引きこもりで精神崩壊。哲学者・小川仁志が陥った自堕落生活

今まで100冊以上の著書を出版し、NHKの番組で哲学を知らない人たちに向けてわかりやすく名著を紹介したことでも話題になった哲学者の小川仁志さん。京大を出て、伊藤忠商事に就職するまでは順風満帆でしたが、赴任先の台湾で民主化運動に感化され、勢いで辞表を提出してから、坂道を転げ落ちるように人生が狂い始めました。しかし、皮肉にもそれが彼と「哲学」との出逢いだったのです。

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プロフィール:小川仁志(おがわ・ひとし)
1970年、京都府生まれ。哲学者・山口大学国際総合科学部准教授。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後期課程修了。博士(人間文化)。米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。大学で新しいグローバル教育を牽引する傍ら、商店街で「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。2018年4月からはEテレ「世界の哲学者に人生相談」(木曜23時〜)にレギュラー出演。専門は公共哲学。著書も多く、海外での翻訳出版も含めると100冊以上。近著に『哲学の最新キーワードを読む』(講談社現代新書)等多数。 ブログ「哲学者の小川さん

小川仁志の情熱人生―挫折、努力、ときどき哲学 第三回

フリーターから引きこもりへ―20代後半の黒歴史

前回は私がかっこよく会社を辞めるところまでを紹介しました。今回はそこから転落していく私の黒歴史についてお話したいと思います。社会を変えると意気込んで退職したものの、当時の私には何もありませんでした。一流商社で働いたといっても、短い期間だったので、なんの業績もありません。資格もない。学歴はあるが、それだけでは何ができるというものでもありません。

そこで私は、台湾で影響を受けた陳水扁にならって、人権派弁護士として働きながら社会を変えていくことにしました。一応法学部出身でしたから、まじめに勉強はしていなくても、自分にとって一番身近な大型資格は司法試験だったのです。ところが、当時の司法試験は今とは違って超難関です。合格率2%台で、10年かかっても合格できない人がざらでした。

しかし、挫折知らずの天狗、ヤング小川仁志は、1年も自分で勉強すればなんとかなると勝手に思い込み、予備校にも行かず、なんと独学を始めたのです。お金は商社マン時代に貯めたものと退職金が少しあったので、節約してバイトをすれば1年ちょっとはやっていけそうな感じでした。この時は、最悪2年は自由な生活を送ろうと決めていました。

そう、予備校にも行かなかったのは、とにかく自由になりたかったのです。そして中野に学生が住むようなワンルームマンションを借り、有り余る時間を読書やボケっと過ごす時間に費やしました。商社マン時代には一切なかったことです。遊びも含め余りにも忙しかったので。

今、読書と書きましたが、それが私の司法試験の勉強法だったのです。法思想の本を読んだり、裁判のノンフィクションを読んだりと。普通は一生懸命受験勉強のような暗記をするみたいですが、そんなつまらないことはもうこりごりでした。それが仇となり、あっという間に1年が過ぎましたが、なんの知識も実力もつかないまま試験本番を迎えることになります。

結果は当然不合格。すでに弁護士や大学で教員になっていた友人たちからは、そんなことでは一生受からないといわれました。でも、もう1回くらいやれば大丈夫だろうと、相変わらずバイトをしながらのんびり晴耕雨読の生活を続けたのです。客観的にはきちんと受験勉強しているとはいえないので、完全なフリーター状態でした。

さすがに2年目は模試などは受けたりもしたのですが結果が悪くても一向に気になりませんでした。まだまだ気持ちに変な余裕があったのです。そして案の定、不合格。さすがに予定の2年が過ぎ、やばい状態になってしまいました。とはいえ、再就職する気にはなれませんでした。あれだけかっこつけて会社を辞めたのに、挫折の後こっそり別の会社で働いているというのは耐えられなかったのです。いったいどうしたものか。私にとって初めての挫折でした。すでに戦意喪失していましたが、表向きは勉強を続けるといって、結局ずるずるとフリーター生活の延長を選択しました。

