五輪とFIFA、「ふたつの裏金」に絡む電通のキーマン

招致を巡る裏金疑惑で、一部では開催自体を危ぶむ声も聞かれる東京オリンピック。日本の大手マスコミでは伝えられていませんが、海外メディアでは電通が大きな役割を果たしたと報じられています。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』の著者・新 恭さんは、かつてFIFAの汚職事件で4億円以上のカネがタックスヘイブンを通じて電通幹部に渡っていたという「事実」を取り上げつつ、今回の疑惑について電通が果たしたであろう役割、さらには「安倍政権と電通」の関係についても詳細に記しています。

五輪招致の黒幕・電通がひた隠しにするオフショア資金の流れ

東京オリンピック招致を日本はカネで買ったのだろうか。

コンサルタントと称しオフショア口座を利用する会社に2億3,000万円を振り込んだのは確かだ。これが、投票権を持つIOC(国際オリンピック委員会)委員への買収工作資金なのかどうか。

招致委員会の中核組織だったJOC(日本オリンピック委員会)の説明では、電通に太鼓判を押してもらったので契約を結び、コンサル料を支払ったと言う。

だが、どんなコンサルだったのか、その内容を明かさないのは、いかにもウソっぽい。電通がからんでいるならなおさら怪しい。FIFA国際サッカー連盟の汚職事件でも、電通は疑惑の渦中にいた。そして、疑惑の中心人物であった電通の元専務が、あろうことか東京五輪組織委員会の理事として名を連ねているのだ。

テレビの放映権や、スポンサー企業とのビジネス契約など、巨大利権をめぐってマネーが飛び交う国際スポーツ大会の舞台裏。昨年5月、スイスの司法当局がFIFAの幹部を汚職の容疑で逮捕したのは記憶に新しい。

事件は英国人ジャーナリスト、アンドリュー・ジェニングスの調査報道で明るみに出た。彼の著書『FIFA腐敗の全内幕』には、ブラッター会長が率いるFIFAの幹部たちにカネを貢いで利権をほしいままにしていたアディダス関連のスポーツマーケティング会社「ISL」のことが詳しく書かれているが、その中に電通に関する記述がある。

その金は世界最大規模の広告代理店である日本の電通からのものだった。その電通はワールドカップのもろもろの権利をISLから取得して、日本のメディアに売っていた。ISLの経営が2000年後半に傾いたとき、電通は東から西へとカネを送った。数日後、その金の一部がISLのオフショアアカウントから、同じルートで東側へキックバックされた。債権者は自分たちの金の返済を求めたが、400万スイスフランは、香港にあるとされるギルマーク・ホールディングスの口座にすでに送られていた。…レポーター、ジャン・フランソワ・タンダはーこの業界で信頼できる情報源を通じ、金が電通の専務、高橋治之に渡った事実を暴きだした。タンダも私も電通にコメントを求めたが、東京の巨大広告代理店は、質問に答えてくれなかった。

たかり体質がしみこんだFIFAの幹部たちへの賄賂攻勢でついに資金が尽き、倒産したISL社に対する裁判がスイスのツークで開かれ、電通からISLへの資金提供が明らかになった。しかもその資金の一部は当時の電通専務、高橋治之あてにオフショア口座を通じてキックバックされていたというのである。この不透明なカネの流れについて電通は何も語らず、いまだに闇の中である。高橋なら全てを知っているのではないか。電通を退職した高橋は現在、東京五輪組織委員会の理事としてあいかわらず国際スポーツの分野に身を置いている。

電通はなんともないのだろうか。日本円にして約4億4,000万円もの大金が裏ルートで還流し、かりに適正な処理が行われていないとなれば、脱税その他の不正行為が疑われても仕方がないだろう。東京五輪招致について買収疑惑が持ち上がっている今こそ、電通は公明正大というなら、それを証明すべきである。

どうしたニッポンのモノづくり。世界との差は二度と埋められないのか?

