市長に反省の色なし。静岡・湖西市いじめ隠ぺい事件で被害者が行政側から受けた「あまりにも酷い仕打ち」

2022年7月に初めてお伝えして以来、過去5回に渡り報じてきた静岡県湖西市における重大事態いじめ隠ぺい事件。今年でいじめ事案発覚から5年が経過しましたが、この件に関する湖西市サイドの動きは相も変わらず誠意の感じられないもののようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、未だ被害者を「あっち側」と呼ぶ市長の姿勢を疑問視。さらに当問題を放置したまま今後のいじめの予防策を講じるとした同市についての違和感を記しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:湖西市いじめ隠ぺい事件から1年の顛末

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湖西市いじめ隠ぺい事件の未だに設置されない検証委員会

コミュニケーション、継続的に行っていて検証委員会と言ってもなにを検証する、やるのか、ムコウも再調査を求めるものではないと最初に言って頂いていますけど、中身が決まらないとスタートできないので、担当と相手が今、詰めさせて頂いている、その合意が取れないとスタートできないのかなと。

そこはお互いのどこまでどこまでというのを、すり合わせを、時間をかけて行っているのかなと思います。

これは5月22日湖西市市長の定例記者会見で、静岡新聞の記者が、以前から取り上げている湖西市いじめ隠ぺい事件の調査報告書が出てから1年経っていて、検証委員会をやるというけれど、いまだに設置すらされていないことに対し進捗状況などを質問したことへの市長の回答だ。

もしも、この市長の言葉を事件の概要や前提などを知らない人が聞けば、至極正当な回答のように思えてしまうだろう。答えはごく当たり前のことで、「何を検証するかなどを含めて項目のすり合わせとしているところだ」である。

ところが現実は違うのだ。

まず、いじめ自体は平成31年のことであり、いじめの申告と働き掛けが実り、令和3年に第三者委員会が設置され、令和5年5月に調査報告書が答申された。

当日私は立ち合い、その日のうちに、わずか2時間ほどの時間で意見書等々の下地を作成し、被害保護者さんの意向をうけて被害側から意見をまとめて書面化し、さらに記者会見に同席して補助した。当時はまさに第三者委員会からの不意打ちであり、中間報告もないまま被害側に意見をする機会を与えずに強硬答申したという印象で、慣れていない被害者のみであれば意見すらいえなかったのではないかと思われた。一方で、その際にこうした強引なやり方は文科省ガイドラインなどを逸脱するものであり、その他の問題も積もっていたことから、今後のためを含めて検証委員会の設置を求めたのだ。

それから1年経って、担当との話し合いは続いていると言えば続いているが、被害側と担当(市長部局)との話は、実はわずか2回しか行われていない。しかも、何を検証するのかという中身の話ではなく、規約なるものを送り付けてきて、被害側から、ちょっと足りなくないですか?という専門的な内容を返答したくらいなのだ。

そしてそれ以降、投げたボールは返ってきていない。まさに、キャッチボールで言えば、こちらはすぐさま球を投げ返すが、市側が球を持ったまま半年くらい彷徨うという具合なのだ。

さて、冒頭の記者会見で市長はこのようにも答えている。

市長 「継続的なお話し合い自体は担当からも聞いています」

おいおい…である。つまりは、市長もたかが検証委員会を設置するについて1年以上も経っている中で、わずか2回の話ししかないということもわかっているということだ。

この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ

楽天モバイル 新卒美人社員の“パパ活営業”に「親が泣くぞ」「見上げた度胸」世論二分。努力・根性・ドブ板に試される日本

楽天の新卒女性社員が、実名&顔出しで「楽天モバイルの回線契約」を呼びかけるSNSアカウントが注目されている。この社員のアカウントには、下心丸出しのおじさんユーザーからリプライが殺到し「まるでパパ活」の批判も。一方で「ドブ板営業の強さ」を高評価する声も決して少なくない。