過去の事件で信頼失墜?「バイク王」の業績が急激に悪化した理由

「バイク王」と聞けば、誰もが印象的なあのテレビCMを思い浮かべるのではないでしょうか。そんなメジャーな存在である同社の業績が急激に悪化しているようです。一体なぜ? 無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者・佐藤昌司さんはその大きな理由として、過去に起こした「自作自演事件」での信頼失墜を指摘しています。

「バイク王」が2期連続で営業赤字になった理由

「バイクを売るならゴー、バイク王~♪」のテレビCMでお馴染み「バイク王」を運営する中古バイク買い取り最大手、バイク王&カンパニーの業績が急激に悪化しています。

バイク王が1月10日に発表した2017年11月期決算は、営業損益が2億6,300万円の赤字(前年同期は5億300万円の赤字)でした。2期連続での営業赤字は上場以来初となります。

売上高は前年比7.4%増の182億円、最終損益は4億100万円の黒字(前年同期は5億8,600万円の赤字)でした。

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最終損益に関しては、駐車場事業の売却益約6億円が黒字化に大きく貢献しました。逆に言うと、駐車場事業の売却益がなければ最終損益が赤字になっていた可能性が非常に高かったといえます。

売上高の増加は、販売台数が前期並みだった一方で、1台あたりの売上高が大きく上回ったことが寄与しました。しかし、経費を賄えるほどの増加ではなかったため、営業赤字を解消するまでには至りませんでした。

17年11月期こそ増収となりましたが、競争の激化で近年は売上高が減少し続けています。

バイク事業において重要な役割を果たしているバイク買い取り専門店「バイク王」は09年8月には100店に達するほどでしたが、その後は伸び悩み、13年ごろからは縮小を余儀なくされています。18年2月末には57店にまで減っています。

元国税が暴露。佐川氏も就いた財務省の子分「国税庁長官」の正体

与党の厳しい追求にも顔色一つ変えず官邸を守り抜き、財務省理財局長から国税庁長官に「栄転」した佐川宣寿氏。結局辞任ということになりましたが、その国税庁長官とはどのようなポストなのでしょうか。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、自身も10年間の国税局勤務の経験がある著者の大村さんがその「正体」を記すとともに、財務省と国税庁の知られざる「呆れた関係性」を暴露しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2018年3月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

国税庁長官って何者?

森友学園の公文書書き換え問題で、ついに国税庁長官の佐川氏が辞任しましたね。それにしても、最近、ニュースでよく耳にする「国税庁長官」って、一体何者なのでしょう。財務省と国税庁は違う機関なのに、財務省の幹部だった人が国税庁長官になるのって、少し不思議ではありませんか? なんかその辺の人事関係、省庁の力関係というのは、一般の人にはなかなかわかりづらいですよね。なので、今回は、国税庁長官のポストとは何なのか、ということをご説明したいと思います。

国税庁は、建前の上では、財務省から独立した組織ということになっています。国税庁側は、「国税庁と財務省は、独立した緊張関係にあり、決して従属の関係ではない」などと言っています。しかし、これは単なる建前ですね。現実とは程遠い、きれいごとです。というのも、国税庁は実質的に財務省に支配されているのです。

国税庁は、国民に対して警察をしのぐほどの強大な権力を持っています。国税の職員は、税金に関することならば、国民のありとあらゆる事柄について調査する権利を持っています。国民には、それに対する拒否権がありません。見方によっては警察の捜査権よりも、国税庁の税務調査権の方が強力なのです。

国税庁は、そういう強力な権力を持っているわけですから、本来、ほかの省庁などに支配されず独立していなければなりません。そして、建前の上では、国税庁はほかのどこの省庁にも支配されない、ということになっています。

が、実際は残念ながら財務省に支配されているのです。それは、国税庁の幹部を見れば明白です。まず国税庁トップである国税庁長官のポスト、これは財務省のキャリア官僚の指定席なのです。そして、国税庁長官だけではなく、次長、課税部長も財務省キャリアの指定席です。国税庁長官次長課税部長の3職は、国税庁のナンバー3とされており、つまり、国税庁ナンバー3はいずれも、財務省のキャリアで占められているのです。他にも、強大な権力を持つ、調査査察部長や、東京、大阪、名古屋など主要国税局の局長も、財務省のキャリアが座っています。

