟から出てなかったのか」など、さまざまな声が投稿されている。

Twitterの反応







※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 共同通信毎日新聞NHKニュース

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「花より首相」「花より有名人」で趣が皆無だった「桜を見る会」

野党の激しい追求を受けて2020年の会の開催中止が発表された総理大臣主催の「桜を見る会」ですが、政府の思惑どおりの幕引きとはなりそうもありません。そんな中、麻生政権時代に一度出席した「桜を見る会」の経験を語るのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストの小川和久さんです。小川さんは、「桜を見る会」が「花より首相や有名人」でしかない実態を目の当たりにし、当時抱いた違和感を記しています。なお、4月中旬の新宿御苑散策は、新緑への移ろいを鑑賞するのが良いようです。

私が見た「桜を見る会」

首相主催の「桜を見る会」に野党の矛先が向けられています。

「国の予算を使って首相が毎年4月に開く『桜を見る会』の是非が、国会審議の焦点に浮上した。野党は安倍政権下で右肩上がりとなっている支出や、運用のあり方を問題視。12日に調査チームを発足させ、後半国会で追及を強める。識者にも会の透明性などを疑問視する声があり、政府の説明責任が問われる」(11月12日付朝日新聞)

野党の追及はともかく、「桜を見る会」がどんな様子なのか、私の乏しい体験をお話ししておきましょう。私のところには、第2次安倍政権の1年目まで「桜を見る会」の招待状が内閣官房から送られてきていました。

場所は新宿御苑、招待状によれば70種類もの桜の花が鑑賞できるというのですから、魅力的ではあります。しかし、開催時期がよくないことが少なくありません。4月中旬にかかるようだと、肝心の桜の花が八重桜などを除いて散ってしまっているのです。

それに、土曜日の午前中ということになると、私のような仕事の人間は予定が入っていることもあり、そう簡単に出席できるわけではありません。

そんなこともあり、たった1回だけ麻生太郎首相の時に出席しただけで、あとは欠席の返事を出し続けていました。私のような「功績」のない者が招待されるのは、歴代の首相や内閣官房と仕事してきたからでしょう。

ぱったり招待状が来なくなったのは、内閣官房の側が「招待状を出しても、かえって迷惑かもしれない」と「忖度」した結果だと思います。

そこで「桜を見る会」ですが、野党が取り上げているとおり、ときの首相や側近政治家の後援会が大挙して押しかけています。そして、首相や芸能人、スポーツ選手などとの集合写真に収まるために、その場所に殺到し、押し合いへし合いの状態が生まれます。とても桜を観賞する雰囲気ではありません。

私の時は、「はるか群衆を離れて」(トーマス・ハーディの小説のタイトルです)の心境で、ひとり新宿御苑内を散策してみましたが、こうすると新緑に移ろいつつある新宿御苑を味わえることがわかりました。

このときは、海上自衛隊の横須賀地方総監・河野克俊海将(のちの統合幕僚長)ご夫妻と会っただけで、ほかには知り合いと出会うことはありませんでした。群衆から「離脱」してよかったと思ったものです。

そんな「桜を見る会」です。安倍首相も、会の趣をもう少し違ったものにできないものかと、考えているに違いありません。(小川和久)

image by: 首相官邸ホームページ [CC BY 4.0], ウィキメディア・コモンズ経由で

「給与泥棒がきた」中国で酷評される日本人駐在員の情けない実態

以前掲載の記事「大丈夫か日本人。中国でバカにされている駐在員たちの耳が痛い話」で、「現地の人から迷惑がられる在中国日本人駐在員」の実態をレポートしてくださった、無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』の日本人著者・ジンダオさん。今回は彼ら日本人駐在員が中国人社員から「給料泥棒」と呼ばれている「不名誉な理由」を記しています。

【参考記事】「大丈夫か日本人。中国でバカにされている駐在員たちの耳が痛い話

中国人に給与泥棒と言われる駐在員の給与事情

中国人から愚痴られる耳が痛い日本人ビジネスマンのお話」の記事で「給与泥棒がやってきた」と言う表現がありましたが、各社でそれぞれ異なる部分があるものの、どうして中国人から「給与泥棒がやってきた」と言われるのか?もう少し紐解いてみたいと思います。

仮に給与を30万円もらっている日本人サラリーマンがいたとします。人民元に換算すると1万8,750元(16円/元換算)、ボーナス2回で各2ヶ月支給だと、16ヶ月分でざっくり総額480万円30万元)となります。

会社によって様々ですが中国に赴任した場合に手当として自宅手当や海外手当危険手当などなどの手当がつきます。多分手当として大きいのは「住宅手当」、大手であれば上海だと最低1万元(16万円/月)前後、役職によっては2万元(32万円/月)くらいまでの住宅に住む=住宅手当をもらう事になります。仮に1万元として年間12万元192万円)。