楽天「新卒女子」の“パパ活もどき営業”が物議

圏内でさえあれば固定回線の代替も担える「データ使い放題の安価な高速回線」が好評を博する一方、移動中の電車内や地下にある店舗、郊外など「肝心な場所で繋がらない」とのクレームも多かった「楽天モバイル」が反転攻勢を強めている。

楽天グループが先月14日に発表した第1四半期決算の連結最終損益は423億円の赤字。依然として苦境は続くが、グループ全体の“足を引っ張る”楽天モバイルのNon-GAAP営業損失は730億円と前年同期比で259億円も改善した。

楽天モバイルは今月中にも、ビルなどの障害物に強い電波帯域「プラチナバンド」の商用運用開始を予定しており、単月黒字化は目前との見方も。

そんな今、ネットで物議を醸しているのが、楽天モバイルの「新卒女性社員による“体を張った”契約獲得営業」だ。

「楽天の新卒社員たちがSNS上で顔出し&実名で回線契約を呼びかけていたところ、特定の若い女性社員らに大量の“おぢ”が群がってしまったため、『まるでパパ活じゃないか』『これストーカー対策は大丈夫なの?』など懸念の声が多くあがっています」(ネットメディア編集デスク)

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ある新卒女性社員のXアカウントには、中高年男性と思しきユーザーたちから「か、かわいい…😍」「友達に…なってくれますか😉」「(彼女の姿勢に)学ばないと…😤」など、よからぬ“下心”を感じさせるリプライが殺到。絵文字満載のおじさん構文を見かねたネット民から、

《何を学ぶんだよ。これパンツ脱いでるだろ》

《新卒女子に群がるおっさん連中キモすぎて草》

《パパ活かよ。おぢを捕まえて複数回線契約させればノルマクリア?》

《枕営業モバイルかな?》

《結構な有名大学を卒業させたのにこれじゃ親もやりきれんよ》

《いやいや顔出し&実名はマジ危ないって…》

といった批判があがる事態となっている。

楽天の社風や新卒社員の“根性”に称賛の声も

ただ、その一方で、楽天の泥臭い社風や、新卒社員たちの“猪突猛進ぶり”を高く評価する声も意外なほど多いという。そのような“称賛の声”の主たちが、みんな家でパンツを脱いでいるとは思いたくないが――

「このご時世ですから『ブラック企業』の批判一辺倒かと思いきや、意外なほど楽天に対して好意的な意見も見られますね。“おぢ”の下心とは別に、新卒社員たちの度胸・根性や、会社へのロイヤルティ(忠誠度)の高さに素直に感心してしまった、との声が少なくありません」(前同)

ネットをみると、たしかに、

《有名企業なのにドブ板営業できるって偉いし強いと思うよ》

《最初に楽天で鍛えられてれば転職は引く手あまただろうな》

《あの楽天の社風に合わせられる新卒社員達だ。面構えが違う》

《何が凄いって、新卒の意識を短期間でここまで引き上げる楽天の教育力が凄いんだわ》

《頭がいいだけの引きこもりより、結局こういう“行動力お化け”が結果を出すんよ》

といった称賛が多数見つかる。

とはいえ、自分の実名や写真に加え、学歴、趣味など詳細なプロフィールをネットに晒しながらの“回線獲得キャンペーン”は、若者にとって「TikTokで新入社員を踊らせる会社」以上にしんどい気がする。楽天グループの今後の新卒採用に悪影響をおよぼす恐れもあるのではないか?