国税庁にとって財務省はGHQのようなものなのです。この人事を見れば、国税庁が財務省の言いなりになっていることは、誰が見たって明白です。国税庁長官というのは、会社で言えば、「社長」である。社長の言うことに逆らえる社員などはいないはずです。普通の会社であれば、社長の次の権力者などが派閥をつくって、社長派と反社長派などが拮抗するというようなことも、稀にはあります。しかし、国税庁の場合は、社長だけではなく、トップ3が押さえられているのです。これだと、国税庁が財務省に刃向うことなど絶対にできないはずです。

また現場にいた筆者なども、財務省のキャリア官僚というのは神のような存在であり、逆らうことなどありえない絶対的な支配者であったことを肌身で知っています。つまり、国税庁は財務省の絶対服従の子分なのです。

ほんまでっか?池田清彦教授が「安楽死」に断固反対する理由

日本でも大きく意見が分かれている「安楽死」の是非。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、最大限の自由を主張するという「リバータリアン」を自称する「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの生物学者・池田先生が、意外にも「安楽死」に断固反対している理由を詳述しています。

リバータリアニズムの外側

先ごろ、日経新聞の記者から「安楽死法」の是非について意見を求められて、くだらない法律は作らない方がいいよ、と言っておいたが、私の思いが伝わったかしら(いつ、どんなコンセプトで記事になるのか知らない)。今回は、安楽死を含め、どんな状況であれば本人の自己決定を尊重できるかについて私の意見を述べたい。

私は恐らく日本で最も過激なリバータリアンで、私の考えは「正しく生きるとはどういうことか」(新潮社1998、新潮文庫2001)に詳しく書いた。エッセンスだけを述べれば「人々が自分の欲望を解放する自由(これを恣意性の権利と呼ぼう)は、他人の恣意性の権利を不可避に侵害しない限り、保護されねばならない。但し、恣意性の権利は能動的なものに限られる」。ここで重要なのは、恣意性の権利は能動的なものに限られるという点である。ヒトは、他人を愛する権利、他人を無視する権利、アホなことをする権利などを有するが、他人に愛される権利や、ちやほやされる権利などはないのだ。

言い換えれば、自分の体力、財力、知力の及ぶ範囲では、他人の恣意性の権利を侵害しない限り自己決定権は最優先されるべきだということである。この文脈の下では、愚行権も当然許されるし、自己の所有物の処分権も許されることになる。リバータリアンが、禁煙法とか禁酒法とか大麻取締法とかに反対するのは、まさにこれ故なのである。民主主義の最大の問題は多数決でマイノリティの恣意性の権利を不可避に侵害する法律を作ることだ。

能動的なことに関して自己決定ができる人に対しては、リバータリアニズムは最もすぐれた思想だと思うが、問題は自己決定能力がない人はどうなるのかということである。一番典型的なのは乳児である。乳児は誰かに面倒を見てもらわなければ、生きられない存在である。人は能動的な権利しかなく、受動的な権利はないという原則を、乳児に適用すると、場合によっては乳児は死んでしまう。ほとんどの母親(や場合によっては父親、祖父母)は自分の乳児の面倒を献身的に見るが、別に乳児に頼まれてやっているわけではない。リバータリアニズムとの対比で言えば、これはパターナリズム(この場合はマターナリズムかしら)で、相手がどう思おうと相手のために面倒を見ているという構図になる。多くの場合、それは自分の楽しみでもある。

日本も他人事じゃない。フランスの「徴兵制再開」に反発強まる 

日本の一部では、憲法改正で「徴兵制」復活か?との声が上がっていますが、フランスのマクロン大統領の公約には「徴兵制の再開」があることをご存知でしょうか。反対派からは「若者のニーズからかけ離れた大統領選の小道具」との批判も聞かれます。今回のメルマガ『NEWSを疑え!』では静岡県立大学グローバル地域センター特任助教・西恭之さんが、フランスの徴兵制の歴史を振り返りながら今後の展開を推察しています。

復活できない?フランスの徴兵制

フランスのマクロン大統領は2017年の選挙中、徴兵制の再開を公約したが、軍部や学生の反対に遭っているうえ、財源のあてもなく、マクロン氏がめざす徴兵制のイメージも明確でないので、実現が危ぶまれている。はっきりしているのは、徴兵制とは別になんらかの国民奉仕制度が実現した場合も、フランスの軍事力を増強するものとはならないということだ。

