【有田芳生×多田文明 Vol.4】「殉教者」安倍晋三が統一教会を暴走させる?国会議員信者化工作に要警戒、団体規制法で監視せよ

今も世論の注目を集めている「旧統一教会」問題について30年以上にわたって取材・追及を続けているメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』発行者でジャーナリストの有田芳生さんと、かつて旧統一教会の信者でメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』発行者でもあるジャーナリストの多田文明さんが、統一教会の深層に迫った対談のVol.4をお届けいたします。国会議員たちを「信者にする」という意向で続けられた政界工作とは?  Vol.1Vol.2Vol.3に続き、クロストークの模様をテキストにて特別に公開します。(この対談をYouTubeで見る | Voicyで聴く

● 有田芳生×多田文明 Vol.1
● 有田芳生×多田文明 Vol.2
有田芳生×多田文明 Vol.3
有田芳生×多田文明 Vol.4

有田芳生(ありた・よしふ):
1952年生まれ、ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。2022年12月より、まぐまぐのメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』が好評配信中

多田文明(ただ・ふみあき):
1965年生まれ、ルポライター、ジャーナリスト。統一教会元信者。数々の現場経験と被害者への聞き取り取材から、詐欺・悪質商法に詳しいジャーナリストとして一線で活動し、多数のテレビ・ラジオに出演している。2022年9月からまぐまぐのメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』が好評配信中

司会:内田まさみ(フリーアナウンサー)

有田芳生×多田文明 政治家の秘書として入り込んだ統一教会の信者たち

(前回「Vol.3」からの続き)

有田芳生(以下、有田):90年に国際勝共連合の思想新聞っていう機関紙が、勝共推進議員(共産主義に勝つことを推進する議員)の105人の名簿を発表したんです。その時に、細田さんが入っていたかな。それが初めてか。90年ね。

多田文明(以下、多田):色々調べて90年に初当選というから、僕は、総選挙の表にはオウムがいて、裏には統一教会がいて(自民党を応援)、そういう意味でもあの総選挙はピークだったのかなって本当に思いました。それがずっと続いていて、文鮮明が安倍派を応援する発言とか色んなこともあって、そういったもので、私たちに色々圧があったんだろう。

有田:政治家の秘書には入っているんだけど、今でも。そういうのは聞かなかったんですか?

多田:秘書にどんどん入っているという話は散々聞いています。ただ、誰がどう入っているかは当然知らないです。統一教会員であることがバレると問題だから、そういう人たちには「統一教会は辞めたと言え」という指示を出しているみたいな話は聞いていました。

内田まさみ(以下、内田):それを雇っている政治家も知っているわけですか?

多田:知っているでしょうね。たぶんね。

有田:この8月に僕、安倍さんとものすごく親しくて大臣をやった人と話していて、その人は「有田さん、今でもいっぱいいるよ」って言ってました。

内田:そうですか。分かっているんですね。

有田:優秀なんだって言っていました。

内田:そうすると、色んな政策の中にもやっぱり統一教会の意見なりが組み込まれてしまっているって、もう考えたほうがいいわけですね。

国会議員たちを「シンパどころか信者にする」という教団の意向

有田:例えば、緊急事態条項とか、自衛隊を9条に位置付けるとか、家族を大事にするとかっていう基本的な憲法改正は、自民党の政策と国際勝共連合や世界平和連合は一緒なんです。似ているのか浸透しているのか。

多田:文鮮明の言葉もそうでしょうけれども、議員たちをシンパどころか信者にするっていう意向がありますから、勉強会とかはそこそこ開いているんだろうなと、私なんかは思っていますけどね。統一教会というのは、必ず修練会やセミナーを行って、パターン化して教え込みをしていくので、まずはそういったところに連れ込んで、議員だけじゃなく秘書も一緒に勉強させて思想統一させて、それを反映させるっていうことは、多分やっているんじゃないの?っていうように私は思っています。