先日、ソニーが現在注目されている「人工知能(AI)」をアメリカのコジタイ社に資本参加し共同研究していくと発表しました。かつてはAIで世界のトップを走っていたソニーが、聞き慣れないベンチャー企業に資本参加する、という皮肉。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、ソニーのみならず日本の企業が抱える深刻な問題、そして日本のモノづくりの未来が論じられています。

時代遅れの日本のものづくり…復活のチャンスは?

今日は、「ニッポンのモノづくり復活はあるか?」。ソニーが5月18日付で人工知能AIに力を入れると発表。アメリカの人工知能の会社コジタイ社(Cogitai)に資本参加し、共同で研究を進めていくことになった。

先導からスタートアップへの出資

ソニーは人工知能研究を先導し、犬型ロボットのAIBO(アイボ)を1999年に発売した。AIBOのAI(アイ)は人工知能を意味している。AIBOは2006年に販売が中止となったが、それから10年後逆に人工知能に力を入れていくことになった。かつてトップだったソニーがアメリカのベンチャー企業に資本参加するというのは、非常に皮肉なことである。そして、この発表をしたのはかつてAIBOを手掛けた担当者であった…。

コジタイ社はほとんどなじみはなく、昨年9月にアメリカのカリフォルニアで創業した会社。創業メンバーには2007年に人工知能分野での最も栄誉ある賞の1つであるThe Computers and Thought Awardを受賞した方がいる。ソニーとの提携のきっかけは社長がAIBOのファンだった。AIBOにあこがれた人の会社にAIBOを作ったソニーが参入させてもらうという意味でもなんとなく皮肉な気がする。また、この10年で逆転現象が起こってしまったともいえる。

アメリカは戦略的にITを育成したが…

これは日本が見誤ったということの表れでもあるようにも思う。背景には蔓延したリストラ病、2005年にCEOに就任したストリンガー氏が推進したリストラの中に含むAIBO事業を撤退がある。

しかしながら、AIBO撤退後アメリカでは人工知能研究が隆盛。これはアメリカが戦略的にITを育成してきたことの表れでもある。アメリカでIT企業がいかに伸長したのかが時価総額の変遷に象徴されているので紹介したい。

数字で見る、消費税増税がどれだけ「日本に迷惑」をかけてきたか?

先日、安倍総理は消費税率10%への引き上げを2年半延期することを正式に発表しました。この決断を、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは「大絶賛」しています。本来消費税引き上げで捻出できるはずだった税収に関しては不安も残りますが、北野さんは「過去の消費税引き上げの大失敗から見ても、この選択は正しい」と断言しています。

消費増税、再延期はよいことか?

安倍総理、消費増税再延期を決断されたのですね。まことに、めでたいことです。昔からの読者さんはご存知ですが、RPEは、民主党時代から消費税増税に反対してきました。

2013年11月発売、『日本自立のためのプーチン最強講義』(集英社インターナショナル)から、転載してみましょう。

●消費税増税で日本経済はどうなる?

みなさんご存知のように、民主党の野田内閣は現在5%の消費税を、2014年4月から8%、15年10%まで引き上げることを決めました。その後の自民党・安倍政権も事実上これを踏襲しています。

ここまで読まれたみなさんは、この「消費税倍増計画」が、日本経済に落とされる「原爆」であることをご理解いただけるでしょう。

消費税が上がったら、みなさんどうします? そう、「買い物」(消費)をひかえますね? 消費が減ると、物をつくっても売れないので「生産」を減らします。物やサービスが売れなくなれば、企業の売り上げと利益は減り、「所得」が減ります。すると企業は、給料を減らしたり、リストラをするでしょう。そのために当然、個人の「所得」も減ります。所得が減るということは、手元に残るお金が減るということで、個人も企業もさらに「消費」と「投資」を減らすでしょう。

こうして、不景気のスパイラルはさらに加速度を増し、日本経済を奈落の底に突き落とすことになるのです。

野田さんは、「財政再建」を目指して、「不退転の決意」で消費税増税を目指していた。安倍政権も同じ。しかし、その意図とは正反対のことが起こる可能性が非常に高いのです。