フランスの徴兵制は、革命で生まれた共和制を周囲の君主国の干渉から守るため1793年に始まり、王政が復活すると兵役免除の権利が売買されて実質を失い、共和制が復活するたびに再建されてきたという歴史がある。

その一方で、軍事技術の発展を受けた兵力削減と国民皆兵を両立させるため、20世紀後半には兵役期間は1970年に12か月92年に10か月に短縮された。そしてシラク大統領は1997年、湾岸戦争において短期間の兵役では冷戦後の海外作戦に必要な技能を習得できないことが明らかになったとして、徴兵制を停止した。

一方、シラク大統領は国民皆兵を共和制の基盤として重んじる立場に配慮し、17歳以上の男女に対し、「国防準備の呼びかけの日」に国防の必要性や軍の業務について学ぶ義務を残した(2011年に「国防と市民権の日」と改称)。公務員採用への応募、運転免許取得、国立大学入学には、この研修の修了証書が必要となっている。

お金が欲しい。でもアナタが本当に欲しいのはお金じゃない

お金をもっと稼ぎたい…とは誰もが考えることですよね。でも、そもそも「お金を手に入れたい理由」について考えたことってありますか? その心の裏には、ある本質的なことが隠れているというのです。メンタルトレーナー・吉田こうじさんのメルマガ『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』では、お金を始めとして幸せな自分になるためのちょっとしたヒントを紹介しています。

お金を引き寄せる心の土台

「お金持ちになりたい!」

「もっとお金を稼ぎたい!」

こうした願望って多くの方がお持ちかと思います。僕もそうですし^_^。

ただ、本質的に考えておくといいんじゃないかなって思っていることがあります。それが何かと言うと、「お金とは何らかの目的を達成するための手段である」と言うこと。

例えば、お金をたくさん持つことでどんな感情を感じたいのか? お金をたくさん稼ぐことで本当に手に入れたいことは何なのか? これが「本質的な価値」なわけで、そこをしっかりと探っておく必要があります。

もしかするとその価値は別にお金がなくても手に入れられるものかもしれません。お金がなくても手に入れられるものであれば、当然ですがお金を稼ぐことへの情熱・動機は無意識に薄まってしまいますからね。ですから、「どうしても金を稼がなきゃならないんだ!」といった明確な理由を創造することがかなり大切になります。

「流れ星が流れた瞬間に願い事をするとその願いが叶う」。こんな話をあなたも聞いたことがあるかもしれません。流れ星って上がれる瞬間はコンマ数秒です。その瞬間にパッと言えるくらい動機が強化されていたら、自分に刷り込まれていたら、そりゃ叶わない方がおかしいわけで…。

ただ、その本質的な価値を手に入れることに何らかの禁止令(ブロック)があると無意識に行動を制限します。

これからいくつかお金に関する禁止令があるかどうかをチェックする質問を書きますのでやってみてみるといいかもです。

1.私は今以上にお金を稼げない。なぜなら…

2.私はお金に恵まれてはいけない。なぜなら…

3.お金持ちになると嫌なことが起きる。なぜなら…

4.私はお金に縁がない。なぜなら…

5.お金とは汚いものだ。なぜなら…

あくまでも一例ですが、「なぜなら」の後に続く言葉は全て禁止令です。これらの禁止令が多ければ多いほどお金と縁遠くなったり、お金を稼ぐと苦しくなったりします。他にも、「こんなことにはお金は使えない」と思うものがあれば、それもブロックになっているし…。

私達って実はブロックがたくさんあったりします。ですから、まずは、お金にまつわる本質的な価値を明らかにすること。そして、お金にまつわる禁止令(メンタルブロック)に気づくこと。それを肯定的に書き換えることこれらをやってはじめてお金を増やす、お金を引き寄せる「土台」ができるって感じですかね~。

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兄弟で苦節3年。魔法の鍋「バーミキュラ」が世界に羽ばたくまで

