二階氏また「ガソリン」投下「8割減できるわけない」に批判殺到

自民党の二階俊博幹事長は8日、安倍晋三首相の「人の接触を7割8割減らしていく」という発言について、報道陣の前で「できるわけない」と否定する発言をしたと日経新聞TBSニュースなどが報じた。「二階から目薬」ということわざを文字って「二階からガソリン」とよくネット上で揶揄される二階氏だが、またも炎上ネタの「ガソリン」を投下してしまった。同じ自民党の総裁である安倍首相の要請を、同党幹事長が頭から否定した発言には、ネット上などで批判の声が多くあがっている。

二階氏「できるわけない」発言の経緯

TBSニュースによると、緊急事態宣言発出にあたり、安倍首相は8日、総理大臣官邸で会見を行なった際に、

「最低7割、極力8割、人との接触を減らしていただければ、必ず我々はこの事態を乗り越えることができる、とこう思っております」

と述べ、改めて国民に協力を呼びかけていたという。この発言について囲み取材の記者が同日、二階氏に「自民党内でもそういった動きが今あるか」と質問すると、二階氏は、

「人の接触を7割とか8割とか8割5分にするとか、そんなことはできるわけがないじゃないですか」

と回答。「それは国民の皆さんのご協力をお願いすると。お願いベースですよね」とし、「国民はよく理解していただいていると思う」と語った。幹事長自ら「できるわけない」と曰うのであれば、一体何のための「緊急事態宣言」だったというのだろうか。

休業要請を2週間程度見送るよう打診

また、西村康稔経済再生担当相は、対象地域となった7都府県知事とのテレビ会議で「外出自粛を第1段階(の対策)として、その効果を見極めてから」と、休業要請を2週間程度見送るよう打診した。

これに対して東京都の小池百合子知事は「東京は感染のスピードが速く、待てる状態ではない」と訴え、統一的な対応ではなく実情にあった対応ができるよう求めた。この意見は別の知事からも出たという。安倍首相は7日の会見で「もはや時間の猶予はないとの結論に至りました」と述べていたが、それにも関わらず休業要請を2週間も見送るとはどういうことなのだろうか。業界団体への配慮などがあったのかもしれないが、そんな悠長なことを言っている暇がないからこその「非常事態宣言」だったのではないかと疑問が残る。

なお、9日午後12時の時点で、都が百貨店や理髪店、ホームセンター、屋外のスポーツ施設を対象外とする方向で検討していることがわかったと共同通信が報じている。

コロナ予算から捻出?財務省天下り先IMF基金への拠出に国民激怒

日本政府は、低所得国の債務を救済するため、国際通貨基金(IMF)の大災害抑制・救済基金への資金拠出を準備していることがわかったとロイターが報じている。拠出金は政府が打ち出した総額108兆円にのぼる「コロナウイルス対応の緊急経済対策」から捻出されるというから驚きだ。これには、ネット上で批判の声が多くあがっている。


国内の低所得世帯はどうなる?

なぜ、政府は日本国内の低所得世帯から救済を開始しないのか。「現金給付の対象は月収8万円以下世帯のみ?政府の基準に批判殺到」でお伝えした通り、9日現在までに発表されている現金支給の対象者は限りなく狭く少ない。自粛要請に従えるほど十分な補償が約束されていないことで、今も感染を恐れながら満員電車で出勤し、働いている首都圏在住者は大勢いる。もともとは我々国民が払った税金だが、肝心な時に出し渋り、世界には惜しみなく配る。もちろん国際協力は大切だが、まずは自国民を救済することが先決ではないだろうか?

IMFは財務官僚の「天下り先」

税理士ドットコムの2019年末の記事「なぜIMFに「消費税を15%に」なんて言われないといけないのか 「一見中立」な組織の実態」によると、IMFは「総務会」を組織の頂点に置いており、総務会は各国の財務大臣や中央銀行総裁で構成されている。現在、日本は麻生財務大臣と黒田日銀総裁が務めており、日常の業務を行なう「理事会」の理事は、財務省から出向している田中琢治氏が務めているという。実務的なトップを担う「専務理事」の補佐、「副専務理事」は4枠あり、そのうちの1枠は元財務省財務官である古澤満宏氏が務めているとしている。この「副専務理事」は財務省の「天下りポスト」となっているほか、財務省や日銀から多くの職員がIMFに出向しているのが実態だという。