図にしてみましょう。現状は、

消費減→生産減→所得減→(以下同じプロセスのくり返し)

ここで、「消費税引き上げ」が行われます。

消費減→生産減→所得減→【消費税引き上げ】→消費激減→生産激減→所得激減→(以下同じプロセスのくり返し)

はたして、これは私だけのファンタジーでしょうか? 大部分の人は、「減税したら税収が増える」ということを考えもしなかったでしょう。しかし、アメリカ、イギリス、ロシア等で過去にそういう事例があることを知れば、否定できなくなります。

なぜNYとシンガポールを歩くだけで「売れる広告」の法則が分かるのか

限られた予算の中で、絶大な効果を出す「広告」を作るには一体どうしたらいいのでしょうか?今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では、著者でコンサルタントの理央 周(めぐる)さんが、ニューヨークとシンガポールを歩いてわかった「売れる広告の作り方」について、マーケティング目線でわかりやすく解説しています。

海外に学ぶ広告の創り方~シンガポール編

一昨年のニューヨークに引き続き、昨年2月にシンガポール広告の視察をしてきました。

ボクにとって25年ぶりのシンガポールは、町の様子が大きく変わっていて、衝撃を受けました。

今号ではシンガポールとニューヨークを比較した広告の創り方」を紹介し、そこから発展させてマーケティング目線での広告媒体の選び方や、日本で成功した広告表現の事例をもとに、「売れる広告の創り方を解説していきます。

ファインカントリーの制約をクリアする 工夫を凝らした広告が印象的

シンガポールは人口約500万人で、人口密度が世界第3位。国家の面積が狭いので、家は上に伸びていって、高層マンションが多いのが特徴です。

シンガポールには「ガーデンシティ」と「ファインカントリー」というあだ名があります。「ガーデンシティ」というのは、読んで字のごとく「箱庭」という意味で、街中にも緑が多くとてもリラックスできる街並でした。空いている場所があったら、樹を植えなくてはいけないという条例があるそうです。

「ファイン」は「素晴らしい」(=I’m fine, thank you. のファイン)と「罰金」という2つの意味をかけています。

街なかでゴミを捨てるだけで罰金が取られるというのは有名な話ですよね。

一昨年の3月にニューヨークに行った時に大きな刺激を受けたので、今回のシンガポールでは、ニューヨークと似ているようで違う点を比較しながら、中小企業が広告を考える際のヒントについて説明したいと思います。

ニューヨークにはタイムズスクエアという、1日に何万人が訪れるかわからないくらいの賑わいを見せる有名な場所があります。広告主はできる限り多くの人に広告を見てもらうため、多くの人が見てくれそうな場所に広告を出したいと考えるので、タイムズスクエアのような場所では、広告がたくさんあって競争が激しくなるのです。だから、数限りなくある広告の中で自社が一番目立つように工夫します。

シンガポールも同じように人が多いのですが、「ファインカントリー」であるがゆえに規制が厳しくて、街に看板などの広告を出せる場所が少ない。だから限られた場所でいかに目立たせるかという工夫をするのです。このようにニューヨークとシンガポールはどちらも「工夫したい」という気持ちは同じですが、「なぜ工夫したいか、どうやって工夫すべきか」が違っていると思われます。

そこで「クロスメディア」「お客様価値」「広告表現」という3つの視点からシンガポールとアメリカの広告を見ていきたいと思います。

クロスメディア」とは、媒体を組み合わせると相乗効果が出る、という意味です。1つだけの媒体よりも、3つ4つの媒体を並行して出すと効果が倍増します。

次に「お客様価値」とは、プロダクト(製品やサービス)の価値だけではなく、お客様がその商品を使ったときに感じる価値のことを指します。最後に「広告表現」とは、お客様へのメッセージのこと。限られた場所のなかで他の広告より目立つためにどう工夫するかということです。