だが、都内某上場企業の人事担当者は次のように指摘する。

「逆かもしれませんよ。楽天グループの社風をこうやってSNS上で正直に伝えておくことで、今後、不向きな学生が応募してこなくなるなら、それは採用プロセスの効率化につながりますから。それに楽天さんのような規模の企業では、新卒採用は“多産多死”が基本。大半が辞めてしまうことを見越していますし、生き残ったごく一部が“生え抜きのソルジャー”なり“楽天プロパー社員”に成長してくれればそれでいい、という考え方なのではないでしょうか」(人事担当者)

同じ「IT企業」とはいえ、日本の楽天は、米国のアマゾンやアルファベット(グーグル)などとはまったく別カテゴリの会社、ということか。

目には目を、核には核を。徹底的にプーチンを潰しにかかる欧州「ロシア恐怖症」の深刻度

これまで事あるごとに「核の威嚇」を繰り返してきたプーチン大統領。しかし6月7日に突如、「ウクライナで核を使う必要はない」との見解を示したことが大きく報じられています。なぜプーチン氏はこのような発言をするに至ったのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、「プーチン翻意」の真相を解説。さらにウクライナ戦争の最新の戦況を詳しく紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ロシア領内攻撃で核エスカレーションが起きている

ロシア領内攻撃で核エスカレーションが起きている

ウクライナ戦争で、ウ軍は欧米兵器によるロシア領内攻撃を行ったが、プーチンは核の脅しを強めている。今後を検討する。

ロ軍は、ハルキウ国境を超えて攻撃してきたことで、欧米諸国はウ軍へ供与した兵器でのロシア領内への攻撃を容認し、その攻撃で、ロ軍はこの方面での損害が大きくなり、特に補給トラックのHIMARS爆撃で補給ができなくなった。

このため、攻撃の重点を再度、ドネツク市北側のオチェレティネ周辺に移したようである。

米国も、ハルキウ州、スームィ州やチェルニーヒウ州の国境付近へのロ軍軍事目標への攻撃を容認したが、ATACMSの使用を許可せずに米武器での攻撃を細かく指示してくる。ロシアの核攻撃を恐れていて、エスカレーションを高めないようにしている。

これに反して、マクロン仏大統領は、ロシアの核攻撃に対してウ軍の核反撃を行う準備をするようだ。「ミラージュ2000-5提供のための訓練が数日以内に始まる」と言及したが、スェーデンのグリペン戦闘機の供与をやめた理由は、F-16の訓練を優先するとしたが、実は核反撃を想定して、ミラージ2000-5の訓練を優先することであったようだ。

F-16訓練の人数が米国は16人に絞っているので、ウクライナは、米国で訓練を開始できるパイロットが30人いるというが、また、2年程度で供与される90機のF-16もパイロット不足で稼働できないし、米国は戦術核供与をしないので、ロシアの戦術核攻撃を受けた時の核反撃ができない。

フランスには、ミラージュ2000Nが核搭載可能であり、ウクライナがもし戦術核での攻撃を受けた時には、フランスはミラージュ2000Nと戦術核の供与をして、報復攻撃を可能にするようである。

このことで、ロシアの戦術核攻撃に対応することで、ウクライナへの核使用の抑止力を効かそうとしているようであるが、徐々に核使用のレベルが低くなってきたように見える。

このフランスの対応とは違い、トランプ氏最側近によれば、ウクライナが領土を奪還することは不可能なので、これ以上領土を奪われないように武器支援はするが、ロシアとの和平交渉を受け入れることを条件とする。和平が実現すれば、ロシアと欧州を和解させ、G8にも復帰させ、中ロを離間させる。中国こそが最大の敵と見ている。

というように、トランプ政権では、ロシアより中国を敵対視するようである。EUは、中国よりロシアが怖いので、ロシアを徹底的につぶす方向であり、核には核という対応を推し進めることになる。トランプ氏は、ハンガリーやチェコ、ポーランド、バルト3国の人々のロシア恐怖症を理解していない。このため、米欧の戦略の差が出ている。

しかし、ウクライナ最大のドニプロ水力発電所がロシア軍の攻撃を受け、発電能力を失うなど、ロ軍の電力インフラ攻撃で、ウクライナから30GW相当の発電能力がなくなっている。このため、キーウでの停電時間が20時間という事態になっている。ほぼ、原子力発電所の電力しかない状態である。

この電力量であると、ドローンなどの兵器製造でも支障が出ているはずであり、ロ軍からの領土奪還でも大きな支障になることが確実である。その意味では、トランプ陣営の言うこともわかる。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

“トランプの移民法”を採用へ。なぜ日本のマスコミはバイデン移民政策の歴史的転換を伝えないのか?