あとは家族手当。中国や海外では幼稚園始め、小中高校と日本人が通う学校の学費は非常に高額のため、家族同伴で赴任すると全額支給や一部支給など行っている企業も多いです。支給がない中国人のスタッフの前で「全額支給なんですよ」と話される、空気が読めない日本人もいたりします。

その他、海外旅行保険を会社負担、日本からの引越し費用負担などもあるようです。

そのため一般的に駐在員の費用は単純に計算しても給与の2倍から3倍かかるそうで、確かに紹介した手当を換算すると少なくとも倍くらい費用が必要になります。仮に住宅手当の12万元を加算しても42万元で1.5倍負担。駐在員に費用がかかることに(※ 実際はもっとかかっていると思いますが)。

上海の日系で働く中国人30歳くらいで月1万元(16万円)の給与とすると、彼らは駐在員の自宅手当前後しか給与をもらっていないのです。営業担当をしている中国人からすると売上から粗利を算出して年間これだけ稼いでいるのに、自分の給与と駐在員にかかっている費用を比較すると愚痴の一つも言いたくなるんだと思います。

しっかり現地と向き合っている日本人もいるものの、何も分からない状態で中国に来て、真剣に中国や中国人に向き合わず数年経ったら結果も出さずに中国を離れる日本人。そんな日本人の現地費用のために、一生懸命に粗利を稼ぐ中国人からすると「堪ったもんじゃない」「給与泥棒がやってきた」と思ってしまう訳です。

中国の場合だと日本人の費用は現地スタッフの2.5倍くらいかかってしまう可能性もあり、コストに対して見合った仕事をしないとアホな日本人」と耳の痛い言葉を言われてしまいかねないのです。

誤解を与えると良くないですが、企業によっては日本人と対等な給与、それ以上の給与を得ている中国人もいますし、今回計算に用いた給与金額はカナリ抑えた形だと思います。そして真剣に中国と向き合って仕事をしている日本人も沢山います。

また駐在員の1年目の費用は日本本部が全負担し2年目から半額、3年目から現地全額負担など赴任期間の長さによって本社や中国側の負担額を変動させ、全額を中国が負担していない企業も居ますので誤解なきように。

なぜ今年の東京モーターショーは来場者の大幅増加に成功したのか

車離れが叫ばれ、回を追うごとに減少していた東京モーターショーの来場者数が、今年は前回開催の2017年と比較して約7割増の大幅アップで、130万人を超えたと話題になっています。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんが、東京モーターショーになぜ人が戻ってきたのかを解説。人口減少が確実な日本の中で、モノを売る人たちが学べる点を探り、伝えています。

大変身した東京モーターショーの来場者数が大幅増

売り上げはイマイチ伸びない、新しいお客様が呼び込めない、と、誰しも悩む時期があります。多くの場合、「チラシを変えよう!」「ホームページを作り直そう」「流行りのSNSに力を入れよう」と、手法で改善しようとします。

しかし、こういう施策を変えるだけではうまく行きません。万が一うまくいったとしても、すぐまた元に戻ります。小手先の対応ではダメ。元から変えていかないと、うまくいかず長続きもしません。

今号で紹介するのは「事業コンセプト」です。今年大成功を収めた、東京モーターショーの事例で考えていきましょう。

先日第46回目の東京モーターショーが開催されました。テレビやラジオでの報道や、CMなどを見ていると、「これまでのモーターショーとは違うな」という印象を受けました。

一方で、ここのところ車離れなどとも言われて、世界各地のモーターショーも集客に苦戦しています。東京モーターショーも、1991年には200万人を超えた来場者数が徐々に減り、前回の2017年は来場者77万人となったとのこと。今年は大きく上回る100万人の来場者を目指しての開催、結果は130万人を超えたとの報道でした。

東京モーターショーの今までのイメージは、「大きな会場に最新モデルの自動車や、これから発売される予定の近未来車が、自動車メーカーのブースに置いてあり、キャンペーンガールの方が立っていて、各企業の説明の方々が機能などを説明する」ための場所でした。

それを見に行く人たちは、「自動車好き」な人たち。新しい技術や、車のデザインをいち早く見たい、という気持ちの方々で、イノベーター理論でいうところの、イノベーターやアーリーアダプター(=初期採用者)といった感じです。

共通テストが「難問だ」という生徒は「使われる側」になる運命

「身の丈」発言に批判が殺到し、文科大臣が実施を見送ると発表するまでに発展した共通テスト英語科目での民間試験導入問題。しかし共通テストの抱える課題が実は英語にとどまらないことは、教育関係者は以前から指摘していたと、メルマガ『虚構新聞友の会会報』の発行者で虚構新聞の社主UKさんは言います。こうした問題点よりも、生徒・保護者・教育関係者は、試験制度変更からみえる「国が求める若者像」のシフトを理解し適応する必要がありそうです。