例えばアイスクリームの広告では、広告全面がアイスクリームでした。これはすごいシズル感食べたくなります。これを「広告表現」といいます。対照的に、もう1つは、笑顔の男の子と女の子のイラストが大きくて、アイスクリームは小さい。これは「食べる楽しさ」を表現しているのですね。お客様が本当に欲しいのはアイスクリーム自体ではなく、食べているときの楽しさでしょう。これは「お客様価値」に焦点を当てた広告だといえます。

シンガポールはすごくキレイな地下鉄が走っているのですが、ここにも広告があります。

日本の地下鉄の窓ガラスに貼ってある広告は真四角なものが多いのですが、少し変わった形のもので、女の子の左右が透明のフィルムになり、手の先だけ上にはみ出しているものがありました。

広告は四角でなければいけないという固定観念にとらわれない、非常にクリエイティブな「広告表現」だと思います。

スペースにクリエイティブさを感じる広告は他にもたくさんありました。例えば、ルイヴィトンとかプラダがある街角にて、人の形をしたオブジェが何体もあって非常に目を引いていました。

草津ならビジネス温泉?旅行雑誌の元編集長が激推しする宿とグルメ

元『旅行読売』編集長の飯塚玲児さんが、サラリーマン一人でも素泊まりしやすい温泉旅館を教えてくれる『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』のビジネス温泉コーナー。今回は群馬県草津温泉のビジネス温泉宿を紹介しています。オススメの地元グルメも満載、旅行に出かけたくなること間違いなしです!

<お宿 平の家(群馬県草津温泉)>

久々のビジネス温泉だ。 以前予告したが、2月にアパート契約に出かけた時に泊まった宿と、あちこち飲み歩いたお店をご紹介したい。

 まず泊まった宿だが、お宿 平の家という。

湯畑の目の前に立っていて、1階がおそば屋さん、その脇を通り抜けてホテルに入るというちょっとおもしろいアプローチである。

BBシステムの宿で、まさしくビジネス温泉としてはうってつけだ。

 お宿 平の家 画像

 (夜に撮影した宿の外観。 右のそば うどんの暖簾をくぐって宿へ)

 お風呂は白旗源泉かけ流しで、酸性含硫黄アルミニウム硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)、白濁、硫黄臭、レモン味。 pH2、源泉53.6度。

だが、浴槽は42くらいで適温になっている。

浴槽はこの種の宿としてはけっこう広い。 隣に立つ『湯畑草庵』にも泊まったことがあるが、風呂はこちらの方が断然良い。

まあ、草津だと共同湯に浸かる方が多いかもしれないけれど。 無料だから。

 朝食付きプランだと、朝はすいとんがつく。 が、僕はのんびり寝ていたいのでじゃらんから素泊まり和室10畳・喫煙を予約。 11800円+入湯税。

草津だけに少し高いが、立地と施設の充実ぶりを考えると、若いカップルにもお薦めできる宿である。

和室だけに腰の悪い僕がPCを使うのはなかなかしんどいが、部屋は広い。

 室内 写真

 (泊まった客室。 布団は到着時にすでに敷いてある)

 洗面台 写真

 (洗面台も清潔感があっていい感じだ)

 さて、お店の紹介をしたいのだが、この時は3泊しているのであちこちの店に行った。 そのうち今や行きつけになっている居酒屋『源氏』は、VOL.16で取り上げているので今回は省略。

分裂・合流を繰り返す英国と日本の政党…2016年は大変革の年か

イギリスと日本の類似点についてはたびたび指摘されている。John Finnemoreは、1910年の著書「Peeps at Many Lands: Japan」で、「イギリスがヨーロッパから離れた群島であるように、日本はアジアから離れた群島である。よって2つの国は強い海軍の伝統を持っている」と述べている。日本の茶道とイギリスのアフタヌーン・ティーには大きな違いがあるが、両国がお茶を愛していることを類似点に挙げる者もいる。5月の終わりに私はお茶を飲みながら、2国の政党がこれまで、特に党の結成と改革において、いかに似た道を辿ったのかについて考えていた。