今、料理好きの間で大きな話題となっている魔法の鍋「バーミキュラ」。いつものメニューがプロの味に変わると評判で、2万円以上するにも関わらず飛ぶように売れています。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。兄弟が中心となって営む愛知の町工場から世界に羽ばたく魔法の鍋が誕生するまでの紆余曲折とは、一体どんなものだったのでしょうか。

いつもの料理が絶品に変わる~町工場が生んだ「魔法の鍋」

愛知県名古屋市にあるレストラン「チェザリ」。去年、無形文化遺産への登録が決まったナポリピザ。その世界チャンピオンに輝いた職人のピザが売りで、1日に1000枚を売り上げることもある。

そのピザを焼く窯に「魔法の鍋」が入っていた。鍋の中身はイタリア料理の「ポルポアッフォガート」(タコの溺れ煮、1458円)。500度の窯で加熱し、鍋ごとお客に振舞う。シェフの牧島昭成さんは、鍋を変えたところ料理の味が変わったと言う。

「それまでもよく似たフランス製の鍋を使っていたのですが、水蒸気と一緒にうま味が逃げていってしまう。鍋を変えてから特にお客様に好評なのはミネストローネです。お客様が『野菜の味がする』と言ったときに、『よし』と思いました」

鍋の名前はバーミキュラ」。東京・新宿の伊勢丹新宿店では、この鍋を使った料理教室が開かれ、予約殺到となっている。

細かく刻んだ野菜をたっぷり鍋に入れ、水を入れないで蓋をした。火にかけて30分、スープができていた。「無水調理をして、野菜の水分とうま味を完全に引き出した状態です」と言う。「チェザリ」でも評判になっていたミネストローネだ。

「バーミキュラ」は日本製2万円以上する(18cm、2万3760円~)が、常に売り上げ上位に入っていると言う。

「バーミキュラ」の製造元は名古屋にある愛知ドビー。中を覗くと、そこは鋳物工場だった。溶かした鉄を鋳型の中へ。鋳型は砂でできていて、鉄が固まったら型を壊して取り出す昔ながらの製法だ。

この会社にはキーマンが二人いる。「完全に『バーミキュラ』のメーカーになったので、建屋以外は全て中身が変わりました」と言うのは社長の土方邦裕(43歳)。もう一人はその弟、発想豊かな開発者である副社長の智晴(40歳)だ。兄弟で違う役割を担ってバーミキュラを世に出し会社を下請けの町工場から一大メーカーに変えた

「バーミキュラ」の無水調理のポイントは鍋と蓋の接触面にあると言う。

加工する前の蓋は、「薄い紙を通すと入るくらい、隙間が空いてしまうんです」(智晴)

その蓋を機械にセットし、接触面を職人が少しずつ削っていく。許される誤差は100分の1ミリ以下。1時間がかりの作業だ。これにより隙間がまったくなくなった。

この蓋なら密閉できるので、食材の水分やうま味が外に逃げず、水なしでスープができる。

鋳物ホーロー鍋を100分の1ミリの精度で削っているのは世界でうちだけだと思います」(智晴)

バーミキュラは鋳物をホーロー加工した鍋。このホーロー加工にも料理がおいしくなる秘密がある。ガラス成分の入った塗料を吹きかけ、800度の窯で3回焼き、鋳物の鍋をコーティング。ガラス成分は遠赤外線効果を発揮するので、食材を芯から温め、料理がおいしく仕上がる。精度の高い技術力が「魔法の鍋」を生み出しているのだ。

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なぜ「ロハコ」は、他店より高価格でも売れ行き好調なのか?

ネット通販が主流になりつつある現在、商品を差別化するのが難しい小売業界では「価格競争」が激しくなり、結果として売り上げが伸びないという負のスパイラルが生じています。そこから脱するにはどうすればいいのでしょうか。メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』の著者で元アマゾンジャパン社員という経歴を持つMBAホルダーの理央さんが、売れ行き好調の「ロハコ」にスポットをあてて、そのヒントを探ります。

売れ行き好調アスクル「ロハコ」はなぜメーカーから引っ張りだこなのか?