流言蜚語〜大学入学共通テストの話〜

来年度から大学入試センター試験に変わって始まる「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」の英語で、民間試験の導入が延期されることになりました。

▼萩生田文科相 英語試験 抜本的に見直し 5年後実施に向け検討(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191101/k10012160001000.html

今年度は高校生を受け持っていないこともあって、現場の声が社主の耳には入ってこないのですが、新制度で受験する高校2年生以下はそれに合わせてしかるべき受験対策をして備えていたことでしょうから、学生だけでなく、学校も予備校も今ごろ関係全方面が激怒プンプン丸(※今年の流行語大賞候補)であろうことは想像に難くありません。

▼ババ引かされたのは受験生だ! 英語民間試験 なぜ国は推進した(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191107/k10012167391000.html

ギリギリになっていきなり民間試験の問題点がクローズアップされたのは、ご存知のとおり、萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言がきっかけでした。しかし、英語にとどまらず、共通テストについては、教育関係者の間でかなり昔から問題点が指摘され続けていました。導入に向けてこれまで何度もプレテストを行ってきましたが、その度に課題が出続けていたのです。

▼科目別正答率にばらつき 難易度調整に課題も 大学プレテスト結果速報(産経新聞)
https://www.sankei.com/life/news/181227/lif1812270027-n1.html

▼大学入試担当者「難しくて差がつかない」 共通テスト(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL9R5212L9RUTIL00R.html

辞任ドミノの「次」として萩生田大臣をロックオンしたのか、今ごろになってようやく野党がこの問題を取り上げ出しましたが、教育に携わる者の端くれとして言わせていただけるなら「遅い!」の一言に尽きます。本当に由々しき問題だと思っているのなら、何でもっと早くから指摘しなかったのか。政権への攻撃材料に使えない社会問題はまるで存在しないかのごとき野党の無関心が露呈したようで、残念な気持ちにさせられます。

さて、この件について、あまりご存知ない方のために改めて簡単に説明しておくと、来年度から始まる共通テストの英語では、これまで「リスニング(聞く)」と「リーディング(読む)」を重視した大学入試センター試験を、「聞く」「読む」「話す」「書く」のいわゆる4技能へ拡大することになりました。

ただし、日本人が苦手な「話す」技能を一斉に測るのは、さすがにコストがかかるため、英検やTOEFLなど7種類の民間試験に委託しようとしたわけです。ちなみに当初、会社員にはおなじみのTOEICも入っていましたが、その後参加を取り下げます。

▼実は受験生ファースト? TOEICが大学入学共通テストから撤退した真の理由(AERA)
https://dot.asahi.com/aera/2019070800078.html

そもそも「取引先との会話」とか「ビジネスメール」だとかビジネス英語を使った設問が多いTOEICが入っていること自体いかがなものかと思っていたので、TOEICの参加取り下げは妥当だと思います。しかし、それ以外の民間試験であっても、例えばその1つ「IELTS(アイエルツ)」は、主に英国圏の大学留学資格を得るための資格であって、英検に比べると相当難しいものです。

このように難度に差がある7つの資格試験をひとまとめにして「さあ、どれでもご自由に受けてください」と言われても、受験生は戸惑うばかりです。さらに最大で5倍近く差がある受験料、そして試験会場の地域格差もまた平等性の観点から問題含みでした。そんな中で起きた「身の丈」は、この事情に対する極めて無配慮な発言で、文科大臣直々に学生を突き放すようなことを言ったのだから、そりゃ地方在住や経済力のない家庭の学生が激怒プンプン丸になるのも無理ありません。

さて、英語の件が結局撤回となってしまった今、野党が新たな攻撃材料としているのが国語」です。

国語の新試験では、これまでのマークシート式だけでなく、記述問題も加わるのですが、何しろ50万人分の解答を採点する以上、採点者としてアルバイトを雇わねばなりません。予備校の模試ならともかく、受験生の人生を左右する厳正な採点を未熟なバイトに委ねてよいのか、ということです。

なお、こちらはまだあまり注目されていないようですが、記述問題は国語だけでなく、数学にも導入されます。空欄に入る数字をマークして埋めていく従来のセンター方式だと、ある程度解法の流れが問題文から推測できてしまうので、本当の意味で数学的論理力を測るのなら、記述問題の導入は良い試みと思います。国語と違って解法の数もある程度絞られるので、アルバイトでも採点できるでしょう。

しかし、記述数学の課題は採点ではなくその正答率です。昨年11月に文科省が行ったプレテストでは、正答率が最も高くて10.9%、最も低い問題では3.4%しかなかったのです。センター試験の数学ではどれほど正答率が低い問題でも概ね6〜7%であることから、この3.4%という数字からいかに難問であるかがわかってもらえると思います。