1981年の3月26日、イギリスで当時野党だった労働党の幹部4人が離党し、新しく社会民主党を結成した。いわゆる「ギャング・オブ・フォー(4人組)」は、防衛政策や欧州政策をめぐる意見の違いが、離党・新党結成の理由だと説明した。同年、同党は総選挙で勝利するために野党の自由党と選挙連合を結んだ。結果、多くの国民からの支持を得ることに成功したが、長くは続かず、社会民主党は1990年に解散した。

それから35年後の日本で、民主党と維新の党の代表が3月末に、両党が合流して民進党を結成すると発表した。

こういった動きは日本では珍しいことではなく、新党の結成はよくある出来事だ。特に2009-2010年は、しばしば重要なポストに就いている有名な人物の例もあり、そのことがよくわかる。舛添要一氏は好例だ。彼は、自民党政府の厚生労働大臣として、改革クラブに合流し、党名を新党改革に変更した。興味深いことに、イギリスの4人組のうちの一人、デイヴィッド・オーウェン氏もまた労働党政府の保健大臣を務めていた。舛添氏は現在東京都知事であるが、その前任者の一人、石原慎太郎氏は、すばらしいネーミングの「たちあがれ日本」(後の太陽の党)の2010年の結党メンバーであった。石原氏は、所属政党を変えることについても経験豊富だ。

イギリス議会の庶民院(下院)では、与党が「スピーカー」(議長)の右側、政府のメンバーは野党と左側に陣取る。そのため下院議員が所属政党を変更することを、「クロッシング・ザ・フロア(議会のフロアを横切る)」と表現する。最も有名な例はウィンストン・チャーチルで、1900年に保守党下院議員になった4年後に自由党に移籍。しかし第一世界大戦後に保守党に復党した。つまり彼はフロアを一度横切り、後に再度横切ったのだ。近年でより知られている「裏切り者」は、2人の元保守党下院議員(マーク・レックレスとダグラス・カースウェル)で、両名は保守党を離党して欧州懐疑主義を掲げる右翼政党、イギリス独立党(UKIP)に加入している。

イギリスのEU参加をめぐり高まる不満を背景に、UKIPの人気も高まっているが、この比較的新しい政党の下院議員は2015年の下院総選挙で選ばれたカースウェルただ一人しかいない。件の選挙では、スコットランド国民党(SNP)が議席を6から56に急増させ第三党となり、獲得議席8の自由民主党を第四党に追いやるなど、議会の構成に非常に大きな変化が見られた。この結果は、選挙前まで(2010年から2015年)保守・自民連立政権(日本では自民党と公明党が連立しているのと同様)の構成党として政権の座に就きまたとない機会を得ていた自民党にとっては大きな打撃となった。現在では11の政党がイギリス議会には存在し、日本と同数になっている。

では、これらの過去のパターンはどのような形で将来繰り返されるのだろうか?そしてそれぞれの政治システムの間で類似点は見つかるのだろうか?

きっとこれから数ヶ月間はイギリスの保守党および労働党にとって非常に興味深い時期となるだろう。6月23日のイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票をめぐり、「Brexit(EU離脱)」派の出現により、特に保守党の間で、政治的な亀裂が生じつつある。EU離脱派のなかで代表的な一人が、前ロンドン市長であり、党の将来の有望なリーダーであるボリス・ジョンソン下院議員である。一方、野党はといえば、労働党もまた、左寄りのジェレミー・コービン下院議員を新しい党首に選出したことに伴う混乱の最中にある。同氏は、別の元ロンドン市長、ケン・リビングストンに同党の防衛政策の見直しを行なうよう命じているが、そのことも党を二分しそうだ。

日本では有力な東京都知事が現在の国内政治において重要な役割を果たしているが、イギリスでもロンドン市長について同じことが言える。そして1981年に防衛とEUに関する政策をめぐる意見の違いから4人組が新党を結成したように、35年後にこれら二つの地域でもう一度、システムの大きな変化があるかもしれない。これから数ヶ月は政治にとって非常に興味深い期間となるだろう。