内田:今回、「質問権行使」っていう話が出ていますよね。そういう、今までは考えられなかったことが、今回行われる可能性がある。

有田:宗教法人法が96年に改正されて、質問権から調査権というのができて初めてのことなんだけれども、非常に危ないなと思うのは「質問して何も問題ありませんでした」ということになったら、お墨付きを与えちゃうことになるわけでしょ。宗教法人法の解散の方向に向けて質問するわけだから、本当に政権が「これは解散させなきゃいけない」という前提で質問・調査をしない限り「何も問題でませんでしたよ」になったら、とんでもないことになっちゃう。

今、岸田政権の支持率がどんどん落ちていますから、解散請求をする可能性は、僕は高いと思っているんだけど、解散請求しても裁判があるから。オウム真理教はすぐに解散になったけど、妙覚寺は裁判をやって3年かかったんです。そうすると、2023〜2025年ぐらいまでかかってしまう可能性がある。

元官僚も証言。厚労省がワクチン関連死を国民に伝えたがらない訳

岸田首相がテレビCMにまで登場し、早期接種を呼びかけている新型コロナワクチン。しかしここ最近、その安全性に疑問を呈する報道も見かけられるようになっています。はたして真実はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『小林よしのりライジング』では、漫画家・小林よしのりさん主宰の「ゴー宣道場」参加者としても知られる作家の泉美木蘭さんが、報じられているさまざまな記事や厚生労働省が発表したデータから、「災害級の死者数の増加」とワクチン接種との関係を考察。さらにフロリダ州知事が、薬害を調査するための大陪審設置を求めた申立書の内容を紹介しています。

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激甚災害に匹敵する死者増加、フロリダ州知事のmRNAワクチン告発申立書

mRNAワクチンによる被害が積み重ねられつづけ、主要新聞や全国キー局が無視を決め込む中、『週刊新潮』が特集に踏み切ったり、東海地方のローカル局CBCが報道したり、スポンサー支配の及ばないメディアからは、その実態が漏れ伝えられるようになってきた。

これまでYouTube上では削除対象だった「ワクチンを繰り返し打っている人ほど、感染しやすくなっている」という言葉も、細々とだが、陽の目を浴びている。

著名な科学誌『サイエンス』には、ワクチンを3回接種するとオミクロンに感染しても免疫ができにくくなることを示した査読済み論文が掲載され、接種によって自然免疫が抑制されることも指摘された。

これまで、「その論文は査読されていない」だの「そんなエビデンスはない」だの偉そうに専門家ぶって被害拡大を促進してきた「こびナビ」連中は、一体どう責任をとるつもりなのだろうか。

「そろそろ、この話をしてもいいようだ」という空気はじわじわと広がっているようで、ビジネス誌『プレジデント』(2022.12.16号)では、元厚労省官僚の田口勇氏が、「厚労省はワクチンに関する統計・データの数字を国民にきちんと知らせていません」と指摘。

インフルエンザワクチン接種後の死亡者数は、約1億人接種に対して10人程度なのに対して、コロナワクチンは、国民の大部分が接種して1,800人以上であることを踏まえ、こう書いている。

このことを国民にきちんと伝えると、季節性インフルエンザワクチンと同じような気軽さで新型コロナワクチンを接種できなくなるでしょう。そうなると、数兆円もの予算を確保してきた新型コロナワクチンの接種が進まなくなってしまう恐れが出てきます。そのため、厚労省はこうした統計・データを国民にきちんと伝えようとしていないと考えられます。

また、厚労省発表の人口動態統計を分析した田口氏は、「2022年は、日本で東日本大震災に匹敵する大災害が起こっていた可能性がある」とも指摘。

特に2022年2月は、前年2月の死者数が11万7,636人だったのに対して、13万6,994人と跳ね上がり、1万9,000人以上も死者が増加。これは年間でなく、「月間」の数字である。

高齢化社会の日本では、毎年、死亡者数が増加していくのは当たり前。団塊世代は、次々と後期高齢者入りしている。だが、田口氏によれば、その状況であっても、死亡者の増加数は、「月平均で1,500~2,000人ほど」だという。