これまで人権重視の観点から不法移民に寛容な政策を取り続けてきたバイデン政権。しかしここに来てまさに「歴史的転換」とも言うべき大統領令を発令し、米国内で大きな論争を呼んでいます。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、共和党のみならずバイデン氏の「身内」である民主党からも批判が噴出しているこの大統領令を紹介。さらにかような重要なニュースに注目することのない日本メディアの報道姿勢を疑問視しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:歴史的転換を示すバイデンの大統領令

歴史的転換を示すバイデンの大統領令

またまた米国大統領選に関連した不法移民関連の話題です。

バイデン大統領が「民主党の歴史的な政策転換」とまで言われる大統領令を出して米国内で大論争が起こっているのに、日本のマスコミが注目していないからです。

バイデン米大統領は6月4日、メキシコ経由の難民希望者の受け入れを制限する大統領令を発令しました。

しかしながら、この大統領令、共和党はおろか民主党内からも集中砲火を浴びています。

以下、先週のニューヨーク・タイムズの記事の題(または副題)の一部です。

  • 6月4日 バイデン大統領、南部国境での亡命申請を実質的に阻止する大統領令を発令
  • 6月4日 移民を制限するため、バイデンはトランプのお気に入りの移民法に頼る
  • 6月5日 バイデンはトランプの看板政策である移民問題を逆手に取れるか?
  • 6月5日 移民問題で勝利するために、バイデンは国境を越えて議論を進めるべき
  • 6月6日 バイデン大統領の移民に関する大統領令について知っておくべきこと
  • 6月7日 バイデンの移民令を左右のメディアはどう報じたか
  • 6月8日 なぜバイデンは移民を抑制するのが正しいのか

このメルマガで何度も指摘したとおり、今までは、不法入国で捕まった人も難民申請をすれば米国内に釈放されていました。

釈放は後日に米国内の指定された裁判所に出頭する事を条件としています。しかしながら、ほとんどの不法移民はそのまま米国に隠れて出頭していませんでした(キャッチ・アンド・リリース問題)。

【関連】米国、そりゃ分断されるわ…トランプ大統領を再選させる怒りのマグマ、不法移民とマヨルカスを報じぬ報道の罪

今回のバイデンの大統領令は、不法入国者数が1日平均2,500人を超えた場合に、難民申請の受け付けを一時停止し以降は国外退去とする内容です。

当然ながら共和党は「遅すぎる、中途半端な政策」と非難しています。

民主党内に支持する人もいますが、急進左派からは「亡命・難民申請を制限するなんで、とんでもない非人道的な行為だ」とこれまた強烈な非難です。

上記のニューヨーク・タイムズの記事を一つみて見ましょう。

2024年6月4日「移民を制限するため、バイデンはトランプのお気に入りの移民法に頼る」からの抜粋です。

バイデン大統領は演説で語った。

「単純な真実は、世界的な移民の危機があるということだ。もし米国が国境を安全なものにしなければ、ここに来ようとする人々の数は青天井になる」

今回のバイデン氏の発表は、アメリカは移民の国であると長年主張してきた大統領と政党にとって驚くべき反転である。

バイデン氏のような民主党議員やその支持者たちは、国境閉鎖に執着するトランプ氏を長年にわたって非難してきた。

カマラ・ハリス氏は2017年、「何百万人もの難民に背を向けることはできない」とトランプ氏を非難した。2018年、民主党の議員たちは、トランプ氏が亡命の廃止を求めて「偏見の火種」を煽っていると非難した。

しかし、記録的な数の移民が国境を越え、はるか彼方の都市にまで広がるにつれ、移民をめぐる政治は変化してきた。バイデン氏はそれに合わせて調整した。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