結論として、また、両国が島国であることによる類似点からして、私はそれぞれの国内政治システムにおいて、離党や党内派閥によって分裂が引き起こされるだろうと信じている。それでも日英両国で、党への忠誠や提携によって政党がまとまることを望んでいる。

(ジェレミー・ヒル)

日英両国で過ごし、英国や海外での生活や経験をもとに執筆を行なう、セミリタイアした英国の外交官。英大手紙テレグラフ海外版の記事を執筆。(記事にある見解はヒル氏独自のものであり、氏の以前の勤務先の英国政府とは無関係)

 

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子供への早期教育はムダなばかりか逆効果―ワシントン大学の研究結果

子供のことを思うからこそ、早期教育に力を入れたい…そうお考えのご両親、ちょっと待って下さい。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』に、早期教育は効果がないどころか、逆に弊害が生じる可能性があるという研究結果が紹介されています。

しつけや早期教育は効果がないばかりか、逆に弊害!

北海道で、7歳の子供を「しつけ」のために山に置き去りにしたため、その子供が行方不明になっているというニュースが、大きく取り上げられています。確かに「しつけ」は重要だと思うのですが、なんとも複雑な思いです。

最近の少子化のためか、このような子供に対する「しつけ」に限らず、大切な子供に早期教育を行う例が増えています。私の家の近くの英会話教室があるのですが、日本語もままならない子供が母親に連れられて、英語の勉強をさせられているのを見かけます。

そこで今回は、子供に教育用のビデオを見せてもその効果があまりなく、逆に言語習得が遅れる可能性がある、というお話です。これは米国ワシントン大学のディミトリ・クリスタキス教授らが、小児科医学誌Journal of Pediatric 及びArchives of Pediatric and Adolescent Medicineに報告したものです。

Associations between Media Viewing and Language Development in Children Under Age 2 Years

研究では、1,000人以上の保護者から、乳幼児の早期教育の現状とその効果について、聞き取り方式で調査を行いました。それによりますと、全体の32%の人が、「英才教育」などと宣伝するビデオを、生後8カ月から1年4カ月の赤ちゃんに見せていたそうです。

ところが、そのようなビデオを1時間見せるごとに、見せない場合に比べて、赤ちゃんの習得言語数が6~8語少なくなっていることがわかりました。その結果から、この研究者らは、早期教育ビデオ番組は効果がなく、むしろ有害である可能性が強く、そのため逆に言語習得が遅れる恐れがあると、警告しています。

理由ははっきりしませんが、脳の発達が未熟な乳幼児に、無理やり学習させるのはよくないのかもしれません。子供の将来を考えた場合には、早期教育したくなる気持ちはよくわかるのですが、度を過ぎるのはいけません…。

image by: Shutterstock

 

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中村うさぎが人生経験から自信を持って回答する。「絶望を抜け出す」普遍的な方法

中村うさぎさんがいつも読者からの人生相談に乗ってくれるメルマガ『中村うさぎの死ぬまでに伝えたい話』。うさぎさんは先日あるトークイベントでの席上で、来場者から「絶望から抜け出す方法を教えて下さい」という質問を受け、即答できなかったとのこと。その後、うさぎさんが考えに考えて気づいた「絶望から抜け出す」普遍的な方法とは、一体何なのでしょうか?

絶望から抜け出す方法を教えてください

人生相談のお時間です。

先日、トークイベントの席上でのこと。
お客さんからの質問に答えるコーナーにて、「絶望から抜け出す方法を教えてください」という質問に、私は答えられませんでした
まずはその人が何故絶望しているのかわからなかったために、具体的に考えることができなかったのです。
大事な人をなくして絶望しているのか、信じていた人に裏切られて絶望しているのか、思い病気に罹って絶望しているのか……その「絶望」の種類によって回答も変わってきます。

イベントではそのように答えたのですが、せっかく質問してくれた人に満足に返せなかったことがとても心残りでした。
これを読んでくれているかどうかわからないけど、ごめんなさい。
咄嗟に何も思い浮かばなかった自分が情けないです。

で、家に帰ってその件についていろいろ考えました。
「絶望から抜け出す方法」なんてあるのだろうか?
それも、個別ではなく普遍的な方法が?