アスクルロハコの顧客視点

アスクルがYahoo!と組んで運営している個人向けネット通販のブランド、「ロハコが元気だ。

ロハコは、サイトの名称だが、食品や、日用消費財のメーカーが、そのナショナルブランドを、「ロハコオリジナルのデザインでのOEMで出す商品の販売数が伸びているため、各メーカーも、次々に商品を投入しているとのこと。

メーカーがロハコに群がる理由

なぜ、メーカーはロハコに商品を投入したがるのか?

まずは、前述の通り「売れる」から。

競争が激しい、日用消費財の、さらに競争が激しいEコマースの世界で、なぜ売れ続けているのだろうか?

2018年3月2日の日経MJの記事にある、花王の消臭剤「リセッシュ除菌EX」の事例で、考えてみる。

以下、記事より抜粋。

1. 製品自体は、どこのスーパーにもある定番商品

2. 価格も20円ほど高い

3. 菌・ニオイを元から撃退 という謳い文句がない

4. リセッシュという商品名も小さい

5. 全体はグレーを基調とする落ち着いた色使い

もう一例、花王の「ビオレu 泡ハンドソープ」も、同様のデザインだが、通常より70円高い価格で、販売されているとのこと。

Eコマースではどうしても価格勝負になるところを、ロハコではデザインの質を中心に、高めの設定でも支持を得ている、ということが言える。

ネット販売をする者にとって、価格競争は悩みの種なのだが、ロハコでは逆に高めに売っているのだ。

価格ではないデザイン性で勝負できている理由として、記事に書かれているのが実際のユーザーの声。

「お気に入りのものなら20円高くても気にならない」ということだ。

ロハコはターゲットを、「同じ商品なら1円でも安い方がいい」という価格コンシャスな人ではなく、「気に入ったものなら少しくらい高くてもいいから欲しいという価値観を持った人に設定しているのだろう。功を奏していると言える。

メーカーの立場から考えると、ナショナルブランドとしてリアル店舗やネットで販売すると価格競争になりがちなところ、販売数も稼いでくれ、さらに若干高く売る(値崩れをしない)ロハコに魅力を感じるのであろう。

もう1点、新商品のテストマーケティングができる、という点がメーカーにとっては魅力的だとのこと。

記事には、ミツカンの「ゆず風味ポン酢」の事例が紹介されているが、私も経験したことがあるのだが、画期的な商品だとその分上司の抵抗が予想される。

特に、全国展開に踏み切ることは難しい

Eコマースであれば効果測定もできる上、ロハコのように自社ブランドが前面に出ないケースでは想定されるリスクも低いため、リアル店舗と比較するとテストマーケティングに向いていると言える。

このようにロハコは、ユーザーも、ロハコも、製品を供給するメーカーにとっても有益な売りの場、すなわち三方よしと言える。

EC事業者の99%が赤字は本当か?深刻な現状の「大きな要因」

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、ECをメインとした会社を経営されている方から「EC事業者の7割が赤字というのは本当なのか?」という質問です。ネットショッピングが当たり前となった今だからこそ知りたい情報に、永江さんが出した答えは…?

「EC事業者の7割が赤字」は本当?

Question

shitumon

こんにちは。いつも楽しく拝見しております。最近では、永江様のこちらの記事にとても共感しております。

今回、EC事業者の7割が赤字は本当なのか?という質問をさせてください。私はECをメインとした会社を経営しています。オリジナル商品がお客様にご支持頂いているおかげで、幸い黒字です。

しかし、他社を見渡すと、どこも同じようなトレンド商品を取り扱い価格競争が熾烈に起こっている状況が垣間見えます。私自身も個人的な買い物をECで済ますことが多く、価格競争が起きている商品を安く購入できることは嬉しいのですが、お節介ながら黒字運営できているのか心配です。

もちろん、戦略的に正しい判断で行っている企業もあるかとは思いますが。そんなときに以下の記事を見つけました。

上記では「~という話があります」というかたちで、断定をしているわけではありません。しかし、いちEC事業者として他社を見る限り、ことのほか間違っていないのかも?と思ってしまいます。また、最近では低金利のためか銀行からも融資を受けやすく、各ECモールでも融資サービスが盛んに行われています。

ひょっとして、本当にEC事業者の7割が赤字なのでしょうか?エビデンスがない以上、明確なお応えは難しいかもしれませんが、永江様の見解をお聞きしたいです。