スティーブ・ジョブズ本の翻訳者が、彼の一人称を「僕」にしたワケ

スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクの著書の翻訳を手掛けた翻訳家、井口耕二さん。彼の仕事術と翻訳の技法を綴った一冊を今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが紹介しています。

【興味津々。】⇒『「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋』

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「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋

井口耕二・著 講談社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、『スティーブ・ジョブズ I・II』、『イーロン・マスク 上・下』、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』などの翻訳で知られる井口耕二さんが、その仕事術と翻訳の技法を綴った一冊。

世界同時発売までわずか4カ月。スケジュール前倒し。原稿届かず。変更アリ。

過酷な状況のなか、著者がどうやって一大翻訳プロジェクトを完遂したか、その一部始終が書かれています。

出版に関わる人間なら、「そんなの無理だ」と匙を投げてしまいそうなものですが、それをハイクオリティで成し遂げてしまう著者の仕事術と心構えに、心から敬意を表します。

土井は、翻訳者を目当てに本を選ぶということは滅多にしないのですが、ごくわずかに例外がいます。

『暗号解読』『フェルマーの最終定理』を訳した青木薫さん、『イノベーションのジレンマ』『ゆとりの法則』を訳した伊豆原弓さん、そしてこの井口耕二さんです。

もちろん、他にも素晴らしい翻訳者はいますが、この3名が訳した本は、読んでいて本当にワクワクします。

今回、井口さんの本を読んで、そのワクワクの裏に隠された壮絶な努力・手間がわかり、感慨深いものがありました。

なぜウォズニアックが「ぼく」で、ジョブズが「僕」なのか。なぜ“down the hall”を「廊下の向こう側」ではなく、「ホールの反対側」と訳したのか。

翻訳あるいは翻訳の仕事に興味のある方は、発売後に出された批判への回答を読めば、著者がいかに考えて訳出しているか、その奥深さに驚くと思います。

フィギュアスケート選手、東大工学部、大手石油会社を経て、フリーランスの翻訳者になったという異色の経歴も面白く、第3章<出版翻訳者の「塞翁が馬」人生>は、キャリアを考えるヒントとしても読めると思います。

編集を、土井の『「伝説の社員」になれ!』の担当編集者、青木由美子さんが担当しているということもあり、これが面白くないわけがありません。

わずか10センチの違いでも「接客の質」が大きく変わるモノってなぁんだ?

接客の質は、ほんの少しの差で現れてくると無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは語ります。今回、坂本さんはご自身が経験したコンビニでの接客シーンを例に、接客の質を高めるほんの少しの意識について紹介しています。

ほんの少しの差にこそ

接客販売をされている方の多くは、いかにして質を上げるかへの意識は高いことと思われます。

特にこのメールマガジンを読んでくれているような方々は、その意識は強いはずです。

しかし接客の質って、実際にはほんの少しの差で現れてくるものです。

そのほんの少しに意識を向けられるかどうかの差にしか過ぎないんですね。

例えば、つい先日ドラッグストアでのど飴を購入しました。

僕が超愛用している、袋入りの龍角散のど飴です。(あれ、マジでいいです)

商品をレジに持っていき、レジを打ってもらった際にバッグがあったので袋は断り会計を済ませました。

すると店員さんは、スムーズに会計をしてくれたのですが、のど飴の袋をレジ代の店員さん側に近いところに置かれたのです。

僕が会計を済ませて商品を取るには、10~15cm程度手を伸ばす距離が遠くなるくらいですね。

この10cm程度の距離にも、違いは表れると思うのです。

常にお客様へ意識が向いている人は、商品を置く位置をお客様側に寄せて取りやすいようにするでしょう。

また人によっては手渡しをする人もいらっしゃるかもしれません。

どうでも良いと言えばどうでも良い、かなり小さなことなのですが、この小さなことこそが大事なんです。

なぜなら、(これまでに何度もお伝えしているように)『何のためにその仕事をするか』が表れるからですね。

ほんの小さな作業でも、「作業のために作業をする」ことはありません。

次の作業のために作業をすることはあっても、最終的には商売である以上は、お客様のためにやることになるわけです。

レジ打ちひとつとっても、袋詰めひとつとっても、何においても同じことが言えます。

その最後のところでお客様が「利用しづらい」とか、「ん?」と感じるようなストレスを与えれば、どれだけスムーズな作業でもどれだけ丁寧な接客でも、せっかくの努力が報われません。