こうしたIMFの人事を見てみると、国民がこれほど苦しんでいるなかでも麻生氏がIMFへ資金を拠出したがる理由が透けて見えてくるようだ。ネット上には、国民への一律現金給付を渋りつつ、IMFには率先して資金拠出を準備する麻生氏や政府に対して怒りの声が多くあがっている。

Twitterの声








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source:ロイター税理士ドットコム

image by:ウィキメディアコモンズ経由

NYは2週間後の東京か?新型コロナ1日の死者数、米NY州で最多更新

新型コロナウイルス感染による死者数が、米ニューヨーク州で連日最多を更新している。クオモ知事が8日に発表したところによると、ニューヨーク州での過去24時間の死者数は779人となり、前日の731人を上回り過去最多となった。医療態勢を拡充し、外出禁止を徹底できるかが引き続き課題となっている。

ニューヨーク州で過去最多の死者数

全米の感染者は41万7000人を超え、死者は1万4100人となっている(9日午前9時現在)。このうち、感染者で15万人以上、死者数では6268人をニューヨーク州が占めている。一方、新規入院者は586人と、増加ペースは前日の656人から鈍化した。

クオモ知事は感染者数の増加について、「横ばいで進んでいる。それはわれわれの取り組みによるものだ。これを今やめればカーブは変わってくる」と述べ、感染者の増加のペースを横ばいで抑え込みながら減少に移行させるため、引き締めを続けていくことを強調した。

一方、ニューヨーク市では自宅での死者が最近増加しており、新型コロナ感染に伴う死者数が実際よりも少なく集計されている可能性があるという。デブラシオ市長は集計から除外されている自宅での死者数を1日当たりで100~200人と推計。ニューヨーク市の保険当局は、新型コロナ関連の自宅での死者数を測定し、公式データに含めるよう努めていると発表している。

また、デブラシオ市長は会見で、市内の人種別の死亡者の割合について、ヒスパニック系が全体の34%、黒人が全体の28%を占め、いずれも人口比に比べて死亡者の割合が高くなっていることも明らかにした。

「このまま死ね」と言ったも同じ。国民「見殺し」の緊急事態宣言

各方面からの要求の高まりを受け、ようやく4月7日に発令された緊急事態宣言。しかしその強制力を伴わない内容に、疑問の声も上がっています。そんな中、現政権下ではこれが限界だろうとするのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回の『きっこのメルマガ』にその理由を記すとともに、「緊急事態宣言の問題点」の整理を試みています。

国民切り捨ての緊急事態宣言

4月7日(火)夕、安倍晋三首相は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための改正特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発令しました。対象区域は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県、期間は、今日4月8日から5月6日までの1カ月です。

「緊急事態宣言」が発令されると、対象区域の知事は都府県民に対して「外出自粛」などの要請ができるようになります。しかし、これはあくまでも「要請」なので、欧米のようなロックダウン(都市封鎖)とは違います。対象区域の都府県民は、今まで通りに自由に外出できますし、外出したことで逮捕されたり罰金を払わせられたりすることはありません。本来の「感染拡大を防ぐための措置」という目的を考えれば、すべての人が不要不急の外出を控えて自宅から出ないようにすることが必須なのですから、あたしは、もっと強制力のある法律が必要だと思います。

しかし、これまでの数々の安倍首相の犯罪疑惑は、すべて自分の権力を悪用して行なって来た「政治の私物化」によるものです。自分の疑惑の証拠隠滅のためには人の命など何とも思わないような人物に、「さらなる権力」を与えることは極めて危険なのです。ですから、あたしは、今回の「緊急事態宣言」を「生ぬるい」と思う一方で、「今の安倍政権下ではこれが限界だろう」とも思っています。

強制力のない今回の「緊急事態宣言」ですが、これまで何も気にせずに生活していた人たちの何割かは、少しは不要不急の外出を控えるようになると思いますので、一定の効果はあると思います。でも、強制力のない宣言ですから、出社せずに自宅のPCなどで仕事ができるリモートワークを導入している一部の企業を除き、大多数の職種の人は職場へ行かなければ仕事ができません。

人間は働いて収入を得なければ生活できませんので、1カ月もの「外出自粛」を要請するのであれば、まずは全員に一律30万円とか50万円とかの現金を支給して、それから「外出自粛」を要請しなければ意味がありません。いくら感染リスクがあると言われても、生きて行くためには仕事に行かなければならないからです。