そうなると、前年同月よりも1万9,000人もの死者が増えた2022年2月は、「高齢化以外の原因で、死者が1万7,000人以上も増えた」と考えなければならない。2011年の東日本大震災による死者は、約1万6,000人。それと同規模以上の災害が、誰にも見えないし、どこからも報道されないし、政府対策本部も立てられないうちに、大変な勢いで発生していたと考えるしかないというレベルなのだ。

コロナ脳ならば、ここで「1万7,000人もが、隠れコロナ死をしている!」「医療が逼迫して、犠牲者がこんなに出たのダー!」と騒ぎ立てるところだが、ここで役に立つのが、なんとコロナ脳たちが大好きなPCR検査である。

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プーチンと“同じ過ち”を犯すことになる日本。石垣・宮古に「攻撃ミサイル基地」という愚行

これまで2回に渡り、岸田政権が防衛政策転換の拠り所とする「日本が脅威にさらされている」という主張がいかに国民を欺くものであったかを解説してきた、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、何が「島嶼防衛論」を生み出したのかを暴くとともに、我が国の敵基地攻撃能力の保有がどれだけの危険を招くかについて解説しています。

【関連】日本は侵略などされない。脅威を捏造し「防衛費倍増」する国民ダマシ
【関連】国が作り上げたウソの脅威。元防衛相も認めた「島嶼防衛論」の無理筋

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年12月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

日本が直面している「脅威」とは。ある日突然に中国軍が尖閣、与那国、宮古に侵攻?

前号で「北の難民が一部武装して離島に」という与太話が「中国漁民に偽装した武装民兵が尖閣を占拠」というもう1つの与太話に移し替えられてきたことを述べた。私はこのことについて何人もの自衛隊関係者や政府寄りの専門家と議論したので、そのエッセンスを1つの「仮想対話」として描くことにしよう。

【関連】国が作り上げたウソの脅威。元防衛相も認めた「島嶼防衛論」の無理筋

Q:しかし、そもそも中国が尖閣の岩礁を盗ったとして、国際法を無視し全世界を敵に回すだけでなく、現実に米中全面戦争となるリスクまで冒して一体何の利益があるのか。

A:いや、だからそれは手始めで、次に与那国島を狙うだろう。

Q:それじゃあまるで、かわぐちかいじの劇画『空母いぶき』の冒頭部分と一緒だ。漁民のふりをした中国の工作員3名が尖閣に上陸したのを前触れに、やがてそこに大隊規模の部隊が侵入して巨大な五星紅旗を立て、それと同時に与那国と宮古の自衛隊レーダー基地がミサイル攻撃で破壊され空挺部隊が降下してくる……。あなた方、漫画の読み過ぎですよ。

A:いやいや、そこを足がかりに、島伝いに沖縄本島、やがて本土に迫ってくる。そうなったら一大事だ。

Q:あのですね、島伝いに本島へ、本土へというホッピング(飛び石)作戦は第2次世界大戦の米海兵隊で終わりなんですね。あの当時でも、島々に守備隊を事前配置して「島嶼防衛」を図るという構想は、沖縄本島を含め、すべて失敗で、住民を巻き込みながら現地部隊が全滅するということを繰り返した。ましてやミサイル時代の今ではナンセンスでしかない。半端な守備隊や申し訳程度のミサイル攻撃部隊など置いている方がかえってターゲットになりやすい。

A:確かに守備隊方式は完全ではない。そこで水陸両用の米海兵隊タイプの着上陸侵攻部隊を創設して「奪回」能力を身につけるのだ。

Q:「奪回」ということは、初戦でもう島は盗られてしまっているということだ。盗られないようにするのは無理だと最初から認めていることになる。何を言っているのか分からない。

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ウクライナ、安倍氏銃撃。2022年の重大ニュースが示した「日本のかたち」

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や安倍晋三元首相の銃撃暗殺事件など、国内外ともに誰しもが目と耳を疑う歴史的大事件が起こった2022年。私たちはこの1年をどう振り返るべきなのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、2022年の主なニュースを総括。その上で、現在世界が何を問われているのかについて考察しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2022年12月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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ウクライナ戦争から安倍氏銃撃死まで。2022年をどう総括するか