そういう部分って、本当に小さなところに表れてしまうのです。

コーヒーショップでマグカップをお客様が持ちやすく回してお渡しするのもそう。

何かに記入してもらうときに、ボールペンをノックしてお渡しするのもそう。

どんな店でも必ず細部に差が出ることは存在します。

ほんの少しの差が出てしまうようなところにもう一度目を向けてみましょう。

今日の質問&トレーニングです。

1)自店でお客様に商品や何かを渡す時、質に差が出てしまうそうなことは何ですか?

2)その部分をより良いものにするためには、どんな行動が必要ですか?

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カマボコの板2枚で解決。ソニー創業者・井深大がパートのおばさんを“リーダー”として尊敬した話

ソニー創業者の井深大さんが、主婦にもわかりやすく語ったリーダーシップ論。トイレの落書き事件から始まったそのお話を今回、無料メルマガの『致知出版社の「人間力メルマガ」』で紹介しています。

ソニー創業者・井深大のリーダーシップ論

本日は「朝礼・スピーチに使える話」と題して、はとバス元社長・宮端清次氏のお話をご紹介いたします。

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「ソニー創業者・井深大のリーダーシップ論」

 宮端清次(はとバス元社長)

『致知』2007年8月号より
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リーダーシップの勉強を始めようと私が思ったのは、三十年以上前のことです。

都庁で管理職になった頃、現役を退いたソニーの井深大さんの講演を聴きに行ったんです。

そこで井深さんは一時間ほどリーダーシップの話をされましたが、私にはよく分からなかった。

すると終了後に、ある女性が手を挙げて「失礼ですが、いまのお話はよく分かりませんでした。私のような主婦にでも分かるように話をしてくれませんか」と言ったんです。

司会者は大慌てでしたが、さすがは井深さんですね。ニコッと笑って、こんなお話をされました。

「ソニーの社長時代、最新鋭の設備を備えた 厚木工場ができ、世界中から大勢の見学者が来られました。しかし一番の問題だったのが便所の落書きです。

会社の恥だからと工場長にやめさせるよう指示を出し、工場長も徹底して通知を出した。

それでも一向になくならない。そのうちに『落書きをするな』という落書きまで出て、私もしょうがないかなと諦めていた。

するとしばらくして工場長から電話があり『落書きがなくなりました』と言うんです。

拡声器で「北朝鮮にすべてを伝える」韓国の放送は、どうやら“ダメージ大”らしい

9・19南北軍事合意の効力を停止することに決めた韓国政府。これで、北朝鮮が挑発してきたときにいつでも北朝鮮に向けて「拡声器放送」を行うことができるようになりました。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、この拡声器対応によって何が得られるのかについて語っています。

北が一番嫌がる「拡声器」対応、再開の根拠ができる

韓国政府は6月3日、9・19南北軍事合意の効力を停止することを決め、北朝鮮の今後の挑発時にいつでも対北朝鮮拡声器放送を再開できる道を開いた。現在、軍が対北朝鮮拡声器の再開など準備態勢を整えているだけに、政府が決定さえすれば、数日内でも対北朝鮮放送が可能になった。

国家安保室はこの日午前、キム・テヒョ国家安全保障会議(NSC)事務局長主宰でNSC実務調整会議を開き「9・19南北軍事合意」全体効力停止案件を4日国務会議に上程することにした。ただ対北朝鮮拡声器の再開については言及しなかった。

対北朝鮮放送は、国会の議決事案ではなく、大統領が決心すれば直ちに再開できる。しかしそのためには9・19南北軍事合意の効力停止がまず進行されなければならない。効力停止は国務会議の議決を通じて可能だ。政府が4日、国務会議案件として軍事合意効力停止を上程しただけに、今後北朝鮮が再び挑発をすればいつでも対北放送カードを取り出すという観測が出ている。