それでも、仕事がある人はまだ良いほうです。飲食店などで働いている人たちは、「緊急事態宣言」によって店自体が休業になるところも多いため、働くことができなくなるのです。また、休業しない店に関しても、「外出自粛」の要請によって売り上げは大幅に減少するでしょうから、パートや派遣は解雇されてしまう可能性が高くなります。

カラオケ店を経営しているあたしの友人は、すでに6人いたバイトを4人解雇しましたが、残った2人のバイト代も払えないと嘆いていました。あたし自身も、今月から本職のブライダルのヘアメイクに復帰する予定で、去年のうちから、4月に3本、5月に6本、6月に5本のお仕事を契約していたのですが、先月までに4月と5月のお仕事はすべてキャンセルになり、6月も保留になってしまいました。しかし、多くのフリーランスと同様に、国による補償はゼロです。

この2カ月で収入が激減して、すでに現時点でも生活に困窮している人がたくさんいるというのに、一律の現金支給もせずに「緊急事態宣言」を発令するということは、そうした人たちに「このまま死ね」と言ったのと同じことなのです。あまりにも遅すぎた上に、あまりにも無責任な今回の「緊急事態宣言」に、あたしは本当に唖然としてしまいました。しかし、今は「批判」より「感染拡大を防ぐこと」が最重要なので、今回は「問題点の整理」を行ないたいと思います。

韓国市民の怒り爆発。米から解熱剤服用し帰国の学生がコロナ陽性

4月7日に史上初の緊急事態宣言が発令された日本ですが、お隣韓国の新型コロナウイルスを巡る動きはどのような状況なのでしょうか。先日掲載の「韓国の意識が変わった。新型コロナ感染者数を抑え込む隣国の現実」で3月末時点の様子を伝えていた無料メルマガ『キムチパワー』の日本人著者が、再び「韓国の今」をレポートしています。

4月7日現在のコロナサマリー

4月7日午前9時基準で、韓国は、感染1万331人、退院(完治)6,694人、死亡192人となっている。全世界では、感染130万6,333人、死亡7万3,502人となっている。このうち最悪が米国で、感染36万4,723人で死亡1万781人で死亡率は3.0%となっている(米国)。韓国では、こういった情報がネイバーをたたくとすぐにみられるようになっていて便利だ。

韓国ではここ数日来、緊急災難支援金の議論がなされているが、確実に決まったことはない。はじめ政府は、“所得で下位の70%”までが対象になるとしていたが、健康保険料で決めることにしていたため、対象の吟味がものすごく複雑になり、結局この案は案で終わりそうだ。現在は、与野党ともに“100%支給案”を主張している現状。全家庭に一律5万円くらいを支給する案だ。しかしこれも支給することにするのかしないのか、またいつ支給するのかなどの議論がまとまっていない。

韓国では一時減っていた感染者数がまた増え始めるなどの現象があった(ちなみに6日、7日の2日間は新規感染者が50人以下となっている)。これは、海外から感染した状態で韓国国内に帰国する帰国者が増えたことが大きな原因となっている。

たとえばこんな事例がある。4月4日、米カンザス州に留学していたA(18)は、3月23日ごろから発熱や筋肉痛などコロナが疑われる症状があった。Aは米アメリカンエアライン飛行機でシカゴに移動した後、大韓航空に乗り換えて3月25日、仁川(インチョン)空港に到着した。米国で飛行機に乗る前に各種の解熱剤を飲んで発熱検査を通過し、25日午後、仁川空港入国の際も解熱剤を服用したため検疫にはひっかからなかった。3月26日午前9時40分ごろ、釜山市東莱区(ドンレグ)の保健所でコロナウイルス診断検査を受け、同日夜、確定判定を受けた。つまり、解熱剤を複数飲んで熱を下げ空港での検査を逃れるという手法である。こういう奴には厳罰を与えよという国民の請願がある。