2022年を見送ろうとしていますが、今回の「年忘れ」というのは、かなり難しい作業になるように思います。通常の年の瀬に行う回顧ということでは済まないように思うからです。

そこで、まず、主要なニュースを数点箇条書きにしてみることにしました。

  1. ロシア=ウクライナ戦争
  2. 中国新体制
  3. 欧米での「ウィズコロナ」定着
  4. FTX破綻
  5. TWTR、メタの迷走
  6. EV元年(?)
  7. QE2逝去
  8. 日本経済の衰退感顕著に
  9. 米中間選挙が見せた政治的均衡
  10. 米経済の強引な軟着陸ターンアラウンド
  11. 独クーデター未遂
  12. 安倍晋三氏遭難と宗教問題

この中で1.は回避できたかもしれない大事件が起きてしまったということで、明らかに政界史的大事件ですが、この1.を含めてすべての問題が現在進行形であり、2022年には全く決着がついていません。つまり課題として23年に先送られる内容ばかりです。7.のQE2逝去という事件も、立憲君主制(コンスティテューショナル・モナキー)というシステムの動揺が顕在化されたという意味では、終わりではなく始まりだからです。

前置きはそのぐらいにして、順に見て参りましょう。

まず、1.のロシア=ウクライナ戦争ですが、常識的にはプーチン体制という極めて権力集中型の政体が、プーチン自身の加齢と、過度に依存してきた化石燃料産業の衰退という2つの困難に対して、「敵を外に求める」という政治の常套手段に訴えた現象のように見えます。

それはそうであって、それ以上ではないのかもしれません。プーチンの加齢というのは、それによって判断が衰えたということもありますが、加齢に直面しつつ後継を選択するシステムがない中で、強引に求心力を維持しなくてはならない構造を露呈したということです。

ただ、この切り口というのは余りにも人間的であって、政治的考察を越えます。そこで、この1.という問題は、21世紀中葉に向かう中での、各国の領土・政体の正当性が問い直されたという切り口で考えたいと思います。

考えてみれば、1990年から91年にかけてのソ連邦の解体では、旧共和国の独立と、旧ロシア連邦の維持という「国境の線引き」がされました。この当時は、目立った紛争はアルメニア=アゼルバイジャンの紛争ぐらいで、この場合は旧共和国同士の葛藤ということでしたから、ロシア連邦の「国のかたち」という問題ではありませんでした。

ただ、90年代の後半にはチェチェン問題が顕著な問題として浮上。結果論としてはこの問題を利用することで、プーチンという人物は政治的な権力を手中に収めたのでした。また、チェチェンに関して極めて強引な解決をしたことで、「旧ロシア連邦内の自治共和国の独立は絶対に認めない」というロシアの「国のかたち」が事実上成立したわけです。

東欧から中央アジアにおけるソ連解体後の国境問題、あるいは「国のかたち」問題はこれで一段落したように思われました。ですが、今回のウクライナにおける熱い戦争は、「そうではない」、つまり旧ロシア連邦内だけでなく、旧ソ連の各共和国に対しても、プーチン体制は安全保障上、自国の勢力圏内としておかないと「安全感がない」ということを暴露してしまったわけです。

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恥ずかしい内閣。大臣4人が辞任した2022年“機能不全”岸田政権

安全保障関連3文書の改定や原発政策の見直しなど国の未来を決める重要事項を、十分な議論もなさず意のままに転換した岸田首相。このような政権運営は、果たして許されるものだったのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、「岸田政権の2022年」を振り返りつつその荒唐無稽な仕事ぶりや内閣の在り方を批判。さらに相次ぐ閣僚の辞任が政治的危機に繋がらない現状を危険視しています。

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戦後防衛政策の大転換、原発政策、国葬…2022年振り返り:「デモくらジオ」(12月23日)から

冒頭でお話申し上げようと思っていましたのは、この1年がどういう1年だったか、というふうなことですね。色んな見方がありましょうし、こういうことがあったと出来事を並べていっても、それで必ずしも全体像が明らかになるわけではないということがありますから、そこはかなり私流といいますか、自分勝手にぶった切ってしまうことになりますので、そこはそのようにご理解いただきたいと思いますが。