▼大学共通テスト 記述式に課題 数学平均点は30点以下(産経新聞)
https://www.sankei.com/life/news/190404/lif1904040023-n1.html

平均的な受験生の心理を想像すると、記述のような「面倒な問題」は捨てて、マーク部分に時間を重点配分したほうが限られた試験時間の中では得策だと考えたのでしょう。それは至極ごもっとも。受験生の学力と配点によりますが、得点率8割も要らない大半の生徒には、社主も「記述は捨てろ」と指導すると思います。そもそも2次試験で数学の記述を課すような上位校を受ける一部を除いて、大半の学生は入試レベルの数学を書いて解く訓練をろくに受けていないのです。特に文系学生にとっては、数学を記述で解くなど悪夢以外の何物でもありません。

このように英・国・数どれを取っても準備不足と言わざるを得ない現状を知れば「何でこんなに厄介なテストに変えるのか。センター試験のままではいいではないか」と思う人も多いのではないでしょうか。社主もマークシート式特有の問題はあると思いますが、それでも長年かけてノウハウを蓄積してきただけあってセンター試験には良問も多く、利点が欠点に勝ると考えています。

しかし、それでも入試改革を強行しなければならない理由があるのかもしれません。あえてその理由を想像するなら「社会が求める労働者像がこの先大きく転換することを示唆しているようにもみえます。

ITやAIの急激な発達によって、これまで人間にしかできなかった知的労働が今どんどん機械に取って代わられています。産業革命で伝統的な職人が職を失ったように、ITによる効率化で単純な知能労働者も職を奪われる時代になっているのです。セルフレジ然り、自動運転タクシー然り、人間が働ける場所が減りつつあります。そしてそれは同時に「人間にしかできない労働がより知的に高度な洗練されたものへと限られていくことも意味します。

そうなるとこれからの時代、マークシートで高得点を取るような、大量の問題を速く正しく解く=処理能力が高いだけの人材では使い物にならない。それよりも高度な思考力を培わなければならない──。「産業界が要請する労働力を育てるイデオロギー装置」という公教育の性質を考慮すれば、そのように考えた結果が入試に記述問題を導入する契機になったのではないかと推測しています。

しかし、実際問題として記述で得点するのは、楕円を塗りつぶすだけのマークシートのように簡単ではありません。なぜなら論理的思考力というのは、たくさんの知識を下敷きにしてようやく培われるものだからです。現場の者として言わせていただけるなら、学力中位程度の生徒でさえ「主語と述語が一致しない」「話し言葉と書き言葉の区別がついていない」なんていう解答はざら。論理的思考力の前提となる知識以前の、作文の基礎ですら危うい子どもが多いのが現実です。

知識を詰め込む暗記一辺倒はしばしば「暗記ロボットを作るだけ」と批判を呼びますが(そしてそれがあの「ゆとり教育」を生む背景ともなってしまったわけですが)、むしろ暗記だけで十分だった「IT以前」の受験生のほうが、暗記以上のものを求められる今の受験生より幸せだったかもしれません。

ひと昔前なら、文章が書けない生徒でも「一問一答」のような知識問題で何とか得点できたのに、時代が要求する能力が暗記の先にある論理的思考力に移行するとなると、勉強が苦手な子どもたちがこれから直面するであろう苦労を想像するだけで何とも忍びない気分になります。しかし、将来AIに奪われない仕事に就くためには、暗記以上の高度な技能を身に着けなないと生き残れない時代になりつつあるのです。

共通テストの問題点は多々ありますが、たとえ新テストから記述が削除されたとしても、国が筋道立てて記述できる論理的思考力をこれからの若者に求めているのは事実です。ドイツでは失業者の再訓練として、産業ロボットの横に立ち、不具合が起きたときにそれが指示するままに部品を交換するだけの仕事を指導しているそうですが、高度な思考力を持った一部の選ばれし人以外はみな最後は機械のお世話係として生きる道しか残されていないのかもしれません。

何とも生きづらい時代になってしまったものです。

「使う人間」と「使われる人間」の選抜試験に

期せずして共通テストの問題がクローズアップされたので、今回はこの件について、以前から気になっていたことも含めてお届けしました。今回の騒動を通じて、これまで受験生と保護者と教育関係者しか関心を持たなかった共通テストがようやく脚光を浴びることになったのは怪我の功名と言えるかもしれません。これを機に、より洗練された入試制度になることを願うばかりです。サンキュー萩生田。

そして、センター試験以上に難しくなることが確実なこの共通テストは、将来、情報技術を使う人間使われる人間を選別する試験として機能するようになるかもしれません。暗記と処理能力を競ったセンター試験時代の能力選別より更に厳しい競争になる可能性もあります。

繰り返しますが、我々凡人にとって本当に生き難い時代になりました。

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