これからコロナがどうなっていくのかの予想に、「医療数学」という手法が(韓国では)使われている。医療数学というのは、感染者1人が何人を感染させるのか、“再生産指数”という概念をもとに伝播様相を計算して予測するもの。国内の医療数学者の分析と展望を覗いてみると、まさに現在の数日間が追加拡散につながるか、それとも沈静化するかを決める重要な時期になっているようだ。3月のソウルと京畿道(キョンギド)地域の再生産指数は1以下だった。つまり感染者1人が1人以下に感染させていたということだ。しかし最近、海外流入の事例が増え、指数は引き続き高くなっている。医療数学者によると、海外流入の遮断失敗や社会的距離を置くことの失敗など、最悪の状況について様々な変数を代入して計算してみると、来月末までソウルおよび京畿道では感染者が今の2倍に増えるものと予測された。逆に、各種統制が強い水準で維持された場合、ソウル・京畿道の新規感染者の増加は高々200人ほどに抑えられ、5月末にはほとんどなくなるという予測も出た。有症状の時点と隔離時点、動線と接触者数などすべての疫学調査結果は医療数学の基礎となる。さらに人口、交通、携帯電話の位置情報などビッグデータまですべてのデータと変数を公式化して予測値を見つけるのが医療数学の分析技法だ。医療数学者は語る。

「政策がどれほど効果があったのか、また類似した疾病が生じた時、我々がどんな戦略に取り組めばもっと良いのか、このような効果分析を行なう研究が医療数学だ」

たとえば、大邱地域を特定し、各学校の始業時期も変数として代入してみると、4月6日に始業すれば7月末まで感染が続き、始業を見送れば今月末頃感染が止まるという分析値も出てきた。

フランスでは、医師が新型コロナ感染の診断を下しても呼吸困難のような重症でないと、確定検査さえ受けられないのが現実だという。3月24日の段階で、韓国は診断検査を1日に2万件、ドイツは1万件、フランスは5,000件やっている。こうした状況をうけて、韓国で始まった自動車移動型選別診療所がフランスやドイツに登場している。フィンランドでは、検体を韓国に送って検査を依頼するという状況だ。ヨーロッパでは韓国方式をすぐにでも導入すべきとの主張が盛んとなっている。

重要なのは死者を出さぬこと。PCR検査の件数批判に意味はあるか

メディアでたびたび取り上げられる、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査の件数。コメンテーター諸氏は「少なすぎる」と批判的な言を口にしますが、はたしてそれは本当に問題なのでしょうか。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、「医療専門家以外の人間」として知り得た情報を元に、検査件数に対して我々はどのような受け取り方をすべきなのかを考察しています。

PCR検査が少ないことは本当に問題なのか

こんにちは!廣田信子です。

新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が出ました。とにかく、ひとり一人が、自分の行動を自制していくしかないです。本当に、私たちひとり一人が試されているのだと思います。

安倍総理の記者会見は、多方面に気配りし過ぎて、緊迫感が今一つ伝わりにくかったのは残念ですが、最初の、医療関係者等への感謝を述べ、彼らの安全に全力を尽くすというところは、安倍総理の感情が伝わりにくい言葉であっても、自分の気持ちとシンクロして、私は、何だか、うるっと来てしまいました。

テレビで紹介されていた看護師さんが目に浮かびました。親にはやめてほしいと言われたけど、自分の使命感でやっている。自宅には祖父母がいるので、うつさないよう病院の寮に泊まり込んでいる…と。

コロナ治療の最前線で働いている方の家族は、どんな思いで毎日を過ごしているのでしょうか。まさに、大事な家族を戦場に送っているような気持ちなのでは…と。それを思うと、自分が行動に気を付けることが、医療関係者の方々の負担軽減や安全に繋がるなら、それだけで頑張れる気がしました。

最前線でがんばっている方々の言葉の重さに対してマスコミの反応や、コメンテーターといわれる人の発言の軽さが際立ちます。いろいろ批判するのが仕事かもしれないけど、今、感染拡大を防ぐのに役に立つの?そんな仕事、今はいらない…と思って何だか苛立ちます。

繰り返される批判のひとつに、諸外国と比べてPCR検査の件数が少ないことがあります。しかし、今の日本のコロナ感染による重症者、死者の数の少なさからすると、これまでの検査のやり方には、それなりの合理性があったとまず認めるべきだと私は思います。もし、PCR検査の数が少ないために感染拡大が見えないところで進んでいたとしたら、重症者、死者の数が、こんなに低く抑えられているはずはありません。死者の数は明確なデーターです。