1年を振り返ろうかなと思ったら、今日はとんでもないニュースが。114兆円なんだそうです。新しい年度の予算案ですね。どこにそんなカネがあるんだろうと。一つは税収がかなり大きく伸びていることもあるので、そういう余裕も一部あって、赤字国債の分量がちょっと減るんですかね。そういうことがあるかもしれませんが、しかし途轍もない金額。今年が107兆円だったので7兆円増えている。これ、なんで増えたかというと、有り体に言ってしまえば防衛費。これがものすごい増え方をしている。確か5兆4,000億円で、亡くなった安倍さんが、岸田内閣は防衛費を2%に向けて増やしていくと、自民党の会合でそのようなことをうれしそうに語っていましたよね。

で、今年は5兆4,000億円だけれども、来年度は6兆円の後半だと言っていた。その通りになりました。6兆7,000億とか8,000億という、そういう金額だと思います。で、防衛関係の予算は防衛費以外にも実はあって、次年度以降の防衛費の調達のための基金のようなものがあり、それを入れると防衛関係の予算が114兆円のうち、実に10兆円ということだそうです。この金額にはちょっと本当に驚かされます。反撃能力ですが、敵基地攻撃能力、そのための予算というのがこれ1年度でということではないかもしれませんが、5兆円も計上するわけですよね。とんでもない軍拡が起ころうとしている。予算が通れば起こるということになりますね。

自民党と公明党…。公明党という党の存在意義をもう一度確認させていただきたいと思うのですがね。本当に、そういう時代に与党の一角を占めていていいのだろうかということは是非、立党の精神に立ち返り、一度ご検討いただけないだろうかと思いますけれども。公明党が反旗を翻せば、岸田政権は吹き飛ぶのではないでしょうか。いや、分からない、日本維新の会がいるし、あるいは国民民主党だっているから…そういうことになりかけているということですね、この1年間、失礼。

予算の話ではもう一つあって、建設国債。まあ、赤字国債の中で一応別の概念になるのですが、国債には違いが無い。ただ、それによって出来るものが消費してしまうものではなく、後で残るものということで建設国債という名前になるのですが、その一部を防衛費に充てるのだそうです。これは大転換ですね。一言で言えば、国家財政の軍事化の極みではないかと思います。

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アメリカの政界工作か。「国民民主の連立政権入り」情報の裏側

12月2日に報道されるや、岸田首相も玉木国民民主党代表も直ちに否定した「国民民主の自公連立政権入り」なるニュース。かようなスクープは、一体どのような意図で報じられたのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、現在報じられているさまざまな情報を総合しつつその裏側を推測。さらにアメリカによる政界工作の可能性についても言及しています。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

 

国民民主党、連立入り?自民と国民、共鳴する“民社党”の遺伝子。公明党はどうなる、創価学会の集票力懸念

12月2日に時事通信が報道した「国民民主党、連立入り」というニュースが話題となっている。報道は、岸田文雄首相の“奇策”として、自民党が公明党との連立政権に、国民民主党を組み込もうと動き出したというもの。

自民党と国民民主党の両党の幹部はこれまで極秘に接触を重ね、岸田首相も連立政権に「ゴーサイン」を出したという。国民民主党の代表である玉木雄一郎議員も腹を固めたという。

もはや“死に体”同然の岸田首相が、奥の手として決めた策であるとして、報道当時、永田町は騒めいた。

「火の気のない所に煙は立たないってことですよ」(*1)

国民民主党の連立入り報道について、立憲民主党の議員はこう漏らしたという。

「知り合いの議員何人かに尋ねたら、『聞いてない』『根耳に水』だって。年末にかけてこりゃ、浮足立つね」(*2)

あるいは、

「遅かれ早かれでしょ。でも県連レベルでは立憲と国民民主が歩調を合わせている所もある」(*3)

とも。

国民民主党は3月に成立した今年3月に成立した当初予算、5月の第一次補正予算で賛成に回る。第二次補正予算成立時にも、政府与党に追随。国民の玉木代表は、党が主張した電気料金引き下げ対策などが盛り込まれたことを評価していた。