対北朝鮮放送は、北朝鮮の体制を揺さぶることができる最も強力な心理戦手段の一つに挙げられる。特に、今のように北朝鮮住民が韓国に関心を持っている時期に対北朝鮮放送は北朝鮮体制の維持に致命的になりかねない。

2日夜、北朝鮮が朝鮮中央通信を通じて発表した北朝鮮の姜日(カン・イル)国防相(次官)談話で「国境を越えてゴミなどを散布する行動を暫定的に中止する」と明らかにしたのも、北朝鮮の拡声器再開と無関係ではないという分析だ。

対北朝鮮拡声器は江原道(カンウォンド)と京畿道(キョンギド)の国境地域に固定式10個余り、移動式装備40個余りがあるという。天気と時間によって異なるが、短くは10km、長くは20~30km離れた距離でも聴取が可能だとされている。

作詞家・なかにし礼と映画監督・篠田正浩は、なぜ俳句や短歌の「七五調」を嫌ったのか?

日本人が自身の感情や目の前の情景などを書き記すときに好んで用いる七五調。万葉の時代から脈々と受け継がれる短歌と、そこから派生した俳句の七五調が、日本人の美意識や行儀良さを育んできたとする説もあります。そんな「七五調」を批判した人として、作家で作詞家のなかにし礼さんと映画監督の篠田正浩さんの名前を挙げるのは、著名人批判を七五調で展開することもある評論家の佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、雑誌『俳句界』で20年続いた佐高さんの連載対談内で語られた、上記お二人の「反七五調論」を「共鳴するものはある」と紹介しています。

七五調への警戒

『俳句界』の「佐高信の甘口でコンニチハ!」という連載対談が終わった。第1回のゲストが筑紫哲也で、およそ20年続いたから、200人を越える人に相手をしてもらったことになる。

北島三郎や都はるみなど演歌歌手も多かったが、ズーッと気になっていたのは作家のなかにし礼と映画監督の篠田正浩の七五調批判だった。詩人の金時鐘にも指摘された。

作詞家としても知られるなかにしは、歌詞を書く時、「七五調では書くまい」と決めたという。

「七五調にきれいに収まることで知られる日本人の精神の安定、美意識、行儀のよさ、収まることの粋な感じとか、そういうところから外れたところにある日本人の情緒、美しさ、共感が必ずあるはずだ」

そう思ったからだった。

端的に言えば、七五調では「革命」は歌えないということだろう。あるいは、七五調は革命を抑える働きをする。それに対して、シャンソンは革命の応援歌らしい。なかにしによれば、あのレーニンも革命が成功した時、「諸君!ワルツを踊ろう」と言ったくらい、ワルツというのは革命の応援のリズムであり、そうしたものがシャンソンの源流にはある。

そんななかにしが唯一好きな俳人は山頭火。芭蕉も蕪村も子規も優れた俳人だとは思うけれども、「僕の友だちではない」とか。そして、とりわけ好きな句として「分け入っても分け入っても青い山」を挙げた。

「俳句の七五調を壊し、力強くものを言う。そういう抵抗心を持たないと、日本の将来は暗いと思いますね」

篠田正浩にとっては、七五調は「終戦以前の日本の象徴」のようだった。軍国少年だった篠田にとって七五調は「天皇家へとつながる韻律」でもあり、戦後を迎えて篠田はまず、「七五調を捨てたい」と思った。

天皇家は「日本語の家元」であり、たとえば古今和歌集などの勅撰和歌集が担ってきた役割は大きい。日本文化は七五調によってつくられていると言っても過言ではないほど、日本文化の軸になっている。とはいえ、アウトサイダーの文芸だから、短歌よりは俳句の方が好きだという篠田は、蕪村に惹かれると言い、「辻堂に死せる人あり麦の秋」を挙げた。