PCR検査をたくさんやって、たくさんの死者を出している国を日本も見習うべきというような発言は、意味がよくわかりません。水際対策が甘く、PCR検査の数も少なかった日本で、死者の数が圧倒的に少ない理由は、様々な要因があって、簡単には分析できないでしょうが、諸外国で感染者が多いのは、PCR検査の仕方そのものにも要因があるのでは…という感染症対策の経験があるドクターの発言が気になっています。外国のドライブスルー検査の様子や米国で検査を待つ人の行列を見て、あれでは、検査で感染者を生み出しているようなものだ…と。鼻に綿棒を入れて検体をとるという作業は、その作業をする側の人間に感染のリスクが高いし、流れ作業でするということは、その都度、手袋や防御服を替える訳じゃないので、次の被験者にうつしてしまう危険もあるというのです。ましてや、米国のように検査のために行列を作るなんで、感染者が確実にいる密接空間に長くいるようなものなので、そこで感染が広がってしまう…と。

さらに、PCR検査で正確な結果を出すということも大変なことなのだということが、下記の臨床検査技師の方の記事を読んでよくわかりました。

新型コロナウイルスのPCR検査が「偽陰性」となる原因は?

そもそもPCR検査というものがどういうものなのか、やっと理解できました。コメンテーターの方々は、これを知っているのでしょうか。日本は日本のやり方で、やっていけばいいのです。私は日本の最前線にいる専門家の方々の英知を信じます。

世界の2大医学雑誌に学ぶ、2週間後の状況改善のためにできること

新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ついに7都府県に緊急事態宣言も発出された日本。可能な限り早く感染拡大を抑えるには、このウイルスの特徴をしっかりと捉え、それに見合った対策を講じなければなりません。メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんは、世界の2大医学雑誌にヒントを求め、潜伏期間と体外での生存期間から、私たちが個人レベルでできる対策を改めて説きます。そして、個人の生活の有り様が2週間後の状況を左右するとし、自覚を促しています。

医学雑誌の中の新型コロナウイルスのこと

WHOがパンデミック宣言をする前、新型コロナウイルスの基本再生産数(=1人の患者が何人に感染させるかを予測する数値)即ちRo(アール・ゼロまたはアール・ノートと読む、因みにzeroとnoughtは同義)は1.4人から2.5人であった。

最も新しいデータにおいても一般Roは2人から3人であるからおおよそは想定の範囲内と言ってもいい。にもかかわらずWHOに対してこれほどの批判が集まるのは、この感染症が全世界の1人1人にとっての「我がこと」たり得る可能性を当初から強くは警告しなかったことへの非難もあろうが、それよりも東アジアの1都市の感染がこれほど早くイタリアに上陸するとも思わず、さらにこれほどの凄まじい勢いでヨーロッパ全土に拡がるとは想像もしていなかった欧州諸国の人々の動揺が反動的にWHOという組織に向けられたものと言った方が適当なような気もする。

WHOは飽くまで国連の下部組織であり、世界総合病院という訳ではない。最終的に自分の身を守るものは、自分の国であり、自分の自治体であり、自分のコミュニティーであり、自分の家族であり、自分自身である。ここのところを決して忘れないようにしたいものである。

最近はテレビなどでもたくさんの特集が組まれ、そういった番組内では専門家たちが口々にこのウイルスの手強さを指摘している。具体的に言えば、このウィルスのタフさは何と言っても時間的な多様性にある。その潜伏期間はWHOによると1日から12.5日である(最も多いケースは5・6日、つまり1週間程度)。

問題となるのは当然長い方だから2週間程度の経過観察は必要ということになる。逆に、12日間くらいは感染していても全く健康状態に問題のない人もいる訳だから知らず知らずのうちに多くの人を感染させる可能性もあるということである。これは飽くまで理論上のことだが、2週間一切の外出を禁止にしてその間新たに発症した患者を完全に捕捉できたなら、この感染は必ず終息に向かうということになる。Roが一気に1以下になるからだ。

ただこの方法は現実的にはかなり難しい。現代社会は2週間の空き家状態にはおよそ堪えられないからである。

緊急事態宣言も強制力なし。専門家が欲する台湾式リーダーシップ

4月7日、7都府県を対象に緊急事態宣言が発出され、対象地域の各知事は、外出自粛や施設の利用制限などを要請、指示できますが、いずれも強制力はなく罰則もありません。これでは無症状の感染者の外出は止まず、政府や各自治体が意図する封じ込めの実現に不安が残ると指摘するのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストで危機管理の専門家でもある小川和久さんです。小川さんは、ロシアと台湾のような強力なリーダーシップを発揮し、超法規措置も必要だと持論を述べています。