目次

  • 民社党の遺伝子 統一教会との関わりも
  • 公明党はどうなる? 創価学会の集票力懸念
  • アメリカの政界工作の可能性も

民社党の遺伝子 統一教会との関わりも

そもそも、自民党と国民民主党とには互いに“引き合う”下地があるという。国民民主の玉木氏は同じ香川出身の元大蔵官僚で、故・大平正芳元首相の親族。

そして大平氏が自民党内で率いた派閥が宏池会であり、その派閥の現在のトップが岸田首相。

それだけではない。法政大学大学院の白鳥浩教授は、

「国民民主の血脈をさかのぼると旧民社党に行き着く。55年体制の野党で、中道から弱い保守までを含んでいた。この『保守』の分野で自民と相通じていた」(*4)

という。

さらに民社と自民とを通じさせるものとして、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の存在が。

教団の政治団体「国際勝共連合」の機関紙「思想新聞」を1980年代までさかのぼると、教団の理念に共鳴する「勝共推進議員」の名簿にも民社党の議員の名前が何人も登場。

勝共連合の関連する会合には、民社党の国対委員長が出席した(*5)。

民社党と教団との接点について、北海道大大学院の桜井義秀教授(宗教社会学)は、東京新聞の取材に、

「党として関係を持ったわけではないが、反共で共鳴する人もいたのだろう。選挙の組織票をうかがう算段もあった。そこは民社も自民も違いがない」(*6)

とする。

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このままでは日本がアジアの「困ったちゃん」になってしまうワケ

経済的に大きな繋がりがありながら、対中政策でアメリカの求めに易易と応じてしまう傾向にある日本。半導体関連の規制でも右往左往する様子に「日本の利益はどこにあるのか?」と疑問に思うのが中国人の本音のようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、知人の中国人による日本の外交政策への提言を紹介。米中対立の中でアメリカにとって重要な日本の立場を利用すれば大きな利益を得るチャンスで、反対に国益第一の振る舞いをしなければ、アジアの中で疎まれてしまう危険があると2023年を展望しています。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

2023年、日本がアジアの「困ったちゃん」にならないためにすべきこと

日本人が中国の話題に触れるとき、よく使うフレーズがある。 「とはいえ日本は、中国とは経済の面で切っても切れない関係だ」 当然、この前には中国と付き合いたくない多種多様の理由が並ぶ。「経済の関係さえなければ……」という意味にも聞こえる。

関係を切るとか切らないとか、そうした発想そのものが子どもっぽく、外交には相応しくない。また、対立を前に、すぐに「どちらが正しいのか」という判断をしようとすることも、日本の悪しき傾向だ。

居酒屋で酔っ払いがする議論ならばよいのかもしれないが、国と国との関係では国益を基準にする以外のことは避けるべきだ。世界のほとんどの国は、自らを取り巻くさまざまな要素を組み合わせ、計算した上で、まず自国の利益を取りに動く。つまり、「とはいえ……」ではなく、経済関係が太いのであれば、徹頭徹尾それが判断のど真ん中に置かれるのが普通だ。

世界と日本のズレを意識させられる、アプローチの違いだ。ちょうど年末でもあり、今年1年を締めくくる意味でも、今号では外国と向き合う日本の特殊性に焦点を当ててみたい。

実は、日本人と中国人を比較しようとしたとき、この視点から見ると、違いはより鮮明となる。例えば、先日会った中国人のA氏の、こんな質問だ。

「半導体をめぐる中米対立で右往左往する日本を見ていて、中国人が一番理解できないのは、日本の利益はどこにあるのか、ってことなのです。アメリカの半導体産業は、なんだかんだ言いながら中国のメーカーへの半導体の提供を続けています。中国が大きな顧客であり、その代わりが急には見つからない事情を考えれば当然でしょう。だからいまアメリカは、自国企業の利益を犠牲にせず、何とか中国にダメージを与えようと、同盟・友好国からの流れを止めようとしているのです。これに従う日本は、中国とのビジネスを止めたことによって生じた損失を、アメリカが後で穴埋めしてくるという約束でも取り付けているのでしょうか?」