ひとつ思いついたのは、他ならぬ自分自身の言葉でした。
ずっと昔、まだ私がラノベ作家だった頃、自分の作品のあとがきか何かでこう書いたのです。
出口のないトンネルはないよ」と。
今は八方塞がりでどこにも出口がないように思ってても、絶対に出口はあるんだ。
だから心配しなくていい、と。

【革命だ】「偉大な小便器」のある男子トイレを発見!

男子トイレにありそうでなかった、偉大な小便器をTwitterユーザー・きうろくおじさん(@KL_LV834)が報告してくれている。

「これはすごい!」と言いたくなるトイレがこちら。

 

何と、小便器の上部に手洗い器がある画期的なシステムとなっている。

用が済んだ後、手洗い場まで移動しなくてもいいという素晴らしいシステムだ。

反応の声

 

 

 

 

 

面白いアイデアだ。

 

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

 

記事提供:ViRATES

 

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なぜスタバのコーヒーは高いのに売れるのか?行きたくなる仕組みの謎

「マーケティングって難しい…」そんな専門書片手に挫折しかけている人に朗報です! メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』の著者でコンサルタントの理央 周(めぐる)さんが、自身の経験、そして不動の人気を誇るスターバックスコーヒーの経営戦略から、最低限知っておきたいマーケティング「3つの掟」を非常にわかりやすく解説してくれました。

売ろうとするからなかなか売れない

アマゾン、マスターカード、フィリップモリス、ラッキーストライク……

私がこれらの企業やブランドの?中の人″として、25年間10社でマーケティングマネージャーブランドマネージャーとして仕事をしてきた中で1つ学んだことがあります。

それは、

売ろうとするとなかなか売れない

ということです。

マーケティングに従事していたのにおかしいじゃないか?と思われるかもしれません。

では、どうしたら売れるようになるのでしょうか?

それは、「売ろう!」という気持ちを、「売れるようにしよう」というマインド設定に変えていくことです。

言い方を変えると、売ろう=セリングSelling)を、お客様が「買ってくれる」ようにしようマーケティングMarketingと考え方を転換していくことになります。

マーケティングは難しい

みなさんはこの「マーケティング」をややこしく、難解なものだと思っていませんか?

私は根っからの『マーケティングおたく』で、フィリップモリス時代にアメリカのインディアナ大学(当時のランキング7位の名門校)にMBAを取得しに留学までしました。

この時は、企業派遣という制度も社内に無く、自費での留学でした。

現在は『コンサルタント』として経営者に、『講師』としてビジネス・パーソンに、「マーケティングは重要だけど同時に楽しくやれるものだ、ということを、すべてのメディアを使って伝えていく」ことを経営理念として活動しています。

セミナーの受講者は経営者や管理職の方が多いのですが、みなさん口をそろえて、

「マーケティングは大事だと思うけど、専門用語も多くてとっつきにくい」

「本を読んでみてもだいたい10ページくらいで嫌になってしまうのです」

とおっしゃいます。

しかし、複雑なマーケティング理論は、大企業のマーケティング部や大学の先生にまかせておいて、われわれビジネス・パーソンはもっと身近なところから始めていけばいい!と、常に伝えています。

ドラッカー先生が教えてくれた、「マーケティング」とは?

前号でも書いたように、ピーター・ドラッカー氏は著書の中で、

企業の使命は顧客の創造である」と言い、そのために必要なことは、「マーケティングとイノベーションである」と言っています。

イノベーションについては以降またお話しするとして、「マーケティング」をひとことで言うと「自然に売れる仕組みを創ることだ」とお話ししました。

では、どのようなことをすると、自然に売れていく仕組みが出来上がるのでしょうか?