台湾とロシアのリーダーシップ

4月に入って、日本でも新型コロナウイルス感染症への対策が進み始めたようです。医療崩壊を防ぐために、症状のない人や軽症者について自宅療養やホテルへの隔離措置が打ち出されました。停滞する経済活動の中で困難に直面している人々、とりわけ生活困難者に対しては自己申告による30万円の支給が決まりました。一住所当たり2枚のガーゼマスクの配布には異論反論が続出しているようですが、ともかく日本なりに動き出してはいます。

しかし、懸念は残ります。自宅療養です。まず家族への感染が心配ですから、療養者用の個室があるかどうか確かめる必要があります。また、自宅療養になっても、出歩く人は跡を絶たないでしょう。それを阻止する方策はどのようにするのか。

ホテルを活用した隔離にはアパグループ(国内5万室以上)が名乗りを上げてくれました。オーナーの元谷外志雄氏の勇断は高く評価されるべきだと思います。日本財団も笹川陽平会長の号令のもと、船の科学館(東京)とつくば市の所有地に大型テントを展開し、1万人を収容する態勢を整えています。しかし、問題は政府です。勝手に出歩く人への取り組みは見えてきません。

どうしてこんなに後手後手なのでしょうか。それはリーダーシップの問題です。少なくともロシアのプーチン大統領や台湾の蔡英文総統の姿勢に見習う必要があると思います。

ロシアのプーチン大統領は2日、テレビを通じてロシア全土で経済活動を休日並みに抑制する「非労働日」の期間を今月末まで延長すると宣言しました。「やり過ぎと言われようとも、必要なことはやる!」

そして、国内対策を進めるとともに、クリミアの併合問題などでロシアに制裁を科している米国に対して、救いの手をさしのべたのです。米国に対しては、医療用のマスクや機材を積んだ大型輸送機が派遣されました。同様に経済制裁を続けている西欧諸国にも支援策を打ち出しています。

これは、プーチン大統領の「コロナ外交」とも呼ぶべき側面がありますが、非難される動きではなく、トランプ大統領も受け入れることになったのです。

現金の一律給付案に安倍首相「議員の収入は影響なし」発言が物議

安倍首相は7日、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を発令し、会見を行なった。「医療提供体制がひっ迫している地域が生じていることを踏まえれば、もはや時間の猶予はないとの結論に至った」として、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県の住民に対し、5月6日までの1カ月間外出自粛を要請した。

国民への「補償」は十分だと言えるのか?

会見では緊急経済対策についても言及。イベントなどの中止・延期要請、夜の街での自粛要請などによって影響が及ぶが、「損失はその業界に止まるものではない」として「個別に補償していくということではなく、困難な状況にある皆さんに現金給付を行ないたい」とした。また、収入が減少した世帯への現金30万円の給付について「自民党にも一律で給付すべきという議論があった」と明かした上で「本当に厳しく収入が減収した人たちに直接行き渡るようにしたいと考えた。なるべく早く補正予算案を通していただき、5月に直ちに出ていくようにしたい。今回スピードも重視した」と述べた。

昨日、弊サイトでも報じたが、現金給付の対象者となる世帯はあまりに少ない。支給の条件が厳しすぎるため、これでは必要としている人に行き渡らないのだ。安倍首相は「なるべく早く」「スピードも重視した」とした結果、「5月に出ていくようにしたい」と述べているが、申請手続きは複雑で時間がかかる。ちなみに年収約810万円以下の成人に1人約13万円、17歳以下の子どもには約5万4000円の現金給付を決定したアメリカは、本人がサインした小切手を銀行に持っていくだけですぐにでも換金できる。

安倍首相「国会議員の収入に影響ない」発言が物議

安倍首相は、一律給付について、東京新聞・中日新聞の後藤記者の質問に答える形で、

「例えば私たち国会議員もそうですが、公務員も今、この状況でも全然影響を受けていない、収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなのだという点も考えなければならないのだろうと思います」