さらにA氏は、「中国との競争に血道を上げるアメリカにとって、日本の価値は従来にないほど高まっています。いまなら少々アメリカの意向に沿わないことをしても、日本に強硬な姿勢はとれないはず。アメリカはいま、日本のアメリカ離れを最も恐れているはずです。それなのにその最大のメリットを日本自身がまったく意識できていない。戦略的な思考ができる政治家や官僚がいれば、米中を天秤にかけて莫大な利益を日本に呼び込むこともできるのに」。

トルコやインドの強かさを基準にすることはできないが、せめて普通レベルに「自国ファースト」であるべきだと、言われているようにも聞こえる。外国人の目に「非自国ファースト」と映る日本の振る舞いが、日本の利益だけを犠牲にするのであればまだしも、いまやアジア全体の利益にも影響しかねないとあって、アジア各国に警戒が広がっている。

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中国の10大ニュースに「日本」。なぜ南京市の寺でA級戦犯の位牌が祀られた?

日本では年末になると必ず特集される「今年の10大ニュース」ですが、実は中国もそういった特集があるのだそう。今回のメルマガ『黄文葦の日中楽話』では、2000年に来日し現在は日本に帰化されている中国出身の作家・黄文葦さんが、2022年の中国の10大ニュースを紹介し、中でも日本に関係したものについて説明しています。

この記事の著者・黄文葦さんのメルマガ
 

中国の「今年の10大ニュース」

Question

日本のマスコミは年末になると「今年の10大ニュース」が恒例企画となっていますが、中国ではどうですか?もし同じようにあるなら、今年はどんなニュースが選ばれるのでしょう?

黄文葦さんからの回答

中国でも、年末に10大ニュースを選ぶ習慣があります。多くのメディアが2022年のトップ10大ニュースを選んでおり、その内容はさまざまだが、基本的には次の3つビックニュースが含まれています。

☆ 10月、第二十回全国代表大会で新しい中国共産党の指導部である中央政治局常務委員会委員が選出された。中央委員会総書記は依然として習近平。勿論、胡錦濤の「途中退席」事件には触れていない。

☆ 中国の天宮号宇宙ステーションが正式に完成した。2023年、中国の宇宙ステーションは正式に運用段階に入る。

☆ 中国のCOMAC(中国商用飛機有限責任公司)は現地時間12月9日、小型機C919型機の初号機(登録記号B-919A)を、最初の顧客である中国東方航空(CES/MU)へ引き渡した。機体はC919型で、将来的にはボーイング737やエアバス320と健全に競合する可能性がある。

多くのメディアは、国内ニュースと国際ニュースを分けて報道しています。あるサイトでは、国内と海外のニュースを合わせて、次のようなトップ10を挙げています。そのうち2つは日本に関係するものです。

☆北京冬季オリンピック
☆ロシア ウクライナ紛争
☆中国東方航空MU5735便墜落事故
☆サル痘感染の発生
☆安倍首相暗殺事件
☆南京玄奘寺は日本の戦犯の位牌を祀っていた
☆英国の首相が相次いで交代する。
☆イギリスのエリザベス女王2世が死去
☆韓国・ソウルの梨泰院大規模な圧死事故
☆カタール・ワールドカップ

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飛んできたスパナ。あの本田宗一郎が貫き続けた「現場・現物・現実主義」

有能な経営者は、亡き後もその魂に感化されるビジネスマンが多いものです。ホンダの創業者本田宗一郎氏もまさにその一人。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、 本田氏が生前、口を酸っぱくして語っていたことをカーデザイナーの岩倉信弥さんが紹介してくれたインタビューを掲載しています。

本田宗一郎が“激怒”しながら伝えたモノづくりの極意

いまなお、熱き経営者魂に感化される人が後を絶たないホンダ創業者・本田宗一郎(1906~1991)。その情熱をいまなお引き継ぐ、クルマづくりの原点とは……。

1970~80年代にかけて「シビック」や「アコード」などのデザインを手掛けてきた岩倉信弥さんに、本田宗一郎から受けた薫陶や、「怒られて掴んだ」モノづくりの極意を語っていただきました。