川柳も七五調だが、鶴彬のそれは七五調を用いながら、七五調へのアイロニーがあり、七五調を壊す内容を盛っている。

七五調に浸りながら、なかにしや篠田の反七五調論にも共鳴する私は、やはり、なかなか七五調から離れられない。それで、たとえば最近は子規の「紫陽花や昨日の誠今日の嘘」といった句を小池百合子批判などに使っている。

そういえば、なかにしの作った「私、バカよね、おバカさんよね」という歌詞を、典型的なおバカの甘利明批判に利用した。伊集院静が師事していた甘利である。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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プーチンが密かに狙う「ウクライナに親ロシア政権を誕生させたら終戦」という最悪シナリオ

アメリカからの軍事支援物資が次々とウクライナに到着したとの情報も入る一方で、戦況はロシアの優勢が伝えられるウクライナ戦争。ゼレンスキー大統領はシンガポールで開催されたアジア安全保障会議で支援を訴えましたが、反応は芳しくなかったというのが現実です。この状況を識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、アジアや中東諸国がウクライナのバックアップに動かない背景を解説。さらに今後の戦争の行方と、各国が描く「戦争後の世界」のビジョンの考察を試みています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:End Game for Whom?-イスラエル・ウクライナ・ロシア…国際秩序

揃わない足並み。各国の利害が絡み見通せぬ「戦争が終わった後の世界」

アジア安全保障会議にゼレンスキー大統領が赴き、アジア諸国に支援を訴えかけましたが、まさに暖簾に腕押しといったイメージを持ったのと同様、以前、アラブ諸国の会合に参加した際にも具体的な支援やバックアップを全く得ることが出来なかったのは、中東諸国のEnd Gameのビジョンにも、アジア諸国が描くEnd Gameのビジョンにもウクライナの居場所がなかったことが主因だと考えます。

穀物の一大生産・提供国というウクライナのかつての立場は、今回の戦争による破壊でなくなり、アジア諸国にとってもアラブ諸国にとっても必要不可欠な存在ではなくなっています。いずれロシアとの戦いにピリオドが打たれた暁には、復興のマーケットが開くため、何とか権益の確保はしておきたいという思惑はあるでしょうが、戦況がロシア有利に傾く中、「ウクライナに対しては取り急ぎ何もせず、ロシアとの関係をキープしておくほうがベターだろう。そもそもウクライナ支援とロシア排除は欧米諸国とその仲間たちが勝手に行ったことであり、我々には直接的に関係がないし、ましてや欧米諸国から命令される謂れもない。ウクライナはかわいそうだが、関わるとろくなことにならないのではないか」との考えが勝っているように見えます。

それをロシアも(中国も)よく知っており、アラブ諸国ともアジア諸国ともそれなりにうまく付き合う戦略を強化しています。

ロシアのEnd Gameは先週号のグランドデザインでも描いたかと思いますが、独自の勢力圏を再確立し、拡大したうえで、欧米諸国の影響力を自国のsphere of influenceから排除することで、ロシアの国家安全保障を確立することと表現できるかと思います。

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ウクライナ戦争をいつ終わらせるかの決定権は自身の手の中にあるというのが、どうもプーチン大統領の思考のようで、アメリカ製の武器がロシアを襲ってきてもものともせず、真綿で首を締めるようにじりじりとウクライナを追い詰め、可能な限り内からの崩壊を引き起こさせ、ロシアの傀儡を誕生させた上で戦争を終わらせるというシナリオを描いているように見えます。

その先は繰り返しになりますが、スタン系の国の取り込みとバルト三国への小規模な侵攻と内政の混乱の誘発、さらには周辺国への恐怖の植え付けを行った上で自国の影響圏を拡げるというEnd Gameが見えます。

その背後でNATOの団結・結束を切り崩し、「NATOは何一つできない」というイメージをクローズアップしたいという狙いも透けて見えますが、それを可能にするかどうかを占うのは、中国とトルコの協力度合いでしょう。

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