と発言した。

国会議員や国家公務員には必要ないと思うのなら、まず対象者から除外すれば良いだけの話。アメリカでは先述の通り、給付対象者を「年収約810万円以下」と区切り、幅広い対象者を設定している。支給上限額を設け、所得で対象者を線引きし、給与が減った分を補償するだけでも救われる国民は増える。これほど容易なことであるのに、なぜ日本ではできないのか疑問が残る。この首相の発言について、ネット上では批判の声もあがっている。

※現時点での日本の対応については、政府の現金支給対象者に関する見解を示した下記サイトをご参照ください。

生活と雇用を守るための支援策(首相官邸)

おぎやはぎ矢作「払いたくないんでしょ」

俳優の坂上忍(52)は8日放送のフジテレビ系「バイキング」で「こういう時にこの程度の使い方しかしてくれないのかと落胆する人が多い。国難といいながら、我々から徴収したお金をこういう風に使うのか」と怒りをあらわにした。同番組に出演していたおぎやはぎの矢作兼(48)は「それぐらいにしか払いたくないんでしょ」と斬り、「違うところ(国)でできるのになんで日本でできない?」「出さないんだよな。親戚にもいるよな、ケチなやつ」と批判した。また、矢作の相方である小木博明(48)は「(自分が支給対象者となるのか)普通に見てわからない。こんなに難しいと、騙そうとする。今ごろ詐欺グループも会議してんじゃない?」と話した。

また、生活経済ジャーナリストの和泉昭子氏は「ドイツは給付金申請から3〜4日で振り込まれる」と明かし、「ありがたいと思った。普段税金払っていて良かったなと思ったと言っていた」とドイツ国民の声を紹介。政治評論家の有馬晴海氏は「がっかり」と述べ、安倍首相がリーマンショックの際に一律支給した際のデメリットを理由に一律支給をしないことについて「いいところだけ取ってやろうと思えばスピーディにできる」と批判した。

嵐も海老蔵も宮沢りえも…緊急事態宣言が与える芸能界への影響

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相は7日、改正特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を発出した。期間は5月6日までの1カ月間となり、対象となるのは東京都、神奈川、千葉、埼玉各県の首都圏と大阪府、兵庫県、福岡県の計7都府県。この緊急事態宣言の影響は、芸能界のビックイベントに与える影響も大きそうだ。

5月の嵐のコンサートはどうなる?

2020年末での活動休止を発表している嵐。東京オリンピックが延期されたことで、その動向が注目されているが、嵐が現時点で公表している唯一のコンサートが、5月15、16日に新国立競技場で行う予定の「アラフェス」。単独アーティストが同所で開催する初の公演となる。

安倍首相が語った説明では、緊急事態宣言の効力の期間は5月6日まで。言葉通り受け取れば、嵐のコンサートはそれ以降の日の開催となる。しかし、会場の約7万人だけでなく、外にもファンが大勢集まることが予想されるため、関係者は難しい判断を迫られそうだ。

また、この嵐のコンサートは、東京五輪・パラリンピック組織委員会から「開閉会式会場である新国立競技場のさまざまなオペレーションの確認を兼ねる」とされ、いわばオリンピック本番に向けたテストの意味合いも含まれている。とはいえ、緊急事態宣言の効力消滅のわずか一週間あまりということもあり、期間関係者らも慎重に検討を重ねているという。

市川海老蔵の團十郎襲名公演は中止

歌舞伎界も影響は深刻だ。すでに4、5月の地方公演を取りやめ、今月の公演も14日まで中止。松竹は16日から再開させるつもりだったという。そんな中、注目されていたのが、5~7月に東京・歌舞伎座で予定している「十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行」だ。

市川海老蔵(42)が十三代目市川團十郎白猿を襲名する一大イベント。團十郎という名跡は歌舞伎界にとってとても重い名跡だ。チケットの発売が12日と間近に迫っていたが、松竹は政府の緊急事態宣言の発令を受け、公演を延期すると発表した。

今年の歌舞伎界で最大の注目行事。海老蔵さんは7日に公式ブログを更新し、「新しい日程は決まり次第ご報告させていただきます。すべての方々の健康と安全を考え、止むなく延期とさせていただきます」と説明。「また舞台に立つその日まで日々精進を続けてまいります。皆様もくれぐれもお体を大切にしていただいてそして近い将来、劇場でお会いする事を願っています」と思いをつづった。