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本田さんは凄く大きな夢を語るのですが、それが決して机上(きじょう)の空論にはなっていない。夢は大きく、目標は高いんだけど、やっていることは現場主義なんです。

やはりちゃんと物を見て、直(じか)に物に触れ、現実をよく知らなきゃいけないという「現場・現物・現実主義」。それを外すと「やりもせんに!」と拳骨(げんこつ)やスパナが飛んでくる。

こちらは大学を卒業して多少知恵がついている分、「いやそれは無理です」とか、屁理屈を一所懸命並べるんだけど、言おうとすると怒られる。しょうがない、やるしかない、で、やっているうちにできちゃった、ということが何度もあった。

人間は窮地に追い込まれて、いうなれば2階に上げられて梯子(はしご)を外され、さらに下から火をつけられる、という絶体絶命の危機に立たされ、初めて湧いてくるアイデアや閃きがあるものです。それを生み出すためのシステムを、ホンダでは「缶詰」「山ごもり」「カミナリ」と呼んでいました。

「缶詰」は一つの部屋に閉じ込められて、アイデアが出てくるまで一切部屋から出してもらえない。家に帰ることも許されず、その空間でとことん考え抜く。

「山ごもり」は温泉に行けと言われ、喜び勇んで出掛けると、その安宿には紙と鉛筆しかない。最新設備のある研究所を離れ、立ち位置を変えることで新たなアイデアを生み出すのです。

最後の「カミナリ」は、言うまでもなく本田さんのカミナリです。これほど恐ろしいものはないから、皆逃げ出そうとする。僕も逃げ出したかったんだけど、それも悔しいから、なんとか怒られないで済む方法はないかと考えた。

結局、なぜ怒るのかと考えたら、本田さんは経営者として考えているんです。

こうしなきゃお客さんは喜ばないという発想だから、考え方が哲学的になる。一方、こちらはデザイナーとしての視点だけで考えている。つまりシンキングレベルが違うわけです。

最近おかしくなった橋下徹氏。印象操作をするのは何が目的か?

弁護士としてメディアに出始め、後に大阪で府知事や市長をつとめるなど、その歯に衣着せぬスタイルで人気となった橋下徹氏。しかし、今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の著者、本のソムリエさんは「最近の橋下徹氏は何かがおかしい…」と思っていたそう。その違和感の正体を暴いた一冊を紹介しています。

【一日一冊】橋下徹の研究

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橋下徹の研究

百田尚樹 著/飛鳥新社

実は本のソムリエは、大阪府知事の頃の橋下徹氏が好きでした。ところがロシアのウクライナ侵攻への橋下徹氏の発言を聞いて、オヤ?と思ったのは、百田さんも同じだったようです。こうして一冊の本として研究してもらえるのは、ありがたいの一言です。

橋下徹氏のウクライナへのスタンスは、以下の発言で明確です。祖国防衛という名のもとに戦って命を落とすことはおかしい、というものです。

もし日本の北海道が、ウクライナのようにロシアに侵攻されたら多くの日本人が戦う選択をすると私は直感的に思いますが、橋下徹氏の考えは違うのです。

ウクライナ人のグレンコ・アンドリー氏に対しても、橋下徹氏はテレビで次のような発言をしています。祖国防衛のために死ぬのは違う。国外に退避する自由を与えよう!とウクライナ人のアンドリー氏に面と向かって発言しています。橋下徹氏はツイッターでも、同じような発言を繰り返していることから橋下徹氏の持論なのでしょう。

この本では「逃げる自由を与えろ!」とウクライナの出国禁止令について批判する橋下徹氏が、ロシアの出国禁止令には何も言及しないことについて、矛盾していると指摘しています。

祖国防衛のために命を落とすことが一択になるということが、僕は違うと思うんですね…ロシアが瓦解するまで国外で退避したっていいじゃないですか。祖国防衛、そこで命を落とす、それしかないという状況にみんななってしまうと、国外退避することが恥ずかしいことだ、それやっちゃいけないことだ、売国奴だという批判を恐れてしまうような空気、僕はおかしいと思う(橋下)(p35)